JP6574837B2 - 有機オイルを段階的に処理する方法及び装置 - Google Patents

有機オイルを段階的に処理する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機オイルを段階的に処理するための方法及び装置に関するものである。
有機オイルは、脂質成分及び種々の他の付帯物を含む。後者は、オイルから抽出される製品価値の品質を低下し、おそらく用途も制約するものになる。
従来技術では、技術精製の目的で、オイルは、通常、脱ガムとして知られる処理に供される。それによって、水和性化合物を水相に変換し、溶解した、または凝集した化合物が相分離によって除去され得るようにする。これらの方法により、水和性リン脂質の大部分及び非水和性リン脂質の一部が除去される。
次に、残っているリン脂質および付帯物としての遊離脂肪酸を油分から分離する。この除去は、例えば、遊離脂肪酸を加水分解することを含むものであっても良い。植物油中には、典型的には、マグネシウム塩及び/またはカルシウム塩及び/または葉緑素のようなキレートが存在するであろう。しかしながら、これらの化合物は、遊離脂肪酸から分離することが難しく、それ故に、遊離脂肪酸の分離に続いて、溶解又は非溶解のアルカリ土類金属塩が遊離脂肪酸部分の付帯物として存在するであろう。
それ故に、本発明の目的は、溶解及び/または非溶解アルカリ土類金属化合物及び/またはリン脂質及び/またはステリルグリコシドの少量化を達成するために、有機オイルを段階的に処理する方法を提供することである。
この目的は、独立形式請求項に記載の技術的教示を通して本発明によって達成される。
本発明に従った方法は、オイルを段階的に処理することに関するものである。この段階的な処理は、好ましくは、ステップシーケンスとして、食用オイルまたは内燃機関用燃料を製造するための確立した精製操作に統合され得る。
段階的な処理は、以下のステップを備える。
A.原料オイルの提供
原料オイルは、例えば、圧縮または抽出方法によって植物から得られる。しかしながら、多種多様な変形例が考えられる。原料オイルは、必ずしも、生きた物質から直接得られる必要はない。しかし、フライオイルの場合には、意図した目的のために一回または数回既に使われていてもよい。
B.原料オイルに水及び/または酸を添加することによって脱ガム化し、少なくとも、水の相と油の相の二つの相を形成し、油相からリン脂質が豊富な水相を分離すること。
脱ガム自体は、従来の方法である。水性の脱ガムと、稀に採用される酸の脱ガムとの間に差異がある。本発明の方法の場合、後者が好ましい。一つの好ましい変形実施形態において、酸の添加は、希釈酸の添加であってもよく、または濃縮酸の添加に続いて水の添加であっても良い。この操作において、主として、例えば水和性フォスファグリセリド、フォスファチジルイノシトールおよびフォスファチジルコリンのような水和性ガムが、油相から分離し、水相に移る。それらは、遠心分離で除去され得る。
C.炭酸水素ナトリウムまたは酢酸ナトリウムを油相に添加し、油相から水相の溶液中にアルカリ土類金属化合物及び/またはリン脂質及び/またはステリルグリセリドを除去すること。
炭酸水素ナトリウムの添加は、結果として、アルカリ土類金属化合物及び/または鉄化合物の除去につながり、そして、それには例えばクロロフィル、他のマグネシウム複合体、又は他のカルシウム複合体または鉄複合体を含む。鉄イオンまたは鉄化合物の除去は、特に、油相が酸化の影響を受けにくくする。いくつかのケースにおいて、アルカリ土類金属化合物は、リン脂質の形をとるであろう。特に注目すべき点は、炭酸水素ナトリウムの添加の結果として、非水和性リン脂質の除去、好ましくは、例えばフォスファチジルエタノールアミンのような非水和性フォスファグリセリドや、フォスファチジル酸及びその塩や、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩の除去につながる。このことは驚くべきことである。なぜなら、通常、油分の溶液中に存在するファスファチジン酸及びファスファチジン酸の塩は、油相から除去することが非常に困難だからである。このことが今、次のようにして達成され得る。遊離脂肪酸が優先的に油相に残り、分離部分として除去され得る。好ましくは、除去は、遠心分離法による水相と油相の相分離によって達成され得る。
酢酸ナトリウムの添加は、結果として、ステリルグリコシドの除去につながる。このクラスの物質は、薄膜クロマトグラフィー(TLC)によって検出され得る。ここにおいて、ステリルグリコシドが豊富な水相が、ほんのわずかな他の有機成分、例えばリン脂質または有機脂肪酸を含むだけということが明らかになる。
ステップBにおける脱ガムされたオイル部分と比較して、ステップC後の生産物は、少量部の1またはそれ以上の付帯物(ステリルグリコシド、アルカリ土類金属化合物及び/またはリン脂質)を有する。それは、通常、有機オイルからの遊離脂肪酸から不十分に分離される形態でのみ得ることができるものである。ステップBからのオイル部分と比較して、遊離脂肪酸の量は、ステップC後においては驚くべきことにほとんど変化していない。
この発明の他の有利な態様は、従属形式請求項、明細書、図面及び実施例から明らかになる。
遊離脂肪酸は、ステリルグリコシドから分離される形態の加水分解によって有利に得ることができる。また、必要に応じて、リン脂質及び/または他のアルカリ土類金属化合物から分離することもできる。この加水分解は、他の任意のステップにおいても起こる。
D.ステップCにおいてオイル部分にアルカリ剤を添加し、前述の油相から加水分解した脂肪酸を除去すること。
その除去は、好ましくは、ステップCにおいて、水相と油相とを遠心力により相分離することによって既に行われている。
別のステップにおいて、ステップCまたはDにおける油相の精製を行っても良い。このことは、以下の任意ステップによって達成される。
E.油相の漂白及び脱臭
ステップCにおいて前もって除去するのが難しいリン脂質さえも、油相から大量に除去しているので、また、任意ではあるが遊離脂肪酸までもリン脂質から除去しているので、漂白処理(bleaching operation)は極めて効果的になり得る。漂白は、例えば、漂白土類(bleaching earth)によって効果的に達成し得る。
脱臭も同様に、効果的であろう。知られているように、脱臭を、例えば、いわゆる脱臭剤(deodorizer)中のスチーム蒸留によって機械的に実行し得る。
個々の方法ステップのさらなる有利な実施形態については、以下に詳細に説明する。
脱ガムは、以下に記載する酸の1またはそれ以上から選択した酸を添加することによって行うのが有利である。その酸とは、クエン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、塩酸、硫酸、硝酸及び/またはリン酸である。これらの酸のうち、ガムの除去に対して特に安定的なのは、有機酸である。
