JP6582156B1 - 電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、銅張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、銅張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

電解銅箔をその幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて測定した引張強度が、下記要件(I)から(III)を満たす。・要件(I):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が400MPa以上650MPa以下である。・要件(II):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の分散σ2が18[MPa]2以下である。・要件(III):150℃で1時間熱処理された後の状態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa以上である。

Description

本発明は、電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、銅張積層板及びプリント配線板に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ということがある。)は、例えば、正極と、負極と、非水電解質とで構成されており、主に携帯電話やノートタイプパソコン等に使用されている。また、近年では、自動車用途への需要も、急速に増加してきている。
リチウムイオン二次電池の負極は、負極集電体の表面に負極活物質層が形成されてなり、負極集電体には、一般的に銅箔が使用されている。特に、圧延銅箔に比べて、導電率と強度との両立がし易く、また低コストに薄箔化できる、電解銅箔(以下、単に「銅箔」ということがある。)が広く用いられている。
このような銅箔を用いたリチウムイオン二次電池の負極は、銅箔の表面に、負極活物質層としてカーボン粒子等を塗布し、乾燥し、さらにプレスすることで、形成される。
近年、リチウムイオン二次電池は、その市場拡大に伴い、以前にも増して、電池特性の向上と同時に、生産性の向上も要求されてきている。これらの要求に対し、例えば、電池の高容量化のためには、活物質層の厚みの増加やプレス圧力の増加等が行われており、生産性の向上のためには、銅箔の広幅化や、活物質層のストライプ塗工の多本数化等が行われている。また、リチウムイオン二次電池は、電池の軽量化も望まれており、銅箔の薄箔化も進められている。
しかし、上記のような各種要求に対応する製造条件では、活物質層の塗工時や、プレス時、スリット時等に、銅箔にシワや亀裂、スリット端面の形状不良等が発生し易くなり、電池の生産性の低下を招く場合があった。
また、リチウムイオン二次電池の充放電時には、活物質層が膨張収縮し、銅箔や、セパレータ等の他の部材に、その応力が負荷されることがある。このような応力の負荷は、セパレータ等の他の部材の破壊による短絡や、発火の原因になる。また、銅箔への応力負荷は、銅箔から活物質層が剥離する原因となる他、銅箔にシワや破断等の破壊を生じる原因にもなり、電池寿命の低下を招く要因にもなる。通常、銅箔に負荷される応力は、活物質層の厚みや密度の増加に伴い、さらに大きくなる。
上述のような様々な問題に対して、従来技術では、銅箔の引張強度を所定値以上とする、或いは銅箔の伸びを所定値以上とする、伸び異方性を低減させる等の、銅箔の機械的特性を改良させる手法が提案されていた(特許文献1〜4参照)。
しかしながら、実際の電池製造時においては、単に、特許文献1のように、銅箔の引張強度や伸び等の機械的特性を改良させるだけでは十分に上記のような問題を解決できない。また、特許文献2及び3のように、結晶粒径や配向性を制御する、或いは特許文献4のように、表面の二次元断面形状に対する高さ方向の情報しか含まない十点平均粗さ(Rzjis)を制御し、伸び異方性を低減させるだけでは、広幅の銅箔の場所による強度バラつきを低減させるのに不十分であった。特に、最近では、広幅(例えば600mm以上)の銅箔に、活物質層を複数層塗工することも増えてきており、こうした広幅の銅箔に複数本の活物質層をストライプ塗工する際には、活物質層の厚みや密度を大きくするほど、銅箔にかかる負荷も大きくなる傾向にある。
また、最近では、粗化処理面を有する銅箔を用いて、該銅箔の粗化処理面に予めエポキシ樹脂等の接着用樹脂を貼着し、該接着用樹脂を半硬化状態(Bステージ)の絶縁樹脂層とし、該絶縁樹脂層の側を絶縁基板側にして銅箔と絶縁基板とを熱圧着して、プリント配線板(とりわけビルドアップ配線板)を製造することが行われている。
このようなプリント配線板の製造では、銅箔と、絶縁基板とを熱圧着する際のプレスにより、銅箔にシワが発生する問題があった。
そのため、プリント配線板用途においても、製造時にシワが発生し難い銅箔の開発が求められていた。
特許第5588607号公報 特許第5074611号公報 特許第5718476号公報 特許第6248233号公報
そこで本発明は、高い機械的強度及び耐熱性を有し、且つ、広幅であっても電池製造時において複数本のストライプ塗工を行ってもシワや破断、スリット端面の形状不良が発生しない電池の生産性(以下、単に「電池の生産性」ということがある。)に優れた電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。また、本発明は、プリント配線板用途として用いた場合であっても、製造時のプレスによりシワが発生し難い電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いた銅張積層板、プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、電解銅箔をその幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて測定した引張強度が、所定の要件(I)から(III)を満たすことにより、高い機械的強度及び耐熱性を有し、且つ、広幅であっても電池の生産性に優れた電解銅箔が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。また上記のような電解銅箔は、プリント配線板用途で使用しも、プレス時のシワが発生し難いことを見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] 電解銅箔をその幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて測定した引張強度が、下記要件(I)から(III)を満たす、電解銅箔。
・要件(I):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が400MPa以上650MPa以下である。
・要件(II):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の分散σが18[MPa]以下である。
・要件(III):150℃で1時間熱処理された後の状態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa以上である。
[2] 幅方向寸法が600mm以上である、上記[1]に記載の電解銅箔。
[3] 前記各裁断銅箔の常態における伸びの平均値が5.3%以上である、上記[1]又は[2]に記載の電解銅箔。
[4] 導電率が88%IACS以上である、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の電解銅箔。
