JP6572492B2 - 車両のフレーム構造 - Google Patents
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Description
本願は、2016年6月13日に出願された日本国特願2016−117109号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(1)本発明の一態様に係る車両のフレーム構造は、車両のフレームと、前記フレームに取り付けられて、車載部品を支えるブラケットと、を備え、前記ブラケット、前記フレームの少なくとも一方には、該一方から他方へ膨出されて、前記他方に結合可能な結合部を有する。
また、フレームをブラケットで補強することにより、補強部材などの別部材を用いることなく、フレームの剛性を高めることができる。これにより、車両のフレーム構造の軽量化や、低コスト化が図れる。
さらに、ブラケット、フレームの少なくとも一方から他方へ結合部を膨出させて、結合部を他方に結合させるようにした。よって、結合部の位置精度を確保することにより、結合部でブラケットとフレームとを結合できる。これにより、ブラケット、フレームの位置精度を必要以上に高める必要がなく、生産性を高めることができる。
さらに、内脚部、外脚部の少なくとも一方に締結部材を固定し、締結部材でフレーム底部に車載部品を取り付けるようにした。締結部材はフレーム底部に固定されている。よって、ブラケットが締結部材を介してフレーム底部に連結される。
このように、ブラケットをフレーム底部に結合し、さらに、ブラケットを締結部材を介してフレーム底部に連結することにより、フレームをブラケットで一層良好に補強できる。これにより、フレームの剛性を一層高めることができる。
よって、前脚部、内脚部および外脚部が開口部の周囲に配置される。これにより、ブラケットの頂部、前脚部、内脚部および外脚部が開口部の周りに袋状に形成され、フレーム底部(すなわち、フレーム)の剛性を一層高めることができる。
これにより、例えば、車載部品をトレーリングアームの揺動軸部とすることにより、揺動軸部を車幅方向外側に移動することが可能になり、サスペンションの配置個所を決める際の自由度を高めることができる。
また、クロスメンバを上部材を介してブラケットに結合することにより、上部材(すなわち、リヤサイドフレーム)の剛性を確保できる。これにより、車体後部の剛性を確保できる。
よって、車体後方からリヤサイドフレームに衝撃荷重が入力した際に、衝撃荷重の一部をリヤサイドフレームを経てフロアフレームに効率よく伝えることができる。また、衝撃荷重の残りをフレームの閉断面を経てサイドシルに効率よく伝えることができる。
すなわち、リヤサイドフレームに車体後方から入力した衝撃荷重をフロアフレームとサイドシルとに円滑に分散できる。これにより、衝撃荷重をフロアフレームとサイドシルとで良好に支えることができる。
なお、実施形態の車両10は、左側部と右側部とが略左右対称の構成であり、以下、左側部と右側部との各構成部に同じ符号を付し、左側部の各構成部について詳しく説明する。
図1、図2に示すように、車両10は、サイドシル12と、リヤサイドフレーム13と、アウトリガ14と、フロアフレーム15と、ブラケット16と、クロスメンバ18とを備える。
アウタ部材21は、断面略U字状のアウタ膨出部23と、上フランジ24と、下フランジ25とで断面略ハット状に形成されている。インナ部材22は、断面略U字状のインナ膨出部26と、上フランジ27と、下フランジ28とで断面略ハット状に形成されている。
また、インナ部材22は、ブラケット16に対向する位置に後部31(図5も参照)を有する。後部31は、インナ膨出部26が上フランジ27および下フランジ28より車幅方向外側に変位されている。
上部材34および下部材35間にフロアパン41の左端部が挟持されている。
また、上部材34は、リヤサイドフレーム13の前端部13aからサイドシル12まで車体前方へ向けて略水平に延びている(図1参照)。
リヤサイドフレーム13は、下部材35の前端部35aが傾斜部47を介してフロアフレーム15に連結されている。すなわち、下部材35の前端部35aから車体前方へ向けて傾斜部47が下り勾配に延びている。また、傾斜部47の前端部47aから車体前方へ向けてフロアフレーム15が略水平に延びている。
