JP3711023B2 - 生体由来の脂及び油又はそれらの蒸気留出物から遊離脂肪酸を除去する方法 - Google Patents

生体由来の脂及び油又はそれらの蒸気留出物から遊離脂肪酸を除去する方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、抽出によって生体由来の脂及び油又はそれらの蒸気留出物から遊離脂肪酸を除去する方法に関する。
【0002】
人の食物及び化学産業での原料として、生体由来の油及び脂は重要な役割を有する。例えばこれらは、界面活性剤、可塑化剤、ワックス、滑剤、脂肪アルコール等の原料としての役割を有する。脂及び油の基本的な成分は、グリセロールと脂肪酸のトリエステル、いわゆるトリグリセリドである。脂及び油の物性は、(a)脂肪酸鎖の長さ、(b)脂肪酸の飽和の程度、及び(c)グリセロールの3つのヒドロキシル基にある様々な脂肪酸の分布の程度、によって決定される。高度に飽和した脂肪酸部分を有する脂は一般に、周囲温度において固体である。主に不飽和脂肪酸からできた脂又は油はそれぞれ、周囲温度において液体である。
【0003】
生体由来の脂及び油は、品質の維持、臭気、味及び外観に関して好ましくない影響を与える多くの2次生成物を含む。最も重要な2次生成物は、懸濁物質、有機リン化合物、遊離脂肪酸、顔料及び臭気化合物である。粘質物質(ガム)及び他の錯コロイド化合物は、貯蔵の間の脂及び油の加水分解を促進し、精製の障害となることがある。従って、これらはいわゆる脱ガム処理によって除去する。脱ガム処理は、水又は直接蒸気による水和に基づいている。有機リン化合物(リン脂質)は、この処理の過程で水を吸収して、膨潤し不溶性になる。
【0004】
脱ガム処理によってリン化合物及び懸濁物質の除去及び場合によってはろ過を行った後での更なる目的は、遊離脂肪酸及び顔料及び臭気化合物を分離除去することである。商業的な原料油及び原料脂は、平均で1〜3wt%の遊離脂肪酸を含有しており、また高級タイプの原料では0.5wt%又はそれ未満の遊離脂肪酸を含有しており、ある種のパーム油、オリーブ油及び魚油では20wt%又はそれよりも多量の遊離脂肪酸を含有している。これに対して精製脂及び油の脂肪酸含有率は一般に、0.1wt%未満である。比較的長鎖の遊離脂肪酸は一般に味を損なわないが、短鎖の脂肪酸は石鹸のようないやな味を有する。実際には、遊離脂肪酸を除去するための脱酸処理は主に、水性アルカリ溶液による処理によって、又は約230℃の温度での蒸気処理によって行われている。グリセロール又は1価アルコールによるエステル化、選択的な溶媒抽出、又は吸着による遊離脂肪酸の除去は、比較的重要ではない。以下では、現在知れれている脱酸処理を比較的詳細に説明する。
【0005】
最も使用されているアルカリによる処理は、バッチ式で又は連続式で行うことができる。苛性アルカリ濃度が高ければ高いほど、得られる石けん、いわゆる石けん分(soap stock)中に望ましくない同伴物質を取り込むことが容易である。弱アルカリ溶液は一般に90℃の温度の油に噴霧し、加熱された油に下向きに通す。対称的に比較的強い苛性アルカリ(4N〜7N)は通常、40〜80℃の温度で油と撹拌する。脱酸及び石けん分の除去の後で、高度に希釈された苛性アルカリ(約0.5N)そして水で油又は脂を洗浄し、それによって石けん残留物を除去し、最少で0.05wt%にする。本発明の方法では遠心分離によって、脂及び油の中性化のための完全に連続的なプラントを作ることができる。脱酸する脂及び油の遊離脂肪酸濃度が高い場合、アルカリ溶液を用いる脱酸は比較的硬質の石けん分をもたらし、これはプラントから除去することが困難である。
【0006】
従ってこの代わりに、いわゆる蒸気脱酸が開発されている。物理精製又は蒸留による脱酸と呼ばれることもあるこの方法では、減圧下の高温蒸気によって、遊離脂肪酸を原料油から同様に連続的に除去する。この方法は、蒸留する遊離脂肪酸に完全に依存していない。これは、わずかに残っている脂肪酸を2次苛性アルカリ精製によって適宜除去できることによる。しかしながら蒸留による脱酸の前に、通常リン酸での処理によって、原料脂ができる限り完全に微量のガム、リン脂質及び金属を含有しないようにしなければならない。これはこれらの同伴物質が、蒸留の間に、暗色の好ましくない味の物質をもたらし、これが実質的に除去できないことことによる。蒸気脱酸は比較的高い温度で行う。例えばパーム油の場合には、220℃の温度の過熱直接蒸気によって蒸気脱酸を行う。この高い温度は、油(又は脂)中に存在する望ましい多くの物質、例えば油の品質維性を改良する酸化防止剤を破壊し、又はこれらの望ましい物質を、脱酸に使用した過熱蒸気の凝縮の後でもたらされるいわゆる蒸気留出物中に入れる。
【0007】
