JP6538645B2 - インスリン‐インクレチン複合物 - Google Patents
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Description
本出願は、米国仮特許出願No.61/783,491(2013年3月14日出願)(前記文献の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)の優先権を主張する。
電子提出資料の参照による組み入れ
参照によりその全体が組み入れられるものは、本明細書とともに提出され以下のように特定されるコンピュータ読み出し可能配列表である:“27137_PCT_SL.txt”と命名された1箇の983KB ASCII(テキスト)ファイル(2014年3月5日作成)。
インスリンは、若年開始糖尿病及び後期成人開始糖尿病の治療に有効と立証された治療法である。当該ペプチドは、低い効能(天然のインスリンの約2%から9%)を有する、より大きな線状前駆体(プロインスリンと称される)として生合成される。プロインスリンは、35残基の接続ペプチド(Cペプチド)の選択的除去によってタンパク分解的にインスリンに変換される。その結果生じる、インスリン“A鎖”(配列番号:1)及び“B鎖”(配列番号:2)の間のジスルフィド結合によって形成される合計51アミノ酸のヘテロ二重体は、インスリン受容体に対して高い効能(nM範囲)を有する。天然のインスリンは、関連するインスリン様増殖因子1受容体と比較してインスリン受容体に対し約100倍選択性の高い親和性を有するが、2つの異なるインスリン受容体アイソフォーム(A及びBと称される)に対してはほとんど選択性を示さない。
インスリン様増殖因子1及び2は単一鎖線状ペプチドホルモンであり、前記は、それらのA及びB鎖配列に高度な相同性を有し、天然のインスリンと約50%の相同性を共有する。IGF A及びB鎖は“C-ペプチド”によって連結され、ここで2つのIGFのC-ペプチドはサイズ及びアミノ酸配列が異なる(第一のものは長さが12アミノ酸で第二のものは8アミノ酸である)。ヒトIGF-1は、配列番号:3に示すタンパク質配列を有する70aaの塩基性ペプチドであり、プロインスリンと43%の相同性を有する(Rinderknecht et al.(1978) J.Biol.Chem.253:2769-2776)。ヒトIGF-2は、配列番号:4に示すタンパク質配列を有する67aaの塩基性ペプチドである。IGFは、インスリンA受容体アイソフォームよりもインスリンB受容体アイソフォームで顕著に低い活性を示す。
インスリンA及びB鎖を含む単一鎖インスリンアナローグは以前に調製された(EP1,193,272及びUS2007/0129284を参照されたい)。しかしながら、単一鎖の高い効能を有するインスリンアゴニストはまた、インスリンB及びAペプチドを連結する接続ペプチドとしてIGF-1 Cペプチド又はそのアナローグを挿入することによって調製できる。C-ペプチド配列の個々のアミノ酸の選択的変異導入は、IGF-1受容体に比較してインスリンに対して高度に選択的なペプチドを生じる。
インクレチンは、極めて多様な生理学的機能(グルコース恒常性、インスリン分泌、胃内容排出及び腸増殖とともに食物摂取の調節を含む)に必要とされる一群の胃腸ホルモンである。プレ-プログルカゴンは158アミノ酸の前駆体ポリペプチドであり、前記は種々の組織でプロセッシングを受け多数の異なるペプチドを形成する。インクレチンには以下を含む多数のプリグルカゴン誘導ペプチドが含まれる:グルカゴン(配列番号:701)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1:アミノ酸7−36が配列番号:703として提供され、アミノ酸7−35が配列番号:704として提供される)、グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2;配列番号:708)及びオキシントモデュリン(OXM;配列番号:706)。
グルカゴンは、重篤な低血糖症の急性期治療で用いられる救命医薬である。オキシントモデュリンは、食欲を抑制し体重を低下させる薬理学的能力を有することが報告された。GLP-1受容体アゴニスト又は安定化GLP-1アナローグを用いた臨床試験は、このペプチドファミリーはII型糖尿病の有効な治療であることを立証した。
さらにまた、消化管抑制ポリペプチド(GIP)はまた、グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチドとしても知られ、セクレチンファミリーホルモンのメンバーである。GIPは、GIP遺伝子によってコードされる153アミノ酸の前タンパク質から誘導され、生物学的に活性な42アミノ酸ペプチド(配列番号:707)として循環する。GIP遺伝子は、小腸で唾液腺と同様に発現され、胃酸分泌の弱い阻害因子である。胃におけるその阻害性作用に加えて、グルコースの存在下で、GIPは、生理学的用量で投与されたとき膵のベータ小島細胞によるインスリン放出を強化する。GIPは、膵臓インスリンの放出を刺激し、グルコース恒常性の維持に生理学的役割を果たすことができる腸因子として機能すると考えられる。
グルカゴン関連ペプチド-インスリンペプチド複合物はまた、プロドラッグ化学の使用による治療インデックスの改善、血漿タンパク質(例えばアルブミン)の連結又は他の改変(PEG化及びアシル化を含む)による作用時間の延長、及びグリコシル化による物理的安定性の強化をもたらすと想定される更なる構造的強化に適している。C-ペプチドリンカーを用いる単一鎖インスリンアナローグの調製はまた新規な構造的配置を提供し、それらアナローグでは、これらの化学的改変は首尾よく配置され得る。本インスリン複合物は主としてインスリン依存性糖尿病の治療で使用されよう。
本明細書で用いられるように、グルカゴン関連ペプチドのC-末端領域というとき、それぞれ天然のグルカゴン配列と関連して、グルカゴンペプチドの天然のC-末端、又はグルカゴンアナローグの天然のC-末端若しくはC-末端アミノ酸の欠失によって短縮されたグルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸に付加された任意のアミノ酸を包含することを意図する。例えば、天然のグルカゴン関連ペプチドのC-末端を1から3アミノ酸によって延長させることができ、続いてこれらアミノ酸がC-末端領域のアミノ酸の側鎖又はC-末端カルボキシ基を介してインスリンペプチドに連結される。ある実施態様では、グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端は、インスリンペプチドのB鎖のアミノ末端領域と共有結合により連結される。ある実施態様では、インスリンペプチドは単一鎖インスリンアナローグであり、当該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端領域は、インスリンペプチドのB鎖のアミノ末端と共有結合により連結される。
(i)1つから3つのアミノ酸改変を有するX1-X2-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Z(配列番号:839)のアミノ酸配列、式中、
X1及び/又はX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対するグルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然(配列番号:701に対して)アミノ酸であり、
Zは、-COOH、-Asn-COOH、Asn-Thr-COOH及びY-COOHから成る群から選択され(式中Yは1つから2つのアミノ酸)、さらにここで、
(1)ラクタム架橋がi位のアミノ酸及びi+4位のアミノ酸の側鎖を接続するか(式中iは12、16、20又は24)、又は
(2)グルカゴン関連ペプチドの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α-二置換アミノ酸で置換されてあり、
かつ前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(ii)配列番号:701のアミノ酸配列であって、
28位のAsnの荷電アミノ酸による置換、
28位のAsnのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
28位におけるAsn、Asp又はGluによる置換、
28位におけるAspによる置換、
28位におけるGluによる置換、
29位のThrの荷電アミノ酸による置換、
29位のThrのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
29位におけるAsp、Glu又はLysによる置換、
29位におけるGluによる置換、
29位の後に1つから3つの荷電アミノ酸の挿入、
29位の後にGlu又はLysの挿入、
29位の後にGly-Lys若しくはLys-Lys又は前記の組み合わせの挿入、
及びグループA若しくはグループB又は前記の組み合わせから選択される少なくとも1つのアミノ酸改変、
から成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸改変を含むように改変され、
ここで、グループAは、15位のAspのGluによる置換及び16位のSerのThr又はAIBによる置換から成る群から選択されるアミノ酸改変であり、さらに
グループBは、1位のHisのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
2位のSerのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
10位のTyrのPhe又はValによる置換、
12位のLysのArgによる置換、
20位のGlnのAla又はAIBによる置換、
21位のAspのGluによる置換、
24位のGlnのAla又はAIBによる置換、
27位のMetのLeu又はNleによる置換、
27−29位のアミノ酸の欠失、
28−29位のアミノ酸の欠失、
29位のアミノ酸の欠失、
又は前記の組み合わせから成る群から選択されるアミノ酸改変であり、
かつここで前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(iii)配列番号:701のグルカゴン関連ペプチドであって、
(a)GIPアゴニスト活性を付与する、1位のアミノ酸改変
(b)(1)i位及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj位及びj+3位のアミノ酸の側鎖間のラクタム架橋(式中iは12、13、16、17、20又は24で、jは17である)、又は(2)当該アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α-二置換アミノ酸による置換、
(c)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、及び
(d)1つから6つの更なるアミノ酸改変、
を含むように改変され、ここで当該アナローグのGIP受容体の活性化のためのEC50が約10nM以下である、前記ペプチド;
(iv)X1X2X3GTFTSDX10SX12YLX15X16X17X18AX20X21FX23X24WLX27X28X29の配列(配列番号:72)、
式中、
X1は、His、D-His、(Des-アミノ)His、ヒドロキシ-His、アセチル-His、ホモ-His又はα,α-ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N-メチルHis、アルファ-メチルHis及びイミダゾール酢酸から成る群から選択され、
X2は、Ser、D-Ser、Ala、D-Ala、Val、Gly、N-メチルSer、アミノイソ酪酸(Aib)及びN-メチルAlaから成る群から選択され、
X3は、Gln、Glu、Orn及びNleから成る群から選択され、
X10は、Tyr、Val及びTrpから成る群から選択され、
X12は、Ser、Lys、シトルリン、Orn及びArgから成る群から選択され、
X15は、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択され、
X16は、Ser、Gly、Glu、Gln、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択され、
X17 は、Arg、Gln、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン及びアセチルフェニルアラニンから成る群から選択され、
X18は、Arg、Ala、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン及びアセチルフェニルアラニンから成る群から選択され、
X20は、Gln、Lys、Arg、Orn及びシトルリンから成る群から選択され、
X21は、Gln、Glu、Asp、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン及びアセチルフェニルアラニンから成る群から選択され、
X23は、Val及びIleから成る群から選択され、
X24は、Ala、Gln、Glu、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン及びアセチルフェニルアラニンから成る群から選択され、
X27は、Met、Val、Leu及びNleから成る群から選択され、
X28は、Asn、Arg、シトルリン、Orn、Lys及びAspから成る群から選択され、さらに
X29は、Thr、Gly、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン及びアセチルフェニルアラニンから成る群から選択される前記配列、又は配列番号:72のアナローグであって、ここで前記アナローグは1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される1つから3つのアミノ酸改変によって配列番号:72とは異なり、
前記グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体で天然のGLP-1の活性の少なくとも20%を示す;
(v)10を超えないアミノ酸改変によって配列番号:701と異なるアミノ酸であって、16、20、21及び/又は24位にAIBによる1つ以上のアミノ酸置換並びにジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対して感受性の減少を提供する1位及び/又は2位におけるアミノ酸改変を含み、前記グルカゴン関連ペプチドが、GLP-1受容体で天然のGLP-1の活性の少なくとも20%を示す、前記アミノ酸。
X4は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であり、
X5は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X8は、ヒスチジン、スレオニン又はフェニルアラニンであり、
X9は、セリン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X10は、イソロイシン又はセリンであり、
X12は、セリン又はアスパラギン酸であり、
X14は、チロシン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X15は、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、アラニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、リジン、オルニチン又はグルタミンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸又はスレオニンであり、
X21は、アラニン、グリシン、セリン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ロイシン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン及びメチオニンから成る群から選択され、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン又はフェニルアラニンであり、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN-末端アミンから成る群から選択され、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。ある実施態様では、複合物は、配列番号:132、配列番号:135、配列番号:139及び配列番号:140、又は1、2、3、4又は5アミノ酸改変によって配列番号:132、配列番号:135、配列番号:139又は配列番号:140と異なる前記のアナローグから成る群から選択される配列を含む。ある実施態様では、複合物は、1、2又は3アミノ酸置換によって配列番号:132、配列番号:135、配列番号:139又は配列番号:140と異なる配列を含む。
ある実施態様では、親水性部分はポリエチレン鎖であり、さらに別の実施態様では、ポリエチレン鎖は、インスリンペプチドが単一鎖インスリンアナローグであるときはインスリンペプチド成分の連結部分のアミノ酸の側鎖に共有結合により結合される。ある実施態様では、インスリンペプチドは単一鎖インスリンであり、B及びA鎖を継ぎ合わせる連結部分は長さが17アミノ酸を超えないアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列GYGSSSX57X58(配列番号:21)、GAGSSSRR(配列番号:22)又はGYGSSSX57X58APQT(配列番号:69)を含む(式中X57及びX58は別個にアルギニン、リジン又はオルニチンであり、さらにX57及びX58によって示されるアミノ酸は場合によって、当該位置のアミノ酸の側鎖に連結される親水性部分をさらに含む)。ある実施態様では、親水性部分はポリエチレングリコール鎖である。
アシル化又はアルキル化は、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物ペプチドの循環中の半減期を増すことができる。アシル化又はアルキル化は、インスリン受容体で作用開始を有利に先送りし及び/又は作用時間を延長することができる。グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物ペプチドは、同じアミノ酸の位置で(ここで(例えば連結部分の8位を含む)親水性部分が連結される)又は異なるアミノ酸の位置でアシル化又はアルキル化され得る。
ある実施態様では、インスリン依存患者の血中グルコースレベルを調節する改善方法が提供される。前記方法は、単一鎖インスリンアゴニストペプチド又はその誘導体を、糖尿病の管理に治療的に有効な量で患者に投与する工程を含む。
本発明の開示及び特許請求の範囲では、以下の用語体系が下記に示す定義にしたがって用いられるであろう。
本明細書で用いられる“約”という用語は、記述されている値又は値の範囲より10パーセント高いか又は低いことを意味するが、ただし一切の値又は値の範囲をこのより広範囲の定義にのみ指定しようとするものではない。“約”という用語が先行する値又は値の範囲の各々はまた、当該記述されている絶対的値又は値の範囲が表すものを包含することが意図される。
本明細書で用いられるように“アミノ酸”という用語は、アミノ及びカルボキシル官能基の両方を含む任意の分子を包含し、ここでアミノ及びカルボキシル基は同じ炭素(アルファ炭素)に付加される。アルファ炭素は場合によって1つ又は2つのさらに別の有機置換基を有し得る。本開示の目的のためには、その立体化学構造を指定することなくあるアミノ酸を指示する場合は、当該アミノ酸のL若しくはD型のどちらか又はラセミ混合物を包含することが意図される。しかしながら、アミノ酸がその3文字コードで指示されかつ上付き数字を含む場合には、該アミノ酸のD型は3文字コード及び上付き数字の前に小文字dを含むことによって指定され(例えばdLys-1)、ここで小文字dを欠く指示(例えばLys-1)は該アミノ酸の天然のL型を指定することが意図される。この命名体系では、上付き数字の組み入れは当該インスリンアナローグ配列中の当該アミノ酸の位置を示し、ここで該インスリンアナローグ内に配置されるアミノ酸は、N-末端から連続的に付与される正の上付き数字によって指示される。N-末端に又は側鎖を介してインスリンアナローグペプチドに連結される追加のアミノ酸は、0から始まり該インスリンアナローグ配列からさらに離れるにつれ増大する負の整数値が付与される。
本明細書で用いられるように“ヒドロキシル酸”という用語は、改変されてアルファ炭素のアミノ基がヒドロキシル基に取り替えられてあるアミノ酸を指す。
本明細書で用いられる“非コードアミノ酸”という用語は、以下の20のアミノ酸のいずれかのL-異性体ではない任意のアミノ酸を包含する:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr。
本明細書で用いられるように、一般的にペプチドというとき、改変されたアミノ及びカルボキシ末端を有するペプチドを包含することが意図される。例えば、標準的なアミノ酸を指示するアミノ酸配列は、N-及びC-末端に標準的なアミノ酸とともに、N-末端に対応するヒドロキシル酸、及び/又は末端カルボン酸の代わりにアミド基を含むように改変された対応するC-末端アミノ酸を含むことが意図される。
本明細書で用いられる“アシル化”アミノ酸は、自然に出現するアミノ酸にとって天然ではないアシル基を含むアミノ酸であり、それが生成される手段とは無関係である。アシル化アミノ酸及びアシル化ペプチドを生成する例示的方法は当業界で公知であり、ペプチドに組み入れる前にアミノ酸をアシル化するか、又はペプチド合成の後で該ペプチドを化学的にアシル化することを含む。いくつかの実施態様では、アシル基はペプチドに以下の1つ以上の現象を引き起こす:(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用開始の先送り、(iii)作用持続時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)IGF及び/又はインスリンペプチド受容体での効能の増加。
本明細書で用いられるように“医薬的に許容できる担体”という用語は、任意の標準的な医薬担体、例えば、リン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルジョン(例えば油/水又は水/油エマルジョン)及び多様なタイプの湿潤剤を含む。前記用語はまた、米連邦政府の規制庁に承認された又は動物(ヒトを含む)で使用される米薬局方に列挙された任意の薬剤を包含する。
本明細書で用いられるように“医薬的に許容できる塩”という用語は、親化合物の生物学的活性を維持し、さらに生物学的又は他の意味で望ましくないものではない化合物の塩を包含する。本明細書に開示する化合物の多くが、アミノ及び/又はカルボキシル基又はそれらに類似する基の存在により酸及び/又は塩基塩を形成することができる。
医薬的に許容できる塩基付加塩は無機及び有機塩基から調製できる。無機塩基から誘導される塩は、例示すればナトリウム塩、カリウム炎、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩を含む。有機塩基から誘導される塩は、第一、第二及び第三アミンの塩を含むが、ただしこれらに限定されない。
本明細書で用いられるように“親水性部分”という用語は、容易に水に溶解又は容易に水を吸収でき、かつ有害作用がなく哺乳動物種がin vivoで耐性を示す(すなわち生物適合性である)任意の化合物を指す。親水性部分の例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、及び誘導セルロース(例えばヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース及びそれらのコポリマー)とともに天然のポリマー(例えばアルブミン、ヘパリン及びデキストラン)が含まれる。
本明細書で用いられるように、インスリンアナローグの“有効な”量又は“治療的に有効な量”は、所望の作用を提供するために有害ではないが十分な量のインスリンアナローグを指す。例えば、所望されるある作用は高血糖の予防又は治療であろう。“有効”な量は、個体の年齢及び一般的状態、投与態様などに応じて対象動物ごとに変動するであろう。したがって、厳密な“有効量”を特定することが常に可能であるとは限らない。しかしながら、任意の個々の事例において適切な“有効”量を日常的な試験を用いて当業者は決定できる。
“非経口的”という用語は、栄養管を通過しないが何らかの他のルート(例えば鼻内、吸入、皮下、筋肉内、脊髄内又は静脈内)によることを意味する。
本明細書で用いられるように“IGFB16B17アナローグペプチド”は、A鎖及びB鎖ヘテロ二重体或いはその単一鎖インスリンアナローグを含む包括的用語で、ここで当該A鎖は配列番号:19のペプチド配列を含み、B鎖は配列番号:20を含み、或いはそれら配列のアナローグを含み、ここでA鎖及び/又はB鎖は1−3つのさらに別のアミノ酸置換を含むが、ただしB鎖が配列番号:2の配列を含まず、かつB16位にチロシン及びB17位にロイシンを含むことを条件とする。
“IGF YLアナローグ”は、配列番号:19のIGF A鎖及び配列番号:36のIGF B鎖を含むペプチドである。
本明細書で用いられるように“単一鎖インスリンアナローグ”という用語は構造的に関連するタンパク質群を包含し、ここで、インスリン又はIGF A及びB鎖、又は前記のアナローグ若しくは誘導体は、共有結合により互いに連結されて線状ポリペプチド鎖を形成する。本明細書で開示するように、単一鎖インスリンアナローグは、連結部分を介するB鎖のカルボキシ末端とA鎖のアミノ末端との共有結合を含む。
本明細書で用いられる“インスリンB鎖”という用語(更なる説明的言葉を含まない)は、配列番号:2の30アミノ酸配列、或いは天然のB鎖の改変された機能的アナローグを包含することが意図され、前記アナローグは、B16又はB25位のアミノ酸の4-アミノフェニルアラニンへの改変、又はB1、B2、B3、B4、B5、B9、B10、B13、B14、B17、B20、B21、B22、B23、B25、B26、B27、B28、B29及びB30から選択される位置における1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失若しくは置換、又はB1−4及びB26−30位のいずれか若しくは全ての欠失を含む。
本明細書で用いられる“同一性”という用語は2つ以上の配列間の類似性に関する。同一性は、同一残基数を残基総数で割り、結果に100を乗じてパーセンテージを得ることによって測定される。したがって、正確に同じ配列の2つのコピーは100%の同一性を有し、一方、互いに比較してアミノ酸の欠失、付加又は置換を有する2つの配列はより低い同一性の程度を有する。いくつかのコンピュータープログラム(例えばBLST(Basic Local Alignment Search Tool, Altschul et al.(1993) J.Mol.Biol.215:403-410)のようなアルゴリズムを利用するもの)が配列同一性の決定に利用できることを当業者は認識しているであろう。
本明細書で用いられるように、グルカゴン関連ペプチドのC-末端領域というとき、グルカゴンペプチドの天然のC-末端、又は、それぞれ天然のグルカゴン配列に対比して、C-末端の1つ以上のアミノ酸の付加によって延長されたグルカゴンアナローグのC-末端延長部の任意のアミノ酸、若しくは1つ以上のアミノ酸の欠失によって短縮されたグルカゴンアナローグの末端アミノ酸を包含することが意図される。グルカゴン関連ペプチドのC-末端領域で複合化されるインスリンペプチドは、当該C-末端領域のアミノ酸の側鎖との結合又はC-末端のカルボン酸部分を介する結合を含むことが意図される。
“GLP-1アゴニスト”という用語は、有効性が証明されたin vitroモデルアッセイ(例えば公開国際出願WO2007/056362の実施例13に記載されたもの(2007年5月18日公開、前記文献の開示内容は参照により本出願に明瞭に組み入れられる))によって測定したとき、GLP-1受容体活性を刺激する化合物を指す。
本明細書で用いられるように、“グルカゴンペプチド”という用語は、配列番号:701の自然のグルカゴンペプチド、或いは天然のグルカゴン配列に対して1つ以上のアミノ酸改変を有する改変誘導体を示す包括的用語である。前記改変誘導体は、場合によってアミノ酸1、2、5、7、8、10、12、13、14、16、17、18、24、28及び29位での置換を含むが、ただし前記に限定されない。一般的には、数により具体的にアミノ酸の位置をいうときはいずれも(例えば28位)、天然のグルカゴン(配列番号:701)の当該位置のアミノ酸又はその任意のアナローグの対応するアミノ酸の位置を指す。例えば、“28位”というときは、配列番号:701の最初のアミノ酸が欠失してあるグルカゴンアナローグに対しては対応する27位を意味するであろう。同様に、“28位”というときは、配列番号:701のN-末端の前に1つのアミノ酸が付加されてあるグルカゴンアナローグに対しては対応する29位を意味するであろう。
本明細書で用いられるようにIGF A鎖という用語(更なる説明的言葉を含まない)は、天然のIGF 1又はIGF 2の21アミノ酸配列(それぞれ配列番号:5及び7)、或いは当業者に公知のその機能的アナローグを包含することが意図され、前記アナローグは、A5、A8、A9、A10、A12、A14、A15、A17、A18、A21から選択される位置における1つ以上のアミノ酸の置換による配列番号:5及び7の配列の改変を含む。
本明細書で用いられるように“IGF YL B鎖”という用語(更なる説明的言葉を含まない)は、配列番号:20を含むアミノ酸配列、或いはIGF YL B鎖のアナローグ及びその誘導体を包含することが意図され、前記誘導体は、B16又はB25位のアミノ酸の4-アミノフェニルアラニンへの改変、又はB1、B2、B3、B4、B5、B9、B10、B13、B14、B17、B20、B21、B22、B23、B26、B27、B28、B29及びB30から選択される位置における1つ以上のアミノ酸の置換、又はB1−4及びB26−30位のいずれか若しくは全ての欠失を含む。
本明細書で用いられるように、アミノ酸“改変”は、アミノ酸の置換、又はアミノ酸への/からの化学基の付加及び/又は除去によるアミノ酸の誘導を指し、ヒトタンパク質で一般的に見出される20アミノ酸或いは非定型的又は自然には存在しないアミノ酸のいずれかによる置換を含む。非定型的アミノ酸の市場の供給源にはシグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich, Milwaukee, WI)、ケムペップ社(ChemPep Inc., Miami, FL)及びゲンザイムファーマシューティカルズ(Genzyme Pharmaceuticals, Cambridge, MA)が含まれる。非定型的アミノ酸は、市場の供給業者から購入するか、新規に合成するか、又は自然に出現するアミノ酸から化学的に改変するか若しくは誘導することができる。
本明細書で用いられるように、アミノ酸の“置換”は、あるアミノ酸残基の異なるアミノ酸残基による取り替えを指す。
本明細書で用いられるように、“保存的アミノ酸置換”という用語は、以下の5つのグループの1つの中での交換と定義される:
I. 小さな脂肪族で、非極性又はわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II. 極性で負に荷電した残基及びそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、Gln、システイン酸及びホモシステイン酸;
III. 極性で正に荷電した残基;His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV. 大きな脂肪族の非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V. 大きな芳香族残基:Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
本明細書で用いられるように“PEG化”などの用語は、ポリエチレングリコール鎖をある化合物に連結することによってその自然の状態から改変されてある当該化合物を指す。“PEG化ポリペプチド”は、当該ポリペプチドと共有結合されたPEG鎖を有するポリペプチドである。
本明細書で用いられるように“リンカー”は、2つの別々の実体を互いに結合させる結合、分子又は分子の基である。リンカーは2つの実体の最適な間隙を提供するか、さらにまた2つの物体を互いに分離させ得る不安定な結合を提供することができる。不安定な結合には、光切断可能基、易酸性部分、易塩基性部分及び酵素切断可能基が含まれる。
本明細書で用いられるように“ダイマー”は、リンカーにより互いに共有結合された2つのサブユニットを含む複合体である。ダイマーという用語は、何らかの修飾の言葉を含まずに用いられるときホモダイマー及びヘテロダイマーの双方を包含する。ホモダイマーは2つの同一のサブユニットを含み、一方、ヘテロダイマーは、異なるが互いに実質的に類似する2つのサブユニットを含む。
本明細書で用いられるように、“C2−Cnアルケニル”(式中nは2から6であり得る)という用語は、2から指定された数の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合有する、オレフィン系不飽和分枝又は直鎖基を表す。そのような基の例には、1-プロペニル、2-プロペニル(-CH2-CH=CH2)、1,3-ブタジエニル(-CH=CHCH=CH2)、1-ブテニル(-CH=CHCH2CH3)、ヘキセニル、ペンテニルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
“C2−Cnアルキニル”(式中nは2から6であり得る)という用語は、2からn個の炭素原子及び少なくとも1つの三重結合有する不飽和分枝又は直鎖基を表す。そのような基の例には、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
本明細書で用いられる“ヘテロアリール”という用語は、1つ又は2つの芳香環を含み、かつ1つの芳香環内に少なくとも1つの窒素、酸素又は硫黄原子を含む、単環式又は二環式環系を指す。ヘテロアリール環のサイズ及び置換基又は連結基の存在は、存在する炭素数を指示することによって示される。例えば、“(C1-Cnアルキル)(C5-C6ヘテロアリール)”という用語は、1から“n”員のアルキル鎖を介して親部分に添付される5から6員のヘテロアリールを指す。
本明細書で用いられるように、“ハロ”という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から成る群の1つ以上のメンバーを指す。
本明細書で用いられる“単離された”という用語は、その自然の環境から移動されてあることを意味する。いくつかの実施態様では、アナローグは組換え方法を介して作製され、該アナローグは宿主細胞から単離される。
本明細書で用いられる“精製される”という用語は、天然の又は自然の環境においてある分子又は化合物に通常付随する夾雑物を実質的に含まない形態で該分子又は化合物を単離することに関し、本来の組成物の他の成分から分離された結果として純度が高められてあることを意味する。 “精製されたポリペプチド”という用語は、他の化合物(核酸分子、脂質及び炭水化物を含むが、ただしこれらに限定されない)から分離されてあるポリペプチドを指すために本明細書では用いられる。
本明細書で用いられるように“酸性アミノ酸”は、第二の酸性部分(アミノ酸のアルファカルボン酸以外、例えば側鎖のカルボン酸又はスルホン酸)を含むアミノ酸を指す。
本明細書で用いられるように“患者”(更なる指示を含まない)という用語は、任意の温血脊椎家畜化動物(例えば家畜、ウマ、ネコ、イヌ及び他のペットを含むが、ただしこれらに限定されない)、哺乳動物及びヒトを包含することが意図される。
インスリンアナローグは以下のように略称される:
