JP6587404B2 - 複層塗膜の形成方法 - Google Patents
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Description
[1]
着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)を含むメタリックベース塗料組成物によって形成されたメタリックベース塗膜、着色ベース塗料組成物によって形成された着色ベース塗膜、およびクリヤー塗膜、を有する複層塗膜の形成方法であって、
上記着色ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、リン酸化合物(d)および着色顔料(e)を含み、
上記メタリックベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であり、
上記着色ベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が20〜70%であり、
上記着色ベース塗膜は、焼付け硬化後の乾燥膜厚が21〜40μmである、
複層塗膜の形成方法。
[2]
上記メタリックベース塗料組成物は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)、アクリル樹脂(iv)、メラミン樹脂(v)およびブロックイソシアネート化合物(vi)をさらに含む、複層塗膜の形成方法。
[3]
上記着色ベース塗料組成物に含まれるアクリル樹脂(a)は、エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)を含む、複層塗膜の形成方法。
[4]
上記着色ベース塗料組成物の、塗装時における固形分濃度が25〜45質量%である、複層塗膜の形成方法。
[5]
上記複層塗膜は、硬化電着塗膜の上に形成される、複層塗膜の形成方法。
[6]
硬化電着塗膜の上に、メタリックベース塗料組成物を塗装して、未硬化のメタリックベース塗膜を形成する、メタリックベース塗膜形成工程、
得られたメタリックベース塗膜の上に、着色ベース塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化の着色ベース塗膜を形成する、着色ベース塗膜形成工程、
得られた着色ベース塗膜の上に、クリヤー塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のメタリックベース塗膜、着色ベース塗膜およびクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化を行う、焼付け工程、
を包含する、複層塗膜の形成方法であって、
上記メタリックベース塗料組成物は、着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)を含み、
上記着色ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、リン酸化合物(d)および着色顔料(e)を含み、
上記メタリックベース塗料組成物を硬化して得られるメタリックベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であり、
上記着色ベース塗料組成物を硬化して得られる着色ベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が20〜70%であり、および
上記着色ベース塗膜は、焼付け硬化後の乾燥膜厚が21〜40μmである、
複層塗膜の形成方法。
[7]
上記複層塗膜の形成方法によって形成される複層塗膜。
本発明の方法において用いられる被塗物として、特に限定されず、例えば、金属、プラスチック、発泡体などを挙げることができる。本発明の方法は、特に金属および鋳造物に有利に用いることができ、電着塗装可能な金属に対して特に好適に用いることができる。このような金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛などおよびこれらの金属を含む合金が挙げられる。これらの被塗物は、成型物であってもよい。成型物の具体例として、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体およびその部品などが挙げられる。上記金属などの被塗物は、電着塗装する前に、予めリン酸系化成処理剤、ジルコニウム系化成処理剤などで化成処理するのがより好ましい。必要に応じた化成処理がなされた被塗物上に硬化電着塗膜が形成されているのが好ましい。硬化電着塗膜の形成に用いられる電着塗料組成物として、カチオン型およびアニオン型の何れも使用することができる。電着塗料組成物としてカチオン電着塗料組成物を用いることによって、より防食性に優れた塗膜を形成することができるため好ましい。