特にフォスファグリセリドのクラスに対して、リン脂質のサブクラスとして、トリグリセリドの場合に表現されるものの一つは、(R´CH)−(R´´CH)−(R´´´CH)スキャホールド構造である。長鎖置換基R´、R´´、R´´´は、上昇温度で収斂する。このことは、水和、すなわち、水相への移行を意味し、これらの物質の除去がより難しくなることを意味する。しかしながら、同時に、問題となるオイルの粘度の上昇が生じる。
ステップBに従ったオイルの脱ガム、およびステップCに従った酢酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムの添加は、前述の困難さにかかわらず、65℃を超える温度で可能である。66〜95℃の範囲の温度での脱ガムは、特に、前述の2つの効果の間に良好な調和をもたらす。
習慣的に、溶液の形態での炭酸水素ナトリウムの添加は、油相に存在する付帯物をより効率的に分離することにつながることが予想される。なぜなら、溶液は既に水和したカチオン及びアニオンを含むからである。しかしながら、炭酸水素ナトリウム及び/または酢酸ナトリウムを粉末の形態で添加したり、または付加的にステップCにおいて油相への懸濁液の形態で添加し、さらに選択的に一方を引き続いて添加することは、溶液に対するものと比べると、油相からの付帯物の析出において同等に良好な成果を上げることが認められる。しかしながら、同時に、作り上げを必要とする水相はほとんど生成されない。水の添加は、粉末の添加の前または後に行う。
特に、ステップCにおける油相の全重量をベースにして、0.1wt%を超える炭酸水素ナトリウム及び/または酢酸ナトリウムの添加により、良好な成果が達成される。
さらに、ステップCにおける油相の全重量をベースにして、少なくとも1.0wt%の水の添加により、付帯物を非常に良好に除去できることが認められる。
ステップCに従った炭酸水素ナトリウムの添加は、以下の状態になるまで繰り返して行っても良い。その状態とは、水相の薄霧及び/または油相に現れるアルカリ土類金属イオンの量及び/または油相に現れるリンの量が所定の設定値よりも下回るまでである。粉末の形態または懸濁液の形態で添加することの特定の成果は、少量の水を添加することに比べて、作り上げを必要とする広範囲の水相を生成しないということである。その結果、得られる溶媒のために不経済となる処理を行わずに、ステップCを繰り返して行うことができる。同時に、多数回の添加は量的に付帯物をより効率的に除去することを実現する。
ステップCにおける炭酸水素ナトリウムの添加に続いて、好ましくは、油相から1%の遊離脂肪酸を除去することに対応する、遊離脂肪酸部分を含む液相を除去することが可能である。百分率(percentage points)の報告は、油相中の遊離脂肪酸の全量における減少に基づくものである。油相中の遊離脂肪酸の全量に関係なく、水素ナトリウムを添加すると、1%未満を一貫して水相に移すことが可能である。それに対して、例えば、リン脂質、葉緑素または他のアルカリ土類金属化合物は、大部分が液相に移る。
一つの好ましい態様において、ステップCにおいて炭酸水素ナトリウムを添加した後に、油相から0.2%未満の遊離脂肪酸の除去に対応する遊離脂肪酸部分を備える液相を除去することができる。この比較的高い純度は達成可能であるが、使用者の興味によって、換算測定(reduced metering)を通してより小さくすることもできる。
ステップCにおいて酢酸ナトリウムの添加を通して、30wt%よりも多い、好ましくは50wt%よりも多いステリルグリコシドを含む有機成分が溶液中または懸濁液中に存在している液相の除去を達成することができる。
ステップCに続いて、好ましくは、ステップDにおいて、ステップCからの油相にアルカリ剤を添加して遊離脂肪酸の加水分解を行うことができる。それにより、油相から加水分解した脂肪酸を除去することが可能である。加水分解した脂肪酸は、油相から比較的純粋な部分として、液相中に移動し得る。その液相は、アルカリ剤の添加の前、添加の間、または添加の後に水を添加することによって形成される。
加水分解した脂肪酸は、好ましくは3wt%未満の、より好ましくは1wt%未満の有機不純物を有するかもしれない。これらのセッケン(soaps)は、その後に、加圧下または酸の添加を伴って破砕されて遊離脂肪酸となり得る。この反応は、セッケン破砕(soap cleaving)として普通に知られている。比較的高純度のセッケン部分を考慮すると、セッケン破砕において得られる水相は、あまり汚染されていない。他方、汚染されたセッケン部分については、セッケン破砕を行うことがより困難になる。
ステップCまたはDに続いて、ステップCまたはDからの油相は、漂白及び/又は脱臭され得る。これにより、望ましくない着色物質、望ましくない臭い物質および香り物質が油相から除去される。これらは、通常、油を精製して食用オイルまたは燃料を製造する際の最終ステップである。
ステップDにおいて添加されたアルカリ剤は、好ましくは無機アルカリ金属水酸化物溶液、より好ましくは水酸化ナトリウム溶液であろう。この比較的安価な剤の添加で十分であり、その後に、ステリルグリコシド及び/またはリン脂質及び/またはアルカリ土類金属化合物の除去が続き、ほとんど汚染物を含まない油相を提供する。
さらに、本発明にしたがって、請求項1に記載の方法を実行するための装置が提供される。
本発明の本質的事項は、図面を参照しながら記載された以下の詳細な説明から明らかとなる。
HLB親油性スケールを示す図であり、10から0の範囲における親油性の上昇および10から20の範囲における親水性の上昇を示している。10付近の物質は、等しく親油性かつ親水性である。すなわち、それらは等価な両親媒性である。HLB親油性スケールの値は、例として、種々のTWEENおよびSPAN乳化剤に対して報告されている。 ここに記載された方法を実行するための本発明の装置を示している。1は上述の塩を備える液相を受け取るためのレセプタクルを示し、2はサービスを表し、3は容器を表し、4はオーバーフローの戻りを表し、5はドレインラインを示し、6はバルブを示し、7はミキサーを示し、8はフィードラインを示し、9はドレインラインを示し、10は遠心分離機を示し、11および12は遠心分離機からの2個のドレインを示し、13はポンプを示し、14は別のポンプを示し、15は分配器を示す。 炭酸水素ナトリウムの添加後の油相のリン量に見られる濃度プロファイルを示している。 炭酸ナトリウム溶液の添加と比較して、炭酸水素ナトリウム溶液の添加後の油相中の遊離脂肪酸の重量部におけるパーセンテージの低下のプロファイルを示している。 例示的に、方法ステップB,CおよびDにおいて酸剤及びアルカリ剤の調量によって得られるリン量の調整を示している。 本発明の定義に従うリン脂質の技術分類を示している。
図2は、本発明の装置を示している。図示する装置は、ここに液相及び/または塩溶液またはここに記述される塩の懸濁液を受け取るレセプタクル1を含む。レセプタクル1から、ライン2(このラインにポンプ14が挿入される)が容器3にまで延びている。この容器3は、好ましくは、定圧バッファ容器として設計されている。この目的のために、容器3は、オーバーフロー戻し4を備えていても良い。この戻し4は、オーバーフローレベルを超える場合に、液を容器3からレセプタクル1に戻す。