インスリンA及びB鎖は、A鎖については大文字AでB鎖については大文字Bで示され、ここで、上付き数字0(例えばA0又はB0)は基本配列がインスリン配列であること(A鎖は配列番号:1、B鎖は配列番号:2)、上付き数字1(例えばA1又はB1)は基本配列がIGF-1配列であること(A鎖は配列番号:5、B鎖は配列番号:6)を示す。天然のインスリン配列及びIGF配列から逸脱する改変は、A又はB鎖の指定に続くカッコ内に示され(例えば[B1(H5,H10,Y16,L17):A1(H8,N18,N21)])、置換を示す一文字アミノ酸略称及び対応するA又はB鎖内の置換の位置(天然のインスリン番号付けを用いる)が付随する。A鎖とB鎖の間のコロンは二鎖インスリンを示し、一方、ダッシュは共有結合(したがって単一鎖アナローグ)を示す。単一鎖アナローグでは、連結部分はA鎖とB鎖の間に含まれ、C1の表示は天然のIGF1 Cペプチド(配列番号:17)を指す。連結部分に関して“C8位”の表示は、配列番号:17の8番目のアミノ酸に対応する位置に存在するアミノ酸を指す。
本明細書で開示されるものは、インスリンペプチド及びグルカゴン関連ペプチドの複合物である。ある実施態様では、複合物は、インスリンペプチドとグルカゴン関連ペプチドとの直接的又はリンカーを介する共有結合を含む。ある実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは、インスリンA鎖又はB鎖のアミノ若しくはカルボキシ末端に共有結合により連結される。別の実施態様では、1つ又は2つのグルカゴン関連ペプチドのC-末端領域は、A鎖のA9、A14及びA15、B鎖のB1、B2、B10、B22、B28又はB29位から成る群から選択される位置のアミノ酸の側鎖、A又はB鎖のN-末端アルファアミン、B鎖のカルボキシ末端、又は単一鎖インスリンアナローグのA鎖及びB鎖を連結する連結部分の任意の位置のアミノ酸側鎖(例えばC8位を含む)から別個に選択される位置を介してインスリンペプチドに共有結合により連結される。別の実施態様では、インスリンペプチドのN-末端又はC-末端は、10、20、24、28及び29から選択される位置でグルカゴン関連ペプチドのアミノ酸の側鎖に共有結合により連結される。
ある実施態様にしたがえば、インスリンペプチドは二鎖インスリンであり、A鎖及びB鎖は互いに鎖間ジスルフィド結合を介して連結される。ある実施態様では、複合物は二鎖インスリンペプチドを含み、グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端領域はインスリンペプチドのA鎖のアミノ末端に共有結合により連結される。ある実施態様では、複合物は二鎖インスリンペプチドを含み、インスリンペプチドのA鎖又はB鎖のカルボキシ末端は、グルカゴン関連ペプチドのアミノ末端領域に共有結合により連結される。ある実施態様では、複合物は二鎖インスリンペプチドを含み、グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端は、インスリンペプチドのB鎖のアミノ末端に共有結合により連結される。ある実施態様では、複合物は二鎖インスリンペプチドを含み、インスリンペプチドのB鎖のカルボキシ末端は、グルカゴン関連ペプチドのアミノ末端に共有結合により連結される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示の複合物のインスリンペプチドは、配列番号:1のA鎖及び配列番号:2のB鎖を含む天然のインスリンであるか、又は天然のインスリンのアナローグであり、例えば配列番号:1及び配列番号:2を含む単一鎖インスリンアナローグを含む。ある実施態様では、インスリンペプチドはIGFB16B17アナローグペプチドである。本開示にしたがえば、インスリンアナローグはA鎖及びB鎖を含むポリペプチドを包含し、ここで、該インスリンアナローグは、A5、A8、A9、A10、A12、A14、A15、A17、A18、A21、B1、B2、B3、B4、B5、B9、B10、B13、B14、B17、B20、B21、B22、B23、B26、B27、B28、B29及びB30から選択される位置における1つ以上のアミノ酸置換、又はB1−4及びB26−30位のいずれか若しくは全ての欠失によって天然のインスリンと異なる。
本開示の複合物のインスリンペプチド成分は、ヒトインスリンの天然のB及びA鎖配列(それぞれ配列番号:1及び2)又はその公知のアナローグ若しくは誘導体であってヘテロ二重体として互いに連結されたときインスリンアゴニスト活性を有するものを含むことができる。そのようなアナローグには、例えばヒトインスリンのA鎖及びB鎖とは異なるA鎖及びB鎖を有するタンパク質が含まれ、前記タンパク質は、インスリンアナローグのインスリン活性が破壊されない1つ以上のアミノ酸の欠失、1つ以上のアミノ酸の置換及び/又は1つ以上のアミノ酸の挿入によってヒトインスリンと異なる。
ある実施態様では、インスリンペプチドは以下のようなインスリンアナローグである:
(a)28位のアミノ酸残基がAsp、Lys、Leu、Val又はAlaで置換され、B29位のアミノアシル残基がLys又はProである;
(b)B27、B28、B29及びB30位のいずれかのアミノ酸が欠失するか、又は非天然のアミノ酸で置換される。ある実施態様では、B28位のAspによる置換又は28位のLysによる置換及びB29位のプロリンによる置換を含むインスリンアナローグが提供される。さらに別のインスリンアナローグは以下で開示される:Chance, et al., 米国特許No.5,514,646;Chance, et al., 米国特許出願No.08/255,297;Brems, et al., Protein Engineering, 5:527-533, 1992;Brange, et al., EPO公開公報No.214,826(1987年3月18日公開);及びBrange, et al., Current Opinion in Structural Biology, 1:934-940, 1991(前記文献の開示内容は参照により明瞭に本明細書に組み入れられる)。
本明細書で開示するように、ヒトインスリンのB鎖及びA鎖又はそのアナローグ若しくは誘導体を含む単一鎖インスリンアゴニストが提供され、ここでB鎖のカルボキシ末端はA鎖のアミノ末端に連結部分を介して連結される。ある実施態様では、A鎖は、GIVEQCCTSICSLYQLENYCN(配列番号:1)、GIVDECCFRSCDLRRLEMYCA(配列番号:5)又はGIVEECCFRSCDLALLETYCA(配列番号:7)から成る群から選択されるアミノ酸配列であり、さらにB鎖は以下を含む:配列FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT(配列番号:2)、GPETLCGAELVDALYLVCGDRGFYFNKPT(配列番号:6)若しくはAYRPSETLCGGELVDTLYLVCGDRGFYFSRPA(配列番号:8)、又は前記のカルボキシ短縮配列であってB26、B27、B28、B29及びB30に対応する1つから5つのアミノ酸が欠失されてあるもの、及びこれら配列のアナローグであって、各配列が、A5、A8、A9、A10、A14、A15、A17、A18、A21、B1、B2、B3、B4、B5、B9、B10、B13、B14、B20、B22、B23、B26、B27、B28、B29及びB30から選択される天然のインスリンの位置に対応する位置(図5に示すペプチドアラインメントを参照されたい)で1つから5つのアミノ酸置換を含むように改変されるもの。ある実施態様では、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換である。インスリンの所望される活性に有害な影響を与えないこれらの位置における適切なアミノ酸置換は、例えば以下の文献に示されているように当業者には公知である:Mayer, et al., Insulin Structure and Function, Biopolymers.2007;88(5):687-713(前記文献の開示内容は参照により本明細書に組み入れられる)。
ある実施態様にしたがえば、本開示で使用されるインスリンペプチドは、R22-X25LCGX29X30LVX33X34LYLVCGX41X42GFX45(配列番号:20)のB鎖配列及びGIVX4X5CCX8X9X10CX12LX14X15LX17X18X19CX21-R13(配列番号:29)のA鎖配列を含み、式中、
X4は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であり、
X5は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X8は、ヒスチジン、スレオニン又はフェニルアラニンであり、
X9は、セリン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X10は、イソロイシン又はセリンであり、
X12は、セリン又はアスパラギン酸であり、
X14は、チロシン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X15は、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、アラニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸又はリジン、オルニチンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸又はスレオニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン、セリン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ロイシン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン及びメチオニンから成る群から選択され、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸、グルタミン及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、リジン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン、ヒスチジン、アスパラギン又はフェニルアラニンであり、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及び結合であり、R13はCOOH又はCONH2である。ある実施態様では、A鎖及びB鎖は鎖間ジスルフィド結合(天然のインスリンのA及びB鎖間で形成されるものを含む)によって互いに連結される。また別の実施態様では、A及びB鎖は直線状の単一鎖インスリンペプチドとして一緒に連結される。
X1は、スレオニン及びヒスチジンから成る群から選択され、
X2は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルフェニルアラニンであり、
X3は、アスパラギン及びグリシンから成る群から選択され、
X4は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X5は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X6は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択される。
ある実施態様にしたがえば、インスリンペプチドのA鎖が配列GIVEQCCX8X9ICSLYQLENYCX21-R13(配列番号:73)又はGIVEQCCX8SICSLYQLX17NX19CX21(配列番号:32)を含み、さらにB鎖が配列R22-X25LCGX29X30LVX33X34LYLVCGX41X42GFX45YT-Z1-B1(配列番号:142)を含む、インスリンアナローグが提供され、式中、
X8は、スレオニン及びヒスチジンから成る群から選択され、
X9は、バリン又はチロシンであり、
X17は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X19は、チロシン、4-メトキシフェニルアラニン又は4-アミノ-フェニルアラニンであり、
X21は、アスパラギン又はグリシンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45はチロシン又はフェニルアラニンであり、
R22は、FVNQ(配列番号:12)、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン及びN-末端アミンであり、
Z1は、アスパルテート-リジン、リジン-プロリン、及びプロリン-リジンから成る群から選択されるジペプチドであり、さらに
B1は、スレオニン、アラニン又はスレオニン-アルギニン-アルギニントリペプチドから成る群から選択される。
X8は、スレオニン及びヒスチジンから成る群から選択され、
X17は、グルタミン酸又はグルタミンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、X21は、アスパラギン又はグリシンであり、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択される。さらに別の実施態様では、B鎖は配列X22VNQX25LCGX29X30LVEALYLVCGERGFFYT-Z1-B1(配列番号:34)を含み、式中、
X22は、フェニルアラニン及びdesアミノ-フェニルアラニンから成る群から選択され、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
Z1は、アスパルテート-リジン、リジン-プロリン、及びプロリン-リジンから成る群から選択されるジペプチドであり、さらに
B1は、スレオニン、アラニン又はスレオニン-アルギニン-アルギニントリペプチドから成る群から選択される。
X8は、ヒスチジン又はフェニルアラニンであり、
X9及びX14は、 別個にアルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンから選択され、
X15は、アルギニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン酸又はグルタミンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン又はスレオニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X23は、アスパラギン又はグリシンであり、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、リジン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45はチロシンであり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
X8はヒスチジンであり、
X9及びX14は、別個にアルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンから選択され、
X15は、アルギニン、リジンオルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、リジン、オルニチン又はグルタミンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン又はスレオニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X23は、アスパラギン又はグリシンであり、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、リジン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン又はフェニルアラニンであり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
X9、X14及びX15は、別個にオルニチン、リジン又はアルギニンであり、
X17は、グルタミン酸又はグルタミンであり、
X19は、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X42は、アラニン、リジン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン又はフェニルアラニンであり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。ある実施態様では、B鎖は、HLCGAELVDALYLVCGDX42GFY(配列番号:39)、GPEHLCGAELVDALYLVCGDX42GFY(配列番号:40)、GPEHLCGAELVDALYLVCGDX42GFYFNPKT(配列番号:41)及びGPEHLCGAELVDALYLVCGDX42GFYFNKPT(配列番号:42)から成る群から選択され、式中、X42はオルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択される。さらに別の実施態様では、A鎖は配列GIVDECCHX9SCDLX14X15LQMYCN-R13(配列番号:43)を含み、式中、X9、X14及びX15は別個にオルニチン、リジン又はアルギニンである。
X8は、スレオニン、ヒスチジン又はフェニルアラニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X42は、アラニン、オルニチン又はアルギニンであり、
X45は、チロシン、ヒスチジン、アスパラギン又はフェニルアラニンであり、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及び結合であり、R13はCOOH又はCONH2であり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
別の実施態様では、A鎖は配列GIVEQCCHSICSLYQLENX19CX21-R13(配列番号:46)又はGIVDECCHRSCDLRRLEMX19CX21-R13(配列番号:47)を含み、さらにB鎖は配列FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT(配列番号:2)又はGPETLCGAELVDALYLVCGDRGFYFNPKT(配列番号:48)を含み、式中
X19は、チロシン、4-メトキシフェニルアラニン又は4-アミノ-フェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X26及びX27は各々アラニンであり、さらに
X42はアルギニンである。
本明細書に開示するように、連結部分を用いて、ヒトインスリンA及びB鎖又はそのアナローグ若しくは誘導体を連結することができ、ここで、B鎖のB25アミノ酸のカルボキシ末端は連結部分の第一の末端と直に連結され、連結部分の第二の末端は、介在する連結部分を介してA鎖のA1アミノ酸のアミノ末端と直に連結される。
ある実施態様にしたがえば、インスリンペプチドは、一般構造B-LM-Aを含む単一鎖インスリンアゴニストである(式中BはインスリンB鎖を表し、AはインスリンA鎖を表し、LMは、B鎖のカルボキシ末端をA鎖のアミノ末端に連結する連結部分を表す)。B鎖をA鎖に継ぎ合わせる適切な連結部分は、ヘッダー単一鎖インスリンアナローグのための連結部分並びに対応するサブヘッダー“ペプチドリンカー”及び“非ペプチドリンカー”において本明細書で開示される。ある実施態様では、連結部分は連結ペプチドを含み、より具体的には、ある実施態様ではペプチドはIGF-1 Cペプチドのアナローグである。追加される例示的ペプチドリンカーには、X51X52GSSSX57X58(配列番号:49)又はX51X52GSSSX57X58APQT(配列番号:50)が含まれ(ただし前記に限定されない)、式中、X51はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びプロリンから成る群から選択され、X52はアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はプロリンであり、さらにX57又はX58は別個にアルギニン、リジン、システイン、ホモシステイン、アセチル-フェニルアラニン又はオルニチンであり、場合によって連結部分の7又は8位(すなわちX57又はX58)のアミノ酸の側鎖に連結される親水性部分を有する。連結部分のアミノ酸の位置は、IGF-1の天然のC鎖(配列番号:17)の対応する位置を基準にして示される。別の実施態様では、ペプチド連結部分は連続する29アミノ酸配列を含み、前記配列は、SSSSX50APPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQX51(配列番号:68)と70%、80%、90%を超える配列同一性を有する(式中X50及びX51は別個にアルギニン及びリジンから選択される)。ある実施態様では、連結部分は非ペプチドリンカーであり、前記は、長さが約8−16アミノ酸配列の比較的短い二官能性非ペプチドポリマーを含む。ある実施態様では、非ペプチドリンカーは下記構造を有し、
X4は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であり、
X5は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X8は、ヒスチジン又はフェニルアラニンであり、
X9及びX14は、 別個にアルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンから成る群から選択され、
X10は、イソロイシン又はセリンであり、
X12は、セリン又はアスパラギン酸であり、
X14は、チロシン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X15は、アルギニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン酸又はグルタミンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン又はスレオニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X25は、ヒスチジン及びスレオニンから成る群から選択され、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、リジン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN-末端アミンから成る群から選択され、さらに
R13はCOOH又はCONH2であり、さらにここで、X45と指示されるアミノ酸は連結部分LMに直に結合される(すなわち、本明細書で用いられるIB-LM-IAの指示は、B鎖カルボキシ末端及びA鎖アミノ末端がさらに別のアミノ酸を全く介在させずに直に連結されることを表わすことを意図する)。
X8は、ヒスチジン又はフェニルアラニンであり、
X9は、アルギニン、オルニチン又はアラニンであり、
X14及びX15はともにアルギニンであり、
X17はグルタミン酸であり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノフェニルアラニンであり、
X21は、アラニン又はアスパラギンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、
R13はCOOHである。
ペプチドリンカー
ある実施態様にしたがえば、連結部分は、6−18、8−18、8−17、8−12、8−10、13−17又は13−15アミノ酸(又はアミノ酸アナローグ若しくはその誘導体)のペプチド又はペプチド模倣体である。ある実施態様では、連結部分は、該ペプチド連結部分が2つ以上の隣接する塩基性アミノ酸残基を含む、6−18、8−18、8−17、8−12、8−10、13−17又は13−15アミノ酸のペプチド又はペプチド模倣体である。ある実施態様にしたがえば、連結部分は、配列X51X52X53X54X55X56X57X58(配列番号:9)を含む、8から17の非天然アミノ酸配列であり、式中、X51、X52、X53、X54、X55及びX56は、別個に任意のアミノ酸又はアミノ酸アナローグ若しくはその誘導体であり、X57及びX58は塩基性アミノ酸である。ある実施態様では、連結部分は、配列X51X52X53X54X55X56RR(配列番号:10)を含む、長さが8から17アミノ酸の非天然ポリペプチドであり、式中、X52は非芳香族アミノ酸である(例えばアラニンを含む)。ある実施態様では、連結部分は長さが8から17のアミノ酸であり、さらに配列X51X52GSSSRR(配列番号:53)を含み、式中、X51はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン及びメチオニンから成る群から選択され、X52は非芳香族アミノ酸である(例えばアラニンを含む)。ある実施態様では、連結部分は長さが8から17のアミノ酸であり、ただ1つのアミノ酸置換によってX51X52GSSSRR(配列番号:53)と異なる配列を含み、ここで、該アミノ酸置換はその側鎖でPEG化されるアミノ酸であり、さらに式中、X51はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン及びメチオニンから成る群から選択され、X52は非芳香族アミノ酸である(例えばアラニンを含む)。
ある実施態様では、CTPペプチドは配列SSSSX50APPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQX51(配列番号:58)を含み、式中、X50及びX51は別個にアルギニン及びリジンから選択される。別の実施態様では、CTPペプチドは、SSSSRAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQK(配列番号:51)、SSSSKAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQR(配列番号:52)又はSSSSRAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQ(配列番号:67)から成る群から選択される配列を含み、さらに別の実施態様では、CTPペプチドは配列SSSSRAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQK(配列番号:53)を含む。
in vivoでの初期タンパク質生成時には、グリコシル化部位を含むインスリンアナローグは、翻訳後改変として公知の更なるプロセッシングに付され、ここで糖(グリコシル)残基がグリコシル化として公知のプロセスで付加され得る。生成されたタンパク質(共有結合により連結されたオリゴ糖側鎖を保持する)は、グリコシル化タンパク質又は糖タンパク質として知られている。したがって、グリコシル化部位を保持するタンパク質は必ずしもグリコシル化されるわけではない。ある実施態様にしたがえば、真核細胞発現系で発現されたとき高グリコシル化され易いペプチド配列を含むように改変されてあるインスリンアゴニストアナローグが提供される。
非天然及び天然のグリコシル化配列は当業者に公知であり、N-結合グリコシル化部位及びO-結合グリコシル化部位が含まれる。N-結合グリコシル化部位は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識部位として有用なペプチド配列である。O-結合グリコシル化のためのトリペプチド配列には、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン(Xはプロリン以外の任意のアミノ酸)が含まれる。したがって、ポリペプチド中のこれらトリペプチド配列の存在は潜在的なグリコシル化部位を生じさせる。O-結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸(もっとも一般的にはセリン又はスレオニンであるが5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシルセリンもまた用いることができる)への炭水化物の酵素的結合のための認識部位として有用なペプチド配列である。ある実施態様では、O-結合グリコシル化糖はN-アセチルガラクトサミン、ガラクトース又はキシロースである。多数のO-結合グリコシル化部位が当業界で公知であり、文献に報告されている(例えば以下を参照されたい:Ten Hagen et al.(11029) J.Biol.Chem.274(39):27867-74;Hanisch et al.(2001) Glycobiology 11:731-740;及びTen Hagen et al.(2003) Glycobiology 13:1R-16R。
ある実施態様にしたがえば、A鎖及びB鎖並びにCTPペプチドを含むインスリンアナローグが提供され、ここで、CTPペプチドは配列番号:52と少なくとも60、70、80、85、90または95%の配列同一性を有するペプチドである。ある実施態様では、CTPペプチドは、配列番号:52の18から29アミノ酸の領域と少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96又は98%の配列同一性を共有する18から29アミノ酸の配列を含むペプチドである。ある実施態様では、CTPペプチドは配列番号:52のアナローグを含み、ここで、前記アナローグは、1つ、1つから2つ、3つから4つ、4つから6つ又は8つまでのアミノ酸置換によって配列番号:52と異なる。ある実施態様では、該アミノ酸置換は、配列番号:52の1−4、7−15,18、20、21、24及び27から選択される1つ以上の位置に存在する。ある実施態様では、アミノ酸置換は配列番号:52の1、2、3、4、10、13、15及び21から選択される1つ以上の位置に存在する。ある実施態様では、アミノ酸置換は配列番号:52の7、8、9、12、14、18、20、24及び27から選択される1つ以上の位置に存在する。ある実施態様では、CTPペプチドは、1つから2つのアミノ酸置換によって配列番号:68と異なる29アミノ酸の配列を含む。さらに別の実施態様では、CTPペプチドは配列番号:52のフラグメントを含み、前記フラグメントは、配列番号:52に含まれるアミノ酸配列と同一の連続する18から28アミノ酸の配列を表す。ある実施態様では、CTPペプチドは、配列番号:68、配列番号:52又は配列番号:51から成る。
ある実施態様では、連結部分は比較的短い二官能性非ペプチドポリマーリンカーで、前記リンカーは長さがほぼ8−16アミノ酸の配列である。ある実施態様にしたがえば、非ペプチド連結部分は、約4から20、8から18、8から16、8から14、10から14、10から12、又は11から13モノマーのポリエチレングリコールリンカーである。ある実施態様では、天然のB鎖の最後の5つのカルボキシアミノ酸が欠失し、さらにアミノ酸B25が介在する結合によって連結部分に直に連結される、単一鎖インスリンアゴニストが提供される。連結部分の第二の末端はA鎖のアミノ酸A1に直に結合され、したがって該連結部分を介してB及びA鎖は連結される。ある実施態様では、連結部分は、少なくとも10のただし16を超えないモノマーユニットを含む線状ポリエチレングリコール連結部分であり、別の実施態様では、ポリエチレングリコール連結部分は、少なくとも12のただし16を超えないモノマーユニットを含み、さらに別の実施態様では、ポリエチレングリコール連結部分は少なくとも10のただし14を超えないモノマーユニットを含む。
ある実施態様では、天然のB鎖の最後の5つのカルボキシアミノ酸が欠失し、さらにアミノ酸B25が、少なくとも8のただし16を超えないモノマーユニットのポリエチレングリコール及び1つから4つのアミノ酸のアミノ酸配列を含む連結部分を介してA鎖のアミノ酸A1に連結される、単一鎖インスリンアゴニストが提供される。ある実施態様にしたがえば、連結部分は、1−4アミノ酸の配列及び前記1−4アミノ酸配列に結合される長さが少なくとも8のただし14未満のモノマーユニットの線状ポリエチレングリコールを含むが、ただし該アミノ酸配列がYTPK(配列番号:70)又はFNKP(配列番号:71)ではないことを条件とする。別の実施態様では、天然のB鎖の最後の5つのカルボキシアミノ酸が欠失し、さらにアミノ酸B25が、少なくとも8つのただし14未満のモノマーユニットのポリエチレングリコール及び2−5アミノ酸の配列を含む連結部分を介してA鎖のアミノ酸A1に連結される、単一鎖インスリンアゴニストが提供される。該2−5アミノ酸の配列は、B鎖とポリエチレングリコール鎖との間、又はA鎖とポリエチレングリコール鎖との間に位置し得る。しかしながら、2−5アミノ酸の配列がB鎖とポリエチレングリコール鎖との間に位置するとき、該アミノ酸配列はYTPKT(配列番号:16)又はFNKPT(配列番号:76)ではない。
a)6−16モノマーユニットのポリエチレングリコール;
b)長さが少なくとも8アミノ酸さらに17アミノ酸を超えない非天然アミノ酸配列;又は
c)前記ポリエチレングリコール及び1から4アミノ酸の非天然アミノ酸配列の組み合わせ。
出願人らは、親水性部分と本明細書に開示するインスリン単一鎖アナローグとの共有結合は、より遅い開始、延長された持続時間を有するアナローグを提供し、基礎的活性プロフィールを示すことを見出した。ある実施態様では、本明細書に開示するインスリンペプチドは、A鎖のA9、A14及びA15から成る群から選択される位置のアミノ酸の側鎖、又はB鎖のN-末端アルファアミン(例えばインスリン系B鎖のB1位又はIGF-1系B鎖のB2位)、又はB鎖のB1、B2、B10、B22、B28又はB29位のアミノ酸の側鎖、又はA鎖及びB鎖を連結する連結部分の任意の位置で共有結合により連結される親水性部分を含むようにさらに改変される。例示的実施態様では、この親水性部分は、これらの位置のいずれかのLys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル-フェニルアラニンに共有結合により連結される。ある実施態様では、親水性部分は連結部分のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結される。
ある実施態様では、親水性部分としてデキストランが用いられる。デキストランは、もっぱらα1-6結合によって連結されたグルコースサブユニットの多糖類ポリマーである。デキストランは、多くの分子量範囲(例えば約1kDから約100kD、又は約5、10、15若しくは20kDから約20、30、40、50、60、70、80若しくは90kD)で入手できる。
直鎖又は分枝ポリマーが意図される。結果として得られる複合物の調製物は本質的に単分散又は多分散であり、ペプチド当たり約0.5、0.7、1、1,2、1.5又は2ポリマーを有し得る。
いくつかの実施態様では、インスリンアナローグはアシル基を含むように改変される。アシル基は、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸と直に、又はグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸とスペーサーを介して間接的に共有結合により連結され得る。ここで該スペーサーは、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸とアシル基との間に配置される。グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は、親水性部分が連結される同じアミノ酸の位置で、又は異なるアミノ酸の位置でアシル化することができる。例えば、アシル化は、A鎖又はB鎖のアミノ酸のいずれか或いは連結部分内の位置を含む任意の位置で生じ得るが、ただしアシル化されていないグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物によって示される活性がアシル化に際しても維持されることを条件とする。非限定的な例には、A鎖のA14及びA15位、インスリン系B鎖ではB1位若しくはIGF-1系B鎖ではB2位、又はB鎖のB10、B22、B28若しくはB29、又は連結部分の任意の位置が含まれる。
いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミン、ヒドロキシル又はチオール基はコレステロール酸でアシル化される。具体的な実施態様では、ペプチドは、アルキル化デスアミノCysスペーサー(すなわちアルキル化3-メルカプトプロピオン酸スペーサー)を介してコレステロール酸に連結される。アミン、ヒドロキシル及びチオールを介するペプチドアシル化の適切な方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Miller, Biochem Biophys Res Commun 218: 377-382, 1996;Shimohigashi and Stammer, Int J Pept Protein Res 19: 54-62, 1982;及びPreviero et al., Biochim Biophys Acta 263: 7-13, 1972(ヒドロキシル介するアシル化の方法);並びにSan and Silvius, J Pept Res 66: 169-180, 2005(チオールを介するアシル化の方法);Bioconjugate Chem.“Chemical Modifications of Proteins: History and Applications”pp.2-12, 1990;Hashimoto et al., Pharmacuetical Res.“Synthesis of Palmitoyl Derivatives of Insulin and their Biological Activity”Vol.6, No:2 pp.171-176, 1989。
グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアシル化ペプチドのアシル基は任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖が可能であり、直鎖状でも分枝状でもよい。本発明のいくつかの具体的な実施態様では、アシル基はC4からC30脂肪酸である。例えばアシル基はC4脂肪酸、C6脂肪酸、C8脂肪酸、C10脂肪酸、C12脂肪酸、C14脂肪酸、C16脂肪酸、C18脂肪酸、C20脂肪酸、C22脂肪酸、C24脂肪酸、C26脂肪酸、C28脂肪酸又はC30脂肪酸のいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アシル基はC8からC20脂肪酸、例えばC14脂肪酸又はC16脂肪酸である。
また別の実施態様では、アシル基は胆汁酸である。胆汁酸は任意の適切な胆汁酸でよい。前記にはコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びコレステロール酸が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物はアルキル基を含むように改変される。アルキル基は、インスリンアナローグのアミノ酸に直接的に、又はグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸にスペーサーを介して間接的に共有結合により連結でき、該スペーサーはグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸とアルキル基との間に配置される。アルキル基は、エーテル、チオエーテル又はアミノ結合を介してグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物に付加できる。例えば、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は、親水性部分が連結される同じアミノ酸の位置で、又は異なるアミノ酸の位置でアルキル化できる。アルキル化はグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物内の任意の位置で実施でき、前記には例えばB鎖のC-末端領域又は連結部分内の位置が含まれるが、ただしインスリン活性が維持されることを条件とする。本発明の具体的な特徴では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は、当該グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル又はチオールの直接的アルキル化によりアルキル基を含むように改変される。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は、アミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを介して直接的にアルキル化される。本発明のいくつかの具体的な実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物の直接的アルキル化は、A14、A15、B1位(インスリン系B鎖について)、B2位(IGF-1系B鎖について)、B10、B22、B28又はB29位(天然インスリンのA及びB鎖の番号付けによる)のアミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを介して生じる。
いくつかの例示的実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は改変され、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化によってアルキル基を含み、前記スペーサーは、A14、A15、B1位(インスリン系B鎖について)、B2位(IGF-1系B鎖について)、B10、B22、B28又はB29位(天然のインスリンのA及びB鎖の番号付けによる)のアミノ酸の側鎖に付加される。スペーサーが付加されるグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する部分を含む任意のアミノ酸(例えばα-一置換アミノ酸又はα,α-二置換アミノ酸)であり得る。側鎖-NH2、-OH又は-COOHを含むグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のアミノ酸(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適切である。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のペプチドとアルキル基との間のスペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸、又は側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。
いくつかの実施態様では、スペーサーは親水性二官能性スペーサーを含む。具体的な実施態様では、スペーサーはアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。これに関して、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができる。式中、mは1から6の任意の整数で、nは2から12の任意の整数であり、スペーサーは例えば8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸で、前記は、ペプチドインターナショナルズ社(Louisville, KY)から市場で入手できる。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物とアルキル基との間のスペーサーは親水性二官能性スペーサーである。ある種の実施態様では、親水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基(例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組み合わせ)を含む。ある種の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはチオール基及びカルボキシレートを含む。
ある実施態様にしたがえば、二官能性スペーサーは合成又は自然には生じないアミノ酸であり、長さが3から10原子のアミノ酸骨格を含む(例えば6-アミノヘキサン酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸及び8-アミノオクタン酸)。また別には、スペーサーは、長さが3から10原子(例えば6から10原子)のペプチド骨格を有するジペプチド又はトリペプチドであり得る。グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物に付加されるジペプチド又はトリペプチドは、自然に生じるアミノ酸及び/又は自然には生じないアミノ酸を含むことができ、前記には例えば本明細書に教示するアミノ酸のいずれかが含まれる。いくつかの実施態様では、スペーサーは全体的に陰性荷電を含み、例えば1つ又は2つの陰性荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、ジペプチドスペーサーは、Ala-Ala、β-Ala- β-Ala、Leu-Leu、Pro-Pro、γアミノ酪酸-γ-アミノ酪酸、及びγ-Glu-γ-Gluから成る群から選択される。ある実施態様では、ジペプチドスペーサーはγ-Glu-γ-Gluである。
いくつかの具体的な実施態様では、アルキル基は、胆汁酸のステロイド部分、例えばコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びコレステロール酸を含む。
長鎖アルカンがグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物又はスペーサーによってアルキル化されるとき、該長鎖アルカンは任意のサイズでよく、任意の長さの炭素鎖を含むことができる。長鎖アルカンは直鎖状でも分枝状でもよい。ある種の特徴では、長鎖アルカンはC4からC30アルカンである。例えば長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン又はC30アルカンのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、長鎖アルカンはC8からC20アルカン、例えばC14アルカン、C16アルカン又はC18アルカンを含む。
さらにまた、いくつかの実施態様では、アルキル化はインスリンアナローグとコレステロール部分との間で生じ得る。例えば、コレステロールのヒドロキシル基は長鎖アルカンの脱離基を追い出してコレステロール-インスリンペプチド生成物を形成する。
また別には、本明細書に記載のインスリン/インクレチン複合物はデポー形型に改変でき、したがって本開示の複合物が投与された体内に本開示の複合物が放出される態様を時間及び体内の位置分布について制御することができる(例えば米国特許4,450,150号を参照されたい)。本開示の複合物のデポー形は、例えば本開示の複合物及び多孔性又は無孔性物質(例えばポリマー)を含む移植可能な組成物であり、ここで、本開示の複合物は、当該物質によって被包化されるか若しくは当該物質全体に拡散されるか、及び/又は当該無孔物質の分解によって拡散される。デポーは体内の所望の位置に移植され、本開示の複合物は該移植物から予め定められた速度で放出される。
また別には、大きなデポーポリマーを、本明細書に記載の複合物に共有結合させた自己切断ジペプチド成分に連結することができる。この実施態様では、該デポーポリマーは、当該グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物がその後非酵素的反応を介して予め定めた速度で単一鎖アナローグから切断されるまで当該グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物をその投与部位に効果的に隔離する。自己切断ジペプチドを用いるインスリンアナローグのデポー処方物は公開国際出現WO2010/080607に記載されている(前記文献の開示内容は本明細書に含まれる)。ある実施態様では、ジペプチドプロドラッグ成分を含むグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物が提供され、ここで、該ジペプチドプロドラッグ成分は大きなポリマー(例えばPEG又はデキストラン)に連結される。ある実施態様では、大きなデポーポリマー(例えばPEGを含む)を含む自己切断ジペプチド成分は、連結部分のアミノ酸(例えば連結部分のC8位のアミノ酸を含む)の側鎖に連結される。
ある実施態様にしたがえば、ジペプチドプロドラッグ成分は下記式Xの一般構造を含み:
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環)、(C0-C4 アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR4及びR3は、それらが付加される原子と一緒になって4、5又は6員複素環式環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2は、それらが付加される原子と一緒になって4、5又は6員複素環式環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。ある実施態様では、プロドラッグ成分がグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物のN-末端アミンに連結され、さらにR4及びR3が、それらが付加される原子と一緒になって4、5又は6員複素環式環を形成するとき、R1及びR2の少なくとも1つはH以外である。
出願人らは、グルカゴン、GLP1及びGIP受容体で改変された活性を有するグルカゴンのアナローグを見出した。これらのアナローグはいずれもグルカゴン関連ペプチドとして用いることができる。より具体的には、グルカゴン関連ペプチドは、本明細書に記載するクラス1、クラス2又はクラス3グルカゴンペプチドのいずれでもよい。
クラス1グルカゴン関連ペプチド:
ある種の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドはクラス1グルカゴン関連ペプチドであり、前記ペプチドは、本明細書、並びに国際特許出願PCT US2009/47437(2009年6月16日出願)及び国際特許出願公開公報WO2008/086086(2008年7月17日公開)に記載されている(前記文献の内容は参照によりその全体が組み入れられる)。
クラス1グルカゴン関連ペプチドに関して以下の節で述べる生物学的配列(配列番号:801−915)は国際特許出願PCT US2009/47437の配列番号:1−115に対応する。
活性
クラス1グルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴンペプチド(配列番号:801)に相対するグルカゴン受容体活性を維持する。例えば、グルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴンの活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%活性、80%活性、85%活性又は90%活性を維持する(例えば実施例7に一般的に記載したアッセイを用いてcAMP生成により測定されるグルカゴン関連ペプチド対グルカゴンのEC50の逆非として算出される)。いくつかの実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴンより同じか又は高い活性(本明細書の“効能”という用語と同義語として用いられる)を有する。いくつかの実施態様では、本明細書に記載するグルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴンペプチドの活性の約100%、1000%、10,000%、100,000%、又は1,000,000%を超えない活性を示す。
天然のグルカゴンは水溶液中で、特に生理学的pHでは貧弱な溶解性を示し、時間の経過で凝集及び沈殿する傾向がある。対照的に、いくつかの実施態様でクラス1グルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴンと比較して、6から8又は6から9のpHで(例えばpH7で25℃、24時間後に)少なくとも2倍、5倍又はさらに高い溶解性すら示す。
したがって、いくつかの実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu- Met-Asn-Thr(配列番号:801)の野生型ペプチドに対して改変されて、特に約5.5から約8.0の範囲のpHの水溶液で当該ペプチドの溶解性が改善されるが、天然のペプチドの生物学的活性は維持される。
例えば、本明細書に記載するいずれのクラス1グルカゴン関連ペプチドの溶解性も当該ペプチドに親水性部分を付加することによってさらに改善することができる。そのような基の導入はまた作用の持続時間を増加させる(例えば循環中の半減期の延長によって測定される)。親水性部分は本明細書でさらにまた記載される。
いくつかの実施態様では、溶解性はクラス1グルカゴン関連ペプチドに電荷を加えることによって改善される。前記は、天然の非荷電アミノ酸を荷電アミノ酸(リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択される)で置換することによって、又は荷電アミノ酸を当該ペプチドのアミノ若しくはカルボキシ末端に加えることによってに実施される。
いくつかの実施態様にしたがえば、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、当該ペプチドのC-末端部分に、さらにいくつかの実施態様では配列番号:801のC-末端の位置から27位に荷電アミノ酸を導入するアミノ酸置換及び/又はアミノ酸付加によってペプチドが改変されるという事実にしたがって溶解性が改善された。場合によって、1つ、2つ又は3つの荷電アミノ酸をC-末端部分に、さらにいくつかの実施態様ではC-末端から27位に導入できる。いくつかの実施態様にしたがえば、28位及び/又は29位の天然のアミノ酸が荷電アミノ酸で置換され、及び/又は1つから3つの荷電アミノ酸が、当該ペプチドのC-末端、例えば27、28又は29位の後に加えられる。例示的実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てが陰性荷電である。他の実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てが陽性荷電である。
ある例示的実施態様にしたがえば、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:811、又は天然のグルカゴンと対比して1つから3つのさらに別のアミノ酸改変(本明細書でグルカゴンアゴニストに関連して記載される)を含む配列番号:811のアナローグ、又は前記のグルカゴンアゴニストアナローグを含む。配列番号:811は改変されたクラス1グルカゴン関連ペプチドを表し、前記ペプチドでは天然のタンパク質の28位のアスパラギン残基がアスパラギン酸で置換されてある。別の例示的実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは配列番号:838のアミノ酸配列を含み、前記配列では天然のタンパク質の28位のアスパラギン残基はグルタミン酸で置換されてある。他の例示的実施態様は、配列番号: 824、825、826、833、835、836及び837のクラス1グルカゴン関連ペプチドを含む。
クラス1グルカゴン関連ペプチドのいずれも安定性の改善及び/又は分解の減少をさらにまた示すことができ、例えば25℃で24時間後に元のペプチドの少なくとも95%が維持される。クラス1グルカゴン関連ペプチドは、その医薬的特性を変化させるさらに別の改変を含むことができる(例えば効能の増加、循環半減期の延長、半減期の増加、沈殿又は凝集の減少、及び/又は分解の減少(例えば貯蔵後の切断又は化学的変化の減少))。
さらに別の例示的実施態様では、前述のクラス1グルカゴン関連ペプチドのいずれもさらに改変して安定性を改善できる。前記は、配列番号:801の15位のアミノ酸を改変して、時間経過時におけるペプチドの分解を特に酸性又はアルカリ性緩衝液で減少させることによる。例示的実施態様では、15位のAspがGlu、ホモGlu、システイン酸又はホモシステイン酸で置換される。
また別に、本明細書に記載するクラス1グルカゴン関連ペプチドのいずれも、配列番号:801の16位のアミノ酸を改変することによりさらに改変されて安定性を改善できる。例示的実施態様では、16位のSerは、Thr若しくはAIBで、又はグルカゴン受容体での効能を強化するクラス1グルカゴン関連ペプチドに関して本明細書に記載する任意のアミノ酸置換で置換される。そのような改変は、Asp15-Ser16間のペプチド結合の切断を減少させる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するクラス1グルカゴン関連ペプチドのいずれもさらに改変して、多様なアミノ酸の位置における分解を減少させることができる。前記は、20、21、24又は27位の1つ、2つ、3つ又は全てのいずれかの改変によって実施される。例示的実施態様は、20位のGlnのSer、Thr、Ala又はAIBによる置換、21位のAspのGluによる置換、24位のGlnのAla又はAIBによる置換、27位のMetのLeu又はNleによる置換を含む。メチオニンの除去又は置換はメチオニンの酸化による分解を減少させる。Gln又はAsnの除去又は置換はGln又はAsnの脱アミド化による分解を減少させる。Aspの除去又は置換は、Aspが脱水されて環状スクシンイミド中間体を形成しその後に続くイソアスパルテートへの異性化を介して生じる分解を減少させる。
別の実施態様にしたがえば、グルカゴン受容体で強化された効能を有するクラス1グルカゴン関連ペプチドが提供され、ここで、前記ペプチドは天然のグルカゴン(配列番号:801)の16位にアミノ酸改変を含む。非限定的な例によれば、そのような強化された効能は、自然に生じる16位のセリンの以下による置換によって提供できる:グルタミン酸;又は別の4原子の長さの側鎖を有する陰性荷電アミノ酸;又別にはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸、又は少なくとも1つのヘテロ原子(例えばN、O、S、P)を含む側鎖を有しかつ約4(又は3−5)原子の長さの側鎖を有する荷電アミノ酸。16位のセリンのグルタミン酸による置換は、グルカゴン受容体で少なくとも2倍、4倍、5倍及び10倍まで高くグルカゴン活性を強化する。いくつかの実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体と対比してグルカゴン受容体に対する選択性を、少なくとも5倍、10倍又は15倍の選択性を維持する。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示するクラス1グルカゴン関連ペプチドはさらに1又は2位で改変されて、ジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対する感受性が減少する。より具体的には、いくつかの実施態様で、クラス1グルカゴン関連ペプチドの1及び/又は2位は、本明細書に記載するDPP-IV耐性アミノ酸で置換される。いくつかの実施態様では、該アナローグペプチドの2位はアミノイソ酪酸で置換される。いくつかの実施態様では、アナローグペプチドの2位は、D-セリン、D-アラニン、グリシン、N-メチルセリン及びε-アミノ酪酸から成る群から選択されるアミノ酸で置換される。別の実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドの2位は、D-セリン、グリシン及びアミノイソ酪酸から成る群から選択されるアミノ酸で置換される。いくつかの実施態様では、2位のアミノ酸はD-セリンではない。
グルカゴン関連ペプチドの1及び/又は2位のアミノ酸の改変時におけるグルカゴン活性の減少は、当該グルカゴン関連ペプチドのC-末端部分(アミノ酸12−29周辺)におけるアルファヘリックス構造の安定化によって回復させることができる。アルファヘリックス構造は、本明細書でさらに記載するように、例えば共有結合的又は非共有結合的分子内橋(例えば“i”及び“i+4”位(iは12から25の整数)のアミノ酸の側鎖間のラクタム架橋)の形成、12−29位周辺のアミノ酸のアルファヘリックス安定化アミノ酸(例えば、α,α-二置換アミノ酸)による置換及び/又は挿入によって安定化させることができる。
グルカゴン受容体活性は、3位(野生型グルカゴンのアミノ酸番号付けによる)のアミノ酸改変によって減少させることができる。前記改変は、例えば自然に生じる3位のグルタミンの酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸による置換である。例えば、グルタミン酸、オルニチン又はノルロイシンによる3位の置換は、グルカゴン受容体活性を実質的に減少させ又は破壊する。
該グルカゴン受容体における活性の維持又は強化は、本明細書に記載するように3位のGlnのグルタミンアナローグによる改変によって達成できる。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号:863、配列番号:869、配列番号:870、配列番号:871、配列番号:872、配列番号:873及び配列番号:874のアミノ酸配列を含むことができる。
GLP-1受容体における活性の強化は、C-末端アミノ酸のカルボン酸を中性荷電基(例えばアミド又はエステル)で取り替えることによって提供される。逆に、当該ペプチドのC-末端における天然のカルボン酸の維持は、クラス1グルカゴン関連ペプチドのグルカゴン受容体に対する選択性をGLP-1受容体に対するよりも相対的に高く維持する(例えば5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20倍)。
溶解性及び/又は安定性及び/又はグルカゴン活性をさらにまた増加させる、さらに別の改変をクラス1グルカゴン関連ペプチドに対して実施できる。クラス1グルカゴン関連ペプチドは、実質的に溶解性又は安定性に影響せず、かつ実質的にグルカゴン活性を低下させずにまた別の他の改変を含むことができる。例示的実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴン配列と対比して合計11まで、又は12まで、又は13まで、又は14までのアミノ酸改変を含むことができる。例えば、保存的若しくは非保存的置換、付加又は欠失を2、5、7、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位のいずれかで実施できる。
クラス1グルカゴン関連ペプチドの例示的改変には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):
(a)非保存的置換、保存的置換、付加又は欠失であるが少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性は維持される、例えば2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上における保存的置換、10位のTyrのVal又はPheによる置換、12位のLysのArgによる置換、これらの位置の1つ以上のAlaによる置換;
(b)29及び/又は28位、さらに場合によって27位のアミノ酸の欠失であるが、少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性は維持される;
(c)15位のアスパラギン酸の、例えばグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸による置換による改変(前記は分解を減少させる)、又は16位のセリンの、例えばスレオニン、AIB、グルタミン酸、又は別の陰性荷電アミノ酸で4原子の長さの側鎖を有するもの、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸(前記は同様にAsp-Ser16結合の切断による分解を減少させることができる)による置換による改変;
(d)親水性部分、例えば水溶性ポリマーポリエチレングリコールの、例えば本明細書に記載するように、例えば16、17、20、21、24、29、40位又はC-末端アミノ酸への付加(前記は溶解性及び/又は半減期を高める);
(e)27位のメチオニンの、例えばロイシン又はノルロイシンの置換による改変であり、酸化的分解を減少させる;
(f)20位又は24位のGlnの、例えばSer、Thr、Ala又はAIBによる置換による改変であり、Glnの脱アミド化により生じる分解を減少させる;
(g)21位のAspの、例えばGluによる置換による改変であり、Aspの脱水による環状スクシンイミド中間体の形成とその後のイソアスパルテートの異性化により生じる分解を減少させる;
(h)本明細書に記載の1又は2位の改変であり、DPP-IV切断に対する耐性を改善し、前記改変は、場合によって“i”及び“i+4”位(iは12から25の整数、例えば12、16、20、24)の間の分子内橋(例えばラクタム架橋)と組み合わされる;
(i)本明細書に記載のアシル化又はアルキル化(前記はグルカゴン受容体及び/又はGLP-1受容体での活性を高め、循環中の半減期を延長し、及び/又は作用の持続時間を引き延ばし、及び/又は作用の開始を先送りすることができる)、前記改変は場合によって、親水性部分の付加と組み合わされ、場合によって前記に追加して或いは前記とは別にGLP-1ペプチドでの活性を選択的に減少させる改変と組み合わされ、前記は例えば7位のThrの改変(例えば7位のThrのヒドロキシル基を欠くアミノ酸(例えばAbuまたはIle)による置換)である;C-末端から27位のアミノ酸のアミノ酸欠失(例えば28位及び29位の一方又は双方の欠失により長さが27アミノ酸又は28アミノ酸のペプチドを生じる);
(j)本明細書に記載のC-末端の延長;
(k)本明細書に記載のホモダイマー化又はヘテロダイマー化、及び(a)から(k)の組み合わせ。
28位のAsnの荷電アミノ酸による置換、
28位のAsnのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
28位におけるAsn、Asp又はGluによる置換、
28位におけるAspによる置換、
28位におけるGluによる置換、
29位のThrの荷電アミノ酸による置換、
29位のThrのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
29位におけるAsp、Glu又はLysによる置換、
29位におけるGluによる置換、
29位の後に1から3つの荷電アミノ酸の挿入、
29位の後にGlu又はLysの挿入、
29位の後にGly-Lys又はLys-Lysの挿入、
又は前記の組み合わせであり、
ここでグループBは、
15位のAspのGluによる置換、
16位のSerのThr又はAIBによる置換であり、
さらにここでグループCは、
1位のHisのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対するグルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
2位のSerのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対するグルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
12位のLysのArgによる置換、
20位のGlnのSer、Thr、Ala又はAIBによる置換、
21位のAspのGluによる置換、
24位のGlnのSer、Thr、Ala又はAIBによる置換、
27位のMetのLeu又はNleによる置換、
27−29位のアミノ酸の欠失、
28−29位のアミノ酸の欠失、
29位のアミノ酸の欠失、
又は前記の組み合わせである。
例示的実施態様では、12位のLysはArgにより置換される。他の例示的実施態様では、29及び/又は28位、及び場合によって27位のアミノ酸は欠失される。
いくつかの実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、1から3つのアミノ酸改変を有する、アミノ酸配列X1-X2-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Z(配列番号:839)を含み、式中、
X1及び/又はX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる(又は耐性を増加させる)非天然アミノ酸であり、Zは、-COOH(自然に生じるC-末端カルボキシレート)、-Asn-COOH、Asn-Thr-COOH、及びY-COOH(Yは1つから2つのアミノ酸)から成る群から選択され、さらに分子内橋(好ましくは共有結合)がi位のアミノ酸の側鎖とi+4位のアミノ酸を接続する(iは12、16、20又は24)。
他の実施態様では、クラス1グルカゴン関連ペプチドは、アミノ酸配列X1-X2-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Z(配列番号:839)を含み、式中、
X1及び/又はX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる(又は耐性を増加させる)非天然アミノ酸であり、ここでグルカゴン関連ペプチドの16、20、21及び24位の1つ、2つ、3つ又は4つ以上はα,α二置換アミノ酸で置換され、Zは、-COOH(自然に生じるC-末端カルボキシレート)、-Asn-COOH、Asn-Thr-COOH、及びY-COOH(Yは1つから2つのアミノ酸)から成る群から選択される。
クラス1グルカゴンアゴニストに関して上記に記載の改変(グルカゴン受容体活性を高め、部分的なグルカゴン受容体活性を維持し、溶解性を改善し、安定性を高め又は分解を減少させる)のいずれも、クラス1グルカゴン関連ペプチドに個々に又は組み合わせて適用することができる。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:801の天然のグルカゴンペプチドは、28及び/又は29位の天然のアミノ酸の陰性荷電アミノ酸(例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸)による置換、及び場合によって陰性荷電アミノ酸(例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸)の当該ペプチドのカルボキシ末端への付加によって改変される。また別の実施態様では、配列番号:801の天然のグルカゴンペプチドは、29位の天然のアミノ酸の陽性荷電アミノ酸(例えばリジン、アルギニン又はヒスチジン)による置換、及び場合によって1つ又は2つの陽性荷電アミノ酸(例えばリジン、アルギニン又はヒスチジン)の当該ペプチドのカルボキシ末端への付加によって改変される。いくつかの実施態様にしたがえば、溶解性及び安定性が改善されたグルカゴンアナローグが提供され、ここで当該アナローグは配列番号:834のアミノ酸を含むが、ただし28又は29位の少なくとも1つのアミノ酸は酸性アミノ酸で置換されるか、及び/又は追加の酸性アミノ酸は配列番号:834のカルボキシ末端に付加される。いくつかの実施態様では、酸性アミノ酸は、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から別個に選択される。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:833のアミノ酸配列を含む、溶解性及び安定差異が改善されたグルカゴンアゴニストが提供され、ここで、27、28又は29位のアミノ酸の少なくとも1つは非天然アミノ酸残基で置換される(すなわち、該アナローグの27、28又は29位に存在する少なくとも1つのアミノ酸は、配列番号:801の対応する位置に存在するアミノ酸とは異なる酸性アミノ酸である)。いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:833の配列を含むグルカゴンアゴニストが提供されるが、ただし28位のアミノ酸がアスパラギンで29位のアミノ酸がスレオニンであるとき、当該ペプチドは、Lys、Arg、His、Asp又はGluから成る群から別個に選択される1つ又は2つのアミノ酸をさらに含み、前記アミノ酸は当該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端に付加される。いくつかの実施態様にしたがえば、天然のペプチドの27位に存在するメチオニン残基はロイシン又はノルロイシンに変更され、当該ペプチドの酸化的分解を防ぐ。