選択的な溶媒によって原料脂から遊離脂肪酸を分離除去することによる油及び脂の中性化は、特に酸性が大きい油及び脂のために、適当な他の方法である。例えばエタノールを使用する液体抽出は、22wt%の遊離脂肪酸を含有するオリーブ油を脱酸して、遊離脂肪酸含有率を約3wt%にまで低下させることができる。遊離脂肪酸及び非常に高度に不飽和のトリグリセリドのみを適当な温度で溶解する他の抽出媒体は、フルフラールである。更に他の方法であるセレキソール(Selexol)法では、向流の抽出媒体としてプロパンを使用する。液体プロパンは飽和中性油を選択的に溶解するが、脂肪酸、酸化生成物、石けん化できない物質及び高度に不飽和のグリセリドをほとんど溶解せずに残す。この方法は主に、魚油及び魚肝油の精製のために使用されている。
【0008】
遊離脂肪酸含有率が非常に高い脂のためには、産業的にはほとんど選択抽出法を使用している。これらの脂の例としては、種子から得られるカカオ脂、圧縮ケークから得られるオリーブ油、低質米油及び綿実油がある。この方法で使用するアルコールはイソプロピルアルコールである。1トンの油を脱酸するために、Bernardini(E.Bernardini、Oilseeds, Oils and fats、Publishing House Rome、1985年)は、蒸気800kg、電気エネルギー14kWh、ヘキサン15kg、イソプロパノール18kgがエネルギー等として必要とされるとしている。この様式で得られた油は、食用油として使用できない。
【0009】
脱ガム処理及びアルカリ精製は既にある程度の清浄化を達成しているが、一般に脱色段階を更に行う。脱色は一般に、活性炭及び漂白用土類のような固体吸着剤を使用して行う。食用脂の分野では、空気又は化学物質による漂白の役割は小さい。
【0010】
精製処理の最後の段階では、臭気及び味物質を、脱酸化され漂白された油及び脂から除去する。脱臭気処理は本質的に蒸気蒸留であり、ここでは不揮発性グリセリドから揮発性化合物を除去する。臭気及び味物質は主にアルデヒド及びケトンであり、これらは脂及び油の処理及び貯蔵の間の自動酸化又は加水分解反応によってもたらされる。分圧が低い化合物を除去する場合は、減圧下において蒸気処理を行うことが必要である。蒸気処理は一般に、180〜220℃の温度及び6〜22mbarの圧力で行う。
【0011】
環境保護的な観点から、アルカリ脱酸化処理からの排水は注意深く処理しなければならない。この処理はコストに関わる。従って最近では、油及び脂を物理的に精製する方法が再び注目されている。1920年代前半には、水性低級アルコールでの液液抽出を使用する脱酸化の可能性が研究されていた(Baley、第5版1996年、第5巻)。最も良好な抽出媒体は水性エチルアルコールであることが見出されていた。純粋なメタノールは遊離脂肪酸及びトリグリセリドに関して比較的適当であるが、おそらくその毒性のために、脂及び油の脱酸のための抽出媒体としての適性については比較的詳細に研究されていない。
【0012】
アミンを使用する脂及び油の脱酸は、1937年に既に米国特許第2,164,012号明細書で提案されている。アルカノールアミン、好ましくはエタノールアミンがアルカリ抽出媒体として提案されており、これは水性相において石けんとして遊離脂肪酸を溶解する。抽残液中に溶解しているアルカノールアミン残留物は、希釈硫酸、酢酸、乳酸、クエン酸又は塩酸溶液での洗浄によって抽出する。
【0013】
同様に米国特許第2,157,882号明細書は、水酸化ナトリウム溶液による遊離脂肪酸の抽出の代わりに、アルカノールアミンで抽出して、遊離脂肪酸の大部分といくらかの顔料を除去することを提案している。しかしながらそのようにして処理された油は曇っており、貯蔵の間に分解する傾向がある。従ってエタノールアミンでの洗浄の後で、希釈水酸化ナトリウム溶液での洗浄を行うことが提案されている。その後で脱酸処理した油を水で洗浄して、残ったわずかなアルカリを除去する。
【0014】
Journal of the American Oil Chemist's Society (JAOCS、第32巻、1955年、p.561〜564)では、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノール水素化アンモニウム、エチレンジアミン、エチルアミン、及びトリエチルアミンでの米油の精製に関する実験を報告している。米油は約5〜7wt%の遊離脂肪酸を含有している。高い脂肪酸含有率は通常、アルカリ精製において大きい脂の損失をもたらす。一般的な精製の前に前記アミンを加えることによって、この損失は3〜5wt%まで減少させることができる。
【0015】
様々な脱酸処理の上述の説明によって理解されるように、これらの方法はエネルギー及び補助物質を消費し、また下流での検査が必要なことがあるので、プラントエンジニアリング上の問題を有し、及び/又は比較的費用がかかる。更にいくらかの方法では、望まれる脂及び油の成分自身を破壊してしまう。
