JP6611697B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
本発明は、不整地を走行するのに適した作業車に関する。
従来では、4つの走行車輪を夫々、2つの関節を持ち屈伸操作可能に構成されたリンク機構を介して車両本体に支持し、リンク機構に電動モータと減速機構等が内装され、電動モータの駆動力によりリンク機構が屈伸駆動可能に構成されたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
上記従来構成における車輪支持構造は、走行路面に凹凸があってもリンク機構を屈伸させながら車両本体を適正な姿勢に維持して走行することを可能にしたものである。そこで、このような車輪支持構造を、走行路面に凹凸がある作業地で走行する農用の作業車に適用することが考えられる。しかし、上記従来構成における車輪支持構造は農用の作業車には採用し難いものとなっていた。
説明を加えると、上記従来構成において、屈折リンク機構の姿勢を変更操作するに際して、屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向外方側に向けて屈折する状態で操作する構成となっていた。しかし、この構成であれば、屈折リンク機構が車両本体から外方側に突出することになり、車体の前後長が長いものとなる、そして、その突出する箇所が圃場に植立している作物に接触して作物に損傷を与えるおそれがある。
そこで、コンパクトな構成を採りつつ、凹凸の多い作業地であっても車両本体が適正な姿勢を維持することが可能な作業車が望まれていた。
本発明に係る作業車の特徴構成は、車両本体と、前記車両本体の左右両側に位置する複数の走行装置と、夫々の前記走行装置を各別に昇降自在に前記車両本体に支持する複数の屈折リンク機構と、複数の前記屈折リンク機構の姿勢を各別に変更可能な駆動機構とを備え、前記駆動機構は、前記屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、前記屈折リンク機構の姿勢を変更操作可能にする点にある。
本発明によれば、車両本体に対して複数の走行装置が屈折リンク機構によって各別に昇降自在に支持される。駆動機構によって屈折リンク機構が姿勢を変更することにより、複数の走行装置夫々の車両本体に対する高さ(相対高さ)を変更することができる。つまり、車両本体の左右両側に備えられる走行装置の相対高さを変更することができる。
例えば、複数の走行装置の設置箇所のうちのいずれかに対応する地面が低く、他の設置箇所に対応する地面が高くなるような場合、地面が低くなっている箇所では、走行装置の相対高さを下げ、他の箇所では走行装置の相対高さを上げることで、複数の走行装置が接地した状態で車両本体を適正な姿勢に維持させることができる。その結果、凹凸のある地面を走行するときであっても、複数の走行装置により安定的に接地支持しながら、車両本体を適正な姿勢に維持した状態で走行することが可能となる。
また、本構成では、屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、屈折リンク機構の姿勢を変更操作可能な構成とした。この構成によれば、屈折リンク機構が車両本体から前後方向外方側に突出しないので、車体前後長をコンパクトなものにすることができ、屈折リンク機構が圃場に植立している作物に接触して損傷を与えるおそれを少なくすることができる。ここで、「屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、屈折リンク機構の姿勢を変更操作可能」とは、屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態に加えて、例えば中間屈折部が車体前後方向外側に向けて屈折する状態等の他の状態となることが可能な構成を除外するものではない。つまり、例えば、通常の走行時は各屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、屈折リンク機構の姿勢を変更操作しつつ走行し、段差を乗り越える際には少なくともいずれかの屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向外側に向けて屈折する構成等も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明において、前記屈折リンク機構は、一端部が前記車両本体に横軸芯周りで揺動自在に支持された第一リンクと、一端部が前記第一リンクの他端部に横軸芯周りで揺動自在に支持され且つ他端部に前記走行装置が支持された第二リンクとを備え、前記駆動機構は、前記車両本体に対する前記第一リンクの揺動姿勢を変更可能な第一シリンダと、前記第一リンクに対する前記第二リンクの揺動姿勢を変更可能な第二シリンダとを備え、前記駆動機構は、前記屈折リンク機構における前記第一リンクと前記第二リンクとが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、前記屈折リンク機構の姿勢を変更操作すると好適である。