[5] 光沢面の展開面積比(Sdr)が12%以上27%以下である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電解銅箔。
[6] リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の電解銅箔。
[7] 上記[6]に記載の電解銅箔を用いた、リチウムイオン二次電池用負極。
[8] 上記[7]に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いた、リチウムイオン二次電池。
[9] 上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の電解銅箔の少なくとも一方の表面に粗化処理面を有し、
前記粗化処理面の展開面積比(Sdr)が20%以上200%以下である、電解銅箔。
[10] 上記[9]に記載の電解銅箔と、該電解銅箔の粗化処理面に積層された樹脂製基板と、を備える銅張積層板。
[11] 上記[10]に記載の銅張積層板を備えるプリント配線板。
本発明によれば、高い機械的強度及び耐熱性を有し、且つ、広幅であっても電池の生産性に優れた電解銅箔、並びに該電解銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。また、本発明によれば、プリント配線板用途として用いた場合であっても、製造時のプレスによりシワが発生し難い電解銅箔、該電解銅箔を用いた銅張積層板、プリント配線板を提供することができる。
図1は、本発明の電解銅箔を製造するための製造装置の一例である。
本発明に従う電解銅箔の実施形態について、以下で詳細に説明する。
本発明の電解銅箔は、その幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて測定した引張強度が、下記要件(I)から(III)を満たすことを特徴とする。
・要件(I):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が400MPa以上650MPa以下である。
・要件(II):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の分散σが18[MPa]以下である。
・要件(III):150℃で1時間熱処理された後の状態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa以上である。
なお、本明細書において、「電解銅箔」は、電解処理によって作製された銅箔を指し、製箔後に表面処理を施していない未処理の銅箔と、必要に応じて表面処理を施した銅箔(表面処理電解銅箔)のいずれをも含む意味である。また、電解銅箔の箔厚は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは4〜15μmである。なお、以下において、特記しない限り、「銅箔」は「電解銅箔」を意味する。
また、銅箔の「幅方向」とは、銅箔の製造時における搬送方向(カソード電極からの引き剥がし方向と同じ)に対して垂直な方向であり、ロール状に巻き取られた銅箔の場合、その長手方向が搬送方向に対応する。また、「幅方向寸法」は、銅箔の幅方向の一端から他方端までの寸法である。
また、「裁断銅箔」とは、銅箔をその幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得られた銅箔である。ここで、銅箔の特性を評価するために使用する裁断銅箔は、幅方向寸法が100mm(±5mm)の裁断銅箔の全てであり、幅方向寸法が95mm未満の裁断銅箔は測定対象とはしない。例えば、幅方向寸法が850mmの銅箔の場合、その幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断すると、9枚の裁断銅箔が得られるが、そのうち測定対象となるのは幅方向寸法が100mm(±5mm)の8枚の裁断銅箔である。
また、「常態」とは、銅箔が、製造されたままの未加熱の状態にある他、60℃超の加熱を伴う熱履歴を持たない状態、例えば室温(15〜30℃、以下においても同じ。)に置かれたままの状態を指す。また、「150℃で1時間熱処理された後の状態」とは、銅箔が、150℃において1時間熱処理され、例えば室温まで、冷却された後の状態を指す。
従来の高強度銅箔では、広幅の銅箔上に、複数本のストライプ塗工を行う場合、シワや破断、スリット端面の形状不良等が発生し易い問題があった。このような問題に対し、本発明者らは鋭意研究を行った結果、上記のような問題の発生には、銅箔の幅方向における引張強度のバラつきの度合いが関係していることを突き止めた。
通常、ストライプ塗工では、活物質層が塗工してある箇所とそうでない箇所とが、銅箔の幅方向に交互に形成され、銅箔の幅方向に荷重がかかる箇所とそうでない箇所とが交互に存在する構成となる。このようなストライプ塗工後の銅箔に対し、製造ラインにてプレスやスリットの処理を行う場合、銅箔の幅方向に引張強度のバラつきがあると、ライン搬送上のばたつきや、銅箔の幅方向へのスリップ、張力変動等が生じ易くなることがわかった。特に、ライン搬送上のばたつきや、銅箔の幅方向へのスリップは、シワや破断の原因となり、張力変動は、シワやスリット端面の異常(バリや欠け等)の原因になることがわかった。
上記のような知見に基づき、本発明では、高強度であり、且つ耐熱性に優れる銅箔において、特に、従来の高強度化した銅箔と比べ、銅箔の幅方向における引張強度のバラつきを小さくすることにより、上記のような問題を解決でき、電池の量産工程において生産性を向上できることを見出した。
さらに、本発明者らは、プリント配線板のプレス工程の不良についても鋭意調査した結果、銅箔の引張強度のバラつきが大きい程、シワが多発することをつきとめた。
上記のような知見に基づき、プリント配線板に用いる銅箔についても、上記の様に幅方向の引張強度のバラつきを小さくすることにより、シワ不良が抑制され、プリント配線板の生産性を向上できることを見出した。
本発明の銅箔の幅方向寸法は、好ましくは300mm以上、より好ましくは600mm以上であり、さらに好ましく900mm以上であり、より更に好ましくは1200mm以上である。このような銅箔は、電池やプリント配線板の量産製造に用いる際に好適である。また、銅箔の幅方向寸法の上限は、銅箔の製造設備にもよるが、例えば2000mmであり、幅方向の特性バラつきを低減する観点では、銅箔の幅方向寸法は1500mm以下であることが好ましい。
銅箔の幅方向寸法は、大きいほど、電池やプリント配線板を量産化できる点で好適であるが、電池やプリント配線板の製造時に負荷される応力は銅箔の幅方向に異なる構成となり易い。そのため、特に広幅の銅箔は、上述のような問題点が顕著となるが、本発明では、銅箔の幅方向における引張強度のバラつきを小さくすることで、上述のような問題点を解決できる。
本発明では、特に銅箔の幅方向における特性のバラつきを適切に評価するため、銅箔を、その幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて、各種測定を行い、最終的に銅箔全体として評価するものとする。以下、要件毎に詳しく説明する。
<要件(I)>
本発明の銅箔は、常態における各裁断銅箔の引張強度(Ts)の平均値が、400MPa以上650MPa以下であり、好ましくは400MPa以上600MPa以下であり、より好ましくは445MPa以上600MPa以下であり、さらに好ましくは450MPa以上600MPa以下である。上記範囲とすることにより、電池の生産性を向上でき、良好な電池特性を有する電池を製造できる。一方、常態における各裁断銅箔の引張強度の平均値が400MPa未満である場合には、電池の高容量化に伴う電極材による負荷の増大の影響に耐えられず、銅箔にシワが発生する傾向にある。また、常態における各裁断銅箔の引張強度の平均値が650MPaを超える場合には、銅箔の伸びが低下し、銅箔の箔切れが発生し易くなる傾向にある。
