JP6536591B2 - 保温性に優れた編地とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、目付が小さく軽量でありながら、保温性に優れた編地とその製造方法に関する。
近年の保温肌着用の編地開発においては、吸湿発熱性能等の機能性付与が中心となっているが、単純に機能性繊維を組み合わせるだけでは、編地の風合いが損なわれかねない。また保温性を良くするには編地を厚くするのが効果的であるが、厚手の肌着は着膨れすることにより動作に支障をきたし、作業性を損なう可能性があることから、軽量でかつ風合いが良く温かな肌着用の編地開発が求められている。
特許文献1には、紡績糸とフィラメント糸の交編による編地の作成方法が提案されているが、用いられる紡績糸には収縮性繊維が含まれておらず、非収縮繊維の紡績糸とフィラメント糸との交編編地であり、軽量感はあるものの、保温性は十分でなかった。
特許文献2には、高収縮繊維を用いる紡績糸の製造方法が記載されているが、この方法は精紡工程にて高収縮繊維を混ぜ合わせる加工方法であり、紡績糸は綛工程で湿熱加工することで糸に収縮を発現させたのちに、横編み工程で編地作成に適用されるに好適な軽量紡績糸を作成する方法であることから、編地としては良好な保温性が得られるものの、その保温性を確保しようとすると編地の目付や布厚を大きくせざるを得なくなり、編地を軽量にすることができなかった。
特開2012−167410号公報 特開2013−253334号公報
本発明の目的は、目付が小さく軽量でありながら、保温性に優れた編地を提供することにあり、またこうした軽量で保温性に優れた編地を商業的に得ることにある。
かかる目的を達成するため、本発明の要旨は次のとおりである。
1.熱収縮させたアクリル繊維を含有し、伸度が15%〜30%であり、メートル番手で30番手〜65番手の糸である紡績糸Aと、メートル番手で40番手〜350番手である糸B、前記紡績糸Aで2コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで2コース編成されて交編されているか、または、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで3コース編成されて交編されてなる編地。
2.前記アクリル繊維の熱収縮させる前の沸水収縮率が30%〜45%である前記1に記載の編地。
.保温率が30%以上である前記1または2に記載の編地。
.編地の目付が100g/m〜200g/mである前記1〜3のいずれかに記載の編地。
.(保温率)/(編地の目付)が、0.18〜0.35である前記1〜のいずれかに記載の編地。
.前記編地に対する前記紡績糸Aの混率が35質量%〜95質量%である前記1〜のいずれかに記載の編地。
.前記紡績糸Aの嵩高性が8cm/g〜20cm/gである前記1〜のいずれかに記載の編地。
.前記編地に対する前記糸Bの混率が5質量%〜65質量%である前記1〜のいずれかに記載の編地。
.前記紡績糸Aが、アクリル繊維を100質量%含有する紡績糸またはアクリル繊維を30質量%以上含有し、他の繊維としてセルロース系繊維及び獣毛繊維の群から選ばれる1種以上を含有する紡績糸である前記1〜のいずれかに記載の編地。
10.前記糸Bがフィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる1種以上である前記1〜のいずれかに記載の編地。
11.沸水収縮率が30%〜45%であるアクリル繊維を30質量%〜45質量%含む紡績糸aと、糸の太さが、メートル番手で40番手〜350番手である糸Bとを、前記紡績糸aで2コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで2コース編成するか、または、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで3コース編成し交編して編成生地を作製し、該編成生地を70℃以上の湿熱で加熱して、前記紡績糸aに含まれる高収縮性繊維を熱収縮させて紡績糸Aとした編地とし、該編地を構成する紡績糸Aを前記紡績糸aより太くかつメートル番手で30番手〜70番手の太さである編地の製造方法。