本発明の方法において用いられるメタリックベース塗料組成物は、着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)を含む。上記メタリックベース塗料組成物は、着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)に加えて、ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)、アクリル樹脂(iv)、メラミン樹脂(v)およびブロックイソシアネート化合物(vi)を含むのが好ましい。そしてこのメタリックベース塗料組成物を用いて形成されたメタリックベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であることを特徴とする。
メタリックベース塗料組成物に含まれる着色顔料(i)は、被塗装物表面の色を隠蔽し、そして得られる複層塗膜に彩度を与える。着色顔料(i)として、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、黄色酸化鉄などの無機着色顔料;そして、種々の有機着色顔料、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アゾレッド、アゾイエロー、アゾオレンジなどのアゾ系顔料;キナクリドンレッド、シンカシャレッド、シンカシャマゼンタなどのキナクリドン系顔料;ペリレンレッド、ペリレンマルーンなどのペリレン系顔料;カルバゾールバイオレット、アントラピリジン、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、アントラキノンレッド、ジケトピロロピロールなど、が挙げられる。着色顔料(i)として、酸化鉄と、ペリレン系顔料およびキナクリドン系顔料からなる群から選択される1種またはそれ以上と、を組み合わせて用いるのが好ましい。着色顔料(i)が酸化鉄を含む場合における、着色顔料(i)中に含まれる酸化鉄の量は、10〜50質量%であるのが好ましく、15〜40質量%であるのがより好ましく、20〜40質量%であるのがさらに好ましい。
メタリックベース塗料組成物に含まれる光輝性顔料(ii)は、光を反射する顔料であり、得られる複層塗膜に明度を与えるものである。光輝性顔料(ii)として、例えば、平均粒子径(D50)が2〜50μmであり、かつ厚さが0.1〜5μmである鱗片状顔料が挙げられる。光輝性顔料(ii)の具体例として、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、酸化アルミニウムおよびこれらの合金などの金属製光輝性顔料、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グラファイト顔料、ガラスフレーク顔料などが挙げられる。これらの光輝性顔料は無着色のものであってよく、また着色されたものであってもよい。光輝性顔料(ii)として、アルミニウム顔料が好ましく用いられる。
本発明において用いられるメタリックベース塗料組成物は、上記着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)などの顔料に加えて、ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)、アクリル樹脂(iv)、メラミン樹脂(v)およびブロックイソシアネート化合物(vi)を含むのが好ましい。これらの成分は塗膜形成成分として機能する。
上記メタリックベース塗料組成物は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)を含むのが好ましい。ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)は、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる樹脂である。
上記メタリックベース塗料組成物は、アクリル樹脂(iv)を含むのが好ましい。メタリックベース塗料組成物がアクリル樹脂(iv)を含むことによって、得られるメタリックベース塗膜の塗膜物性を向上させることができる。
上記メタリックベース塗料組成物は、メラミン樹脂(v)を含むのが好ましい。メラミン樹脂としては、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル・ブチル混合型メラミン樹脂などを用いることができる。例えば三井サイテック社から市販されている「サイメル−303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン225」、「ユーバン226」、「ユーバン20N60」など、および、住友化学工業社から市販されている「スミマールシリーズ」などが挙げられる。