【0016】
従って本発明の目的は、生体由来の油及び脂の改良された脱酸方法を特定することである。この方法は、第1にプラントエンジニアリング上の問題なしに高濃度の遊離脂肪酸を処理することができ、第2に例えば食品産業で望まれるような、非常に高品質の脂及び油を製造することができる。
【0017】
この目的は、本願の請求項1で特定される方法によって達成される。本発明の方法は、遊離脂肪酸含有率が高い油(脂)を、有機塩基、例えば2−ジメチルアミノエタノールの水溶液によって脱酸処理したときに、水溶液中のアミン含有物が高い場合には、粘性の石けん分を予想外に作らないという事実に基づいている。あるいは、このような条件において、油相と抽出相の両方が低粘度液体である。この場合の相分離は、数分間で迅速に完了し、得られる相は透明である。
【0018】
対称的に、化学脱酸処理における水酸化ナトリウム溶液の濃度に対応する水溶液のアミン濃度では、高粘度の石けん分を形成する。比較的詳細な研究は、塩基性窒素化合物は少なくとも約40wt%の水を含有し、それによって脱酸処理する油と平衡の2つの相が形成されるようにしなければならないことを見い出した。反対に例えば2−ジメチルアミノエタノールである有機塩基の水溶液中での濃度は、少なくとも約20wt%、好ましくは30〜40wt%で、それによって粘性でない石けん分又は曇っていない相を作るようにしなければならない。このことは、本発明で脱酸処理で使用する水溶液が、約20wt%〜約60wt%の有機窒素化合物を含有していなければならないということを意味している。
【0019】
例えば遊離脂肪酸含有率が4.5wt%のパーム油を、水中の55wt%の2−ジメチルアミノエタノールの溶液と、50℃において1:1の割合で混合した場合には、相を分離した後で油相が得られ、この油相は、抽出媒体を除いて、油の損失がたった0.8wt%で遊離脂肪酸含有率が0.03wt%のみである。従って本発明の抽出方法によれば、数段階の向流でわずかな油損失によって、穏やかな温度の効果的な脱酸処理が可能である。
【0020】
抽残液に溶解した塩基性有機窒素化合物の残部は好ましくは、水で又は希釈酢酸、乳酸、クエン酸、硫酸若しくは塩酸の溶液で抽出する。あるいは、抽残液中の残った塩基性抽出媒体は、二酸化炭素でのストリッピングによって除去する。二酸化酸素でのストリッピングの間は、これと同時に油が乾燥する。二酸化炭素は希釈ガス又は濃い超臨界ガスとして使用して、抽残液から、残った使用した塩基性有機窒素化合物を除去することができる。
【0021】
本発明の方法で使用する抽出媒体(例えば2−ジメチルアミノエタノールの水溶液)の抽出物からの抽出は、蒸留によって単純な様式で行うことができる。この場合には、水の蒸気圧が、使用する塩基性窒素化合物の蒸気圧にほぼ等しい又はこれよりも大きくなるように予め調節する。水及び塩基性有機化合物が共に蒸留され、又は好ましくは初めに水か蒸留され、水に対する塩基性化合物の割合が一定であり又は増加し、また粘性の石けん分の形成が避けられる。塩基性化合物の蒸気圧が水蒸気の圧力よりも大きい場合、水に対する塩基性化合物の割合が減少し、最終的には粘性の石けん分が形成され始める。言い換えると、第1に塩基性窒素化合物の沸点は水の沸点と同じ又はこれよりも高くなければならず、第2に塩基性窒素化合物の沸点は抽出する脂肪酸の沸点よりも低くなければならない。
【0022】
本発明の方法のために適当な塩基性有機化合物は以下の性質を有するべきである:(a)可能である場合、化合物は遊離脂肪酸とでアミドを作らない、(b)化合物は任意の割合で水と混和性である、(c)化合物の沸点は水の沸点と同じ又はこれよりも高い、(d)水溶液の好ましくない臭気が可能な限り少ない。適当な有機窒素化合物の例としては、N−メチルモルフォリン、2−ジメチルアミノエタノール、3−(ジメチルアミノ)−1−プロパノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチルモルフォリン、2−メチルエチルアミノエタノール、2−ジブチルアミノエタノール、ジメチルホルムアミド、モルフォリン、2−ジイソプロピルアミノエタノール等がある。第3級アミンは比較的塩基性が大きいので、一般に2及び1置換アミンと比較して第3級アミンは好ましい。
【0023】