12.前記紡績糸aは、メートル番手が50番手〜100番手である前記11に記載の編地の製造方法。
13.前記編成生地の目付を60g/m〜120g/mとし、該編成生地を70℃以上の湿熱で加熱して編地の目付を100g/m〜200g/mとする前記11または12に記載の編地の製造方法。
14.前記紡績糸aとして、撚係数が95〜110の撚りのある紡績糸を用いる前記1113のいずれかに記載の編地の製造方法。
15.前記糸Bとして、フィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる1種以上を用いる前記1114のいずれかに記載の編地の製造方法。
16.編地の編成に際し、10ゲージ〜14ゲージの丸編機を用いる前記1115のいずれかに記載の編地の製造方法。
本発明によれば、目付が200g/m2 以下と小さく軽量でありながら、保温性と風合いに優れた編地を提供することができ、また、軽量で風合いおよび保温に優れた編地を商業的に得ることができる。
(編地)
本発明の編地は、熱収縮させたアクリル繊維を含有し、伸度が15%〜30%であり、メートル番手で30番手〜65番手の糸である紡績糸Aと、メートル番手で40番手〜350番手である糸B、前記紡績糸Aで2コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで2コース編成されて交編されているか、または、前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで3コース編成されて交編されてなるものである。
紡績糸Aと糸B上記のように交編されていることで、紡績糸Aは収縮して糸自体が膨らみを持ち、紡績糸Aの収縮に伴い糸Bが弛むことで編地に膨らみが出る。
紡績糸Aで2コース編成され続いて糸Bで1コース編成されて交編されている場合には、紡績糸Aの比率が多くなり過ぎないため、糸Bによる編地の膨らみ感が得られ、紡績糸Aで1コース編成され続いて糸Bで3コース編成されて交編されている場合には、紡績糸Aの収縮が十分起こり、紡績糸A自体の膨らみと、糸Bの弛みによる編地の膨らみ感が得られる。
これらの観点から、紡績糸Aで1コース編成され続いて糸Bで1コース編成されて交編されているか、または、紡績糸Aで1コース編成され続いて糸Bで2コース編成されて交編されているのがより好ましく、紡績糸Aで1コース編成され続いて糸Bで1コース編成されて交編されているのがさらに好ましい。
本発明の編地は、前記紡績糸Aが、アクリル繊維を含有し、伸度が15%〜30%の糸である。
前記紡績糸Aがアクリル繊維を含有することで、収縮率の高い紡績糸とすることができ、その紡績糸が収縮した結果、伸度を15%〜30%とすることができる。前記伸度が15%以上であれば、紡績糸が膨らみを持つまで収縮できており、前記伸度が30%以下であれば、編地の寸法安定性が良好となる。
これらの観点から、前記伸度は20%〜29%がより好ましく、23%〜28%がさらに好ましい。
本発明の編地は、糸Bの太さが、メートル番手で40番手〜350番手である。
糸Bの太さがメートル番手で40番手以上であれば、糸Bが太くなり過ぎないため、編地が軽量にでき易く、350番手以下であれば、糸Bによる編地の膨らみ感が得られ易い。
これらの観点から、糸Bの太さは、メートル番手で100番手〜340番手が好ましく、150番手〜200番手がより好ましい。
本発明の編地は、保温率が30%以上であることが好ましい。
本発明の編地の保温率が、30%以上であれば保温性を実感することができ。前記点から保温率は、好ましくは35%以上である。なお、本発明における保温率の測定方法については後述する。
本発明の編地は、編地の目付が100g/m2 〜200g/m2 であることが好ましい。編地の目付が100g/m2 以上であれば、保温率を30%以上にすることができ、200g/m2 以下であれば、編地を軽量にすることができる。
軽量性と保温性の観点から、本発明の編地の目付は、120g/m2 以上、より好ましくは160g/m2 以上であり、また、195g/m2 以下、より好ましくは190g/m2 以下である。