上記メタリックベース塗料組成物は、ブロックイソシアネート化合物(vi)を含むのが好ましい。ブロックイソシアネート化合物(vi)は、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、およびこれらのヌレート体に、活性メチレン基を有する化合物、ケトン化合物またはカプロラクタム化合物などのブロック化合物を付加反応させることによって調製することができる。このようなブロックイソシアネート化合物(vi)は、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、アクリル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂中の官能基と反応して、硬化することとなる。上記活性メチレン基を有する化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物が挙げられる。ケトン化合物として、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。カプロラクタム化合物として、例えば、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはそのヌレート体に活性メチレン化合物またはケトン化合物を付加反応させたブロックイソシアネート化合物がより好ましく用いられる。
上記メタリックベース塗料組成物は、必要に応じて、リン酸基含有アクリル樹脂を含んでもよい。リン酸基含有アクリル樹脂として、リン酸基含有不飽和モノマーと他の不飽和モノマーとを共重合して得られるアクリル樹脂が挙げられる。リン酸基含有不飽和モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸にアルキレンオキサイドを付加させポリアルキレングリコールモノエステルとし、次いでオキシ塩化リンと反応させ、リン酸をモノエステル化し、その後、生成物を加水分解することにより合成することができる。なお、オキシ塩化リンの代わりに、正リン酸、メタリン酸、無水リン酸、3塩化リン、5塩化リンなどを用いてもよい。リン酸基含有不飽和モノマーの具体例として、例えば、アシッドホスホオキシヘキサ(またはドデカ)(オキシプロピレン)モノメタクリレートなどが挙げられる。他の不飽和モノマーとして、上記アクリル樹脂(ii)の調製に用いることができるモノマーが挙げられる。
上記メタリックベース塗料組成物は、必要に応じて、硬化触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など、当業者において通常用いられる添加剤などを含んでもよい。
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルメトキシブタノール、エトキシプロパノール、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコール−t−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メトキシブタノール、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;
メタノール、エタノール、ブタノール、プロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;
スワゾール、シェルゾール、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤;
キシレン、トルエン、ソルベッソ−100(S−100)、ソルベッソ−150(S−150)などの芳香族系溶剤;
などが挙げられる。
本発明の方法において用いられる着色ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、リン酸化合物(d)および着色顔料(e)を含む。これらの成分のうち、ブロックイソシアネート化合物(c)として、上述のブロックイソシアネート化合物(vi)を用いることができる。また、メラミン樹脂(b)として、上述のメラミン樹脂(v)を用いることができる。
本発明の方法において用いられる着色ベース塗料組成物に含まれるアクリル樹脂(a)は、エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)を含むのが好ましい。エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)は、水酸基を有するアクリルモノマーとエポキシ基を有するアクリルモノマーと、その他のモノマーを重合することによって調製することができる。エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)は、水酸基価が10〜150mgKOH/gであり、エポキシ当量が230〜800g/eqであるのが好ましい。
上記メラミン樹脂(b)の量は、塗料樹脂固形分質量を基準にして8〜30質量%であるのが好ましく、10〜20質量%であるのがより好ましい。
上記ブロックイソシアネート化合物(c)の量は、塗料樹脂固形分質量を基準にして2〜20質量%であるのが好ましく、5〜15質量%であるのがより好ましい。
また、上記アクリル樹脂(a)が、エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)、および、水酸基および酸基を有するアクリル樹脂(a−2)を含む場合は、これらの樹脂の質量比が、(a−1):(a−2)=1:5〜1:1の範囲内であるのが好ましく、(a−1):(a−2)=1:3〜1:1.5の範囲内であるのがより好ましい。
