JP6529684B2 - 表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板 - Google Patents

表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板 Download PDF

Info

Publication number
JP6529684B2
JP6529684B2 JP2018545262A JP2018545262A JP6529684B2 JP 6529684 B2 JP6529684 B2 JP 6529684B2 JP 2018545262 A JP2018545262 A JP 2018545262A JP 2018545262 A JP2018545262 A JP 2018545262A JP 6529684 B2 JP6529684 B2 JP 6529684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
laser
layer
foil
treated copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018545262A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018181061A1 (ja
Inventor
佐藤 章
章 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Publication of JPWO2018181061A1 publication Critical patent/JPWO2018181061A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6529684B2 publication Critical patent/JP6529684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D1/00Electroforming
    • C25D1/04Wires; Strips; Foils
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/382Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the metal

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Description

本発明は高密度配線回路(ファインパターン)を有するプリント配線板に適したレーザー加工性に優れる表面処理銅箔、及びこれを用いた銅張積層板に関するものである。
プリント配線板は、ガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などから成る電気絶縁性の基板の表面に、表面回路形成用の薄い銅箔を置いたのち、加熱・加圧して銅張積層板を製造する。次いで、その銅張積層板に、スルーホールの穿設、スルーホールめっきを順次行ったのち、該銅張積層板の銅箔にエッチング処理を行って所望する線幅と所望する線間ピッチを備えた配線パターンを形成する。最後に、ソルダーレジスト塗布、露光、スルーホールめっきまたは電子部品の接続部のめっきを露出するため、苛性ソーダなどにより、未硬化のソルダーレジストの除去やその他の仕上げ処理が行われる。
このときに用いる銅箔は、一般に、図1に示される電解析出装置を使用してドラム102に析出した銅箔101を剥離することにより得られる電解銅箔が使用される。ドラム102から剥離された電析出開始面(シャイニー面。以下、S面という)は比較的平滑であり、逆の面である電解析出終了面(マット面。以下、M面という)は一般的には凹凸を有している。通常はM面に粗化処理をすることにより、基板樹脂との接着性を向上させている。
最近では、銅箔の粗化面に予めエポキシ樹脂のような接着用樹脂を貼着し、該接着用樹脂を半硬化状態(Bステージ)の絶縁樹脂層とした樹脂付き銅箔を表面回路形成用の銅箔として用い、その絶縁樹脂層の側を基板(絶縁基板)に熱圧着してプリント配線基板、とりわけビルドアップ配線基板を製造することが行われている。該ビルドアップ配線基板では、各種電子部品を高度に集積化する要望がなされ、これに対応して、配線パターンも高密度化が要求され、微細な線幅や線間ピッチの配線パターン、いわゆるファインパターンのプリント配線基板が求められるようになってきている。例えば、サーバー、ルーター、通信基地局、車載搭載基板などに使用される多層基板やスマートフォン用多層基板では線幅や線間ピッチがそれぞれ15μm前後という高密度極微細配線を有するプリント配線基板が要求されている。
このような配線基板の高密度化、微細化に伴い、サブトラクティブ工法での微細回路形成が困難になりつつあり、代わりにセミアディティブ工法(MSAP工法)が使用されるようになってきている。MSAP工法では、樹脂層上に極薄銅箔を給電層として形成し、続いて極薄銅箔上にパターン銅めっきを施す。次いで、極薄銅箔をフラッシュエッチングにより除去することで、所望の配線を形成する。
MSAP工法には、通常、キャリア付き薄銅箔が用いられる。キャリア付き薄銅箔は、キャリアとしての銅箔(キャリア銅箔)の片面に、剥離層と薄銅箔がこの順序で形成され、該薄銅箔の表面が粗化面となっている。そして、その粗化面を樹脂基板に重ね合わせたのち全体を熱圧着し、次いでキャリア銅箔を剥離・除去し、該薄銅箔の該キャリア銅箔との接合側を表出せしめ、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
ビルドアップ配線基板における層間接続のために、ビアと呼ばれる孔が開けられるが、この孔開けはレーザー光の照射により行われることが多い。そして、MSAP工法においては、銅箔に直接レーザー光を照射することにより、銅箔と樹脂に一気に孔を開けるダイレクトレーザー加工と呼ばれる方法が採られる。