本発明の編地は、(保温率)/(編地の目付)が、0.18〜0.35であることが好ましい。
(保温率)/(編地の目付)が、0.18以上であれば、編地が軽量でありながら保温性に優れた編地にすることができ、0.35以下であれば、編地の強度が得られ、使用上の問題が発生しない。
これらの観点から、本発明の編地は、(保温率)/(編地の目付)が0.21〜0.33であることがより好ましく、0.25〜0.32であることがさらに好ましい。
本発明の編地は、紡績糸Aの太さが、メートル番手で30番手〜65番手であり、編地に対する該紡績糸Aの混率が35質量%〜95質量%であることが好ましい。
本発明の編地に含まれる紡績糸Aがメートル番手で30番手以上の細いものであれば、編地を軽量にするだけでなく、風合いの点でも好ましく、メートル番手が65番手以下の太さのものであれば、糸強力の点で好ましい。前記観点から、紡績糸の番手は、メートル番手で35番手〜55番手であることがより好ましい。
本発明の編地に含まれる紡績糸Aの混率は、編地に対して35質量%〜95質量%である。紡績糸Aの混率が35質量%以上であれば、湿熱加熱加工時の収縮性の点で好ましく、編地に膨らみをもたせることができ、保温性を高めることができる。混率が95質量%以下であれば、他の糸との交編が可能となる点で好ましい。前記観点から、紡績糸Aの混率は、50質量%〜90質量%であることが好ましく、さらには60質量%〜80質量%であることがより好ましい。
本発明の編地は、紡績糸Aの嵩高性が8cm3 /g〜20cm3 /gであることが好ましい。
紡績糸Aの嵩高性が8cm3 /g以上であれば、糸の膨らみにより、軽量化ができ、保温性が高くできる。紡績糸Aの嵩高性が20cm3 /g以下であれば、編地が厚くなり過ぎないので好ましい。
これらの観点から、前記紡績糸Aの嵩高性は12cm3 /g〜19cm3 /gであることがより好ましく、15cm3 /g〜18cm3 /gであることがさらに好ましい。
本発明の編地は、編地に対する前記糸Bの混率が5質量%〜65質量%であることが好ましい。
編地に対する該糸Bの混率が5質量%以上であれば、紡績糸Aの収縮に伴う糸Bの弛みによる編地の膨らみ感が得られ、65質量%以下であれば、紡績糸Aの収縮による編地の膨らみ感が得られる。
これらの観点から、編地に対する該糸Bの混率は、20質量%〜50質量%がより好ましく、30質量%〜40質量%がさらに好ましい。
本発明の編地に含まれる紡績糸Aは、アクリル繊維を30質量%以上含有する混紡紡績糸またはアクリル繊維を100質量%含有する紡績糸であることが好ましい。
紡績糸にアクリル繊維が30質量%以上含まれることで、編成生地を収縮させるだけの高収縮アクリル繊維を含有させることができ、紡績糸からなる編地にアクリル繊維の染色特性を発揮させるのに必要な量含有させることができる。また、該アクリル繊維は、原綿のときの収縮性、強伸度特性等の異なった2種以上のアクリル繊維からなるものであってもよい。
前記観点から、紡績糸Aは、アクリル繊維を40質量%以上含有することが好ましく、さらには50質量%以上含有することがより好ましい。また紡績糸Aに含まれるアクリル繊維は、原綿のときの収縮性、強伸度特性等の異なった2種以上のアクリル繊維からなっていてもよい。
本発明の編地に含まれる紡績糸Aは、アクリル繊維以外の他の繊維としてセルロース系繊維及び獣毛繊維の群から選ばれる1種以上を70質量%以下、より好ましくは50質量%以下の範囲で含むアクリル繊維との混紡紡績糸であってもよく、セルロース系繊維または獣毛繊維を30質量%〜50質量%含むアクリル繊維との混紡紡績糸であることがより好ましい。紡績糸Aにおいてセルロース系繊維を30質量%以上含むことは吸湿発熱性能の点で好ましく、セルロース系繊維が50質量%以下であれば洗濯を繰り返しても風合いが硬くならず、より好ましくは紡績糸中に40質量%以下含むことである。