本発明の方法によって容易に脱酸処理することができる開始材料の例としては、牛脂、ラード、魚油、コーン油、精製脂(rendered fat)、パーム油、大豆油、菜種油、ヒマワリ種子油、米胚芽油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ベニバナ油、ココナッツ油、パーム核油、グレープフルーツ種子油、麦芽油等を挙げることができる。本発明の方法を使用する前に、脱酸処理する油及び脂は、特にリン脂質が100ppmよりも多く存在する場合、脱ガム処理及びろ過すべきである。そのようにして調製した脂及び油はまだ溶解した酸素を含有しており、これも更なる処理の前に同様に除去すべきである。その後で本発明の方法によって、カロチン、トコトリエノール、トコフェロール等のような温度感受性化合物を保存しながら、開始材料を脱酸処理する。これらの化合物、特に栄養素として重要なこれらの化合物は、直接蒸気によって行う従来の物理的な精製の間には、高温のためにほとんど破壊され又は除去されていた。
【0024】
いくらか変形された本発明の方法は、上述の従来の物理的精製、すなわち蒸気脱酸処理によって脱酸処理をされた脂及び油の蒸気留出物から、遊離脂肪酸を除去するのにもかなり適している。
【0025】
これらの蒸気留出物は通常、非常に高濃度、一般に約80〜94wt%の濃度で遊離脂肪酸を含有している。しかしながら遊離脂肪酸含有率が高いので、本発明の方法で使用する抽出媒体、すなわち有機塩基と水との混合物は、脂及び油の脱酸処理に関連して説明した上述の場合と比較して、塩基性窒素化合物濃度が高くなければならない。抽出媒体中の有機窒素化合物の含有率は、少なくとも約40wt%でなければならない。そのような塩基性窒素化合物に富む水溶液、例えば約60wt%の2−ジメチルアミノエタノール及び40wt%の水を、抽出媒体として液体蒸気留出物に加えると、液体均一混合物が得られる。この液体混合物に、液体混合物1部に対して、1〜4部、特に2〜4部のアルカン及び/又はエステル、特にアセテートを加える。これによって元々均一だった溶液から、2つの共存する液体相を作る。ここでは水相が遊離脂肪酸を高度に選択的に含有している。
【0026】
アルカン及び/又はエステル相には、蒸気留出物中に存在していた脂及び油が本質的に溶解している。トコフェロール、トコトリエノール及びフィトステロールのような蒸気留出物中に溶解している2次生成物も同様に、アルカン相に高度に選択的に含まれる。遊離脂肪酸を含有する水相は粘度が低く、それによって混合を停止してから約20分以内に相分離が行われる。
【0027】
水相の分離の後で得られる抽残液(アルカン相又はエステル相)は、開始材料に依存して、トコフェロール、フィトステロール、トコトリエノールのような2次生成物に高度に富んでいる。そのような濃縮物からのこれらの有益な2次生成物の製造は、経済的に魅力的な条件で行うことができる。
【0028】
適当なアルカンは例えば、プロパン、ブタン、ヘキサン、石油エーテル、ヘプタン、ヘプタン留分、オクタン等である。ブタン又はプロパンを2つの相を作るための溶媒として使用する場合、混合容器の圧力は少なくともそれぞれの蒸気圧に対応する圧力で、それによってブタン又はプロパンが液状になるようにしなければならない。適当なエステルは特に、アセテート、例えばエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート又はそれらの混合物である。
【0029】
本発明の方法では、処理する開始材料(油、脂又は蒸気留出物)中の遊離脂肪酸濃度が約50wt%よりも高い場合、系全体(開始材料及び抽出媒体)を2相に保つためにアルカンの添加が一般に必要である。従ってアルカン又はそのエステルの添加は、開始混合物中の遊離脂肪酸濃度が高い場合であっても、2つの容易に取り扱える液相の形成を確実にし、本発明の方法で使用する抽出媒体及び向流での抽出によって、遊離脂肪酸濃度が高い抽出物を得ることを可能にする。従って溶媒の比は低くてもよく、これは本発明の方法の経済性に有利な影響を与える。
【0030】
本発明の方法の1つの態様を、本発明の方法のフローチャートを示す図面を参照してより詳細に説明する。管路10を経由させて、開始材料(油、脂又は蒸気留出物)を第1の抽出塔12に導入する。抽出塔12では、塩基性窒素化合物及び水の混合物からなる抽出媒体によって、開始物質から遊離脂肪酸を高度に選択的に抽出する。使用される抽出媒体は、少なくとも約20wt%で最大80wt%の有機窒素化合物(有機塩基)を含有している。塩基性窒素化合物の特に好ましいことが分かっている濃度は約30〜40wt%である。しかしながら、比較的高い塩基性窒素化合物濃度を選択することもできる。
【0031】
遊離脂肪酸を含有しないようにされた油及び脂は、管路14を経由させて洗浄塔16(抽出塔)に送り、ここで塩基性窒素化合物の残部を水又は酸含有水溶液で洗浄除去し、抽残液Rとして洗浄塔16から出す。管路18を経由して洗浄塔16の塔頂を出る洗浄溶液は、蒸留塔20での蒸留によって処理する。ここでは、蒸留塔20の塔底生成物が抽出媒体の組成に達するまで、水及び使用する場合水に溶解した揮発性の酸(例えば酢酸)を蒸留によって除去する。この塔底生成物は管路22を通して以下の抽出媒体サイクルに送り、蒸留塔20の留出物は、管路24を経由させて洗浄液として上述の洗浄塔16に送る。
