JP6577562B2 - コラーゲンペプチド含有飲料の臭気抑制技術 - Google Patents

コラーゲンペプチド含有飲料の臭気抑制技術 Download PDF

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Description

本発明は、コラーゲンペプチドを含有する飲料の臭気を抑制する技術に関する。
コラーゲンは、ゼラチンとして、食品分野で従来から広く用いられている。動物性蛋白質であるコラーゲンは、真皮や結合組織などの主成分であることから、近年、医療分野や美容分野の面からも注目を集めている。
一般に、高分子量のコラーゲンを経口で摂取しても、摂取したコラーゲンを体内で効率的に利用することが難しいとされるが、近年は、体内での摂取に適するよう、高分子のコラーゲンを低分子量化したコラーゲンペプチドが開発され、コラーゲンペプチド入りの飲食品も開発されている。
しかし、コラーゲンペプチドを用いた飲料は、コラーゲンペプチド独特の臭みが感じられてしまい、嗜好性の点で課題が存在する。特に、コラーゲンペプチドを多く配合した場合は、コラーゲンペプチドに起因する臭いが強くなり、飲料として好ましくない。
コラーゲンペプチドを含む飲料の風味改善については、いくつかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、コラーゲンペプチドの不快臭の抑制に加えて、果汁を含む飲料において生じるミネラル等による凝集や沈殿を抑えるため、ブドウ濃縮果汁等の果汁とメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩とを配合することが記載されている。また、特許文献2には、コラーゲン加水分解物を含む多種の栄養素を含有する飲料において、ハトムギエキス等を含む2種以上のエキスなどを用いることで風味が良好な健康飲料を得ることが記載されている。さらに、特許文献3には、リン酸を含む2種以上の酸味料を含有させ、pHを4.0以下にすることによって、コラーゲンペプチドに起因する不快臭を抑制することが記載されている。さらにまた、特許文献4には、コラーゲンペプチド溶液を加熱することによって脱臭する方法が記載されている。
国際公開第2007/125888号パンフレット 特開平5−199855号公報 特開2013−081418号公報 特開2009−189284号公報
加水分解により低分子量化したコラーゲンペプチドは、コラーゲンと比較して、水に可溶であり、その臭いも少ないとされる。しかしながら、発明者らが検討したところ、コラーゲンペプチドを含有する飲料については、製造直後よりも、飲料を保管した場合にコラーゲンペプチドに起因する嫌な臭いが強くなるという問題が生じた。つまり、容器詰飲料などの形態の製品は、長期間、常温で保存されることがあるところ、保存状態によっては、コラーゲンペプチドに起因する臭いが強くなる場合があり、消費者のドリンカビリティの点で大きな課題が存在することが判明した。
本発明者らは、前述した特許文献4に記載された方法を試験してみたものの、コラーゲンに起因する臭いを十分に抑制することは出来なかった。また、一般的に飲料の香味を安定させる目的で使用される亜硫酸などの酸化防止剤を添加してみたが、コラーゲンに起因する臭いを十分に抑制することは困難であった。
本発明は、このような状況を踏まえてなされたものであり、本発明によれば、コラーゲンペプチドに起因する特徴的な臭いをリナロールまたは酢酸エチルによって抑制することができる。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様を包含する。
(1) コラーゲンペプチド含有飲料にリナロールおよび/または酢酸エチルを配合することを含む、コラーゲンペプチドに起因する臭いの抑制方法。
(2) コラーゲンペプチドの平均分子量が8000以下である、(1)に記載の方法。
(3) コラーゲンペプチドの含有量が、飲料100mLあたり50〜2500mgである、(1)または(2)に記載の方法。
(4) リナロール濃度が、1〜50ppbである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 酢酸エチル濃度が、1〜50ppmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) コラーゲンペプチド含有飲料がアルミ缶に充填されている、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法
(7) リナロールおよび/または酢酸エチルとコラーゲンペプチドを含有する容器詰飲料。
(8) コラーゲンペプチドの含有量が、飲料100mLあたり50〜2500mgである、(7)に記載の飲料。
(9) リナロール濃度が、1〜50ppbである、(7)または(8)に記載の飲料。
(10) 酢酸エチル濃度が、1〜50ppmである、(7)〜(9)のいずれかに記載の飲料。
(11) アルミ缶に充填されている、(7)〜(10)のいずれかに記載の飲料。