本構成によれば、第一リンクと第二リンクとが横軸芯周りで揺動自在に連結されて屈折リンク機構が構成され、第一シリンダによって車両本体に対する第一リンクの揺動姿勢を変更し、第二シリンダによって第一リンクに対する第二リンクの揺動姿勢を変更することで、屈折リンク機構の姿勢が変更する。このように屈折リンク機構の姿勢を変更する際に、第一リンクと第二リンクとが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持する。
このように、第一リンクと第二リンクとが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持するから、屈折リンク機構が車両本体の前後方向に沿って外方に突出することがなく、植立している作物に接触して作物に損傷を与えるおそれが少ない。
本発明において、前記駆動機構は油圧駆動式の駆動機構であると好適である。
屈折リンク機構の姿勢を変更操作するのは、例えば油圧シリンダ等からなる油圧駆動式の駆動機構である。油圧駆動式の駆動機構は、一般的に防水性や防塵性を備えている。このため、駆動機構の表面に水分や塵埃が付着しても、駆動機構の内部に入り込むことを防止できるため、そのことによって悪影響を受けて動作不良等を起こすおそれは少ない。
従って、細かな塵埃や水分等が車体内部に侵入するおそれが大きい作業環境において、凹凸の多い作業地であっても車両本体を適正な姿勢に維持して走行することが可能な作業車を得ることが可能となった。
本発明においては、前記車両本体に、複数の前記駆動機構に向けて作動油を送り出す油圧供給源が備えられ、前記油圧供給源は、前記車両本体における車両全体を支持する基台に載置支持されていると好適である。
本構成によれば、油圧供給源から複数の油圧駆動式の駆動機構に作動油が送り出される。駆動機構は多量の作動油が必要であるから油圧供給源は大型の装置となる。そして、油圧供給源が基台に載置支持される。基台は、車両全体を支持する強固なものであり、大型の装置である油圧供給源を安定的に支持することができる。
本発明においては、夫々の前記走行装置を各別に駆動する複数の油圧モータが備えられていると好適である。
本構成によれば、複数の走行装置は各別に油圧モータにて駆動される。油圧モータは、一般的に防水性や防塵性を備えている。このため、油圧モータの表面に水分や塵埃が付着しても、油圧モータの内部に入り込むことを防止できるため、そのことによって悪影響を受けて動作不良等を起こすおそれは少ない。
油圧モータに代えて、例えば、伝動チェーン等の機械式の伝動機構を用いて走行装置を駆動する構成も考えられるが、この構成では、車両本体に備えられるエンジン等の駆動源と走行装置との間において、屈折リンク機構に沿って、屈折リンク機構の屈折作動を許容しながら伝動可能な伝動機構を設ける必要があり、構造が複雑になる。これに対して本構成では、このような機械式伝動構造に比べて構造が簡素なものになる。
本発明においては、前記車両本体の下部に複数の補助輪が備えられていると好適である。
例えば、非作業状態で作業車をトラックに積み込むために移動させる場合等において、走行装置が接地していると、油圧モータ等の駆動装置によって回転が阻止されるので、作業車を移動させることができない。
そこで、本構成では、車両本体の下部に複数の補助輪を備えるようにした。このように構成することで、複数の屈折リンク機構を上方に折り曲げて走行装置を浮かした状態で、補助輪を接地させると、手動操作で作業車を容易に移動させることができる。
しかも、屈折リンク機構を上方に折り曲げて走行装置を格納している状態で、作業車をトラックの荷台から下すとき等においては、補助輪が最初に接地するので、作業車が地面に接地するときの衝撃を吸収して車体の損傷を防止できる。