別の実施態様では、配列番号:801のアナローグペプチドを含むグルカゴンアゴニストが提供され、ここで該アナローグは、1位にヒスチジン以外のアミノ酸を有することによって、及び28又は29位に天然のアミノ酸に代わって置換された酸性アミノ酸又は配列番号:801のペプチドのカルボキシ末端に付加されるアミノ酸を有することによって配列番号:801と異なる。いくつかの実施態様では、酸性アミノ酸はアスパラギン酸又はグルタミン酸である。いくつかの実施態様では、配列番号: 809、配列番号:812、配列番号:813又は配列番号:832のグルカゴンアナローグが提供され、ここで該アナローグは1位の置換によって親分子と異なる。より具体的には、該アナローグペプチドの1位は、DMIA、D-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル-ヒスチジン、アセチル-ヒスチジン及びホモ-ヒスチジンから成る群から選択されるアミノ酸で置換される。
別の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは配列番号:7又はそのグルカゴンアゴニストアナローグを含む。いくつかの実施態様では、該ペプチドは、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:811、配列番号:812及び配列番号:813から成る群から選択される配列を含む。別の実施態様では、該ペプチドは配列番号:808、配列番号:810及び配列番号:811から成る群から選択される配列を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは配列番号:808、配列番号:810及び配列番号:811の配列を含み、さらにまたAsp及びGluから成る群から選択される追加のアミノ酸を含み、前記は当該グルカゴン関連ペプチドのC-末端に付加される。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは配列番号:811又は配列番号:813の配列を含み、さらに別の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは配列番号:811の配列を含む。
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Xaa-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Xaa-Xaa-Xaa-R(配列番号:834)、
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asp-Thr-R(配列番号:811)及び
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Xaa-Tyr-Leu-Glu-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asp-Thr-R(配列番号:813)、式中、
15位のXaaはAsp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸であり、28位のXaaはAsn又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaはThr又は酸性アミノ酸であり、Rは酸性アミノ酸、COOH又はCONH2であるが、ただし酸性アミノ酸残基が28、29又は30位の1つに存在することを条件とする。いくつかの実施態様ではRはCOOHであり、別の実施態様ではRはCONH2である。
Rは、酸性アミノ酸又は結合、及び当該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端アミノ酸に連結される配列番号:820(GPSSGAPPPS)、配列番号:821(KRNRNNIA)又は配列番号:822(KRNR)である。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:833、配列番号:807又は配列番号:808から成る群から選択され、さらにまた当該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端に連結される配列番号:820(GPSSGAPPPS)、配列番号:821(KRNRNNIA)又は配列番号:822(KRNR)を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴン融合ペプチドは、配列番号:802、配列番号:803、配列番号:804、配列番号:805及び配列番号:806又はそのグルカゴンアゴニストアナローグを含み、さらにまた当該グルカゴン関連ペプチドのアミノ酸29に連結される配列番号:820(GPSSGAPPPS)、配列番号:821(KRNRNNIA)又は配列番号:822(KRNR)を含む。いくつかの実施態様にしたがえば、融合ペプチドはさらに、16、17、21、24、29位のアミノ酸に、C-末端延長部内に、又はC-末端アミノ酸に連結されるPEG鎖を含み、ここでPEG鎖は500から40,000ダルトンの範囲から選択される。いくつかの実施態様では、配列番号:820(GPSSGAPPPS)、配列番号:821(KRNRNNIA)又は配列番号:822(KRNR)のアミノ酸配列は該グルカゴン関連ペプチドのアミノ酸29にペプチド結合を介して結合される。いくつかの実施態様では、グルカゴン融合ペプチドのグルカゴン関連ペプチド部分は、配列番号:810、配列番号:811及び配列番号:813から成る群から選択される配列を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴン融合ペプチドのグルカゴン関連ペプチド部分は配列番号:811又は配列番号:813の配列を含み、ここでPEG鎖は21、24、29位に、C-末端延長部内に又はC-末端アミノ酸にそれぞれ連結される。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:811のグルカゴン関連ペプチドは、16、17、20、21、24及び/又は29位に1つ以上のアミノ酸置換を含むように改変され、ここで天然のアミノ酸は、親水性部分(例えばPEGを含む)との架橋に適切な側鎖を有するアミノ酸で置換される。天然のペプチドは、自然に生じるアミノ酸又は合成(自然には生じない)アミノ酸で置換することができる。合成又は自然には生じないアミノ酸は、in vivoでは自然に生じないが、それにもかかわらず本明細書に記載するペプチド構造に取り込まれ得るアミノ酸を指す。
ポリエチレングリコール鎖は直鎖の形態でも分枝状でもよい。いくつかの実施態様にしたがえば、ポリエチレングリコール鎖は、約500から約40,000ダルトンの範囲から選択される平均分子量を有する。いくつかの実施態様では、ポリエチレングリコール鎖は約500から約5,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。別の実施態様では、ポリエチレングリコール鎖は約20,000から約40,000ダルトンの分子量を有する。
R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり; R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である。いくつかの実施態様では、XはNHであるか、又はYはNHR4である。いくつかの実施態様では、R1はC0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。 いくつかの実施態様では、R2はNHR4又はC1アルキルである。いくつかの実施態様では、 R4はH又はC1アルキルである。例示的な実施態様では、構造Iの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2-Sであり、X はNHであり、かつR2はCH3(アセトアミド-システイン、C(Acm))であるか;R1はCH2であり、XはNHであり、かつR2はCH3(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac))であるか;R1はC0アルキルであり、XはNHであり、R2はNHR4であり、かつR4はH(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素))であるか;又はR1はCH2-CH2であり、XはNHであり、かつR2はCH3(アセチルオルニチン、Orn(Ac))である。例示的な実施態様では、構造IIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、YはNHR4であり、かつR4はCH3(メチルグルタミン、Q(Me))である。例示的な実施態様では、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、かつR4はH(メチオニン-スルホキシド、M(O))である。具体的な実施態様では、3位のアミノ酸はDab(Ac)で置換される。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号:863、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:872、配列番号:873及び配列番号:874のアミノ酸配列を含むことができる。
ある種の実施態様では、配列番号:877を含むグルカゴン関連ペプチドのアナローグは、アシル又はアルキル基に共有結合により(場合によってスペーサーを介して)付加される側鎖を含むアミノ酸を含み、前記アシル基又はアルキル基は非天然或いは自然に生じるアミノ酸である。いくつかの実施態様では、アシル基はC4からC30脂肪アシル基である。他の実施態様では、アルキル基はC4からC30アルキルである。具体的な特徴では、アシル基又はアルキル基は、10位のアミノ酸の側鎖に共有結合により付加される。いくつかの実施態様では、7位のアミノ酸はIle又はAbuである。
グルカゴンアゴニストは配列番号:801−919のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドであり、場合によって、グルカゴンアゴニスト活性を維持する1、2、3、4又は5つまでのさらに別の改変を含むことができる。ある種の実施態様では、グルカゴンアゴニストは配列番号:859−919のいずれかのアミノ酸を含む。
ある種の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドはクラス2グルカゴン関連ペプチドであり、前記は本明細書及び国際特許出願PCT US2009/47447(2009年6月16日出願)、米国仮特許出願No.61/090,448及び米国特許出願No.61/151,349に記載されている(前記文献の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)。クラス2グルカゴン関連ペプチドに関連して下記の節で言及する生物学的配列(配列番号:1001−1262)は、国際特許出願PCT US2009/47447中の配列番号:1−262に対応する。
天然のグルカゴンはGIP受容体を活性化せず、さらに通常はGLP-1受容体で天然のGLP-1の活性の約1%を有する。本明細書に記載する天然のグルカゴンへの改変は、天然のグルカゴン(配列番号:1001)の活性と等しい又は前記を超える強力なグルカゴン活性、天然のGIP(配列番号:1004)の活性と等しい又は前記を超える強力なGIP活性、及び/又は天然のGLP-1の活性と等しい又は前記を超える強力なGLP-1活性を示すことができるクラス2グルカゴン関連ペプチドを生じる。これに関しては、当該クラス2グルカゴン関連ペプチドは、本明細書にさらに記述されるように、グルカゴン/GIPコアゴニスト、グルカゴン/GIP/GLP-1トリアゴニスト、GIP/GLP-1コアゴニスト、又はGIPアゴニストグルカゴン関連ペプチドの1つであり得る。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するクラス2グルカゴン関連ペプチドは、GIP受容体活性化活性について約100nM以下、又は約75,50、25、10、8、6、5、4、3、2又は1nM以下のEC50を示す。いくつかの実施態様では、クラス2グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴン受容体活性化について約100nM以下、又は約75,50、25、10、8、6、5、4、3、2又は1nM以下のEC50を示す。いくつかの実施態様では、クラス2グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体活性化について約100nM以下、又は約75,50、25、10、8、6、5、4、3、2又は1nM以下のEC50を示す。受容体活性化は、当該受容体を過剰発現するHEK293細胞でcAMP誘発を測定するin vitroアッセイによって、例えば実施例7に記載するように当該受容体コードDNA及びcAMP応答性成分に連結したルシフェラーゼ遺伝子を共トランスフェクトしたHEK293細胞をアッセイすることによって測定される。
クラス2グルカゴン関連ペプチドに関して本明細書に開示する改変は、GIP活性、グルカゴン活性及び/又はGLP-1活性の増加を示すグルカゴン関連ペプチドを作出するグルカゴン(配列番号:1001)の操作を可能にする。
GIP活性に影響を及ぼす改変
GIP受容体における活性の強化は1位のアミノ酸改変によって提供される。例えば、1位のHisは、大きな芳香族アミノ酸(場合によってTyr、Phe、Trp、アミノ-Phe、ニトロ-Phe、クロロ-Phe、スルホ-Phe、4-ピリジル-Ala、メチル-Tyr又は3-アミノ-Tyr)により置換される。1位のTyrとアミノ酸12−29に対応する領域内のアルファヘリックスの安定化との組み合わせは、GIP受容体をGLP-1受容体及びグルカゴン受容体と同様に活性化するクラス2グルカゴン関連ペプチドを提供する。アルファヘリックス構造は、例えば共有結合又は非共有結合の分子内橋の形成、又は12−29位周辺のアミノ酸のアルファヘリックス安定化アミノ酸(例えばα,α-二置換アミノ酸)による置換及び/又は挿入によって安定化され得る。
GIP受容体における活性強化はまた、27及び/又は28位、場合によって29位のアミノ酸改変によって提供される。例えば、27位のMetは、大きな脂肪族アミノ酸(場合によってLeu)で置換され、28位のAsnは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)で置換され、29位のThrは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってGly)で置換される。27−29位のLAGによる置換は、これらの位置で天然のMNT配列と対比してGIP活性の増加を提供する。
GIP受容体における活性の増加は、12から29位でアミノ酸側鎖間の分子内橋の形成を可能にする改変によって提供される。例えば、分子内橋は、i及びi+4位の2つのアミノ酸の側鎖間で、又はj及びj+3位の間で、又はk及びk+7位の間で共有結合によって形成することができる。例示的な実施態様では、この橋は、12と16位、16と20位、20と24位、24と28位、又は17と20位との間に存在する。他の実施態様では、非共有結合による相互反応(例えば塩橋)が、これらの位置で陽性及び陰性荷電アミノ酸間で形成され得る。
GIP受容体活性を増加させる上記に記載の改変はいずれも個々に又は組み合わせて適用することができる。GIP受容体活性を増加させる改変の組み合わせは、一般的にそのような改変の単独利用よりも高いGIP活性を提供する。
いくつかの実施態様では、グルカゴンに関する効能の強化は、天然のグルカゴン(配列番号:1001)の16位におけるアミノ酸改変によって提供される。非限定的な例によれば、そのような効能の強化は、16位の自然に生じるセリンを、グルタミン酸又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸で置換するか、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれか1つ、又は少なくとも1つのヘテロ原子(例えばN、O、S、P)を含み、かつ約4(又は3−5)原子の長さの側鎖を有する荷電アミノ酸で置換することによって提供され得る。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体と対比してグルカゴン受容体に対に対するその最初の選択性を維持する。
グルカゴン受容体活性は、3位のアミノ酸改変(例えば自然に生じる3位のグルタミンの酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸による置換)によって減少させることができる。例えば、グルタミン酸、オルニチン、又はノルロイシンによる3位の置換は、グルカゴン受容体活性を実質的に減少させ又は破壊する。
グルカゴン受容体活性の維持又は強化は、本明細書に記載するように3位のGlnをグルタミンアナローグで改変することによって達成できる。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号:1243−1248、1250、1251及び1253−1256のいずれかのアミノ酸配列を含むことができる。
1及び2位のアミノ酸改変によって減少したグルカゴン活性の回復は、当該グルカゴン関連ペプチド又はそのアナローグのC-末端部分(アミノ酸12−29)のアルファヘリックス構造を安定化させる改変によって提供される。例えば、分子内橋は、i及びi+4位の2つのアミノ酸の側鎖間で、又はj及びj+3位の間で、又はk及びk+7位の間で共有結合によって形成することができる。他の実施態様では、非共有結合による相互反応(例えば塩橋)が、これらの位置の陽性及び陰性荷電アミノ酸間で形成され得る。さらにまた他の実施態様では、1つ以上のα,α-二置換アミノ酸が、所望の活性を維持するこのC-末端部分(アミノ酸12−29)の位置に挿入又は代用される。例えば、16、20、21又は24位の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α-二置換アミノ酸(例えばAIB)で置換される。
GLP-1受容体における活性の強化は、C-末端アミノ酸のカルボン酸を中性荷電基(例えばアミド又はエステル)に取り替えることによって提供される。GLP-1受容体における活性の強化はまた、グルカゴンのC-末端部分(アミノ酸19−29周辺)のアルファヘリクス構造を安定化させることによって提供され、例えば本明細書でさらに記載するように、2つのアミノ酸の側鎖間における分子内橋の形成、又は12−29位周辺アミノ酸へのアルファヘリックス安定化アミノ酸(例えばα,α-二置換アミノ酸)による代用及び/又は挿入を介する。例示的実施態様では、アミノ酸対12及び16、13及び17、16及び20、17及び21、20及び24又は24及び28(i=12、16、20又は24のアミノ酸対)の側鎖が互いに連結され、したがってグルカゴンアルファヘリックスを安定化させる。いくつかの実施態様では、特に当該橋がi及びi+4位の間に存在するときは、橋又はリンカーは長さが約8(又は7−9)原子である。いくつかの実施態様では、特に当該橋がj及びj+3位の間に存在するときは、橋又はリンカーは長さが約6(又は5−7)原子である。
いくつかの実施態様では、分子内橋は以下によって形成される:(a)6位の自然に生じるセリンをグルタミン酸、又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸で置換するか、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれか1つ、又は少なくとも1つのヘテロ原子(例えばN、O、S、P)を含み、かつ約4(又は3−5)原子の長さの側鎖を有する荷電アミノ酸で置換する、及び(b)20位の自然に生じるグルタミンを、荷電を有するか又は水素結合形成能を有し、かつ長さが少なくとも約5(又は約4−6)原子である別の親水性アミノ酸(例えばリジン、シトルリン、アルギニン又はオルニチン)で置換する。16及び20位のそのようなアミノ酸の側鎖は塩橋を形成できるか、又は共有結合により連結され得る。いくつかの実施態様では、2つのアミノ酸は互いに結合してラクタム環を形成する。
さらにまた他の実施態様では、1つ以上のα,α-二置換アミノ酸が、所望の活性を維持するこのC-末端部分(アミノ酸12−29)の位置に挿入又は代用される。例えば、16、20、21又は24位の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α-二置換アミノ酸(例えばAIB)で置換される。GLP-1受容体における活性の増加は、本明細書に記載するように20位のアミノ酸改変によって提供される。GLP-1受容体における活性の増加はまた、C-末端へのGPSSGAPPPS(配列番号:1095)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:1096)の付加によって提供される。そのようなアナローグのGLP-1活性は、本明細書に記載するように18、28若しくは29位又は18及び29位のアミノ酸を改変することによってさらに増加させることができる。さらに別のGLP-1に関する効能の穏やかな増加は、10位のアミノ酸を大きな芳香族アミノ酸残基(場合によってTrp)に改変することによって提供される。GLP-1受容体における効能は、18位の天然のアルギニンをアラニンで置換することによってさらに強化することができる。
クラス2グルカゴン関連ペプチドに関して上記に記載したGLP-1受容体活性を増加させる改変のいずれも、個々に又は組み合わせて適用することができる。GLP-1受容体活性を増加させる改変の組み合わせは、一般的にそのような改変の単独利用よりも高いGLP-1活性を提供する。例えば、本発明は以下のグルカゴン関連ペプチドを提供する:16位に、20位に、及びC-末端カルボン酸基に、場合によって16位及び20位のアミノ酸間の共有結合による改変を含むグルカゴン関連ペプチド;16位に及びC-末端カルボン酸基に改変を含むグルカゴン関連ペプチド;16及び20位に、場合によって16位及び20位のアミノ酸間の共有結合による改変を含むグルカゴン関連ペプチド;及び20位及びC-末端カルボン酸基に改変を含むグルカゴン関連ペプチド。
1及び/又は2位の改変は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)切断に対する当該ペプチドの耐性を高めることができる。例えば、1及び/又は2位は、本明細書に記載するDPP-IV耐性アミノ酸で置換され得る。いくつかの実施態様では、2位のアミノ酸はN-メチルアラニンで置換される。
2位の改変(例えば2位にAIB)及びいくつかの事例では1位の改変(例えば1位にDMIA)は、グルカゴン活性を(時には顕著に)減少させることができ、驚くべきことにグルカゴン活性におけるこの減少は、グルカゴンのC-末端部分(アミノ酸12−29周辺)のアルファヘリックス構造を、例えば、本明細書に記載するように2つのアミノ酸の側鎖間での共有結合の形成を介して安定化することによって回復させることができる。いくつかの実施態様では、共有結合は、“i”及び“i+4”位又は“j”及び“j+3”位のアミノ酸の間、例えば12及び16、16及び20、20及び24、24及び28位の間に存在する。例示的な実施態様では、この共有結合は、16位のグルタミン酸及び20位のリジンとの間のラクタム架橋である。いくつかの実施態様では、この共有結合は、本明細書に記載するようにラクタム架橋以外の分子内橋である。
さらにまた別の例示的実施態様では、クラス2グルカゴン関連ペプチドのいずれもさらに改変して、配列番号:1001の15位及び/又は16位のアミノ酸の改変により安定性を改善し、時間経過時における当該ペプチドの分解を特に酸性又はアルカリ性緩衝液で減少させることができる。そのような改変はAsp15-Ser16ペプチド結合の切断を減少させる。例示的な実施態様では、15位のアミノ酸改変は、欠失又はグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸によるAspの置換である。他の例示的な実施態様では、16位のアミノ酸改変は、欠失又はThr又はAIBによるSerの置換である。他の例示的な実施態様では、16位のSerは、グルタミン酸により、又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸により、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれか1つにより置換される。
いくつかの実施態様では、天然のペプチドの27位に存在するメチオニン残基は、例えば欠失又は置換によって改変される。そのような改変はペプチドの酸化的分解を防ぐ。いくつかの実施態様では、27位のMetはロイシン、イソロイシン又はノルロイシンで置換される。いくつかの具体的な実施態様では、27位のMetはロイシン又はノルロイシンで置換される。
いくつかの実施態様では、20及び/又は24位のGlnは、例えば欠失又は置換によって改変される。そのような改変は、Glnの脱アミド化により生じる分解を減少させることができる。いくつかの実施態様では、20及び/又は24位のGlnはSer、Thr、Ala又はAIBで置換される。いくつかの実施態様では、20及び/又は24位のGlnはLys、Arg、Orn又はシトルリンで置換される。
いくつかの実施態様では、21位のAspは例えば欠失又は置換によって改変される。そのような改変は、Aspの脱水による環状スクシンイミド中間体の形成とその後に続くイソアスパルテートへの異性化により生じる分解を減少させることができる。いくつかの実施態様では、21位はGlu、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸で置換される。いくつかの具体的な実施態様では、21位はGluで置換される。
クラス2グルカゴン関連ペプチドのC-末端部分(アミノ酸12−29周辺)のアルファヘリックス構造の安定化は、GLP-1及び/又はGIP活性の強化を提供し、さらに1及び/又は2位のアミノ酸改変によって減少したグルカゴン活性を回復させる。アルファヘリックス構造は、例えば共有結合若しくは非共有結合による分子内橋の形成又はアルファヘリックス安定化アミノ酸(例えばα,α-二置換アミノ酸)によるアミノ酸12−29周辺への代用及び/又は挿入によって安定化させることができる。GIPアゴニストのアルファヘリックス構造の安定化は本明細書に記載するように実施できる。
本発明のいくつかの実施態様にしたがえば、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:1001)のアナローグは配列番号:1001の配列を含み、(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、(b)該アナローグのC-末端部分(アミノ酸12−19)のアルファヘリックス構造を安定化させる改変、及び(c)場合によって1から10(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のさらに別の改変を有する。いくつかの実施態様では、アナローグは、天然のGIPのGIP受容体における活性の少なくとも約1%又は本明細書に記載するGIP受容体における他の任意の活性レベルを示す。
ある種の実施態様では、アルファヘリックス構造を安定化させる改変は、分子内橋(例えば共有結合分子内橋(例えば本明細書に記載するもののいずれか)を含む)を提供又は導入するものである。いくつかの実施態様の共有結合分子内橋はラクタム架橋である。これら実施態様のアナローグのラクタム架橋は、本明細書に記載のラクタム架橋であり得る。例えば、“アルファヘリックス構造の安定化”の節のラクタム架橋の教示を参照されたい。例えば、ラクタム架橋は、i位及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj位及びj+3位のアミノ酸の側鎖間に存在するものであり得る(式中iは12、13、16、17、20又は24で、jは17である)。ある種の実施態様では、ラクタム架橋は、16及び20位のアミノ酸の間に存在することができ、ここで16及び20位のアミノ酸の一方はGluで置換され、16及び20位の他方のアミノ酸はLysで置換される。
本発明の具体的な特徴では、1位のアミノ酸改変は、イミダゾール側鎖を欠くアミノ酸(例えば大きな芳香族アミノ酸(例えばTyr))によるHisの置換である。
ある種の特徴では、グルカゴンのアナローグは、27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変を含む。例えば、27位のMetは大きな脂肪族アミノ酸(場合によってLeu)で置換でき、28位のAsnは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)で置換でき、29位のThrは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってGly)で置換できるか、又は前述の2つ若しくは3つの組み合わせである。具体的な実施態様では、グルカゴンのアナローグは、27位にLeu、28位にAla、及び29位にThrを含む。
本発明のある種の実施態様では、グルカゴンのアナローグは、1から21アミノ酸の延長部をC-末端から29位のアミノ酸に含む(the analog of glucagon comprises an extension of 1 to 21 amino acids C-terminal to the amino acid at position 29)。該延長部は、例えば配列番号:1095又は1096のアミノ酸配列を含むことができる。上記に加えて或いはまた別に、グルカゴンのアナローグは延長部を含み、当該延長部の1つから6つのアミノ酸は陽性荷電アミノ酸である。陽性荷電アミノ酸は式IVのアミノ酸であり、Lys、ホモLys、Orn及びDabが含まれ得るが、ただしこれらに限定されない。
(a)D-Ser、Ala、D-Ala、Gly、N-メチル-Ser、AIB、Val又はα-アミノ-N-酪酸で置換される2位のSer;
(b)Trp、Lys、Orn、Glu、Phe又はValで置換される10位のTyr;
(c)10位のLysへのアシル基の連結;
(d)Arg又はIleで置換される12位のLys;
(e)Glu、Gln、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、Thr、Gly又はAIBで置換される16位のSer;
(f)Glnで置換される17位のArg;
(g)Ala、Ser、Thr又はGlyで置換される18位のArg;
(h)Ser、Thr、Ala、Lys、シトルリン、Arg、Orn又はAIBで置換される20位のGln;
(i)Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸で置換される21位のAsp;
(j)Ileで置換される23位のVal;
(k)Asn、Ser、Thr、Ala又はAIBで置換される24位のGln;及び
(l) 2、5、9、10、11、12、13、14、15、16、8、19、20、21、24、27、28及び29位のいずれかにおける保存的置換。
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、
(b)i及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj及びj+3位のアミノ酸の側鎖間のラクタム架橋(iは12、13、16、17、20又は24であり、jは17である)、
(c)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、例えば27及び/又は28位のアミノ酸改変、及び
(d)1−9又は1−6のさらに別のアミノ酸改変(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9のさらに別のアミノ酸改変)を含み、
さらに該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM未満である。
これらの実施態様のアナローグのラクタム架橋は本明細書に記載のラクタム架橋であり得る。例えば、ラクタム架橋は16及び20位のアミノ酸の間に存在でき、ここで16及び20位のアミノ酸の一方はGluで置換され、16及び20位の他方のアミノ酸はLysで置換される。これらの実施態様にしたがえば、アナローグは、例えば、配列番号:1005−1094のいずれかのアミノ酸配列を含むことができる。
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、
(b)アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α-二置換アミノ酸による置換、
(c)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、例えば27及び/又は28位のアミノ酸改変、及び
(d)1−9又は1−6のさらに別のアミノ酸改変(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9のさらに別のアミノ酸改変)を含み、
さらに該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM以下である。
これら実施態様のアナローグのα,α-二置換アミノ酸は任意のα,α-二置換アミノ酸が可能であり、前記には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アミノイソ酪酸(AIB)、メチル、エチル、プロピル及びn-ブチルから選択される同じ基若しくは異なる基により、又はシクロオクタン若しくはシクロヘプタンにより(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)二置換されたアミノ酸。ある種の実施態様では、α,α-二置換アミノ酸はAIBである。ある種の実施態様では、20位のアミノ酸はα,α-二置換アミノ酸(例えばAIB)で置換される。これらの実施態様にしたがえば、アナローグは、例えば、配列番号:1099−1141、1144−1164、1166−1169及び1173−1178のいずれかのアミノ酸配列を含む。
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、
(b)下記式IVのアミノ酸による16位のSerのアミノ酸置換:
(c)α,α-二置換アミノ酸による20位のGluのアミノ酸置換、
(d)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、例えば27及び/又は28位のアミノ酸改変、及び
(e)1−9又は1−6のさらに別のアミノ酸改変(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9のさらに別のアミノ酸改変)を含み、
さらに該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM以下である。
