JP2010247092A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被塗装物上に形成された中塗り塗膜上に、第1水性ベース塗料を塗装して第1水性ベース塗膜を形成する工程(1)、前記工程(1)によって得られた第1ベース塗膜上に、第2水性ベース塗料を塗装して第2ベース塗膜を形成する工程(2)、を含む複層塗膜形成方法であって、前記中塗り塗膜がL*値75以上を有すること特徴とする複層塗膜形成方法。
【選択図】なし
Description
以下に中塗り塗料と水性ベース塗料の説明をする。中塗り塗膜の形成には中塗り塗料が用いられる。本発明では、中塗り塗料はL*値が75以上、好ましくは85以上である必要がある。この中塗り塗料は、通常、塗膜形成性樹脂、硬化剤、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等が含有されるが、L*値を制御するために顔料を調節する必要がある。
第1水性ベース塗料と第2水性ベース塗料は、顔料の配合量が違うだけで、塗料配合としては同じであるので、両方を1つの「水性ベース塗料」として、以下に配合成分の説明をする。
エマルション樹脂としては、通常、水性塗料に使用され、乳化重合により得られるものを挙げることができる。このエマルション樹脂としては、酸価3〜50のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるものを含有することが好ましい。
本発明の水性ベース塗料は、水溶性アクリル樹脂(b)を含有する。水溶性アクリル樹脂は、好ましくは水性ベース塗料中に樹脂固形分中90〜15質量%、より好ましくは80〜30質量%の量で含有する。15質量%より少ないと、塗着時の粘度上昇が速すぎ、得られる塗膜の色ムラが発生する。90質量%を超えると、良好なFF性が出なくなる。
本発明の水性ベース塗料は、メラミン硬化剤(c)を含有する。メラミン硬化剤は、水溶性であっても、非水溶性であってもよい。メラミン硬化剤のなかでも水トレランスが3.0以上のものを用いることが、安定性上好ましい。ここで用いる水トレランスとは、親水性の度合を評価するためのものであり、その値が高いほど親水性が高いことを意味する。水トレランス値の測定方法は、25℃において、100mlビーカー内で、サンプル0.5gをアセトン10mlに混合して分散させ、ビュウレットを用いてイオン交換水を徐々に加え、混合物が白濁を生じるまでに要するイオン交換水の量(ml)を測定し、このイオン交換水の量(ml)を水トレランス値としたものである。
本発明の水性ベース塗料には、上塗り塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、その他の粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等を挙げることができる。
本発明で使用するクリヤー塗料は、水性型、粉体型と有機溶剤型あるが、通常は有機溶剤型であるので、有機溶剤型を説明する。有機溶剤型クリヤー塗料は、特に限定されず、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有するクリヤー塗料を利用できる。更に下地の意匠性を妨げない程度であれば着色顔料を含有することもできる。
本発明の塗膜形成方法は、種々の基材、例えば金属、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
本発明の複層塗膜形成方法では、必要により電着塗膜および中塗り塗膜を形成した被塗物上に、水性ベース塗料によるベース塗膜及び有機溶剤型クリヤー塗料によるクリヤー塗膜を、順次形成することができる。特に、本発明では、水性ベース塗料の塗装が2ステージで構成されていて、第1水性ベース塗料によって第1水性ベース塗膜を形成し、その上に第2水性ベース塗料によって第2水性ベース塗膜を形成し、その上にクリヤー塗料が塗装される。
反応容器に脱イオン水126.5部を加え、窒素気流中で混合撹拌しながら80℃に昇温した。次いで、アクリル酸メチル29.61部、アクリル酸エチル53.04部、スチレン4.00部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル9.28部、メタクリル酸3.07部およびメタクリル酸アリル1.00部のモノマー混合物100部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)0.7部、アデカリアソープNE−20(α−[1−[(アリルオキシ)メチル]−2−(ノニルフェノキシ)エチル]−ω−ヒドロキシオキシエチレン、旭電化社製)0.5部、および脱イオン水80部からなるモノマー乳化物と、過硫酸アンモニウム0.3部、および脱イオン水10部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水70部およびジメチルアミノエタノール0.32部を加えpH6.5に調整し、平均粒子径150nm、不揮発分25%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/gの単層のアクリル樹脂エマルションa−1を得た。
反応容器にトリプロピレングリコールメチルエーテル23.89部およびプロピレングリコールメチルエーテル16.11部を加え、窒素気流中で混合撹拌しながら105℃に昇温した。次いで、下記のモノマー混合物100部、トリプロピレングリコールメチルエーテル10.0部およびターシャルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート1部からなる開始剤溶液を3時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、0.5時間同温度で熟成を行った。