本発明によれば、コラーゲンペプチドを含有する溶液を常温で保存した場合にも、コラーゲンペプチドに起因する臭いを抑制することができる。特に飲料においては、好ましくない臭いの発生は製品価値を大きく減少させるところ、本発明によれば、嗜好度の高いコラーゲンペプチド含有飲料を製品として開発することが可能になる。
本発明は、コラーゲンペプチド含有飲料の臭気を抑制する技術に関する。本発明においてコラーゲンペプチドとは、平均分子量が10000以下となるように加水分解処理されたコラーゲンペプチドである。単なるコラーゲンでなくコラーゲンペプチドとすることによって、経口で摂取したときの体内への吸収性が高くなるため、飲料に関する本発明においてはコラーゲンペプチドを使用する。コラーゲンペプチドの平均分子量は、上限を好ましくは9000以下、さらに好ましくは8000以下、より好ましくは7000以下、もっと好ましくは6000以下、下限を、好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上、もっと好ましくは2000以上、とするいずれの組み合わせによる範囲としてよい。例えば、コラーゲンペプチドの平均分子量は、好ましくは500〜9000であり、さらに好ましくは1000〜8000であり、より好ましくは1500〜7000であり、もっと好ましくは2000〜6000である。なお、コラーゲンペプチドの平均分子量は、常法によって測定することができ、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
本発明のコラーゲンペプチドは、ゼラチンを酵素や酸などによって加水分解して得ることができる。コラーゲンペプチドは、グリシンを多く含むタンパク質であり、市販品としても入手可能である。コラーゲンとしては、哺乳類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、魚類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、特に限定されるものではない。近年、商品イメージや安全性等の観点から、魚類由来のコラーゲンであることが好ましい。魚類由来のコラーゲンの原料としては、海水魚であっても淡水魚であってもよく、マグロ(キハダ)、サメ、タラ、ヒラメ、カレイ、タイ、テラピア、サケ、ナマズ等の皮が挙げられる。これらの魚類由来のコラーゲンは、魚類の鱗や皮から抽出したものであり、ヒトや他の動物のコラーゲンに比較してプロリンやリジン等の含有量が少ない特徴がある。哺乳類由来のコラーゲンの原料としては、ブタ、牛などが挙げられる。
本発明のコラーゲンペプチドの濃度は、特に制限されないが、飲料100mLあたり50〜2500mgが好ましい。コラーゲンペプチドの濃度が2500mg/100mLを超えると、不快臭の抑制が十分でなくなる場合がある一方、コラーゲンペプチドの量が50mg/100mL未満であると、不快臭の発生自体が少なくなるので享受できる本発明の効果が小さくなる。コラーゲンペプチドの濃度は、100〜2300mg/100mLがより好ましく、200〜2000mg/100mLがさらに好ましく、250〜1800mg/100mLがより一層好ましい。また、好ましい態様において、310〜1800mg/100mLであり、350〜1500mg/100mLとしてもよい。
本発明においては、コラーゲンペプチド含有溶液に対してリナロールまたは酢酸エチルを配合する。リナロールとは、C1018Oで表されるモノテルペンアルコールの一種であり、スズラン、ラベンダー、ベルガモット様の芳香を有するとされる。リナロールは、多くの植物の精油成分として見出され、例えば、ローズウッド、リナロエ、芳樟などの精油に含まれる。また、リナロールは、ホップ由来の成分としても知られており、ビールなどにも含まれるとされる。本発明においては、リナロールの由来となる植物は特に制限されず、使用するホップの品種なども特に制限されない。本発明のリナロール濃度は、特に制限されないが、1〜50ppbであることが好ましく、5〜40ppbがより好ましく、7.5〜30ppbであることがさらに好ましい。リナロールは、ホップに由来する成分でもあるため、飲料中のリナロール濃度が50ppbを超えると、飲料の種類によっては、ホップ香が強すぎて香味が悪くなる場合がある。
本発明において、酢酸エチルとは、CHCOで示される有機化合物であり、果実臭を有する。本発明において酢酸エチルは、人工的に化学合成したものであっても、天然物に由来するものであってもよいが、飲料としての用途を考えると、天然物由来の酢酸エチルを使用することが好ましい。好ましい態様において、本発明で使用する酢酸エチルは、酵母による醗酵代謝物として得られるものである。使用する酵母の品種や醗酵条件を制限するものではないが、例えば、ビール酵母による発酵代謝物として得られる酢酸エチルが特に好ましい。本発明の酢酸エチル濃度は、特に制限されないが、1〜50ppmであることが好ましく、5〜40ppmがより好ましく、7.5〜30ppmであることがさらに好ましい。酢酸エチルは日本酒様の吟醸香を有するため、飲料中の酢酸エチル濃度が50ppmを超えると、飲料の種類によっては、日本酒様の吟醸香が強すぎて香味が悪くなる場合がある。