セルロース系繊維としては、木綿、レーヨン、キュプラ、リヨセル(レンチング社製、登録商標)等が挙げられ、特に制限はないが、例えばモダール(レンチング社製、登録商標)、テンセル(レンチング社製、登録商標)、レクセル(富士紡HD社製、登録商標)等の溶剤紡糸によったレーヨンの一種であるセルロース繊維(リヨセル)が好ましいものとして挙げられる。セルロース系繊維は、その単繊維繊度が0.8dtex〜2.2dtexであることが好ましく、さらには1.0dtex〜1.5dtexであることが風合いの点でより好ましい。
また、紡績糸Aに獣毛繊維を30質量%以上含むことは保温性をより高める点で好ましく、かつアクリル繊維に比べて獣毛繊維は剛直性があることから編地にハリ・コシを付与することができる。獣毛繊維が50質量%以下であればメートル番手で40番手以上の番手の紡績糸を作成することができる。獣毛繊維としては、例えばウール、ラビット、アンゴラ、カシミア、アルパカ等が挙げられ、なかでもコストの点からはウールが、また風合いの点からはカシミアが好ましいものとして挙げられる。
糸Bは、保温性を向上させる点から、フィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
フィラメント加工糸は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維が使用でき、これらの仮撚加工糸または撚糸である。
紡績糸は、前記合成繊維、半合成繊維及び再生繊維の短繊維、綿、麻、羊毛等の天然繊維が使用でき、これらを混紡しても良い。
弾性糸は、ポリウレタン弾性糸を単独や、ポリウレタン弾性糸に他の繊維を巻き付けたフィラメント・ツイスト・ヤーン(FTY)やコア・スパン・ヤーン(CSY)が使用できる。
染色前の編成生地における糸Bの収縮率は、0%〜10%であることが好ましく、0%〜5%であることがより好ましく、この収縮範囲であれば、紡績糸Aの収縮の方が大きいため、糸Bが編地の外側に現れ、編地に膨らみを与え、保温性が向上する。
また、糸Bは、その太さがメートル番手で40番手以上であれば、編地を軽量にすることができ、350番手以下であれば、ポリウレタン等の弾性糸を含有させることができ、ストレッチ性を与えることができる。
(編地の製造)
本発明の編地の製造方法は、沸水収縮率が30%〜45%であるアクリル繊維を30質量%〜45質量%含む紡績糸aと、糸の太さが、メートル番手で40番手〜350番手である糸Bとを、前記紡績糸aで2コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで2コース編成するか、または、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで3コース編成し交編して編成生地を作製し、該編成生地を70℃以上の湿熱で加熱して、紡績糸a中の少なくとも高収縮性繊維を熱収縮させ、高収縮性繊維の熱収縮でさらに紡績糸そのものを糸長手方向に収縮させて、得られた編地を構成する紡績糸Aをもとの紡績糸aより太くかつメートル番手で30番手〜70番手の太さとするものである。
紡績糸aを編成生地に35質量%以上含ませることで、編成生地に十分な収縮性を与えることができ、95質量%以下とすることで、編地の風合いが硬くなりすぎることを抑制し、また他の繊維を含ませることができる。紡績糸aは、編成生地に対して60質量%〜90質量%含ませることが好ましく、60質量%〜80質量%含ませることがより好ましい。
また、編成生地を構成する紡績糸a中の高収縮性繊維を熱収縮させる際は、70℃以上の湿熱であれば紡績糸a中の高収縮性繊維を熱収縮させることができるが、好ましくは上限が100℃以下の湿熱であれば、編地が熱により変色することを防ぐことができる。また、紡績糸a中に沸水収縮率が30%未満の収縮性繊維を含むときは90℃〜100℃の湿熱で収縮性繊維を熱収縮させることができる。編成生地を湿熱で加熱する処理は、できるだけ生地に張力のかからない状態下で行うことが好ましく、独立した熱水での湿熱加熱処理であってもよいし、染色と同時に染浴中で行ってもよい。この湿熱加熱処理においては、高収縮性繊維の沸水収縮率、紡績糸aでの高収縮性繊維の混率、編地での紡績糸aの混率に応じ、温度、時間を適宜変更し、編地での紡績糸を目的の糸番手とする。
なお、本発明において、編成生地とは、編成されただけの段階の生機の編地を指し、湿熱処理(染色)等が施される前のものをいう。
