JP6572043B2 - 半導体ウェハ保護用フィルム - Google Patents

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本発明は、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を確実に保護することができる半導体ウェハ保護用フィルムに関する。
近年、ますます進展する半導体装置の小型化、高集積化に対応するために、半田等からなる突起電極(バンプ)を有する半導体チップ(例えば、Through Silicon Via(TSV)チップ)を用いたフリップチップ実装が注目されている。
フリップチップ実装においては、チップ間の接合を図る為に半田からなる先端部を有する突起電極を有する半導体チップと他の半導体チップ又は基板とを、半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する工程(リフロー工程、TCB(Thermal Compression Bonding)が行われる(例えば、特許文献1)。複数の半導体チップを積層した半導体装置を製造する場合、リフロー工程、TCB工程において電極間の接合を確実に行う必要がある一方、半導体ウェハの基板側の半田の先端部を有する突起電極を保護して、その形状が変形したり、半田が流出してしまったりするのを防止する必要があった。
特開2010−278334号公報
本発明者らは、半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を保護するために、半導体チップの該突起電極を有する面上に半導体ウェハ保護用フィルムを貼付することを検討した。例えば、図1においては、半田からなる先端部を有する突起電極12を有する半導体ウェハ1に、NCF3を介して半導体チップ2を接合する際に、半導体ウェハ1の基板側の突起電極12を保護するために半導体ウェハ保護用フィルム4と支持ガラス板5を貼着している。
このように半導体ウェハ保護用フィルムを貼付して保護することにより、リフロー工程を経ても突起電極が大きく変形したり、半田が流出してしまったりするのを防止することができた。
しかしながら、リフロー後の突起電極を詳細に検討すると、半導体ウェハ保護用フィルムを貼付して保護した場合にでも、突起電極の表面に細かな変形(具体的にはシワ状の変形)が認められることがあるという問題があった。このような突起電極の変形は、その後に該突起電極を用いて実装を行う際に、接続不良を引き起こす恐れがある。
本発明は、上記現状に鑑み、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を確実に保護することができる半導体ウェハ保護用フィルムを提供することを目的とする。
本発明1は、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを前記半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、前記半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を保護するための半導体ウェハ保護用フィルムであって、基材と、該基材の表面に形成された粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は、粘着剤成分とフラックス剤とを含有する半導体ウェハ保護用フィルムである。
本発明2は、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを前記半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、前記半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を保護するための半導体ウェハ保護用フィルムであって、基材と、該基材の表面に形成された粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は、酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂を含有する半導体ウェハ保護用フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、半導体ウェハ上の突起電極を保護するための半導体ウェハ保護用フィルムにおいて、粘着剤層にフラックス剤を配合する(本発明1)、又は、粘着剤層中に含まれる粘着性樹脂の酸価を一定以上とする(本発明2)ことにより、リフロー工程において実装に関係していない突起電極を確実に保護して、突起電極の表面に変形(シワ状の変形)が生じるのを防止できることを見出し、本発明を完成した。
この理由については必ずしも明らかではないが、フラックス剤も高酸価の粘着性樹脂も、半田表面の酸価皮膜を除去する作用を有することが知られている。このことから、突起電極表面の変形(シワ状の変形)は、リフロー工程においていったん溶融した半田が固まる際に、酸化皮膜が不均一に形成されるのが原因であることが推察される。粘着剤層にフラックス剤を配合したり、粘着剤層中に含まれる粘着性樹脂の酸価を一定以上としたりすることにより、不均一な酸化皮膜の形成が防止できることにより、シワ状の変形が発生するのを防止できるのではないかと考えられる。
本発明の半導体ウェハ保護用フィルムは、基材と、該基材の表面に形成された粘着剤層とからなる。(なお、本明細書において本発明1及び本発明2に共通する事項については、「本発明」と記載する。以下同じ。)
上記基材は、リフロー工程における温度(通常、240〜260℃程度)においても変形したりしない高い耐熱性を有するものであれば特に限定されず、例えば、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記基材の厚さがこの範囲内であると、適度なコシがあって、取り扱い性に優れる半導体ウェハ保護用フィルムとすることができる。上記基材の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
本発明1では、上記粘着剤層(以下、「粘着剤層1」ともいう。)は、粘着剤成分(以下、「粘着剤成分1」ともいう。)とフラックス剤とを含有する。
上記粘着剤成分1は、リフロー工程における高温に耐えられる耐熱性を有するものであれば特に限定されず、非硬化型の粘着剤、硬化型の粘着剤のいずれを含有するものであってもよい。なかでも、リフロー工程後に保護が不要となったときに、半導体ウェハ保護用フィルムを半導体ウェハから糊残りすることなく容易に剥離できることから、硬化型の粘着剤を含有することが好ましい。
上記非硬化型の粘着剤は特に限定されず、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、スチレン・ジエンブロック共重合体系接着剤等が挙げられる。
上記硬化型の粘着剤は、例えば、光照射により架橋、硬化する光硬化型接着剤成分、又は、加熱により架橋、硬化する熱硬化型接着剤成分を含有する粘着剤が挙げられる。
上記光硬化型接着剤成分としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤を含有する光硬化型接着剤が挙げられる。
