JP6656592B2 - 波形表示装置 - Google Patents

Description

本発明は、プログラム制御用のプログラムパターン波形を表示する波形表示装置に関する。

時系列で得られる測定値を取り扱うペーパーレスレコーダ、波形測定器、測定データ管理装置等の装置は、一般に、測定値の波形を画面に表示する波形表示装置として動作することができる。波形表示装置は、時系列測定データを格納し、内蔵する表示装置あるいは外部に接続された表示装置に、測定値の波形を表示する。波形表示装置を用いることで、ユーザは、測定値の時間的変化を視覚的に把握することができる。

波形表示装置の中には、付加的機能としてプログラム制御機能を有しているものが実用化されている。プログラム制御機能を有する波形表示装置では、あらかじめユーザから制御対象への制御手順を定めたプログラムパターンの設定を受け付け、プログラムパターンに従った制御運転を行なうことができる。プログラムパターンでは、例えば、温度、電圧等の時間的な変化が、所定のフォーマットで定義される。

プログラム制御機能を有する波形表示装置では、設定されたプログラムパターンを示す波形と、プログラムパターンに従ったプログラム制御の結果得られた実測値の波形とを重畳して表示することが行なわれている。

図６は、実測波形とプログラムパターン波形との重畳画面例を示している。実測波形を
実線で示し、プログラムパターン波形を破線で示すものとする。また、時間軸は右方向ほ
ど新しい時間であるとする。

実測波形の最新データの位置はカーソルと呼ばれる時間軸に直交する直線で示される。このため、カーソル位置よりも前の波形領域は、過去の時間を示す過去時間領域となり、カーソル位置よりも後の波形領域は、プログラムパターンによって設定される目標値の今後の推移を示す未来時間領域となる。過去時間領域には、実測波形と過去のプログラムパターン波形の両方が表示され、未来時間領域には今後のプログラムパターン波形のみが表示される。

波形表示装置では、時間が推移するにしたがって波形が時間軸とともにスクロールするが、プログラムパターン波形を表示する波形表示装置では、従来、以下のような表示が行なわれている。すなわち、測定の開始直後では、図６（ａ）に示すように、実測値波形が左端から開始するが、実測値が少ないため、プログラムパターン波形のみを表示する未来時間領域が波形表示画面の大部分を占めている。その後、実測波形が時間の経過とともに右方向に伸びていく。これに伴い、カーソルは右方向に移動していき、過去時間領域の比率が増加していく。一方、プログラムパターン波形自体は変化しない。

図６（ｂ）に示すように、実測波形が右方向に伸びて、過去時間領域が、未来時間領域よりもある程度大きくなり、カーソルが所定の停止位置に達すると、カーソルの移動が停止する。カーソルの移動が停止した後は、図６（ｃ）に示すように、カーソル位置が固定され、時間の経過とともに実測波形とプログラムパターン波形とがカーソルを基準に左方向に移動していく。

特開２０１４−２１５０８１号公報

上述のように、従来のプログラムパターン波形を表示する波形表示装置は、測定開始からカーソルが実測波形の伸びとともに移動していき、停止位置まで達すると、その後は過去時間領域と未来時間領域の比率が固定される。

このような画一的な表示となっているため、ユーザが、例えば、表示されている時間範囲を超えて、実測波形を遡って観察したい場合や、プログラムパターン波形の将来的な推移を確認したい場合等に、波形表示範囲を簡易に変更することができず、波形表示範囲に関する操作性が十分でなかった。

そこで、本発明は、プログラム制御用のプログラムパターン波形を表示する波形表示装置において、波形表示範囲に関する操作性を向上させることを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明の波形表示装置は、プログラム制御用のプログラムパターン波形と、前記プログラム制御で得られた実測波形とを重畳し、過去時間領域と未来時間領域との区切りを示すカーソルを付して波形表示画面に表示する波形表示装置であって、前記波形表示画面の時間軸方向の前記カーソルの位置を設定するためのスクロール操作を受け付ける操作受付部と、前記スクロール操作に従って設定された前記カーソルの位置に基づいて、前記波形表示画面における前記過去時間領域と前記未来時間領域との表示割合を変更する表示制御部と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、プログラム制御用のプログラムパターン波形を表示する波形表示装置において、波形表示範囲に関する操作性を向上させることができる。