傾斜部47の上端部にリヤフロアパネル58が結合されている。よって、傾斜部47およびリヤフロアパネル58で剛性の高い閉断面が形成されている。また、フロアフレーム15の上端部にリヤフロアパネル58が結合されている。よって、フロアフレーム15およびリヤフロアパネル58で剛性の高い閉断面が形成されている。
アウトリガ上部71は、上部材34(図2も参照)のうち、アウトリガ14の上方で、かつ、ブラケット16の頂部95に対向する部位に位置する部位である。
アウトリガ上部71は、水平に配置された水平上部72と、水平上部72の内端から下方に折り曲げられた縦上部73とを有する。水平上部72は、フレーム底部44の上方に間隔をおいて配置されている。水平上部72に複数のビード部75が形成されている。
また、フレーム70をブラケット16で補強することにより、補強部材などの別部材を用いることなく、フレーム70の剛性を高めることができる。これにより、車両のフレーム構造11の軽量化や、低コスト化が図れる。
フレーム底部44の中央に略矩形状の開口部77が形成されている。フレーム底部44の上面のうち、開口部77の車幅方向内側に第1ナット78が固定されている。また、フレーム底部44の上面のうち、開口部77の車幅方向外側に第2ナット79が固定されている。第1ナット78および第2ナット79にはカラーナットが用いられている。
これにより、揺動軸部84がフレーム底部44に取り付けられる。この状態において、揺動軸部84の上半部84cが開口部77からブラケット16内に挿入されている。
よって、インナ部材22の後部31を車幅方向外側に変位させることにより、フレーム底部44の開口部77を車幅方向外側(矢印A方向)に配置できる。これにより、トレーリングアーム85の揺動軸部84を車幅方向外側に配置でき、サスペンションの配置個所を決める際の自由度を高めることができる。
図7に示すように、リヤサイドフレーム13は、上部材34と下部材35とで閉断面に形成されている(図3も参照)。この下部材35が傾斜部47を介してフロアフレーム15に連結されている。
すなわち、リヤサイドフレーム13に車体後方から入力した衝撃荷重F2をフロアフレーム15とサイドシル12とに円滑に分散できる。これにより、衝撃荷重F2をフロアフレーム15とサイドシル12とで良好に支えることができる。
ブラケット16は、トレーリングアーム85の揺動軸部84(図6参照)を支える部材である。具体的には、ブラケット16は、ブラケット本体91と、内脚部92と、外脚部93とを備える。
また、外脚部93は、下端から車幅方向外側に張り出された外側フランジ93a(図6参照)を有する。外側フランジ93aは、フレーム底部44のうち、開口部77の車幅方向外側に結合されている。よって、開口部77の車幅方向外側に外脚部93が立ち上げられた状態に取り付けられている。
内脚部92と外脚部93とにブラケット本体91が取り付けられている。
これにより、内脚部92、外脚部93や前脚部96の高さを大きく確保した場合でも、ブラケット16の剛性を確保できる。したがって、フレーム底部44からアウトリガ上部71までの高さ寸法H1が大きなフレーム70の場合でも、フレーム70をブラケット16で補強することが可能になり、フレーム70の剛性を容易に確保できる。
後張出部95cが開口部の車体後方に位置している。よって、前脚部96、内脚部92および外脚部93が開口部77の周囲に配置される。さらに、前脚部96、内脚部92および外脚部93は、ブラケット16の周方向に連続した壁面を形成する。
これにより、ブラケット16は、頂部95、前脚部96、内脚部92および外脚部93が剛性の高い袋状に形成されている。したがって、フレーム底部44(すなわち、フレーム70)の剛性がブラケット16で一層高められる。
第1ナット78はフレーム底部44の上面に固定されている。よって、内脚部92が第1ナット78を介してフレーム底部44に連結されている。
同様に、外脚部93の内面には、第2ナット79の外周が固定されている。第2ナット79はフレーム底部44の上面に固定されている。よって、外脚部93が第2ナット79を介してフレーム底部44に連結されている。