MSAP工法に使用されるキャリア付銅箔は、樹脂基材への貼付け面が通常M面であり、レーザー加工面(S面)は平滑でレーザー吸収性が十分でない為に、レーザー加工の前処理としてブラウン処理(エッチング粗化処理)が必要がとされる。そこで、特許文献1では、S面のレーザー加工性を高めるために、レーザー加工面に、クロム、コバルト、ニッケル、鉄などからなるレーザー吸収層を有することにより、レーザー加工性がよい銅箔が提案されている。しかしながら、該キャリア付銅箔における薄銅箔は通常の硫酸銅浴めっき浴で製造しており、ピンホールが多発する問題がある。
また、特許文献2では、中間層としてニッケル層、亜鉛層及びクロメート層を均一に形成することによりピンホールを抑制した銅箔が提案されている。しかしながら、中間層(剥離層)はキャリア箔の光沢面上に形成されるため、キャリア箔を剥離したあとのレーザーが当たる中間層は平滑でレーザーの光を吸収し難く、レーザー加工性が悪い。また、キャリア付銅箔である為にキャリア付銅箔を剥離させるのに手間を要しハンドリング性が悪いという問題がある。
特許文献3では、薄銅箔の中間層側の粗さのバラツキを抑えることで、レーザー加工性とエッチング性を向上させたキャリア付銅箔が提案されている。しかしながら、該キャリア付銅箔における薄銅箔は通常の硫酸銅浴めっき浴で製造しており、ピンホールが多発する問題がある。
特開2013−75443号公報 国際公開2015/030256号 特開2014−208480号公報
MSAP工法にはキャリア付き銅箔が使用されているが、このキャリア付き銅箔には下記の問題点がある。
・ピンホールが多く製造の歩留りを低下させている。
・キャリア箔を剥離したあとにレーザーが当たる中間層は平滑でレーザーの光を吸収し難く、レーザー加工性が悪い。そのため、レーザー加工の前処理としてブラウン処理(エッチング粗化処理)が必要とされる。
・キャリア箔の剥離工程に手間がかかり製造コストを増加させている。
このような問題があるため、キャリア付き銅箔に代わる新しい材料が要望されてきている。それらの課題に対して本発明は、常態及び加熱後の引張強度が高く、キャリア箔なしの薄箔でも皺の発生がなくMSAP工法への適用が可能であり、レーザー加工性(ダイレクトレーザー加工)、エッチング性及び薄箔ハンドリング性に優れ、かつピンホールの少ない高密度配線回路に適した表面処理銅箔を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねてきた中で、“Sdrが25〜120%”の粗化処理面がダイレクトレーザー加工に適していることを見出した。また本発明の表面処理銅箔は、常態における引張強度が400〜700MPa、220℃で2時間加熱後に常温で測定した引張強度が300MPa以上であり、箔厚が7μm以下である表面処理銅箔であって、少なくとも一方の面の展開面積比(Sdr)が25〜120%であり、かつ直径30μm以上のピンホールの数が20個/m2以下とすることで、エッチング性、レーザー加工性(ダイレクトレーザー加工)及び薄箔ハンドリング性に優れ、かつピンホールが少なく高密度配線回路に適することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明において、常態とは、表面処理銅箔が熱処理等の熱履歴を受けずに室温(=およそ25℃)におかれた状態のことを意味する。常態における引張強度は、室温においてIPC-TM-650により測定できる。また、加熱後の引張強度は表面処理銅箔を220℃に加熱して2時間保持した後室温まで自然冷却し、室温において常態における引張強度と同様に測定することができる。
常態における引張強度が400〜700MPaであるとハンドリグ性とエッチング性が良好である。常態における引張強度が400MPa未満では薄箔シート品の搬送時にシワが発生することでハンドリング性が悪く、700MPaより大きいとドラムによる析出製造時に箔切れを起こし易く製造に不適切である。加熱後に常温で測定した引張強度が300MPa以上の場合、基板の積層工程で加熱した後も結晶粒が細かくエッチング性が良好である。同様の加熱後の引張強度が300MPa以下では結晶粒が大きくなりエッチングで溶け難くなる為、エッチング性が悪くなる。
表面処理銅箔の箔厚は7μm以下であり、6μm以下であってもよい。表面処理銅箔の箔厚が7μmを超えると、低エネルギーのレーザーによる開口度が悪くなる傾向にある。表面処理銅箔の箔厚が7μm以下、特に6μm以下であるとレーザー加工性、特に8W程度の低いエネルギーのレーザー照射における加工性が高くなる傾向にある。
本発明において、箔厚は電解析出により製造した銅箔を、必要に応じて、後述するレーザー吸収層の形成、粗化処理層の形成、Ni層の形成、亜鉛層の形成、クロメート処理、シランカップリングの形成等の表面処理を行った後にレーザー加工する前段階の膜厚を意味する。箔厚は、電子天秤によって、質量厚さとして測定することができる。
本発明においては、少なくとも一方の面の展開面積比(Sdr)が25〜120%とすることにより、この面レーザー照射面としたときのダイレクトレーザー加工性を高めることができる。
展開面積比(Sdr)とは、測定領域のサイズを持つ理想面を基準として表面性状によって加わる表面積の割合を意味しており、次式で定義される。
Figure 0006529684
ここで、式中のx、yは、平面座標であり、zは高さ方向の座標である。z(x,y)は、ある点の座標を示し、これを微分することで、その座標点における傾きとなる。また、Aは、測定領域の平面積である。
展開面積比(Sdr)は、3次元白色干渉型顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子線3次元粗さ解析装置などにより、銅箔表面の凹凸差を測定、評価して、求めることができる。一般に、Sdrは表面粗さSaの変化に関わらず、表面性状の空間的な複雑性が増すと大きくなる傾向にある。
ここでダイレクトレーザー加工の原理について説明する。銅箔表面での反射率をr,吸収率をμ,透過率をτとすると次式が成り立つ。
r+μ+τ=1
ダイレクトレーザー加工では銅箔に対しτ=0となるようなレーザー光を選択しておりCO2ガスレーザーなどが一般的であり,上記式はr+μ=1となる.またレーザー光の強度が一様な分布で吸収された場合、ビーム半径をaとするとビーム中心軸(Z軸)上での温度分布は次式で示される。
Figure 0006529684
ここで、式中のx、yは、平面座標であり、zは高さ方向の座標である。また、Pは、吸収されたレーザーパワー[J/s]であり、xは、熱拡散率=K/ρ・C[cm2/S]であり、Kは、熱伝導率[J/cm・s・K]であり、ρは、密度[g/cm3]であり、Cは、比熱[J/g・K]であり、tは、レーザー照射時間[s]であり、aは、ビーム半径[cm]である。