さらに、容器3は、ドレインライン5を、好ましくはその底端に有している。このドレインライン5には、バルブ6が挿入される。バルブ6はドレインライン5内の流量を制御するように使用され得る。ドレインラインは、ミキサー7につながる。また、ミキサー7には、フィードライン8が導かれている。このフィードライン8には、ポンプ13が挿入され得る。フィードライン8を通して、別の相、好ましくは類脂質含有(脂質)相をミキサー7にまで送る。さらに、ミキサー7は、遠心分離機10の取り込み口で開放するドレインライン9を有する。ミキサー7では、供給された2つの相が混合される。
遠心分離機10では、異なった密度の2つの相に遠心分離される。これらの相は、2つのドレインライン11,12を介して遠心分離機から流出する。種々の態様でミキサー7は設計され得る。例えば、静的ミキサーまたは動的ミキサーが使用され得る。例えば、高剪断ミキサー(high-shear mixer)またはナノリアクタのような特別な形態も適用可能である。同様に、遠心分離機自体がミキサーとして使用され得るものであっても良い。その場合、類脂質相および塩溶液(水溶液)が別のフィードラインを通って(例えば、遠心ドラムのディストリビュータ15内で)遠心分離機内に導かれ、2つの相が混合される。この種のディストリビュータは、知られているものであり、入ってくる製品を回転ドラムに移行させるのに使用される。
使用される遠心分離機は、好ましくは、垂直な回転軸線を持つセパレータであり、異なった密度の二つの相に分離するように設計されている。
装置は、大気圧よりも高い圧力Pの下で操作するように設計されても良い。その場合、好ましくは、1バール≦P<10バールが望ましい。ドレイン11,12内のドレイン圧力は、遠心分離機に入り込むフィードラインの吸い込み圧力よりも高くなければならない。好ましくは、吸い込み口における空気の導入は避ける。それは、ミキサー内または遠心ドラム内で乳剤が破壊的なレベルになるのを防ぐためである。
この装置によれば、乳化作用を避けることができる。結果として、第一に、分離され、かつリン脂質、アルカリ土類金属含有化合物及び/またはステリルグリコシドを含む部分がより効率的に除去され得る。なぜなら、相分離がより好ましいからである。第二に、油相の消耗が、本発明に従って空気/ガスの導入の排除を妨げない混合及び分離システムにおけるよりも、より完全である。
装置は、また、下流ステップにおいて利用され、油相から遊離脂肪酸を分離する。
そのような本発明の装置は、以下に記載の本発明の方法の個々のステップを実行するように設計されている。
1.準備ステップ
最初のステップは、原料オイル、すなわち処理されるべき有機オイルの準備である。
オイルから得られる主要生産物は、例えば、排他的ではないが、燃料や食用油として使用され得る。必要に応じて及び必要な時に、再生価値のある生産物は、バイオディーゼルを得るための処理ステップにおいてエステル化され得る。
原料オイルを得るために、準備ステップが行われ得る。植物種から出発する。この植物種は、準備され、例えば皮をむかれ、その後、脱油される。脱油は、例えば、加圧操作によって行われ得る。熱間プレス法および冷間プレス法が、野菜油の再生用として知られている。抽出処理も同様に採用され得る。例えば、ヘキサンの抽出である。
ここで使用する「原料オイル」または「有機オイル」は、生物由来の物を含む。それ故に、その物は、植物、藻類、動物及び/または微生物から得ることができ、また、その物は、10%未満の水分量を有し、全量の親油性物質を含む。その親油性物質は、70wt%を超える、または75wt%を超える、または80wt%を超える、または85wt%を超える、または90wt%を超える、または95wt%を超えるモノアシルグリセリド、ジアシルグリセリド及び/またはトリアシルグリセリドを含む。したがって、類脂質の相は、例えば、オイル含有植物および微生物の抽出物となろう。例えば、菜種油の種、大豆、アマナズナ属、タイワンアブラギリ属、ヤシ、またはアルゲン(algen)およびマイクロアルゲン(microalgen)、動物の脂肪及びオイルである。
原料オイルは、好ましくは、10%未満の水分量と、わずかなアルカン(alkane)及び/または環状芳香族化合物及び/または75%を超えるモノ/ジ/トリグリセリド(アシルグリセリド)を有する。類脂質相が懸濁液、乳濁液またはコロイド液であるのかどうかは、ここでは重要でない。
有機オイルまたは原料オイルは、例えば、野菜オイルである。しかしながら、原料オイルは、動物由来のオイルであってもよい。同様に、原料オイルは、例えばフライ用油脂のように既に使用されてきたオイルであっても良い。その場合、そのオイルは、例えば燃料用として、使用するための処理を必要とする。多くの他の精製オイルが考えられるが、それらは本発明の明細書中に記載したように処理され得る。
原料オイルが抽出物である場合、または原料オイルが先行する除去または抽出手順によって得られた脂質の抽出相および類脂質物質を備える場合、原料オイルは、50%を超える部分において、有機溶媒または炭化水素化合物から構成され得る。
本願明細書において、脂肪及びオイルは脂質に分類され、他方、類脂質のグループは、ワックスのクラスから選ばれる全ての化合物、カロテノイド、糖脂質、リン脂質、プロスタグランジンなどを包含する。この定義は、下記のものに従った。
「Beyer, Walter, “Lehrbuch der Organischen Chemie” 21st edition, S.Hirzel Verlag, 1988-p.248」
生きている植物および動物の個体の実質的に全ての細胞の自然成分として、リン脂質、糖脂質、グリセロ糖脂質、およびスフィンゴ糖脂質などが、これらの個体及び植物から得られるオイルまたは脂肪(例えば、野菜オイル)中に不可避的に存在する。これらの部分は、抽出が行われる組織に依存するだけでなく、抽出方法にも依存する。表1は、オイル及び/または脂肪中に存在し、種々の穀物植物から得られた物質のクラスをまとめている。既に明らかになっていることは、概して中性脂質がオイルまたは脂肪の主要な部分を作り上げているが、リン脂質および糖脂質/グリセロ糖脂質/スフィンゴ糖脂質の部分が非常に変動していることである。例えば、糖脂質、グリセロ糖脂質、およびスフィンゴ糖脂質の部分は、ココナッツオイル中の0.2%から、ボリジオイル中の約2%、米胚芽油中の6.3−7%を経て、アボカドからのオイル中の19.4%に及ぶ範囲である。
表1:種中におけるイオン基を含まない脂質(NL)、リン脂質(PL)、グリセロ等脂質およびスフィンゴ糖脂質と同様の糖脂質(GL)の含有量であり、それぞれ、選択された植物に対してそれらから得られる油の含有量。PLとGLは油の総量に対する割合である。種については、いくつかの場合、種の質量と比較して、油部分(総量)の割合のレベルに関する附記がある。