本発明の方法において用いられる着色ベース塗料組成物は、リン酸化合物(d)を含むことを特徴とする。着色ベース塗料組成物が、塗膜形成成分である上記成分(a)〜(c)に加えて、リン酸化合物(d)を含むことによって、上記成分(a)〜(c)の硬化速度が向上する。特に、メタリックベース塗料組成物、着色ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物をウェットオンウェット塗装によって複層塗膜を形成する場合に、上記着色ベース塗料組成物によって形成された着色ベース塗膜の硬化速度を、メタリックベース塗膜の硬化速度より遅く、かつ、クリヤー塗膜の硬化速度より早い範囲に設計することができる。これにより、得られる複層塗膜の外観を向上させることができる。
着色ベース塗料組成物は着色顔料(e)を含む。着色顔料(e)が含まれることによって、メタリックベース塗膜が呈する色を微調整し、さらに、得られる複層塗膜の彩度および色の深み感を増すことができる。なお、着色ベース塗料組成物は、光輝性顔料を含まない。着色ベース塗料組成物が光輝性顔料を含むと、下層のメタリックベース塗膜によって反射する光線が、着色ベース塗膜によって弱められてしまい、色の深み感が低下するためである。
上記着色ベース塗料組成物は、必要に応じて、触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、流動調整剤、ハジキ防止剤など、当業者において通常用いられる添加剤などを含んでもよい。
本発明の方法において用いられるクリヤー塗料組成物は、通常用いられるクリヤー塗料組成物を用いることができる。クリヤー塗料組成物として、具体的には、ポリエポキシドとポリ酸とを含む酸エポキシ硬化系クリヤー塗料組成物、および、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート硬化剤とを含むウレタンクリヤー塗料組成物などが挙げられる。
本発明における複層塗膜は、下記工程
硬化電着塗膜の上に、上記メタリックベース塗料組成物を塗装して、未硬化のメタリックベース塗膜を形成する、メタリックベース塗膜形成工程、
得られたメタリックベース塗膜の上に、上記着色ベース塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化の着色ベース塗膜を形成する、着色ベース塗膜形成工程、
得られた着色ベース塗膜の上に、上記クリヤー塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のメタリックベース塗膜、着色ベース塗膜およびクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化を行う、焼付け工程、
を包含する方法によって形成されるのが好ましい。このように本発明における複層塗膜は、中塗り塗膜を形成することなく、硬化電着塗膜の上に直接複層塗膜を形成しても、良好な塗膜性能および塗膜外観を有する、高意匠複層塗膜、特に、高い彩度および明度を有するキャンディーカラー塗膜、を形成することができることを特徴とする。さらに、メタリックベース塗膜の波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であることにより、中塗り塗膜を形成することなく複層塗膜を形成しても、優れた耐光性が発揮されることとなる。上記方法によって得られる複層塗膜はさらに、上記利点に加えて、極めて優れた塗膜外観を有する高意匠複層塗膜、特に、高い彩度および明度を有するキャンディーカラー塗膜、である利点も有する。
製造例1:ウレタン変性ポリエステル樹脂の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器に、イソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部およびネオペンチルグリコール200部を入れた。反応容器を加熱し、原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を加え、撹拌しながら、反応容器の温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、次いで、反応容器内にキシレン20部を徐々に加え、溶剤存在下で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管およびデカンターを備えた反応容器に、ビスヒドロキシエチルタウリン213部、ネオペンチルグリコール208部、無水フタル酸296部、アゼライン酸376部及びキシレン30部を仕込み昇温した。反応により生成した水はキシレンと共沸させて除去した。還流開始より約3時間かけて反応液温を210℃とし、カルボン酸相当の酸価が135になるまで撹拌と脱水とを継続して反応させた。液温を140℃まで冷却した後、「カージュラE10」(シェル社製のバーサティック酸グリシジルエステル)500部を30分で滴下し、その後2時間撹拌を継続して反応を終了した。固形分酸価55、ヒドロキシル価91および数平均分子量1250の両性イオン基含有ポリエステル樹脂を得た。