このように、ブラケット16が第1ナット78、第2ナット79を介してフレーム底部に連結されている。さらに、ブラケット16が内脚部92、外脚部93および前脚部96でフレーム底部44に結合されている。よって、ブラケット16がフレーム底部44に強固に結合されている。これにより、フレーム70がブラケット16で一層良好に補強され、フレーム70の剛性が一層高められる。
すなわち、クロスメンバ18の左端部18aがアウトリガ上部71を介してブラケット16に結合されている。
また、クロスメンバ18の左端部18aがアウトリガ上部71を介してブラケット16に結合されている。よって、アウトリガ上部71がクロスメンバ18やブラケット16で補強される。これにより、アウトリガ上部71(すなわち、車両10の車体後部)の剛性を確保できる。
第2実施形態に係る車両のフレーム構造100について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一類似部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図10に示すように、車両のフレーム構造100は、ブラケット102に複数のビード部105を形成したもので、その他の構成は第1実施形態と同様である。
また、フレーム70をブラケット102で補強することにより、補強部材などの別部材を用いることなく、フレーム70の剛性を高めることができる。これにより、車両のフレーム構造100の軽量化や、低コスト化が図れる。
他の例として、水平上部と頂部との両方にビード部を形成することも可能である。
11,100…車両のフレーム構造
12……サイドシル
13……リヤサイドフレーム
14……アウトリガ
15……フロアフレーム
16,102…ブラケット
18……クロスメンバ
22……インナ部材
31……後部
34……上部材
35……下部材
44……フレーム底部
44b…外フランジ(結合フランジ)
45……フレーム後壁
70……フレーム
75,105…ビード部(結合部)
77……開口部
78……第1ナット(締結部材)
79……第2ナット(締結部材)
84……揺動軸部(車載部品)
92……内脚部
92a…内側フランジ
93……外脚部
93a…外側フランジ
95,103…頂部
95a…内張出部
95b…外張出部
95c…後張出部
96……前脚部
Claims (4)
- 車幅方向外側に配置され、車体前後方向へ延びるサイドシルと、
前記サイドシルの前記車幅方向内側に配置され、前記車体前後方向へ延びるリヤサイドフレームと、を備え、
前記サイドシルは、前記車幅方向外側に変位された後部を有するインナ部材を備え、
前記インナ部材と前記リヤサイドフレームとを下方で連結するアウトリガが構成され、
前記アウトリガには車載部品を支えるブラケットが取り付けられ、
前記ブラケット、前記リヤサイドフレームの少なくとも一方は、該一方から他方へ上下方向に膨出されて前記他方に結合可能な結合部を有する
ことを特徴とする車両のフレーム構造。 - 前記リヤサイドフレームは、前記フレーム底部の上方に配置される上部材を備え、
前記上部材に前記結合部が形成され、
前記結合部は、前記頂部へ向けて膨出するビード部である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のフレーム構造。 - 前記上部材から前記車幅方向内側へ延びるクロスメンバをさらに備え、
前記クロスメンバが前記上部材を介して前記ブラケットに結合される
ことを特徴とする請求項6に記載の車両のフレーム構造。 - 前記リヤサイドフレームの前記車体前方に配置され、前記車体前後方向へ延びるフロアフレームをさらに備え、
前記上部材に前記リヤサイドフレームの下部材が結合されることにより、前記上部材と前記下部材とで前記リヤサイドフレームが閉断面に形成され、
前記下部材が前記フロアフレームに連結され、
前記上部材、前記アウトリガ、前記サイドシルおよび前記下部材で閉断面が形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の車両のフレーム構造。
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