JP6615793B2 - 創傷治癒を促進するための薬剤 - Google Patents

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Description

本発明は調剤の分野に関し、また、白檀香を含む特別な化合物を有する創傷治癒を促進する薬剤に関する。
創傷治癒とは、傷口を塞ぎ、損傷した組織を最大限治癒するための、身体の内在的プロセスに関する。これは、傷が発生すると直後に起こる、生物上自然なプロセスであり、酵素組織化学方法によって実行される。傷口を閉じるために、傷口には血小板が送られる。時折、滲出(液体の流出)によって痂皮形成が起こり、創傷治癒に伴いかゆみが生じる。
創傷治癒は複数のフェーズに分割できる。最初に、破損した血管が血栓により閉じた後、巨視的または微視的に目視できる反応が無い。この第1潜伏期から滲出期に移動し、異質の物体および細菌が傷口から染み出る創傷分泌物によって洗い流される。この滲出期では、免疫系の細胞及びホルモンは重要な役割を果たし、傷口に侵入した細菌またはウイルスを殺菌するだけではなく、治癒プロセスそのものを促進する。血栓の形成において、フィブリンネットワークが形成され、傷口の隣接する端部を閉じる接着部としての役割を果たす。血清によって構成される透明な創傷分泌物は、炎症細胞と共に浸透する。この滲出期では、創傷部の有糸***が増加する。創傷部では、単球がマクロファージになり、細胞片及び栓を取り除く。傷口に浸透した結合組織細胞から発現し、傷の端部に存在し細胞***によって増殖する繊維芽細胞は、次のフェーズで実際の再構築を実行する。
次の造粒期において、傷口は新しい結合組織の増殖により次第に満たされる。傷口に修復のための細胞が流入すると同時に、フィブリンネットワークはプラスミンによって分解(線溶)される。毛細血管の成長によって、血管の数の増加などの血管新生化が行われる。繊維芽細胞はヘキソサミン含有の酸性ムコ多糖を生成し、これは結合組織の細胞外基礎物質としての機能を果たし、細胞内の準備段階を経由して、最終的な細胞外のコラーゲン結合組織繊維を形成する。これらの工程は非常に複雑であり、複数の増殖因子(サイトカイン)の影響を受ける。
再生期では、表面の上皮化によって傷口が閉じる。十分に肉芽組織が形成された傷口の1/3は収縮によって傷口が閉じ、残りの2/3は新生物形成又は上皮細胞の細胞***及び傷口の端部から中心部への線維素の移動によって傷口が閉じる。全ての表皮層の修復が事実上完了した後に、傷口の下の肉芽組織は次第にコラーゲン線維を形成する。瘢痕組織の強度の更なる増加は、保湿、固化及びコラーゲン繊維の配向性に依存する。組織の水分は減少し、初めに皮膚からわずかに突き出た傷口は、一般的には皮膚の下で収縮する。瘢痕組織の血管分布も同様に減少する。当初は赤い傷口も白色に変色する。
先行技術では、創傷治癒を促進する複数の薬学的な有効成分が開示されている。例としては、アミノチアゾール(欧州特許第0967980号)、アリールスルホアミノピランカルボン酸ヒドロキシミド(欧州特許第1070058号)、シアノアントラニルアミド(欧州特許第1387838号、特表2004−532281号公報)、アンチキモトリプシンポリペプチド(欧州特許第1392354号、特表2005−508137号公報)及びジピリジルジヒドロピラゾール(欧州特許第1877396号公報)である。上記の物質の反応メカニズムは全く異なる:薬効範囲は、増殖因子の分泌または特別なインターロイキン及びHIFプロリル4−ヒドロキシラーゼの抑止からインテグリン受容体拮抗薬の準備に及ぶ。
以下の文献も参照される。
0.001〜10%のレチノール、0.0001〜50%の環状脂肪族不飽和化合物(例えばBrahmanol)及び化粧品的に適切なキャリアを含むスキンケア製剤は、米国特許第5,759,556号に記載された事項である。これらの準備物は、乾癬の治癒に使用される。
国際公開第2008/068683号(特表2010−511037号)(フイルメニツヒ)は、抗菌キー成分、及び、場合により現在使用されている少なくとも1つのフレーバー付与成分(サンダロールまたはブラマノール)を含有するフレーバー付与組成物であって、抗菌キー成分は3,4−ジメチルフェノールと共に、1つ以上の抗菌フレーバー成分を含有し、以下から選択される2つ以上の菌種に対してそれぞれ1000ppm以下の最小抑制濃度を有する:フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium Nucleatum)、フソバクテリウムsp.(Fusobacteriumsp.)、プロフィロモナス・ギンギバリス(Porphyromonas Gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella Intermedia)、クレブシエラ・ニューモニエ(KlebsiellaPneumoniae)、ベイヨネラ・アルカレセンス(Veillonella Alcalescens)、バクテロイデス・メラニノゲニカス/ホルシタス(Bacteroides Melaninogenicus/forsythus)、セレノモナス・スプタゲナ(Selenomonas Sputagena)、プロフィロモナス・エンドドンタリス(PorphyromonasEndodontalis)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella Melaninogenica)及びストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus Mutans)。これらの準備物は歯周炎の治療に使用される。
国際公開第2009/153572号(Aberystwith大学)では、白檀抽出物またはサンダルウッドアナログ(サンダロールなど)を動物用飼料の添加物として使用し、反芻動物及び馬の消化器系における病原菌の増加を防ぐための使用が開示されている。
長きに渡り、白檀油は創傷治癒を助長する自然由来物質の1つと考えられてきた。この熱帯性白檀の木から蒸気蒸留によって抽出される製油は、多数の亜種があり、現在においてもその詳細は明らかにされていない。特に、製油の成分のうちのどれが、抗炎症性特性を有するのか、判明していない。ここで、製油が香水の原料として幅広く使用されていることにより、天然白檀油は非常に高価な供給原料となった。
従って、本発明の目的は白檀油の抗炎症性成分を特定し、特に創傷治癒を促進する薬剤を提供し、また創傷治癒と併せて細胞増殖を促すことにより、インターロイキンIL−1αの発現および分泌を促進する。活性種を特定することにより、これらの物質を合成する手法を提供し、天然資源の保護、多様性の保護に貢献に繋がる。
欧州特許第0967980号 欧州特許第1070058号 特表2004−532281号公報 特表2005−508137号公報 欧州特許第1877396号 米国特許第5,759,556号 特表2010−511037号公報 国際公開第2009/153572号
本発明は、以下の式(I)の誘導体を含む薬剤に関する
ここで、R1は、創傷治癒を促進させるための水素またはメチルである。
化学式(I)の誘導体は、好ましくは、サンダロール(Sandalore)(登録商標)(R1はメチル)またはブラマノール(Brahmanol)(登録商標)(R1は水素)など、白檀香を有する香料である。いずれの物質も市場で入手可能であり、これまで白檀香を有する香料としてのみ使用されている。
驚くべきことに、試験環境において、白檀油のいずれの既知の成分も、抗炎症性または創傷治癒を促進するとは認められなかった。代わりに、2つの合成物質であるサンダロール(登録商標)及びブラマノール(登録商標)は、白檀油の成分に構造的に非常に似ており、白檀のような香りであり、皮膚及び他の組織で発見されるOR2AT4の嗅覚受容体の唯一の拮抗薬として特定され、当該受容体を活性化する唯一のアゴニストである。カルシウムイメージング実験では、HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトのサンプルの80〜90%は、上記2つの物質に刺激され、カルシウム信号は顕著な刺激を示しており、例えば添加の都度、信号振幅の増加を示す。
受容体の活性化及びシグナルカスケードの惹起は、HaCaT細胞の増殖及び移動の増加を伴う。これは、リン酸化によって刺激されたMAPキナーゼp38及びERK1/2の2つの物質が、皮膚の創傷治癒に関連していたことを示す。生体外の傷口評価では、細胞が500μMのサンダロール(登録商標)またはブラマノール(登録商標)で治療された場合、傷口は、HaCaT細胞によって26%早く治癒し、ケラチノサイトによって34%早く治癒することが分かる。
最後に、2つの合成白檀香料を使用した結果、IL−1αの発現および分泌が増加し、ヒトケラチン細胞株の細胞分化におけるプロテインキナーゼAktが活性化することが確認された。
この発見で驚くべき点は、白檀油の成分を構成しない2つの合成物質が、本来は参考目的で試験されたことである。
しかし、現在の結果を元に、サンダロール(登録商標)及び/またはブラマノール(登録商標)の投与、好ましくは皮膚への局所投与は、主にOR2AT4受容体の活性及び細胞の増殖及び移動による創傷治癒を促進し、その後のMAPキナーゼのリン酸化を刺激し、IL−1αの分泌を増加する。
<薬剤>
本発明の薬剤は、通常は局所的に投与される。薬剤は、例えばローション、クリーム、エマルジョン、ゲル、軟膏またはスプレーの形態である。または、これらの調合物をパッチなどの対応するドレッシング物質に添加またはコートすることも可能である。
最終的な薬剤の組成に対する有効成分の濃度(例えば、有効成分と、薬剤的に信頼性が高いキャリア、任意の添加材)は、約0.001〜2重量%、好ましくは約0.01〜1重量%、好ましくは約0.1〜0.5重量%である。
薬剤はさらに典型的な助剤及び添加剤、刺激性の弱い界面活性剤、油成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂質、ワックス、レシチン、リン脂質、紫外線予防因子、軟化剤、生体活性成分、酸化防止剤、ヒドロトロープ、溶剤、防腐剤、香油、染料などを含んでもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤、例えば、アニオン性、非イオン性、カチオン性および/または両性もしくは双性イオン性の界面活性剤を含んでもよく、通常平均すると約1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%の界面活性剤の含有してもよい。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ−およびジアルキルスルホサクシネート、モノ−およびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびそれらの塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタルタラート、アシルグルタマートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸濃縮物(特に、小麦に基づく植物生成物)およびアルキル(エーテル)ホスファートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来型を示してもよいが、好ましくは狭い同族体分布を示しうる。非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルまたは混合ホルマール、任意に部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦に基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来型を示しうるが、好ましくは狭い同族体分布を示しうる。カチオン性界面活性剤の典型例は、第四級アンモニウム化合物、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドおよびエステル化第四級アンモニウム化合物、とりわけ第四級化脂肪酸トリアルカノアミンエステル塩などである。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインである。前述の界面活性剤の全ては既知の化合物である。特に好適な緩和界面活性剤、即ち、特に皮膚に適合する界面活性剤は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタマート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、両性アセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物、後者は好ましくは小麦タンパク質に基づくタンパク質脂肪酸縮合物である。
<油成分>
適した油成分例は、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖または分岐C〜C22の脂肪族アルコールとの直鎖C〜C22の脂肪酸のエステル、または直鎖または分岐C〜C22の脂肪族アルコールとの分岐C〜C13のカルボン酸のエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル、およびエルカ酸エルシルなどが含まれる。他の適した物質には、分枝アルコール、特に2−エチルヘキサノールとの直鎖のC〜C22の脂肪酸のエステル、直鎖または分岐のC〜C22の脂肪族アルコール、特にマレイン酸ジオクチルとのC18〜C38のアルキルヒドロキシカルボン酸のエステル、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオールなど)および/またはゲルベアルコールとの直鎖および/または分岐の脂肪酸のエステル、C〜C10の脂肪酸に基づくトリグリセリド、C〜C18の脂肪酸に基づく液状モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのC〜C22の脂肪族アルコールおよび/またはゲルベアルコールのエステル、直鎖または分岐の1〜22個の炭素原子を有するアルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのC〜C12のジカルボン酸のエステル、植物油、分岐した第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝のC〜C22の脂肪族アルコールカーボネート、例えば、炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)など、6〜18個、好ましくは8〜10個のC原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベカーボネート、直鎖および/または分岐のC〜C22のアルコールとの安息香酸のエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、アルキル基当たり6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝の、対称または非対称のジアルキルエーテル、例えば、ジカプリリルエーテル等(Cetiol(登録商標)OE)など、ポリオールとのエポキシド化された脂肪酸エステルの開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、シリコーン・メチコーン生成物など)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンなどが含まれる。
<乳化剤>
適した乳化剤は、例えば、以下の群から選択される非イオン性界面活性剤である。