この両性イオン基含有ポリエステル樹脂10部、脱イオン水140部、ジメチルエタノールアミン1部、スチレン50部およびエチレングリコールジメタクリレート50部をステンレス製ビーカー中で激しく撹拌することによりモノマー懸濁液を調製した。また、アゾビスシアノ吉草酸0.5部、脱イオン水40部およびジメチルエタノールアミン0.32部を混合することにより開始剤水溶液を調製した。
撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管および冷却管を備えた反応容器に、上記両性イオン基含有ポリエステル樹脂5部、脱イオン水280部およびジメチルエタノールアミン0.5部を仕込み、80℃に昇温した。ここに、モノマー懸濁液と開始剤水溶液40.82部とを同時に60分かけて滴下し、更に60分反応を継続した後、反応を終了させた。動的光散乱法で測定した粒子径55nmを有する、架橋重合体微粒子エマルジョンが得られた。
このエマルジョンにキシレンを加え、減圧下共沸蒸留により水を除去し、媒体をキシレンに置換して、固形分含有量20質量%の架橋重合体微粒子のキシレン溶液を得た。
1Lの容器に、先の製造例で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス3.08部、下記表中に記載の顔料成分および有機溶剤を仕込み、仕込み量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を投入し、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、顔料ペーストとした。
グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。この顔料ペーストを用い、下記表に示した配合になるように、メタリックベース塗料組成物を調製した。
ダイヤナール HR−2066:三菱レイヨン社製、アクリル樹脂
ダイヤナール HR−2077:三菱レイヨン社製、アクリル樹脂
ユーバン 20N60:三井サイテック社製、ブチル化メラミン樹脂
デュラネート MFK−60X:旭化成ケミカルズ社製、HDIブロックポリイソシアネート
UC−6700:日本防湿工業社製、アルミニウム顔料
TCR−2062:東洋アルミニウム社製、アルミニウム顔料
シコトランスレッド L2818:BASFジャパン社製、透明酸化鉄
パリオゲンレッド L3875:BASFジャパン社製、低明度・高彩度のペリレンマルーン顔料
シンカシャマゼンタ L4530(343−D):BASFジャパン社製、キナクリドン系顔料
ラーベン5000U3:COLUMBIAN CHEMICALS社製、カーボンブラック
バリファインBF−40:堺化学工業社製、硫酸バリウム
ディスパロン 4200−10:楠本化成社製、ダレ止・沈降防止剤;酸化ポリエチレン
ディスパロン 6900−20X:楠本化成社製、増粘・ダレ止・沈降防止剤;脂肪酸アマイド
ベントン34:RHEOX社製、粘性剤
ベントン38:RHEOX社製、粘性剤
BYK−182:ビックケミー・ジャパン社製、顔料分散剤
ソルスパーズ32550:アビシア社製、顔料分散剤
CAB381−0.5:イーストマンケミカルジャパン社製、酢酸・酪酸セルロース
フローレン AC−300:共栄社化学社製、アルキルビニルエーテル重合物・アクリル酸アルキル重合物・メタクリル酸アルキル重合物の混合物
チヌビン 384 (TINUVIN 384−2):BASFジャパン社製、紫外線吸収剤
CHISORB 523:Double Bond Chemical Ind.,Co.,Ltd.社製、光安定剤
ディスパロン OX−881:楠本化成社製、消泡・ワキ防止剤;アクリル系重合物
ポリプロピレン板上に、メタリックベース塗料組成物を、乾燥塗膜が14μmとなるようにスプレー塗装し、熱風乾燥炉にて140℃で20分間加熱硬化させた後、形成した塗膜をポリプロピレン板より剥離して単独メタリックベース塗膜を得た。この単独メタリックベース塗膜を、U−3310型分光光度計(日立社製)を用い、波長スキャンモードで300nm以上420nm以下の区間をスキャンスピード300nm/min、サンプリング間隔0.5nmの条件で測定した上で、各波長領域での単独メタリックベース塗膜の光線透過率を求めた。
顔料成分として、UC−6700を0.9部、TCR−2062を0.39部、シコトランスレッドL2818を0.87部、パリオゲンレッドL3875を0.20部、シンカシャマゼンタL4530(343−D)を1.41部、ラーベン5000U3を0.005部、バリファインBF−40を0.11部としたこと以外は、製造例3と同様にして、メタリックベース塗料組成物2を得た。
製造例3と同様にして、メタリックベース塗料組成物2を用いて単独メタリックベース塗膜を作成し、光線透過率を測定した。測定結果を下記表3に示す。