本実施形態に係る波形表示装置の構成を示すブロック図である。 波形表示装置における波形表示仮面の表示制御を説明するフローチャートである。 スクロール操作を行なわないときの波形表示画面を説明する図である。 スクロール操作を行なったときの波形表示画面を説明する図である。 カーソルを表示領域外に移動させた場合を説明する図である。 従来のプログラムパターン波形を表示する波形表示装置を説明する図である。

本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図１は、本実施形態に係る波形表示装置１００の構成を示すブロック図である。なお、本発明の波形表示装置は、ペーパーレスレコーダ、波形測定器、測定データ管理装置、波形表示ソフトウェアをインストールしたＰＣ等の種々の電子機器に適用することができる。

波形表示装置１００は、プログラム制御機能を有しており、本図に示すように、測定部
１１０、表示装置１２０、操作受付部１３０、表示制御部１４０、プログラムパターン設
定部１５０、プログラム制御部１６０、記憶部１７０を備えている。ただし、表示装置１
２０、操作受付部１３０は、波形表示装置１００の外部に接続するようにしてもよい。

測定部１１０は、センサ等から測定信号を入力し、ＡＤ変換等の所定の処理により測定データに変換する。測定を行なう外部機器から直接測定データを入力してもよい。

表示装置１２０は、液晶パネル等を備えており、波形表示画面を表示する。操作受付部１３０は、操作キー、マウス等の操作子を備えており、ユーザから操作を受け付ける。表示装置１２０と操作受付部１３０とを一体化してタッチパネルとして構成してもよい。

表示制御部１４０は、プログラム制御用のプログラムパターン波形と、プログラム制御で得られた測定データに基づく実測波形とを重畳し、過去時間領域と未来時間領域との区切りを示すカーソルを付して表示する波形表示画面を生成し、表示装置１２０に表示する。

プログラムパターン設定部１５０は、ユーザからプログラム制御用のプログラムパターンの設定を受け付ける。プログラム制御部１６０は、設定されたプログラムパターンに従ったプログラム制御を行なう。ただし、実際のプログラム制御は他の装置が行なうようにしてもよい。この場合、波形表示装置１００は、プログラム制御を行なう他の装置からプログラムパターンを取得する。

記憶部１７０は、測定データ格納部１７１、プログラムパターン格納部１７２、カーソル位置記録部１７３を備えている。測定データ格納部１７１は、測定部１１０が出力する時系列の測定値を所定のファイル形式で格納する。プログラムパターン格納部１７２は、プログラムパターン設定部１５０が設定を受け付けたプログラムパターンを格納する。カーソル位置記録部１７３は、波形表示画面におけるカーソル位置（時間軸座標）を記録する。

次に、本実施形態の波形表示装置１００における波形表示画面の表示制御処理について図２のフローチャートを参照して説明する。本処理は、プログラムパターン波形と実測波形とを重畳表示するものであり、表示制御部１４０の制御により行なわれる。

なお、波形表示に先立ち、ユーザによりプログラムパターンが設定されており、プログラムパターン格納部１７２に格納されているものとする。

表示制御部１４０は、プログラムパターン格納部１７２に格納されているプログラムパターンを取得する（Ｓ１０１）。プログラムパターンは、必要に応じて逐次参照するようにしてもよい。

また、カーソル位置記録部１７３に記録されているカーソル位置を取得する。ここで、カーソル位置は、波形表示画面における時間軸上の任意の位置とすることができる。そして、カーソル位置はユーザが任意のタイミングで自由に移動させることができる。これにより、過去時間領域と未来時間領域との表示割合を自由変更することができ、波形表示範囲に関する操作性が向上する。

カーソル位置は、例えば、従来のカーソル停止位置を初期位置とし、ユーザにより変更された後は、変更後の位置をカーソル位置記録部１７３に記録しておくようにする。

ただし、初期位置に復帰するためのボタンを操作受付部１３０に設けたり、所定時間経過後に初期位置に復帰するようにしてもよい。この場合、ユーザから初期位置復帰ボタンが操作された場合、あるいは、カーソル位置を変更してから所定時間経過後に、カーソル位置を初期位置に復帰させるようにする。