・2〜30molの酸化エチレンおよび/または0〜5molの酸化プロピレンを8〜22個の炭素分子を有する直鎖脂肪族アルコールへ付加する生成物、12〜22個の炭素分子を有する脂肪酸へ付加する生成物、アルキル基において8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの付加生成物、およびアルキル基において8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミン;
・アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドおよびそのエトキシ化類似体;
・15〜60molの酸化エチレンのヒマシ油および/または水素化ヒマシ油への付加生成物;
・15〜60molの酸化エチレンのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物;
・グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を有する不飽和、直鎖または飽和、分枝状脂肪酸との、および/または、3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、およびそれらのエチレンオキシド1〜30モル付加物;
・ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5,000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和、直鎖または分枝状脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、およびそのエチレンオキシド1〜30モル付加物;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)との混合エステル;
・リン酸モノ−、ジ−およびトリアルキル−リン酸およびPEG−モノ−、ジ−およびトリアルキル−リン酸エステルおよびその塩);
・羊毛脂アルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび相当する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えばGoodrichのPemulenグレード(TR−1、TR−2)またはCognisのCosmedia(登録商標)SP;
・ポリアルキレングリコール、および;
・グリセロールカーボネート。
以下、好適な乳化剤の更なる詳細を示す:
<アルコキシル化>
脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはヒマシ油に、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンが添加された製品は周知であり、市販品で入手可能である。これらは、アルコキシル化度の平均が酸化エチレンの数および/または酸化プロピレンの数と添加反応との間の比率に対応する、添加反応に用いるホモログ混合物および基板である。酸化エチレンのグリセロールへの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステル及びジエステルは、化粧品調整物の脂質層増強剤として知られている。
<アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド>
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その製造および使用は、先行技術である。これらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシド成分に関しては、環状糖単位がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合しているモノグリコシドならびに好ましくは約8以下のオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適当である。オリゴマー化度は統計学的平均値を意味し、この値は、上記のような工業用製品に通常の同族体分布に基づく。
<部分グリセリド>
適した部分グリセリドの典型例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド及びこれらの技術的混合物であり、少量のトリグリセリドを依然として含み得る。前述の部分グリセリドに、1〜30、好ましくは5〜10モルのエチレンオキサイドの添加も好適である。
<ソルビタンエステル>
適したソルビタンエステルの例は、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、モノリシノール酸ソルビタン、セスキリシノール酸ソルビタン、ジリシノール酸ソルビタン、トリリシノール酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン、およびこれらの混合物である。前述のソルビタンエステルに、1〜30、好ましくは5〜10モルのエチレンオキサイドの添加も好適である。
<ポリグリセロールエステル>
適したなポリグリセロールエステルの典型例は、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレートDehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセロール−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4−イソステアレート(Isolan(登録商標)GI34)、ポリグリセリル−3−オレート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3−メチルグルコースジステアレート(TegoCare(登録商標)450)、ポリグリセリル−3−ミツロウ(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4−カプレート(Polyglycerol CaprateT2010/90)、ポリグリセリル−3−セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3−ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS32)およびポリグリセリルポリリシノレート(Admul(登録商標)WOL1403)、ポリグリセリルジメレートイソステアレートおよびこれらの混合物である。その他の好適なポリオールエステルの例は、トリメチルオールプロパンまたはペンタエリスリトールとラウリン酸、ヤシ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸その他とのモノ−、ジ−およびトリエステルであって、任意に1〜30モルのエチレンオキサイドと反応させたものである。
<アニオン性乳化剤>
典型的なアニオン性乳化剤は、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸等の脂肪族C12〜22脂肪酸、並びにアゼライン酸、セバシン酸などのC12〜22ジカルボン酸である。
<両性およびカチオン性乳化剤>
さらに、両性または両イオン性界面活性剤は、乳化剤としても使用され得る。両イオン性界面活性剤は、少なくとも1つの4級アンモニウム基と、少なくとも1つのカルボキシレートと、1つのスルホン酸基とを分子中に含む界面活性化合物である。特に適した両イオン性界面活性剤は、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート等、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピルーN,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、ならびにアルキル基およびアシル基中に8〜18個の炭素原子を含む2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート等の、いわゆるベタインである。特に好ましくは、CTFA名ではコカミドプロピルベタインとして知られている脂肪酸アミド誘導体である。両性界面活性剤もまた好適な乳化剤である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの−COOHまたは−SOH基を分子中に含み内塩を形成可能な界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロシキエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキル基中に8〜18個の炭素原子を含むアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12/18アシルサルコシンである。最後に、エステルクワット系、好ましくはメチル−四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩のカチオン系界面活性剤も乳化剤として使用できる。
<脂肪およびワックス>
脂肪の典型例はグリセリドであり、例えば、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる、固体または液体の植物または動物産物であり、適したワックスは、例えば、キャンデリラ蝋、カルナバワックス、和蝋、エスパルトワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ胚芽油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィンワックス、マイクロワックスなどの天然ワックス、例えば、モンタンエステルワックス、サソールワックス、水素化ホホバワックスなどの化学的に修飾されたワックス(ハードワックス);例えば、ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどの合成ワックスが含まれる。脂肪に加えて、例えば、レシチンおよびリン脂質などの脂肪様物質も添加剤として好適である。レシチンという用語は、当業者には、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって形成されるグリセロリン脂質として理解される。従って、レシチンは専門家の間でホスファチジルコリン(PC)とも呼ばれる。天然レシチンの例には、ホスファチジン酸とも呼ばれ、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体を構成するケファリンが含まれる。一方、一般的に脂肪として分類されるグリセロール(グリセロールホスフェート)とのリン酸のモノ−および好ましくはジエステルを意味すると通常理解される。さらに、スフィンゴシンまたはスフィンゴ脂質も適している。
<真珠光沢ワックス>
真珠光沢ワックスの例には、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の、任意にヒドロキシ置換したカルボン酸の6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテルおよび脂肪族カーボネート(合計24以上の炭素原子数を有する)、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子を有し2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物;ならびにそれらの混合物が含まれる。
<冷却材>
冷却材は、皮膚に冷却を与える化合物である。ルールとして、これらはメントール化合物であり、−基本物質のメントール自体に加えて−、メントール化合物は、例えば、メントールメチルエーテル、メントングリセリルアセタール(FEMAGRAS1 3807)、メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748)、メントールエチレングリコールカーボネート(FEMAGRAS 3805)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3806)、メンチル−N−エチルオキサメート、モノメチルサクシネート(FEMAGRAS 3810)、モノメンチルグルタマート(FEMA GRAS 4006)、メントキシ−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3784)、メントキシ−2−メチル−1,2−プロパンジオール(FEMAGRAS 3849)、メンタンカルボン酸エステルおよびアミドWS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30、及び上記の混合物から成る群より選択される。
1FEMAは「Flavor and ExtractsManufacturers Association」の略であり、GRASは「一般的に安全とみなされている(Generally Regarded As Safe)」と定義される。FEMAGRAS評価は、そのように示された物質は標準的な方法で試験され、毒性学的に安全とみなされていることを意味する。
物質の第1の重要な例は、コハク酸モノメンチル(FEMA GRAS 3810)である。コハク酸ならびに類似のグルタル酸モノメンチル(FEMAGRAS 4006)のいずれも、ジカルボン酸およびポリカルボン酸に基づくモノメンチルエステルの重要な例である
これらの物質の適用例は、例えば、国際公開第2003/043431号(Unilever)または欧州特許公開第1332772号(IFF)の文献中に記載されている。
本発明の意味する範囲内で好適なメントール化合物の次に重要な群は、メントールの炭酸エステルおよびポリオールを含み、例えば、グリコール、グリセロールまたは炭水化物、例えばメントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805=Frescolat(登録商標)MGC)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3784=Frescolat(登録商標)MPC)、メントール2−メチル−1,2−プロパンジオールカーボネート(FEMA GRAS 3849)または対応する糖誘導体である。メントール化合物乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748=Frescolat(登録商標)ML)および、特にメントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)または、Frescolat(登録商標)MAGの商品名で販売されているメントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)は、それぞれ、本発明の意味する範囲内で好ましい。これらの物質の中で、メントングリセリルアセタール/ケタールおよび乳酸メンチル、ならびにメントールエチレングリコールカーボネートまたはメントールプロピレングリコールカーボネートが特に有用であり、それぞれ、Frescolat(登録商標)MGA、Frescolat(登録商標)ML、Frescolat(登録商標)MGCおよびFrescolat(登録商標)MPCの商品名で販売されている。
1970年代には、C−C結合を3位に有するメントール化合物が初めて開発されており、これらの中のいくつかの例も、本発明の意味する範囲内で使用してよい。これらの物質は、一般に、WSタイプと称される。基本体はメントール誘導体であり、ここで、ヒドロキシル基がカルボキシル基に置き換えられる(WS−1)。他の全てのWSタイプがこの構造から誘導され、例えば本発明の意味する範囲内で好ましい種類は、WS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30である。
<コンシ染色シー調整剤及び増粘剤>