これらの実施態様のアナローグの式IVのアミノ酸は任意のアミノ酸であり、例えば式IVのアミノ酸であり得る(ここでnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16である)。ある種の実施態様では、nは1、2、3、4又は5であり、この事例ではアミノ酸はそれぞれDab、Orn、Lys又はホモLysである。
これらの実施態様のアナローグのα,α-二置換アミノ酸は任意のα,α-二置換アミノ酸が可能であり、前記には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アミノイソ酪酸(AIB)、メチル、エチル、プロピル及びn-ブチルから選択される同じ基若しくは異なる基により、又はシクロオクタン若しくはシクロヘプタンにより(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)二置換されたアミノ酸。ある種の実施態様では、α,α-二置換アミノ酸はAIBである。これらの実施態様にしたがえば、アナローグは、例えば配列番号:1099−1165のいずれかのアミノ酸配列を含む。
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、
(b)C-末端からアミノ酸29位に約1から約21アミノ酸の延長部(ここで該延長部のアミノ酸の少なくとも1つはアシル化又はアルキル化される)を含み、
さらに該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM以下である。
いくつかの実施態様では、アシル化又はアルキル化アミノ酸は式I、II又はIIIのアミノ酸である。より具体的な実施態様では、式Iのアミノ酸はDab、Orn、Lys又はホモLysである。さらに、いくつかの実施態様では、約1から約21アミノ酸の延長部は、GPSSGAPPPS(配列番号:1095)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:1096)のアミノ酸配列を含み、式中Xは、任意のアミノ酸、又はGPSSGAPPPK(配列番号:1170)、又はXGPSSGAPPPK(配列番号:1171)、又はXGPSSGAPPPSK(配列番号:1172)であり、式中Xは、Gly又は小さな脂肪族又は非極性又はわずかに極性のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、約1から約21アミノ酸は、配列番号:1095,1096、1170、1171又は1172に対して1つ以上の保存的置換を含む配列を含むことができる。いくつかの実施態様では、アシル化又はアルキル化アミノ酸は、C-末端が延長されたアナローグの37、38、39、40、41、42又は43位に配置される。ある種の実施態様では、アシル化又はアルキル化アミノ酸はC-末端延長アナローグの40位に配置される。
上記の例示的実施態様のいずれにおいても、GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸置換は、イミダゾール側鎖を欠くアミノ酸によるHisの置換であり得る。1位のアミノ酸改変は例えば大きな芳香族アミノ酸によるHisの置換であり得る。いくつかの実施態様では、大きな芳香族アミノ酸は本明細書に記載するアミノ酸のいずれかであり、例えばTyrが含まれる。
同様に上記の例示的実施態様に関して、27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変は、本明細書に記載するこれらの位置における改変のいずれでもよい。例えば、27位のMetは大きな脂肪族アミノ酸(場合によってLeu)で置換でき、28位のAsnは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)で置換でき、及び/又は29位のThrは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってGly)で置換できる。また別には、アナローグは27及び/又は28位にそのようなアミノ酸改変を含むことができる。
(i)D-Ser、Ala、D-Ala、Gly、N-メチル-Ser、AIB、Val又はα-アミノ-N-酪酸で置換される2位のSer;
(ii)Trp、Lys、Orn、Glu、Phe又はValで置換される10位のTyr;
(iii)10位のLysへのアシル基の連結;
(iv)Argで置換される12位のLys;
(v)Glu、Gln、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、Thr、Gly又はAIBで置換される16位のSer;
(vi)Glnで置換される17位のArg;
(vii)Ala、Ser、Thr又はGlyで置換される18位のArg;
(viii)Ala、Ser、Thr、Lys、シトルリン、Arg、Orn又はAIBで置換される20位のGln;
(ix)Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸で置換される21位のAsp;
(x)Ileで置換される23位のVal;
(xi)Asn、Ala、Ser、Thr又はAIBで置換される24位のGln;及び
(xii) 2、5、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24、27、28及び29位のいずれかにおける保存的置換。
いくつかの実施態様のアナローグは(i)から(xii)の改変の組み合わせを含む。また別に或いはさらに加えて、アナローグは3位のアミノ酸改変を含むことができ(例えばGluによるGlnのアミノ酸置換)、ここで当該アナローグは、グルカゴン受容体におけるグルカゴンの活性の1%未満を有する。また別に或いはさらに加えて、アナローグは7位にアミノ酸改変を含むことができ(例えばヒドロキシル基を欠くアミノ酸(例えばAbu又はIle)によるThrのアミノ酸置換)、ここで該アナローグはGLP-1受容体でGLP-1活性の約10%未満を有する。
さらにまた別の例示的実施態様では、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴンアナローグは、配列番号:1227、1228、1229又は1230のいずれかのアミノ酸配列を含み、前記配列はさらに、以下の改変、
(a)場合によって、GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変、
(b)C-末端からアミノ酸29位に約1から約21アミノ酸の延長部(ここで該延長部のアミノ酸の少なくとも1つはアシル化又はアルキル化される)、及び
(d)6つまでのさらに別のアミノ酸改変を含み、
ここで、当該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM以下である。いくつかの特徴では、アシル化又はアルキル化アミノ酸は式I、II又はIIIのアミノ酸である。より具体的な実施態様では、式Iのアミノ酸はDab、Orn、Lys又はホモLysである。同様にいくつかの実施態様では、約1から約21アミノ酸は、GPSSGAPPPS(配列番号:1095)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:1096)のアミノ酸配列を含み、式中Xは、任意のアミノ酸、又はGPSSGAPPPK(配列番号:1170)、又はXGPSSGAPPPK(配列番号:1171)、又はXGPSSGAPPPSK(配列番号:1172)であり、式中Xは、Gly又は小さな脂肪族又は非極性又はわずかに極性のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、約1から約21アミノ酸は、配列番号:1095,1096、1170、1171又は1172に対して1つ以上の保存的置換を含む配列を含むことができる。いくつかの実施態様では、アシル化又はアルキル化アミノ酸は、C-末端が延長されたアナローグの37、38、39、40、41、42又は43位に配置される。ある種の実施態様では、アシル化又はアルキル化アミノ酸はC-末端延長アナローグの40位に配置される。上記の例示的実施態様のいずれにおいても、GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸は、イミダゾール側鎖を欠くアミノ酸であり得る。
ある種の特徴では、上記の例示的実施態様に記載のグルカゴンアナローグはさらに、27、28及び29位の1つ、2つ又は全てにアミノ酸改変を含む。これらの位置における改変は、これらの位置に関して本明細書に記載した改変のいずれかであり得る。例えば、配列番号:1227、1228、1229又は1230に対して、27位は大きな脂肪族アミノ酸(例えばLeu、Ile又はノルロイシン)又はMetで置換でき、28位は別の小さな脂肪族アミノ酸(例えばGly又はAla)又はAsnで置換でき、及び/又は29位は別の小さな脂肪族アミノ酸(例えばAla又はGly)又はThrで置換できる。また別に、アナローグは27及び/又は28位にアミノ酸改変を含むことができる。
(i)2位のアミノ酸は、D-Ser、Ala、D-Ala、Gly、N-メチル-Ser、AIB、Val又はα-アミノ-N-酪酸いずれか1つである;
(ii)10位のアミノ酸はTyr、Trp、Lys、Orn、Glu、Phe又はValである;
(iii)10位のLysへのアシル基の連結;
(iv)12位のアミノ酸はIle、Lys又はArgである;
(v)16位のアミノ酸は、Ser、Glu、Gln、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、Thr、Gly又はAIBのいずれか1つである;
(vi)17位のアミノ酸はGln又はArgである;
(vii)18位のアミノ酸は、Ala、Arg、Ser、Thr又はGlyである;
(viii)20位のアミノ酸は、Ala、Ser、Thr、Lys、シトルリン、Arg、Orn、又は AIB若しくは別のα,α-二置換アミノ酸のいずれか1つである;
(ix)21位のアミノ酸は、Glu、Asp、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸のいずれか1つである;
(x)23位のアミノ酸はVal又はIleである;
(xi)24位のアミノ酸は、Gln、Asn、Ala、Ser、Thr又はAIBのいずれか1つである;及び
(xii) 2、5、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24、27、28及び29位のいずれかにおける1つ以上の保存的置換。
いくつかの実施態様のアナローグは(i)から(xii)の改変の組み合わせを含む。また別に或いはさらに加えて、アナローグは3位のアミノ酸改変を含むことができ(例えばGluによるGlnのアミノ酸置換)、ここで当該アナローグは、グルカゴン受容体におけるグルカゴンの活性の1%未満を有する。また別に或いはさらに加えて、アナローグは7位にアミノ酸改変を含むことができ(例えばヒドロキシル基を欠くアミノ酸(例えばAbu又はIle)によるThrのアミノ酸置換)、ここで該アナローグはGLP-1受容体でGLP-1活性の約10%未満を有する。
いくつかの極めて具体的な実施態様では、本発明のアナローグは、配列番号:1099−1141、1144−1164、1166、1192-1207、1209-1221及び1223から成る群から選択されるか、又は配列番号:1167-1169、1173-1178及び1225から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む。
さらにまた別の例示的実施態様では、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴンアナローグはアシル又はアルキル基(例えば非天然或いは自然に生じるアミノ酸のアシル又はアルキル基)を含み、ここでアシル又はアルキル基はスペーサーに付加され、(i)当該スペーサーはアナローグの10位のアミノ酸の側鎖に付加されるか、又は(ii)当該アナローグは1から21アミノ酸の延長部をC-末端から29位のアミノ酸に含み、スペーサーは配列番号:1001と対比して37−43位の1つに対応するアミノ酸の側鎖に付加され、当該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50は約10nM以下である。
(A)アナローグは、i及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj及びj+3位のアミノ酸の側鎖間にラクタム架橋を含む(iは12、13、16、17、20又は24であり、jは17である);
(B)アナローグの16、20、21及び24位の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α-二置換アミノ酸で置換される;又は
(C)アナローグは、(i)下記式IVのアミノ酸による16位のSerのアミノ酸置換、及び(ii)α,α-二置換アミノ酸による20位のGlnのアミノ酸置換、及び(iv)6つまでのさらに別のアミノ酸改変を含む:
これらの実施態様におけるアナローグの式IVのアミノ酸は任意のアミノ酸、例えばnが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16の式IVのアミノ酸である。ある種の実施態様では、nは2、3、4又は5であり、この事例ではアミノ酸はそれぞれDab、Orn、Lys又はホモLysである。上記の例示的実施態様のいずれにおいても、GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変は、イミダゾール側鎖を欠くアミノ酸によるHisの置換であり得る。
同様に上記の例示的実施態様に関して、27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変は、本明細書に記載するこれらの位置における改変のいずれかでもよい。例えば、27位のMetは大きな脂肪族アミノ酸(場合によってLeu)で置換でき、28位のAsnは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)で置換でき、及び/又は29位のThrは小さな脂肪族アミノ酸(場合によってGly)で置換できる。また別には、アナローグは27及び/又は28位にそのようなアミノ酸改変を含むことができる。
(i)D-Ser、Ala、D-Ala、Gly、N-メチル-Ser、AIB、Val又はα-アミノ-N-酪酸で置換される2位のSer;
(ii)Trp、Lys、Orn、Glu、Phe又はValで置換される10位のTyr;
(iii)10位のLysへのアシル基の連結;
(iv)Argで置換される12位のLys;
(v)Glu、Gln、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、Thr、Gly又はAIBで置換される16位のSer;
(vi)Glnで置換される17位のArg;
(vii)Ala、Ser、Thr又はGlyで置換される18位のArg;
(viii)Ala、Ser、Thr、Lys、シトルリン、Arg、Orn又はAIBで置換される20位のGln;
(ix)Glu、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸で置換される21位のAsp;
(x)Ileで置換される23位のVal;
(xi)Asn、Ala、Ser、Thr又はAIBで置換される24位のGln;及び
(xii) 2、5、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24、27、28及び29位のいずれかにおける保存的置換。
いくつかの実施態様のアナローグは(i)から(xii)の改変の組み合わせを含む。また別に或いはさらに加えて、アナローグは3位のアミノ酸改変を含むことができ(例えばGluによるGlnのアミノ酸置換)、ここで当該アナローグは、グルカゴン受容体におけるグルカゴンの活性の1%未満を有する。また別に或いはさらに加えて、アナローグは、7位のアミノ酸改変(例えばヒドロキシル基を欠くアミノ酸(例えばAbu又はIle)によるThrのアミノ酸置換)、C-末端から27若しくは28位におけるアミノ酸欠失(27又は28アミノ酸ペプチドを生じる)、又は前記の組合せを含むことができ、ここで該アナローグはGLP-1受容体でGLP-1活性の約10%未満を有する。
いくつかの実施態様では、親水性部分は、当該アナローグのLys、Cys、Orn、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニンに共有結合により連結される。前記Lys、Cys、Orn、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニンは、当該グルカゴン配列(配列番号:1001)にとって天然であるアミノ酸であっても、又は配列番号:1001の天然のアミノ酸の取り替えであるアミノ酸でもよい。該親水性部分がCysに付加されるいくつかの実施態様では、親水性部分との連結は以下の構造を含むことができる:
例示的実施態様(アナローグがアシル又はアルキル基を含み、前記の基はスペーサーを介してアナローグに付加される)では、スペーサーは本明細書に記載の任意のスペーサーであり得る。スペーサーは、例えば長さが3から10原子が可能であり、例えばアミノ酸(例えば6-アミノヘキサン酸、本明細書に記載の任意のアミノ酸)、ジペプチド(例えばAla-Ala、βAla-βAla、Leu-Leu、Pro-Pro、γGlu-γGlu)、トリペプチド、又は親水性若しくは疎水性二官能性スペーサーであり得る。ある種の特徴では、スペーサー及びアシル又はアルキル基の合計長は約14から約28原子である。いくつかの実施態様では、アミノ酸スペーサーはγ-Gluではない。いくつかの実施態様では、ジペプチドスペーサーはγGlu-γGluではない。
アシル又はアルキル基は、本明細書に記載の任意のアシル又はアルキル基で、例えば非天然或いは自然に生じるアミノ酸であるアシル又はアルキル基である。いくつかの実施態様のアシル又はアルキル基はC4からC30脂肪アシル基、例えばC10脂肪アシル又はアルキル基、C12脂肪アシル又はアルキル基、C14脂肪アシル又はアルキル基、C16脂肪アシル又はアルキル基、C18脂肪アシル又はアルキル基、C20アシル又はアルキル基、又はC22アシル又はアルキル基、又はC4からC30アルキル基である。具体的な実施態様では、アシル基は、C12からC18脂肪アシル基(例えばC14又はC16脂肪アシル基)である。
GIPアゴニストは、例えば配列番号:1005−1094(場合によって、GIPアゴニスト活性を維持する1、2、3、4又は5つまでのさらに別の改変を有する)のアミノ酸配列のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドであり得る。ある種の実施態様では、GIPアゴニストは配列番号:1099−1262のいずれかのアミノ酸を含む。
ある種の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドはクラス3グルカゴン関連ペプチドであり、前記は、本明細書並びに国際特許出願PCT/US2009/47438(2009年6月16日出願)、国際特許出願公開公報WO 2008/101017(2008年8月21日公開)及び米国仮特許出願No.61/090,412及び米国特許出願61/177,476号に記載されている(前記文献の内容は参照によりその全体が組み入れられる)。
クラス3グルカゴン関連ペプチドに関連して以下の節で言及される生物学的配列のいくつか(配列番号:89-108、114-128及び146-656)は、国際特許出願PCT/US2009/47438の配列番号:89-108、114-128及び146-656に対応する。
クラス3グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴン受容体で活性の増加を示し、さらに別の実施態様では生物物理的安定性及び水溶性の増加を示すペプチドであり得る。さらに加えて、いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体に対比してグルカゴン受容体に対する天然のグルカゴンの選択性を喪失している。クラス3グルカゴン関連ペプチドで選択されるアミノ酸改変は、グルカゴン受容体に対比してGLP-1受容体における当該ペプチドの相対的活性を制御することができる。したがって、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体に対してグルカゴン受容体でより高い活性を有するグルカゴン/GLP-1コアゴニスト、両受容体でほぼ等価の活性を有するグルカゴン/GLP-1コアゴニスト、又はグルカゴン受容体に対比してGLP-1受容体でより高い活性を有するグルカゴン/GLP-1コアゴニストであり得る。コアゴニストの後者のカテゴリーは、グルカゴン受容体でほとんど又は全く活性を示さないが、GLP-1受容体で天然のGLP-1と同じ若しくは高い効能でGLP-1受容体を活性化する能力をなお維持するように操作することができる。これらコアゴニストのいずれもまた、生物物理的安定性及び/又は水溶性の強化を付与するアミノ酸改変を含むことができる。
クラス3グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴン受容体又はGLP-1受容体又は双方で活性が増加又は減少するグルカゴン関連ペプチドであり得る。クラス3グルカゴン関連ペプチドは、GLP-1受容体に対比してグルカゴン受容体に対する選択性が変化したグルカゴン関連ペプチドであり得る。本明細書に開示するように、溶解性及び/又は安定性の改善もまた示す、高い効能をもつクラス3グルカゴン関連ペプチドが提供される。
グルカゴン受容体における活性の増加は、天然のグルカゴン(配列番号:701)の16位のアミノ酸改変によって提供される。いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴン受容体におけるペプチドの効能を強化するために、野生型ペプチド(His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe- Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-rg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu- Met-Asn-Thr(配列番号:701))に対して改変を実施されてあるグルカゴンアゴニストである。天然のグルカゴン(配列番号:701)の16位で通常生じるセリンを選別酸性アミノ酸で置換し、有効性が実証されたin vitroモデルアッセイ(実施例7参照)でcAMP合成を刺激するその能力に関してグルカゴンの効能を強化することができる。より具体的には、この置換は、グルカゴン受容体におけるアナローグの効能を少なくとも2倍、4倍、5倍、及び10倍まで強化する。この置換はまた、GLP-1受容体におけるアナローグの活性を天然のグルカゴンに対比して少なくとも5倍、10倍又は15倍強化するが、しかしながらGLP-1受容体を超えるグルカゴン受容体に対する選択性は維持される。
2位の改変(例えば2位にAIB)及びいくつかの事例では1位の改変はグルカゴン活性を減少させ得ることが観察された。グルカゴン活性のこの減少は、例えば本明細書に記載する手段を介して(例えば“i”及び“i+4”位(例えば12及び16、16及び20、又は20及び24位)のアミノ酸の側鎖間の共有結合を介して)、グルカゴンのC-末端部分でアルファヘリックスを安定化させることによって回復させることができる。いくつかの実施態様では、この共有結合はラクタム架橋以外の分子内橋である。例えば、共有結合形成方法には、オレフィンメタセシス、ランチオニン系環状化、ジスルフィド架橋又は改変含硫架橋形成、α,ω-ジアミノアルカン鎖の使用、金属原子架橋の形成及びペプチド環状化の他の手段のいずれか1つ以上が含まれる。
GLP-1受容体での活性の強化は、C-末端アミノ酸のカルボン酸を中性荷電基(例えばアミド又はエステル)で入れ替えることによって提供される。いくつかの実施態様では、これらのクラス3グルカゴン関連ペプチドは配列番号:108を含み、前記ではカルボキシ末端アミノ酸は、天然のアミノ酸で見出されるカルボン酸基の代わりにアミド基を有する。これらのクラス3グルカゴン関連ペプチドは、グルカゴン及びGLP-1受容体の両受容体で強力な活性を有し、したがって両受容体でコアゴニストとして機能する。いくつかの実施態様にしたがえば、クラス3グルカゴン関連ペプチドはグルカゴン及びGLP-1受容体コアゴニストであり、前記ではペプチドは配列番号:108を含み、28位のアミノ酸はAsn又はLysで、29位のアミノ酸はThr-アミドである。
GLP-1受容体での活性の増加は、グルカゴンのC-末端部分(例えば残基12−29周辺)でアルファヘリックスを安定化させる改変によって提供される。いくつかの実施態様では、そのような改変は、3つの介在アミノ酸によって(すなわち“i”位のアミノ酸及び“i+4”位のアミノ酸でiは12から25の任意の整数)、又は2つの介在アミノ酸によって(すなわち“j”位のアミノ酸及び“j+3”位のアミノ酸で、jは12から27の任意の整数)、又は6つの介在アミノ酸によって(すなわち“k”位のアミノ酸及び“k+7”位のアミノ酸でkは12から22の任意の整数)分離される2つのアミノ酸の側鎖間で分子内橋の形成を可能にする。例示的な実施態様では、当該橋又はリンカーは長さが約8(又は約7−9)原子であり、それらは、12及び16位、又は16及び20位、又は20及び24位、又は24及び28位のアミノ酸の側鎖間で形成される。当該2つのアミノ酸側鎖は、非共有結合によって(例えば水素結合、イオン性相互作用(例えば塩橋の形成))又は共有結合によって互いに連結され得る。
いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは配列番号:108のグルカゴン関連ペプチドアナローグを含み、ここで、当該ペプチドは、12及び16位のアミノ酸の間で、又は16及び20位のアミノ酸の間で形成される分子内ラクタム架橋を含む。いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは配列番号:108のグルカゴン関連ペプチドアナローグを含み、ここで、分子内ラクタム架橋は、12及び16位のアミノ酸の間で、16及び20位のアミノ酸の間で、又は20及び24位のアミノ酸の間で形成され、かつ29位のアミノ酸はグリシンであり、配列番号:29の配列は配列番号:108のC-末端アミノ酸に連結される。さらに別の実施態様では、28位のアミノ酸はアスパラギン酸である。
さらにまた、GLP-1受容体における活性強化は、所望の活性を維持する位置への1つ以上のα,α-二置換アミノ酸の意図的な導入を介して、グルカゴン関連ペプチドのC-末端部分(アミノ酸12−29周辺)のアルファヘリックス構造を安定化させることによって達成できる。そのようなペプチドは本明細書では分子内橋を欠くペプチドと考えることができる。いくつかの特徴では、アルファヘリックスの安定化は、前記の態様の分子内橋(例えば塩橋又は共有結合)を導入することなく達成される。いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチドの16、17、18、19、20、21、24又は29位の1つ、2つ、3つ又は4つ以上がα,α-二置換アミノ酸で置換される。例えば、アミノイソ酪酸(AIB)によるクラス3グルカゴン関連ペプチドの16位の置換は、塩橋又はラクタムの非存在下でGLP-1活性を強化する。いくつかの実施態様では、16、20、21又は24位の1つ、2つ、又は3つ以上がAIBで置換される。
GLP-1受容体における活性の増加は、配列番号:78のC-末端延長部を含むクラス3グルカゴン関連ペプチドで示される。配列番号:78を含むそのようなクラス3グルカゴン関連ペプチドのGLP-1活性は、本明細書で述べるように18、28又は29位のアミノ酸を改変することによってさらに増加させることができる。GLP-1効力におけるさらに別の穏やかな増加は、10位のアミノ酸がTrpとなるように改変することによって達成できる。
GLP-1受容体活性を増加させる改変の組み合わせは、そのような改変のいずれの単独実施よりも高いGLP-1活性を提供できる。例えば、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、16位、20位及びC-末端カルボン酸基の改変を、場合によって16及び20位のアミノ酸間の共有結合とともに含むか、16位及びC-末端カルボン酸基の改変を含むか、16位及び20位の改変を、場合によって16及び20位のアミノ酸間の共有結合とともに含むか、又は20位及びC-末端カルボン酸基の改変を含むことができ、ただし場合によって12位のアミノ酸はArgでないことを条件とするか、又は場合によって9位のアミノ酸はGluでないことを条件とする。
親水性部分の添加
クラス3グルカゴン関連ペプチドはさらに改変して、生理学的pHの水溶液における当該ペプチドの溶解性及び安定性を改善し、一方、天然のグルカゴンと対比して高い生物学的活性を維持できる。本明細書に記載する親水性部分をクラス3グルカゴン関連ペプチドに本明細書でさらに考察するように付加することができる。いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:97又は配列番号:98を含むクラス3グルカゴン関連ペプチドの17、21及び24位への親水基の導入は、生理学的pHの溶液で高い効能を有するグルカゴンの溶解性及び安定性を改善することが予想される。そのような基の導入はまた、例えば循環中の半減期の延長によって測定したとき作用の持続時間を延長する。
いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106及び配列番号:107から成る群から選択される配列を含み、ここで、前記クラス3グルカゴン関連ペプチドの16、17、21又は24位の1つのアミノ酸残基の側鎖はさらにポリエチレングリコール鎖(約500から約40,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する)を含む。いくつかの実施態様では、ポリエチレングリコール鎖は、約500から約50,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。別の実施態様では、ポリエチレングリコール鎖は約10,000から約20,000ダルトンの分子量を有する。さらに他の例示的実施態様では、ポリエチレングリコール鎖は約20,000から約40,000ダルトンの分子量を有する。いくつかの実施態様にしたがえば、親水基はポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。より具体的には、いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは配列番号:94又は配列番号:95の配列を含み、ここでPEG鎖は、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドの21及び24位に存在するアミノ酸の側鎖に共有結合により連結され、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端アミノ酸はカルボン酸基を有する。いくつかの実施態様にしたがえば、ポリエチレングリコール鎖は、約500から約10,000ダルトンの範囲から選択される平均分子量を有する。
いくつかの実施態様にしたがえば、PEG化クラス3グルカゴン関連ペプチドは、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドに共有結合される2つ以上のポリエチレングリコール鎖を含み、該グルカゴン鎖の合計分子量は約1,000から約5,000ダルトンである。いくつかの実施態様では、PEG化グルカゴンアゴニストは配列番号:93又は配列番号:93のグルカゴンアゴニストアナローグから成るペプチドを含み、ここで、PEG鎖は21位及び24位のアミノ酸残基に共有結合により連結され、2つのPEG鎖の合計分子量は約1,000から約5,000ダルトンである。
配列番号:20を含むクラス3グルカゴン関連ペプチドの溶解性は、例えば配列番号:108のグルカゴン関連ペプチドのC-末端部分(好ましくはC-末端位から27位)に1つ、2つ又は3つ以上の荷電アミノ酸を導入することによってさらに改善できる。そのような荷電アミノ酸は、天然のアミノ酸を荷電アミノ酸で(例えば28又は29位で)置換することによって、また別には、例えば27、28又は29位の後ろに荷電アミノ酸を添加することによって導入できる。例示的実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てが陰性荷電である。当該クラス3グルカゴン関連ペプチドになおグルカゴン活性を保持させる追加の改変(例えば保存的置換)を前記ペプチドに対して実施してもよい。いくつかの実施態様では、配列番号:108のクラス3グルカゴン関連ペプチドのアナローグが提供され、ここで、該アナローグは17−26位における1つから2つのアミノ酸置換により配列番号:108と異なり、いくつかの実施態様では、該アナローグは20位のアミノ酸置換により配列番号:108のペプチドと異なる。
いくつかの実施態様にしたがえば、グルカゴン関連ペプチドは、アシル又はアルキル基(例えばC4からC30アシル又はアルキル基)を含むように改変される。いくつかの実施態様では、本発明は、クラス3グルカゴン関連ペプチドの10位のアミノ酸に共有結合により連結されたアシル基又はアルキル基を含むように改変される当該グルカゴン関連ペプチドを提供する。グルカゴン関連ペプチドはさらに、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドの10位のアミノ酸とアシル基又はアルキル基との間にスペーサーを含むことができる。前述のクラス3グルカゴン関連ペプチドのいずれも2つのアシル基又は2つのアルキル基又は前記の組合せを含むことができる。本発明の具体的な特徴では、アシル化クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:534−544及び546−549のいずれかのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するクラス3グルカゴン関連ペプチドはさらに、グルカゴン及びGLP-1受容体における活性及び/又は効能に影響を及ぼすことなく、当該グルカゴンペプチドのC-末端(すなわち29及び/又は28位)の1つ又は2つのアミノ酸の短縮又は欠失によって改変される。これに関しては、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、天然のグルカゴンペプチド(配列番号:1)のアミノ酸1−27又は1−28を含み、前記は場合によって本明細書に記載の1つ以上の改変を含む。いくつかの実施態様では、切端クラス3グルカゴン関連ペプチドは配列番号:550又は配列番号:551を含む。別の実施態様では、切端グルカゴンアゴニストペプチドは配列番号:552又は配列番号:553を含む。
いくつかの実施態様にしたがえば、本明細書に開示するクラス3グルカゴン関連ペプチドは、当該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端に第二のペプチド(例えば配列番号:78、配列番号:117又は配列番号:118)を添加することによって改変される。いくつかの実施態様では、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:110、配列番号:111及び配列番号:69から成る群から選択される配列を有するクラス3グルカゴン関連ペプチドは、第二のペプチドにペプチド結合を介して共有結合され、ここで第二のペプチドは配列番号:78、配列番号:117及び配列番号:118から成る群から選択される配列を含む。さらに別の実施態様では、C-末端延長部を含むクラス3グルカゴン関連ペプチドで、天然のグルカゴン関連ペプチドの29位のスレオニンはグリシンで取り替えられる。29のスレオニンがグリシンに置換され、かつ配列番号:78のカルボキシ末端延長部を有するクラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:78のカルボキシ末端延長部を含むように改変された天然のグルカゴンよりGLP-1受容体で4倍強力である。GLP-1受容体における効能はさらに、18位の天然のアルギニンのアラニン置換によって強化できる。