以下、本発明に係る作業車の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び2における右側が作業車の車体前方側であり、左側が車体後方側である。図1〜図3に示すように、作業車は、車両全体を支持する略矩形枠状の車両本体1と、その車両本体1の左右両側における前後夫々に位置する複数(具体的には4つ)の走行装置2と、各走行装置2を各別に昇降自在に車両本体1に支持する複数の屈折リンク機構3と、複数の屈折リンク機構3の姿勢を各別に変更操作可能な複数の油圧駆動式の駆動機構4と、駆動機構4に作動油を供給する作動油供給装置5とを備えている。
車両本体1は、車両全体を支持するとともに車両本体1の底部を支持する板状の基台6と、基台6における周縁部に沿って適宜分散された複数の箇所から上方に延びる複数のフレーム体7とを備えている。フレーム体7は、複数の走行装置2夫々に対応する箇所から上方に延びる状態で形成されている。複数のフレーム体7の上部同士が上部連結体8によって連結されている。上部連結体8は、基台6の外周部に沿って延びるリング状に形成されている。このように複数のフレーム体7は上下両側が夫々、一体的に連結されて強固な枠状体を構成している。従って、車両本体1は、板状の基台6により底部が形成されるとともに、複数のフレーム体7によって枠状体が形成されて、上部が開放された略箱状に設けられている。
作動油供給装置5は、駆動機構4に向けて作動油を送り出す油圧供給源9と、油圧供給源9から駆動機構4に供給される作動油を制御する弁機構10とを備えている。説明を加えると、油圧供給源9は、詳述はしないが、エンジン11とエンジン11によって駆動される油圧ポンプ12とを備えて、それらが一体的に連結されている。エンジン11にて駆動される油圧ポンプ12により、弁機構10を介して駆動機構4に作動油を送り出し供給する。弁機構10は、駆動機構4に対する作動油の給排あるいは流量の調節等を行う複数の油圧制御弁13を備えている。
作動油供給装置5は、車両本体1の車体前後方向中間位置に備えられている。
作動油供給装置5における主要部を構成する油圧供給源9は、車両本体1の車体前後方向中間位置に位置する状態で基台6に載置支持されている。図3に示すように、基台6に対して防振部材14を介してエンジン支持フレーム15が支持されている。油圧供給源9は、エンジン支持フレーム15に載置支持されている。エンジン支持フレーム15は防振支持されているから、エンジン11の振動が基台6に伝わるおそれが少ない。又、エンジン支持フレーム15は、前後両側部における左右両側箇所に縦向きフレーム部15aを備えており、例えば、車体が転倒した場合等において油圧供給源9を保護することが可能である。
作動油供給装置5における主要部を構成する油圧供給源9は、車両本体1の車体前後方向中間位置に位置する状態で基台6に載置支持されている。図3に示すように、基台6に対して防振部材14を介してエンジン支持フレーム15が支持されている。油圧供給源9は、エンジン支持フレーム15に載置支持されている。エンジン支持フレーム15は防振支持されているから、エンジン11の振動が基台6に伝わるおそれが少ない。又、エンジン支持フレーム15は、前後両側部における左右両側箇所に縦向きフレーム部15aを備えており、例えば、車体が転倒した場合等において油圧供給源9を保護することが可能である。
図1,3に示すように、車両本体1は、前後中央部付近において油圧供給源9を跨ぐように基台6から上方に延びる支持台16を備えている。支持台16は、前後方向に間隔をあけて、油圧供給源9を跨ぐように正面視で門型に形成された前後一対の門型部材17と、前後一対の門型部材17の左右両側の上端部同士を連結する前後向きの左右一対の連結部材18と、左右の連結部材18の上側に支持された載置台19とを備えている。前後一対の門型部材17の下端部は基台6に固定されている。
弁機構10は、支持台16の上下中間部に支持されている。すなわち、図1に示すように、前部側の門型部材17の縦向き部分17aの上下中間部と、後部側の門型部材17の縦向き部分17aの上下中間部とにわたって支持ブラケット20が設けられている。図3に示すように、支持ブラケット20は支持台16の左右両側に設けられており、左右両側の支持ブラケット20には夫々、各別に弁機構10が取付けられている。
従って、作動油供給装置5を構成する油圧供給源9及び弁機構10は、車両本体1の車体前後方向中間位置に位置する状態で備えられている。