温度は時間の増加と共に上昇するが一定時間で飽和するが、その際の温度は次式の通りである。
Figure 0006529684
上式の様に銅箔表面に吸収されたレーザー光のエネルギーが大きい程温度が高くなることが分る。これは吸収されたレーザー光のエネルギーにより原子振動が増幅し熱に変換されることによるものである。ダイレクトレーザー加工においてはこの熱エネルギーを利用して、レーザー照射箇所の銅箔を溶融させ穴あけ加工を行う。ダイレクトレーザー加工の精度と効率をあげる為には、上式からわかる様に銅箔表面上での反射率を下げるか、または吸収率を上げる必要がある。
従来のMSAP工法においてはキャリア箔剥離後の銅の表面の吸収率が低いため、ブラウン処理で表面を粗し吸収率を増加させることでダイレクトレーザー加工に対応しているが、ブラウン処理工程は手間がかかる為製造コストの観点から問題である。そこで鋭意研究を重ねた結果、銅箔の少なくとも一方の面の展開面積比(Sdr)を25〜120%とすることにより、この面レーザー照射面としたときのダイレクトレーザー加工性を高めることができることを見出した。Sdrが25〜120%となる様な表面にすると1μm以下で複雑性の高い凹凸形状が形成される。このような形状を有する銅箔にレーザーを照射すると乱反射が増加することでレーザー光の吸収率が増加する。また複雑性の高い表面凹凸形状により銅箔の表面層が活性化され酸化膜が形成されることで反射率が減少し且つ酸化膜層表面積の増加により熱電伝導率が低下し、従来よりもレーザー光照射部の温度が上昇したことでダイレクトレーザー加工性が高まったと考えられる。レーザー加工面のSdrが25%未満の場合は、反射率が高くレーザー光の吸収率が悪い為レーザーの吸収性が悪くなる傾向にある。またSdrが120%より大きい場合は、溶融した銅が再度穴埋めてしまう不具合がおきやすくレーザー加工性が悪化する。
また、銅箔を薄箔にする場合、ピンホールが発生すると回路基板の性能を低下させることが知られているが、本発明では直径30μm以上のピンホールが20個/m2以下である銅箔が得られ、回路基板の性能低下を抑制できる。
ピンホールの個数は、銅箔を適宜の大きさ、例えば200mm×200mmに切断し、例えば、光透過法でピンホールをマーキングしたあと、光学顕微鏡で直径を確認し30μm以上の穴をカウントする。得られたピンホールの数に基づいて単位面積(m2)当たりのピンホールの数(個/m2)を算出することができる。
本発明によれば、エッチング性、レーザー加工性、薄箔ハンドリグ性、耐ピンホール性に優れる銅箔を提供することができる。また、常態および加熱後の引張強度が高いためキャリア銅箔なしでもMSAP工法に適用できる表面処理銅箔を提供することができる。
従来の電解銅箔の析出装置を示す図である。 カソード還元工程を有する電解銅箔の析出装置を示す図である。 実施例と比較例におけるレーザー開口数とピンホール数の関係を示す図である。 実施例と比較例における態の引張強度とシワ不良数の関係を示す図である。
本発明の表面処理銅箔は、展開面積比(Sdr)が25〜120%であるが、展開面積比(Sdr)が30〜80%であれば、よりレーザー加工性が高まる傾向にある。また、表面処理銅箔の箔厚が7μm以下、特に6μm以下の場合においても、展開面積比(Sdr)は30〜80%であり、直径30μm以上のピンホールが10個/m2以下であることが好ましい。直径30μm以上のピンホールが10個/m2を超えるようになると回路基板に適用した際の性能が低下する傾向にある。
本発明の表面処理銅箔は、レーザー加工面がYxy表色系でYが25.0〜65.5%、xが0.30〜0.48、yが0.28〜0.41%となることが望ましい。表面処理銅箔のレーザー加工面が上記の展開面積比(Sdr)を満たしたうえで、さらに同加工面がYxy表色系でYが25.0〜65.5%、xが0.30〜0.48、yが0.28〜0.41の範囲にあるときレーザー吸収性がさらに良好となりレーザー加工性が非常に良い。
Yxy表色系は、例えば、JIS Z 8722に準拠してカラーメータなどの装置用いて測定することができる。
前述したように、MSAP工法に使用される銅箔は、樹脂基材への貼付け面がM面であり、レーザー加工面は平滑でレーザー吸収性が十分でない為に、レーザー加工の前処理としてブラウン処理(エッチング粗化処理)が行われる。本発明では、ブラウン処理を行わなくてもレーザー加工性を高めることを可能にする。
以下に、本発明の表面処理銅箔を製造するための条件、方法について説明する。
(1)電解銅箔の製造
本発明における銅箔は、例えば、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、白金族元素又はその酸化物元素で被覆したチタンからなる不溶性アノードと、該アノードに対向させて設けられたチタン製カソードドラムとの間に該電解液を供給し、カソードドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することによりカソードドラム表面上に銅を析出させ、析出した銅をカソードドラム表面から引き剥がし、連続的に巻き取る方法により製造される。
本発明においては、陰極ドラム表面内における銅の析出電位がバラつかず均一となるように電解銅箔を製箔することが好ましい。そのためには、例えば、チタンドラム表面に酸化膜が存在しない状態で製箔する方法が挙げられる。一例として、カソード還元工程を採用してもよい。図1に示されるように、従来の電解銅箔の製造装置においては、カソードとなる電解ドラム102をバフ103により研磨することで、ドラム表面に生じる酸化膜を除去している。これに対し、カソード還元工程は、例えば、図1の電解銅箔の析出装置のバフ103に替えて、図2電解銅箔の析出装置に示されるようにカソード還元装置105の電解液(希硫酸)106により酸化膜を除去する工程をいう。ドラム102とカソード還元装置105により、酸化膜が除去されることで、銅の初期析出がチタンドラム表面に均一に生じピンホールが減少することが期待される。図1に示される従来のチタンドラムによる銅箔の製造では、チタンドラム表面のチタン酸化被膜の膜厚にムラがあることで銅の析出電位がドラム表面内でバラついており、薄箔にするとピンホールが生じやすかった。カソード還元工程を採用し、カソード還元電流密度を増加することでピンホールを減少させることができる。カソード還元電流密度の増加によりチタン酸化物の還元がより進行し、チタンドラム表面における銅の析出電位の分布にムラが無くなり、ピンホールが抑制できると考えられるからである。