本発明の編地の製造方法においては、紡績糸aとして、沸水収縮率が30%〜45%の高収縮性繊維を30質量%〜45質量%含む紡績糸を用いることが好ましい。高収縮性繊維における沸水収縮率が30%以上であれば、編地に十分な膨らみを与えることができ、45%以下であれば、編地が硬くなることを防ぐことができる。前記観点から、高収縮性繊維の沸水収縮率は33%〜40%であることが好ましい。
本発明の編地の製造方法において、紡績糸aにおける高収縮性繊維として、沸水収縮率が30%〜45%の高収縮性アクリル繊維を用いることが好ましい。高収縮性繊維に高収縮性アクリル繊維を用いることは、繊維の熱伝導性が低いことによる保温性の良さ、染色時の発色性の良さから鮮やかな色彩を編地に付与することができ、常圧下の湿熱70℃以上100℃以下での染色によって繊維の熱収縮を発現することができ、経済効率の点からも好ましい。
高収縮性繊維の湿熱での熱収縮を発現させるためには、紡績糸a中に高収縮性アクリル繊維等の高収縮性繊維を30質量%以上含有させる必要があり、また45質量%以下含有させることで、収縮後に糸表面に覆う他の繊維の量が確保され風合いを維持することができる。
(編地製造に用いる紡績糸)
本発明の編地の製造方法において、用いる紡績糸aは、一般的な綿紡績の手法によって得ることができる。
紡績糸aを構成する繊維は、高収縮性繊維、好ましくは高収縮性アクリル繊維が紡績糸に対して30質量%〜45質量%含まれ、さらに他の繊維が混紡されて含む。この際、高収縮性繊維の混率が30質量%未満であると紡績糸に湿熱を加えたときの収縮力が弱く、目的とする紡績糸が収縮して太くなるという糸の構造変化が起きないため、編地となった際に十分な保温性を得ることができない。また高収縮性繊維の混率が45質量%を超えると湿熱を加えた際の収縮力は十分であるが、編地表面に現れる他の繊維が少なくなることで風合いが損なわれる。
混紡される他の繊維としては、沸水収縮率が30%未満のアクリル繊維、セルロース系繊維、獣毛繊維が挙げられる。本発明の編地の製造方法においては、好ましく用いられる紡績糸aとしては、沸水収縮率が30%〜45%の高収縮性アクリル繊維と、沸水収縮率が30%未満のアクリル繊維、セルロース系繊維及び獣毛繊維の群から選ばれる1種または2種以上との混紡紡績糸がボリューム感のある編地を得るうえで好ましく、また高収縮性アクリル繊維以外の他の繊維を合計で紡績糸に対して60質量%〜70質量%含む混紡紡績糸が好ましい。混紡される他の繊維は、単独の繊維であってもよいが同種の繊維の組み合わせまたは異種の繊維の組み合わせの複数の繊維であってもよい。
他の繊維の1つにセルロース系繊維を用いるときは、紡績糸aに対して混率30質量%〜50質量%で含ませることが好ましい。セルロース系繊維の混率が30質量%未満であるとセルロース系繊維による吸湿発熱性の効果がなく、50質量%を超えると、吸湿発熱性は確保されるものの、洗濯を繰り返すことで編地の風合いが硬くなる傾向があらわれる。セルロース系繊維のより好ましい混率は40質量%前後である。また、その他の繊維の1つに獣毛繊維を用いるときも、紡績糸aに対して混率30質量%〜50質量%で含ませることが保温性をより高める点で好ましい。沸水収縮率が30%未満のアクリル繊維は、沸水収縮率が30%未満であればよく、低収縮性或いは伸張性のアクリル繊維が含まれていてもよい。
本発明の編地の製造方法において用いられる紡績糸aは、さらに詳しくは、原綿を混綿工程、打綿工程を通しラップを形成したのち、梳綿機に投入するか、打綿工程を省略したのち開綿機から梳綿機に原綿を投入することにより、原綿の繊維塊が開繊され、スライバーが作成され、作成したスライバーを練条機に複数回通すことで繊維の均整度をあげて粗糸とし、さらに精紡機で撚係数が95〜110の撚りのかけた状態での紡績糸を得る。作成した紡績糸aは、巻き取り工程にてコーンに巻き取った後、湿熱55℃を加えて撚りの残留トルクを除去し、編成に供する。