上記熱硬化型接着剤成分としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、熱重合開始剤を含有する熱硬化型接着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記重合性ポリマーは、ラジカル重合性の不飽和結合の含有量の好ましい下限が0.01meq/g、好ましい上限が2.0meq/gである。上記重合性ポリマーのラジカル重合性の不飽和結合の含有量がこの範囲内であると、リフロー工程後に保護が不要となったときに、光を照射又は加熱して硬化型接着剤成分を架橋、硬化することにより、半導体ウェハ保護用フィルムを半導体ウェハから糊残りすることなくより容易に剥離できる。上記重合性ポリマーのラジカル重合性の不飽和結合の含有量のより好ましい下限は0.05meq/g、より好ましい上限は1.0meq/gである。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤は、熱により分解し、重合を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型接着剤又は熱硬化型接着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性又は熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による接着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着剤層1は、フラックス剤を含有する。フラックス剤を含有することにより、本発明1の半導体ウェハ保護用フィルムを貼付して保護した半導体ウェハ上の突起電極の表面に変形(シワ状の変形)が生じるのを防止することができる。
上記フラックス剤は、半田接合に用いられる一般的なフラックス剤であれば特に限定されない。なかでも、酸価が1〜700mgKOH/gであるフラックス剤が好適である。酸価がこの範囲内にあるフラックス剤を用いれば、適度な配合量で充分な突起電極の変形防止効果を発揮することができる。より好ましくは、酸価が2〜650mgKOH/gであるフラックス剤である。
上記フラックス剤としては、特に限定されないが、公知のフラックス剤を特に制限なく用いることができる。上記フラックス剤としては、具体的には例えば、カルボン酸類、イミダゾール類やアミン類等の非共有電子対を有する窒素原子を含む化合物、フェノール性水酸基を有する化合物、アルコール類などが挙げられる。
上記フラックス剤としては、例えば、フジキュア7000(T&K社製)、KE−100(荒川化学工業社製)、KE−359(荒川化学工業社製)、KE−604(荒川化学工業社製)等の市販品を用いることもできる。
上記粘着剤層1中のフラックス剤の含有量は特に限定されず、フラックス剤の酸価をもとに適当な範囲を選択すればよい。例えば酸価が1〜700mgKOH/gであるフラックス剤を用いる場合、フラックス剤の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は20重量%である。上記フラックス剤の含有量がこの範囲内であると、リフロー工程において実装に関係していない突起電極を確実に保護することができるとともに、リフロー工程後に保護が不要となったときに、半導体ウェハを半導体ウェハから糊残りすることなく容易に剥離できる。上記フラックス剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は10重量%であり、更に好ましい下限は0.5重量%である。
上記粘着剤層1は、更に、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。上記粘着剤層1が上記気体発生剤を含有する場合には、リフロー工程後に保護が不要となったときに、刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易に、かつ、糊残りすることなく半導体ウェハ保護用フィルムを半導体チップから剥離することができる。
上記気体発生剤は特に限定されず、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等の従来公知の気体発生剤を用いることができるが、リフロー工程中に気体が発生して剥離しないように、ケトプロフェンや2−キサントン酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5,5’−ビステトラゾールジアンモニウム塩、5,5’−ビステトラゾールアミンモノアンモニウム塩等のテトラゾール化合物又はその塩等の耐熱性に優れる気体発生剤を用いることが好ましい。
上記粘着剤層1中の上記気体発生剤の含有量は特に限定されないが、上記粘着剤成分1の100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量がこの範囲内にあると、充分な剥離性向上効果が得られる。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記粘着剤層1は、更に、ヒュームドシリカ等の無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーを配合することにより上記粘着剤層1の凝集力が上がる。このため、リフロー工程後に保護が不要となったときに、半導体ウェハ保護用フィルムを半導体ウェハから糊残りすることなく容易に剥離できる。
上記粘着剤層1は、更に、シリコーン化合物を含有してもよい。なかでも上記粘着剤層1が上記光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分を含有する場合には、該光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。
シリコーン化合物は、耐薬品性、耐熱性に優れることから、リフロー工程における高温処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分と架橋可能な官能基を有する場合には、光照射又は加熱することにより上記光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分と化学反応して上記光硬化型接着剤成分中又は熱硬化型接着剤成分中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。
上記粘着剤層1は、凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
上記粘着剤層1は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明2では、上記粘着剤層(以下、「粘着剤層2」ともいう。)は、酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂を含有する。酸価が10mgKOH/g以上の粘着性樹脂を含有することにより、本発明2の半導体ウェハ保護用フィルムを貼付して保護した半導体ウェハ上の突起電極の表面に変形(シワ状の変形)が生じるのを防止することができる。
上記酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂は、特に該酸価を満たし、かつ、リフロー工程における高温に耐えられる耐熱性を有するものであれば特に限定されず、非硬化型の粘着剤、硬化型の粘着剤のいずれを含有するものであってもよい。なかでも、リフロー工程後に保護が不要となったときに、半導体ウェハ保護用フィルムを半導体ウェハから糊残りすることなく容易に剥離できることから、硬化型の粘着剤を含有することが好ましい。
上記酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂が非硬化型の粘着剤である場合、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、スチレン・ジエンブロック共重合体系接着剤等のなかから、酸価が10mgKOH/g以上であるものを選択する。
上記酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂が硬化型の粘着剤である場合、例えば、上記粘着剤層1に用いられる光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分において、酸価が10mgKOH/g以上であるものを選択する。