電解銅箔の製造においては、電解液への添加剤として、エチレンチオ尿素、ポリエチレングリコール、テトラメチルチオ尿素、ポリアクリルアミド等を添加するとよい。エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素の添加量を増加することにより、常態における引張強度及び加熱後の引張強度を増加させることができる。常態における引張強度が400〜700MPaであるとハンドリング性とエッチング性が良好である。常態における引張強度が400MPa未満ではハンドリング性が悪く、700MPaより大きいと箔切れを起こし易く製造に不適切である。また、220℃で2時間加熱後に常温で測定した引張強度が300MPa以上の場合基板の積層で加熱した後も結晶粒が細かくエッチング性が良好である。同様に測定した加熱後の引張強度が300MPa以下では結晶粒が大きくなりエッチングで溶け難くなる為、エッチング性が悪くなる。
(2)銅箔の表面処理
<レーザー吸収層形成処理>
次に、上で得られた銅箔に対し、レーザー吸収層を形成するための表面処理を行う。本発明では、パルス電流により銅箔の一方の面に凹凸形状のめっき層を形成する。この面が、銅箔を用いてMSAP工法により回路を作製する際のレーザー加工面となる。レーザー吸収層の形成面は、電解銅箔製造工程における析出開始面(S面)であっても析出終了面(M面)でもよい。一般的には、樹脂基板との接着面(粗化処理面)をM面としレーザー加工面をS面とすることが多いが、本発明においては、樹脂基板との接着面をS面が粗化処理された面とし、レーザー加工面をM面としてもよい。すなわち、粗化処理層が電解銅箔の製造過程における電解析出開始面(S面)に形成されていてもよい。
本発明においては、レーザー加工面となるM面またはS面の展開面積比Sdrが25〜120%となるように適度な表面積を持たせることで、ブラウン処理なしでダイレクトレーザー加工が可能となることを見出した。また、粗化処理層を電解銅箔の製造過程における電解析出開始面に形成することによって、エッチングファクタも向上することができる。
レーザー吸収層形成のためのめっき浴組成としては、硫酸銅5水和物、硫酸、ヒドロキシエチセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール(PEG)、チオ尿素などを添加することができる。電流値の異なるプラスのパルス電流を2段階で加えることにより、対応する2段階の析出電位に応じて作用する添加物が変化し、複雑な凹凸形状を形成することできる。これによって、レーザー吸収性にすぐれる析出面が得られる。具体的には、1段階の電流値(Ion1)>2段階の電流値(Ion2)となる階段状のパルス電流において、1段階の電流値(Ion1)または1段階の時間(ton1)を増加させると、M面のSdrが増加する傾向にある。このような2段階のパルス電流を一定の時間間隔(toff)で加えることにより、レーザー加工性のよいSdr値を有する表面形状を得ることができる。
Sdrが25〜120%の範囲であるときにレーザー加工性が向上する。この様な箔は表面処理銅箔表面に約2μm以下の微細な凹凸形状を有し、レーザー光の吸収性が増加する。Sdrが25%未満ではレーザー光の吸収が悪くレーザー加工性が悪い。Sdrが120%より大きいとCO2レーザーの波長の光の吸収率が低下しレーザー加工性が低下する。また、パルス電流の時間間隔(toff)を増加すると、Yxy表色系においてYが減少する。Sdrが25〜120%の範囲であり、かつYxy表色系において、Yが15.0〜85.0%の範囲であるとレーザー加工性が良好となる。Yが15%未満である、または85%より大きいとレーザー加工性が低下する傾向にある。Sdrが増加するとレーザー開口数が増加する傾向にあり、Y値が減少することでレーザー開口数が増加する傾向にある。レーザー照射面はSdrが25〜120%の範囲であり、かつYxy表色系においてYが25.0〜65.5%、xが0.30〜0.48%、yが0.28〜0.41%であるとレーザー加工性が特によい。
<粗化処理層の形成>
銅箔のレーザー加工面と反対側の面上に、微細な銅粒子の電析により、微細凹凸表面をもつ粗化処理層を形成する。粗化処理層は電気メッキにより形成するが、メッキ浴にキレート剤を添加することが好ましく、キレート剤の濃度は0.1〜5g/Lが適当である。キレート剤としてはDL-りんご酸、EDTAナトリウム溶液、グルコン酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム(DTPA)などのキレート剤などが挙げられる。
電解浴には、硫酸銅、硫酸およびモリブデンを添加してもよい。モリブデンを添加することでエッチング性を高めることができる。通常、銅濃度として13〜72g/L、硫酸濃度として26〜133g/L、液温として18〜67℃、電流密度として3〜67A/dm2、処理時間として1秒〜1分55秒の条件で電析が行われる。
<ニッケル層、亜鉛層、クロメート処理層の形成>
本発明では、粗化処理面の上に更にニッケル層、亜鉛層をこの順で形成することが好ましい。この亜鉛層は、薄銅箔と樹脂基板を熱圧着したときに、薄銅箔基板樹脂との反応による該基板樹脂の劣化や薄銅箔の表面酸化を防止して基板との接合強度を高める働きをする。またニッケル層は、樹脂基板への熱圧着時に該亜鉛層の亜鉛が銅箔(電解銅めっき層)側へ熱拡散することを防止し、もって亜鉛層の上記機能を有効に発揮させるための亜鉛層の下地層としての働きをする。
なお、これらのニッケル層や亜鉛層は、公知の電解めっき法や無電解めっき法を適用して形成することができる。また、該ニッケル層は純ニッケルで形成してもよいし、含リンニッケル合金で形成してもよい。
また、亜鉛層の表面に更にクロメート処理を行うと、該表面に酸化防止層が形成されるので好ましい。適用するクロメート処理としては、公知の方法に従えばよく、例えば、特開昭60−86894号公報に開示されている方法をあげることができる。クロム量に換算して0.01〜0.3mg/dm2程度のクロム酸化物とその水和物などを付着させることにより、銅箔に優れた防錆能を付与することができる。