好適なコンシ染色シー調整剤の例としては、主に12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含む脂肪族アルコールまたは部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸が挙げられる。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または同じ鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。好適な増粘剤は、例えば、アエロジルグレード(親水性シリカ)、多糖、特にキサンタンガム、グアー、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、更に比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えば、Carbopol(登録商標)(Goodrich);Synthalens(登録商標)(Sigma);Keltolグレード(Kelco)、Sepigelグレード(Seppic)、Salcare(AlliedColloids)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン。例えばBentone(登録商標)、Gel VS−5PC(Rheox)等のシクロペンタシロキサンの混合物、字ステアディオニウムヘクトライト及びプロピレンカーボネート等のベントナイトも有効である。コンシ染色シー調整剤は同様に、エトキシル化脂肪酸グリセリドなどの界面活性剤、脂肪酸とペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパンなどのポリオールとのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートならびに塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの電解質も適している。
<過脂肪剤および安定剤>
過脂肪剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、更にポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミド(後者は、発泡安定剤としても働く)等から選択されて良い。脂肪酸の金属塩、例えばマグネシウム、アルミニウム及び/または亜鉛ステアレート及びリシノリエートも、安定剤として使用し得る。
<ポリマー>
適したカチオン性ポリマーは、具体的には、カチオン性セルロース誘導体、例えば、JR 400(登録商標)の商品名でAmercholより入手可能な第四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールおよびアミンの縮合製品、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸のジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、第四級化キトサンであり、任意に微結晶分散した形態、ジハロゲンアルキレン縮合生成物、例えば、ジブロモブタンのビス−ジアルキルアミン、例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなど、カチオン性グアーガム、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17またはJaguar(登録商標)C−16など、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などである。
適したアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーの例には、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそれらのエステル、未架橋ポリアクリル酸およびポリオールとの架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリルレート/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに任意に誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンが含まれる。
<シリコーン化合物>
適したシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびに室温で液状または樹脂状のいずれかであってもよい、アミノ、脂肪(fatty)−酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシドおよび/またはアルキル修飾シリコーン化合物である。他の適したシリコーン化合物は、200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長と水素化ケイ酸塩を有するジメチコーンの混合物であるシメチコンである。
<紫外線予防因子>
紫外線予防因子とは、例えば、室温で液体または結晶である有機物質(光保護フィルター)であり、紫外線を吸収でき、その後、熱などのより長い波長の放射の形で吸収したエネルギーを放出できる因子をいう。一般的に、紫外線防御因子は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜1重量%の量で含まれる。UVBフィルタは油溶性または水溶性であってもよい。油溶性物質の例は以下のように具体的に示すことができる。
・3−ベンジリデンカンファまたは3−ベンジリデンノルカンファおよびそれらの誘導体、例えば、3−(4−メチルベンジリデン)カンファ;
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
・桂皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、および2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、およびサリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、および2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;
・トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾンまたはジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)など;
・プロパン−1,3−ジオン、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
適切な水溶性物質には、以下の物質が含まれる:
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、アルカリアンモニウム、アルカノールアンモニウム、およびそのグルコアンモニウム塩;
・1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−二ナトリウム塩(NeoHeliopan(登録商標) AP)
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびそれらの塩。
UV−Aフィルタの典型例のうち、特に適しているのはベンゾイルメタンの誘導体、具体的には、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物などである。UV−AおよびUV−Bフィルタは混合物中でも使用しうる。特に好ましい組合せは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)および2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチル−ヘキシルエステル(オクトクリレン)と、桂皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸プロピルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステルとの組み合わせである。これらの組合せは、水溶性フィルタ、例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルコアンモニウム塩などとも有利に組み合わされる。
前述した可溶性物質に加えて、不溶性の光防御顔料、つまり、微細分散した金属酸化物またはそれらの塩もこの目的に適している。適した金属酸化物の例には、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、および鉄酸化物、ジルコニウムオキシド、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにそれらの混合物が含まれる。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛は塩として使用できる。酸化物および塩は、スキンケアの形態におけるスキンケアおよび皮膚保護エマルジョンならびに美容化粧品のための顔料の形態で使用される。この場合の平均粒径は100nm未満、好ましくは5〜50nmの間、特に好ましくは15〜30nmの間である。これらの粒子は球形の形態を有しうるが、楕円形または球形の形態から外れた粒子も使用できる。顔料は、親水化または疎水化などの表面処理がされていてもよい。典型的な例は、被覆された二酸化チタン、例えば、二酸化チタンT 805(Degussa)またはEusolex (登録商標) T2000、Eusolex (登録商標) T、Eusolex (登録商標) T−ECO、Eusolex(登録商標) T−S、Eusolex (登録商標) T−Aqua、Eusolex (登録商標) T−45D(すべてメルク社)、Uvinul Ti02(BASF社)などである。疎水性コーティング材料としては、シリコーンが好ましく、トリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンが特に好ましい。日焼け止め剤において、ミクロまたはナノ顔料と呼ばれる物質が好適に使用される。微粉化した酸化亜鉛、例えば、Z−COTE(登録商標)またはZ−COTEHP1(登録商標)などが最も好適に使用される。
<湿潤剤>
湿潤剤は、組成物の官能特性をさらに最適化し、皮膚の水分を調節するために使用される。同時に、本発明による調製物の冷却安定性は、特にエマルジョンの場合に、増加する。湿潤剤は通常0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは5〜10重量%の量で含まれる。
本発明による好適な湿潤剤の例は、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸およびその塩、ラクチトール、尿素および尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲン分解産物、キトサンまたはキトサン塩/誘導体、および特にポリオールおよびポリオール誘導体(例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール、例えば、PEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20など)、糖および糖誘導体(フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸、およびそれらの塩を含む)、エトキシ化ソルビトール(Sorbeth−6、Sorbeth−20、Sorbeth−30、Sorbeth−40)、蜂蜜および水素化蜂蜜、水素化デンプン加水分解物、ならびに水素化小麦タンパク質とPEG−20アセテートコポリマーの混合物である。本発明に従い湿潤剤として好ましいのは、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールおよびブチレングリコールである。
<生体活性成分および酸化防止剤>
生体活性成分とは、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物、例えば、サクラ属抽出物およびバンバラナッツ抽出物など、ならびにビタミン複合体を意味すると理解される。
酸化防止剤は、UV放射が皮膚を貫通するときに引き起こされる光化学反応連鎖を分断する。酸化防止剤の代表的な例としては、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、シ染色、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル及びこれらのグリセリルエステル)並びにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に少ない耐容可能用量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシ染色スルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン由来のコニフェリルベンゾアート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnS0)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)ならびに前記活性成分の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)が挙げられる。
<ヒドロトロープ>
流動性状の向上のため、ヒドロトロープ剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを用いてもよい。これらの物質は当初説明したキャリアに概ね対応する。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシ基を含有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で修飾することもできる。典型例は次の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の内的縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば40〜50wt.%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはサッカロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
<防腐剤>
好ましい防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、バラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびKosmetikverordnung(”CosmeticsDirective”)のパートAおよびBの付録6に記載の銀錯体である。香油、香料物質、香料およびフラグランス