製造例5:エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、撹拌翼を備えたセパラブルフラスコにソルベッソ100(S−100)を520部および酢酸ブチル50部を仕込み、窒素雰囲気下で120℃に昇温した。これにスチレン250部、アクリル酸n−ブチル60部、メタクリル酸イソブチル60部、アクリル酸イソボロニル173部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル103部、メタクリル酸グリシジル354部、カヤエステル−Oを28.5部および酢酸ブチル50部からなるモノマー混合溶液を、滴下ロートを通じて、3時間で等速滴下し、滴下終了の後さらに30分、窒素雰囲気、撹拌、温度をそのまま維持した。その後、酢酸ブチル40部およびカヤエステル−O99部の混合溶液を、滴下ロートを通じて、30分で等速滴下した。その後、窒素雰囲気、撹拌、温度をそのまま2時間維持した。その後、S−100を20部と酢酸ブチル9部を加え、アクリル樹脂を得た。得られたアクリル樹脂の水酸基価は50mgKOH/g、エポキシ基当量405g/eq、数平均分子量は2150であった。
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、適下ロートを備えた3Lの反応槽にキシレン700部、ソルベッソ100を500部仕込み、130℃に昇温した。上記の容器に、適下ロートを用い、スチレンモノマー300部、アクリル酸2−エチルヘキシル350部、メタクリル酸イソブチル150部、アクリル酸200部、及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト150部とキシレン300部からなる溶液を3時間かけて適下した。滴下終了後30分間にわたり130℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト20部及びキシレン20部からなる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、更に1時間の間130℃にて反応を継続させた後、脱溶剤工程において溶剤1100部を除去し、数平均分子量1800、酸価156mgKOH/g(固形分)のアクリル系ポリカルボン酸を含む不揮発分70%のワニスを得た。
ステンレスビーカーに、下記表2に示される量に従って、原料を量りとり、次いで、トルエン/S−100/S−150/エチルエトキシプロピオネート(質量比:62/3/1/3)から構成されるシンナーを加えて、ディスパーで撹拌して、着色ベース塗料組成物1を得た。
使用する原料および量を、下記表2の通り変更したこと以外は、製造例7と同様にして、着色ベース塗料組成物2〜9を調製した。
ダイヤナール HR−2077:三菱レイヨン社製、アクリル樹脂
ダイヤナール HR−2025:三菱レイヨン社製、アクリル樹脂
ユーバン 20N60:三井サイテック社製、ブチル化メラミン樹脂
ユーバン 226(ユーバン 225):三井化学社製、ブチル化メラミン樹脂
マイコート506(M−506):三井サイテック社製、ブチル化メラミン樹脂
スミジュール BL−3175:住化バイエルウレタン社製、ブロックタイプポリイソシアネート
デュラネート MF−K60X:旭化成ケミカルズ社製、HDIブロックポリイソシアネート
チヌビン 384 (TINUVIN 384−2):BASFジャパン社製、紫外線吸収剤
CHISORB 523:Double Bond Chemical Ind.,Co.,Ltd.社製、光安定剤
ディスパロン 4200−10:楠本化成社製、ダレ止・沈降防止剤;酸化ポリエチレン
ディスパロン 4200−20:楠本化成社製、ダレ止・沈降防止剤;酸化ポリエチレン
BYK−110:ビックケミー・ジャパン社製、顔料分散剤
BYK−182:ビックケミー・ジャパン社製、顔料分散剤
フローレン AC−300:共栄社化学社製、アルキルビニルエーテル重合物・アクリル酸アルキル重合物・メタクリル酸アルキル重合物の混合物
SCAT2L:三共有機合成社製、ジブチル錫脂肪酸塩
キャタリスト4040:三井サイアナミッド社製、トルエンスルホン酸
パリオゲンレッド L3875:BASFジャパン社製、低明度・高彩度のペリレンマルーン顔料
バリファインBF−40:堺化学工業社製、硫酸バリウム
RT−343−D:BASFジャパン社製、キナクリドン系顔料
LMS−300:富士タルク工業社製、タルク
リン酸亜鉛処理鋼板に、日本ペイント社製のカチオン電着塗料組成物である「パワーニクス」を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間加熱硬化し、硬化電着塗膜を設けた。
得られた硬化電着塗膜の上に、表3記載のメタリックベース塗料組成物を乾燥膜厚が14μmとなるように、メタベルを用いて塗装した。次いで、表3記載の着色ベース塗料組成物を、表3記載の乾燥膜厚となるように、メタベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。次いで、クリヤー塗料組成物であるマックフローO−1820クリヤー(日本ペイント社製、酸・エポキシ硬化系クリヤー塗料組成物)を、乾燥膜厚が35μmとなるように、マイクロマイクロベルを用いて、ウェットオンウェット塗装した。
得られたウェット塗膜を、140℃で20分間焼付け硬化させて、高意匠複層塗膜を得た。