また、プリント配線板に用いる場合にも、銅箔の常態における引張強度が400MPa未満である場合には、薄箔シート品の搬送時にシワが発生することでハンドリング性が悪化する。また、銅箔の常態における引張強度が、650MPaを超える場合には、ドラムによる析出製造時に箔切れが発生し易くなり、生産性が悪化する。
<要件(II)>
本発明の銅箔は、常態における各裁断銅箔の引張強度(Ts)の分散σが、18[MPa]以下であり、好ましくは14[MPa]以下であり、より好ましくは11[MPa]以下であり、さらに好ましくは10[MPa]以下である。ここで、各裁断銅箔の引張強度の分散σは、銅箔の幅方向の引張強度のバラつきの指標であり、その値が大きいほど引張強度のバラつきが大きいことを意味する。本発明の銅箔は、常態における各裁断銅箔の引張強度の分散σが上記範囲であることにより、電極の製造工程において局所的なシワやたるみの発生を有効に防止できる。また、プリント配線板の製造工程においてもプレスによるシワの発生を有効に防止できる。一方、常態における各裁断銅箔の引張強度の分散σが18[MPa]超である場合には、銅箔の幅方向の引張強度のバラつきが大きく、電極の製造工程において銅箔に負荷される応力が銅箔の幅方向にバラつくため、局所的なシワやたるみが発生し、電池の生産性が低下する傾向にある。また、プリント配線板の製造工程においても、プレスによるシワの発生が顕著になる傾向にある。なお、常態における各裁断銅箔の引張強度の分散σの下限は、例えば0[MPa]であってもよい。
<要件(III)>
本発明の銅箔は、150℃で1時間熱処理された後の状態における各裁断銅箔の引張強度(Ts)の平均値が350MPa以上であり、好ましくは380MPa以上であり、より好ましくは400MPa以上である。上記範囲とすることにより、電池への加工時に十分な強度を維持でき、電池の充放電時の負荷への耐久性に優れ、電池のサイクル寿命が向上する。一方、150℃で1時間熱処理された後の状態における各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa未満であると、電池への加工時に強度が低下し、また電池の充放電時には、負荷に耐えきれず銅箔の破断が発生し易くなり、電池のサイクル寿命の低下を招く傾向にある。なお、150℃で1時間熱処理された後の状態における各裁断銅箔の引張強度の平均値の上限は、加熱後においても適度な伸びを有する観点で、例えば550MPaであり、好ましくは450MPaであってもよい。
また、プリント配線板の製造においても、150℃で1時間熱処理された後の状態における各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa以上の場合には、基板の積層工程で加熱した後も、結晶粒が細かく維持されるため、エッチング性が良好となる。一方、上記引張強度の平均値が350MPa未満である場合には、基板の積層工程で加熱した後に結晶粒が大きくなる傾向にあり、エッチングで銅粒子が溶け難くなる為、エッチング性が悪化する。
なお、上記要件(I)〜(III)において、引張強度は、本実施例に記載された評価条件の下で測定された値とする。
<伸び(El)>
本発明の銅箔は、各裁断銅箔の常態における伸び(El)の平均値が、好ましくは5.3%以上であり、より好ましく6.0%以上であり、さらに好ましくは7.5%以上、より更に好ましくは9.0%以上である。上記範囲とすることにより、電池の充放電時に銅箔に負荷される応力に対する耐久性が向上する。なお、各裁断銅箔の常態における伸びの平均値の上限は、高強度の観点で、例えば13.0%であり、好ましくは11.0%であってもよい。
また、150℃で1時間熱処理された後の状態における各裁断銅箔の伸びの平均値についても、常態の場合と同様の範囲であることが好ましい。
なお、伸びは、本実施例に記載された評価条件の下で測定された値とする。
<展開面積比(Sdr)>
従来、銅箔の表面形状を表すパラメータとしては、十点平均粗さRzjisを用いるのが一般的であったが、十点平均粗さRzjisでは、表面の二次元断面形状に対する高さ方向の情報しか含まれておらず、正しい評価が行えていなかった。これに対し、展開面積比(Sdr)には、表面の三次元の情報が含まれるため、より適切な特性評価が可能となる。
展開面積比(Sdr)とは、測定領域のサイズを持つ理想面を基準として、表面性状によって加わる面積の割合を意味しており、下記式(1)で定義される。
Figure 0006582156
上記式(1)中、x及びyは、平面座標であり、zは高さ方向の座標である。z(x,y)は、ある点の座標を示し、これを微分することで、その座標点における傾きとなる。また、Aは、測定領域の平面積である。
また、展開面積比(Sdr)は、例えば3次元白色干渉型顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線3次元粗さ解析装置等により、銅箔表面の凹凸差を測定、評価して、求めることができる。一般に、展開面積比(Sdr)は、表面粗さ(Sa)の変化に関わらず、表面性状の空間的な複雑性が増すと大きくなる傾向にある。
本発明の銅箔は、光沢面の展開面積比(Sdr)が、好ましくは27%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは18.5%以下であり、より更に好ましくは17%以下である。上記範囲とすることにより、銅箔の幅方向の強度のバラつきをさらに低減でき、電池の生産性がさらに向上する。また、上記範囲とすることにより、プリント配線板の製造工程においても、プレスによるシワの発生が抑制される。なお、光沢面の展開面積比(Sdr)の下限は、活物質層の塗工性の観点で、例えば12%であってもよい。
また、本発明の銅箔は、粗面の展開面積比(Sdr)が、好ましくは92%以下であり、より好ましくは90%以下であり、さらに好ましくは80%以下であり、より更に好ましくは70%以下である。上記範囲とすることにより、電極製造時に活物質層の塗工が均一になされることで銅箔への応力負荷が均一に起こるためシワやたるみが減少し、生産性が向上する。また、上記範囲とすることにより、プリント配線板の製造工程においても、プレスによるシワの発生が抑制される。なお、粗面の展開面積比(Sdr)の下限は、例えば62%であってもよい。
ここで、光沢面及び粗化面の展開面積比(Sdr)は、本実施例に記載された評価条件の下で測定された値とする。
なお、光沢面(「S(シャイニー)面」ということもある)とは、電解銅箔の製箔時にカソードドラムに接していた側の面をいい、粗面(「M(マット)面」ということもある)とは、光沢面と反対側の面をいう。なお、本願明細書において、光沢面及び粗面と称する場合は、製箔後に表面処理を施していない未処理の銅箔表面を指し、光沢面及び粗面上に、粗化処理を施した、粗化処理面とは区別するものとする。
本発明の銅箔は、該銅箔の少なくとも一方の表面に粗化処理面を有していてもよく、該粗化処理面の展開面積比(Sdr)が、好ましくは20%以上200%以下であり、より好ましくは25%以上197%以下である。このような銅箔は、特にプリント配線板として用いる場合に好適である。例えば、粗化処理面の展開面積比(Sdr)が20%未満である場合、該表面に接着用樹脂を貼着する際の密着性が低下する傾向にあり、また、200%超である場合エッチングファクターが低下し、微細配線の形成が困難になる場合がある。
