JP2013213075A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる半導体加工用粘着テープを提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に放射線硬化型粘着剤層が形成された半導体加工用粘着テープであって、前記放射線硬化型粘着剤層は、前記基材に接する側に形成された第1の粘着剤層と、被着体に接する側に形成された第1の粘着剤層とを有し、前記第1の粘着剤層は、重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤と光重合開始剤とを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が1.0×10〜5.0×10Paであり、前記第2の粘着剤層は、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が5.0×10Pa以下である半導体加工用粘着テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる半導体加工用粘着テープに関する。
半導体の製造においては、加工時に半導体の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために半導体加工用テープを貼付することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強する際に両面粘着テープが用いられる。また、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々の半導体チップにダイシングする際にも、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープが用いられる。
一方、近年の半導体では、ウエハの表面には突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されていることが多い。このような比較的大きな凹凸を有するウエハに種々の加工を行う場合には種々の不具合が生じていた。例えば、突起状のバンプ電極を有するウエハの電極面に両面粘着テープを介して支持板を貼付して補強した状態で研削工程を行うと、電極部分に研削圧力が集中して、不均一な研削となったり、研削後のウエハの厚み精度が確保できなかったりすることがあった。また、ウエハ自体が破損してしまうこともあった。
これに対して特許文献1には、基材フィルム上に粘着剤層が積層されている半導体ウエハ加工用保護シートにおいて、粘着剤層として、基材フィルム側から放射線硬化性の第一粘着剤層、次いで第一粘着剤層上に非放射線硬化性の第二粘着剤層が積層されている半導体ウエハ加工用保護シートが開示されている。特許文献1に記載された半導体ウエハ加工用保護シートでは、粘着剤層を二層構造とし、これらの粘着剤層の貯蔵弾性率等を調整することにより、ウエハのパターン面の凹凸差への追従性を改善し、研削加工後のウエハの厚みのばらつき等を抑えることができるとしている。同様の技術思想による半導体加工用粘着テープは、特許文献2、3等にも開示されている。
特開2002−201442号公報 特開2009−141023号公報 特開2011−187832号公報
しかしながら、このような従来の半導体加工用粘着テープでは、実際にウエハに貼り合わせた後、ウエハに沿って適当な大きさにカットしようとすると粘着剤層から粘着剤がはみ出してウエハを汚染してしまうことがあるという問題があった。また、カッターに粘着剤が付着してしまうことから、切断毎にカッターを清掃しなければならず、取り扱い性の面で問題があった。
本発明は、比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる半導体加工用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、基材の少なくとも一方の面に放射線硬化型粘着剤層が形成された半導体加工用粘着テープであって、前記放射線硬化型粘着剤層は、前記基材に接する側に形成された第1の粘着剤層と、被着体に接する側に形成された第1の粘着剤層とを有し、前記第1の粘着剤層は、重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤と光重合開始剤とを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が1.0×10〜5.0×10Paであり、前記第2の粘着剤層は、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が5.0×10Pa以下である半導体加工用粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の半導体加工用粘着テープ(以下、単に「本発明の粘着テープ」ともいう。)は、基材の少なくとも一方の面に放射線硬化型粘着剤層が形成されたものである。
本発明の粘着テープは、基材の片面にのみ粘着剤層が形成された片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープであってもよい。本発明の粘着テープが両面粘着テープである場合、一方の粘着剤層のみが上記第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とを有する放射線硬化型粘着剤層であってもよく、両方の粘着剤層が上記第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とを有する放射線硬化型粘着剤層であってもよい。
上記基材は、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記基材の表面には、粘着剤層との密着性を向上させるための表面処理が施されてもよい。
上記放射線硬化型粘着剤層は、上記基材に接する側に形成された第1の粘着剤層と、被着体に接する側に形成された第1の粘着剤層とを有する。ここで第1の粘着剤層は、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに、該凹凸に追従して突起状のバンプ電極等を保護し、研削加工等を行った場合にウエハの破損を防止し研削後のウエハの厚みのばらつき等を抑える機能を有する。一方、第2の粘着剤層は、使用後に放射線を照射したときに、被着体に対する粘着力を大きく低減させて、糊残りすることなく被着体から容易に剥離させる機能を有する。
上記第1の粘着剤層は、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率の下限が1.0×10Pa、上限が5.0×10Paである。上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率がこの範囲内にある場合には、凹凸に対する追従性と、取り扱い性とを両立することができる。上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満であると、適当な大きさにカットしようとすると粘着剤層から粘着剤がはみ出してウエハを汚染してしまう。上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率が5.0×10Paを超えると、凹凸への追従性が低下し、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに、突起状のバンプ電極等を保護できない。上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率の好ましい下限は1.1×10Pa、好ましい上限は4.0×10Paであり、より好ましい下限は1.5×10Pa、より好ましい上限は3.0×10Paである。