本発明に係る飲料は、コラーゲンペプチドとリナロールおよび/または酢酸エチルを含有すれば特に制限されない。すなわち、本発明に係る飲料は、アルコールを含有する飲料であってもよいし、アルコールを含有しないノンアルコール飲料であってもよい。また、本発明に係る飲料は、炭酸を含有する炭酸飲料であってもよいし、炭酸を含有しない飲料であってもよい。さらに、本発明に係る飲料は、果汁を含有する飲料であってもよいし、無果汁の飲料であってよい。
好ましい態様において、本発明の飲料は、ビールテイスト飲料である。本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいい、ビールはもちろんのこと、酒税法上、発泡酒や発泡性酒類に分類されるものや、ノンアルコールビールも包含される。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無に拘わらず、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。そのため、例えば、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料なども含まれる。
本発明の飲料がビールテイストアルコール飲料である場合、ある態様において、アルコール分は1〜15v/v%とすることができ、3〜10v/v%とすることが好ましい。このような範囲であると、特に消費者に好んで飲用されるためである。
本発明の飲料がアルコール飲料である場合、そのアルコール分としては、例えば、ビールを初めとする醸造酒はもちろん、焼酎、ウイスキー、ウオッカ、スピリッツなど、麦などの穀物を原料の一部としたスピリッツなどのアルコール含有蒸留物(蒸留酒)を使用することができる。
本発明に係る溶液を飲料組成物として用いる場合、風味の好ましい飲料に調整するために、果汁、甘味料、香料その他の一般に飲料に添加される成分を添加することができる。甘味料としては、一般的な甘味料はもちろん、砂糖の数十倍〜数千倍の甘みを有する合成甘味料または天然甘味料などの高甘味度甘味料などを使用することができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、ソーマチン、ステビア、スクラロース、又はアセスルファムカリウムなどを使用でき、アセスルファムカリウム、又はスクラロースが好ましい。また、高甘味度甘味料以外の甘味料としては、糖類、糖アルコール及び粉糖を挙げることができる。前記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、異性化糖等の単糖類;砂糖、乳糖、パラチノース等の二糖類;フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖類などを挙げることができる。前記糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の単糖アルコール類;マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール類;マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類;オリゴ糖アルコール等の四糖以上アルコール類;粉末還元麦芽糖水飴等の糖アルコールなどが挙げられる。前記甘味料としては、ブドウ糖、粉糖、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールがより好ましく、更にはエリスリトールが最も好ましい。これらの甘味料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせ使用してもよい。
その他の成分としては、各種ビタミン、ミネラル、着色料、酸化防止剤、安定剤、保存料、乳化剤、消泡剤などを挙げることができる。
本発明に係る飲料組成物は、コラーゲンペプチドとリナロールおよび/または酢酸エチルを含有する溶液を調製することによって製造することができる。なお、当然であるが、本発明に係る飲料を製造する場合、コラーゲンペプチドを含有する溶液にリナロールや酢酸エチルを配合してもよく、また、リナロールや酢酸エチルを含有する溶液にコラーゲンペプチドを配合してもよい。本発明の飲料にコラーゲンペプチドを含有させるには、例えば、原料に対してコラーゲンペプチドを含有させてもよいし、飲料の製造における中間段階や最終段階でコラーゲンペプチドを含有させてもよい。本発明に係る飲料の製造は、必要に応じて、濾過や希釈などの追加の工程等を適用してもよい。