ここでは、原料オイルとは、定義上、以下のものを含む。アサイー油(acai oil)、ヤシ油(acrocomia oil)、アーモンド油(almond oil)、ババスー油(babassu oil)、クロフサスグリ種油(blackcurrant seed oil)、ルリジサ種油(borage seed oil)、ナタネ油(rapeseed oil)、カシュー油(cashew oil)、ひまし油(castor oil)、ココナツ油(coconut oil)、コリアンダー油(coriander oil)、トウモロコシ油(corn oil)、綿実油(cottonseed oil)、クランベ油(crambe oil)、亜麻仁油(inseed oil)、ブドウ種子油(grape seed oil)、ヘーゼルナッツ油(hazelnut oil)、他のナッツ油(other nut oils)、麻実油(hemp seed oil)、ナンヨウアブラギリ油(jatropha oil)、ホホバ油(jojoba oil)、マカダミアナッツ油(macadamia nut oil)、マンゴーカーネル油(mango kernel oil)、タネツケバナ油(lady’s smock oil)、からし油(mustard oil)、牛脚油(neat’s foot oil)、オリーブ油(olive oil)、アブラヤシ油(palm oil)、パームカーネル油(palm kernel oil)、パーム油(palmolein oil)、落花生油(peanut oil)、ペカン油(pecan oil)、パインカーネル油(pine kernel oil)、ピスタチオ油(pistachio oil)、ケシ油(poppy oil)、米油(rice germ oil)、サフラワー油(safflower oil)、カメリア油(camellia oil)、ゴマ油(sesame oil)、シアバター油(shea butter oil)、大豆油(soybean oil)、ヒマワリ油(sunflower oil)、トール油(tall oil)、椿油(tsubaki oil)、くるみ油(walnut oil)、遺伝子組み換え方法(GMOs)もしくは伝統的育種法で変更された脂肪酸組成と同等の“自然の”油、ネオクロリス・オレオアブンダンス油(Neochloris oleoabundans oil)、スセネデスムス・ジモルファス油(Scenedesmus dimorphus oil)、ユーグレナ・グラシリス油(Euglena gracilis oil)、フェオダクチラム・トリコヌツム油(Phaeodactylum tricornutum oil)、プレウロクリシス・カルテレ油(Pleurochrysis carterae oil)、プリムネシウム・パルバム油(Prymnesium parvum oil)、テトラセルミス・チュイ油(Tetraselmis chui oil)、テトラセルミス・スエシサ油(Tetraselmis suecica oil)、イソクリシス・ガルバナ油(Isochrysis galbana oil)、ナンノクロロプシス・サリナ油(Nannochloropsis salina oil)、ボツリオコッカス・ブラウニー油(Botryococcus braunii oil)、ドナリエラ・テルティオレクタ油(Dunaliella tertiolecta oil)、ナンノクロリス油(Nannochloris oil)、スピルリナ油(Spirulina oil)、クロロフィシエ油(Chlorophyceae oil)、バシリアロフィタ油(Bacilliarophyta oil)、前述油の混合、動物油(特に海洋動物油)およびとバイオディーゼル。
上述の物質に加えて、上記のオイルおよび脂肪中のいわゆる遊離脂肪酸およびステリルグリコシドの部分もまた、適切ではない。目的は、高い選択性をもって可能な限り付帯物を含まないこれらの物質を得ることである。
脱油は、原料オイル相および固体相を作り出す。固体相の個体はさらに処理されて、例えば、家畜飼料、繊維材料、プロテイン、ポリフェノールまたは価値ある他の物質を分離し、または蓄積する。
オイルの処理において、主たる産物の品質を低下する付帯物が、主たる産物から分離される。これらの付帯物は、清浄化されて、価値ある産物として販売されても良い。
これらの価値ある産物は、グリセロール、ステリルグリコシド、遊離脂肪酸、リン脂質、トコフェロール、および他の物質を含む。原料オイルにおいて、それらは、好ましくは400ppm未満の量、より好ましくは100ppm未満の量だけ存在する。
脱ガム
オイル処理の更なるステップにおいて、いわゆる脱ガムが行われる。この操作では、リン脂質が除去される。これらは、リン含有有機物質であり、それは脂肪の特質を有している。リン脂質は、非水和性リン脂質(NHP)および水和性リン脂質(HB)に区分される。水和性リン脂質の例は、フォスファチジルイノシトール又はその塩、フォスファチジルコリンである。非水和性リン脂質の例は、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジン酸又はその塩である。リン脂質の典型的なカチオンの例は、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどである。
2.水和性リン脂質の除去
第2ステップBで、先ず、水和性リン脂質及び/または非水和性リン脂質が除去される。非水和性リン脂質は、容易に水和性に変換され得る。
脱ガムのために、水が原料オイルに添加され、水和性のリン脂質が水和される。これらのリン脂質は、スラッジとして得られ、遠心分離によってオイルから分離され得る。
非水和性リン脂質は、加熱によって、特定の吸着剤の添加によって、ろ過によって、及び/または酸の添加によって、破壊され、水和性の形態に変換される。酸の添加は酸脱ガムと呼ばれ、水だけの添加は水脱ガムとして知られている。脱ガム後、脱ガムされたオイル部分が得られるが、それは、依然として、リン脂質の残留部分、特に非水和性リン脂質を有している(3.1の項目参照)。
酸脱ガムは脱ガム段階においてかなり良好な結果を呈することが認められる。
酸脱ガムに対して、例えばクエン酸、酢酸、ギ酸、及び/またはシュウ酸を含む酸水溶液相を使用することが、利点を持つ。あまり好ましいとはいえないが、他の例として、塩酸、硫酸、硝酸及び/またはリン酸を使用することも可能である。
図6は、例示的に、非水和性リン脂質および水和性リン脂質(NHPsおよびHPs)に分けたリン脂質の分類を示す。ここで、酸性領域において、PEは、図に示されるようなアミノ基をプロトン化することによって容易に水和性の形態に変換され得る。
3.1 類脂質の除去を含む、残留非水和性リン脂質の除去
オイル処理の第三ステップIIIにおいて、炭酸水素ナトリウムを添加する。驚くべきことに、炭酸水素ナトリウムの添加により、残留リン脂質の更なる分離、特に非水和性リン脂質、特に例えば溶解塩のようなフォスファチジン酸化合物の付加的な分離が生じることが認められた。