粗化処理面の展開面積比(Sdr)は、本実施例に記載された評価条件の下で測定された値とする。
<導電率>
本発明の銅箔は、導電率が、好ましくは88%IACS以上であり、より好ましくは90%IACS以上であり、さらに好ましくは91%IACS以上であり、より更に好ましくは92%IACS以上である。上記範囲とすることにより、電池を作製した際に負極電極の内部抵抗が低下し、電池のサイクル特性が向上する。また、上記範囲であれば、銅箔をプリント配線板として用いる場合にも好適である。
ここで、導電率は、本実施例に記載された評価条件の下で測定された値とする。
<電解銅箔の製造方法>
次に、本発明の電解銅箔の好ましい製造方法について説明する。
本発明の電解銅箔は、例えば、白金族元素又はその酸化物元素で被覆したチタンからなる不溶性アノードと該アノードに対向させて設けられたチタン製カソードドラムとの間に電解液を供給し、カソードドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することによりカソードドラム表面上に銅を析出させ、析出した銅をカソードドラム表面から引き剥がし、連続的に巻き取る方法により製造することができる。なお、このような製造を行う装置は一例である。
電解液としては、例えば、銅濃度が50〜100g/L、硫酸濃度が40〜120g/Lの硫酸−硫酸銅水溶液を好適に用いることができる。
また、電解液には、銅箔の高強度化の観点から、有機又は無機添加剤の少なくとも1種を添加してもよい。
有機添加剤としては、例えば、チオ尿素(CHS)又は水溶性チオ尿素誘導体(エチレンチオ尿素等)や、ニカワ、ゼラチン、ポリエチレングリコール、デンプン、セルロース系水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等の高分子多糖類、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子化合物等を用いることができる。
また、無機添加剤としては、塩化物イオンの供給源としてNaClやHClの他、ごく微量の金属元素の供給源としてタングステン酸ナトリウムやタングステン酸アンモニウム等を用いることができる。
電解液には、無機添加剤として塩化物イオンを1〜30mg/L添加することが好ましく、さらに有機添加剤としてチオ尿素又は水溶性チオ尿素誘導体を、3〜19mg/L添加することが好ましい。
また、電解液の液温は40〜60℃、カソード電極面での平均電流密度は40〜60A/dmに調節することが好ましい。
ところで、通常銅箔の高強度化は、電解液に添加剤を加えることにより行われるのが一般的である。添加剤の効果は、主に、電析中の銅表層の結晶核に添加剤を吸着させることにより、不純物の箔中への取り込み、あるいは結晶方位及び結晶粒径を制御させることである。
しかしながら、核発生と核成長の起こる割合は、電解液の濃度や、電流密度、液温、添加剤の種類とその濃度等の製造条件により変動する。殊に高強度化を目的とした条件の場合、核成長が支配的になることが多い。
添加剤が銅結晶粒に吸着し、また銅箔中に取り込まれることにより、銅箔の強度を高めることができるが、核成長が支配的であることは、すなわち添加剤の吸着点は疎らになり易いことを意味する。そういった条件で作製された高強度銅箔は、強度にバラつきが生じ易い。
本発明では、例えば以下のような手法により、銅の初期電着層を微細化、平滑化することにより、添加剤の吸着点を銅箔の面方向に均一化でき、これにより銅箔の幅方向における引張強度のバラつきを低減できることを見出した。
具体的には、従来の製箔工程に加え、初期電着時においてのみPR(Periodic Reverse)パルス電解を使用することが好ましい。
従来の直流電流を用いた製箔の場合、カソード基板上に銅の核が発生し、その核を起点に銅が成長する。
しかし、初期電着時にPRパルス電解を用いることで、銅の結晶核発生時において銅の析出工程(正パルス通電時)と溶解工程(負パルス通電時)が繰り返される。析出工程で発生した銅の結晶核は、後の溶解工程によってその形状が小型化する。溶解工程の次の析出工程においては、小さくなった銅の結晶核上に加えて、さらにカソード基板上にも新たに銅の結晶核が発生する。それらの繰り返しによって、微細な核発生が得られ、初期電着層が微細化、平滑化する。その結果、添加剤の吸着点が均一に得られると考えられる。
PRパルス電解の好適な条件は、例えば以下のとおりである。
正パルス電流密度Ion:20〜80A/dm
正パルス通電時間ton:50〜200ミリ秒(ms)
負パルス電流密度Irev:−80〜−20A/dm
負パルス通電時間trev:50〜200ミリ秒(ms)
パルス停止時間toff:50〜200ミリ秒(ms)
正パルス−負パルスの繰り返し回数:10〜30回
上記のようなPRパルス電解において、特に、均質な初期電着層を得る観点からは、正パルス電流密度Ion(A/dm)と正パルス通電時間ton(ミリ秒)の積により算出される正パルス積算電流値Q1(=Ion×ton)と、負パルス電流密度Irev(A/dm)と負パルス通電時間trev(ミリ秒)の積により算出される負パルス積算電流値Q2(=Irev×trev)とが、下記式(i)の関係を満たすことが好ましい。
0.5≦|Q2/Q1|≦0.9 ・・・(i)
正パルス積算電流値Q1に対する負パルス積算電流値Q2の比の絶対値|Q2/Q1|が、0.9よりも大きい場合には、溶解工程の寄与が大きく、銅の析出核総量が不十分となる傾向があり、また0.5よりも小さい場合には、析出工程の寄与が大きく、微細な核発生が得られ難い傾向がある。
上記のような手法によれば、必要最小限のごく薄い、均質な初期電着層を形成することができ、これにより、後の工程で、銅箔の厚さ方向に均一な析出層が得られる。そのため、添加剤は、銅箔の面方向及び厚さ方向の両面に均一に吸着し、幅方向に強度のバラつきが小さい、高強度の電解銅箔が得られる。
なお、上記のような手法の銅箔製造に適した装置としては、例えば図1のような製造装置が挙げられる。図1に製造装置の概略図を示す。
図1に示されるように、製造装置1は、カソードドラム11と、PRパルス用電極12と、アノード13と、浴槽14とで主に構成されている。PRパルス用電極12及びアノード13は、カソードドラム11に対向するように設けられ、その間に電解液20が供給される。カソードドラム11は、矢印11aの方向に一定速度で回転し、PRパルス用電極12及びアノード13との各両極間で、PRパルス及び直流電流のそれぞれが通電されることにより、カソードドラム11の表面に銅が析出する。カソードドラム11の表面に析出した銅は、最後に矢印30aの方向に引き剥がされ、銅箔30として製箔される。なお、製造装置1において、浴槽14の外側及び各種配管等は図示を省略しているが、電解液20は、浴槽14の外側から、矢印20aの方向に連続的に供給され、また、カソードドラム11と、PRパルス用電極12及びアノード13との間を通過した後の電解液20は、排出用の配管を通って浴槽14の外側に排出される。
本発明の電解銅箔は、必要に応じて、銅箔の表面の少なくとも一方に、さらに表面処理を施していてもよい。
銅箔の表面処理としては、例えば、クロメート処理、あるいはNi又はNi合金めっき、Co又はCo合金めっき、Zn又はZn合金めっき、Sn又はSn合金めっき、上記各種めっき層上にさらにクロメート処理を施したもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理、シランカップリング剤処理等が挙げられる。これらの表面処理は、防錆に加えて、例えばリチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる場合には活物質との密着強度を高め、さらに電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。これらの防錆処理は一般的に銅箔厚さに対してごく薄い厚さで処理される。そのため引張強度等にはほぼ影響が無い。