【0032】
遊離脂肪酸を含有する抽出塔12の塔頂で取り出された抽出媒体は、管路26を経由させて、第2の蒸留塔28に送る。水及び塩基性窒素化合物は、蒸留塔28での蒸留によって塔頂生成物として得て、抽出された遊離脂肪酸及びいくらかの中性油を含有する抽出物は、管路30を経由して蒸留塔28から塔底生成物として得る。蒸留塔28の塔頂生成物は、管路32を経由させて抽出媒体として抽出塔12に提供し、ここで遊離脂肪酸の抽出を行わせる。これが抽出媒体サイクルを構成する。蒸留に必要とされるエネルギーは、管路34及び36を経由させて、加熱蒸気の形で蒸留塔20及び28に提供される。
【0033】
この様式では抽出によって、全ての補助物質が閉じた回路で酸を含有しない油又は脂が抽残液として生成され、まだ少量の中性油を含有している抽出された遊離脂肪酸がもたらされる。廃棄物流れはもたらされない。トコフェロール、トコトリエノール、カロチン、フィトステロール、コレステロール等のような開始材料中に存在する2次生成物は、抽残液R中に含まれたままである。
【0034】
本発明の方法を使用して、以下の多くの実験を行った。
【0035】
例1
95.5wt%の中性油、4.2wt%の遊離脂肪酸及び1.7wt%のトコフェロールを含有する250gの油を、100gの2−ジメチルアミノエタノール及び70gの水と50℃で撹拌によって混合した。混合操作を停止し2つの液相を分離した後で、両方の相から試料を取って分析した。抽出媒体に富む相は、抽出媒体を除くと、53.7wt%の中性油、45.0wt%の遊離脂肪酸及び0.3wt%のトコフェロールを含有していた。油に富む抽残液相は、抽出媒体を除くと、98.2wt%の中性油、0.05wt%の遊離脂肪酸及び1.8wt%のトコフェロールを含有していた。
【0036】
例2
5.5wt%の遊離脂肪酸及び1.8wt%のトコフェロールを含有する200gの油を、40wt%の水及び60wt%の2−ジメチルアミノエタノールを含有する150gの抽出媒体と50℃で混合した。混合操作を停止し2つの液相を分離した後で、共存する2つの液相のそれぞれから試料を取って分析した。抽出相の割合は8.9wt%であった。抽出媒体を除くと、抽出物は92wt%の遊離脂肪酸、0.3wt%のトコフェロール及び7.7wt%のグリセリドからなっていた。抽残液相は、抽出媒体を除くと、0.05wt%の遊離脂肪酸、1.8wt%のトコフェロール及び98.2wt%のグリセリドを含有していた。
【0037】
例3
5.1wt%の遊離脂肪酸及び0.3wt%のトコフェロールを含有する200gの油を、100gの水及び100gのピリジンからなる抽出媒体と60℃で混合した。混合操作を停止し相分離を行った後で、共存する2つの液相のそれぞれから試料を取って分析した。抽出相の含有率は2.1wt%であった。抽出媒体を除くと、抽出物は20.8wt%の遊離脂肪酸、0.3wt%のトコフェロール及び95.8wt%のグリセリドを含有していた。抽残液は、抽出媒体を除くと、4.2wt%の遊離脂肪酸、0.3wt%のトコフェロール及び95.1wt%のグリセリドを含有していた。
【0038】
例4
組成が4.3wt%の遊離脂肪酸、1.4wt%のトコフェロール、0.6wt%のスチグマステロール及び93.7wt%の中性油である151gの油を、60wt%の2−(ジメチルアミノ)エタノール及び40wt%の水を含有する150gの抽出媒体と50℃で混合した。混合操作を停止した後、約10分間で2つの相が形成された。遠心分離によってわずかな不透明部分を除去した後で、両方の相から試料を取って解析した。抽出媒体を除くと、抽出相の組成は、遊離脂肪酸が84wt%、トコフェロールが0.5wt%、スチグマステロールが0.5wt%及び中性油が15wt%であった。抽残液は、0.05wt%の遊離脂肪酸、1.4wt%のトコフェロール、0.6wt%のスチグマステロール及び97.95wt%の中性油を含有していた。抽出物中には、初期中性油量の0.46wt%が残留していた。
【0039】
例5
成分が4.5wt%の遊離脂肪酸、0.4wt%のトコール、0.15wt%のスチグマステロール及び94.95wt%の中性油である300gのパーム油を、60wt%の2−(ジメチルアミノ)エタノール及び40wt%の水を含有する42gの抽出媒体と50℃で混合した。混合操作及び相分離を35分間で行った後で、両方の相から試料を採取して解析した。抽出媒体を除くと、抽出物は、40.0wt%の遊離脂肪酸、0.4wt%のトコフェロール、0.25wt%のスチグマステロール及び59.35wt%の中性油を含有していた。抽残液は、抽出媒体を除くと、0.3wt%の遊離脂肪酸、0.4wt%のトコフェロール、0.1wt%のスチグマステロール及び99.4wt%の中性油からなっていた。抽出物中には、初期中性油量の6wt%が存在していた。溶媒比は低く、0.14であった。