(A)溶解性の改善、例えば1つ、2つ又は3つ以上の荷電アミノ酸を天然のグルカゴンのC-末端部分(好ましくはC-末端位から27位)への導入による。そのような荷電アミノ酸は、天然のアミノ酸を荷電アミノ酸により(例えば28又は29位で)置換することによって、また別には例えば27、28又は29位の後ろに荷電アミノ酸を付加することによって導入できる。例示的実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てが陰性荷電である。他の実施態様では、荷電アミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てが陽性荷電である。そのような改変は溶解性を増加させ、例えば、25℃で24時間後に測定したとき、約5.5から8の間の与えられたpH(例えばpH7)で天然のグルカゴンと対比して少なくとも2倍、5倍、10倍、15倍、25倍又は30倍以上の溶解性を提供する;
(B)溶解性及び作用の持続時間又は循環中の半減期の増加、親水性部分(例えば本明細書に記載のポリエチレングリコール)の例えば当該ペプチドの16、17、20、21、24若しくは29位に又はC-末端アミノ酸に付加することによる;
(C)15位のアスパラギン酸の改変による溶解性の増加、例えば欠失又はグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸による置換による。そのような改変は、5.5から8の範囲内のpHでの分解又は切断を特に酸性又はアルカリ性緩衝液中で減少させ、例えば25℃で24時間後に本来のペプチドの少なくとも75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を維持する;
(D)27位のメチオニンの改変による安定性の増加、例えばロイシン又はノルロイシンによる置換による。そのような改変は酸化的分解を減少させることができる。安定性はまた、20又は24位のGlnの改変(例えばSer、Thr、Ala又はAIBによる置換)によって高めることができる。そのような改変は、Glnの脱アミド化を介して生じる分解を減少させることができる。安定性は、21位のAspの改変(例えばGluによる置換)によって高めることができる。そのような改変は、Aspが脱水されて環状スクシンイミド中間体を形成しその後に続くイソアスパルテートへの異性化を介して生じる分解を減少させる;
(E)1又は2位のアミノ酸の本明細書に記載のDPP-IV耐性アミノ酸による改変によるジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)に対する耐性の増加(2位のアミノ酸のN-メチル-アラニンによる改変が含まれる);
(F)活性に影響を及ぼさない保存的若しくは非保存的置換、付加又は欠失、例えば2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上の保存的置換;27、28又は29位の1つ以上の欠失;又は場合によってC-末端カルボン酸基の代わりにC-末端アミド又はエステルと一体化されるアミノ酸29の欠失が含まれる。
(G)本明細書に記載するC-末端延長部の付加;
(H)循環中の半減期の増加及び/又は作用時間の延長及び/又は作用開始の先送り、例えば本明細書に記載するグルカゴン関連ペプチドのアシル化又はアルキル化による;
(I)本明細書に記載するホモダイマー化又はヘテロダイマー化。
他の改変には以下が含まれる:大きな芳香族アミノ酸(例えばTyr、Phe、Trp又はアミノ-Phe)による1位のHisの置換;Alaによる2位のSerの置換;Val又はPheによる10位のTyrの置換;Argによる12位のLysの置換;Gluによる15位のAspの置換;Thr又はAIBによる16位のSerの置換。
GLP-1活性を有するクラス3グルカゴン関連ペプチド(大きな芳香族アミノ酸(例えばTyr)による1位のHisの非保存的置換を含む)は、アルファヘリックスが分子内橋(例えば本明細書に記載した分子内橋のいずれか)を介して安定化されることを条件としてGLP-1活性を維持することができる。
クラス3グルカゴン関連ペプチドは複合物部分と、場合によって共有結合を介して、場合によってリンカーを介して連結できる。クラス3グルカゴン関連ペプチドはまた融合ペプチド又はタンパク質の部分でもよく、ここで第二のペプチド又はポリペプチドは末端(例えばクラス3グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端)に融合されてある。より具体的には、融合クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:72、配列番号:97又は配列番号:98のグルカゴンアゴニストを含むことができ、前記はさらに当該グルカゴン関連ペプチドのアミノ酸29に連結された配列番号:78(GPSSGAPPPS)、配列番号:117(KRNRNNIA)又は配列番号:118(KRNR)を含む。いくつかの実施態様では、配列番号:78(GPSSGAPPPS)、配列番号:117(KRNRNNIA)又は配列番号:118(KRNR)のアミノ酸配列は、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドのアミノ酸29にペプチド結合を介して結合される。出願人らは、エクスペンジン-4のC-末端延長ペプチド(例えば配列番号:78又は配列番号:79)、29位の天然のスレオニン残基のグリシンによる置換を含むクラス3グルカゴン関連ペプチド融合ペプチドは、GLP-1受容体活性を劇的に増加させることを発見した。このアミノ酸置換をクラス3グルカゴン関連ペプチドに関して本明細書に開示した他の改変と一緒に用いて、GLP-1受容体に対するグルカゴンアナローグの親和性を強化できる。例えば、T29G置換を、S16E及びN20Kアミノ酸置換、場合によってアミノ酸16と20間のラクタム架橋、及び場合によって本明細書に記載のPEG鎖の付加と組み合わせることができる。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:98のクラス3グルカゴン関連ペプチドの化学的改変の追加は、GLP-1受容体における効能を増加させ、ここでグルカゴン受容体及びGLP-1受容体における相対的活性は実質的に同等である。したがって、いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、天然のアミノ酸に存在するカルボン酸基の代わりにアミド基を含む末端アミノ酸を含む。それぞれグルカゴン及びGLP-1受容体におけるクラス3グルカゴン関連ペプチドの相対的活性を、当該クラス3グルカゴン関連ペプチドに対するさらに別の改変によって調整して、天然のグルカゴンのグルカゴン受容体における活性の約40%から約500%以上、及び天然のGLP-1のGLP-1受容体における活性の約20%から約200%、例えばGLP-1受容体におけるグルカゴンの通常の活性と対比して50倍又は100倍以上を示すアナローグを製造することができる。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:72の配列を含むグルカゴンアナローグが提供され、ここで、前記アナローグは、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される1つから3つのアミノ酸により配列番号:72と異なり、前記グルカゴン関連ペプチドはGLP-1受容体における天然のGLP-1の活性の少なくとも20%を示す。
いくつかの実施態様にしたがえば、以下の配列を含むグルカゴン/GLP1受容体コアゴニストが提供される:
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Xaa-Xaa-Arg-Arg-Ala-Xaa-Asp-Phe-Val-Xaa-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:81)、式中、15位のXaaはAsp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、16位のXaaはSer、Glu、Gln、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、20位のXaaはGln又はLysであり、24位のXaaはGln又はGluであり、28位のXaaはAsn、Lys又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaはThr、Gly又は酸性アミノ酸であり、RはCOOH又はCONH2であるが、ただし16位がセリンであるとき20位はLysであるか、或いは16位がセリンであるとき24位はGluであり、かつ20位又は28位はLysであることを条件とする。いくつかの実施態様では、グルカゴン/GLP1受容体コアゴニストは配列番号:81の配列を含み、ここで、28位のアミノ酸はアスパラギン酸であり、29位のアミノ酸はグルタミン酸である。別の実施態様では、28位のアミノ酸は天然のアスパラギンであり、29位のアミノ酸はグリシンであり、配列番号:79又は配列番号:80のアミノ酸配列は、配列番号:81のカルボキシ末端に共有結合により連結される。
いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:81のグルカゴン関連ペプチドが提供され、ここで、前記アナローグは、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21及び27位から選択される1つから3つのアミノ酸により配列番号:81と異なるが、ただし16位のアミノ酸がセリンであるときは、20位はリジンであるか、又はラクタム架橋は24位と20位又は28位のアミノ酸との間で形成されることを条件とする。いくつかの実施態様にしたがえば、当該アナローグは、1、2、3、21及び27位から選択される1つから3つのアミノ酸により配列番号:81と異なる。いくつかの実施態様では、配列番号:81のグルカゴンペプチドは1つから2つのアミノ酸により当該配列と異なるか、又はいくつかの実施態様では、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21及び27位から選択されるただ1つのアミノ酸により当該配列と異なるが、ただし16位のアミノ酸がセリンであるとき、20位はリジンであるか、又はラクタム架橋は24位のアミノ酸と20位又は28位のアミノ酸との間で形成されることを条件とする。
NH2-His-Ser-Xaa-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Xaa-Xaa-Arg-Arg-Ala-Xaa-Asp-Phe-Val-Xaa-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:83)、式中、3位のXaaはGlu、Orn又はNleから成るアミノ酸群から選択され、15位のXaaはAsp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、16位のXaaはSer、Glu、Gln、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、20位のXaaはGln又はLysであり、24位のXaaはGln又はGluであり、28位のXaaはAsn、Lys又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaはThr、Gly又は酸性アミノ酸であり、RはCOOH、CONH2、配列番号:78又は配列番号:79であるが、ただし16位がセリンであるとき20位はLysであるか、或いは16位がセリンであるとき24位はGluであり、かつ20位又は28位はLysであることを条件とする。いくつかの実施態様では、3位のアミノ酸はグルタミン酸である。いくつかの実施態様では、28及び/又は29位での置換に用いられる酸性アミノ酸はアスパラギン酸又はグルタミン酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴン関連ペプチド(コアゴニストペプチドを含む)は配列番号:81の配列を含み、前記はさらに当該ペプチドのカルボキシ末端に付加される追加の酸性アミノ酸を含む。さらに別の実施態様では、グルカゴンアナローグのカルボキシ末端アミノ酸は、自然のアミノ酸のカルボン酸基の代わりにアミドを有する。
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Xaa-Xaa-Arg-Arg-Ala-Xaa-Asp-Phe-Val-Xaa-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:82)、式中、15位のXaaはAsp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、16位のXaaはSer、Glu、Gln、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、20位のXaaはGln又はLysであり、24位のXaaはGln又はGluであり、28位のXaaはAsn、Asp又はLysであり、RはCOOH、CONH2であり、29位のXaaはThr又はGlyであり、RはCOOH、CONH2、配列番号:78又は配列番号:79であるが、ただし16位がセリンであるとき20位はLysであるか、或いは16位がセリンであるとき24位はGluであり、かつ20位又は28位はLysであることを条件とする。いくつかの実施態様では、RはCONH2であり、15位のXaaはAspであり、16位のXaaは、Glu、Gln、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成るアミノ酸群から選択され、20及び24位のXaaは各々Glnであり、28位のXaaはAsn又はAspであり、29位のXaaはThrである。いくつかの実施態様では、15及び16位のXaaは各々Gluであり、20及び24位のXaaは各々Glnであり、28位のXaaはAsn又はAspであり、29位のXaaはThrであり、RはCONH2である。
いくつかの実施態様では、配列番号:108のグルカゴンアナローグが提供され、当該アナローグの1、2、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、27、28又は29位から選択される1つから6つのアミノ酸は配列番号:701の対応するアミノ酸と異なるが、ただし16位のアミノ酸がセリンのとき20位はLysであるか、或いは16位がセリンのとき24位はGluであり、かつ20位又は28位はLysである。別の実施態様にしたがえば、配列番号:108のグルカゴンアナローグが提供され、当該アナローグの1、2、5、7、10、11、13、14、17、18、19、20、21、27、28又は29位から選択される1つから3つのアミノ酸は配列番号:701の対応するアミノ酸と異なる。別の実施態様では、配列番号:96、配列番号:97又は配列番号:99のグルカゴンアナローグが提供され、当該アナローグの1、2、5、7、10、11、13、14、17、18、19、20又は21位から選択される1つから2つのアミノ酸は配列番号:701の対応するアミノ酸と異なり、さらに別の実施態様では、当該1つから2つの異なるアミノ酸は、天然のグルカゴン配列(配列番号:701)に存在するアミノ酸と対比して保存的アミノ酸置換を表す。いくつかの実施態様では、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102又は配列番号:103のグルカゴンペプチドが提供され、ここで、当該グルカゴンペプチドはさらに2、5、7、10、11、13、14、17、18、19、20、21、27又は29位から選択される位置に1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施態様では、2、5、7、10、11、13、14、16、17、18、19、20、21、27又は29位の置換は保存的アミノ酸置換である。
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Xaa-Xaa-Arg-Arg-Ala-Xaa-Xaa-Phe-Val-Xaa-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:123)、式中、15位のXaaはAsp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸であり、16位のXaaはSer、Glu、Gln、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸であり、20位のXaaはGln、Lys、Arg、Orn又はシトルリンであり、21位のXaaはAsp、Glu、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸であり、24位のXaaはGln又はGluであり、28位のXaaはAsn、Lys又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaはThr又は酸性アミノ酸であり、RはCOOH、CONH2である。いくつかの実施態様では、RはCONH2である。いくつかの実施態様にしたがえば、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:114、配列番号:115又は配列番号:116の変種を含むグルカゴン/GLP1受容体コアゴニストが提供され、ここで、当該変種は、20位のアミノ酸置換によって前記配列と異なる。いくつかの実施態様では、当該アミノ酸置換は20位のためにLys、Arg、Orn又はシトルリンから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、グルカゴン/GLP1受容体コアゴニストは配列番号:108の配列を含み、前記はさらに、追加の一アミノ酸又は配列番号:78、配列番号:117及び配列番号:118から成る群から選択されるペプチドのカルボキシ末端延長部を含む。一アミノ酸が配列番号:108のカルボキシ末端に付加される実施態様では、典型的には、アミノ酸は20の通常アミノ酸の1つから選択され、いくつかの実施態様では、追加されるカルボキシ末端アミノ酸は天然のアミノ酸のカルボン酸の代わりにアミド基を有する。いくつかの実施態様では、追加のアミノ酸は、グルタミン酸、アスパラギン酸及びグリシンから成る群から選択される。
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Glu-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:66);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Glu-Arg-Arg-Ala-Lys-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:109);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Lys-Asp-Phe-Val-Glu-Trp-Leu-Met-Xaa-Xaa-R(配列番号:111);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Glu-Trp-Leu-Met-Lys-Xaa-R(配列番号:112);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Glu-Arg-Arg-Ala-Lys-Asp-Phe-Val-Glu-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-R(配列番号:104);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Glu-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Glu-Trp-Leu-Met-Lys-Thr-R(配列番号:105);
NH2-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Glu-Arg-Arg-Ala-Lys-Asp-Phe-Val-Glu-Trp-Leu-Met-Lys-Thr-R(配列番号:106)、
式中、28位のXaaはAsp又はAsnであり、29位のXaaはThr又はGlyであり、RはCOOH、CONH2、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、配列番号:78、配列番号:117及び配列番号:118から成る群から選択され、さらにラクタム架橋は、配列番号:109については12位のLysと16位のGluの間で、配列番号:110については16位のGluと20位のLysの間で、配列番号:111については20位のLysと24位のGluの間で、配列番号:112については24位のGluと28位のLysの間で、配列番号:104については12位のLysと16位のGluの間及び20位のLysと24位のGluの間で、配列番号:105については12位のLysと16位のGluの間及び24位のGluと28位のLysの間で、配列番号:106については16位のGluと20位のLysの間及び24位のGluと28位のLysの間で形成される。いくつかの実施態様では、RはCOOH、CONH2、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンから成る群から選択され、28位のアミノ酸はAsnであり、29位のアミノ酸はスレオニンである。いくつかの実施態様では、RはCONH2であり、28位のアミノ酸はAsnであり、29位のアミノ酸はスレオニンである。別の実施態様では、Rは配列番号:78、配列番号:79及び配列番号:80から成る群から選択され、29位のアミノ酸はグリシンである。
一アミノ酸が配列番号:108のカルボキシ末端に付加される実施態様では、当該アミノ酸は、典型的には20の通常アミノ酸の1つから選択され、いくつかの実施態様では、当該アミノ酸は天然のアミノ酸のカルボン酸の代わりにアミド基を有する。いくつかの実施態様では、追加のアミノ酸は、グルタミン酸及びアスパラギン酸及びグリシンから成る群から選択される。グルカゴンアゴニストアナローグがさらにカルボキシ末端延長部を含む実施態様では、当該延長部のカルボキシ末端アミノ酸は、いくつかの実施態様ではカルボン酸ではなくアミド基又はエステル基で終わる。
配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106、配列番号:107及び配列番号:121のグルカゴン配列の内部に追加の位置特異的改変を実施して、種々の程度のGLP-1アゴニスト作用を有する一組のグルカゴンアゴニストを得ることができる。したがって、各受容体で実質的に同一のin vitroの効能を有するペプチドが調製され特徴付けられている。同様に、2つの受容体の各々で10倍選択的強化された効能を有するペプチドが調製され特徴付けられている。上記に特記したように、16位のセリン残基のグルタミン酸による置換はグルカゴン及びGLP-1受容体の双方で天然のグルカゴンの効能を強化するが、グルカゴン受容体に対してはほぼ10倍の選択性を維持する。加えて、3位の天然のグルタミンをグルタミン酸で置換することによって(配列番号:128)、GLP-1受容体に対してほぼ10倍の選択性を示すグルカゴンアナローグが生成される。
いくつかの実施態様では、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106及び配列番号:107から成る群から選択されるグルカゴンペプチドはさらに改変されて、当該グルカゴンペプチドの17又は21位のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結されるPEG鎖を含む。いくつかの実施態様では、PRG化グルカゴン/GLP-1受容体コアゴニストはさらに、配列番号:78、配列番号:117又は配列番号:79の配列を含む。
別の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:72又は配列番号:81又は配列番号:82の配列を含み、ここで、追加のアミノ酸が配列番号:81又は配列番号:82のカルボキシ末端に付加され、さらにPEG鎖が前記付加アミノ酸の側鎖に共有結合により連結される。さらに別の実施態様では、PEG化グルカゴンアナローグはさらに配列番号:78又は配列番号:79のC-末端延長部を含み、前記延長部は配列番号:81又は配列番号:82のC-末端アミノ酸に連結される。別の実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは配列番号:107を含み、ここでPEG鎖は当該グルカゴン関連ペプチドの30位のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結され、当該ペプチドはさらに、配列番号:107のC-末端アミノ酸に連結される配列番号:78又は配列番号:79のC-末端延長部を含む。
ある種の実施態様では、アシル化又はアルキル化される10位のアミノ酸を含むグルカゴンペプチドは、安定化アルファヘリックスを含む。したがって、ある種の特徴では、グルカゴンペプチドは、本明細書に記載するアシル又はアルキル基、並びにi位のアミノ酸及びi+4位のアミノ酸の側鎖間の分子内橋、例えば共有結合分子内橋(例えばラクタム架橋)を含む(iは12、16、20又は24である)。また別に或いはさらに加えて、グルカゴンペプチドは本明細書に記載のアシル又はアルキル基を含み、さらに当該グルカゴンペプチドの16、20、21及び/又は24位の1つ、2つ又は3つ以上は、α,α-二置換アミノ酸(例えばAIB)で置換される。いくつかの事例では、非天然のグルカゴンペプチドは16位にGlu及び20位にLysを含み、ここで、場合によってラクタム架橋はGlu及びLysを連結し、場合によって当該グルカゴンペプチドはさらに、17位のGln、18位のAla、21位のGlu、23位のIle及び24位のAlaから成る群から選択される1つ以上の改変をさらに含む。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のアシル又はアルキル基を含むグルカゴン関連ペプチドはさらに、1位に、2位に、又は1及び2位にアミノ酸置換を含み、ここで当該アミノ酸置換はDPP-IVプロテアーゼ耐性を達成する。ある種の具体的な実施態様では、グルカゴン関連ペプチドは、10位に本明細書に記載するアシル化又はアルキル化アミノ酸を有する配列番号:72を含むペプチドである。これらの実施態様のアシル又はアルキル基は本明細書に記載する任意のアシル又はアルキル基である。例えばアシル基はC4からC30(例えばC8からC24)脂肪アシル基であり、アルキル基はC4からC30(例えばC8からC24)アルキル基であり得る。
アシル又はアルキル基が付加されるアミノ酸は本明細書に記載のアミノ酸のいずれか、例えば式I(例えばLys)、式II及び式IIIのいずれかのアミノ酸であり得る。
いくつかの実施態様では、アシル基又はアルキル基は10位のアミノ酸に直に付加される。いくつかの実施態様では、アシル又はアルキル基は、10位のアミノ酸にスペーサー(例えば長さが3から10原子のスペーサー(例えば一アミノ酸又はジペプチド))を介して付加される。アシル又はアルキル基の付加を目的とする適切なスペーサーは本明細書に記載される。
したがって、いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは以下の1つ以上を有する配列番号:701の配列を含む:17位にGln、18位にAla、21位にGlu、23位にIle及び24位にAla又はCys、前記の保存的アミノ酸置換。いくつかの特徴では、アナローグはC-末端アルファカルボキシレートの代わりにC-末端アミドを含む。ある種の実施態様では、アナローグは1位に、2位に又は1及び2位にアミノ酸置換を含み、前記置換はDPP-IVプロテアーゼ耐性を達成する。適切なアミノ酸置換は本明細書に記載される。例えば1位のDMIA及び/又は2位のD-Ser又はAIBである。いくつかの実施態様では、2位のアミノ酸はD-セリンではない。
GIP受容体でアゴニスト活性を示すアナローグに関して、アナローグは1−21アミノ酸(例えば5−19,7−15、9−12アミノ酸)の延長部を含む。アナローグの延長部は、延長部が1から21アミノ酸であることを条件として任意のアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの特徴では、延長部は7から15アミノ酸であり、他の特徴では、延長部は9から12アミノ酸である。いくつかの実施態様では、延長部は、(i)配列番号:78又は674のアミノ酸配列、(ii)配列番号:78又は674のアミノ酸配列と高い配列同一性(例えば少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%)を有するアミノ酸配列、又は(iii)1つ以上の保存的アミノ酸改変を有する(i)又は(ii)のアミノ酸配列を含む。
例示的実施態様では、アシル又はアルキル基は、非天然或いは自然に生じるアミノ酸のアシル又はアルキル基である。例えば、アシル又はアルキル基はC4からC30(例えばC12からC18)脂肪アシル基又はC4からC30(例えばC12からC18)アルキル基であり得る。アシル又はアルキル基は本明細書で考察されるもののいずれかであり得る。
いくつかの実施態様では、アシル又はアルキル基は、例えばアミノ酸の側鎖を介して当該アミノ酸に直に付加される。他の実施態様では、アシル又はアルキル基は、スペーサー(例えば一アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー、疎水性二官能性スペーサー)を介してアミノ酸に付加される。ある種の特徴では、スペーサーは長さが3から10原子である。いくつかの実施態様では、アミノ酸スペーサーはγ-Gluではない。いくつかの実施態様では、ジペプチドスペーサーはγGlu-γGluではない。
他の実施態様では、延長部の1−6アミノ酸(例えば1−2、1−3、1−4、1−5アミノ酸)は陽性荷電アミノ酸、例えば式IVのアミノ酸(例えばLys)である。本明細書で用いられるように、“陽性荷電アミノ酸”という用語は任意のアミノ酸(自然に生じるもの又は自然には生じないもの)を指し、前記アミノ酸は生理学的pHでその側鎖の原子上に陽性荷電を含む。ある種の特徴では、陽性荷電アミノ酸は37、38、39、40、41、42及び43位のいずれかに配置される。具体的な実施態様では、陽性荷電アミノ酸は40位に配置される。他の事例では、延長部は本明細書に記載するようにアシル化又はアルキル化され、本明細書に記載するように1−6陽性荷電アミノ酸を含む。
いくつかの実施態様にしたがえば、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:514、517−534又は554のいずれかのアミノ酸配列を含むか、本質的に前記から成るか又は前記から成り、前記アミノ酸配列は、場合によって、GLP1アゴニスト及び/又はグルカゴンアゴニスト活性を保持する1、2、3、4又は5つまでのさらに別の改変を有する。ある種の実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:562−684及び1701−1776のいずれかのアミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、クラス3グルカゴン関連ペプチドは、配列番号:801−1908のいずれかのアミノ酸配列を含む。
本開示にしたがって高血糖症を治療するある方法は、本明細書開示のグルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物を任意の標準的な投与ルートを用いて投与する工程を含む。前記ルートには非経口的(例えば静脈内、腹腔内、皮下又は筋肉内)、脊髄内、皮内、直腸的、経口的、経鼻的、又は吸入が含まれる。ある実施態様では、組成物は皮下又は筋肉内に投与される。ある実施態様では、組成物は非経口的に投与され、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物は注射筒内に予め包装されている。
全ての治療方法、医薬組成物、キット及び本明細書に記載する同様な実施態様は、グルカゴン関連ペプチドーインスリン複合ペプチドにはその全ての医薬的に許容できる塩が含まれることを想定する。
ある実施態様では、キットは、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物を患者に投与するための装置とともに提供される。キットはさらに多様な容器(例えばバイアル、チューブ、ビンなど)を含むことができる。好ましくは、キットはまた使用のための指示を含むであろう。ある実施態様にしたがえば、キットの装置はエーロゾルディスペンサー装置であり、前記装置では組成物はエーロゾル装置内に予め包装されている。別の実施態様では、キットは注射筒及び注射針を含み、ある実施態様では、グルカゴン関連ペプチド-インスリン複合物の組成物は注射筒内に予め包装されている。
本発明の化合物は、標準的合成方法、組換えDNA技術、又は任意の他のペプチド及び融合タンパク質調製方法によって調製できる。ある種の非天然アミノ酸は標準的な組換えDNA技術では発現できないが、それらを調製する技術は当業界で公知である。非ペプチド部分を包含する本発明の化合物は、応用可能なときは標準的なペプチド化学反応に加えて、標準的な有機化学反応によって合成できる。
(i)1つから3つのアミノ酸改変を有する、アミノ酸配列X1-X2-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Z(配列番号:839)、式中、
X1及び/又はX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対するグルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然の(配列番号:701に対して)アミノ酸であり、
Zは、Asn-Thr-COOH及びY-COOHから成る群から選択され(式中Yは1から2アミノ酸)、さらにまた、
(1)ラクタム架橋がi位のアミノ酸及びi+4位のアミノ酸の側鎖を接続するか(式中iは12、16、20又は24)、又は
(2)グルカゴン関連ペプチドの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α-二置換アミノ酸で置換され、
かつ前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(ii)配列番号:701のアミノ酸配列であって、
28位のAsnの荷電アミノ酸による置換、
28位のAsnのAsp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
28位におけるAsn、Asp又はGluによる置換、
28位におけるGluによる置換、
29位のThrの荷電アミノ酸による置換、
29位のThrのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
29位におけるAsp、Glu又はLysによる置換、
29位におけるGluによる置換、
29位の後ろに1から3つの荷電アミノ酸の挿入、
29位の後ろにGlu又はLysの挿入、
29位の後ろにGly-Lys又はLys-Lysの挿入、
又は前記の組み合わせ、
及びグループA若しくはグループB又は前記の組み合わせから選択される少なくとも1つのアミノ酸改変、