<シラン処理>
また、前記のクロメート処理した表面に対し更にシランカップリング剤を用いた表面処理を行うと、銅箔表面(基板との接合側の表面)には接着剤との親和力の強い官能基が付与されるので、該銅箔と基板との接合強度は一層向上し、銅箔の防錆性,吸湿耐熱性を更に向上するので好適である。
シランカップリング剤としては、ビニル系シラン、エポキシ系シラン、スチリル系シラン、メタクリロキシ系シラン、アクリロキシ系シラン、アミノ系シラン、ウレイド系シラン、クロロプロピル系シラン、メルカプト系シラン、スルフィド系シラン、イソシアネート系シランなどをあげることができる。これらのシランカップリング剤は通常0.001〜5%の水溶液にし、これを銅箔の表面に塗布したのちそのまま加熱乾燥すればよい。なお、シランカップリング剤に代えて、チタネート系,ジルコネート系などのカップリング剤を用いても同様の効果を得ることができる。
(3)銅張積層板の製造
最初にガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などから成る電気絶縁性の基板の表面に、薄銅箔の銅箔面(粗化処理層面)を重ねて置き、加熱・加圧してキャリア付きまたはキャリア無しの銅張積層板を製造する。本発明の表面処理銅箔は常態および加熱後の引張強度が高いためキャリア無しでも十分対応することができる。次いで、銅張積層板の表面処理銅箔表面にCO2ガスレーザーを照射して穴あけを行う。すなわち、表面処理銅箔のレーザー吸収層が形成されている面からCO2ガスレーザーを照射して、表面処理銅箔及び樹脂基板を貫通する穴あけ加工を行う。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
(1)銅箔の製造とレーザー吸収層の形成
表1に示される電解液、電流密度、浴温のカソード還元工程と表2に示される電解条件による電解析出工程により実施例1〜21及び比較例1〜9の電解銅箔を製造した。これらの電解銅箔をそれぞれ表3に示す組成を有するめっき浴、処理面及び電解条件(パルス電圧のパルス幅、電流密度、時間、浴温)において、電解めっき処理によりレーザー吸収層を形成した。また実施例22では交流電流によりレーザー吸収層を形成し、実施例23ではメックエッチボンドCZ−8000処理でレーザー吸収層を形成した。なお、表3中の電解条件において、Ion1は、1段階目のパルス電流密度を表し、Ion2は、2段階目のパルス電流密度を表し、ton1は、1段階目のパルス電流印加時間を表し、ton2は、2段階目のパルス電流印加時間を表し、toffは、2段階のパルス電流と1段階目のパルス電流の間の電流を0とする時間を表している。また、レーザー吸収層の形成面は表4に示される粗化処理面と反対側の面であり、実施例1〜19、22~23及び比較例4、6~8ではM面にレーザー吸収層を形成(S面に粗化処理を行う)し、実施例20および21、比較例9ではS面にレーザー吸収層を形成(M面に粗化処理を行う)した。比較例1〜3及び5は、レーザー吸収層を形成しなかった。
Figure 0006529684
Figure 0006529684
Figure 0006529684
(2)粗化処理
次に、レーザー吸収層の反対側の面(表4に示される粗化処理面)に粗化粒子の電析により、微細凹凸表面をもつ粗化処理層を形成した。全ての実施例及び比較例において下記に示す粗面化めっき処理の手順で行い、粗化処理層を形成した。
(粗面化めっき処理)
硫酸銅:銅濃度として13〜72g/L
硫酸濃度:26〜133g/L
DL-りんご酸:0.1〜5.0g/L
液温:18〜67℃
電流密度:3〜67A/dm2
処理時間:1秒〜1分55秒
(3)Niを含有する下地層の形成
全ての実施例1〜23及び比較例1〜9について、上記粗化処理層の形成後、粗化処理層上に、下記に示すNiめっき条件で電解めっきすることにより下地層(Niの付着量0.06mg/dm2)を形成した。
<Niめっき条件>
硫酸ニッケル: ニッケル金属として5.0g/L
過硫酸アンモニウム40.0g/L
ほう酸28.5g/L
電流密度1.5A/dm2
pH 3.8
温度28.5℃
時間1秒〜2分
(4)Znを含有する耐熱処理層の形成
全ての実施例1〜23及び比較例1〜9について、上記下地層の形成後、この下地層上に、下記に示すZnめっき条件で電解めっきすることにより耐熱処理層(Znの付着量:0.05mg/dm2)を形成した。
<Znめっき条件>
硫酸亜鉛7水和物1〜30g/L
水酸化ナトリウム10〜300g/L
電流密度0.1〜10A/dm2
温度5〜60℃
時間1秒〜2分
(5)Crを含有する防錆処理層の形成
全ての実施例1〜23及び比較例1〜9について、上記耐熱処理層の形成後、この耐熱処理層上に、下記に示すクロムめっき処理条件で処理することにより防錆処理層(Crの付着量:0.02mg/dm2)を形成した。
<クロムめっき条件>
(クロムめっき浴)
無水クロム酸CrO3 2.5g/L
pH 2.5
電流密度0.5A/dm2
温度15〜45℃
時間1秒〜2分
(6)シランカップリング剤層の形成
全ての実施例1〜23及び比較例1〜9について、防錆処理層の形成後、この防錆処理層上に、シランカップリング剤水溶液にメタノールまたはエタノールを添加し、所定のpHに調整した処理液を塗布した。その後、所定の時間保持してから温風で乾燥させることにより、シランカップリング剤層を形成した。
(7)評価方法
<箔厚>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔の厚みを電子天秤により質量厚さとして測定した。結果を表1に示した。
<引張強度>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔を12.7×130mmの大きさに切り出し、室温においてインストロン社の1122型引張試験機試験装置により常態における銅箔の引張強度を測定した。また、12.7×130mmに切り出した銅箔を220℃で2時間加熱した後に常温まで自然冷却した後、同様に加熱後の引張強度を測定した。測定はIPC−TM−650に準拠した。結果を表4に示した。