ポリプロピレン板上に、着色ベース塗料組成物1を、乾燥塗膜が23μmとなるようにスプレー塗装し、熱風乾燥炉にて140℃で20分間加熱硬化させた。次いで、形成した塗膜をポリプロピレン板より剥離して、単独着色ベース塗膜を得た。この単独着色ベース塗膜を、U−3310型分光光度計(日立社製)を用い、波長スキャンモードで300〜420nmの区間をスキャンスピード300nm/min、サンプリング間隔0.5nmの条件で測定した上で、各波長領域での単独着色ベース塗膜の光線透過率を求めた。測定結果を下記表3に示す。
着色ベース塗料組成物の種類、着色ベース塗料組成物の膜厚を、表3記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
また、塗装に用いた着色ベース塗料組成物を用いたこと、そして、単独着色ベース塗膜の膜厚を表3に示す膜厚に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単独着色ベース塗膜を作成し、各波長領域での単独着色ベース塗膜の光線透過率を求めた。測定結果を下記表3に示す。
メタリックベース塗料組成物、着色ベース塗料組成物の種類を、表3記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
また、塗装に用いた着色ベース塗料組成物を用いたこと、そして、単独着色ベース塗膜の膜厚を表3に示す膜厚に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単独着色ベース塗膜を作成し、各波長領域での単独着色ベース塗膜の光線透過率を求めた。定結果を下記表3に示す。
着色ベース塗料組成物の塗装において、乾燥膜厚を45μmとなるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
また、単独着色ベース塗膜の膜厚を表3に示す膜厚に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単独着色ベース塗膜を作成し、各波長領域での単独着色ベース塗膜の光線透過率を求めた。定結果を下記表3に示す。
着色ベース塗料組成物の塗装において、乾燥膜厚を13μmとなるように塗装したこと以外は、実施例1と同様にして、高意匠複層塗膜を得た。
また、単独着色ベース塗膜の膜厚を表3に示す膜厚に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単独着色ベース塗膜を作成し、各波長領域での単独着色ベース塗膜の光線透過率を求めた。定結果を下記表3に示す。
実施例および比較例により得られた複層塗膜の塗膜外観の凹凸などの表面状態を、目視により、下記基準に基づき評価を行った。
下記評価において評価3以上であった複層塗膜について、積層塗膜の表面を、BYK−Gardner GmbH社製「ウエーブスキャンDOI」を用いて、Wa値を測定することにより仕上がり外観を評価した。Wa値は、塗膜の艶感および微小な肌を評価する指標である。この値が低い程、塗膜平滑性が高く、仕上がり外観が良好であることを示す。
評価
5:目視評価において明らかな塗膜外観異常は認められない。Wa値は15未満である。
4:目視評価において明らかな塗膜外観異常は認められない。Wa値は15以上20未満である。
3:目視評価においてごく僅かな塗膜外観異常が認められる。Wa値は20以上25未満である。
2:目視評価において、塗膜外観異常が認められる。
1:目視評価において、顕著な塗膜外観異常が認められる。
得られた各高意匠複層塗膜の彩度と色の深み感を目視にて観察し、下記基準により評価を行った。
○:彩度が高く、色の深み感に優れている
×:彩度が低い、もしくは色の深み感がない
得られた各高意匠複層塗膜の明度を、分光測色計MA−68II(X−Rite社製)を用いて、15°L*値として測定した。得られた15°L*値に基づき、下記基準により評価を行った。
○:45以上
×:45未満
得られた各高意匠複層塗膜の色ムラを目視にて観察し、意匠性について下記基準により評価を行った。
○:塗膜全体が均一な色を有し、顕著な色ムラの発生がない
×:塗膜に色ムラが顕著に発生している
実施例および比較例により得られた塗装板を、スーパーUV促進試験機(アイスーパーUVテスター(SUV−W151):岩崎電気社製、照射条件:照度100mW、温度63℃、湿度70%)を用いて曝露し、照射光量0.6MJ/m2ごとに曝露を終了した。
次いで、試験板を50℃のイオン交換水に24時間浸した後、付着性(2mmの碁盤目・剥離試験)を、下記の評価基準に従って評価した。この時、剥離面積が碁盤目の15%未満であれば合格と判断した。
評価基準:
○:付着試験が合格となる最大の照射光量が15MJ/m2以上
×:付着試験が合格となる最大の照射光量が15MJ/m2未満
比較例1は、メタリックベース塗膜の光線透過率が0.1%を超える例である。この比較例1においては、耐光性が劣ることが確認された。
比較例2は、着色ベース塗料組成物にリン酸化合物(d)が含まれない例である。この比較例2においては、得られた複層塗膜の表面に明らかな凹凸が発生した。