上記の表面処理を銅箔に施す前に、必要に応じて銅箔表面に粗化処理を行うことも可能である。粗化処理としては、例えば、めっき法、エッチング法等が好適に採用できる。これらの粗化処理は、銅箔をリチウムイオン二次電池の負極集電体として用いた場合の活物質との密着性等を、さらに向上させる役割を果たす。また、銅箔をプリント配線板の作製に用いる場合にも、粗化処理は絶縁基板との密着性を高める役割を果たす。なお、プリント配線板の作製においては、微細回路の形成を良好に行う観点から、粗化処理は、所望の表面性状、とりわけ所望の展開面積比(Sdr)を有する粗化処理面となるように制御されることが望ましい。なお、粗化処理もまた、一般的に銅箔厚さに対してごく薄い厚さで処理される。そのため引張強度等にはほぼ影響が無い。
めっき法による粗化としては、電解めっき法及び無電解めっき法を採用することができる。Cu、Co及びNiのうち1種の金属からなる金属めっき、又はこれらのうち2種類以上の金属を含む合金めっきにより、粗化粒子を形成することができる。
また、エッチング法による粗化としては、例えば、物理エッチングや化学エッチングによる方法が好ましい。例えば、物理エッチングとしては、サンドブラスト等でエッチングする方法が挙げられる。また、化学エッチングとしては、処理液等でエッチングする方法が挙げられる。特に化学エッチングの場合には、処理液として、無機又は有機酸と、酸化剤と、添加剤とを含有する、公知の処理液を用いることができる。
以下、めっき法による粗化処理の好ましい一例を具体的に説明する。
粗化処理は、基体となる銅箔(以下、単に「銅箔基体」ということがある。)の少なくとも一方の表面に対し、粗化めっき処理1及び粗化めっき処理2を順次施すことによって、行うことができる。粗化めっき処理1及び粗化めっき処理2の好ましい条件は、下記の通りである。なお、下記条件は好ましい一例であり、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて添加剤の種類や量、電解条件を適宜変更、調整することができる。
・粗化めっき処理1
硫酸銅: 銅濃度として 18〜23g/L
(「銅金属として、18〜23g/Lに相当する量を含有する硫酸銅」を意味する。以下においても同様とする。)
硫酸: 96〜105g/L
硫酸コバルト(II)七水和物: コバルト濃度として 2.8〜4.2g/L
液温: 32〜40℃
電流密度: 32〜36A/dm
時間: 1秒〜2分
・粗化めっき処理2
硫酸銅: 銅濃度として 45〜55g/L
硫酸: 112〜121g/L
液温: 59〜64℃
電流密度: 6〜12A/dm
時間: 1秒〜2分
特に、本発明の銅箔をプリント配線板用途に用いる場合には、絶縁基板との密着性と、良好な微細回路の形成とを両立する観点から、銅箔の粗化処理面における展開面積比(Sdr)を20%以上200%以下の範囲に制御することが有効である。このような所望の表面性状を有する粗化処理面は、上記粗化処理の条件を満たすことにより、作製することができる。
なお、粗化処理後に上述の表面処理を施した場合であっても、防錆処理等の表面処理はごく薄い厚さで処理されるため、粗化処理面の展開面積比(Sdr)への影響はほぼ無い。そのため、上述の粗化処理により調整された粗化処理面の展開面積比(Sdr)は、防錆処理等の表面処理後も維持される。
<リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池>
本発明に係る銅箔は、リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いることが好ましい。本発明に係る銅箔を用いることにより、電池製造時において、複数本のストライプ塗工を行ってもシワや破断、スリット端面の形状不良等が発生し難く、電池の生産性を向上できる。
このような本発明に係る銅箔を負極集電体として用いたリチウムイオン二次電池用負極は、高強度、高耐熱であるために、電池製造時、及び充放電時の耐久性が向上する。また、このような負極を用いたリチウムイオン二次電池は、製造時の歩留まりがよく、また電池特性(例えばサイクル特性)にも優れている。
リチウムイオン二次電池用負極は、本発明の銅箔を用いて、公知の方法により形成することができる。例えば、リチウムイオン二次電池用負極は、銅箔の表面に、負極活物質層としてカーボン粒子等を含むスラリーを塗布し、乾燥し、さらにプレスすることで、形成される。
また、リチウムイオン二次電池は、上記負極を用いて、公知の方法により形成することができる。
<銅張積層板及びプリント配線板>
本発明に係る銅箔は、銅張積層板及びこれを備えるプリント配線板として用いることもできる。本発明に係る銅箔を用いることにより、プリント配線板の製造時において、銅箔と、絶縁基板とを熱圧着する際のプレスによりシワが発生することを抑制でき、プリント配線板の生産性を向上できる。
プリント配線板の製造に用いる本発明の銅箔は、該銅箔の少なくとも一方の表面に粗化処理面を有し、該粗化処理面の展開面積比(Sdr)が20%以上200%以下であることが好ましい。このような銅箔によれば、プレスによるシワ不良の発生を抑制でき、更に良好な微細配線の形成も両立させることができる。
銅張積層板は、本発明の銅箔と、該銅箔の粗化処理面に積層された樹脂製基板と、を備えることが好ましい。このような銅張積層板は、本発明の銅箔を用いて、公知の方法により形成することができる。例えば、銅張積層板は、少なくとも一方の表面に粗化処理面を有する銅箔と絶縁基板(樹脂基材)とを、該粗化処理面(貼着面)と樹脂基材とが向かい合うように、積層貼着することにより製造される。絶縁基板としては、例えば、フレキシブル樹脂基板又はリジット樹脂基板等が挙げられるが、本発明の銅箔は、リジット樹脂基板との組み合わせにおいて特に好適である。
また、銅張積層板を製造する場合には、シランカップリング剤層を有する表面処理銅箔と、絶縁基板とを加熱プレスによって貼り合わせることにより製造すればよい。なお、絶縁基板上にシランカップリング剤を塗布し、シランカップリング剤が塗布された絶縁基板と、最表面に防錆処理層を有する表面処理銅箔とを加熱プレスによって貼り合わせることにより作製された銅張積層板も、本発明と同等の効果を有する。
また、プリント配線板は、上記銅張積層板を備えることが好ましい。このようなプリント配線板は、上記銅張積層板を用いて、公知の方法により形成することができる。
ところで、プリント配線板の中でもビルドアップ配線板については、各種電子部品を高度に集積化することが要望され、これに対応して、配線パターンも高密度化が要求され、微細な線幅、線間ピッチの配線パターン、いわゆるファインパターンのプリント配線板が求められるようになってきている。例えば、サーバー、ルーター、通信基地局、車載基板等に使用される多層基板やスマートフォン用多層基板では、高密度極微細配線を有するプリント配線板(以下、「高密度配線板」と記す)が要求されている。
AnyLayer(配置の自由度が高いレーザービアで層間を接続)の高密度配線板は、主にスマートフォンのメインボードに使用されているが、近年微細配線化が進んでおり、線幅及び線間のピッチ(以下、「L&S」と記す)がそれぞれ30μm以下という配線が要求されている。高密度配線板は、従来、プリント配線板メーカーにおいてフォトレジストを用いたサブトラクティブ工法で製造されており、L&Sを微細化する為には銅箔の厚さを薄くすることが効果的であることが、知られている。しかし、500mm角を超えるような大面積で高密度配線板を一括成型する場合は、厚さが9μm以下の銅箔だと絶縁樹脂と銅箔のプレス後に、銅箔にシワが発生する問題があった。