から成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸改変を含むように改変され、
ここで、グループAは、16位のSerのThr又はAIBによる置換から成る群から選択されるアミノ酸改変であり、さらに
グループBは、
1位のHisのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
2位のSerのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
10位のTyrのPhe又はValによる置換、
12位のLysのArgによる置換、
20位のGlnのAla又はAIBによる置換、
21位のAspのGluによる置換、
24位のGlnのAla又はAIBによる置換、
27位のMetのLeu又はNleによる置換、
又は前記の組み合わせから成る群から選択されるアミノ酸改変であり、
かつ前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(iii)配列番号:701のグルカゴン関連ペプチドであって、
(a)GIPアゴニスト活性を付与する、1位のアミノ酸改変
(b)(1)i位及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj位及びj+3位のアミノ酸の側鎖間のラクタム架橋(式中iは12、13、16、17、20又は24で、jは17である)、又は(2)当該アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α-二置換アミノ酸による置換、
(c)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、及び
(d)1つから6つの更なるアミノ酸改変、
を含むように改変され、ここで当該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50が約10nM以下である、前記グルカゴン関連ペプチド;
(iv)配列番号:72又は配列番号:72のアナローグの配列であって、ここで前記アナローグが、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される1つから3つのアミノ酸改変によって配列番号:72と異なり、
前記グルカゴン関連ペプチドが、GLP-1受容体で天然のGLP-1の活性の少なくとも20%を示す、前記配列;
(v)10を超えないアミノ酸改変によって配列番号:701と異なるアミノ酸であって、16、20、21及び/又は24位にAIBによる1つ以上のアミノ酸置換並びにジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対する感受性の減少を提供する1位及び/又は2位におけるアミノ酸改変を含み、前記グルカゴン関連ペプチドが、GLP-1受容体で天然のGLP-1の活性の少なくとも20%を示す、前記アミノ酸。
X4は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であり、
X5は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X8は、ヒスチジン、スレオニン又はフェニルアラニンであり、
X9は、セリン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X10は、イソロイシン又はセリンであり、
X12は、セリン又はアスパラギン酸であり、
X14は、チロシン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X15は、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、アラニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X17は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、リジン、オルニチン又はグルタミンであり、
X18は、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸又はスレオニンであり、
X21は、アラニン、グリシン、セリン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ロイシン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン及びメチオニンから成る群から選択され、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン又はフェニルアラニンであり、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN-末端アミンから成る群から選択され、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
X8は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X9は、セリン、リジン又はアラニンであり、
X21は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X29は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X33は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X34は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X41は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X45は、チロシン又はフェニルアラニンであり、
R22は、FVNQ(配列番号:12)、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン及びN-末端アミンから成る群から選択され、
さらにR13はCOOH又はCONH2である。
X8は、フェニルアラニン又はヒスチジンであり、
X9は、アルギニン、オルニチン又はアラニンであり、
X19は、チロシン、4-メトキシ-フェニルアラニン又は4-アミノ-フェニルアラニンであり、
X21は、アラニン又はアスパラギンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X42は、アラニン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択されてR13はCOOH又はCONH2であり、
R22は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン-プロリン-グルタミン酸トリペプチド、バリン-アスパラギン-グルタミントリペプチド、プロリン-グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン-グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN-末端アミンから成る群から選択され、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
Z1は、アスパルテート-リジン、リジン-プロリン及びプロリン-リジンから成る群から選択されるジペプチドであり、さらに
B1は、スレオニン、アラニン又はスレオニン-アルギニン-アルギニントリペプチドから成る群から選択される。
実施態様12では、実施態様1−7のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、前記A鎖は配列GIVEQCCTSICSLYQLENYCN-R13(配列番号:1)を含み、前記B鎖は配列FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT(配列番号:2)を含む。
実施態様13では、実施態様1−12のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該インスリンペプチドは単一鎖インスリンであり、さらにB及びA鎖を継ぎ合わせるペプチドリンカーは、SSSSKAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQR(配列番号:52)、SSSSRAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQK(配列番号:51)、GAGSSSX57X58(配列番号:76)、GYGSSSX57X58(配列番号:21)及びGYGSSSX57X58APQT(配列番号:77)から成る群から選択され、式中、X57及びX58は別個にアルギニン、リジン又はオルニチンである。
実施態様14では、実施態様1−13のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該ペプチドリンカーはGYGSSSRR(配列番号:18)及びGAGSSSRR(配列番号:22)から成る群から選択される。
実施態様15では、実施態様1−14のいずれか1つの複合物又は医薬的に許容できるその塩が提供され、ここで、当該グルカゴン関連ペプチドは配列番号:72又は配列番号:72のアナローグの配列を含み、前記アナローグは、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される、1つから3つのアミノ酸改変によって配列番号:72と異なり、当該グルカゴン関連ペプチドは、12及び16、16及び20、20及び24、又は24及び28位のアミノ酸の側鎖間に分子内橋を含む。
実施態様16では、実施態様1−15のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該グルカゴン関連ペプチドは、16及び20位のアミノ酸の間に塩橋又はラクタム架橋を含む。
a.配列番号:81、
b.配列番号:83、
c.配列番号:89、
d.配列番号:84−88のいずれか1つ、
e.配列番号:100−103のいずれか1つ、
f.配列番号:108であって、20位のアミノ酸がアルギニン、オルニチン及びシトルリンから成る群から選択されるもの、
g.配列番号:98、99、109−112、104−106、及び配列番号:72のいずれか1つであって、当該ペプチドの28位のXaaがアスパラギン又はアスパラギン酸で、当該ペプチドの29位のXaaがスレオニン又はグリシンで、さらに当該ペプチドのC-末端がさらに配列番号:78、配列番号:79、COOH又はCONH2を含むもの、及び
h.配列番号:251、319及び510のいずれか1つ。
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変(場合によって1位のアミノ酸はイミダゾール側鎖を欠くアミノ酸である)、
(b)16位のSerの下記式IVのアミノ酸によるアミノ酸置換
(c)当該アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α-二置換アミノ酸による置換、
(d)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てにおけるアミノ酸改変、及び
(e)当該グルカゴン配列(配列番号:701)に対する1−9の更なるアミノ酸改変
という上記改変の1つ以上を含み、
GIP受容体活性化のための当該アナローグのEC50が約10nM以下である、実施態様1−14のいずれか1つの複合物が提供される。
実施態様25では、実施態様23又は24のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該グルカゴン関連ペプチドはさらにGPSSGAPPPS(配列番号:95)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:96)のアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列はC-末端から29位のアミノ酸の位置で前記ペプチドに連結される。実施態様26では、実施態様1−14及び23−25のいずれか1つの複合物が提供され、ここで当該グルカゴン関連ペプチドはさらに、
(a)2位のSerのD-Ser、Ala、D-Ala、Gly、N-メチル-Ser、AIB、Val又はα-アミノ-N-酪酸による置換、
(b)3位のGlnのGluによる置換、
(c)10位のアミノ酸Tyrのアシル基又はアルキル基に共有結合により連結される側鎖を含むアミノ酸、場合によって下記式Iのアミノ酸による置換
(d)当該アナローグのC-末端アミノ酸として、アシル基又はアルキル基に共有結合により連結される側鎖を含むアミノ酸、場合によって式Iのアミノ酸の付加、
(e)12位のLysのIleによる置換、
(f)17位のArgのGlnによる置換、
(g)18位のArgのAlaによる置換、
(h)21位のAspのGluによる置換、
(i)24位のGlnのAsnによる置換、及び
(j)C-末端アミノ酸のカルボン酸の中性荷電基、場合によってアミドによる取り替え、という上記改変の1つ以上を含む。
X8は、フェニルアラニン又はヒスチジンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸であり、
X42は、アラニン、オルニチン又はアルギニンであり、
X48は、リジン又はアスパラギン酸であり、
X49は、プロリン、オルニチン又はアルギニンであり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。
実施態様34では、実施態様33のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該複合物はさらに構造U-Jに共有結合により連結される親水性部分を含むか、或いはまた別に親水性部分は前記複合物のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結される親水性部分を含み、後者には、A14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29又は天然のグルカゴン(配列番号:701)の16、17、20、21、24若しくは29の対応する1つ以上の位置に、又は当該グルカゴン関連ペプチドのC-末端領域に共有結合により連結される親水性部分が含まれる。これらの実施態様のいずれでも、場合によって親水性部分はポリエチレングリコールである。
実施態様35では、実施態様1−32のいずれか1つの複合物が提供され、ここで、当該複合物はさらに、アミノ酸側鎖に共有結合により連結されるアシル基又はアルキル基を含むように改変される。さらに別の実施態様では、前記アシル基又はアルキル基は、天然のグルカゴン(配列番号:701)の10位に対応するグルカゴン関連ペプチドの位置に、又はインスリンペプチドのA14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29から選択される1つ以上の位置に、又は構造U-Jのアミノ酸の側鎖に共有結合により連結される。先行する実施態様のいずれか1つの複合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物もまた本開示にしたがって提供される。
Boc化学反応を用いて、インスリンA及びB鎖を4-メチルベンゾヒドリルアミン(MBHA)樹脂又は4-ヒドロキシメチル-フェニルアセトアミドメチル(PAM)樹脂上で合成した。HF/p-クレゾール(95:5)を0℃で1時間用いて、樹脂からペプチドを切断した。HF除去及びエーテル沈殿に続いて、ペプチドを50%酢酸水溶液に溶解し凍結乾燥させた。また別には、ペププチドはFmoc化学反応を用いて合成した。前記ペプチドは、トリフルオロ酢酸(TFA)/トリイソプロピルシラン(TIS)/H2O(95:2.5:2.5)を室温で2時間用いて樹脂から切断した。ペプチドを過剰量のジエチルエーテルの添加により沈殿させ、ペレットを酸性緩衝水に溶解した。ペプチドの品質はRP-HPLCによってモニターし、質量分析(ESI又はMALDI)によって確認した。
インスリンA鎖は、アミノ酸7位のただ1つの遊離システインを用いて合成し、他の全てのシステインはアセトアミドメチルA-(SH)7(Acm)6,11,20として保護した。インスリンB鎖は、7位のただ1つの遊離システインを用いて合成し、他のシステインはアセトアミドメチルB-(SH)7(Acm)19として保護した。粗ペプチドは通常のRP-HPLCによって精製した。
合成したA及びB鎖は、図1に概略した一般的な方法にしたがって、それらの天然のジスルフィド結合により互いに連結させた。それぞれのB鎖を、DMF又はDMSOへの溶解によりCys7-Npysに活性化させ、2,2’-ジチオビス(5-ニトロピリジン)(Npys)と1:1のモル比及び室温で反応させた。前記活性化はRP-HPLCでモニターし、生成物はESI-MSで確認した。
第一のB7-A7ジスルフィド結合は、それぞれA-(SH)7(Acm)6,11,20及びB-(Npys)7(Acm)19を1:1のモル比で総ペプチド濃度10mg/mLにて溶解することによって形成された。鎖の結合反応が完了したとき、混合物を50%酢酸水濃度に稀釈した。最後の2つのジスルフィド結合はヨウ素の添加により同時に形成された。40倍モル過剰のヨウ素を前記溶液に添加し、この混合物を室温でさらに1時間攪拌した。アスコルビン酸水溶液を添加して反応を終了させた。混合物をRP-HPLCで精製し、最終化合物をMALDI-MSによって確認した。図2及び表1のデータが示すように、この方法にしたがって調製した合成インスリンは、インスリン受容体結合について精製インスリンと良好な類似を示す。
改変アミノ酸(例えばA19位の4-アミノフェニルアラニン)を含むインスリンペプチドもまた、非コードアミノ酸のタンパク質への取り込みを可能にする系を用いてin vivoで合成できる。前記系には、例えば米国特許第7,045,337号及び7,083,970号に教示された系が含まれる。
a.合成
インスリン(又はインスリンアナローグ)、mPEG20k-アルデヒド及びNaBH3CN(モル比1:2:30)を酢酸緩衝液(pH4.1−4.4)に溶解した。反応溶液は、0.1NのNaCl、0.2N酢酸及び0.1NのNa2CO3を含んでいた。インスリンペプチド濃度は約0.5mg/mLであった。反応は室温で6時間にわたって生じた。反応の程度はRP-HPLCでモニターし、反応収量は約50%であった。
b.精製
反応混合物を0.1%のTFAで2−5倍に稀釈し、調製用RP-HPLCカラムに適用した。HPLC条件:C4カラム、流速は10mL/分、A緩衝液は水に10%ACN及び0.1%TFA、B緩衝液はACNに0.1%TFA、直線状グラジエントB%は0−40%(0−80分)。PEG-インスリン又はアナローグは約35%緩衝液Bで溶出させた。所望の化合物はMALDI-TOEとその後のスルフトリシス又はトリプシン分解による化学的改変によって立証した。
N-ヒドロキシスクシンイミドアシル化によるアミン基(N-末端及びリジン)のPEG化
a.合成
インスリン(又はインスリンアナローグ)をmPEG20k-NHSとともに0.1Nのビシン緩衝液(pH8.0)に1:1のモル比で溶解した。インスリンペプチド濃度は約0.5mg/mLであった。反応の進行はHPLCでモニターした。反応収量は室温で2時間後に約90%であった。
b.精製
反応混合物を2−5倍に稀釈し、RP-HPLCにロードした。HPLC条件:C4カラム、流速は10mL/分、A緩衝液は水に10%ACN及び0.1%TFA、B緩衝液はACNに0.1%TFA、直線状グラジエントB%は0−40%(0−80分)。PEG-インスリン又はアナローグは約35%Bで収集した。所望の化合物はMALDI-TOEとその後のスルフトリシス又はトリプシン分解による化学的改変によって立証した。
フェニルアラニンの芳香環のアセチル基の還元的アミノ化PEG化
a.合成
インスリン(又はインスリンアナローグ)、mPEG20k-ヒドラジド及びNaBH3CN(モル比1:2:20)を酢酸緩衝液(pH4.1−4.4)に溶解した。反応溶液は、0.1NのNaCl、0.2N酢酸及び0.1NのNa2CO3を含んでいた。室温、24時間のインスリン又はインスリンアナローグの濃度は約0.5mg/mLであった。反応の進行はHPLCでモニターした。反応の変換は約50%であった(HPLCによって計算)。
b.精製
反応混合物を2−5倍に稀釈し、RP-HPLCにロードした。HPLC条件:C4カラム、流速は10mL/分、A緩衝液は水に10%ACN及び0.1%TFA、B緩衝液はACNに0.1%TFA、直線状グラジエントB%は0−40%(0−80分)。PEG-インスリン又はPEG-インスリンアナローグは約35%Bで収集した。所望の化合物はMALDI-TOEとその後のスルフトリシス又はトリプシン分解による化学的改変によって立証した。
各ペプチドのインスリン又はIGF-1受容体に対する親和性を、シンチレーションプロクシミティ技術を利用する競合結合アッセイで測定した。ペプチドの連続3倍希釈をトリス-Cl緩衝液(0.05Mトリス-HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.1%w/vウシ血清アルブミン)で作成し、96ウェルプレート(Corning Inc., Acton, MA)にて0.05nMの(3-[125I]-ヨードチロシル)A TyrA14インスリン又は(3-[125I]-iodotyrosyl)IGF-1(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)と混合した。ヒトインスリン又はIGF-1受容体を過剰発現する細胞から調製した形質膜フラグメントの1−6マイクログラムのアリコットが各ウェルに存在し、ポリエチレンイミン処置コムギ胚芽アグルチニンA型シンチレーションプロクシミティアッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)を0.25mg/ウェルで添加した。800rpmで5分振盪させた後で、プレートを室温で12時間インキュベートし、放射能をMicroBeta 1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で測定した。非特異的結合(NSB)の放射能を、テストサンプルの最高濃度の4倍濃度過剰の“コールド”の天然のリガンドを有するウェルで測定した。全結合放射能は競合物を含まないウェルで検出した。特異的結合パーセントを以下のように計算した:特異的結合パーセント=(結合NSB/全結合NSB)x100。IC50値はオリジンソフトウェア(Origin software, OriginLab, Northampton, MA )を用いて決定した。
インスリン又はインクレチン-インスリン複合物の受容体リン酸化を測定するために、受容体をトランスフェクトしたHEK293細胞を96ウェルの組織培養プレート(Costar #3596, Cambridge, MA)にプレートし、ダルベッコー改変イーグル培養液(DMEM(Dulbecco’s modified Eagle medium ))で5%CO2及び90%湿度下にて16−20時間37℃で培養した。前記培養液は100IU/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、10mM HEPES及び0.25%のウシ増殖血清(HyClone SH30541, Logan, UT)が補充されてあった。インスリン又はインスリンアナローグの連続希釈を、0.5%ウシ血清アルブミン(Roche Applied Science #100350, Indianapolis, IN)補充DMEMで調製し、接着細胞を含むウェルに添加した。5%CO2を含む湿潤雰囲気にて37℃で15分インキュベートした後、細胞を5%パラホルムアルデヒドで20分間室温にて固定し、リン酸緩衝食塩水(pH7.4)で2回洗浄し、さらにPBS中の2%ウシ血清アルブミンで1時間ブロックした。続いて前記プレートを3回洗浄し、製造業者の推奨にしたがって2%ウシ血清アルブミン含有PBSで再構成したセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合抗ホスホチロシン抗体(Upstate biotechnology #16-105, Temecula, CA)を充填した。室温で3時間インキュベートした後、前記プレートを4回洗浄し、0.1mLのTMBシングルソリューション基質(single solution substrate, Invitrogen, #00-2023, Carlbad, CA)を各ウェルに添加した。発色は5分後に1NのHCl(0.05mL)を添加して停止させた。450nmでの吸収をタイターテックマルチスキャンMCC340(Titertek Multiscan, ThermoFisher, Pittsburgh, PA)で測定した。吸収対ペプチド濃度用量応答曲線を作図し、EC50値をオリジンソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA)を用いて決定した。
個々のインクレチン又はインクレチン-インスリンアナローグのcAMP誘発能力をホタルルシフェラーゼ系レポーターアッセイで測定した。受容体(グルカゴン受容体、GLP-1受容体又はGIP受容体)及びcAMP応答エレメント連結ルシフェラーゼ遺伝子を共トランスフェクトしたHEK293細胞を、0.25%ウシ増殖血清(Hycone, Logan, UT)補充DMEM(Invitorgen, Carlsbad, CA)で16時間培養することによって血清を枯渇させ、続いてグルカゴン、GLP-1、GIP又は新規なグルカゴンアナローグの連続希釈物と一緒に96ウェルのポリD-リジン被覆“バイオコート”プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)で37℃、5%CO2下で5時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウェルに添加し、光の産出をMicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で測定した。オリジンソフト(Origin Lab, Northampton, MA)を用いて、有効50%濃度を計算した。
出願人らは、インスリン受容体で天然のインスリンと類似の活性を示すIGFアナローグを見出した。より具体的には、IGFアナローグ(IGF1(YB16LB17))は、天然のIGF A鎖(配列番号:5)及び改変B鎖(配列番号:6)を含み、前記では、天然のIGF B鎖(配列番号:3)の15及び16位の天然のグルタミン及びフェニルアラニンは、それぞれチロシン及びロイシン残基で入れ替えられている。図4及び下記の表2に示されるように、IGF1(YB16LB17)及び天然のインスリンの結合活性は、各々がインスリン受容体の極めて強力なアゴニストであることを示している。
IGF1(YB16LB17)ペプチド配列の更なる改変によって、インスリン及びIGF1受容体でそれらの効能が変化するまた別のIGFインスリンアナローグが明らかになった。これらのアナローグの各々について表3に結合データ(実施例3のアッセイを用いる)を提示する。前記表では、改変の位置は、天然のインスリンペプチドの対応する位置を基準に示される(DPI=des B26−30)。例えば、本明細書で、更なる説明が一切なく“B28位”と言えば、配列番号:2の最初のアミノ酸が欠失してあるインスリンアナローグのB鎖の対応するB27位を意味するであろう。したがって、 “B(Y16)”という一般的呼称は、天然のIGF-1配列(配列番号:3)のB鎖の15位のチロシン残基の置換を指す。インスリン及びIGFアナローグの相対的受容体結合に関するデータは表3に提供され、IGFアナローグ刺激リン酸化に関するデータ(実施例4のアッセイを用いる)は表4に提供される。
IGF-I C鎖を介して連結される天然のインスリンB及びA鎖を含むインスリン-IGF-Iミニ遺伝子(B0-C1-A0)を、酵母ピキア・パストリス(Pichia pastoris)での組換えタンパク質の構成的発現及び精製のためにGAPプロモーター(グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH))下に発現ベクターpGAPZα(Invitrogenより購入)でクローニングした。組換えタンパク質の培地中への分泌のために、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルファ-接合因子リーダーシグナルをコードするN-末端ペプチドに前記ミニ遺伝子を融合させた。該ミニ遺伝子と先導α-接合因子配列との間のKex2切断部位を用いて、天然のアミノ末端を有するミニ遺伝子の分泌のためのリーダー配列を切断した。一部位アラニン変異を、B0C1A0ミニ遺伝子のCペプチドの1位(G1A)、2位(Y2A)、3位(G3A)、4位(S4A)、5位(S5A)、6位(S6A)、7位(R7A)、8位(R8A)、10位(P10A)、11位(Q11A)及び12位(T12A) に導入した。
B0C1A0、11のアラニン変異体及び他の選別誘導体を含むミニ遺伝子で、エレクトロポレーションによって酵母ピキア・パストリスを形質転換した。陽性の形質転換体を最少メタノールプレートで選別し、各ピキア単離株のゲノム調製を実施し、該構築物の酵母ゲノムへの組み込みをPCRにより確認した。アガロースDNAゲル上で833塩基対PCR生成物を可視化した。対応する酵母株の発酵によってインスリンアナローグを製造した。酵母細胞は500mLのベックマン(Beckman)遠心管にて5Kで20分遠心分離してペレットにし、培地はその後のタンパク質精製のために維持した。
増殖培地上清を0.2μmのミリポア(Millipore)フィルターでろ過した。該上清にアセトニトリル(ACN)を最終体積20%で添加した。20%のACN水溶液で予め平衡化したアンバーライト(Amberlite)XAD7HP樹脂(Sigma)で前記上清を精製した。続いて前記樹脂を30mLの20%ACN水溶液で2回洗浄し、さらに0.1%のTFAを含む30%ACN水溶液で夾雑物を除去した。部分精製インスリンアナローグを0.1%TFA含有54%ACN水溶液で前記カラムから溶出し凍結乾燥した。凍結乾燥サンプルを0.025MのNH3HCO3(pH8)に再懸濁し、ルナ(Luna)C18カラム(粒子サイズ10μm、ポアサイズ300Å)で精製した。ACN水溶液の20−60%直線状グラジエントを用いてタンパク質をカラムから溶出した。MALDI-MS陽性分画をプールし、その後の凍結乾燥のために使い捨てシンチレーションバイアルに移した。続いて凍結乾燥サンプルを0.1%TFA含有20%ACN水溶液に再懸濁し、ルナ(Luna)C18カラム(粒子サイズ10μm、ポアサイズ300Å)で精製した。ACN水溶液の18−54%直線状グラジエントを用いてタンパク質をカラムから溶出した。タンパク質の溶出は280nmの吸収でモニターした。MALDI-TOF MS陽性分画をC8分析用カラムで分析して純度を確認した。
B0-C1-A0アナローグは、インスリン受容体アイソフォーム及びIGF-1受容体の双方で等しく有効な効能を示した。2位のチロシンのアラニンへの変異又はC9-12の欠失による8アミノ酸へのC-ペプチド短縮は、IGF-1受容体活性の有意な低下によってインスリン作用の特異性の選択的強化を提供した。表5A及び5Bに提供するデータを参照されたい。
インクレチン-インスリンハイブリッドの各々の遺伝子をPCRによって合成し、続いてpET30aから改変した発現ベクターに連結した(pET30aは融合物リーダー配列として小ユビキチン様改変因子(Small Ubiqutin-like modifier, SUMO)を含む)。タバコエッチウイルス(TEV)プロテアーゼ切断部位がSUMOとインクレチン-インスリンハイブリッドとの間に配置されていた。インフュージョンHDクローニングシステム(Clontech)を連結に用いた。インクレチン-インスリンハイブリッドの発現及び精製は以下のように実施した。オリガミB(Origami B(DE3)(Novagen)コンピテント細胞を発現ベクターで形質転換した。細胞をルリアブロス(Luria Broth, LB)(50ug/mLのアンピシリン、25ug/mLのカナマイシン及び5ug/mLのテトラサイクリンを含む)で、DO600nmが0.8−1.0に達するまで37℃で培養した。その時点で温度を18℃に変化させ、IPTG(0.2mM)を培養に添加して遺伝子発現を誘導した。誘導は一晩継続し、続いて5,000rpmで15分の遠心により細胞を採集した。
発酵細胞ペレットを25mMトリス(pH8.0)(300mM NaCl、10mMイミダゾール、6Mグアニジン塩酸塩を含む)に懸濁し、細胞を音波破砕によって溶解させた。溶解物を15,000rpmで30分遠心分離し、上清をNi-NTAアフィニティーカラムにロードした。300mM NaCl、2 0mMイミダゾールを含む25mMトリス(pH8.0)でカラムを洗浄した。500mMのイミダゾールとともに300mM NaClを含む25mMの同じトリス緩衝液(pH8.0)を用いてタンパク質を溶出させた。精製タンパク質をTEVプロテアーゼで一晩4℃にて消化し、MiliQ水で4倍(v/v)に希釈した。このタンパク質溶液を10%グリセロール含有20mMトリス(pH8.0)で予め平衡させたQ-セファロースカラムに適用した。15カラム容積の100−600mMのNaClグラジエントを用いて前記Q-セファロースカラムを溶出させた。クロマトグラフィー精製したタンパク質の純度は分析用HPLC及びMALDI-TOF質量分析によって確認した。
一連のインクレチン-インスリン融合ポリペプチドを構築し、実施例4に開示したin vitroアッセイを用いてインスリン受容体及び対応するインクレチン受容体における当該化合物の活性を測定した。図6は、単一鎖インスリンアナローグを用いて形成した一組のGLP1及びGIP融合ペプチドの配列を示す。さらに別のインクレチン-インスリン誘導体を形成し、前記では、複合物のインスリン成分又はインクレチン成分の配列は当該複合物の1つの成分又は2つの成分の活性を除去するために改変された。
より具体的には、GLP-1親ペプチド(GLP1-DP8;配列番号:132)がGLP-1ペプチド(GLP-1受容体でアゴニスト活性を有する)とインスリンペプチド(DP8)(インスリン受容体でアゴニスト活性を有する)との間で形成された。GLP1-DP8の誘導体が調製され、前記では、インスリン配列はA19位のチロシンをアラニンで置換することによって改変されて(GLP1-DP8A19;配列番号:133)効果的にインスリン活性が除去されるか、或いはGLP配列は22位のフェニルアラニンをアラニンで置換することによって改変されて(GLP1-A22;配列番号:134)効果的にGLP-1活性が除去された。同様に、グルカゴン親ペプチド(Glu-DP8;配列番号:135)が、グルカゴン受容体でアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドとインスリン受容体でアゴニスト活性を有するインスリンペプチドとの間で形成された。Glu-DP8の誘導体が調製され、前記では、インスリン配列はA19位のチロシンをアラニンで置換することによって改変されて(GLP1-DP8A19;配列番号:136)効果的にインスリン活性が除去されるか、或いはグルカゴン配列は3位のグルタミンをグルタミン酸で置換することによって改変されてグルカゴン活性が除去された。加えて、インスリン、グルカゴン及びGLP-1受容体で活性を有するGlu-DP8のさらに別の誘導体が設計された。前記では、Glu-DP8配列は16位のセリンをグルタミン酸で置換することによって改変された(グルカゴンE16(配列番号:138))。
公知の変異導入を用いてGlu-DP8及びGLP1-DP8複合物の活性を改変し、当該複合物の2つの(インクレチン又はインスリン)活性の1つをノックアウトすることができる。改変Glu-DP8及びGLP1-DP8複合物の各々(GLP1-DP8A19、GLP1-A22、Glu-DP8A19、グルカゴンE3及びグルカゴンE16)をインスリン受容体、グルカゴン受容体及びGLP-1受容体で試験し、複合物の活性を各化合物の期待される活性に調整した。図10はGLP1-DP8及びGLP1-DP8A19のin vitro活性を提供する。A19位のアラニンの置換は、インスリン受容体におけるインスリンの活性を効果的に除去する。EC50値は、インスリン及びGLP1-DP8の双方が強力なインスリン受容体アゴニストあるが、GLP-1及びGLP1-DP8A19はインスリン受容体で貧弱な活性を有することを示している。