炭酸水素ナトリウムの添加は、続いて、脱ガムされたオイル部分から除去されたわずかな量のステリルグリコシドの分離をもたらす。さらに、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、存在しているなら鉄イオンの量が大幅に減少している。なぜなら、ナトリウムイオンの添加により、これらのイオンが炭酸水素ナトリウムの形態で移動するようになるからである。同時に、遊離脂肪酸が、ほぼ全体的に油相に残る。
「脂肪酸」という用語は、「遊離脂肪酸」という用語と同義的に使用している。「遊離」という語の付加は、それらが結合されていない脂肪酸であることを明確にするためである。なぜなら、無極性の油相において、主要な部分を占める成分は、例えばトリアシルフリセリド、ジアシルグリセリドまたはモノアシルフリセリドの形態の結合した脂肪酸を含む。脂肪酸は、少なくとも8個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸である。
ここで使用される「脂肪酸」という用語は、遊離脂肪酸(また略して記載するとFFAs)を指す。すなわち、脂肪酸は、遊離した形態で存在し、かつ結合されていないグリセリド(すなわち、グリセロールに向かう)またはグリコシド(すなわち、糖質残留物に向かう)である。
「脂肪酸」という用語は、好ましくは、以下の化合物を包含する。
ヘキサン酸、オクタン酸、カプリン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、シス−9−テトラデセン酸、シス−9−ヘキサデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、シス−9−オクタデセン酸、シス−11−オクタデセン酸、シス−9−エイコセン酸、シス−11−エイコセン酸、シス−13−ドコセン酸、シス−15−テトラコセン酸、ティー9−オクタデセン酸、ティー11−オクタデセン酸、ティー3−ヘキサデセン酸、9、12−オクタデカジエン酸、6、9、12−オクタデカトリエン酸、8、11、14−エイコサトリエン酸、5、8、11、14−エイコサテトラエン酸、7、10、13、16−ドコサテトラエン酸、4、7、10、13、16−ドコサペンタエン酸、9、12、15−オクタデカトリエン酸、6、9、12、15−オクタデカテトラエン酸、8、11、14、17−エイコサテトラエン酸、5、8、11、14、17−エイコサペンタエン酸、7、10、13、16、19−ドコサペンタエン酸、4、7、10、13、16、19−ドコサヘキサエン酸、5、8、11−エイコサトリエン酸、9シー11ティー13ティー−エレオステアリン酸、8ティー10ティー12シー−カレンジュラ酸、9シー11ティー13シー−カタルプ酸、4、7、9、11、13、16、19−ドコサヘプタデカン酸、タキソール酸、ピノレン酸、シアドン酸、6−オクタデシン酸、ティー11−オクタデセン−9−イン酸、9−オクタデシン酸、6−オクタデセン−9−イン酸、ティー10−ヘプタデセン−8−イン酸、9−オクタデセン−12−イン酸、ティー7、ティー11−オクタデカジエン−9−イン酸、ティー8、ティー10−オクタデカジエン−12−イン酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸、レチノイン酸、イソパルミチン酸、プリスタン酸、フィチン酸、11、12−メチレン−オクタデカン酸、9、10−メチレン−ヘキサデカン酸、コロナル酸、(R、S)−リポ酸、(S)−リポ酸、(R)−リポ酸、6、8(メチルスルファニル)オクタン酸、4、6−ビス(メチルスルファニル)ヘキサン酸、2、4−ビス(メチルスル−ファニル)ブタン酸、1、2−ジチオランカルボキシン酸、(R、S)−6,8−ジチアノクタン酸、(S)−6、8−ジチアノクタン酸、タリリン酸、サンタルビン酸、ステアロール酸、6、9−オクタデセンイン酸、ピルリン酸、クレペン酸、ヘイステル酸、ティー8、ティー10−オクタデカジエン−12−イン酸、エイコサテトライン酸、セレブロン酸、ハイドロキシネルボン酸、リシノール酸、レスクエロリン酸、ブラシル酸、タプシン酸
脂肪酸は、マーガリンにおけるように食用脂中の純粋部分として、または塗料およびインクなど、またバイオディーゼル燃料などに利用可能である。
これは、油相を残す。その中では、例えば葉緑素(クロロフィル)を含む、リン脂質の含有量およびアルカリ土類金属化合物部分が既にかなり減少している。しかし、その中では、遊離脂肪酸が依然としてほぼ全量存在している。アルカリ土類金属及びPの達成可能な量は、1ppm未満のレベルまで低下し得る。実用上、約5ppmのP含有量を残すことが示されている。なぜなら、P含有量に関しての最終的な減少は、FFAsの中和を伴ってステップ3で行われ得る。それにもかかわらず、ステップ4において得られるセッケン部分のP含有量は非常に低い(オイルからの3−5ppmのPは、セッケン部分に移される)。
4.1 ステップ3.1の後の中和
知られているように、遊離脂肪酸は、容易に酸化物の形成に入り込むことができる。精製オイル及びオイル派生物の品質を維持するために、これらの遊離脂肪酸は、処理後の油相から除去されなければならない。これは、第4ステップDで行われる。そこでは、処理後の油相がアルカリ剤と混合される。この剤は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物溶液、言い換えれば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム溶液であり、水酸化ナトリウム溶液であれば特に効率的でコスト的にも有利である。
この水酸化物溶液は、油相からの付帯物としての遊離脂肪酸を除去する。遊離脂肪酸は、加水分解され、先行するリン脂質の除去および望ましくないカチオン(アルカリ土類金属イオンおよび鉄イオン)の除去を通して、非常に高純度に再生され得る。
その後、例えば酸の添加によるセッケン破壊によってセッケンから遊離脂肪酸を再生することができる。
この段階的な原料オイルの処理によって、高純度の主要産物を製造することができ、また、非常に高純度の加水分解された遊離脂肪酸の部分を得ることができる。
それ故に、第4ステップによって、アルカリ剤の添加を通して、比較的純粋な脂肪酸の部分をセッケンとして分離する。このステップによって、処理済みの油相のリン含有量を3ppm未満のレベルまで、好ましくは1ppm未満のレベルまで下げることができる。なぜなら、NHPsの部分は、ステップ3の後のセッケンを用いてより容易に除去される。
5.漂白及び脱臭
最終的に、主要産物、すなわちオイル及び脂肪を、漂白及び/または脱臭処理によってさらに精製する。
漂泊の場合、剤として主に漂白土が使用され得る。それは、本発明において、より効率的に使用されることができる。漂白土に対して、炭酸水素ナトリウムまたは酢酸ナトリウムを同時に添加することができる。脱臭は、例えば、デオドライザーと呼ばれる水蒸気蒸留によって行っても良い。ここで、例えば、オイルから望ましくない匂い物質を取り除くことができる。