香油としては、天然および合成香料の混合物が挙げられる。天然香料としては、例えば、花(例、ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン等)、茎および葉(例、ゼラニウム、パチョリ、プチグレン等)、果実(例、アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン等)、果皮(例、ベルガモット、レモン、オレンジ等)、根(例、ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ等)、木(例、マツ、白檀、グアヤク、シーダー、シタン等)、ハーブおよび草(例、タラゴン、レモングラス、セージ、タイム等)、針葉および枝(例、トウヒ、モミ、マツ、低木マツ等)、樹脂およびバルサム(例、ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス等)などの抽出物が挙げられる。動物性原料、例えばシベットおよびカストリウムを使用してもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型フラグランス化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、およびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含し、好適なケトンは例えば、イオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンであり、好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオルゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールであり、炭化水素は主として、テルペン類およびバルサム類を包含する。しかしながら、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。別の好適な鉱油としては、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油が挙げられる。好適な鉱油の例としては、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油が挙げられる。好ましくは以下を単独であるいは混合物として用いても良い:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルペンチルグリコレート、シクロバータル、ラバンジン油、クラリー油、ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール、イソ−イー−スーパー、フィクソリドNP、エベルニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート、イロチルおよびフロラメートなどの単独または混合物が挙げられる。
好ましい香料物質は、例えばペパーミント油、スペアミント油、アニシード油、スターアニス油、クミン油、ユーカリ油、フェネル油、レモン油、冬緑油、クローブ油、メントール等が挙げられる。
<染料>
好適な染料は、例えば刊行物“Kosmetische Faerbemittel”, Farbstoffkommissionder Deutschen Forschungsgemeinschaft, Verlag Chemie, Weinheim, 1984,81〜106ページに記載のような、化粧用に適当で承認された物質である。その例は、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インジゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダントレンブルーRS(C.I.69800)、およびマダーレーキ(C.I.58000)を包含する。蛍光染料としてルミノールも使用し得る。これらの染料は、全体の重量のうちの0.001〜0.1重量%の濃度である。
助剤及び添加剤は、組成物の全体量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。組成物は一般的な冷却及び加熱過程によって生成され、転相温度法に従って生成されることが好適である。
<スクリーニング方法>
本発明の更なる目的は、創傷治癒を促進する有効成分を特定する方法に関し
(a)嗅覚受容体OR2AT4を含むケラチノサイト培養物を準備し
(b)試験する有効成分を培養物に追加し
(c)細胞内カルシウム濃度の変化を特定する。
受容体が有効成分によって活性されると、有効成分は創傷治癒を助長または促進し、細胞内、好ましくはHaCaT細胞でのカルシウム分泌が増加する。これまでの投与と比較して、各有効成分の投与がカルシウム濃度の振幅を増加させる場合は、特にそうである。
<実施例>
<<異種発現システムにおけるOR2AT4の特徴>>
組織内での受容体の機能を明瞭にするために、リガンドを特定することが重要であり、受容体が神経システムで活性することを確認するべきである。殆どのORは、デオーファンされていない。この理由によって、ヒトケラチノサイトで発見されるOR2AT4は、最初に異種発現システムで明確に特徴化され、受容域が特定される。
<Hana3A細胞におけるOR2AT4の異種発現>
安定した内因性の嗅覚伝達ファクターを発現するHana3A細胞は、異種発現として使用され、特に細胞膜へのORの導入をターゲットにし、活性容積を改善させる。さらに、ロドプシン(Rho−Tag)の20の最初のN末端アミノ酸が、ORのコーディングシーケンスのN末端の前に追加され、異種発現をサポートする。
Hana3A細胞におけるOR2AT4の異種発現を検出するために、これらの細胞はリン酸カルシウム法で、受容体プラスミド(pcDNA3-OR2AT4)と48時間トランスフェクトされ、免疫細胞化学的染色はOR2AT4特性抗体(α−OR2AT4抗体)及びロドプシン特性抗体(α−Rho抗体)によって実現される。2つの抗体の明瞭な共染色は、α−OR2AT4抗体が特に受容体と結合し、Hana3A細胞での受容体の異種発現が可能となる。ORのコーディングシーケンスのN末端は、異種発現を支えるために付与される。Hana3A細胞におけるOR2AT4の異種発現を特定するためには、これらの細胞はリン酸カルシウム法で、受容体プラスミド(pcDNA3−OR2AT4)で48時間トランスフェクトされ、免疫細胞化学的な染色はOR2AT4特性抗体(α−OR2AT4抗体)及びロドプシン特性抗体(α−Rho抗体)によって実現される。2つの抗体の明瞭な共染色は、α−OR2AT4抗体が特に受容体と結合し、Hana3A細胞での受容体の異種発現が可能となる(図1、上部)。
これまで、α−OR2AT4抗体の非特異的結合は、他の異種発現できるOR、OR1A2で染色を制御することにより、排除することが可能であった。OR1A2でトランスフェクトされたHana3A細胞では、明らかなロドプシンの染色が受容体発現を表すが、α−OR2AT4抗体は特定できなかった(図1、下図)。更なる制御として、第2抗体の非特異的結合を排除するために、第1抗体を排除してHana3A細胞がインキュベーションされた。
<Hana3A細胞でのOR2AT4の膜発現>
細胞外リガンドがHana3A細胞で異種発現したOR2AT4に結合することを保証するために、前記の受容体は細胞膜に取り込まれる必要がある。異種系では、ORは非常に難しい発現しかできず、多くの場合、受容体を小胞体から細胞表面へ移動する際に欠陥を生じる。従って、デオーファンを実施する前に、受容体を膜に結合し、トランスフェクト率を決めることが重要である。この目的において、Zhang及びMatsunamiによる生細胞の染色(2008)が実施され、表面のタンパク質のみを選択的に着色し、細胞膜が透過されない。
組換えで発現するORのRhoタグのN末端を検知するα−Rho抗体は、染色に再度使用される。染色は、リン酸カルシウム法で48時間トランスフェクトした後、OR2AT4が膜に成功的に導入されたことを示す(図2a)。染色されたHana3A細胞(12細胞)の数と全体のセルカウント(1050細胞)とを比較すると、トランスフェクト率は約1.3%である(図2b)。
要約すると、現在の結果は、OR2AT4がHana3A細胞で膜結合型で発現し、受容体の受容野の特徴の要件が満たされる。
<組換発現したOR2AT4の受容野>
ルール大学ボーフムでの細胞生理学部によって確立されたデオーファン方法は、カルシウムイメージングであり、匂い物質によるORの活性化は、蛍光染料を使用してトランスフェクト細胞の細胞内カルシウム濃度の変化によって可視化される。(参考:Wetzel et al. in: J. Neurosci. 19, pp. 7426-7433 (1999); Spehr etal. in: Science 299, pp. 2054-2058 (2003); Neuhaus et al. in: J. Biol. Chem.284, pp. 16218-16225 (2009)]. この方法では、Hana3A細胞は匂い物質によって短時間(20秒)刺激され、Hana3A細胞で弱く発現したORの活性を確認するために、高濃度(最大1mM)の匂い物質スクリーニングに選択される。
<組換発現したOR2AT4の潜在的なアゴニストの調査>
サンダロール(登録商標)によるOR2AT4の活性は、まずはカルシウムイメージング方法で調査される。1mMのサンダロール(登録商標)の刺激により、OR2AT4で一過的にトランスフェクトされたHana3A細胞は特定のカルシウム信号を発信し、細胞は白檀香によって1度のみ活性される(図3a)。定量化において、Ringer制御に対するHana3A細胞の反応率の顕著な増加が見られ、白檀香による受容体の活性化が確認される。受容体は複数構造に関連する分子によって活性化されることが大半であり、OR2AT4は6種類の更なる合成白檀香(Brahmanol、Ebanol、isobornylcyclohexanol、Javanol、PolysantolおよびSandranol)及び天然の白檀油で刺激され、受容体の活性が確認される。この場合、Brahmanolのみがカルシウムイメージングに対する反応率の増加を示すが、増加は顕著ではない(図3b)。
トランスフェクトされていないHana3A細胞の制御計測を行うことにより、Hana3A細胞の直接活性による2つの白檀香の反応率が増加する可能性が排除された(図3b、右側)。
カルシウムイメージングの結果を精査し、OR2AT4の活性の容量依存を調査するために、二重ルシフェラーゼシステムによるデオーファンの更なる方法が使用された。この方法では、ORに追加して、2種類のルシフェラーゼがHana3A細胞に導入された。発現したORが芳香剤で活性化され、シグナルカスケードの更なる手順でcAMPが生成されると、CRE(cAMP反応要素)によって蛍ルシフェラーゼの発現が起こる。第2ルシフェラーゼであるRenillaルシフェラーゼは、トランスフェクションの制御及び細胞の存続の役割を果たす。2つのルシフェラーゼ値を計算することにより、芳香剤によるORの活性キャパシティが特定される。CREルシフェラーゼアッセイでは、ルシフェラーゼの発現を確保するために、芳香剤が細胞に4時間とどまる。芳香剤の長時間のインキュベーション時間及び96ウェルフォーマットで更に受容体を活性できる可能性により、この方法はカルシウムイメージングよりも繊細であり、用量反応関係の確立に適している。
CREルシフェラーゼアッセイでは、サンダロール(登録商標)及びブラマノール(登録商標)は、Hana3A細胞で発現した組換え受容体における、投与依存の活性を表す。しかし、受容体で顕著な効果を生成するために、ブラマノール(登録商標)の濃度(75μΜ以上)はサンダロール(登録商標)の濃度(25μΜ以上)よりも高いことを要した(図3c)。一方、白檀香としてSandranol(登録商標)を使用した場合において、調査した濃度(50μΜ以下)では反応を示さなかった(図3c)。
芳香剤によるルシフェラーゼアッセイでの4時間のインキュベーションは、一定の濃度からHana3A細胞に毒性効果を与えるため、高くない芳香剤濃度(サンダロール(登録商標)は50μM以下、ブラマノール(登録商標)は100μM以下、Sandranol(登録商標)は50μM以下)が用いられ、完全な用量反応曲線を作ることはできない。この毒性は、特にコントロールリポーターであるRenillaルシフェラーゼの値の減少により顕在化した。この理由により、評価においては、均一に高いRenillaシグナルの値のみがが使用された(Zhuang and Matsunami,2008)。Javanolの白檀香、Polysantol、イソボロニルシクロヘキサノール及びビャクダン油では、使用し得る最も高い濃度は10〜25μMであった。しかし、この濃度ではOR2AT4の活性の増加は確認されなかった。
<組換え発現したOR2AT4の潜在的な拮抗薬の調査>
芳香剤は受容体を活性するのみならず、ORの拮抗薬としての働きも有する。カルシウムイメージング技術を使用し、サンダロール(登録商標)との同時適用において、オキシフェニロン(登録商標)及びPheniratの芳香剤は、サンダロール(登録商標)誘発されたカルシウムシグナルを顕著に低下させる拮抗薬として特定された(割合は1:1、1mMである)。同時適用において、サンダロール(登録商標)誘発されたカルシウムシグナルに影響を与えないジメトール芳香剤は、コントロールのために使用された。ジメトール、フェニラト(Phenirat)(登録商標)及びオキシフェニロン(Oxyphenylon)(登録商標)単独では、Hana3A細胞に影響を与えない。
総括すると、異種性で発現したOR2AT4に対し、サンダロール(登録商標)及びブラマノール(登録商標)はアゴニストであり、オキシフェニロン(登録商標)及びフェニラト(登録商標)は拮抗薬であった。OR2AT4の受容野及び調査された芳香剤の構造式は、図5でグラフ的に表示されている。
<ヒトケラチン細胞株でのOR2AT4の発現の特定>
RT−PCT分析は、様々な人体の皮膚の細胞型及び組織でのOR2AT4の異所的発現を特定するために実行された。追加して、ヒトケラチン細胞株でのOR2AT4の発現分析は、免疫細胞化学的染色で補足された。
<RT−PCRによるヒト皮膚細胞及び組織内でのOR2AT4の発現>
トランスクリプトレベルでOR2AT4を検知するために、様々な皮膚の細胞型及び皮膚の生体組織のRNAが分離され、RT−PCRが実行された。OR2AT4のトランスクリプトは、様々な分離ステージの人体の初代ケラチノサイト、HaCaT細胞及び皮膚の生体組織(全層皮膚)で検出された(図6)。人体皮膚はケラチノサイトの主な成分に加え、結合組織、ピグメント及び免疫細胞等の細胞を含むので、これらの細胞型は受容体の発現を確認するためにRT−PCRで個別に調査された。樹状細胞およびメラノサイトもOR2AT4を発現した。一方、脂肪細胞または繊維芽細胞では、受容体の発現は確認されなかった(図6、中央図)。
受容体が皮膚で独占的に発現しているかを確認するために、様々な人体組織のRNAサンプル(脳、胸、結腸、肝臓、肺、卵巣)がさらなるRT−PCA分析に使用された。結果としては、OR2AT4は皮膚で独占的に発現しておらず、脳、肝臓、卵巣でも発現することが判明した。一方、胸、大腸、肺では、トランスクリプトは検出されなかった(図6、下図)。十分に分離または分解されていないRNAによってPCR生成物が検出されない可能性を排除するために、全てのサンプルにβ−アクチン制御を実行してRNAの質を確認し、この制御が全てのRNAサンプルで確かであることが判明した(図6)。
<免疫細胞化学でのヒトケラチン細胞株におけるOR2AT4発現の検出>
タンパク質のレベルでOR2AT4の発現を検出するために、自己生成したα−OR2AT4抗体で免疫細胞化学的染色が実行された。抗体の特定性は、Hana3A細胞で一過的にトランスフェクトされたOR2AT4で調査された。α−OR2AT4抗体の使用において、HaCaT細胞及びケラチノサイトのクリアな染色は共焦点免疫蛍光画像で目視された(図7a)。
抗体から皮膚細胞への非特異的結合を排除するために、遮断ペプチドが使用された。このペプチドはα−OR2AT4抗体を遮断し、結合サイトへの付着が不可能となる。遮断ペプチドを使用することにより、細胞核及び細胞核の周辺でのわずかな染色が目視された(図7b)。さらなる制御として、第2抗体の非特異的結合を排除するために、第1抗体を除いて細胞をインキュベーションした(データは表示されていない)。従って、α−OR2AT4抗体の培養は特定的であり、ヒトケラチノサイトにて、タンパク質レベルでの受容体の発現が確認された。