また、作動油タンク50が、車体本体1の車体前後方向中間位置上部、即ち、作動油供給装置5を構成する油圧供給源9及び弁機構10の上方に配置されている。このように、作動油タンク50を上方に配置し、下方の空いた空間に作動油供給装置5を配置することにより、作動油供給装置5を構成する油圧供給源9及び弁機構10が車体本体1における比較的低い位置に位置することとなり、油圧供給源9及び弁機構10に空気が入りにくくなり、油圧制御を安定させることができる。なお、車体の重心を低くすることに重点を置く場合、作動油タンク50を、車体本体1の車体前後方向中間位置下部に配置し、作動油供給装置5を構成する油圧供給源9及び弁機構10を作動油タンク50の上方に配置してもよい。
図1,2,3に示すように、支持台16の上端部に備えられた載置台19には、弁機構10の動作を制御する制御装置21が載置支持されている。制御装置21の制御動作については詳述はしないが、図示しない手動入力装置にて入力される制御情報、あるいは、予め設定されて記憶されている制御情報に基づいて、弁機構10における駆動機構4に対する作動油の供給状態を制御する。基台6の車体前部側箇所には、専用の載置台22を介してバッテリ23が載置支持されている。バッテリ23により制御装置21に対する電力供給を行うことができる。
車両本体1の下部には複数の補助輪24が備えられている。すなわち、図1,3に示すように、基台6の下面側において、車体前後両側部の夫々における左右両側箇所に分散配置する状態で合計4個の補助輪24が備えられている。基台6の下面から下方に突出する状態で支持ブラケット25が取付けられ、この支持ブラケット25にて補助輪24が横向き軸芯周りで自由回転可能に支持されている。このような補助輪24を設けることにより、例えば、全ての走行装置2について、図4の仮想線で示すように上方に格納させることにより、容易に手動で移動させることができる。
次に、走行装置2を車両本体1に支持するための支持構造について説明する。
複数(具体的には4つ)の屈折リンク機構3は夫々、一端部が車両本体1に横軸芯周りで揺動自在に支持された第一リンク26と、一端部が第一リンク26の他端部に横軸芯周りで揺動自在に支持され且つ他端部に走行装置2が支持された第二リンク27とを備えている。
複数(具体的には4つ)の屈折リンク機構3は夫々、一端部が車両本体1に横軸芯周りで揺動自在に支持された第一リンク26と、一端部が第一リンク26の他端部に横軸芯周りで揺動自在に支持され且つ他端部に走行装置2が支持された第二リンク27とを備えている。
駆動機構4は、複数の屈折リンク機構3の夫々に対応して複数(4つ)備えられており、車両本体1に対する第一リンク26の揺動姿勢を変更可能な第一油圧シリンダ28と、第一リンク26に対する第二リンク27の揺動姿勢を変更可能な第二油圧シリンダ29とを備えている。そして、駆動機構4は、屈折リンク機構3における第一リンク26と第二リンク27とが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、屈折リンク機構3の姿勢を変更操作する。
説明を加えると、図1〜3及び5に示すように、車両本体1の前後両側において、フレーム体7の上部同士を連結する上部連結体8に、ブラケット30(30a,30b)を介して車体横幅方向全幅にわたって横方向に延びる横向き姿勢の支持軸31が固定されている。4個の屈折リンク機構3のうち前部側に位置する左右の屈折リンク機構3における夫々の第一リンク26の回動ボス部32が、前部側の支持軸31に回動自在に外嵌装着されている。4個の屈折リンク機構3のうち後部側に位置する左右の屈折リンク機構3における夫々の第一リンク26の回動ボス部32が、後部側の支持軸31に回動自在に外嵌装着されている。
図1,2に示すように、第一リンク26の回動ボス部32には夫々、第一ブラケット33と第二ブラケット34とが周方向に位置を異ならせて一体的に設けられている。第一ブラケット33と上部連結体8における支持軸31から車体前後方向内方側に離れた位置に設けられた車体側ブラケット35とにわたって、第一油圧シリンダ28が枢支連結されている。第二ブラケット34と第二リンク27の途中部に設けられたリンク側ブラケット36とにわたって第二油圧シリンダ29が枢支連結されている。尚、前部側の支持軸31に支持される回動ボス部32では、第一ブラケット33と第二ブラケット34とが横方向に位置ずれした状態で設けられている。
第二油圧シリンダ29の作動を停止した状態で第一油圧シリンダ28を伸縮操作すると、第一リンク26、第二リンク27及び走行装置2の夫々が、一体的に支持軸31の横軸芯X1周りで揺動する。第一油圧シリンダ28の作動を停止した状態で第二油圧シリンダ29を伸縮操作すると、第一リンク26の姿勢が一定に維持されたまま、第二リンク27及び走行装置2が一体的に、第一リンク26と第二リンク27との連結箇所の横軸芯X2周りで揺動する(図4の仮想線参照)。