比較例3は、着色ベース塗料組成物において、リン酸化合物(d)の代わりに錫触媒を用いた例である。この比較例3においても、得られた複層塗膜の表面に細かな凹凸が発生した。
比較例4は、着色ベース塗料組成物において、リン酸化合物(d)の代わりにスルホン酸を用いた例である。この比較例4においては、得られた複層塗膜の表面不良(シワ)が発生した。
比較例5は、着色ベース塗料組成物において、リン酸化合物(d)の代わりに、酸基含有樹脂を用いた例である。この比較例5においても、得られた複層塗膜の表面に明らかな凹凸が発生した。
比較例6は、着色ベース塗膜の膜厚が40μmを超える例である。この比較例6においては、複層塗膜の塗膜外観(凹凸)が劣り、全体として明度が低下し、塗膜の外側部位が額縁のように濃い状態になり、塗板の外側に顕著な色ムラの発生が見られた。
比較例7は、着色ベース塗膜の光線透過率が本発明の範囲に満たない例である。この比較例7においては、彩度がなく深み感を得られず、高意匠複層塗膜とはならなかった。
比較例8は、着色ベース塗膜の光線透過率が本発明の範囲を超える例である。この比較例8においては、彩度および深み感が得られず、また、耐光性も劣った。
比較例9は、着色ベース塗膜の膜厚が21μmに満たない例である。この比較例9においては、彩度および深み感が得られず、また、耐光性も大きく劣った。
Claims (7)
- 着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)を含むメタリックベース塗料組成物によって形成されたメタリックベース塗膜、着色ベース塗料組成物によって形成された着色ベース塗膜、およびクリヤー塗膜、を有する複層塗膜の形成方法であって、
前記着色ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、リン酸化合物(d)および着色顔料(e)を含み、
前記メタリックベース塗料組成物を硬化して得られるメタリックベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であり、
前記着色ベース塗料組成物を硬化して得られる着色ベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が20〜70%であり、
前記着色ベース塗膜は、焼付け硬化後の乾燥膜厚が21〜40μmである、
複層塗膜の形成方法。 - 前記メタリックベース塗料組成物は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(iii)、アクリル樹脂(iv)、メラミン樹脂(v)およびブロックイソシアネート化合物(vi)をさらに含む、請求項1記載の複層塗膜の形成方法。
- 前記着色ベース塗料組成物に含まれるアクリル樹脂(a)は、エポキシ基を有するアクリル樹脂(a−1)を含む、請求項1または2記載の複層塗膜の形成方法。
- 前記着色ベース塗料組成物の、塗装時における固形分濃度が25〜45質量%である、請求項1〜3いずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
- 前記複層塗膜は、硬化電着塗膜の上に形成される、請求項1〜4いずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
- 硬化電着塗膜の上に、メタリックベース塗料組成物を塗装して、未硬化のメタリックベース塗膜を形成する、メタリックベース塗膜形成工程、
得られたメタリックベース塗膜の上に、着色ベース塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化の着色ベース塗膜を形成する、着色ベース塗膜形成工程、
得られた着色ベース塗膜の上に、クリヤー塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成する、クリヤー塗膜形成工程、および
得られた未硬化のメタリックベース塗膜、着色ベース塗膜およびクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化を行う、焼付け工程、
を包含する、複層塗膜の形成方法であって、
前記メタリックベース塗料組成物は、着色顔料(i)および光輝性顔料(ii)を含み、
前記着色ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、リン酸化合物(d)および着色顔料(e)を含み、
前記メタリックベース塗料組成物を硬化して得られるメタリックベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が0.0001〜0.1%であり、
前記着色ベース塗料組成物を硬化して得られる着色ベース塗膜は、波長300nm以上420nm以下の範囲における光線透過率が20〜70%であり、および
前記着色ベース塗膜は、焼付け硬化後の乾燥膜厚が21〜40μmである、
複層塗膜の形成方法。 - 請求項1〜6いずれかに記載の複層塗膜の形成方法によって形成される複層塗膜。
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