測定を開始すると、測定データ格納部１７１から実測値を逐次取得する（Ｓ１０３）。そして、カーソル位置記録部１７３に記録されているカーソル位置を基準に、実測波形とプログラムパターン波形とを描画して、表示装置１２０に表示する（Ｓ１０４）。

ユーザから波形表示画面のスクロール操作を受け付けると（Ｓ１０５：Ｙｅｓ）、スクロール方向とスクロール量とに基づいて、移動後のカーソル位置を設定し、カーソル位置記録部１７３に記録する（Ｓ１０６）。ここで、スクロール操作は、例えば、操作受付部１３０が備えるスクロールキーの操作、マウスドラッグ、タッチパネルに対するスワイプ操作等により受け付けることができる。

そして、移動後のカーソル位置を基準に、実測波形とプログラムパターン波形とを再描画して、表示装置１２０に表示する（Ｓ１０７）。

一方、ユーザから波形表示画面のスクロール操作を受け付けないとき（Ｓ１０５：Ｎｏ）には、カーソル位置を固定し、カーソルを移動させない。この結果、カーソルに対して波形が移動することになる。

波形表示装置１００は、（Ｓ１０３）以降の処理を、波形表示が終了する（Ｓ１０８：Ｙｅｓ）まで、所定の波形更新期間で繰り返す（Ｓ１０８）。

このような波形表示画面の表示制御処理を行なうため、例えば、図３（ａ）に示すように、従来のカーソル停止位置にカーソル位置が設定されている場合に、スクロール操作が行なわれないときは、図３（ｂ）、図３（ｃ）に示すように、測定の進行状況にかかわらずカーソル位置は固定され、カーソルに対して実測波形とプログラムパターン波形とが移動していくことになる。

一方、スクロール操作を受け付けたときは、図４（ａ）〜図４（ｃ）に示すように、スクロール方向とスクロール量とに応じて、カーソルを移動させ、過去時間領域と未来時間領域との比率を変化させる。図４（ｂ）は、過去時間領域の比率を小さくした例であり、図４（ｃ）は、過去時間領域の比率を大きくした例である。本実施形態の波形表示装置１００によれば、スクロール操作という感覚的な操作により、ユーザが着目したい範囲の波形を容易に表示させることができる。

なお、カーソル位置は、図５に示すように、波形表示領域外に移動させることもできる。この場合、カーソルは非表示となり、過去時間領域、未来時間領域のいずれか一方の時間領域のみが表示されることになり、過去時間、未来時間について任意の範囲の波形を波形表示画面に表示させることができる。

１００…波形表示装置
１１０…測定部
１２０…表示装置
１３０…操作受付部
１４０…表示制御部
１５０…プログラムパターン設定部
１６０…プログラム制御部
１７０…記憶部
１７１…測定データ格納部
１７２…プログラムパターン格納部
１７３…カーソル位置記録部

Claims (3)

1. あらかじめ制御対象への制御手段を定めた、プログラム制御用のプログラムパターンの波形と、
   前記プログラム制御で得られた実測波形と、を重畳し、
   過去の時間を示す過去時間領域と、前記プログラムパターンによって設定される目標値の今後の推移を示す未来時間領域と、の区切りを示すカーソルを付して波形表示画面に表示する波形表示装置であって、
   前記波形表示画面の時間軸方向の前記カーソルの位置を設定するためのスクロール操作を受け付ける操作受付部と、
   前記スクロール操作に従って設定された前記カーソルの位置に基づいて、前記波形表示画面における前記過去時間領域と前記未来時間領域との表示割合を変更する表示制御部と、
   を備える
   ことを特徴とする波形表示装置。
2. 前記操作受付部が所定の操作を受け付けると、
   前記表示制御部は、前記カーソルを所定の初期位置に移動させることを特徴とする請求項１に記載の波形表示装置。
3. 前記表示制御部は、前記スクロール操作によって前記カーソルが前記波形表示画面の過去時間側の外に移動した場合には、前記カーソルを非表示とし、前記未来時間領域のみを表示させることを特徴とする請求項１または２に記載された波形表示装置。