図3に示すように、第一リンク26の支持軸31に対する回動ボス部32の横側に、第一リンク26の支持軸31に対する回動角度を検出する第一角度センサ37が設けられている。第一リンク26と第二リンク27とが枢支連結される回動支持部には、第一リンク26と第二リンク27との相対角度を検出する第二角度センサ38が設けられている。
図1,3は、複数の屈折リンク機構3の夫々において、第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29の夫々を最も縮退させた状態、すなわち、全ての走行装置2が車両本体1に最も近付いた状態(つまり、車高が最も低い状態)を示している。
図4の実線部分及び図5は、複数の屈折リンク機構3の夫々において、第一リンク26が縦向き姿勢となるように第一油圧シリンダ28を作動させ、且つ、第二リンク27が縦向き姿勢となるように第二油圧シリンダ29を作動させた状態、すなわち、車両本体1が、全ての走行装置2から最も離れた状態(つまり、車高が最も高くなる状態)を示している。
図6は、右側に位置する2個の屈折リンク機構3においては、第一リンク26が縦向き姿勢となるように第一油圧シリンダ28を作動させ、且つ、第二リンク27が縦向き姿勢となるように第二油圧シリンダ29を作動させた状態とし、左側に位置する2個の屈折リンク機構3においては、第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29の夫々を最も縮退させた状態を示している。
図1,3に示すように、第二油圧シリンダ29は、回動ボス部32から車体前後方向外方側に突出した第二ブラケット34と、第二リンク27の縦向き姿勢において車体前後方向外方側に位置する箇所とにわたって設けられる。このように第二油圧シリンダ29を設けることで、屈折リンク機構3を折り曲げるときには、屈折リンク機構3の中間屈折部3Aが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持することになる。
車体右側に位置する2個の屈折リンク機構3の夫々に対応する第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29は、図示しない油圧配管にて車体右側に位置する弁機構10に接続されている。車体左側に位置する2個の屈折リンク機構3の夫々に対応する第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29は、図示しない油圧配管にて車体左側に位置する弁機構10に接続されている。
油圧供給源9から弁機構10を介して複数の屈折リンク機構3夫々の第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29に作動油が供給される。弁機構10に備えられた油圧制御弁13により作動油の給排が行われて、第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29を伸縮操作させることができる。油圧制御弁13は制御装置21によって制御される。制御装置21は第一角度センサ37及び第二角度センサ38の検出値が目標値になるように制御することで、屈折リンク機構3を所望の姿勢に変更することができる。
走行装置2を駆動する油圧モータ39が、夫々の走行装置2に各別に備えられている。すなわち、4個の走行装置2は夫々、横軸芯周りで回転可能に支持された車輪40と、車輪40の軸支部41に内装された油圧モータ39とを備えている。各走行装置2は、油圧モータ39を作動させることにより、各別に車輪40を回転駆動することができる。
車体右側に位置する2個の走行装置2に備えられる2個の油圧モータ39の夫々は、図示しない油圧配管にて右側の弁機構10に接続されており、車体左側に位置する2個の走行装置2に備えられる2個の油圧モータ39の夫々は、図示しない油圧配管にて左側の弁機構10に接続されている。そして、油圧供給源9から左右夫々の弁機構10を介して各油圧モータ39に作動油が供給される。
油圧モータ39に対応して弁機構10に備えられた油圧制御弁13により作動油の流量調整が行われることで、油圧モータ39すなわち車輪40の回転速度を変更することができる。油圧制御弁13は、手動操作にて入力される制御情報あるいは予め設定されて記憶されている制御情報等に基づいて制御装置21によって制御される。