図12は、Glu-DP8、GluE3-DP8及びGluE16-DP8、Glu-DP8A19及びGLP1-DP8のin vitroグルカゴン受容体活性(EC50値)を提示する。グルカゴン3位のグルタミン酸置換は効果的にグルカゴン活性を除去することが知られ、さらにインスリンのA19位のアラニン置換はインスリン受容体におけるインスリン活性を効果的に除去することが知られている。グルカゴン16位のグルタミン酸置換はグルカゴン及びGLP-1のコアゴニストを生じる。EC50値は、グルカゴン、Glu-DP8及びGluE16-DP8は強力なグルカゴン受容体アゴニストであり、一方、GLP-1及びGLP1-DP8並びにGluE3-DP8はグルカゴン受容体で貧弱な活性を有することを示している。したがって、複合物は期待される活性を示す。
GLP1-D8及びGlu-DP8複合物を、血中グルコースレベルを低下させるそれらの能力についてin vivoで試験した。in vivoの結果はin vitroの受容体データと一致した。図14A−14Bは、DP8(図14A)又はGLP1-DP8A19(図14B)を投与したC57BL/6マウスにおける血中グルコースレベルに対する前記列挙複合物の天然インスリンと対比したin vivo効果を示す。D8は首尾よく血中グルコースを低下させたが、GLP1-DP8A19は血中グルコースレベルを有意には低下させることができなかった。図15A−15Cは、Glu-DP8A19(図15A)又はGLP1A22-DP8(図15B)又はGluE3/DP8(図15C)を投与したC57BL/6マウスにおける血中グルコースレベルに対する前記列挙複合物の天然インスリンと対比したin vivo効果を示す。Glu-DP8A19複合物はインスリン活性を欠くが、グルカゴン刺激インスリン分泌の結果としてin vivoで血中グルコース低下をなお誘発する。GLP1A22-DP8は、22位の置換の結果としてグルカゴン活性を減少させたが、しかしながら、複合物のインスリン成分は血中グルコース減少活性を提供し、したがって複合物はインスリンの約1/5の活性を有する。GluE3/DP8はE3位における置換によりグルカゴン活性を減少させたが、しかしながら当該複合物は、天然のインスリンと対比してわずかに弱められたグルコース低下活性を有する。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕グルカゴン関連ペプチド及びインスリンペプチドを含むインスリンアゴニスト/インクレチン複合物であって、該グルカゴン関連ペプチドが、該インスリンペプチドに直に又はリンカーを介して連結されている、前記複合物。
〔2〕該グルカゴン関連ペプチドのC−末端領域が、A鎖のA9、A14及びA15、B鎖のB1、B2、B10、B22、B28又はB29位から成る群から選択される位置のアミノ酸の側鎖、B鎖のN−末端アルファアミン、B鎖のカルボキシ末端、及び単一鎖インスリンアナローグのA鎖及びB鎖を連結する連結部分の任意の位置のアミノ酸側鎖から別個に選択される位置を介してインスリンペプチドに共有結合により連結されている、前記〔1〕に記載の複合物。
〔3〕該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端が、該インスリンペプチドのB鎖のアミノ末端に共有結合により連結されている、前記〔1〕に記載の複合物。
〔4〕該インスリンペプチドが単一鎖インスリンアナローグである、前記〔1〕−〔3〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔5〕該グルカゴン関連ペプチドが、単一鎖インスリンアナローグのA鎖及びB鎖を連結する連結部分のアミノ酸のアミノ酸側鎖に連結されている、前記〔4〕に記載の複合物。
〔6〕該インスリンペプチドが二鎖インスリンアナローグであり、かつ前記複合物が第一及び第二のグルカゴン関連ペプチドを含み、各グルカゴン関連ペプチドが、該B鎖のアミノ末端、該A鎖のカルボキシ末端及び該B鎖のカルボキシ末端から成る群から選択される位置で該インスリンペプチドに共有結合により連結されている、前記〔1〕に記載の複合物。
〔7〕該グルカゴン関連ペプチドが以下を含む、前記〔1〕−〔6〕のいずれか1項に記載の複合物:
(i)アミノ酸配列X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号:839)であって、前記に対して1つから3つのアミノ酸改変を有するもの:式中、
X1及び/又はX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然の(配列番号:701と対比して)アミノ酸であり、
Zは、Asn−Thr−COOH及びY−COOHから成る群から選択され(式中Yは1つから2つのアミノ酸)、さらにまた、
(1)ラクタム架橋がi位のアミノ酸及びi+4位のアミノ酸の側鎖を接続するか(式中iは12、16、20又は24)、又は
(2)グルカゴン関連ペプチドの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てがα,α−二置換アミノ酸で置換され、
かつ前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(ii)配列番号:701のアミノ酸配列であって、前記配列が
28位のAsnの荷電アミノ酸による置換、
28位のAsnのAsp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
28位におけるAsn、Asp又はGluによる置換、
28位におけるGluによる置換、
29位のThrの荷電アミノ酸による置換、
29位のThrのLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択される荷電アミノ酸による置換、
29位におけるAsp、Glu又はLysによる置換、
29位におけるGluによる置換、
29位の後ろに1から3つの荷電アミノ酸の挿入、
29位の後にGlu又はLysの挿入、
29位の後にGly−Lys又はLys−Lysの挿入、
又は前記の組み合わせ、
及びグループA若しくはグループB又は前記の組み合わせから選択される少なくとも1つのアミノ酸改変、
から成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸改変を含むように改変され、
ここで、グループAは、16位のSerのThr又はAIBによる置換から成る群から選択されるアミノ酸改変であり、さらに
グループBは、
1位のHisのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
2位のSerのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対する当該グルカゴン関連ペプチドの感受性を減少させる非天然アミノ酸による置換、
10位のTyrのPhe又はValによる置換、
12位のLysのArgによる置換、
20位のGlnのAla又はAIBによる置換、
21位のAspのGluによる置換、
24位のGlnのAla又はAIBによる置換、
27位のMetのLeu又はNleによる置換、
又は前記の組み合わせから成る群から選択されるアミノ酸改変であり、
かつ前記グルカゴン関連ペプチドがグルカゴンアゴニスト活性を有する、前記アミノ酸配列;
(iii)配列番号:701のグルカゴン関連ペプチドであって、前記ペプチドが、
(a)GIPアゴニスト活性を付与する、1位のアミノ酸改変、
(b)(1)i位及びi+4位のアミノ酸の側鎖間又はj位及びj+3位のアミノ酸の側鎖間のラクタム架橋(式中iは12、13、16、17、20又は24で、jは17である)、又は(2)該アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α−二置換アミノ酸による置換、
(c)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てのアミノ酸改変、及び
(d)1つから6つの更なるアミノ酸改変、
を含むように改変され、ここで該アナローグのGIP受容体活性化のためのEC50が約10nM以下である、前記グルカゴン関連ペプチド;
(iv)配列番号:72又は配列番号:72のアナローグの配列であって、ここで前記アナローグが、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される1つから3つのアミノ酸改変によって配列番号:72と異なり、
前記グルカゴン関連ペプチドが、GLP−1受容体で天然のGLP−1の活性の少なくとも20%を示す、前記配列;
(v)10を超えないアミノ酸改変によって配列番号:701と異なるアミノ酸であって、16、20、21及び/又は24位にAIBによる1つ以上のアミノ酸置換並びにジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対する感受性の減少を提供する1位及び/又は2位のアミノ酸改変を含み、前記グルカゴン関連ペプチドが、GLP−1受容体で天然のGLP−1の活性の少なくとも20%を示す、前記アミノ酸。
〔8〕前記インスリンペプチドがA鎖及びB鎖を含み、前記A鎖が配列GIVX 4 X 5 CCX 8 X 9 X 10 CX 12 LX 14 X 15 LX 17 X 18 YCX 21 −R 13 (配列番号:19)を含み、前記B鎖が配列R 22 −X 25 LCGX 29 X 30 LVX 33 X 34 LYLVCGX 41 X 42 GFX 45 (配列番号:20)を含む、前記〔7〕に記載の複合物:
式中、
X 4 は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であり、
X 5 は、グルタミン又はグルタミン酸であり、
X 8 は、ヒスチジン、スレオニン又はフェニルアラニンであり、
X 9 は、セリン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X 10 は、イソロイシン又はセリンであり、
X 12 は、セリン又はアスパラギン酸であり、
X 14 は、チロシン、アルギニン、リジン、オルニチン又はアラニンであり、
X 15 は、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、アラニン、リジン、オルニチン又はロイシンであり、
X 17 は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、リジン、オルニチン又はグルタミンであり、
X 18 は、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸又はスレオニンであり、
X 21 は、アラニン、グリシン、セリン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ロイシン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン及びメチオニンから成る群から選択され、
X 25 は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X 29 は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X 30 は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X 33 は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X 34 は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X 41 は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X 42 は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X 45 は、チロシン又はフェニルアラニンであり、
R 22 は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン−プロリン−グルタミン酸トリペプチド、バリン−アスパラギン−グルタミントリペプチド、プロリン−グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン−グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN−末端アミンから成る群から選択され、さらに
R 13 はCOOH又はCONH 2 である。
〔9〕前記A鎖が配列GIVEQCCX 8 X 9 ICSLYQLENYCX 21 −R 13 (配列番号:73)を含み、前記B鎖が配列R 22 −X 25 LCGX 29 X 30 LVX 33 X 34 LYLVCGX 41 X 42 GFX 45 (配列番号:20)を含む、前記〔8〕に記載の複合物:
式中、
X 8 は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X 9 は、セリン、リジン又はアラニンであり、
X 21 は、アラニン、グリシン又はアスパラギンであり、
X 25 は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X 29 は、アラニン、グリシン及びセリンから成る群から選択され、
X 30 は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X 33 は、アスパラギン酸及びグルタミン酸から成る群から選択され、
X 34 は、アラニン及びスレオニンから成る群から選択され、
X 41 は、グルタミン酸、アスパラギン酸又はアスパラギンから成る群から選択され、
X 42 は、アラニン、オルニチン、リジン及びアルギニンから成る群から選択され、
X 45 は、チロシン又はフェニルアラニンであり、
R 22 は、FVNQ(配列番号:12)、バリン−アスパラギン−グルタミントリペプチド、アスパラギン−グルタミンジペプチド、グルタミン及びN−末端アミンから成る群から選択され、
さらにR 13 はCOOH又はCONH 2 である。
〔10〕前記A鎖が配列GIVDECCX 8 X 9 SCDLRRLEMX 19 CX 21 −R 13 (配列番号:74)を含み、前記B鎖が配列R 22 −X 25 LCGAX 30 LVDALYLVCGDX 42 GFY(配列番号:75)を含む、前記〔8〕に記載の複合物:
式中、
X 8 は、フェニルアラニン又はヒスチジンであり、
X 9 は、アルギニン、オルニチン又はアラニンであり、
X 19 は、チロシン、4−メトキシ−フェニルアラニン又は4−アミノ−フェニルアラニンであり、
X 21 は、アラニン又はアスパラギンであり、
X 25 は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X 30 は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸から成る群から選択され、
X 42 は、アラニン、オルニチン及びアルギニンから成る群から選択され、R 13 はCOOH又はCONH 2 であり、
R 22 は、AYRPSE(配列番号:14)、FVNQ(配列番号:12)、PGPE(配列番号:11)、グリシン−プロリン−グルタミン酸トリペプチド、バリン−アスパラギン−グルタミントリペプチド、プロリン−グルタミン酸ジペプチド、アスパラギン−グルタミンジペプチド、グルタミン、グルタミン酸及びN−末端アミンから成る群から選択され、さらに
R 13 はCOOH又はCONH 2 である。
〔11〕前記B鎖が配列R 22 −X 25 LCGX 29 X 30 LVX 33 X 34 LYLVCGX 41 X 42 GFX 45 YT−Z 1 −B 1 (配列番号:142)を含む、前記〔8〕に記載の複合物:
式中、
Z 1 は、アスパルテート−リジン、リジン−プロリン及びプロリン−リジンから成る群から選択されるジペプチドであり、さらに
B 1 は、スレオニン、アラニン又はスレオニン−アルギニン−アルギニントリペプチドから成る群から選択される。
〔12〕前記A鎖が配列GIVEQCCTSICSLYQLENYCN−R 13 (配列番号:1)を含み、前記B鎖が配列FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKT(配列番号:2)を含む、前記〔8〕に記載の複合物。
〔13〕該インスリンペプチドが単一鎖インスリンであり、さらにB及びA鎖を継ぎ合わせるペプチドリンカーが、SSSSKAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQR(配列番号:52)、SSSSRAPPPSLPSPSRLPGPSDTPILPQK(配列番号:51)、GAGSSSX 57 X 58 (配列番号:76)、GYGSSSX 57 X 58 (配列番号:21)及びGYGSSSX 57 X 58 APQT(配列番号:77)から成る群から選択される、前記〔8〕−〔12〕のいずれか1項に記載の複合物:
式中、X 57 及びX 58 は別個にアルギニン、リジン又はオルニチンである。
〔14〕該ペプチドリンカーがGYGSSSRR(配列番号:18)及びGAGSSSRR(配列番号:22)から成る群から選択される、前記〔13〕に記載の複合物。
〔15〕該グルカゴン関連ペプチドが配列番号:72又は配列番号:72のアナローグの配列を含み、前記アナローグが、1、2、3、5、7、10、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28及び29位から選択される、1つから3つのアミノ酸改変によって配列番号:72と異なり、該グルカゴン関連ペプチドが、12及び16、16及び20、20及び24、又は24及び28位のアミノ酸の側鎖間に分子内橋を含む、前記〔8〕−〔14〕のいずれか1項に記載の複合物又は医薬的に許容できるその塩。
〔16〕該グルカゴン関連ペプチドが、16及び20位のアミノ酸の間に塩橋又はラクタム架橋を含む、前記〔15〕に記載の複合物。
〔17〕前記グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端に連結されている、配列番号:78、79及び80から成る群から選択されるペプチドをさらに含む、前記〔15〕又は〔16〕に記載の複合物。
〔18〕該グルカゴン関連ペプチドの3位のアミノ酸がグルタミン酸である、前記〔15〕−〔17〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔19〕該グルカゴン関連ペプチドの28位のアミノ酸がAsp、Asn又はLysであり、かつ該グルカゴン関連ペプチドの29位のアミノ酸がGly又はThrである、前記〔18〕に記載の複合物。
〔20〕該グルカゴン関連ペプチドの16位のアミノ酸がグルタミン酸であり、該グルカゴン関連ペプチドの20位のアミノ酸がリジンであり、かつ該グルカゴン関連ペプチドのC−末端カルボン酸基がアミドで取り替えられ、場合によって該グルカゴン関連ペプチドの16位のグルタミン酸及び20位のリジンの間でラクタム架橋を有する、前記〔15〕−〔19〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔21〕該グルカゴン関連ペプチドの1位又は2位のアミノ酸が、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対する感受性の減少を示すように改変される、前記〔20〕に記載の複合物。
〔22〕該グルカゴン関連ペプチドが以下から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記〔9〕−〔12〕のいずれか1項に記載の複合物:
i.配列番号:81、
j.配列番号:83、
k.配列番号:89、
l.配列番号:84−88のいずれか1つ、
m.配列番号:100−103のいずれか1つ、
n.配列番号:108であって、20位のアミノ酸がアルギニン、オルニチン及びシトルリンから成る群から選択されるもの、
o.配列番号:98、99、109−112、104−106、及び配列番号:72のいずれか1つであって、該ペプチドの28位のXaaがアスパラギン又はアスパラギン酸で、該ペプチドの29位のXaaがスレオニン又はグリシンで、かつ該ペプチドのC−末端がさらに配列番号:78、配列番号:79、COOH又はCONH 2 を含むもの、及び
p.配列番号:251、319及び510のいずれか1つ。
〔23〕該グルカゴン関連ペプチドが、GIPアゴニスト活性を有するグルカゴン(配列番号:701)のアナローグを含み、前記アナローグが、
(a)GIPアゴニスト活性を付与する1位のアミノ酸改変(場合によって1位のアミノ酸はイミダゾール側鎖を欠くアミノ酸)、
(b)16位のSerの下記式IVのアミノ酸によるアミノ酸置換
(式中、nは1から7であり、R1及びR2は別個にH、C 1 −C 18 アルキル、(C 1 −C 18 アルキル)OH、(C 1 −C 18 アルキル)NH 2 、(C 1 −C 18 アルキル)SH、(C 0 −C 4 アルキル)(C 3 −C 6 )シクロアルキル、(C 0 −C 4 アルキル)(C 2 −C 5 複素環)、(C 0 −C 4 アルキル)(C 6 −C 10 アリール)R 7 、及び(C 1 −C 4 アルキル)(C 3 −C 9 ヘテロアリール)から成る群から選択され、R 7 はH又はOHであり、さらに式IVのアミノ酸の側鎖は遊離アミノ基を含み、式IVのアミノ酸は場合によってホモLys、Lys、Orn又は2,4−ジアミノ酪酸(Dab)である)、
(c)該アナローグの16、20、21及び24位のアミノ酸の1つ、2つ、3つ又は全てのα,α−二置換アミノ酸による置換、
(d)27、28及び29位の1つ、2つ又は全てにおけるアミノ酸改変、及び
(e)該グルカゴン配列(配列番号:701)に対する1つから9つの更なるアミノ酸改変、
という上記改変の1つ以上を含み、
GIP受容体活性化のための該アナローグのEC50が約10nM以下である、前記〔8〕−〔14〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔24〕該グルカゴン関連ペプチドが、
(a)1位のアミノ酸が大きな芳香族アミノ酸(場合によってTyr)であり、さらに
(b)(i)27位のMetの大きな脂肪族アミノ酸(場合によってLeu)による置換、(ii)28位のAsnの小さな脂肪族アミノ酸(場合によってAla)による置換か、若しくは(iii)29位のThrの小さな脂肪族アミノ酸(場合によってGly)による置換、又は該アナローグが(i)、(ii)及び(iii)の組み合わせを含むという改変を含む、前記〔23〕に記載の複合物。
〔25〕該グルカゴン関連ペプチドがさらに、C−末端から29位アミノ酸に設けられた位置で前記ペプチドに連結されているGPSSGAPPPS(配列番号:95)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:96)を含む、前記〔23〕又は〔24〕に記載の複合物。
〔26〕該グルカゴン関連ペプチドがさらに、
(a)2位のSerのD−Ser、Ala、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、AIB、Val又はα−アミノ−N−酪酸による置換、
(b)3位のGlnのGluによる置換、
(c)10位のアミノ酸Tyrのアシル基又はアルキル基に共有結合により連結されている側鎖を含むアミノ酸、場合によって下記式Iのアミノ酸による置換
(d)該アナローグのC−末端アミノ酸として、アシル基又はアルキル基に共有結合により連結されている側鎖を含むアミノ酸、場合によって式Iのアミノ酸の付加、
(e)12位のLysのIleによる置換、
(f)17位のArgのGlnによる置換、
(g)18位のArgのAlaによる置換、
(h)21位のAspのGluによる置換、
(i)24位のGlnのAsnによる置換、及び
(j)C−末端アミノ酸のカルボン酸の中性荷電基、場合によってアミドによる取り替え、という上記改変の1つ以上を含む、前記〔23〕−〔25〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔27〕該グルカゴン関連ペプチドが配列番号:227、228、229又は230のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、前記配列がさらに、GPSSGAPPPS(配列番号:820)又はXGPSSGAPPPS(配列番号:1096)(式中Xは任意のアミノ酸)のアミノ酸配列の末端延長をC−末端から29位アミノ酸に含む、前記〔23〕−〔25〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔28〕該グルカゴン関連ペプチドが、配列番号:920−964、146−164、166、192−207、209−221及び223から成る群から選択されるアミノ酸配列を含む、前記〔23〕に記載の複合物。
〔29〕該グルカゴン関連ペプチドが配列番号:701又は改変配列番号:701の配列を含み、前記改変配列番号:701が、該グルカゴン関連ペプチドのC−末端から27位のアミノ酸の位置に1つ、2つ、又は3つ以上の荷電アミノ酸及び配列番号:701に対して7つまでの追加のアミノ酸改変を含む、前記〔8〕−〔14〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔30〕該荷電アミノ酸がGlu又はAspである、前記〔29〕に記載の複合物。
〔31〕該グルカゴン関連ペプチドが、HAEGTFTSDVSSYLEEQAAREFIAWLVRGRG(配列番号:700)、HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号:703)、HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFICWLVKGR(配列番号:717)、HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号:701)又はHSQGTFTSDYSKYLDERRAQDFVQWLMNT(配列番号:699)の配列を含む、前記〔8〕−〔14〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔32〕該インスリンペプチドが、配列GPEX 25 LCGAX 30 LVDALYLVCGDX 42 GFYFNX 48 X 49 GAGSSSRRGIVDECCX 8 RSCDLRRLENYCN−R 13 (配列番号:144)、FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKTGAGSSSRRGIVEQCCTSICSLYQLENYCN−R 13 (配列番号:143)又はGPEHLCGAHLVDALYLVCGDRGFYFNDRGAGSSSRRGIVDECCHRSCDLRRLENYCN(配列番号:145)を含む単一鎖インスリンアナローグである、前記〔15〕、〔22〕、〔23〕、〔29〕及び31のいずれか1項に記載の複合物:
式中、
X 8 は、フェニルアラニン又はヒスチジンであり、
X 25 は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X 30 は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸及びシステイン酸であり、
X 42 は、アラニン、オルニチン又はアルギニンであり、
X 48 は、リジン又はアスパラギン酸であり、
X 49 は、プロリン、オルニチン又はアルギニンであり、さらに
R 13 はCOOH又はCONH 2 である。
〔33〕さらに構造U−Jを含む、前記〔1〕−〔32〕のいずれか1項に記載の複合物の誘導体であって、式中、Uはアミノ酸又はヒドロキシ酸であり、Jは、Jのカルボキシル部分と該複合物のアミンとの間のアミド結合を介して前記複合物に連結されているN−アルキル化アミノ酸であり、ここで、U、J又はU−Jが連結されている該複合物のアミノ酸は非コードアミノ酸であり、さらに該複合物からU−Jが化学的に切断される半減期(t 1/2 )が、生理学的条件下のPBS中で少なくとも約1時間から約1週間である、前記複合物の誘導体。
〔34〕X 19 が4−アミノフェニルアラニンであり、かつ該複合物がさらに構造U−Jを含むジペプチドを含み、式中、Uはアミノ酸又はヒドロキシル酸であり、Jは、Jのカルボキシル部分とA19位の4−アミノフェニルアラニンのパラアミンとの間のアミド結合を介して前記インスリンペプチドに連結されているN−アルキル化アミノ酸である、前記〔10〕に記載の複合物。
〔35〕構造U−Jに共有結合により連結されている親水性部分をさらに含む、前記〔33〕又は〔34〕に記載の複合物。
〔36〕親水性部分が、前記複合物のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結されている、前記〔1〕から〔35〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔37〕親水性部分が、A14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29又は天然のグルカゴン(配列番号:701)の16、17、20、21、24若しくは29の対応する1つ以上の位置に、又は該グルカゴン関連ペプチドのC−末端領域に共有結合により連結されている、前記〔36〕に記載の複合物。
〔38〕該親水性部分がポリエチレングリコールである、前記〔35〕、〔36〕又は〔37〕に記載の複合物。
〔39〕あるアミノ酸側鎖に共有結合により連結されているアシル基又はアルキル基をさらに含む、前記〔1〕から〔38〕のいずれか1項に記載の複合物。
〔40〕前記アシル基又はアルキル基が、天然のグルカゴン(配列番号:701)の10位に対応するグルカゴン関連ペプチドの位置に、又はインスリンペプチドのA14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29から選択される1つ以上の位置に、又は構造U−Jのアミノ酸の側鎖に共有結合に取り連結されている、前記〔39〕に記載の複合物。
〔41〕前記〔1〕から〔40〕のいずれか1項に記載の複合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
〔42〕インスリンアゴニスト/インクレチン複合物をその必要がある患者に投与するためのキットであって、前記キットが前記〔41〕に記載の医薬組成物及び前記組成物を患者に投与するための装置を含む、前記キット。
〔43〕前記〔41〕に記載の組成物の複合物又は医薬的に許容できるその塩の糖尿病治療のための使用。
Claims (11)
- グルカゴン関連ペプチド及びインスリンペプチドを含むインスリンアゴニスト/インクレチン複合物であって、
該グルカゴン関連ペプチドのカルボキシ末端が、ペプチド結合を介して、該インスリンペプチドへ、該インスリンペプチドのN−末端アルファアミンを経て連結されており、
該グルカゴン関連ペプチドが、
HAEGTFTSDVSSYLEEQAAREFIAWLVRGRG(配列番号:700)、
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号:703)、
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFICWLVKGR(配列番号:717)、
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号:701)又は
HSQGTFTSDYSKYLDERRAQDFVQWLMNT(配列番号:699)の配列を含み、
該インスリンペプチドが、配列
GPEX25LCGAX30LVDALYLVCGDX42GFYFNX48X49GAGSSSRRGIVDECCX8RSCDLRRLENYCN−R13(配列番号:144)、
FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKTGAGSSSRRGIVEQCCTSICSLYQLENYCN−R13(配列番号:143)又は
GPEHLCGAHLVDALYLVCGDRGFYFNDRGAGSSSRRGIVDECCHRSCDLRRLENYCN(配列番号:145)
(式中、
X8は、フェニルアラニン又はヒスチジンであり、
X25は、ヒスチジン又はスレオニンであり、
X30は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモシステイン酸又はシステイン酸であり、
X42は、アラニン、オルニチン又はアルギニンであり、
X48は、リジン又はアスパラギン酸であり、
X49は、プロリン、オルニチン又はアルギニンであり、さらに
R13はCOOH又はCONH2である。)を含む単一鎖インスリンアナローグである、前記複合物。 - 前記グルカゴン関連ペプチドが、
HAEGTFTSDVSSYLEEQAAREFIAWLVRGRG(配列番号:700)又は
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号:701)の配列を含み、
前記単一鎖インスリンアナローグが、配列
FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFFYTPKTGAGSSSRRGIVEQCCTSICSLYQLENYCN−R13(配列番号:143)又は
GPEHLCGAHLVDALYLVCGDRGFYFNDRGAGSSSRRGIVDECCHRSCDLRRLENYCN(配列番号:145)
を含む、請求項1に記載のインスリンアゴニスト/インクレチン複合物。 - 前記複合物が、配列番号:132又は配列番号:135の配列を含む、請求項1に記載のインスリンアゴニスト/インクレチン複合物。
- 親水性部分が、前記複合物のアミノ酸の側鎖に共有結合により連結されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合物。
- 親水性部分が、A14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29又は天然のグルカゴン(配列番号:701)の16、17、20、21、24若しくは29位に対応する1つ以上の位置に、又は該グルカゴン関連ペプチドのC−末端領域に共有結合により連結されている、請求項4に記載の複合物。
- 前記親水性部分がポリエチレングリコールである、請求項5に記載の複合物。
- あるアミノ酸側鎖に共有結合により連結されているアシル基又はアルキル基をさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の複合物。
- 前記アシル基又はアルキル基が、天然のグルカゴン(配列番号:701)の10位に対応するグルカゴン関連ペプチドの位置に、又はインスリンペプチドのA14、A15、B0、B1、B10、B22、B28、B29から選択される1つ以上の位置に共有結合により連結されている、請求項7に記載の複合物。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の複合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
- インスリンアゴニスト/インクレチン複合物をその必要がある患者に投与するためのキットであって、前記キットが請求項9に記載の医薬組成物及び前記組成物を患者に投与するための装置を含む、前記キット。
- 請求項9に記載の組成物の複合物又は医薬的に許容できるその塩の、糖尿病治療薬の製造のための使用。
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