上記第1の粘着剤層は、放射線による硬化前におけるゲル分率の好ましい下限が50重量%、好ましい上限が85重量%である。上記第1の粘着剤層のゲル分率がこの範囲内にある場合には、凹凸に対する追従性と、取り扱い性とを良好に両立することができる。上記第1の粘着剤層のゲル分率が50重量%未満であると、適当な大きさにカットしようとすると粘着剤層から粘着剤がはみ出してウエハを汚染してしまうことがある。上記第1の粘着剤層のゲル分率が85重量%を超えると、凹凸への追従性が低下し、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに、突起状のバンプ電極等を保護できないことがある。上記第1の粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は60重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は65重量%、更に好ましい上限は75重量%である。
なお、本明細書においてゲル分率は、トルエン、酢酸エチル等の溶剤に対する抽出不溶分の重量分率であり、溶剤に浸漬前後の乾燥重量を測定して粘着剤の溶解性を評価したものである。該抽出不溶分は3次元網目構造を取っていると推定され、3次元網目構造の比率が凹凸追従性と大きな関係がある。なお、ゲル分率は、JIS K6769に準じた方法により測定することができる。
上記第1の粘着剤層は、重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤と光重合開始剤とを含有する。用いる重合性多官能オリゴマー、非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤の種類や配合比、又は、架橋剤の配合等により、上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率やゲル分率を所定の範囲に調整することができる。また、重合性多官能オリゴマーや非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤は比較的安価であることから、コスト面でも有利である。
上記重合性多官能オリゴマーは、上記第1の粘着剤層に光硬化性を付与するものである。上記重合性多官能オリゴマーとは、分子内に不飽和結合を2つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記重合性多官能オリゴマーは、例えば、2官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。なかでも、分子量の設計の自由さから、ウレタンアクリレート等が好適である。
上記重合性多官能オリゴマーの分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は50000である。上記重合性多官能オリゴマーの分子量がこの範囲内であると、上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率やゲル分率を所定の範囲内に調整しやすい。上記重合性多官能オリゴマーの分子量のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は20000である。
なお、上記第2の粘着剤層が気体発生剤を含有する場合には、上記重合性多官能オリゴマーの分子量を2700以上とすることが好ましい。分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマーを用いることにより、比較的低照射量の紫外線でも第2の粘着剤層から気体を発生させることができ、一般的な紫外線照射装置でも光を照射してから短時間に充分な剥離圧力を発生させて剥離を行うことができる。
上記重合性多官能オリゴマーの官能数、即ち、1分子中に含まれる重合性官能基の数は2以上であれば特に限定されないが、3以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましい。上記重合性多官能オリゴマーの官能数が6以上であると、比較的少量の重合性多官能オリゴマーの添加で上記第1の粘着剤層に光硬化性を付与することができる。
上記重合性多官能オリゴマーは、例えば、U−200PA(新中村化学社製、分子量2700)、UN−901T(根上工業社製、分子量3600)、UN−6060PTM(根上工業社製、分子量6000)、UN−6060P(根上工業社製、分子量6000)、KSX−4(根上工業社製、分子量6800)、UN−7600(根上工業社製、分子量11500)、UN−6300(根上工業社製、分子量13000)、UN−9200A(根上工業社製、分子量15000)、UN−7700(根上工業社製、分子量20000)、UN−6301(根上工業社製、分子量33000)、UN−5500(根上工業社製、分子量50000)等の市販品を用いることができる。
上記第1の粘着剤層における上記重合性多官能オリゴマーの含有量は、上記非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が75重量部である。上記重合性多官能オリゴマーの含有量が5重量部未満であると、第1の粘着剤層に充分な光硬化性を付与できず、半導体チップの製造に用いた場合に光を照射しても剥離できなかったり、糊残りが生じたりすることがあり、75重量部を超えると、配合時に重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤とが分離してしまい塗工ムラが発生することがある。上記重合性多官能オリゴマーの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと官能基含有モノマーとの共重合体からなるアクリル系ポリマーを主成分とするものが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
上記官能基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記共重合の方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
上記非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤が上記アクリル系ポリマーを主成分とするものである場合、該アクリル系ポリマーは、内部に一部架橋構造を有することが好ましい。一部架橋構造を有するアクリル系ポリマーを用いることにより、粘着剤層の凝集力が高められることから、本発明の粘着テープを被着体から剥離する際に糊残りしにくくすることができる。
このような架橋構造は、上記官能基含有モノマーと反応し得る架橋剤の使用によって形成することができる。上記架橋剤は、例えば、エポキシ架橋剤、脂肪族又は芳香族イソシアネート系架橋剤等が好適である。
上記第1の粘着剤層は、光重合開始剤を含有する。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第1の粘着剤層は、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記第1の粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は300μmである。上記第1の粘着剤層の厚さが50μm未満であると、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに充分に突起状のバンプ電極等を保護できないことがあり、300μmを超えると、曲げ応力等をかけたときにより粘着テープにシワが発生することがある。上記第1の粘着剤層の厚さのより好ましい下限は80μm、より好ましい上限は200μmである。
上記第2の粘着剤層は、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が5.0×10Pa以下である。上記第1の粘着剤層の貯蔵弾性率が5.0×10Paを超えると、凹凸への追従性が低下し、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに、突起状のバンプ電極等を保護できない。上記第2の粘着剤層の貯蔵弾性率の好ましい上限は4.0×10Pa、より好ましい上限は3.0×10Paである。