より具体的には例えば、光硬化型接着剤成分又は熱硬化型接着剤成分に含有される上記重合性ポリマーにおいて、原料となる官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを合成する際に、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーの配合量を調整したり、上記共重合可能な他の改質用モノマーとして酢酸ビニル等の酸性モノマーを選択して、その配合量を調整したりする方法が挙げられる。なお、該酸性モノマーとして、上記フラックス剤に重合性官能基を導入したものも用いることができる。
上記粘着剤層2は、上記フラックス剤、気体発生剤、無機フィラー、シリコーン化合物のほか、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物や、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の半導体ウェハ保護用フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記基材上に上記粘着剤層1又は粘着剤層2の原料となる粘着剤組成物をドクターナイフやスピンコーター等を用いて塗工する等の従来公知の方法を用いることができる。
本発明によれば、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を確実に保護することができる半導体ウェハ保護用フィルムを提供することができる。
半導体ウェハ保護用フィルムにより半導体ウエハの基板側の突起電極を保護する態様の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(樹脂A、Bの合成)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル5重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて光硬化型粘着剤(樹脂A)を得た。樹脂Aの酸価は0mgKOH/gであった。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能基含有モノマー及び、官能基含有不飽和化合物として表1に記載したものを用いた以外は、樹脂Aの場合と同様にして樹脂Bを合成した。樹脂Bの酸価は14mgKOH/gであった。
Figure 0006572043
(実施例1)
(半導体ウェハ保護用フィルムの製造)
得られた樹脂Aの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、無機フィラー(ヒュームドシリカ、MT−10、トクヤマ社製)12重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセルサイテック社製)2重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)20重量部、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、コロネートL−45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、及び、フラックス剤としてグルタル酸1重量部を混合して、粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた接着剤組成物の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルムのコロナ処理面上に、乾燥皮膜の厚さが80μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、半導体ウェハ保護用フィルムを得た。
(実施例2〜5、比較例1)
樹脂の種類や添加剤の種類、配合量を表2に示したようにした以外は実施例1と同様にして半導体ウェハ保護用フィルムを得た。
(評価)
実施例、比較例で得られた半導体ウェハ保護用フィルムについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表2に示した。
(突起電極保護性及び剥離性の評価)
厚み50μm、片面に□20μm、高さ5μmのCuめっきされたパッドが形成されており、もう一方の面に□20μm、高さ30μmの銅バンプが形成され、その上に厚み10μmのSn−3.5Ag半田層が形成されているTSVウェハを準備した。
該TSVウェハの半田層を有する銅バンプ側に、得られた半導体ウェハ保護用フィルムを貼付した。半導体ウェハ保護用フィルムで保護したTSVウェハをリフロー処理(IPC/JEDEC J−STD−020Dに準ずる)した。
熱処理後、半導体ウェハ保護用フィルム側から、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して1分間照射して、粘着剤成分を架橋、硬化させた。次いで、TSVウェハから半導体ウェハ保護用フィルムを剥離し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて保護されていた半田層を有する銅バンプを観察して、以下の基準により突起電極保護性を評価した。
○:半田層の表面にシワ状の変形が認められなかった
×:半田層の表面にシワ状の変形が認められた
TSVウェハから半導体ウェハ保護用フィルムを剥離した後の、TSVウェハの表面を目視にて観察して、以下の基準により剥離性を評価した。
○:TSVウェハの表面に糊残りが全く認められなかった
×:TSVウェハの表面に糊残りが認められた
Figure 0006572043
本発明によれば、半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を確実に保護することができる半導体ウェハ保護用フィルムを提供することができる。
1 半導体ウェハ
12 半田からなる先端部を有する突起電極
2 半導体チップ
3 NCF
4 半導体ウェハ保護用フィルム
5 支持ガラス板

Claims (3)

  1. 半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを前記半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、前記半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を保護するために使用する半導体ウェハ保護用フィルムであって、基材と、該基材の表面に形成された粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は、粘着剤成分とフラックス剤とを含有し、前記フラックス剤の酸価が1〜700mgKOH/gであることを特徴とする半導体ウェハ保護用フィルム。
  2. 粘着剤層中のフラックス剤の含有量が0.05〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ保護用フィルム。
  3. 半田からなる先端部を有する突起電極を両面に有する半導体ウェハと他の半導体チップとを前記半田の溶融温度以上の温度に加熱して電気的に接合して実装する半導体装置の製造方法において、前記半導体ウェハの基板側の半田からなる先端部を有する突起電極を保護するために使用する半導体ウェハ保護用フィルムであって、基材と、該基材の表面に形成された粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は、酸価が10mgKOH/g以上である粘着性樹脂を含有することを特徴とする半導体ウェハ保護用フィルム。
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