本発明に係る飲料は、飲料を容器に充填することによって容器詰飲料としてもよい。容器詰飲料に使用される容器としては、通常飲料用容器として使用されているものであればよく、例えば、樹脂製容器、紙製容器、ガラス製容器、金属製容器などを使用することができ、具体的には、PETボトル、紙パック、ガラス容器、アルミ缶、スチール缶、パウチ等を挙げることができる。なかでも、アルミ缶は熱伝導率が高いためコラーゲンペプチドに起因する臭いが生じやすくなるおそれがあるところ、本発明によればコラーゲンペプチドに起因する臭いを効果的に抑制できるため、アルミ缶を使用した場合には本発明の効果を大きく享受することができる。
以下、実施例を挙げつつ本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験例1.コラーゲンペプチド含有飲料の臭気抑制
コラーゲンペプチドを含有する飲料について、コラーゲンペプチドに起因する臭いの発生を試験した。なお、本明細書において、コラーゲンペプチドに起因する臭いとは、コラーゲンペプチドそのものの臭いだけでなく、コラーゲンペプチドを含有する溶液の保存状態の如何によって強くなった場合の臭いも含まれる。
まず、蒸留水にコラーゲンペプチド(新田ゼラチン社製、製品名:SCP5100、分子量:5100)を溶解して、350mlあたりのコラーゲンペプチド含有量が100〜10000mgであるコラーゲンペプチド溶液を調製した。
このコラーゲンペプチド溶液350mLを容器に充填し、37℃の恒温漕で2週間保持して、コラーゲンペプチドに起因する臭いを評価した。すなわち、コラーゲンペプチド含有溶液に、リナロールおよび/または酢酸エチルを15ppm添加して、臭気抑制効果を試験した。
本実験例において、コラーゲンペプチド溶液の臭いは、評点法による官能試験によって評価した。専門パネリスト4名が、コラーゲンペプチド様の生臭い香りの有無を5点満点で評価し、その平均点を算出した。評価基準は、「非常に強く感じる」=5点、「強く感じる」=4点、「ある程度感じる」=3点、「わずかに感じる」=2点、「感じない」=1点である。
Figure 0006577562
評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、コラーゲンペプチドを350mLあたり10000mg含有する場合(100mLあたり約2857mg)には、恒温槽で保管する前の溶液であってもコラーゲンペプチドに起因する臭いが強く感じられた。一方、コラーゲンペプチドを350mLあたり100mg含有する場合(100mLあたり約29mg)には、恒温槽で保管した後もコラーゲンペプチドに起因する臭いはあまり感じられなかった。また、350mLあたり500mg以上のコラーゲンペプチドを含有する場合に、恒温槽で保持した後の溶液からコラーゲンペプチドに起因する好ましくない臭いが感じられた。
それに対して、リナロールを15ppb添加した場合には、コラーゲンペプチドに起因する臭いが許容範囲に低減できることが明らかになった。同様に、コラーゲンペプチド溶液に酢酸エチルを15ppm添加した場合にもコラーゲンペプチドに起因する臭いが許容範囲に低減できることが明らかになった。さらに、リナロール15ppbおよび酢酸エチル15ppmを添加した場合、リナロールや酢酸エチルを単独で添加した場合と比較して、さらにコラーゲンペプチドに起因する臭いが低減できることが明らかになった。
実験例2.コラーゲンペプチド含有溶液の臭気抑制(リナロール濃度の影響)
次に、添加するリナロール濃度の影響を確認した。350mLあたりコラーゲンペプチド8000mg(約2286mg/100mL)を含有する溶液に対して、リナロールを表2に記載の濃度となるように添加して試験溶液を調製した。次いで、実験例1と同様に37℃の恒温槽で2週間保持した後、実験例1と同様にして官能評価を実施した。
その結果、表2から明らかなように、リナロールを7.5ppb以上添加した場合に、コラーゲンペプチドに起因する臭いを大きく低減できることが明らかになった。
Figure 0006577562
実験例3.コラーゲンペプチド含有溶液の臭気抑制(酢酸エチル濃度の影響)
実験例2と同様にして、添加する酢酸エチル濃度の影響を確認した。
結果を表3に示すが、酢酸エチルを7.5ppm以上添加した場合にコラーゲンペプチドに起因する臭いを大きく低減できることが明らかになった。
Figure 0006577562
製造例1.ビールテイストアルコール飲料の調製
本発明の技術を応用し、一般的な製法により発泡酒を製造した。麦芽粉砕装置にて粉砕した大麦麦芽10kgを使用して麦汁を調製した。麦芽のタンパク質分解(仕込み槽にて55℃、30分)後、昇温させて65℃にて40分間糖化した。糖化後、エキス分を15w/w%に調整し、ろ過後90分間煮沸した。煮沸開始時にアロマホップ90gを添加した。その後、ワールプールにて沈殿物を除去、プレート式熱交換器にて冷却した後、前培養した酵母を0.5L添加した。
13℃で一週間主発酵させ、引き続き13℃で一週間、後発酵を行って、100Lのビールテイストアルコール飲料(アルコール分5%)を得た。
発酵終了後、コラーゲンペプチドを添加した上で瓶詰めを行い、容器詰飲料とした。得られた容器詰飲料のコラーゲンペプチド含量は2286mg/100mL(8000mg/350mL)、リナロール濃度は約15ppb、酢酸エチル濃度は約15ppmだった。