培養されたケラチノサイトに加えて、人体皮膚におけるOR2AT4のタンパク質の発現が調査された。この目的において、皮膚の一部がα−OR2AT4抗体で染色された。上皮ケラチノサイトでの受容体の明確な発現は染色で確認でき(図8a、上部)、基礎的なケラチノサイトは最も強い抗体結合を示している(図8a、断面図)。上皮の下の真皮では、特定の染色を示していなかった。また、第1抗体がウサギ血清と置換されたコントロール染色でも、特定の染色が確認されなかった(図8b)。
<ヒトケラチノサイトでサンダロール(登録商標)誘発されたカルシウムシグナルの特徴>
皮膚細胞でのOR2AT4の生理学的機能を特徴化するために、人体で培養されたケラチノサイトで、リガンドで特定されたサンダロール(登録商標)及びブラマノール(登録商標)の受容体の活性容量を調査することが重要である。この調査では、リガンドサンダロール(登録商標)に焦点を置いた。
カルシウムイメージング試験では、80〜90%のHaCaT細胞及び初代ケラチノサイトがサンダロール(登録商標)で繰り返し刺激され、サンダロール誘発カルシウムシグナルは顕著な感作を有し、例えば適用時にシグナル振幅の増加が見られた(図9a、9b)。
最初の適用時の振幅の更なる詳細な調査では、サンダロール(登録商標)によるHaCaT細胞の投与依存活性を示し、100μΜから約2mMで飽和を示した(図9c)。4番目の適用時では、飽和は約500μΜで起こった(図9d)。最初の適用時でのサンダロール(登録商標)のECR50R値は430μΜであり、4番目の適用時では112μΜであった。
<サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの増感の調査>
サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルでは、刺激の繰り返しによる振幅の増加が特徴的である(図9)。ケラチノサイトがATP又はCa2+のような分子をやり取りする細胞−細胞チャネル(ギャップ結合)の役割を調査するために、この感作メカニズムでは、2つのギャップ結合ブロッカーである1−オクタノール及びカルベノキソロンが使用された。
ケラチノサイト又はHaCaT細胞と1−オクタノールのブロッカとによるプレインキュベーションの後、カルシウムイメージングにおいて、サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの向上が特定された(図10a)。結果を数値化すると、1−オクタノールと併せてサンダロール(登録商標)誘発された最初の振幅は、HaCaTでは約400%の割合で増加し(図10b)、ケラチノサイトでは約1000%の割合で増加した(図10c)。コントロール計測と比較して、繰り返されるサンダロール(登録商標)の刺激では、その後のカルシウムシグナルが継続して低下した。第2ギャップ結合ブロッカーとしてカルベノオキソロンを使用した場合も、同様の結果であった(図10b)。
ギャップ結合のブロッキングによって非特異的影響が生じた可能性を排除するために、カルベノオキソロンでのプレインキュベーションの後、皮膚細胞でのカルシウムシグナルを誘発する芳香剤であるリラールによって活性化された。リラールで誘発された反応パターンの効果は見られなかった(図10b)。
<サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの薬理的特徴>
HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトでのサンダロール(登録商標)誘発シグナルカスケードは、カルシウムイメージング技術及び特定のシグナルカスケードタンパク質のブロッカーによって薬理的に特徴化された。まず、カルシウムシグナルが、細胞外空間でのカルシウム流動によって発生しているかを確認するための調査を行った。この目的において、カルシウムを含まない細胞外の溶液は、カルシウムキレート剤(EGTA)を添加した状態で使用された。カルシウムを含まない溶液の存在において、サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルが顕著に低下した(図11a、11e)。アデニリルシクラーゼの役割を調査するために、特定のブロッカーであるSQ−22536及びMDL−12330Aが使用された。この場合においても、対応するブロッカーの存在の下、サンダロール誘発カルシウムシグナルの顕著な低下が確認された(図11b、11e)。一方、PLCブロッカーU−73122は、サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルに対する影響を示さないため、ホスフォリパーゼCの使用が排除された(図11c、11e)。この場合、ブロッカーの効能はPLCシグナル通路を活性させたヒスタミンで試験された(図11c)。
外部から皮膚細胞のサイトゾルに流れるカルシウムイオンのカルシウムチャンネルを特定するために、CNGチャネルブロッカのL−シス−ジルチアゼムが使用された。この物質も、サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルを著しく低下させた(図11d、11e)。カルシウムイメージング技術によって薬理的特徴のデータを確認するために、追加的なcAMPアッセイが実行された。この目的において、様々なサンダロール(登録商標)濃度によりHaCaT細胞が刺激され、cAMPの含有量が特定された。結果としては、EC50値が197μΜであるサンダロール(登録商標)において、投与依存のcAMPが増加した(図11f)。
総括すると、CNGチャネルの関与を伴うcAMP依存のシグナル通路は、HaCaT細胞のサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナル及び初代ケラチノサイトによって達成された。
<嗅覚のシグナルカスケード成分と構造的に関連するタンパク質の発現>
精細胞及び腎臓では、ORの機能的な異所性発現に加え、嗅覚的Gタンパク質(Gαolf)及びアデニリルシクラーゼ3(AC3)のサブユニット等の嗅覚的シグナルカスケードが検出された。ORの異所性発現に加え、研究では様々な組織における嗅覚的なシグナルカスケードの成分の分布が広範囲で確認された。この調査では、ケラチノサイトで発現し、嗅覚的シグナルカスケードに関与したシグナルカスケードタンパクの概観が、トランスクリプトーム解析(次世代シーケンス、NGS)で取得された。
<トランスクリプト水準での嗅覚的なシグナルカスケード成分と構造的に関連するタンパクの発現>
シグナルカスケードタンパクを調査するために、初代ケラチノサイトのNGSデータが評価された。Gαolf、AC3、CNGA2及びTMEM16B等の、嗅覚シグナルカスケードで発生する成分に加え、さらに構造的に関連するシグナルカスケードタンパクが調査された。初代ケラチノサイトのトランスクリプトームデータを評価することにより、Gαolf(FPKM=3.6)及びAC3(FPKM=2.1)のサブユニットの発現が確認され得る。発現の範囲は、刺激性のG−タンパクGαs(FPKM=69.2)またはAC6(FPKM=14.1)のサブユニット等の関連するタンパクに比べると小さい。
さらにケラチノサイトでは、CNGチャネルのサブユニットCNGA1(FPKM=2.2)のトランスクリプト及び塩素チャネル族のTMEM16の10のうち7が検出された(図12a)。NGSデータを確認するために、初代ケラチノサイト及びHaCaT細胞を使用してRT−PCR実験が行われた(図12b)。Gαolf及びAC3の発現は両方の細胞型で確認された。さらに、初代ケラチノサイト及びHaCaT細胞の双方において、塩素チャネルTMEM16H、TMEM16J、TMEM16F、TMEM16K及びCNGA1サブユニットの発現が検出された。ここで使用されるNGSデータは低いシーケンス深さを示しており(=18 million reads)、この方法では発現が低い遺伝子は検出されない。この理由により、NGSデータに基づいて発現しない遺伝子も、RT−PCRで調査された。この場合、CNGA1のサブユニットに加えて、CNGB1のサブユニットがHaCaT細胞及びケラチノサイトで発現した。
<タンパク質レベルにおける構造的に関連するタンパクの成分及び嗅覚的なシグナルカスケードの発現>
RT−PCR実験に加えて、嗅覚的シグナルカスケードGαolf、RAC3及びCNGA1の成分を検出するための免疫細胞化学的染色が、HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトで用意された。両方の細胞型において、免疫細胞化学的染色でGαolf、AC3及びCNGA1の明確な発現が目視できた(図13a)。Gαolf及びAC3染色では、サイトゾルがある場所に加えて、細胞核の明確な染色が認められた。第1抗体を有しないタンパクは、第2抗体の非特異的結合を示さないコントロールとして使用された。
培養されたケラチノサイトに加え、Gαolfの検出は、皮膚の一部に対する免疫細胞化学的染色によって事前に行われた。上記のデータを揃えるために、人体の皮膚部はα−AC3抗体で染色された。これによって、上皮ケラチノサイトではAC3の強い発現が認められた。第1抗体がウサギ血清と置換されたコントロール染色は、特定の染色が確認されなかった(図13b)。
<ヒトケラチノサイトにおけるサンダロール誘発カルシウムシグナルでのOR2AT4の役割>
ヒトケラチノサイトはOR2AT4受容体を発現し、リガンド サンダロール(登録商標)で刺激することにより、カルシウムシグナルを示した。
サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルが他の受容体またはメカニズムではなく、OR2AT4で移動したことを調査するために、上述の拮抗薬のOR2AT4を試験し、RNA干渉試験を実施した。
<RNA干渉試験>
RNA干渉試験では、干渉が小さいRNA(siRNA)が細胞に導入され、siRNAの補足的な1T2T、1T2Tヌクレオチドシーケンスを有するmRNAが分解され、対応するコード化された1T2T、1Tたんぱく1T,例えば1T2Tがその後合成されない。ここで実行されるRNA干渉試験では、OR2AT4に対抗する2つの自己生成したsiRNAが使用された。この手法が成功した場合、OR2AT4のmRNAが分解し、機能性の受容体たんぱくが転写されず、結果としてはサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルが減少した。
非特異的影響を排除するために、細胞に対する影響が無いと考えられる、2つのコントロールsiRNA(scRNA)が使用された。まず、2つの自己生成したsiRNAがOR2AT4のトランスクリプトの劣化を成功的に引き起こすかどうかを判定するために、Hana3A細胞を使用した対照実験が行われた。この目的において、Hana3A細胞には、特別なルシフェラーゼ−及びOR2AT4発現したレポータープラスミド(pmirGLO−OR2AT4)及び対応するsiRNA又はscRNAが同時導入された。siRNAによってOR2AT4のmRNAが劣化すると、ルシフェラーゼ及びOR2AT4のmRNAの溶解によって破壊され、結果として蛍光シグナルが低下した。
結果では、発光シグナルの著しい低下が明確に表すように、2つのsiRNA異性体は、OR2AT4のトランスクリプトの劣化を引き起こしたことを示した。2つのscRNAは全く影響を与えなかった(図14a)。成功的なノックダウン試験の要件は満たされ、HaCaTの機能試験を行うことが可能となった。まず、OR2AT4の発現が、HaCaT細胞のsiRNAでも低下するかどうかが調査された。この目的において、HaCaT細胞は2つのsiRNA又はscRNAの混合物で2日間トランスフェクトされ、OR2AT4抗体が使用された免疫細胞化学的染色が行われた。scRNAのsiRNAを成功的に使用したHaCaT細胞はGFPで特定され、これはpGeneClipベクターでも発現した。α−OR2AT4抗体の比較によれば、siRNA又はscRNA発現細胞は抗体の染色を表し、siRNAの使用においてOR2AT4の発現は著しく低下するため、siRNAはHaCaT細胞でも機能することが判明した(図14b)。
OR2AT4がサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルでの役割を果たすかを特定するにあたり、HaCaT細胞は、カルシウムイメージング実験で使用される、2種類のRNA、siRNA又はscRNAの混合物(図14c)で2日間トランスフェクトされた。測定において、GFPの同時発現により、siRNA又はscRNAと非発現細胞とを区別することが可能であった(図14d)。トランスフェクトされた細胞はサンダロール(登録商標)で繰り返し刺激され、カルシウムシグナルの振幅が計算された。siRNAでトランスフェクトされたHaCaT細胞は、サンダロール(登録商標)を適用する3つ全ての使用において、scRNA発現細胞と比較して、顕著なサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの低下を示した(図14e、14f)。
<ヒトケラチノサイトにおけるサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルへの拮抗薬の効能>
拮抗薬としては、特定のリガンドによる受容体の活性も確認でき、異種システム及び在来細胞でのリガンド誘発されたカルシウムシグナルは、同じ受容体の活性を示すように認識できる。上述の通り、フェニラト(登録商標)及びオキシフェニロン(登録商標)は、同時適用における異種系においてサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルを阻害するOR2AT4の拮抗薬として特定される。ジメトールは、サンダロール(登録商標)との同時使用において阻害効果を示さず、コントロールとして使用された。従って、2つの拮抗薬は、OR2AT4の関与を調査するために、HaCaT細胞でのサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの潜在的な阻害を確認するために試験された。
拮抗薬を特徴化するために、最初にHaCaT細胞をサンダロール(登録商標)(1mM)で繰り返し刺激した。第3適用時には、サンダロール(登録商標)と拮抗薬の1つとによる共同刺激(1:1)を行った。フェニラト(登録商標)又はオキシフェニロン(登録商標)との同時適用においては、サンダロール誘発カルシウムシグナルの顕著な低下が認識でき、ジメトールとの同時適用では、カルシウムシグナルはわずかに低下した(図15a、15b)。この結果に基づき、抑制の用量依存的な特性化が実行された。この目的において、サンダロール(登録商標)及び拮抗薬は、異なる濃度で同時刺激された。サンダロール(登録商標)(500μM)と、オキシフェニロン(登録商標)(500μM)又はフェニラト(登録商標)(500μM)との共同適用において、カルシウムシグナルは、コントロール振幅(拮抗薬を含まないサンダロール(登録商標))の8〜9%に低下した。拮抗薬の濃度を250μΜに低下させた場合、サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナル及び振幅の抑制は、制御振幅の39〜45%であった。拮抗薬の濃度をさらに100μΜに低下させた場合、2つの拮抗薬の阻害は完全に消滅した(図15c)。特定されたIC50値(抑制濃度の平均)は、フェニラト(登録商標)では178μΜ、Oxyphenylonでは174μΜであった(図15d)。
一定的な拮抗薬の濃度(500μΜ)及びサンダロール(登録商標)濃度の継続的な増加(750μΜ)によって、拮抗薬によるブロッキングが減少した。サンダロール(登録商標)が1mMに増加することにより、拮抗薬の抑制が完全に取り除かれた(図15c)。拮抗薬によるサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの投与依存の抑制により、オキシフェニロン(登録商標)及びフェニラト(登録商標)が目視された。これは、siRNA実験結果を裏付け、HaCaT細胞におけるリガンドサンダロール(登録商標)によるOR2AT4の活性を確認させる。