このような問題に対し、例えば特許第6158573号公報には、極薄銅層のバルクの平均結晶粒径を微細化することで微細配線を形成する技術が開示されているが、シワに対する対策が取られていない為、銅箔が薄い場合、プレス工程で不良が多発していた。
これに対し、本発明の銅箔は、上記の様に幅方向の引張強度のバラつきが小さいため、薄層化して、高密度配線板を一括成形する場合であっても、プレス工程によるシワ不良の発生を抑制でき、高密度配線板の製造において生産性を向上できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の一例に過ぎない。本発明は、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、以下は本発明の一例である。
(製造例1〜9及び比較製造例1〜4)
図1に示すように、チタン製カソードドラム11(幅1200mm、径2100mm)と、該カソードドラム11に対向させて設けられたPRパルス用電極12及び不溶性アノード13との間に電解液20を供給し、カソードドラム11を一定速度で回転させながら、両極間にPRパルス及び直流電流を通電することにより、カソードドラム11の表面上に銅を析出させ、厚さ10μmの銅箔30を作製した。その後、銅箔30をカソードドラム11から引き剥がし、両端を切断して、ロール状に巻き取って、幅方向寸法1100mmの銅箔を得た。
なお、製造例1〜9及び比較製造例1〜4のいずれについても、電解液20は、銅濃度が80g/L、硫酸濃度が100g/L、塩化物イオン濃度が20mg/Lに調製された硫酸−硫酸銅系電解液を用いた。また該電解液の温度は55℃、平均電流密度は45A/dm、液流速は1.0m/sにそれぞれ調整した。
また、該電解液に添加した添加剤の種類及びその添加濃度、並びにPRパルス電解の電解条件については、製造例1〜9及び比較製造例1〜4のそれぞれについて、表1に示すように調整した。なお、カソードドラム11の回転速度は、銅箔30の厚さが10μmとなるように、電解条件に応じて適宜調整した。
また、表1に記載された添加剤の種類のうち、「チオ尿素」及び「エチレンチオ尿素」は、いずれも東京化成工業株式会社の製品を用いた。
(比較製造例5)
比較例製造5では、両極間にPRパルスを通電せずにカソードドラム11の表面上に銅を析出させた以外は、製造例1と同様に銅箔30を得た。
(比較製造例6)
比較製造例6では、両極間にPRパルスを通電せずにカソードドラム11の表面上に銅を析出させた以外は、製造例2と同様に銅箔30を得た。
Figure 0006582156
(実施例1〜9及び比較例1〜6)
[特性評価]
上記製造例及び比較製造例で作製した銅箔について、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りであり、特に断らない限り、各測定は室温にて行った。結果を表2に示す。
<裁断銅箔の作製>
常態の銅箔としては、製造されたままの未加熱の状態の銅箔を使用した。
また、150℃で1時間熱処理した後の状態の銅箔は、常態の銅箔を、イナートガスオーブン(INH−21CD−S、光洋サーモシステム株式会社製)で、150℃で1時間加熱した後、室温まで冷却されたものを使用した。
それぞれの銅箔について、その幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断し、各状態に対応する11枚の裁断銅箔(100mm×200mm、厚さ10μm)を得た。
<引張試験>
引張試験は、常態と、150℃で1時間熱処理した後の状態との2種類の裁断銅箔を測定対象として、引張試験機(1122型、インストロン社製)用いて、IPC−TM−650の規定に従って行った。
まず、一の裁断銅箔の幅方向の一端(切断端部)から10mmの位置を始点として、幅方向寸法が0.5inchの試験片(0.5inch×6inch)を、幅方向に約5mm間隔で5本切り出した。得られた試験片を用いて、チャック間距離70mm、引張速度50mm/minの条件で、引張強度及び伸びを測定した。ここで、伸びは、試験片が破断した際の伸び率を指す。そして、得られた測定値(各々N=5)から算出した平均値を、該一の裁断銅箔の引張強度及び伸びとした。さらに、他の裁断銅箔10枚についても同様に、引張強度及び伸び率をそれぞれ求め、最後に、11枚の各裁断銅箔の引張強度及び伸び率(各々N=11)を各々平均して、引張強度の平均値及び伸びの平均値を求めた。
この測定を、常態と、150℃で1時間熱処理した後の状態との2種類の銅箔について、それぞれ行った。
なお、常態の銅箔については、11枚の各裁断銅箔の引張強度から、引張強度の分散σを求めた。
<展開面積比(Sdr)>
展開面積比(Sdr)の測定は、常態の裁断銅箔を測定対象として、白色光干渉型光学顕微鏡(Wyko ContourGT−K、BRUKER社製)を用いて表面形状の測定を行い、さらに形状解析することにより行った。形状解析はVSI測定方式でハイレゾリューションCCDカメラを使用し、光源は白色光、測定倍率が50倍、測定領域が96.1μm×72.1μm、LateralSamplingが0.075μm、speedが1、Backscanが10μm、Lengthが10μm、Thresholdが3%の条件により行い、TermsRemoval(Cylinderand Tilt)、DataRestore(Method:legacy、iterations 5)のフィルタ処理をしたあと、データ処理して行なった。具体的には次のように行った。
まず、一の裁断銅箔の中心部で、表面形状を測定し、形状解析して展開面積比(Sdr)を求めた。さらに、他の裁断銅箔10枚についても同様に展開面積比(Sdr)を測定し、最後に、11枚の各裁断銅箔の展開面積比(Sdr)の測定値(N=11)を平均して、その平均値を銅箔の展開面積比(Sdr)とした。結果を表2に示す。
<導電率>
導電率の測定は、常態の裁断銅箔を測定対象として、Agilent 4338B ミリオームメータ(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて、JISH0505−1975の規定に従って行った。具体的には次のように行った。
一の裁断銅箔から試験片(0.5inch×6inch)を1本切り出し、該試験片を用い、端子間距離を100mmとして4端子法にて、導電率を3回測定した。得られた測定値(N=3)から算出した平均値を、該一の裁断銅箔の導電率とした。さらに、他の裁断銅箔10枚についても同様に導電率を求め、最後に、11枚の各裁断銅箔の導電率(N=11)を平均して、その平均値を銅箔の導電率とした。結果を表2に示す。
[リチウムイオン二次電池用途の評価]
上記製造例及び比較製造例で作製した銅箔を負極集電体として用いて、リチウムイオン二次電池を作製し、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りであり、特に断らない限り、各測定は室温にて行った。結果を表2に示す。
(正極の製造)
まず、LiCoO粉末と、黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデン粉末とを、質量比で90:7:3の割合で混合し、これに溶剤としてN−メチルピロリドン及びエタノールを添加し、混練して、正極剤ペーストを調製した。
次に、得られた正極剤ペーストを、厚み15μmのアルミニウム箔上に均一に塗着した。正極剤ペーストを塗着したアルミニウム箔を、窒素雰囲気中で乾燥し、上記溶剤を揮散させ、次いでロール圧延を行って、全体の厚みが150μmであるシートを作製した。このシートを、巾43mm、長さ285mmに切断した後、その一端にアルミニウム箔のリード端子を超音波溶接で取り付け、正極とした。