また、選択的に、さらなるステップとして、漂白及び/または脱臭の前または後に、オイル及び/または脂肪を精製する処理を行う。そのようなステップは、水分を除去するために、減圧下で、例えば、オイルポリッシング(oil polishing)及び/または乾燥することを含む。
3.2 ステリルグリコシドの再生
オイル処理の第3ステップCにおいて、炭酸水素ナトリウムに代えて、選択的に、酢酸ナトリウムを添加することができる。驚くべきことに、酢酸ナトリウムの添加は、液相中にステリルグリコシドを付加的に蓄積することによって達成される。これらのグリコシドは、脱ガムされたオイル部分から除去されたものである。同時に、残留リン脂質、遊離脂肪酸、および例えば葉緑素のようなアルカリ土類金属化合物が油相中に優先的にまたはほぼ完全に残る。
ステリルグリコシドは、水酸基を介して、少なくとも一つのサッカライド残留物にグリコシド的に結合したステロールである。ステリルグリコシドは、植物、動物、菌類、およびいくつかのバクテリアに存在する。例えば動物では、コレステロールグルクロニドが存在する。その中では、コレステロール残留物がグルクロン酸残留物に結合されている。植物では、ステロール残留物は、好ましくは、カンプエステロール、スチグマステロール、シトステロール、ブラシカステロールまたはジヒドロシトステロールであり、サッカライド残留物は、好ましくは、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルクロン酸、キシロース、ラムノース、またはアラビノースである。植物ステリルグリコシドの場合、サッカライド残留物は、ステロールのAリングのC3で水酸基を介してステロールに結合される。この最初のサッカライド残留物に関連して、β−1,4−グリコシド結合またはβ−1,6−グリコシド結合を介して、さらなるサッカライド残留物が存在し得る。また、アシル化されたステリルグリコシド(ASGs)も存在する。その中では、サッカライド残留物が脂肪酸とともに位置6の水酸基でエステル化される。多くの植物において、アシル化されたステリルグリコシドは、実質的に植物の全量中、0.125wt%まで検出される。アシル化されていない、およびアシル化されたステリルグリコシドの部分は、パーム油及び大豆油において特に高い。バイオディーゼルの生産において、ステリルグリコシドが高い部分は、障害のある濾過性に関連して記載される。油相は残され、その中に、ステリルグリコシドが既に大幅に減少している。このことは、さらなる処理を容易にする。アルカリ剤の添加により、蓄積相がさらなるステップを経て生じ得る。
水相中のステリルグリコシドの部分は、油相中のステリルグリコシドの部分と比較すると、比較的高く、すなわち、少なくとも60wt%よりも高く、好ましくは80wt%よりも高い。
得られたステリルグリコシドは、化粧品及び/または医薬製品に利用され得る。
4.2 ステップ3.2の後の中和
第四ステップDでは、アルカリ剤が処理された油相に添加され、その系は、無極性の油相と極性のある水溶性セッケン相に分かれる。ここで、剤は、好ましくは、アルカリ金属水酸化物溶液、言い換えれば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム溶液であり、水酸化ナトリウム溶液を使用すれば、特に好ましいことが証明される。
この水酸化物溶液は、遊離脂肪酸を除去し、そして今また、残留しているリン脂質および例えば水溶液相中に付帯物として存在する葉緑素を含むアルカリ土類金属種が、液相から除去される。これらの遊離脂肪酸は、加水分解され、その後のセッケン破壊によって選択的に再生され得る。
上記物質、特にリン脂質及び/または遊離脂肪酸の除去には、ステリルグリコシドの除去が特に有利であることが証明された。
その後、上述の通り、漂白及び/または脱臭処理により、主要産物、すなわち、油および脂肪の精製が行われる。
以下に記載する明細書で意図することは、2つの実施例を参照して、かつ比較例を比較して、本発明の方法をより詳細に記述することである。
実施例1:
ナタネから採取した圧搾油として、原料オイル(FFA含有量0.48wt%,HO含有量0.05wt%,鉄含有量1.13ppm,リン含有量80.42ppm,マグネシウム含有量8.47ppm,カルシウム含有量45.10ppm)が、フィードタンク(フィードタンク1)に導入される。
フィードタンク1内の原料オイルは、その後、85℃まで加熱され、0.1wt%の希釈クエン酸(室温で33wt%強)に混ぜられ、30秒間徹底的にかき回され、その後10分間約100〜150rpmでかき回される。この後、0.6wt%の水が添加される。
オイルと希釈クエン酸との混合物は、その後、セパレータにまでポンプ送りされ、その後、水性相Bが、200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。水性相Aは収集され、さらなる使用のために貯留される。油性相Aは、さらなる処理のために別のフィードタンク(フィードタンク2)に移される。油性相Aは、その後、分析される(FFA含有量0.48wt%,HO含有量0.23wt%,鉄含有量0.34ppm,リン含有量26.1ppm,マグネシウム含有量2.32ppm,カルシウム含有量9.04ppm)。
結果として生じる油性相Aは、45°の処理温度にもたらされ、8wt%強の炭酸水素ナトリウム溶液が、90%の遊離脂肪酸を理論的に中和させるのに十分な容積で添加される。十分な容積の炭酸水素ナトリウムは、使用される油相の重量を基準にして0.1wt%以上のNaHCO、例えば0.3wt%のNaHCOが添加されるように、選択され得る。添加は、必ずしも溶液の形態である必要はなく、粉末の形態であっても良い。その後、水が別途添加され得る。最後に、ワイストラルミキサ(Ystral mixer)を用いて、集中的に30秒間かき回し処理される。その際に、空気の導入やガスの導入は無い。その後、空気の導入やガスの導入無しで10分間普通にかき回される。結果として生じる混合物は、その後、セパレータにポンプ送りされ、水性相Bが200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。
水性相Bが集められる。ステリルグリコシドは、TLCによって検出された。さらなる処理のために、油性相Aは、フィードタンク1にまで送り戻される。油性相は、その後、分析される(FFA含有量0.32wt%,HO含有量0.23wt%,鉄含有量0.15ppm,リン含有量5.75ppm,マグネシウム含有量0.69ppm,カルシウム含有量3.46ppm)。
実施例2:
ナタネからの圧搾油として、原料オイル(FFA含有量43wt%,HO含有量0.05wt%,鉄含有量0.60ppm,リン含有量52.52ppm,マグネシウム含有量5.43ppm,カルシウム含有量31.33ppm)がフィードタンク(フィードタンク1)に導入される。
フィードタンク1内の原料オイルは、その後、85℃にまで加熱され、そして0.1wt%のクエン酸(室温で33wt%強)に混ぜられ、30秒間十分にかき回される。その後、10分間、約100〜150rpmでかき回される。その後で、0.6wt%の水が添加される。