<ヒトケラチノサイトにおけるOR2AT4の生理学的機能>
カルシウムイメージング実験では、細胞内カルシウム濃度の変化は、皮膚細胞でサンダロール(登録商標)を使用した短時間シミュレーション(20秒)によって誘発された。しかし、クリームまたは香水の定期的使用によって、芳香剤は皮膚に長時間(数時間から数日)滞在する。そのような場合、皮膚細胞でOR2AT4を活性させることにより、サンダロール(登録商標)が引き起こす生理学的効果は、長時間刺激試験によって調査された。
<増殖及び移動におけるサンダロール(登録商標)の刺激に対する効果>
OR2AT4の活性によって起こる可能性がある生理学的効果のイニシャルデータを入手するために、HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトがサンダロール(登録商標)によって5日間刺激された。この方法では、透過光顕微鏡を使用して、ネクローシス性又はアポトーシス性の微細穴膜のみが通過する、細胞の形態学及びその後のヨウ化プロピジウム(PI)染色を観察することにより、潜在的に起こるアポトーシス性又はネクローシス性効果が明らかになった。500μΜのサンダロール(登録商標)を使用した5日間のインキュベーションの後、HaCaT細胞及びケラチノサイトのいずれも形態的な変化又はPI染色が認められなかった。従って、芳香剤の致死効果は排除された(図16a)。
次に、サンダロール(登録商標)が皮膚細胞の成長に影響を与えるかが調査された。この目的において、HaCaT細胞はサンダロール(登録商標)によって5日間刺激され、増殖分析によって細胞数の決定が行われた。この結果、コントロール(0.1%DMSO)と比較して、サンダロール(登録商標)はHaCaT細胞を33%増殖させた(図16b)。この増殖がOR2AT4の活性によって誘発されたものであることを確認するために、HaCaT細胞はsiRNA又はscRNAでそれぞれトランスフェクトされ、増殖分析が繰り返された。scRNAでトランスフェクトされたHaCaT細胞は、トランスフェクトされていない細胞と同様の増殖を示した。しかし、siRNAのトランスフェクトは、サンダロール(登録商標)によって誘発された効果を著しく減少させた(図16b)。
加えて、細胞数はサンダロール(登録商標)(500μΜ)とオキシフェニロン(登録商標)(500μΜ)又はフェニラト(登録商標)(500μΜ)の拮抗薬との同時刺激(1:1)の後に特定された。対応する拮抗薬の存在により、増殖が減少した。この効果は、オキシフェニロン(登録商標)で顕著であった。オキシフェニロン(登録商標)及びフェニラト(登録商標)単独では、HaCaT細胞の増殖に対する顕著な効果は現れなかった。
全体的には、siRNA及び拮抗薬の試験結果は、サンダロール(登録商標)の増殖増進効果は、OR2AT4の活性により媒介されることを示した。例えば、再上皮化過程では、ケラチノサイトのわずかな増殖が見られた。増殖に加えて、この過程において、皮膚細胞の移動がわずかに増加した。この理由により、細胞増殖の増加が走化を伴うかを特定するにあたり、アガロース移動アッセイが実行された。このアッセイでは、HaCaT細胞は、アガロース溶媒混合物に接種され、500μΜのサンダロール(登録商標)又は0.1%のDMSOにおける細胞の増殖が5日間観察された。細胞が横断した通路、又は細胞が過剰成長した面積の測定は、サンダロール(登録商標)の方向におけるHaCaT細胞の著しい走化性移動を示した(図16c)。
総括すると、サンダロール(登録商標)は、OR2AT4によって、HaCaT細胞の増殖及び移動の増加に繋がるシグナルカスケードを誘発した。
<MAPキナーゼのリン酸化におけるサンダロール(登録商標)刺激の効果>
***促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼは、細胞外刺激の伝搬及び細胞内のシグナルへの変換において重要な役割を果たし、細胞分化、細胞増加、ストレスなどの様々なプロセスを規制する。シグナル経路は、リン酸化によって連続的に活性された少なくとも3つのキナーゼを有する:上流MAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MAPKKK)、下流MAPキナーゼキナーゼ(MAPKK)及び末端MAPキナーゼ(MAPK)。MAPKシグナル経路は末端MAPKによって特定されており、最も重要なものは、ERK1/2(細胞外のシグナル規制キナーゼ)MAPK、p38MAPK、JNK/SAPK(c−JunNH2末端キナーゼ/ストレス活性ホスフォキナーゼ)である。
次に、MAPKシグナル経路は皮膚細胞でのサンダロール(登録商標)刺激によって活性されたか否かを特定し、そうであれば、その経路が関連することを特定する調査が行われた。特定するにあたり、HaCaT細胞は500μΜのサンダロール(登録商標)で0〜30分間刺激し、タンパクが分離され、ウェスタンブロットアッセイが使用された。ウェスタンブロットの結果は、5〜30分において、ERK1/2MAPK及びp38MAPKのリン酸化の増加を示したが、細胞ストレスによってはJNK/SAPKのリン酸化は誘発されなかった(図17a)。HaCaT細胞のウェスタンブロットアッセイの数値化によって、30分間のサンダロール(登録商標)刺激がERK1/2MAPK及びp38MAPKのリン酸化の著しい増加を示した。p38MAPKに対してはMAPK阻害剤SB203580、ERK1/2MAPKに対してはU0126の更なるインキュベーションにおいて、リン酸化は著しく低下した(図17b)。
2つのMAPKシグナル経路の相互作用の可能性を明らかにするために、p38MAPK阻害剤の影響を受けたERK1/2リン酸化、並びにERK1/2MAPK阻害剤U0126の影響を受けたp38MAPKリン酸化が調査された。サンダロール(登録商標)のみで刺激された細胞と比較して、対応する阻害剤の影響を受けたキナーゼのリン酸化が促進されたことが判明した。この影響は、p38MAPKで顕著であった(図17c)。
総括すると、結果は、p38及びERK1/2MAPKはサンダロール(登録商標)刺激によりリン酸化され、信号経路の相互調節があることを示した。
<体外での創傷治癒アッセイにおけるヒトケラチノサイトに対するサンダロール(登録商標)刺激の効果>
MAPキナーゼp38及びERK1/2は、多くの場合、上皮性の創傷治癒における増殖及び移動に関連する。この理由によって、更なる生理学的検査では、HaCaT細胞の合流する細胞層又は初代ケラチノサイトにおける「創傷治癒」に対するサンダロール(登録商標)の効果が調査された。この目的において、引っ掻き傷アッセイが使用され、これはケラチノサイトにおいて、創傷治癒での第1調査での生体外での方法として確立されていた。引っ掻き傷アッセイでは、傷はHaCaT細胞の合流する細胞層又は初代ケラチノサイトにおいて、ピペットの先端を使用して形成され、この「傷」は2日間観察された。この結果、500μΜのサンダロール(登録商標)で治療された細胞は、HaCaT細胞においては26%、ケラチノサイトにおいては34%早く、傷が閉じることが分かった(図18a、18b)。
この効果においてOR2AT4受容体の役割を調査するために、2つの拮抗薬、オキシフェニロン(登録商標)及びフェニラト(登録商標)がサンダロール(登録商標)によって増加した「創傷治癒」を減少できるかの試験を実施した。この目的において、サンダロール(登録商標)と各拮抗薬とは同様の割合で混合され、HaCaT細胞の「創傷治癒」効果が48時間観察された。ここで、コインキュベーションが「創傷治癒」を通常のレベルに下げることが判明した(図18c)。2つの拮抗薬は、単独では、「創傷治癒」に全く効果が無かった(図18d)。MAPキナーゼp38及びERK1/2の役割が、キナーゼの特定の抑制剤の方法により調査された。p38MAPKでは、ERK1/2阻害剤SB203580が使用され、ERK1/2MAPKでは、p38阻害剤U0126が使用された。
対応する阻害剤の存在の下、「創傷治癒」は再度、通常のレベルに低下し(図18c)、サンダロール(登録商標)誘発された「創傷治癒」にp38MAPK及びERK1/2MAPKの役割の確認ができた。2つの阻害剤単独では、創傷治癒に全く効果が無かった(図18d)。
<インタールーキンの分泌およびタンパクキナーゼAktのリン酸化の調査>
上記の通り、生体外の傷アッセイにおいて、サンダロール(登録商標)は、培養されたケラチノサイトの「創傷治癒」に対して有効な効果を持つ。創傷治癒は、様々な生理学的機能が関連する、複雑なプロセスである。OR2AT4活性されたシグナルカスケードが皮膚細胞の創傷治癒の改善にどのように貢献しているかの情報を得るにあたり、サンダロール(登録商標)刺激後のインターロイキンの生成及び分泌を、定量リアルタイムPCR及びELISAアッセイの手法を用いて、HaCaT細胞に対して調査をするべきである。さらに、ウェスタンブロット分析を用いて、ケラチノサイトの分離化に関連するプロテインキナーゼAktが、サンダロール(登録商標)刺激によってリン酸化するかを調査するべきである。
インターロイキンの分泌を調査するにあたり、定量リアルタイムPCRが実行された。この目的において、サンダロール(登録商標)によって、6〜24時間、事前に刺激されたHaCaT細胞のRNAが使用された。特定は、様々なインターロイキン(IL−1α、IL−1β、IL−6、IL−8)及び腫瘍壊死因子(TNF−α)の特異的プライマーによって行われた。24時間の経過後、コントロール(0.1%DMSO)に対し、IL−1αの発現は約10,000%増加し、インターロイキンIL−1βの発現は約1,700%増加した。他のインターロイキンについては、発現率の増加が見られなかった(図19a)。結果を確信するために、ELISAアッセイを実行し、細胞の表面に分泌したインターロイキンは、免疫反応によって検知された。使用されたアッセイによって、インターロイキン(IL−1a、IL−1β、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12及びIL−17α)、TNFα、γ−インターフェロン(IFNγ)及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)の分泌が調査された。サンダロール(登録商標)で24時間刺激した後、コントロール(0.1%DMSO)に対し、IL−1αについてのみ、分泌の著しい増加が目視された。HaCaT細胞はIL−8の高い分泌を示したが、これはコントロール(0.1%DMSO)の増加と比較すると著しく高いものではない。
検出されたリン酸化キナーゼに加え、プロテインキナーゼAktのリン酸化も調査された。この目的において、HaCaT細胞はサンダロール(登録商標)によって、0、5、15及び30分間刺激され、リン酸化はウェスタンブロットアッセイ及びリン酸化された、またはリン酸化されていないAktタンパクに対する特別な抗体によって、調査された。サンダロール(登録商標)刺激によって、Aktキナーゼは5分以内にリン酸化し、その効果は長時間の刺激(15又は30分)で増加した(図19c)。
総括すると、この結果はIL−1αの発現及び分泌は、サンダロール(登録商標)によって増加し、ヒトケラチノサイトの分離化を伴うプロテインキナーゼAktが活性されることを示した。
以下、図面を参照し、本願の発明について詳細に説明をする。
Hana3A細胞におけるOR2AT4の異種発現 Hana3A細胞におけるOR2AT4の膜発現 組換え発現したOR2AT4の受容野の特定 組換え発現したOR2AT4の拮抗薬 OR2AT4の受容野及び芳香剤の構造式 様々な人体皮膚細胞型及び組織におけるOR2AT4の発現 タンパクレベルにおける、HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトのOR2AT4の発現 人体皮膚でのOR2AT4の発現 培養されたケラチノサイトの細胞内カルシウム濃度におけるOR2AT4リガンドサンダロール(登録商標)の効果 サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの刺激によるギャップ結合ブロッカーの効果 ヒトケラチン細胞株におけるサンダロール(登録商標)誘発シグナルカスケードの薬理的特徴 NGSデータ及びRT−PCRを使用したシグナルカスケード成分及び構造的に関連するタンパクの発現分析 免疫細胞化学的染色による、AC3及びCNGA1の発現分析 HaCaT細胞におけるサンダロール誘発カルシウムシグナルでのOR2AT4の役割を確認するためのRNA干渉試験 HaCaT細胞におけるサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルのOR2AT4拮抗薬の活動 長時間のサンダロール(登録商標)刺激による、ケラチノサイトにおける形態、増殖及び移動の効果 皮膚細胞におけるサンダロール(登録商標)刺激によるMAPキナーゼのリン酸化の効果 体外での創傷治癒アッセイにおけるヒトケラチノサイトに対するサンダロール(登録商標)刺激の効果 サンダロール(登録商標)刺激後のインターロイキン分泌とAktプロテインキナーゼのリン酸化の調査。
図面の説明
<図1>
Hana3A細胞におけるOR2AT4の異種発現
OR2AT4で一過的にトランスフェクトされたHana3A細胞は(上段)、α−Rho抗体(赤色)及びα−OR2AT4抗体(緑色)によって、免疫細胞化学的染色において明確な重ね合わせを示した。一方、OR1AT2で一過的にトランスフェクトHana3A細胞の染色のコントロールにおいて(下段)、ロドプシン染色のみが特定できた。細胞の位置及び数を特定するために、細胞染色(DAPI、青)を同時進行した。
蛍光画像は、共焦点顕微鏡で撮影した。
スケールは20μmである。
<図2>
Hana3A細胞におけるOR2AT4の膜発現
図2aは、α−Rho抗体を有するHana3A細胞の生細胞染色を示す。左図:OR2AT4で一過的にトランスフェクトされたHana3A細胞は、膜染色を示した。右図:トランスフェクトされていないHana3A細胞は、ロドプシン染色を示していない。蛍光画像は、共焦点顕微鏡で撮影された。スケール:20μM。
図2bは、生細胞染色の定量化を示す。トランスフェクト率を特定するために、全体の細胞数(totalで示す)及びトランスフェクトされた細胞(transf.で示す)が、蛍光顕微鏡を使用してカウントされた。3つの独立したトランスフェクションの平均細胞数及び標準誤差を示した。
<図3>
組換え発現したOR2AT4の受容野の特定
図3aは、サンダロール(登録商標)(1mM)で2回刺激(各20秒、鉄棒を使用)された、一過性のOR2AT4発現Hana3A細胞のカルシウムイメージングトレースの代表例である。コントロールとして、トランスフェクトされていないHana3A細胞は、サンダロール(登録商標)で刺激された。有効コントロール刺激として、各測定において、100μΜのATPが使用された。
図3bは、カルシウムイメージング測定の評価を示しており、一過性のOR2AT4を発現するHana3A細胞が、様々な白檀香で刺激された(1mM)。Ringer制御に関して、細胞の標準誤差を含めた平均反応率が示されている。測定数:Ringer(23)、サンダロール(登録商標)(22)、ブラマノール(登録商標)(14)、Javanol(15)、Sandranol(18)、Polysantol(14)、isobornyl cyclohexanol (14)、ビャクダン油(14)。Isobornyl.: isobornyl cyclohexanol; S. ol: ビャクダン油。複数の比較を含むクラスカル・ウォリス試験(Kruskal-Wallis test)*: p<0.05。
図3cは二重ルシフェラーゼアッセイの評価を示す。その意義は、OR2AT4−pcDNA3でトランスフェクトされたHana3A細胞と、インサートを有しないpcDNA3との間で特定された。ドット(点)は、標準誤差を含む、通常化されたルシフェラーゼ活動を示す。マン・ホイットニーのU検定(Mann-Whitney U test);n=3試験。
*: p<0.05; **: p<0.01; ***: p<0.001.