【0040】
例6
遊離脂肪酸含有率が5.5wt%の100gのパーム油を、30gのN,N−ジメチルアミノ−エタノール及び70gの水の100gの混合物と60℃での撹拌によって混合した。混合操作を停止し、約3分間待った後で相分離を行い、共存する両方の相から試料を採取して解析した。抽出媒体を除くと、パーム油(抽残液)は、0.1wt%未満の遊離脂肪酸を含有していた。抽出物は、抽出媒体を除くと、77wt%の遊離脂肪酸及び23wt%のグリセリド(モノ−、ジ−及びトリグリセリド:後者が主成分)を含有していた。約1.2wt%のグリセリド(計量された試料の約1.2wt%)が遊離脂肪酸と共に抽出された。
【0041】
例7
遊離脂肪酸含有率が4.3wt%の100gのパーム油を、40wt%のN,N−ジメチルアミノ−エタノールを含有する水溶液と80℃での撹拌によって混合した。共存する相を相分離した後で、それぞれの相から試料を採取して解析した。抽出物は、抽出媒体を除くと、67wt%の遊離脂肪酸及び33wt%のグリセリド(モノ−、ジ−及びトリグリセリド)を含有していた。抽残液は、抽出媒体を除くと、0.1wt%未満の遊離脂肪酸を含有していた。抽出液中には、2gのグリセリド(計量された試料の約2%)が存在していた。1.9wt%のN,N−ジメチルアミノ−エタノールが抽残液中に溶解しており、これは水で洗浄除去した。
【0042】
例8
遊離脂肪酸含有率が4.2wt%の100gのパーム油を、40wt%のN,N−ジメチルアミノ−エタノールを含有する100gの水溶液で50℃において抽出した。抽出物は、抽出媒体を除くと、75wt%の脂肪酸及び25wt%のグリセリドを含有していた。抽出物は、3.1gの脂肪酸に加えて、1gのグリセリド(脂1%の損失に相当)も含有していた。抽残液は、0.1wt%の脂肪酸を含有していた。
【0043】
例9
92wt%の遊離脂肪酸及び0.19wt%の2次成分(トコフェロール+トコトリエノール+フィトステリン)を含有する200gの蒸気留出物を、40℃で400gのヘプタン留分に溶解する。溶液は、40wt%N,N−ジメチルアミノ−エタノール水溶液600gで40℃において抽出する。数分間以内で2つの透明な共存する相が得られる。抽出物(抽出媒体に溶解していたもの)は、抽出媒体を除くと、96wt%の遊離脂肪酸を含有している。抽残液は、抽出媒体を除くと、13.4gのグリセリド、0.7gの遊離脂肪酸、及び0.3gの2次成分(2%のトコフェロール+トコトリエノール+フィトステリン)を含有していた。
【0044】
例10
添付の図面のプラントで、パーム油を30.0kg/hの流量で第1の蒸留塔12に供給した。パーム油は4.3wt%の遊離脂肪酸を含有していたので、管路10を経由する供給物は28.71kg/hの中性油及び1.29kgの遊離脂肪酸からなっていた。抽出塔12では、パーム油を80℃において30.0kg/hの抽出媒体と向流で接触させた。抽出媒体は1:1の割合のジメチルアミノエタノール(DMAE)及び水で構成されていた。抽出塔12から出る抽残液流れは、24.424kg/hの中性油、0.090kg/hの遊離脂肪酸、0.855kg/hのDMAE及び0.855kg/hの水を含有していた。抽出物流れは、14.145kg/hのDMAE、14.145kg/hの水、0.285kg/hの中性油及び1.20kg/hの遊離脂肪酸からなっていた。
【0045】
抽残液流れは、洗浄塔16に供給した。ここではDMAEを、80℃において15.0kg/hの向流の水で抽出した。そのように清浄化されて洗浄塔16から出る抽残液流れの組成は、中性油が28.424kg/h、DMAEが0.012kg/hで遊離脂肪酸が0.025kg/h未満であった。これは、0.00042wt%のDMAE及び0.00088wt%未満の遊離脂肪酸を含有する中性油に等価である。洗浄塔16を出る洗浄水の組成は、水が15.855kg/h、DMAEが0.855kg/h及び遊離脂肪酸が0.064kg/hであった。洗浄水は100℃において蒸留塔20で再生した。塔頂生成物としての15.0kg/hの水は、管路24を経由させて洗浄塔16に循環させた。0.855kg/hの水及び0.855kg/hのDMAEを含有している塔底生成物は、抽出塔12からの管路26を通る抽出物流れと組み合わせた。
【0046】
蒸留塔20からの塔底生成物と組み合わせた抽出塔12からの抽出物流れは、蒸留塔28に供給した。蒸留塔28の15.0kg/hの水及び15.0kg/hのDMAEの塔頂生成物は、管路32を経由させて抽出塔12に、抽出媒体として循環させた。塔底生成物として、0.285kg/hの中性油及び1.264kg/hの遊離脂肪酸を蒸留塔28から出した。従って抽出物は18.4wt%の中性油及び81.6wt%の遊離脂肪酸を含有していた。