原料オイルと希釈クエン酸との混合物は、その後、セパレータにまでポンプ送りされ、その後、水性相Bが200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。水性相Aは集められ、さらなる使用のために貯留される。油性相Aは、さらなる処理のために、別のフィードタンク(フィードタンク2)に移される。油性相Aは、その後、分析される(FFA含有量0.43wt%,HO含有量0.26wt%,鉄含有量0.17ppm,リン含有量12.49ppm,マグネシウム含有量0.40ppm,カルシウム含有量1.85ppm)。
結果として生じる油性相Aは、45°の処理温度にもたらされ、90%の遊離脂肪酸を中和させるのに十分な容積で8%強の酢酸ナトリウム溶液が添加される。その後、ワイストラルミキサ―(Ystral Mixer)を用いて、好ましくはガスの導入無しで30秒間集中的にかき回され、その後、ガスの導入無しで10分間普通にかき回される。結果として生じる混合物は、その後、セパレータにポンプ送りされ、水性相Bが、200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。
水性相B中で、ステリルグリコシドがTLCによって検出された。さらなる処理のために、油性相Aがフィードタンク1にまで送り戻される。油性相Aは分析される(FFA含有量0.43wt%,HO含有量0.24wt%,鉄含有量0.09ppm,リン含有量5.79ppm,マグネシウム含有量0.25ppm,カルシウム含有量0.89ppm)。
炭酸ナトリウムを用いた比較例
ナタネからの圧搾油として、原料オイル(FFA含有量0.54wt%,HO含有量0.05wt%,鉄含有量0.53ppm,リン含有量78.32ppm,マグネシウム含有量5.70ppm,カルシウム含有量33.04ppm)がフィードタンク(フィードタンク1)に導入される。
フィードタンク1内の原料オイルは、その後、約85℃にまで加熱され、その後、0.1wt%のクエン酸(室温で33wt%強)に混ぜられ、30秒間徹底的にかき回され、その後、10分間約100〜150rpmでかき回される。この後、0.6wt%の水が添加される。
原料オイルと希釈クエン酸との混合物は、その後、セパレータにポンプ送りされ、さらに、水性相Bが200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。水性相Aは集められ、さらなる使用のために貯留される。油性相Bは、さらなる処理のために、別のフィードタンク(フィードタンク2)に移される。油性相Aは、その後、分析される(FFA含有量0.48wt%,HO含有量0.53wt%,鉄含有量0.15ppm,リン含有量16.57ppm,マグネシウム含有量0.28ppm,カルシウム含油量1.78ppm)。
結果として生じる油性相Aは、40〜45℃の処理温度にもたらされ、90%の遊離脂肪酸を中和させるのに理論的に十分な容積で8%強の酢酸ナトリウム溶液が添加される。その後、ワイストラルミキサ―(Ystral mixer)を用いて、好ましくはガスの導入無しで30秒間集中的にかき混ぜが行われ、その後、好ましくはガスの導入無しで10分間通常にかき回される。結果として生じる混合物は、その後、セパレータにポンプ送りされ、水性相Bが200リットル/hのアウトプットで油性相Aから分離される。
水性相B中で、ステリルグリコシドがTLCによって検出された。さらなる処理のために、油性相Aがフィードタンク1にまで送り戻される。油性相Aは、分析される(FFA含有量0.25wt%,HO含有量0.49wt%、鉄含有量0.15ppm,リン含有量2.21ppm,マグネシウム含有量0.07ppm,カルシウム含有量0.32ppm)。
実施例1および実施例2は、続いて、12%強のNaOH溶液の十分な量の添加によって処理され得る。そのような処理は、いわゆる、オイルポリッシングプロセスと呼ばれる。この処理により、オイル相が加水分解した遊離脂肪酸から分離する。
その後、漂白および脱臭を行うことができる。
実験で決定したデータを用いて、図3は、ステップCにおいて炭酸水素ナトリウム溶液の添加により、油相中のリン含有量が減少していることを示している。この減少したリン含有量は、油相中のリン脂質の減少によって達成されている。図4は、また、炭酸水素ナトリウムが添加されるとき遊離脂肪酸の部分が減少していないことを示している。比較として、図4から、炭酸ナトリウムの添加によれば、油相中の脂肪酸の減少が見られることが明らかである。
リン含有量に類似して、油相中におけるカルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオンの他のものにも、減少が見られた。同時に、除去された上述のイオンは水相中で検出可能であった。
塩化ナトリウムを用いた比較例
原料オイルA1は、水性クエン酸溶液(33%強、添加:1000ppm)を用いて85℃で処理され、シェアリングヘッドミキサー(shearing head mixer)を用いて30秒間混合された。10分間の反応時間経過後、サンプルを取り出し、油相A2を測定した。
油相A2は、1wt%の塩化ナトリウムおよび3wt%の蒸留水に混ぜられ、シェアリングヘッドミキサーを用いて60℃で30秒間混合された。10分間の反応時間経過後、サンプルを取り出し、油相A3を測定した。
酸−脱ガムされた油相A2は、1wt%の炭酸水素ナトリウムおよび3wt%の蒸留水に混ぜられ、シェアリングヘッドミキサーを用いて60℃で30秒間混合された。10分間の反応時間経過後、サンプルを取り出し、油相A4を測定した。
得られた結果は、以下の通りであった。
上述の結果からわかるように、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムを用いて同一の油相A2に対して同一の処理を行うと、炭酸水素ナトリウムナトリウムの場合におけるリン脂質の減少が7倍以上であるという結果になった。また、より明瞭にわかることは、Fe,Ca,Mgに対して顕著な減少が見られる。これは、Caを除いて、塩化ナトリウムを用い、前処理を同じにした時とは同一ではない。
図5aは、方法ステップB、方法ステップCおよび任意の方法ステップDの例示的な順序を示している。原料オイルIから出発し、最初にクエン酸が水溶液として添加される。このとき、油相中のリン含有量及びリン脂質の部分が減少する。水性相r1が、油相から分離する。炭酸水素ナトリウムの部分が、溶液の形態、懸濁液の形態または粉末の形態で油相に添加される。粉末として添加される場合、好ましくは、その後に水が添加される。リン脂質の更なる減少が油相中で起こる。水性相r2が、油相から除去される。その後、任意のステップDにおいて、さらにリン脂質が除去され得る。しかしながら、ステップCにおける計量容積に依存して、油相中のリン脂質の濃度がかなり低くなり得る。そのため、脂肪酸に対してそれ以上の採取が困難になるであろう。二つのステップ間の境界Zは、それ故に、変動して選ばれ得る。また、特に、FFA相の純度に関しては、所望の目標仕様書に依存する。