(負極の製造及び生産性の評価)
負極集電体に用いる銅箔は、製造例及び比較製造例で作製した常態の銅箔である。
まず、銅箔を、幅方向寸法720mmとなるように、帯形状(帯形状の幅方向が銅箔の幅方向に平行)に裁断した。
次に、天然黒鉛粉末(平均粒径10μm)と、ポリフッ化ビニリデン粉末とを、質量比で90:10の割合で混合し、これに溶剤としてN−メチルピロリドン及びエタノールを添加し、混練して、負極剤ペーストを調製した。
次いで、得られた負極剤ペーストを、上記帯形状の銅箔上に、巾300mmで、該銅箔の長手方向に沿って二重ストライプ状に両面塗着した。負極剤ペーストを塗着した銅箔を、窒素雰囲気中で乾燥し、上記溶剤を揮散させ、次いでロール圧延を行って、全体の厚みが150μmになるよう圧縮形成した。その後、塗着部を巾43mm、長さ280mmに切断した。その一端にニッケル箔のリード端子を超音波溶接で取り付け、負極とした。
最後に、銅箔にシワ、切断部にバリ等の異常が見られるかどうかを目視で確認し、電池の生産性として評価した。銅箔にシワ又は破断が発生しない場合を「優(◎)」、銅箔に軽微なシワ又はバリのいずれかが発生しているが、実用上問題ないものを「良(○)」、シワ及びバリの少なくとも一方が発生し、後の電池特性の評価に影響が出ると予想されるものを「不可(×)」として評価した。
(電池の作製及び電池特性の評価)
製造した正極と負極の間に、厚み25μmのポリプロピレン製のセパレータを挟んで全体を巻き、これを軟鋼表面にニッケルめっきした電池缶に収容して、負極のリード端子を缶底にスポット溶接した。ついで、絶縁材の上蓋を置き、ガスケットを挿入後、正極のリード端子とアルミニウム製安全弁とを超音波溶接して接続し、炭酸プロピレンと炭酸ジエチルと炭酸エチレンからなる非水電解液を電池缶の中に注入した。その後、前記安全弁に蓋を取り付け、外形14mm、高さ50mmの密閉構造型リチウムイオン二次電池を組み立てた。
組み立てた電池を、充電電流100mAで4.2Vになるまで充電し、放電電流100mAで2.4Vになるまで放電するサイクルを1サイクルとカウントする、充放電サイクル試験を行った。電池の放電容量が800mAhを割り込んだときのサイクル数を、サイクル寿命(サイクル特性)として、電池特性を評価した。結果を表2に示す。
サイクル寿命は、500回以上を「優(◎)」、300回以上500回未満を「良(○)」、300回未満を「不可(×)」として評価した。評価が「不可(×)」の銅箔は、本用途に適さない銅箔であることを示す。「良(○)」は適している銅箔であることを示し、中でも「優(◎)」はより電池特性が良好である銅箔であることを示す。
(総合評価)
下記評価基準に基づき総合評価を行った。なお、本実施例では、総合評価でA及びBを合格レベルとした。
A(優):上記の生産性及び電池特性の両方が「優(◎)」評価である。
B(合格):上記の生産性及び電池特性の両方に「不可(×)」評価がなく、上記の生産性及び電池特性の少なくとも一方が「良(○)」評価である。
C(不合格):上記の生産性及び電池特性の少なくとも一方が「不可(×)」評価である。
Figure 0006582156
表2に示されるように、製造例1〜9で作製された銅箔は、常態において所定の引張強度を有し、このとき長尺である幅方向における引張強度のバラつきが小さく、さらに熱処理後の状態でも高い引張強度を維持している(実施例1〜9)。このような実施例1〜9の銅箔は、リチウムイオン二次電池の生産時の生産性及びリチウムイオン二次電池としての電池特性の両方が優れていることが確認された。
これに対し、比較製造例1で作製された銅箔は、常態における引張強度が高すぎて、伸びが劣る(比較例1)。また、比較製造例2の銅箔は、常態及び熱処理後の状態において引張強度が低い(比較例2)。そのため、このような比較例1及び2の電解銅箔は、リチウムイオン二次電池としての電池特性が劣っていることが確認された。
また、比較製造例3〜6で作製された銅箔は、常態における引張強度が、幅方向においてばらついている(比較例3〜6)。そのため、このような比較例3〜6の銅箔は、リチウムイオン二次電池の生産時の生産性が劣っていることが確認された。
(実施例11〜19並びに比較例13、15及び16)
[プリント配線板用途の評価]
上記製造例1〜10並びに比較製造例3、5及び6で作製した銅箔を銅箔基体とし、各銅箔の一方の表面に以下に示す条件で粗化処理及び表面処理を施し、表面処理銅箔(厚さ12μm)を得た。
得られた表面処理銅箔について、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りであり、特に断らない限り、各測定は室温にて行った。結果を表3に示す。
(粗化処理層の形成)
まず、銅箔基体に用いる銅箔は、上記製造例1〜10並びに比較製造例3、5及び6で作製した常態の銅箔(幅方向寸法1100mm)である。
次に、銅箔基体の表3に示す面に対し、下記に示す粗化めっき処理1及び粗化めっき処理2を順次行い、粗化処理層を形成した。
・粗化めっき処理1
硫酸銅: 銅濃度として 21g/L
硫酸: 97g/L
硫酸コバルト(II)七水和物: コバルト濃度として 3.6g/L
液温: 36℃
電流密度: 32A/dm
時間: 1〜30秒
・粗化めっき処理2
硫酸銅: 銅濃度として 50g/L
硫酸: 120g/L
液温: 62℃
電流密度: 10A/dm
時間: 1〜30秒
(表面処理層の形成)
次に、粗化処理層を形成した銅箔の粗化処理面に対し、下記に示すニッケル層、亜鉛層、クロメート処理層、シランカップリング剤層を、順次形成した。
・ニッケル層(下地層)の形成
粗化処理層を形成した銅箔の粗化処理面に対し、下記に示すNiメッキ条件で電解メッキすることにより、ニッケル層(Niの付着量0.23mg/dm)を形成した。ニッケルメッキに用いるメッキ液は、硫酸ニッケル、過硫酸アンモニウム((NH)、ホウ酸(HBO)を含有しており、ニッケル濃度は5.3g/L、過硫酸アンモニウム濃度は28.0g/L、ホウ酸濃度は19.5g/Lである。また、メッキ液の温度は23.5℃、pHは3.9であり、電流密度は2.6A/dm、メッキ処理時間は1〜30秒間である。
・亜鉛層(耐熱処理層)の形成
更に、ニッケル層の上に下記に示すZnメッキ条件で電解メッキすることにより、亜鉛層(Znの付着量0.05mg/dm)を形成した。亜鉛メッキに用いるメッキ液は、硫酸亜鉛七水和物、水酸化ナトリウムを含有しており、亜鉛濃度は10g/L、水酸化ナトリウム濃度は29g/Lである。また、メッキ液の温度は30℃であり、電流密度は5A/dm、メッキ処理時間は1〜30秒間である。
・クロメート処理層(防錆処理層)の形成
更に、亜鉛層の上に下記に示すCrメッキ条件で電解メッキすることにより、クロメート処理層(Crの付着量0.05mg/dm)を形成した。クロムメッキに用いるメッキ液は、無水クロム酸(CrO)を含有しており、クロム濃度は3.1g/Lである。また、メッキ液の温度は20℃、pHは2.1であり、電流密度は0.6A/dm、メッキ処理時間は1〜30秒間である。
・シランカップリング剤層の形成
更に、下記に示す処理を行い、クロメート処理層の上にシランカップリング剤層を形成した。すなわち、シランカップリング剤水溶液にメタノール又はエタノールを添加し、所定のpHに調整して、処理液を得た。この処理液を表面処理銅箔のクロメート処理層に塗布し、所定の時間保持してから温風で乾燥させることにより、シランカップリング剤層を形成した。シランカップリング剤は、3‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業株式会社製)を用い、濃度1.0%、pH4.0の条件で、シランカップリング剤水溶液を調液した。