【0047】
このように抽出媒体サイクルが閉じているので、廃棄物排出の問題が生じない。
尚、本発明の方法の実施形態としては下記の実施形態を挙げることができる:
(実施形態1) 抽出媒体としての塩基性有機窒素化合物及び水の混合物で、この有機窒素化合物の沸点未満の温度において遊離脂肪酸を抽出することによって、生体由来の脂又は油から遊離脂肪酸を除去する方法であって、前記抽出媒体中の前記塩基性有機窒素化合物の含有率が少なくとも約 20wt% で最大約 60wt% 、好ましくは約 30wt% 〜約 40wt% であり、また使用する前記塩基性有機窒素化合物の沸点が、水の沸点と同じ又はそれよりも高く、抽出する前記脂肪酸の沸点よりも低い、生体由来の脂又は油から遊離脂肪酸を除去する方法。
(実施形態2) 抽出によって得られる精製された脂及び油中の前記塩基性窒素化合物を、水又は揮発性の酸の水溶液によって抽出することを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3) 遊離脂肪酸含有率が約 50wt% 又はそれよりも高い脂及び油を脱酸処理する場合に、アルカン及び/又はエステル、特にアセテートを、抽出媒体、アルカン及び/又はエステル、並びに開始材料の系を2相に分離させるのに十分な濃度で、脱酸処理する開始材料に加える、実施形態1又は2に記載の方法。
(実施形態4) 抽出媒体としての塩基性有機窒素化合物及び水の混合物で、この有機窒素化合物の沸点未満の温度において、遊離脂肪酸を抽出すること、ここで前記抽出媒体中の前記塩基性有機窒素化合物の含有率は少なくとも約 40wt% で最大約 60wt% 、好ましくは約 50wt% 又はそれよりもよりも高く、また使用する前記塩基性有機窒素化合物の沸点は、水の沸点と同じ又はそれよりも高く、且つ抽出する前記脂肪酸の沸点よりも低い、並びに
上記の抽出工程で得られる均質液体混合物1部に対して、1〜4部、好ましくは2〜4部のアルカン及び/又はエステル、特にアセテートを加えること、
を含む、生体由来の脂又は油の蒸気留出物から遊離脂肪酸を除去する方法。
(実施形態5) 前記アルカン相及び/又はエステル相中の前記塩基性窒素化 合物を、水又は揮発性の酸の水溶液によって抽出することを特徴とする、実施形態3又は4に記載の方法。
(実施形態6) 抽出工程の後の前記水又は揮発性の酸の水溶液に溶解した前記有機窒素化合物を、蒸留によって分離することを特徴とする、実施形態2又は5に記載の方法。
(実施形態7) 使用する前記アルカンがプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタン留分、オクタン又はそれらの混合物であることを特徴とする、実施形態3〜6のいずれかに記載の方法。
(実施形態8) 使用する前記エステルがエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート又はそれらの混合物であることを特徴とする、実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
(実施形態9) 抽出された前記脂肪酸を含有する前記抽出媒体の大気圧又は減圧蒸留によって、抽出された前記脂肪酸を前記抽出媒体から分離することを特徴とする、実施形態1〜8のいずれかに記載の方法。
(実施形態10) 使用する前記塩基性有機窒素化合物が第三級アミンであることを特徴とする、実施形態1〜9のいずれかに記載の方法。
(実施形態11) 使用する前記塩基性有機窒素化合物が、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノジエタノール、4−メチルモルフォリン、2−ジイソプロピルアミノエタノール、2−ジブチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノプロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノ−1−ブタノール、2−(メチルエチルアミノ)エタノール、ジメチルホルムアミド、モルフォリン、ピリジン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチルピリジン、1−メチルピロール、2−ジブチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエチルアミン、モノエタノールアミン、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、ジメチルアミノ−2−プロパノン、1−ジメチルアミノ−1−プロピレンアミン、又はこれらの化合物の混合物である、実施形態1〜10のいずれかに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法のフローチャートである。