図1に示すように、この作業車は種々のセンサを備える。具体的には、それぞれの第一油圧シリンダ28に設けられた第一シリンダチューブ側圧力センサS1及び第一シリンダロッド側圧力センサS2、それぞれの第二油圧シリンダ29に設けられた第二シリンダチューブ側圧力センサS3及び第二シリンダロッド側圧力センサS4を備える。第一キャップ側圧力センサS1は、第一油圧シリンダ28のキャップ側室の油圧を検出する。第一ヘッド側(反キャップ側)圧力センサS2は、第一油圧シリンダ28のヘッド側室の油圧を検出する。第二キャップ側圧力センサS3は、第二油圧シリンダ29のキャップ側室の油圧を検出する。第二ヘッド側(反キャップ側)圧力センサS4は、第二油圧シリンダ29のヘッド側室の油圧を検出する。
なお、各圧力センサS1,S2,S3、S4の取り付け位置は上記に限られるものではない。各圧力センサS1,S2,S3、S4は、対応するキャップ側室又はヘッド側室の油圧を検出(推定)可能であればよく、弁機構10から対応するキャップ側室又はヘッド側室の間の配管に設けられてもよい。
これらのセンサの検出結果に基づいて、本体1を支持するために必要な力が算出され、その結果に基づいて、それぞれの第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29への作動油の供給が制御される。具体的には、第一キャップ側圧力センサS1の検出値と第一ヘッド側圧力センサS2の検出値とに基づき、第一油圧シリンダ28のキャップ側室とヘッド側室との差圧から、第一油圧シリンダ28のシリンダ推力が算出される。また、第二キャップ側圧力センサS3の検出値と第二ヘッド側圧力センサS4の検出値とに基づき、第一油圧シリンダ28と同様に、第二油圧シリンダ29のシリンダ推力が算出される。
また、この作業車は、加速度センサS5を備える。この加速度センサS5の検出結果に基づき、車両本体1の前後左右の傾きが検知され、その結果に基づいて車両本体1の姿勢が制御される。つまり、車両本体1の姿勢が目標の姿勢となるよう、それぞれの第一油圧シリンダ28及び第二油圧シリンダ29への作動油の供給が制御される。
また、この作業車は、走行装置2を駆動する油圧モータ39の回転速度を検出する回転センサS6を備える。これらの回転センサS6の検出結果に基づいてそれぞれの車輪40の回転速度が算出される。算出された車輪40の回転速度に基づいて、車輪40の回転速度が目標の値となるように、油圧モータ39への作動油の供給が制御される。
このように、屈折リンク機構3を介して走行装置2を支持する構成とし、油圧駆動式の駆動機構4としての油圧シリンダ28,29により、屈折リンク機構3の姿勢を変更操作する構成であるから、水分や細かな塵埃等による影響を受け難く、農作業に適したものになる。
使用例として次のような作業形態がある。例えば、車両本体1に作業装置を搭載支持して、作物列の左右両側の通路に走行装置2を接地させ、車両本体1が作物列の上方を跨ぐ状態で走行しながら作業を行うようにして、作物の生育状況に応じて車両本体1の位置を変更させることで、作物の植え付け作業、肥料や薬剤等の散布作業、成長したあとの収穫作業等が行い易いものとなる(図6参照)。大きな段差が存在する箇所の左右両側に接地した状態で走行することも可能である(図5参照)。さらに、4個の屈折リンク機構3は各別に屈曲可能であるから、走行装置2を1個ずつ段差に乗り上げながら移動することで、自律走行にて段差を乗り越えることも可能となる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、屈折リンク機構3が、基台6から上方に延びるフレーム体7の上部に支持される構成としたが、この構成に代えて、屈折リンク機構3を基台6に直接支持する構成としてもよく、基台6から下方に延びるフレーム体に支持する構成としてもよい。
(1)上記実施形態では、屈折リンク機構3が、基台6から上方に延びるフレーム体7の上部に支持される構成としたが、この構成に代えて、屈折リンク機構3を基台6に直接支持する構成としてもよく、基台6から下方に延びるフレーム体に支持する構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、駆動機構4が、第一油圧シリンダ28と第二油圧シリンダ29とを備える構成としたが、この構成に代えて、屈折リンク機構3の揺動支点部に油圧モータを備えて、その油圧モータによって屈折リンク機構3の姿勢を変更する構成でもよい。