<展開面積比>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔について、BRUKER社のWykoContourGT−Kを用いて表面形状を測定し、形状解析を行い、展開面積比(Sdr)を求めた。形状解析はVSI測定方式でハイレゾCCDカメラを使用し、光源が白色光、測定倍率が10倍、測定範囲が477μm×357.8μm、LateralSamplingが0.38μm、speedが1、Backscanが5μm、Lengthが5μm、Thresholdが5%の条件により行い、TermsRemovalのフィルタ処理をしたあとデータ処理を行なった。結果を表4に示した。
<Yxy表色系>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の銅箔のYxy表色系においてY,x、yをカラーメータSM-T45(スガ試験機株式会社)によって45°照明0°受光、光源C光2度視野(ハロゲンランプ)を用いて測定することができる。結果を表4に示した。
<ピンホール>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔を200mm×200mmの大きさに切断し、光透過法でピンホールをマーキングした。200mm×200mmサイズの表面処理銅箔を5枚(計0.2m2)について、光学顕微鏡で直径を確認し30μm以上の穴をピンホールとしてカウントした。光学顕微鏡で観察されるピンホールは円形のものや不定形のものがあるが、いずれもピンホールの長径(ピンホールの外周上で最も離れた2点間の距離)を直径として測定した。得られたピンホールの数に基づいて単位面積(m2)当たりのピンホールの数(個/m2)を算出した結果を表4に示した。
Figure 0006529684
<エッチングファクタ>
次に、上記処理(1)〜(6)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔にドライレジストフィルムを使用してドライエッチングによりL&S=100μm/200μmの線/間隔のレジストパターンを形成した。エッチング液として塩化銅と塩酸を使用して配線パターンのエッチングを行った後、エッチングファクタを測定した。エッチングファクター(Ef)とは、表面処理銅箔の箔厚をH、形成された配線パターンのボトム幅をB.形成された配線パターンのトップ幅をTとするときに、次式で示される値をいう。
Ef=2H/(B−T)
エッチングファクタ―が小さいと、配線パターンにおける側壁の垂直性が崩れ、線幅が狭い微細な配線パターンの場合に断線に結び付く危険性がある。本実施例ではジャストエッチ(レジスト端部と銅箔パターンのボトムがそろう)位置となったときのパターンについて、マイクロースコープでボトム幅とトップ幅を測定しエッチングファクタを算出した。結果を表4に示した。
<レーザー開口数>
上記処理により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔2枚を基板FR4両面に加熱、加圧接合してCCL(銅張積層板)を作製した。次に、CO2レーザー穴あけ加工機により、100ショットのレーザー穴あけ加工を行い開口した数をカウントした。照射エネルギーが50Wの場合と、8Wの場合についてそれぞれの一定の照射時間10msec照射することにより開口した数を表4に示した。照射エネルギーが低い8Wの場合においても、開口数の減少が少ないものは高いレーザー加工性を有するものとして評価することができる。
<ハンドリング性:シワ不良数>
上記処理(1)〜(5)により得られた全ての実施例1〜23及び比較例1〜9の表面処理銅箔を200mm×200mmの大きさに切断し、表面処理銅箔と基板FR4を170℃、1.5MPa(圧力)で1時間加熱、加圧接合し、30枚の基板を作製し、目視でシワを確認して、シワのあった基板をシワ不良数1枚としてカウントすることによりシワ不良は発生した数を表4に示した。これにより表面処理銅箔のハンドリング性を評価した。
表4からわかるように、実施例1〜23は全て引張強度が400〜700MPaであり、220℃で2時間加熱後の引張強度が300MPa以上であり、箔厚が7μm以下であり、レーザー照射面の展開面積比(Sdr)が25〜120%を満たしており、評価結果に示されるように、ピンホール数が20以下、Efが2.0以上、8Wでのレーザー開口数が90以上、シワ不良数3以下であり、ピンホールが少なく、レーザー加工性に優れ、ハンドリング性にも優れることがわかる。
これに対して、比較例1〜9は、引張強度が400〜700MPa、220℃で2時間加熱後の引張強度が300MPa以上を満たしているが、比較例2,3,5〜7,9はレーザー照射面の展開面積比(Sdr)が25〜120%を満たしていないために、全て8Wでのレーザー開口数が90未満でありレーザー開口性が良くないことがわかる。また、比較例1および4は表面処理銅箔の製造条件によりピンホールの発生が20を超えており、比較例8は箔厚が9μmのためレーザー開口性が良くないことがわかる。
上記の評価結果に基づいて、実施例1〜21及び比較例1〜9の表面処理銅箔について、照射エネルギーが8Wの場合の開口数とピンホールの発生数の関係を図3のグラフに示した。図3から明確にわかるように、実施例の表面処理銅箔は開口数が多く、ピンホールの発生が少なくレーザー加工性に優れているのに対して、比較例の表面処理銅箔では、開口数が少ないか、またはピンホールの発生が多く、レーザー加工性が劣ることがわかる。
また、上記の評価結果に基づいて、実施例1〜21及び比較例1〜9の表面処理銅箔について、常態における引張強度とピンホールの発生数の関係を図3のグラフに示した。図3から明確にわかるように、実施例の表面処理銅箔は開口数が多く、ピンホールの発生が少なくレーザー加工性に優れているのに対して、比較例の表面処理銅箔では、開口数が少ないか、またはピンホールの発生が多く、レーザー加工性が劣ることがわかる。
本発明によれば、引張強度が高く、線間や線幅が微細化され、エッチング性、レーザー加工性及び薄箔ハンドリング性に優れ、かつピンホールの少ない表面処理銅箔を提供することができ、産業上の利用可能性が高い。
101 析出銅箔
102 ドラム
103 バフ装置
105 カソード還元装置
106 電解液

Claims (4)

  1. ダイレクトレーザー加工により加工される回路用表面処理銅箔であって、常態における引張強度が400〜700MPaであり、220℃で2時間加熱後に常温で測定した引張強度が300MPa以上であり、箔厚が7μm以下であり、少なくとも一方の面の展開面積比(Sdr)が25〜120%であり、かつレーザー照射面がYxy表色系においてYが25.0〜65.5%、xが0.30〜0.48%、yが0.28〜0.41%を有する回路用表面処理銅箔。