<図4>
組換え発現したOR2AT4の拮抗薬
図4aは、サンダロール(登録商標)(青色)、サンダロール(登録商標)+ジメトール(薄青色)、サンダロール(登録商標)+フェニラト(登録商標)(灰色)、サンダロール(登録商標)+オキシフェニロン(登録商標)(黒色)で2回刺激(各20秒、鉄棒を使用)された、一過性のOR2AT4発現Hana3A細胞のカルシウムイメージングのトレースである。有効コントロール刺激として、各測定の最後に、100μΜのATPが使用された。
図4bは、カルシウムイメージング測定の評価を示し、一過性のOR2AT4を発現するHana3A細胞が、様々な芳香剤で刺激された(1mM)。Ringer制御に関して、細胞の標準誤差を含めた平均反応率示されている。測定数:Ringer(23)、サンダロール(登録商標)(22)、サンダロール(登録商標)+ジメトール(11)、ジメトール(11)、フェニラト(登録商標)(14)、サンダロール(登録商標)+フェニラト(登録商標)(22)、オキシフェニロン(登録商標)(12)及びサンダロール(登録商標)+オキシフェニロン(登録商標)(20)。
S: サンダロール(登録商標)。複数の比較を含むクラスカル・ウォリス試験を実施。*: p<0.05。
<図5>
OR2AT4の受容野及び芳香剤の構造式
受容野は、アゴニスト(円の中央部に図示)、不活性物質(円の灰色部に図示)、拮抗薬(図の右上の長方形に図示)を含む。検査された白檀油では、2つの主な成分、すなわちα−サンタロール及びβ−サンタロールが例示されている。
<図6>
様々な人体皮膚細胞型及び組織におけるOR2AT4の発現
OR2AT4を検知するために、様々な人体皮膚RNAサンプル(+サンプル)のcDNAを用いて、PCR分析が実施された。ゲノムDNAによる汚染は、−RTサンプルに基づいて除外された。フラグメントの大きさ:OR2AT4(400bp)、β−アクチン(250bp)。M:マーカー、P:細胞培養経路。
<図7>
タンパクレベルにおける、HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトのOR2AT4の発現
図7aはHaCaT細胞及び初代ケラチノサイトを表し、α−OR2AT4抗体(赤色)を使用することにより、明確な免疫細胞化学的染色を示した。
図7bでは、遮断ペプチド(ブロック、ペプチド、OR2AT4抗体と遮断ペプチドとの比率は1:2)を使用した染色の制御においては、染色が著しく減少したことを示した。細胞の位置及び数を特定するにあたり、核染色(DAPI、青色)が同時に行われた。共焦点顕微鏡を使用し、蛍光像を撮影した。スケール:20μm。
<図8>
人体皮膚でのOR2AT4の発現
図8aで示される通り、上皮ケラチノサイトは、α−OR2AT4抗体(緑色)による明確な免疫細胞化学的染色を表した。
図8bでは、第1抗体がウサギ血清と置換された場合の制御染色を示し、この場合、染色が顕著に減少したことを示した。
上図:400倍に拡大した図、下図:断面図、E:表皮、D:真皮、B:基底層
<図9>
培養されたケラチノサイトの細胞内カルシウム濃度におけるOR2AT4リガンドサンダロール(登録商標)の効果
A)初代ケラチノサイト(細胞の数n=175)及びB)HaCaT細胞(細胞の数n=186)の両方において、サンダロール(登録商標)(500μΜ)は、反復刺激(横棒)を伴うカルシウムイメージング試験において、カルシウムシグナルを誘発した。
左側:サンダロール誘発カルシウムシグナルの代表的なカルシウムイメージングトレース。有効コントロール刺激として、各測定後に100μMのATPを使用した。
右側:サンダロール(登録商標)(500μΜ)を4回適用した場合におけるカルシウムシグナルの定量評価。表では、標準誤差を含んだ、各適用時の平均値を示す。マン・ホイットニーのU検定*: p<0.05。
C)及びD):カルシウムイメージング試験におけるHaCaT細胞の容量依存活性。
表では、第1〜第4のサンダロール(登録商標)の使用時における、様々な濃度での標準誤差を含めた平均振幅を示す。測定された細胞数:0.0125mM(39)、0.025mM(30)、0.1mM(46)、0.5mM(34)、1mM(63)、2mM(41)、10mM(36)。
<図10>
サンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの刺激によるギャップ結合ブロッカーの効果
A)HaCaT細胞(左側)及び初代ケラチノサイト(右側)のカルシウムイメージングトレースの代表図であり、ギャップ結合ブロッカーである1−オクタノール(500μΜ)でインキュベーションされた後、サンダロール(登録商標)(500μΜ、横棒)(青色)で繰り返し刺激された。黒色のトレースは、ブロッカー(コントロール)によるプレインキュベーションを伴わない、サンダロール(登録商標)の反復刺激を示す。有効コントロール刺激として、各測定後に100μMのATPを使用した。カルシウムイメージング試験では、ギャップ結合ブロッカーである1−オクタノール(500μΜ)又はカルベノオキソロン(10μΜ)で培養されたHaCaT細胞(B)及び初代ケラチノサイト(C)の定量評価の後、サンダロール(登録商標)(500μΜ)又はリラール(Lyral)(1mM)で反復刺激された。
表は、コントロール測定(ブロッカーを含まないサンダロール(登録商標)の適用)と比較した、標準誤差を含んだ各適用の平均値である。マン・ホイットニーのU検定。測定された細胞の数:サンダロール(登録商標)+1−オクタノール(HaCaT(110)、ケラチノサイト(26));サンダロール(登録商標)+カルベノオキソロン:HaCaT(74);リラール+カルベノオキソロン:HaCaT(43)。
***: p<0.001.
<図11>
ヒトケラチン細胞株におけるサンダロール(登録商標)誘発シグナルカスケードの薬理的特徴
表A)〜D)は、ブロッカー(青色)が存在する状態における、初代ケラチノサイトの代表的なカルシウムイメージングトレースである。横棒は、適用回数を表す。有効コントロール刺激として、各測定後に100μMのATPを使用した。
A)カルシウムを含まない細胞外の溶液(+10mMEGTA)を使用した測定。
B)アデニリルシクラーゼブロッカーSQ−22536(100μM)を使用した測定。
C)ホスフォリパーゼ−CブロッカーであるU−73122(10μM)の使用。有効コントロールとして、100μΜのヒスタミンを使用。
D)CNGチャネルブロッカ―であるL−シス−ジルチアゼム(150μΜ)を使用した測定。
E)HaCaT細胞及び初代ケラチノサイト(Kera)の薬理的測定の概要。制御測定(1点鎖線)に対する平均振幅が示されている。MDL−12330A(40μM)。EGTA:カルシウムを含まないRinger (HaCaT n = 46, Kera n = 52)、SQ:SQ-22536 (HaCaT n = 60, Kera n = 26)、MDL:MDL-12330A (HaCaT n = 69, Kera n = 24)、U-73122 (HaCaT n= 41, Kera n = 25)、L-cis-D.:L-cis-diltiazem(HaCaT n = 41, Kera n = 25)。マン・ホイットニーのU検定***:p<0.001。
F)cAMP−GloTMアッセイによるサンダロール(登録商標)刺激後、HaCaT細胞のcAMP内容の特定。ドットは、10分間のサンダロール(登録商標)刺激(1μΜ−10,000μΜ)の後の標準誤差を含む平均cAMP内容を示す。顕著性は、サンダロール(登録商標)で刺激されたHaCaT細胞と、同量で刺激されたDMSO(0.2%)との間で特定される。複数の比較を含むクラスカル・ウォリス試験を実施。n=3回の試験、*: p<0.05。
<図12>
NGSデータ及びRT−PCRを使用したシグナルカスケード成分及び構造的に関連するタンパクの発現分析
A)NGS及びRT−PCRの結果の概要。NGSデータの結果は、FPKM値で表示される。RT−PCR試験のトランスクリプトの検知は(チェックマーク)で示され、検知なしは(x)で示されている。n.d.は、データなし(no data)の意味である。芳香性があるシグナルカスケードの成分は、(*)で示される。
B)様々なシグナルカスケード成分のRT−PCR。フラグメントの大きさ:AC3 (311 bp), ANO1 (288 bp), ANO6 (432 bp), ANO8 (427 bp), ANO9 (416bp), ANO10 (373 bp), CNGA1 (2790 bp), CNGB1 (288 bp), GNAL (485 bp). M:マーカー、K:コントロール、GNAL:GαolfRサブユニット、GNAS:GαSRサブユニット、ADCY:アデニリルシクラーゼ、ANO:アノクタミン(膜貫通タンパク質16)。
<図13>
免疫細胞化学的染色による、AC3及びCNGA1の発現分析
A)HaCaT細胞及び初代ケラチノサイトは、特定の抗体(α−Gαolf、α−CNGA1及びα−AC3)によって、明確な免疫細胞化学的染色を示した。第2抗体のみを使用した場合の染色が、コントロールとして使用された。細胞の位置及び数を特定するにあたり、核染色(DAPI、青色)が同時に実施された。蛍光画像は、共焦点顕微鏡で撮影した。スケール:20μm。
B)免疫細胞化学的染色による人体皮膚へのAC3発現の検知。上皮ケラチノサイトは、α−AC3抗体(緑色)を使用した際、明確な免疫細胞化学的染色を示した。コントロール染色において、第1抗体がウサギ血清と置換された場合、特定の染色は目視されなかった。拡大倍率は400倍。E:表皮、D:真皮、B:基底層。
<図14>
HaCaT細胞におけるサンダロール誘発カルシウムシグナルでのOR2AT4の役割を確認するためのRNA干渉試験
A)Hana3A細胞におけるsiRNA活動を特定するための二重ルシフェラーゼアッセイ。表は、siRNA又はscRNAで同時導入されたHana3A細胞の標準化された発光シグナル(firefly/Renilla)及びpmirGLO−OR2AT4のみで導入された細胞と比較した場合における、レポーターベクターであるpmirGLO−OR2AT4を示す。マン・ホイットニーのU検定;n=3、***:p<0.001。
B)左図:siRNA又はscRNA−発現プラスミド及びα−OR2AT4抗体(赤色)でトランスフェクトされたHaCaT細胞の免疫細胞化学的染色を示す。siRNA又はscRNA発現細胞は、GFP発現に基づき特定される(緑色)。右図:定量評価では、scRNA−発現細胞(n=17細胞)に比べ、scRNA−発現細胞(n=17細胞)のα−OR2AT4染色が著しく減少したことを示した。表示では、scRNA−発現細胞と比較した、siRNAの標準誤差を含めた平均蛍光強度を示している。マン・ホイットニーのU検定**: p<0.01。