遊離脂肪酸の濃縮は、対応のステップ後の油相の酸価の決定を通して生じ得る。酸価(AN)は、脂肪/油中の遊離脂肪酸(FFAs)の量の測定値である。それは、mg中の水酸化カリウム(KOH)の量に対応し、脂肪1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和させるのに必要なものである。ANを決定するために、2:5の混合比率であるトルエン及びエタノールの混合溶液中の脂肪/油は、フェノールフタレインに対して0.1MのKOHを用いて滴定される。ANは、以下のように計算され得る。
酸価から、KOHおよびオレイン酸のモル質量を通して、質量パーセント基準で脂肪/油中の遊離脂肪酸量を直接算出することが可能である。計算は、下記の式によってなされる。
油の水含有量を決定するために、カールフィッシャー(Karl Fischer)の式に従うのが通常である。この方法では、モノメチル硫酸を生成するために、モノメチル亜硫酸をヨウ素の滴定によって酸化する。ヨウ化物が生成し、目視でかつ電気化学的に検出され得る。その反応は、付加的な酸素元素を必要とし、それは、サンプル中に存在する水によってのみ供給される。本件の場合、半自動メトロームKFS−Titrino720器具(Metrohm KFS-Titrino 720)が使用され、以下が分析された。すなわち、白金電極を用いて、滴定中の特徴的な電流/電圧曲線の分析がなされ、サンプルの水分量の自動決定がなされた。
油サンプル中のリン元素、カルシウム元素、マグネシウム元素および鉄元素が、誘導型プラズマ発光スペクトル分析(ICP)によって直接かつ定量的に決定される。エアゾールに噴霧された後、サンプル材料は、アルゴンプラズマのホットコア(hot core)中に射出される。8000Kを超える温度で、サンプル材料は噴霧され、同時に励起される。この態様において、それは、元素追跡のために、発光スペクトル中で質的及び量的に分析され得る。
それぞれの方法ステップの水相および油相において、HLBが決定される。アサヒパックGF−310HQ多数溶媒GPCコラム(Asahipak GF-310 HQ multiple-solvent GPC column)を用いて分析が行われる。この手段によって、イオン性および非イオン性の界面活性物質が、HLBに従って識別され、整理され得る。
例えばステリルグリコシドのようなそれぞれの付帯物の検出のために、TLC法(薄膜クロマトグラフィ:thin layer chromatography)が採用された。薄膜クロマトグラフィは、シリカジェルGプレート(Silica Gel G plate)を用いて行われた。クロロホルム/アセトン/水(30/60/2)の混合物で分離が生じた。オイル付帯物中の糖質残留物の色表示を行うナフチルエチレンジアミン試薬を用いて現像を行った。

Claims (14)

  1. 有機オイルを段階的に処理する方法であって、
    (A)原料オイルを準備するステップと、
    (B)水及び/または酸を原料オイルに添加することによって原料オイルを脱ガムして少なくとも水性相と油相の二つの相を形成し、油相からリン脂質が豊富な水性層を分離するステップと、
    (C)炭酸水素ナトリウム及び/または酢酸ナトリウムをステップBからの油相に添加し、油相から、溶液中または水性相の懸濁液中にアルカリ土類金属化合物及び/またはリン脂質及び/またはステリルグリコシドを除去するステップと、
    ステップCに続き、ステップDにおいて、ステップCからの油相にアルカリ剤を添加して遊離脂肪酸を加水分解し、これらの加水分解した脂肪酸を油相から除去するステップを備える、方法。
  2. 前記脱ガムは、クエン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、硝酸、塩酸、硫酸及び/またはリン酸からなる酸から選ばれた一つまたはそれ以上の酸を添加することによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップB及び/またはステップCは、65℃を超える温度で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. ステップCにおいて、炭酸水素ナトリウム及び/または酢酸ナトリウムは、粉末または懸濁液として油相に添加される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 水の添加は、粉末の添加の前または後に行われる、請求項4に記載の方法。
  6. ステップCにおいて、油相の全重量を基礎にして、0.1wt%の炭酸水素ナトリウム及び/または酢酸ナトリウムが添加される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. ステップCにおいて、油相の全重量を基礎にして、少なくとも1.0wt%の水が添加される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ステップCに従った炭酸水素ナトリウムの添加は、水相の薄霧及び/または油相中に見られるリンの含有量及び/または油相中に見られるリンの含有量が特定の設定値を下回るまで、繰り返される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ステップCにおいて炭酸水素ナトリウムを添加した後に、油相からの1%未満の遊離脂肪酸の除去に相当する遊離脂肪酸部分を備える水性相が除去される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. ステップCにおいて炭酸水素ナトリウムを添加した後に、油相からの0.2%未満の遊離脂肪酸の除去に相当する遊離脂肪酸部分を備える水性相が除去される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ステップCにおいて酢酸ナトリウムを添加した後に、溶液または懸濁液中に有機成分が存在している水性相が除去され、前記有機成分は、ステリルグリコシドを、30wt%を超える範囲まで備えている、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  12. 加水分解した脂肪酸は、3wt%未満の有機不純物を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. ステップCまたはステップDに続いて、ステップCからの油相は漂白され、及び/また脱臭される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. ステップDにおいて添加されたアルカリ剤は、無機アルカリ金属水酸化物溶液である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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