得られた容器詰飲料は、コラーゲンペプチドに起因する臭いがマスキングされており、嗜好度の高い製品となった。
製造例2.ビールテイストアルコール飲料の調製
本発明の技術を応用し、特開2012−95673号公報に記載の実施例1の方法でビールテイストアルコール飲料を製造した。
すなわち、A成分として、麦芽比率100%、アルコール分5%のビールを、定法にしたがって調製した。B成分として、麦と水を原料とし、発酵に使用する麹として麦麹を用い、蒸留して得たアルコール分44.0%の麦焼酎を、定法にしたがって調製した。A由来のアルコール分とB由来のアルコール分の比率を99:1にして、上記A成分およびB成分を混合し、総アルコール分が5.0%となる麦芽発酵飲料を調製した。なお、混合にあたっては、目的とする麦芽発酵飲料の総アルコール分が5.0%となるよう、A成分のビールは適宜水により希釈した。
得られた飲料にコラーゲンペプチドを添加した上で350mLのアルミ缶に充填して容器詰飲料とした。得られた容器詰飲料のコラーゲンペプチド含量は2286mg/100mL(8000mg/350mL)、リナロール濃度は約15ppb、酢酸エチル濃度は約15ppmだった。
得られた容器詰飲料は、コラーゲンペプチドに起因する臭いがマスキングされており、嗜好度の高い製品となった。
製造例3.ビールテイスト飲料(ノンアルコール飲料)の調製
本発明の技術を応用し、国際公開WO2011/145670の実施例1に記載の方法に基づいて、非発酵のビールテイストノンアルコール飲料を製造した。
すなわち、麦芽20kg(全麦芽のうち色麦芽であるカラメル麦芽の占める割合が60重量%)を用い、麦芽を適当な粒度に粉砕したものを仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65℃〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得た。得られた濾液の一部をとり、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は、煮沸完了時のエキス分の量が目標とする値になるよう調整した。製造スケールを100Lとし、ホップを約100g添加し、100℃で80分間煮沸をした。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、酸化防止剤、香料、酸味料(pHが4未満となる量を添加)、甘味料、必要によりカラメル色素を各々適量加えて約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを適量添加した。その後、濾過、コラーゲンペプチド添加、瓶詰め、殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料を得た。
得られた容器詰飲料のコラーゲンペプチド含量は2286mg/100mL(8000mg/350mL)、リナロール濃度は約15ppb、酢酸エチル濃度は約15ppmだった。
得られた容器詰飲料は、コラーゲンペプチドに起因する臭いがマスキングされており、嗜好度の高い製品となった。

Claims (8)

  1. 容器に充填されたビールテイスト飲料において、コラーゲンペプチドに起因する臭いを抑制する方法であって、
    5〜50ppbのリナロールおよび/または5〜50ppmの酢酸エチルと飲料100mLあたり200〜2500mgのコラーゲンペプチドを飲料に配合することを含む、上記方法。
  2. コラーゲンペプチドの平均分子量が8000以下である、請求項1に記載の方法。
  3. コラーゲンペプチドの含有量が、飲料100mLあたり310〜1800mgである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 発酵終了後にコラーゲンペプチドを配合する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 容器に充填されたビールテイスト飲料であって、
    5〜50ppbのリナロールおよび/または5〜50ppmの酢酸エチルと飲料100mLあたり200〜2500mgのコラーゲンペプチドを含有し、コラーゲンペプチドの平均分子量が6000以下である、上記飲料。
  6. コラーゲンペプチドの含有量が、飲料100mLあたり310〜1800mgである、請求項5に記載の飲料。
  7. ビールテイスト飲料が、ノンアルコールのビールテイスト飲料である、請求項5または6に記載の飲料。
  8. 5〜50ppbのリナロールおよび/または5〜50ppmの酢酸エチルと飲料100mLあたり200〜2500mgのコラーゲンペプチドを含有する飲料を調製すること、
    調製した飲料を容器に充填すること、
    を含み、発酵終了後にコラーゲンペプチドを配合する、容器に充填されたビールテイスト飲料の製造方法。
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