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にジメチルテレフタル酸372部、ジメチルイソフタル酸380部、2−メチル−1,3−プロパンジオール576部、1,5−ペンタンジオール222部、テトラブチルチタネート0.41部を仕込み、160℃から230℃まで昇温しつつ4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下まで減圧して、260℃にて40分間重縮合反応を行った。窒素雰囲気下、220℃まで冷却し、無水トリメリット酸を23部投入し、220℃で30分間反応を行ってポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂は、NMRの組成分析の結果、カルボン酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸:48/49/3であり、ポリオール成分がモル比で2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール:65/35であった。つまりポリカルボン酸成分、ポリオール成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸が97モル%、イソフタル酸が49モル%、所定のジオールの合計量が65モル%、エチレングリコールは0モル%であった。
(1)数平均分子量:ポリスチレン標準サンプル基準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したところ、12000であった。
(2)酸価:試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した後、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定したところ、16.1mgKOH/gであった。
攪拌機、温度調整器、冷却管を備えた1リットルの反応容器にエトキシプロパノール40部を仕込み、これにスチレン4部、n−ブチルアクリレート35.96部、エチルヘキシルメタアクリレート18.45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.92部、メタクリル酸7.67部、エトキシプロパノール20部に、ホスマーPP(ユニケミカル社製アシッドホスホオキシヘキサ(オキシプロピレン)モノメタクリレート)20部を溶解した溶液40部、及びアゾビスイソブチロニトリル1.7部からなるモノマー溶液121.7部を120℃で3時間滴下した後、1時間さらに攪拌を継続した。得られた樹脂は、酸価105mgKOH/g、うちリン酸基による酸価55mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g、数平均分子量6000のアクリルワニスで、不揮発分が63%であった。
<水性メタリックベース塗料の製造>
先の製造例1で得られたエマルション樹脂a−1を160部、10質量%ジメチルアミノエタノール10部、製造例2の水溶性アクリル樹脂33部(樹脂固形分30%)、製造例3のポリエステル樹脂33部(樹脂固形分30%)、メラミン樹脂としてサイメル204(三井サイテック社製混合アルキル化型メラミン樹脂、固形分80%、水トレランス3.6ml)を38部、プライムポールPX−1000(三洋化成工業社製2官能ポリエーテルポリオール)10部、光輝性顔料を下記表1に記載する量、製造例4のリン酸基含有アクリル樹脂5部、ラウリルアシッドフォスフェート0.3部を添加し、さらに、2−エチルヘキサノール30部、アデカノールUH−814N2.5部(ADEKA社製粘性剤、固形分30%)を均一分散することにより水性メタリックベース塗料a−1〜a−5を得た。
*2 東洋アルミニウム社製アルミニウム顔料(D50=16.2μm、固形分濃度=65%)
*3 東洋アルミニウム社製アルミニウム顔料(D50=9.9μm、固形分濃度=61%、高輝度タイプ)
中塗り塗料の製造
オルガP−30グレー(日本ペイント社製ポリエステル・メラミン樹脂系中塗り塗料、L*値=60)の顔料である、二酸化チタンのPWCを35質量%、カーボンブラックを0.03質量%に調整し、塗膜のL*値を85とした高明度中塗り塗料と、二酸化チタンを用いず、カーボンブラックのPWCを3質量%に調整し、L*値を3とした低明度中塗り塗料とを調製した。
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、縦30cm、横40cmのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた塗板に、25秒(No.4フォードカップを使用し、20℃で測定)に、製造例6で製造した明度(L*値)が3、60、85の各中塗り塗料を、乾燥膜厚35μmとなるようにエアスプレーで2ステージ塗装し、140℃で30分間、焼き付けた。
A3サイズのパネルに塗装したメタリック塗膜の色ムラを目視評価し、その発生程度を以下のランク付けした:
ランク5:メタリックムラがない。
ランク4:ランク3とランク5の中間程度のムラが見える。
ランク3:メタリックムラが若干見える。
ランク2:ランク1とランク3の中間程度のムラが見える。
ランク1:メタリックムラが目立つ。
Claims (5)
- 被塗装物上に形成された中塗り塗膜上に、第1水性ベース塗料を塗装して第1水性ベース塗膜を形成する工程(1)、前記工程(1)によって得られた第1ベース塗膜上に、第2水性ベース塗料を塗装して第2ベース塗膜を形成する工程(2)、を含む複層塗膜形成方法であって、前記中塗り塗膜がL*値75以上を有すること特徴とする複層塗膜形成方法。
- 前記第1水性ベース塗料が光輝性顔料を顔料固形分濃度で1質量%未満含む請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- 前記第1水性ベース塗料が、着色顔料を顔料固形分濃度で1質量%未満含む請求項2記載の複層塗膜形成方法。
- 前記工程(2)で得られた第2ベース塗膜上に、さらにクリヤー塗料を塗装してクリヤー塗膜を形成する工程(3)を含む請求項3記載の複層塗膜形成方法。
- 前記第1水性ベース塗膜、前記第2水性ベース塗膜および前記クリヤー塗膜を一度に加熱硬化させる請求項4記載の複層塗膜形成方法。
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