C)2つのsiRNAの混合物でトランスフェクトされたHaCaT細胞の透過光及び蛍光画像。大きさ:50μM。
D)カルシウムイメージング測定の蛍光画像。siRNA発現細胞(円で示す)はGPFの同時発現により特定され、サンダロールによる刺激では、細胞内カルシウム濃度に増加は見られなかった。
E)サンダロール(登録商標)で繰り返し刺激されたsiRNA(青色トレース)又はscRNA(黒色トレース)でトランスフェクトされた、HaCaT細胞のカルシウムイメージングトレースの代表例である(500μΜ、水平の棒)。コントロール刺激として、測定の最後に、100μΜのATPが使用された。
F)siRNA及びscRNA発現細胞における、サンダロール誘発カルシウムシグナルの定量評価。まず、カルシウムシグナルの振幅がATPに標準化され、siRNA発現細胞がscRNA発現HaCaT細胞に応じて発現した。表では、標準誤差を含む、各適用の平均値を示す。マン・ホイットニーのU検定;n=18細胞(siRNA)、n=17細胞(scRNA)。 *: p<0.05; **: p<0.01。
<図15>
HaCaT細胞におけるサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルのOR2AT4拮抗薬の活動
A)サンダロール(登録商標)(1mM)で繰り返し刺激されたHaCaT細胞の代表的なカルシウムイメージングトレース。第3適用時において、サンダロール(登録商標)(青色トレース)による刺激、又はサンダロール(登録商標)+ジメトール(薄青色トレース)、サンダロール(登録商標)+オキシフェニロン(登録商標)(黒色トレース)、又はサンダロール(登録商標)+フェニラト(登録商標)(灰色トレース)による同時刺激が加えられた。コントロール刺激として、各測定の最後に、100μΜのATPが使用された。水平棒は、適用の数に対応する。芳香剤:1mM
B)サンダロール(登録商標)単独またはジメトール、フェニラト(登録商標)、又はオキシフェニロン(登録商標)による同時刺激のカルシウムイメージングの定量評価。S:サンダロール(登録商標)を表す。表示では、標準誤差を含む第3適用の平均値を示す。マン・ホイットニーのU検定***: p<0.001。測定された細胞数:サンダロール(登録商標)(121)、サンダロール(登録商標)+オキシフェニロン(登録商標)(43)、サンダロール(登録商標)+フェニラト(登録商標)(67)、サンダロール(登録商標)+ジメトール(120)。
C)拮抗薬、オキシフェニロン(登録商標)及びフェニラト(登録商標)によるサンダロール(登録商標)誘発カルシウムシグナルの容量依存による阻害の調査。第3適用において、HaCaT細胞は異なる濃度のサンダロール(登録商標)(500〜1000μΜ)及び1つの拮抗薬(100〜500μM)によって同時刺激された。芳香剤誘発カルシウムシグナルとの適合性について、第3適用時の振幅は前回の適用において標準化された。表では、標準的な芳香剤誘発されたカルシウムシグナルの標準誤差を含む平均値とコントロール細胞(拮抗薬を含まないサンダロール(登録商標)適用)との比較を示す。マン・ホイットニーのU検定、***: p<0.001。
D)前記C)において拮抗薬が500μΜである場合のIC50値の計算。
<図16>
長時間のサンダロール(登録商標)刺激による、ケラチノサイトにおける形態、増殖及び移動の効果
A)サンダロール(登録商標)(500μΜ)又は0.1%のDMSO(コントロール)で5日間刺激した後のHaCaT細胞及び初代ケラチノサイトの位相コントラスト画像及びPI染色を示す。有効なPI染色では、細胞核は赤色で染色された。スケール:100μM。
B)サンダロール(登録商標)(500μΜ)又は0.1%のDMSO(コントロール)で5日間刺激した後、HaCaT細胞のCyQuant細胞増殖キットを使用した増殖アッセイの評価。RNA干渉試験において、サンダロール(登録商標)刺激を行う日の前に、細胞はsiRNA又はscRNAでトランスフェクトされた。表では、治療されていない細胞と比較した場合における、標準誤差を含めた平均細胞数を表す。マン・ホイットニーのU検定;n=3試験、*: p<0.05; **: p<0.01。 S:サンダロール。
C)HaCaT細胞の増殖を特定するためのアガロースアッセイ。上部:サンダロール(登録商標)(500μΜ)又は0.1%のDMSOの方向に増殖したHaCaT細胞の透過光画像。細胞の増殖マージンは、黒色で囲われている。スケール:250μM。下図:増殖アッセイの評価。細胞及び過剰成長した面積の最も長い通路が測定され、コントロール(0.1%のDMSO)と比較された。ペア両側T検定(Paired two-sided T test)標準誤差を含む平均値:n=4回の試験。**:p<0.01; ***: p<0.001。
<図17>
皮膚細胞におけるサンダロール(登録商標)刺激によるMAPキナーゼのリン酸化の効果
A)サンダロール(登録商標)(500μM)で刺激されたHaCaT細胞におけるMAPキナーゼのリン酸化を調査するための0分、5分、15分及び30分のウェスタンブロットである。タンパクの容積を均一とするために、コントロールとしてα−チューブリンが使用された。ERK1/2:42/44kDa;p38:43kDa;JNK/SAPK:46/54kDA;α−チューブリン:52kDa。
B)サンダロール(登録商標)(500μΜ)による30分間の刺激または追加してp38阻害剤SB203580(10μΜ)又はERK1/2阻害剤U0126(10μΜ)によってp38及びERK1/2リン酸化されたHaCaT細胞の定量評価を示す。評価において、リン酸化(p)及びリン酸化されていないタンパクが特定され、治療されていない細胞との比較を行った。平均値には標準誤差が含まれる。マン・ホイットニーのU検定 *: p<0.05;***:p<0.001。
C)では、他のMAPキナーゼの抑制剤が使用され、サンダロールのみ(登録商標)(500μΜ)で刺激された細胞のリン酸化が比較された。平均値には標準誤差が含まれる。マン・ホイットニーのU検定*: p<0.05。ウェスタンブロット分析は、3つの異なるタンパク分離によって実施された。
<図18>
体外での創傷治癒アッセイにおけるヒトケラチノサイトに対するサンダロール(登録商標)刺激の効果
A)初代ケラチノサイト及びB)HaCaT細胞の「創傷治癒率」の調査は、サンダロール(登録商標)(500μΜ)又は0.1%のDMSOがコントロールとして存在している条件において、引っ掻き傷アッセイによって行われた。左図:「傷」が複数回観察された透過光画像。細胞の増殖部は黒色で囲われている。スケール:200μM。右図:引っ掻き傷アッセイの定量評価。傷の領域を測定し、当初の傷の範囲(0時間)と比較した。平均値は標準誤差を含む。マン・ホイットニーのU検定;n=4試験。*: p<0.05; ***: p<0.001。
C)サンダロール(登録商標)(500μΜ)及び拮抗薬であるオキシフェニロン(登録商標)(500μΜ)又はフェニラト(登録商標)(500μΜ)、p38のMAPK阻害剤SB203580(10μΜ)又はERK1/2MAPK阻害剤U0126(10μΜ)が存在する引っ掻き傷アッセイ。治療された傷の測定領域(48時間の刺激)と、コントロール(0.1%のDMSO)とを比較した。平均値は標準誤差を含む。複数の比較を含むクラスカル・ウォリス試験を実施。n=3回の試験。*: p<0.05.
D)Cで実行されたオキシフェニロン(登録商標)(500μΜ)、フェニラト(登録商標)(500μΜ)、SB203580(10μΜ)U0126(10μΜ)を含む引っ掻き傷アッセイのコントロール。治療された傷の測定領域と、コントロール(0.1%のDMSO)とを比較した。平均値を含む。
<図19>
サンダロール(登録商標)刺激後のインターロイキン分泌とAktプロテインキナーゼのリン酸化の調査。
A)サンダロール(登録商標)(500μM)刺激を6〜24時間行った後、qRT−PCRによってHaCaT細胞のインターロイキン制御を行った調査結果である。コントロールとして、0.1%のDMSOが使用された。対照遺伝子としてGAPDHが使用され、治療された及び治療されていない細胞の相対発現が特定された。平均値は標準誤差を含む。n=3回の試験。
B)サンダロール(登録商標)(500μM)刺激を24時間行ったHaCaT細胞の表面で検知されるインターロイキンのELISAアッセイ。コントロールとして、0.1%のDMSOが使用された。治療された細胞の測定光学密度は、背景と比較して表現した。3つの独立した刺激の上澄みを使用した。平均値は標準誤差を含む。マン・ホイットニーのU検定、*: p<0.05。
C)サンダロール(登録商標)(500μM)刺激を0分、5分、15分、30分行ったHaCaT細胞によるAktプロテインキナーゼのリン酸化調査のウェスタンブロット分析。Akt(60kDA);p−Akt:リン酸化Aktタンパク(60kDA)。


Claims (10)

  1. 化学式(I)の化合物を含み、嗅覚受容体であるOR2AT4を活性化することにより創傷治癒を促進するための薬剤。
    は、水素またはメチルである。
  2. 前記薬剤はサンダロール(登録商標)である、請求項1に記載の薬剤。
  3. 前記薬剤はブラマノール(登録商標)である、請求項1に記載の薬剤。
  4. 前記薬剤は、細胞の増殖及び移動を促すことにより創傷治癒を促進する、請求項1に記載の薬剤。
  5. 前記薬剤は、MAPキナーゼのリン酸化を促すことにより創傷治癒を促進する、請求項1に記載の薬剤。
  6. 前記薬剤は、インターロイキンIL−1αの発現および分泌を促すことにより創傷治癒を促進する、請求項1に記載の薬剤。
  7. 前記薬剤は局所的に使用される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の薬剤。
  8. 前記薬剤はローション、クリーム、エマルジョン、ゲル、軟膏またはスプレーの形態、または対応するドレッシング物質に添加またはコートされる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の薬剤。
  9. 前記薬剤は、前記化学式(I)の有効成分を、0.001から2重量%で含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の薬剤。
  10. (a)嗅覚受容体であるOR2AT4を含有するケラチノサイト培養物を準備する手順と、
    (b)試験する有効成分が前記培養物に追加される手順と
    (c)細胞内カルシウム濃度の変化を特定する手順と、を含む、創傷治癒を促進する有効成分を特定する方法。

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