上記第2の粘着剤層の貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、好ましい下限は8.0×10Paである。上記第2の粘着剤層の貯蔵弾性率が8.0×10Pa未満であると、表面がべたついて取り扱い性が低下することがある。上記第2の粘着剤層の貯蔵弾性率のより好ましい下限は1.0×10Paである。
上記第2の粘着剤層は、放射線による硬化前におけるゲル分率の好ましい下限が50重量%、好ましい上限が85重量%である。上記第2の粘着剤層のゲル分率が50重量%未満であると、表面がべたついて取り扱い性に劣ることがある。上記第2の粘着剤層のゲル分率が85重量%を超えると、凹凸への追従性が低下し、表面に突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸が形成されているウエハに貼付したときに、突起状のバンプ電極等を保護できないことがある。上記第2の粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は55重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は60重量%、更に好ましい上限は70重量%である。
上記第2の粘着剤層は、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマー(以下、単に「重合性ポリマー」ともいう。)を含有する。上記重合性ポリマーを含有することにより、放射線の照射により層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下し、被着体から容易に剥離することができる。用いる重合性ポリマーの種類や配合比、又は、架橋剤の配合等により、上記第2の粘着剤層の貯蔵弾性率やゲル分率を所定の範囲に調整することができる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記第2の粘着剤層は、光重合開始剤を含有してもよい。
上記光重合開始剤としては、上記第1の粘着剤層に配合するものと同様のものを用いることができる。
上記第2の粘着剤層は、重合性多官能オリゴマーを含有してもよい。重合性多官能オリゴマーを含有することにより、光硬化性をより向上させることができる。
上記重合性多官能オリゴマーとしては、上記第1の粘着剤層に配合するものと同様のものを用いることができる。
なお、上記第2の粘着剤層が後述する気体発生剤を含有する場合には、重合性多官能オリゴマーの配合量は上記重合性ポリマー100重量部に対して20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。原因は不明であるが、重合性多官能オリゴマーを配合すると、光を照射したときの気体発生剤からの気体発生が阻害される傾向にある。
上記第2の粘着剤層は、架橋剤を含有してもよい。
上記架橋剤としては、上記第1の粘着剤層に配合するものと同様のものを用いることができる。
なかでも、上記第1の粘着剤層と上記第2の粘着剤層とが、各々異なる種類の架橋剤を含有する場合には、上記第1の粘着剤層と上記第2の粘着剤層との密着力が向上する。具体的には例えば、一方の粘着剤層がエポキシ系架橋剤を含有する場合には、他方の粘着剤層に脂肪族又は芳香族イソシアネート系架橋剤を配合することが好ましい。
上記第2の粘着剤層は、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤(以下、単に「気体発生剤」ともいう。)を含有してもよい。上記重合性ポリマーと気体発生剤とを含有する第2の粘着剤層は、放射線の照射によって弾性率の上昇した硬い硬化物中で気体発生剤から気体が発生し、発生した気体の大半が外部に放出され、放出された気体が、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記気体発生剤は、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、アゾジカルボンアミド化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミン化合物、テトラゾール化合物等が挙げられる。
上記第2の粘着剤層における上記気体発生剤の含有量は、上記重合性ポリマー100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部未満であると、光を照射したときの気体の発生量が少なく、充分な剥離圧力が得られないことがあり、50重量部を超えると、被着体に対する粘着力が低下することがある。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記第2の粘着剤層は、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記第2の粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmである。上記第2の粘着剤層の厚さが10μm未満であると、放射線を照射したときに充分に粘着力が低減せずに剥離が困難になることがあり、100μmを超えると、全体としての第2の粘着剤層の比率が大きくなり、高価な上記重合性ポリマーの使用量が増えていたずらにコストが増大することがある。上記気体発生層の厚さはのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は50μmである。
放射線照射前及び放射線照射後において、上記第1の接着剤層と基材との接着力が、上記第2の接着剤層とウエハとの接着力より大きいことが好ましい。上記第1の接着剤層と基材との接着力が、上記第2の接着剤層とウエハとの接着力より大きいことにより、剥離の際に基材から放射線硬化型粘着剤層が剥がれてしまって、ウエハに糊残りしてしまうのを防止することができる。
本発明の粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。具体的には例えば、グラビア等のロールコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて上記基材の片面に上記第1の粘着剤層を形成する一方、別に離型フィルム上に上記第2の粘着剤層を形成し、その後、基材上の第1の粘着剤層上に離型フィルム上の第2の粘着剤層を、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とが接するように積層して貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の粘着テープにおいては、貯蔵弾性率等の一定の範囲に調整した種類の異なる粘着剤からなる2つの粘着剤層の積層体からなる放射線硬化型粘着剤層を有することにより、比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる。
本発明の粘着テープは、半導体の製造においては、加工時に半導体の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために半導体加工用の粘着テープとして好適に用いることができる。なかでも、突起状のバンプ電極等の比較的大きな凹凸を有する半導体チップの製造に特に好適である。
本発明によれば、比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる半導体加工用粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)第1の粘着剤層の調製