  2. 直径30μm以上のピンホールの数が20個/m2以下である請求項に記載の回路用表面処理銅箔。
  3. 直径30μm以上のピンホールの数が10個/m2以下である請求項に記載の回路用表面処理銅箔。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路用表面処理銅箔を含み、該表面処理銅箔の粗化処理層側の面に、絶縁基板を有する銅張積層板。
JP2018545262A 2017-03-30 2018-03-23 表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板 Active JP6529684B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017068487 2017-03-30
JP2017068487 2017-03-30
PCT/JP2018/011885 WO2018181061A1 (ja) 2017-03-30 2018-03-23 表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018181061A1 JPWO2018181061A1 (ja) 2019-04-04
JP6529684B2 true JP6529684B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=63677733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545262A Active JP6529684B2 (ja) 2017-03-30 2018-03-23 表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6529684B2 (ja)
KR (1) KR102353878B1 (ja)
CN (1) CN110475909B (ja)
TW (1) TWI693306B (ja)
WO (1) WO2018181061A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019173164A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 日立金属株式会社 アルミニウム箔の製造方法
JP7247015B2 (ja) * 2019-05-08 2023-03-28 古河電気工業株式会社 電解銅箔、該電解銅箔を用いた表面処理銅箔、並びに該表面処理銅箔を用いた銅張積層板及びプリント配線板
JP7270579B2 (ja) * 2019-06-19 2023-05-10 金居開發股▲分▼有限公司 ミクロ粗面化した電着銅箔及び銅張積層板
CN111455416B (zh) * 2020-05-29 2021-02-09 佛冈建滔实业有限公司 一种高精密线路板高力学性能电解铜箔的制备工艺
CN115046367B (zh) * 2022-05-26 2024-04-09 九江德福科技股份有限公司 一种电解铜箔表面干燥处理方法及装置

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1139415B1 (en) * 2000-03-30 2009-02-25 Nitto Denko Corporation Water-permeable adhesive tape for semiconductor processing
US7026059B2 (en) * 2000-09-22 2006-04-11 Circuit Foil Japan Co., Ltd. Copper foil for high-density ultrafine printed wiring boad
US6893742B2 (en) * 2001-02-15 2005-05-17 Olin Corporation Copper foil with low profile bond enhancement
JP2003340964A (ja) * 2002-03-18 2003-12-02 Ube Ind Ltd 銅張り積層基板
JP2004237596A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Nippon Steel Chem Co Ltd フレキシブル銅張積層板およびその製造方法
CN1985411A (zh) * 2004-02-11 2007-06-20 奥林公司 耐激光切割铜箔
JP2006216194A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Toray Ind Inc 磁気記録媒体支持体およびその製造方法
EP1876266B1 (en) * 2005-03-31 2020-06-03 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Electrodeposited copper foil and process for producing electrodeposited copper foil
JPWO2007111268A1 (ja) * 2006-03-24 2009-08-13 宇部興産株式会社 銅配線ポリイミドフィルムの製造方法および銅配線ポリイミドフィルム
JP5181618B2 (ja) * 2007-10-24 2013-04-10 宇部興産株式会社 金属箔積層ポリイミド樹脂基板
JP2009172996A (ja) * 2007-12-26 2009-08-06 Shin Etsu Chem Co Ltd フレキシブル銅張積層板及びその製造方法
JP5400447B2 (ja) * 2009-03-31 2014-01-29 三井金属鉱業株式会社 粗化処理銅箔、粗化処理銅箔の製造方法及び銅張積層板
CN101787251B (zh) * 2010-02-10 2013-08-28 上海南亚覆铜箔板有限公司 一种适用于全避光性能的覆铜箔层压板的粘合剂