(3)上記実施形態では、補助輪24が自由回転自在に支持される構成としたが、補助輪24を回転駆動する構成としてもよく、このような補助輪24を備えない構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、走行装置2が油圧モータ39により駆動される構成としたが、この構成に代えて、例えば、エンジン11の動力がチェーン伝動機構等の機械式伝動機構を介して車輪40に供給される構成でもよい。
(5)上記実施形態では、走行装置2が1つの車輪40を備える構成としたが、この構成に代えて、走行装置として、複数の輪体にクローラベルトが巻回されたクローラ走行装置を備える構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、作動油供給装置5が車両本体1の車体前後方向中間位置に備えられている構成としたが、この構成に限られるものではない。作動油供給装置5は、例えば、車体前後方向前方側のリンク機構3と車体前後方向後方側のリンク機構3との間で、車体前後方向中間位置以外に備えられることもできる。
(7)上記実施形態では、リンク機構3が車両本体1の上部部分、すなわち、フレーム体8の上部に支持されている構成とした。この場合、車両本体1に対するリンク機構3の連結箇所が車両本体1における高い位置に設定される。高い位置でリンク機構3を介して車両本体1が支持されるので、車両本体1の支持位置に対して重心位置をできるだけ低い位置にして、姿勢の安定性を向上させることができる。しかしながら、リンク機構の支持箇所は上記の構成に限られるものではなく、例えば車両本体1の中間部部分や下部部分であってもよい。リンク機構3を車両本体1の下部部分に支持する場合、車高を高くすることが可能となり、より高い障害物を乗り越えたり跨いだりすることが可能となる。
本発明は、農用の作業車に適用できる。
1 車両本体
2 走行装置
3 屈折リンク機構
3A 中間屈折部
4 駆動機構
6 基台
7 フレーム体
24 補助輪
26 第一リンク
27 第二リンク
28 第一油圧シリンダ
29 第二油圧シリンダ
39 油圧モータ
X1 横軸芯
X2 横軸芯
2 走行装置
3 屈折リンク機構
3A 中間屈折部
4 駆動機構
6 基台
7 フレーム体
24 補助輪
26 第一リンク
27 第二リンク
28 第一油圧シリンダ
29 第二油圧シリンダ
39 油圧モータ
X1 横軸芯
X2 横軸芯
Claims (6)
- 車両本体と、
前記車両本体の左右両側に位置する複数の走行装置と、
夫々の前記走行装置を各別に昇降自在に前記車両本体に支持する複数の屈折リンク機構と、
複数の前記屈折リンク機構の姿勢を各別に変更可能な駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記屈折リンク機構の中間屈折部が車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、前記屈折リンク機構の姿勢を変更操作可能な作業車。 - 前記屈折リンク機構は、一端部が前記車両本体に横軸芯周りで揺動自在に支持された第一リンクと、一端部が前記第一リンクの他端部に横軸芯周りで揺動自在に支持され且つ他端部に前記走行装置が支持された第二リンクとを備え、
前記駆動機構は、前記車両本体に対する前記第一リンクの揺動姿勢を変更可能な第一シリンダと、前記第一リンクに対する前記第二リンクの揺動姿勢を変更可能な第二シリンダとを備え、
前記駆動機構は、前記屈折リンク機構における前記第一リンクと前記第二リンクとが車体前後方向中間側に向けて屈折する状態を維持しながら、前記屈折リンク機構の姿勢を変更操作する請求項1に記載の作業車。 - 前記駆動機構は油圧駆動式の駆動機構である請求項1又は2に記載の作業車。
- 前記車両本体に、複数の前記駆動機構に向けて作動油を送り出す油圧供給源が備えられ、
前記油圧供給源は、前記車両本体における車両全体を支持する基台に載置支持されている請求項3に記載の作業車。 - 前記走行装置を駆動する油圧モータが、夫々の前記走行装置に各別に備えられている請求項1から4のいずれか1項に記載の作業車。
- 前記車両本体の下部に複数の補助輪が備えられている請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車。
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