非硬化型粘着剤としてSKダイン1506BH(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を1重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、コロナ処理が施された厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約150μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させ、第1の粘着剤層を形成した。乾燥後の第1の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
得られた第1の粘着剤層について、JIS K7244に準じて25℃における貯蔵弾性率を測定したところ2.50×10Paであった。
また、JIS K6769に準じてゲル分率を測定したところ、72重量%であった。
(2)第2の粘着剤層の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部を混合し粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
・2−エチルヘキシルアクリレート 79重量部
・エチルアクリレート 15重量部
・アクリル酸 1重量部
・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
・光重合開始剤 0.2重量部(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
・ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を、離型処理が施された厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させ、第2の粘着剤層を形成した。乾燥後の第2の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
得られた第2の粘着剤層について、JIS K7244に準じて25℃における貯蔵弾性率を測定したところ1.30×10Paであった。
また、JIS K6769に準じてゲル分率を測定したところ、70重量%であった。
(3)粘着シートの製造
得られたコロナ処理を施されたPETフィルム上の第1の粘着剤層上に、離型処理が施されたPETフィルム上の第2の粘着剤層を、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とが接するように積層して貼り合わせた。
これによりコロナ処理を施されたPETフィルム上に第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とがこの順に形成され、第2の粘着剤層の表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された粘着テープを得た。
(実施例2)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1306(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて、実施例1と同様の方法により第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は4.96×10Pa、ゲル分率は78重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例3)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1306(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を1重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて、実施例1と同様の方法により第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は3.23×10Pa、ゲル分率は73重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例4)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1604N(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を0.7重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて、実施例1と同様の方法により第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は1.62×10Pa、ゲル分率は71重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例5)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1501B(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて、実施例1と同様の方法により第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は1.13×10Pa、ゲル分率は69重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例6)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1491H(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて、実施例1と同様の方法により第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は1.01×10Pa、ゲル分率は61重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例7)
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート1.0重量部、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部を混合し粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
・ブチルアクリレート 50重量部
・メチルメタクリレート 44重量部
・アクリル酸 1重量部
・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
・光重合開始剤 0.2重量部(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
・ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を用いて第2の粘着剤層を形成した。
得られた第2の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は5.00×10Pa、ゲル分率は67重量%であった。
この第2の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例8)
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部を混合し粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
・2−エチルヘキシルアクリレート 84重量部
・エチルアクリレート 10重量部
・アクリル酸 1重量部
・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