<粗化処理面の展開面積比(Sdr)>
上記で得られた表面処理銅箔の粗化処理面について、展開面積比(Sdr)の測定を行った。測定は、上記裁断銅箔に対する測定と同様にして行った。結果を表3に示す。
(銅張積層板の製造及びプレス不良の評価)
上記で得られた表面処理銅箔を、200mm×200mmの大きさに切断し、該表面処理銅箔の粗化処理面を、FR4系樹脂基材(EI−6765、住友ベークライト株式会社製、)に重ねて、170℃、面圧1.5MPaの条件で1時間、加熱、加圧接合し、銅張積層板を作製した。この方法で、30枚の銅張積層板を作製し、目視でシワの有無を確認した。
シワが確認された銅張積層板についてはシワ不良数1枚としてカウントした。また、シワ不良の評価は、シワ不良数が0〜1枚である場合は「優(◎)」、シワ不良数が2〜4枚である場合は「良(○)」、シワ不良数が5枚以上場合は「不可(×)」として評価した。シワ不良数と評価結果を表3に示す。
(エッチングファクターの評価)
上記で得られた表面処理銅箔を、200mm×200mmの大きさに切断し、該表面処理銅箔の粗化処理面上に、サブトラクティブ工法により、L&Sが30/30μmのレジストパターンを形成した。そして、エッチングを行って配線パターンを形成した。レジストとしてはドライレジストフィルムを使用し、エッチング液としては塩化銅と塩酸を含有する混合液を使用した。そして、得られた配線パターンのエッチングファクター(Ef)を測定した。エッチングファクターとは、銅箔の箔厚(μm)をH、形成された配線パターンのボトム幅(μm)をB、形成された配線パターンのトップ幅(μm)をTとするときに、次式で示される値である。なお、銅箔の箔厚Hは表面処理銅箔の厚さとした。また、ボトム幅B及びトップ幅Tの各寸法は、ジャストエッチ位置(レジストの端部の位置と配線パターンのボトムの位置が揃う)となったときの配線パターンについて、マイクロスコープを用いて測定した。
Ef=2H/(B−T)
エッチングファクターの評価は、上記Efの値が3.5以上である場合は「優(◎)」、上記Efの値が2.6以上3.5未満である場合は「良(○)」、上記Efの値が2.6未満である場合は「不可(×)」として評価した。上記Efの値と評価結果を表3に示す。
なお、Efの値が小さい場合は、配線パターンにおける側壁の垂直性が崩れて、線幅が狭い微細な配線パターンを形成する場合に、隣接する配線パターンの間で銅箔の溶け残りが生じ、短絡する危険性や、断線に結び付く危険性がある。
(密着性の評価)
上記で得られた表面処理銅箔を、200mm×200mmの大きさに切断し、該表面処理銅箔の粗化処理面を、FR4系樹脂基材(同上)に重ねて、170℃、面圧1.5MPaの条件で2時間、加熱、加圧接合し、銅張積層板を作製した。
作製した銅張積層板を測定用サンプルとして、銅箔をエッチング加工して幅1mmの回路配線を形成し、試験片を作成した。次に試験片の樹脂基材側を両面テープによりステンレス板に固定し、回路配線部分(銅箔部分)を90度方向に50mm/分の速度で引っ張って剥離し、剥離した際の剥離強度(kN/m)を測定した。剥離強度の測定は、テンシロン万能材料試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて行った。
密着性の評価は、上記剥離強度(kN/m)が0.6kN/m以上である場合は「良(○)」、記剥離強度(kN/m)が0.6kN/m未満である場合は「不可(×)」として評価した。評価結果を表3に示す。
(総合評価)
下記評価基準に基づき総合評価を行った。なお、本実施例では、総合評価でA及びBを合格レベルとした。
A(優):上記のシワ不良及びエッチングファクターの両方が「優(◎)」評価であり、密着性が「良(○)」である。
B(合格):上記のシワ不良、エッチングファクター及び密着性のいずれにも「不可(×)」評価がなく、シワ不良及びエッチングファクターの少なくとも一方が「良(○)」評価である。
C(不合格):上記のシワ不良、エッチングファクター及び密着性の少なくとも1つが「不可(×)」評価である。
なお、表3に示される銅箔基体の常態における引張強度(Ts)の分散σは、表2に示される電解銅箔の常態における引張強度(Ts)の分散σと同じデータである。
Figure 0006582156
表3に示されるように、製造例1〜9で作製された実施例1〜9の銅箔は、特に長尺である幅方向における引張強度のバラつきが小さい。このような実施例1〜9の銅箔を用いて銅張積層板を作製した場合には、作製時のプレスによるシワの発生が効果的に抑制できることが確認された(実施例11〜19)。
更に、実施例1〜9の銅箔の表面に、粗化処理面の展開表面積比(Sdr)が所定の範囲となるように表面処理を施すことにより、密着性が良好で、エッチングファクターが大きいプリント配線板が得られることが確認された(実施例11〜19)。
これに対し、比較製造例3、5及び6で作製された比較例3、5及び6の銅箔は、常態における引張強度が、幅方向においてバラついている。そのため、このような比較例3、5及び6の銅箔を用いて銅張積層板を作製した場合は、プレスによるシワが多発することが確認された(比較例13、15及び16)。
1 製造装置
11 カソードドラム
11a ドラム回転方向
12 PRパルス用電極
13 アノード
14 浴槽
20 電解液
20a 電解液供給方向
30 銅箔
30a 引き剥がし方向

Claims (11)

  1. 電解銅箔をその幅方向の一方端から他方端まで100mm間隔で裁断して得た各裁断銅箔を用いて測定した引張強度が、下記要件(I)から(III)を満たす、電解銅箔。
    ・要件(I):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が400MPa以上650MPa以下である。
    ・要件(II):常態における前記各裁断銅箔の引張強度の分散σが18[MPa]以下である。
    ・要件(III):150℃で1時間熱処理された後の状態における前記各裁断銅箔の引張強度の平均値が350MPa以上である。
  2. 幅方向寸法が600mm以上である、請求項1に記載の電解銅箔。
  3. 前記各裁断銅箔の常態における伸びの平均値が5.3%以上である、請求項1又は2に記載の電解銅箔。
  4. 導電率が88%IACS以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解銅箔。
  5. 光沢面の展開面積比(Sdr)が12%以上27%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解銅箔。
  6. リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解銅箔。
  7. 請求項6に記載の電解銅箔を用いた、リチウムイオン二次電池用負極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いた、リチウムイオン二次電池。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解銅箔の少なくとも一方の表面に粗化処理面を有し、
    前記粗化処理面の展開面積比(Sdr)が20%以上200%以下である、電解銅箔。
  10. 請求項9に記載の電解銅箔と、該電解銅箔の粗化処理面に積層された樹脂製基板と、を備える銅張積層板。
  11. 請求項10に記載の銅張積層板を備えるプリント配線板。
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