Claims (11)

  1. 抽出媒体としての塩基性有機窒素化合物及び水の混合物で、この有機窒素化合物の沸点未満の温度において遊離脂肪酸を抽出することによって、生体由来の脂又は油から遊離脂肪酸を除去する方法であって、前記抽出媒体中の前記塩基性有機窒素化合物の含有率が少なくとも 20wt% で最大 60wt%であり、また使用する前記塩基性有機窒素化合物の沸点が、水の沸点と同じ又はそれよりも高く、抽出する前記脂肪酸の沸点よりも低い、生体由来の脂又は油から遊離脂肪酸を除去する方法。
  2. 抽出によって得られる精製された脂及び油中の前記塩基性窒素化合物を、水又は揮発性の酸の水溶液によって抽出することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 遊離脂肪酸含有率が50wt%又はそれよりも高い脂及び油を脱酸処理する場合に、アルカン及び/又はエステルを、抽出媒体、アルカン及び/又はエステル、並びに開始材料の系を2相に分離させるのに十分な濃度で、脱酸処理する開始材料に加える、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 抽出媒体としての塩基性有機窒素化合物及び水の混合物で、この有機窒素化合物の沸点未満の温度において、遊離脂肪酸を抽出すること、ここで前記抽出媒体中の前記塩基性有機窒素化合物の含有率は少なくとも 40wt% で最大 60wt% であり、また使用する前記塩基性有機窒素化合物の沸点は、水の沸点と同じ又はそれよりも高く、且つ抽出する前記脂肪酸の沸点よりも低い、並びに
    上記の抽出工程で得られる均質液体混合物1部に対して、1〜4部のアルカン及び/又はエステルを加えること、
    を含む、生体由来の脂又は油の蒸気留出物から遊離脂肪酸を除去する方法。
  5. 前記アルカン相及び/又はエステル相の前記塩基性窒素化合物を、水又は揮発性の酸の水溶液によって抽出することを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 抽出工程の後の前記水又は揮発性の酸の水溶液に溶解した前記有機窒素化合物を、蒸留によって分離することを特徴とする、請求項2又は5に記載の方法。
  7. 使用する前記アルカンがプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタン留分、オクタン又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 使用する前記エステルがエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 抽出された前記脂肪酸を含有する前記抽出媒体の大気圧又は減圧蒸留によって、抽出された前記脂肪酸を前記抽出媒体から分離することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 使用する前記塩基性有機窒素化合物が第三級アミンであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 使用する前記塩基性有機窒素化合物が、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノジエタノール、4−メチルモルフォリン、2−ジイソプロピルアミノエタノール、2−ジブチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノプロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノ−1−ブタノール、2−(メチルエチルアミノ)エタノール、ジメチルホルムアミド、モルフォリン、ピリジン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチルピリジン、1−メチルピロール、2−ジブチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエチルアミン、モノエタノールアミン、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、ジメチルアミノ−2−プロパノン、1−ジメチルアミノ−1−プロピレンアミン、又はこれらの化合物の混合物である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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