・光重合開始剤 0.2重量部(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
・ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を用いて第2の粘着剤層を形成した。
得られた第2の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は1.00×10Pa、ゲル分率は73重量%であった。
この第2の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例1)
非硬化型粘着剤としてSW−2B(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−Xを3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は5.95×10Pa、ゲル分率は74重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
非硬化型粘着剤としてSKダイン1495C(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−Xを3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を用いて第1の粘着剤層を形成した。
得られた第1の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は4.38×10Pa、ゲル分率は68重量%であった。
この第1の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、重合性多官能オリゴマーとしてUN−901T(根岸工業社製)20重量部を混合し粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
・ブチルアクリレート 40重量部
・メチルメタクリレート 54重量部
・アクリル酸 1重量部
・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
・光重合開始剤 0.2重量部(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
・ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を用いて第2の粘着剤層を形成した。
得られた第2の粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は5.50×10Pa、ゲル分率は72重量%であった。
この第2の粘着剤層を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(評価)
各実施例及び比較例で得た第1の粘着剤層、第2の粘着剤層及び粘着テープについて、以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)ウエハへの接着力の評価
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを25mm×10cmの大きさに切断した。切断後の粘着テープから離型処理が施されたPETフィルムを剥がし、ミラーウエハに2kgローラーを用いて貼付した。
ミラーウエハに貼付された粘着テープのPETフィルム側より、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度28mW/cmで1分間照射した(照射量1200mJ/cm)。
紫外線照射前後での粘着テープのミラーウエハに対する接着力を、JIS−Z−0237に準拠して測定した。
(2)取り扱い性、凹凸追従性及び剥離性の評価
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを、高さ90μm、直径100μm、ピッチ200μmのバンプを有する8インチウエハに、23℃、0.5MPa、0.5m/minの条件でタカトリ製DAM−812MSを用いて貼り合わせた。次いで、ウエハに沿って粘着テープを切断した。
切断後の粘着テープの切り口を目視にて観察して、粘着剤のはみ出しが全くなく、綺麗に切断できたていた場合を「○」、僅かに接着剤のはみ出しは認められたものの、実用上は問題のない範囲であった場合を「△」、粘着剤のはみ出しが認められ、カッターやウエハを汚染した場合を「×」と評価した。
粘着テープを貼り合わせた後に、顕微鏡(キーエンス社製、レーザー顕微鏡)を用いて、粘着テープの粘着剤層のバンプへの埋め込み状態を確認した。バンプの周辺にほとんど気泡が認められなかった場合を「○」、バンプの周辺に気泡が認められたものの、隣接するバンプの周辺の気泡とは繋がっていなかった場合を「△」、バンプの周辺の気泡が、隣接するバンプの周辺の気泡と繋がってしまっていた場合を「×」と評価した。
得られた粘着テープを貼り合せたバンプ付きウエハを、研削装置(ディスコ社製、DGP8760)を用いてウエハの厚みが100μmになるまで研削した。研削後のウエハに、PETフィルム側から、超高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度28mW/cmで1分間照射した(照射量1200mJ/cm)。
照射後、粘着テープを剥離し、剥離面を顕微鏡を用いて観察した。剥離面に糊残りが全く認められなかった場合を「○」、僅かに糊残りが認められたものの実用上は問題のない範囲であった場合を「△」、糊残りが認められた場合を「×」と評価した。
Figure 2013213075
本発明によれば、比較的大きな凹凸を有するウエハに対しても追従性がよく、取り扱い性に優れるとともに、放射線を照射することにより容易に剥離することができる半導体加工用粘着テープを提供することができる。

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも一方の面に放射線硬化型粘着剤層が形成された半導体加工用粘着テープであって、
    前記放射線硬化型粘着剤層は、前記基材に接する側に形成された第1の粘着剤層と、被着体に接する側に形成された第1の粘着剤層とを有し、
    前記第1の粘着剤層は、重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤と光重合開始剤とを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が1.0×10〜5.0×10Paであり、
    前記第2の粘着剤層は、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーを含有し、かつ、放射線による硬化前においてJIS K7244に準じて測定した25℃における貯蔵弾性率が5.0×10Pa以下である
    ことを特徴とする半導体加工用粘着テープ。
  2. 第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層がそれぞれ架橋剤を含有し、かつ、前記第1の粘着剤層が含有する架橋剤と前記第2の粘着剤層が含有する架橋剤が異なる種類の架橋剤であることを特徴とする請求項1記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. 放射線照射前及び放射線照射後において、第1の接着剤層と基材との接着力が、第2の接着剤層とウエハとの接着力より大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体加工用粘着テープ。
  4. 第1の粘着剤層の厚さが50〜300μmであり、第2の粘着剤層の厚さが10〜100μmであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導体加工用粘着テープ。
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