KR20140140649A (ko) * 2010-11-22 2014-12-09 미쓰이금속광업주식회사 표면 처리 동박
JP5653876B2 (ja) 2011-09-30 2015-01-14 古河電気工業株式会社 レーザー吸収層付き銅箔および該銅箔を用いた銅張り積層板及びプリント配線板
KR20150030256A (ko) 2012-07-31 2015-03-19 사노피 에스에이 약물 전달 기구를 위한 배열
JP6425399B2 (ja) 2013-03-28 2018-11-21 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
KR101449342B1 (ko) * 2013-11-08 2014-10-13 일진머티리얼즈 주식회사 전해동박, 이를 포함하는 전기부품 및 전지
JP5710737B1 (ja) * 2013-11-29 2015-04-30 Jx日鉱日石金属株式会社 表面処理銅箔、積層板、プリント配線板、プリント回路板及び電子機器
JP6591766B2 (ja) * 2014-04-24 2019-10-16 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、プリント配線板、積層体、電子機器及びプリント配線板の製造方法
JP5823005B1 (ja) * 2014-08-29 2015-11-25 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付銅箔の製造方法、銅張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法、及び、電子機器及びキャリア付銅箔
JP6236119B2 (ja) * 2015-06-24 2017-11-22 Jx金属株式会社 キャリア付銅箔、積層体、積層体の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法
CN204820554U (zh) * 2015-07-30 2015-12-02 无锡光群雷射科技有限公司 全新激光全息镭射箱包包装膜
CN108044242A (zh) * 2017-12-18 2018-05-18 中国兵器装备集团自动化研究所 一种激光加工铜箔孔的装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR102353878B1 (ko) 2022-01-19
TWI693306B (zh) 2020-05-11
JPWO2018181061A1 (ja) 2019-04-04
KR20190133681A (ko) 2019-12-03
TW201903212A (zh) 2019-01-16
CN110475909A (zh) 2019-11-19
WO2018181061A1 (ja) 2018-10-04
CN110475909B (zh) 2021-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6529684B2 (ja) 表面処理銅箔及びこれを用いた銅張積層板
TWI587757B (zh) Copper foil, copper foil with carrier foil, and copper clad laminate
TWI704048B (zh) 表面處理銅箔及使用其製成的覆銅積層板
TWI735651B (zh) 銅箔以及具有該銅箔的覆銅層積板
JP2005076091A (ja) キャリア付き極薄銅箔の製造方法、及びその製造方法で製造されたキャリア付き極薄銅箔
JP2007186797A (ja) キャリア付き極薄銅箔の製造方法、及び該製造方法で製造された極薄銅箔、該極薄銅箔を使用したプリント配線板、多層プリント配線板、チップオンフィルム用配線基板
JP5441945B2 (ja) ベリーロープロファイル銅箔を担体とした極く薄い銅箔及びその製法。
TWI599278B (zh) 具有承載箔之銅箔、具有承載箔之銅箔的製造方法及使用該具有承載箔之銅箔而得之雷射開孔加工用之貼銅積層板
TWI756039B (zh) 粗糙化處理銅箔、附有載體銅箔、覆銅層壓板及印刷配線板
JP7247015B2 (ja) 電解銅箔、該電解銅箔を用いた表面処理銅箔、並びに該表面処理銅箔を用いた銅張積層板及びプリント配線板
JP5151761B2 (ja) プリント配線板用圧延銅箔の製造方法
WO2020246467A1 (ja) 表面処理銅箔、銅張積層板、及びプリント配線板
JP6606317B1 (ja) 表面処理銅箔、銅張積層板、及びプリント配線板
JP6827083B2 (ja) 表面処理銅箔、銅張積層板、及びプリント配線板
WO2020195748A1 (ja) プリント配線板用金属箔、キャリア付金属箔及び金属張積層板、並びにそれらを用いたプリント配線板の製造方法
WO2021131359A1 (ja) 表面処理銅箔及びその製造方法
JP6329731B2 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板の製造方法、及びプリント配線板の製造方法
JP2005340635A (ja) プリント配線板用圧延銅箔及びその製造方法
WO2014136763A1 (ja) レーザー加工用銅箔、キャリア箔付レーザー加工用銅箔、銅張積層体及びプリント配線板の製造方法
TW202319231A (zh) 用於允許簡單微孔加工之具有載體箔之超薄銅箔、使用其之包銅層壓體、及其製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190110

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190110

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190314

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190514

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6529684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350