また、紡績糸aとして、太さがメートル番手で50番手〜100番手の紡績糸を用いることが好ましく、また紡績糸aの撚係数が95〜110の撚りがかかっている紡績糸を用いることが好ましい。編成された生地を構成する紡績糸aがメートル番手で50番手以上であることで編地の柔軟性を確保することができ、100番手以下であることで編成時の糸切れを防ぐことができる。前記観点から、紡績糸aはメートル番手で60番手〜90番手であることがより好ましく、75番手〜85番手であることがさらに好ましい。
また撚係数を95以上とすることで紡績糸の強力を確保することができ、撚係数110以下とすることで飽和撚数以下となり撚数を上げ過ぎることによる強力低下を防ぐことができ、より好ましくは撚係数が100〜107である。
(編地の編成)
本発明の編地の製造方法においては、生地となる編地を紡績糸aで2コース編成し続いて他の糸Bで1コース編成するか、紡績糸aで1コース編成し続いて糸Bで1コース編成するか、紡績糸aで1コース編成し続いて糸Bで2コース編成するか、または、紡績糸aで1コース編成し続いて糸Bで3コース編成し交編して得ることが好ましい。紡績糸aと交編する糸Bは、フィラメント糸でも紡績糸でもよく、フィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。糸Bとしては、ポリプロピレン仮撚加工糸、ナイロン仮撚加工糸またはアクリル紡績糸であることがより好ましく、特にポリプロピレン仮撚加工糸が含まれることは、比重が軽いことから編地の軽量化に当たっては好ましいことである。
紡績糸aで2コース編成し、続いて他の糸Bで1コースを編成し交編する」ことは、一般的に、「紡績糸aと糸Bの交編率が2:1」と表現される。すなわち、交編率とは、紡績糸Aと糸Bの配置本数の比率であり、例えば、紡績糸aで3コース編成し、続いて糸Bで3コースを編成し交編する場合には、交編率は「3:3」と表現される。丸編みの場合は、給糸口に紡績糸aを2本立て、糸Bを1本立て、それを繰り返すことで編成できる。横編みの場合は、紡績糸aを2コース編立てた後、糸を紡績糸aから糸Bに切り替えて1コース編立て、これを繰り返す。
本発明の編地の製造方法における編成生地を得る編成に際しては、10ゲージ〜14ゲージの丸編機を用いることが好ましく、編成生地での目付を60g/m2 〜120g/m2 とする。編成に用いる丸編機は、10ゲージ以上とすることで編地の編目が拡がり過ぎず、14ゲージ以下とすることで編地となったときの風合いが硬くなり過ぎないものとする。また目付を60g/m2 以上とすることで編地の強力を確保することができ、120g/m2 以下とすることで編地になったときの軽量感を維持することができる。
(編成生地の湿熱加熱)
本発明の編地の製造方法においては、編成生地を70℃以上の湿熱で加熱することによって、構成の紡績糸を太くし目的とする編地の目付を好ましくは100g/m2 〜200g/m2 とする。編地の目付が100g/m2 以上とすることで製品となったときの実用的な強力を確保することができ、200g/m2 以下とすることで軽量感のある製品とすることができる。
編成生地の湿熱加熱処理では、70℃以上の湿熱であることが必要であり、湿熱が70℃未満では、十分な収縮力が発現せず、100℃を超えると、紡績糸a中にアクリル繊維が含まれるときはアクリル繊維が熱により黄変することで品位の低下に繋がることから、湿熱の上限は100℃以下で、常圧での沸騰温度であることが好ましく、この点からも、編成生地の湿熱加熱処理に当たっては、液流染色機を用い、染色と同時の湿熱加熱処理することが好ましい。
編成生地を湿熱加熱処理することによって、この生地を構成する紡績糸a中の高収縮性繊維の熱収縮、さらに紡績糸自体の長手方向の収縮を発現させる。この湿熱加熱処理によって目付100g/m2 〜200g/m2 の編地を得る。編地の目付が100g/m2 以上であると、製品にしたときの編地強力が高くできるため、実用に耐えられるものとなり、また200g/m2 以下であると、編地が厚くなり過ぎず、動きやすい製品となる。
(高収縮性アクリル繊維)
本発明の編地の製造方法において、高収縮性繊維として好ましく用いられる高収縮性アクリル繊維は、以下のアクリロニトリル重合体を用いた湿式紡糸による製糸方法によって得られる。高収縮性アクリル繊維の原料の重合体としては、通常のアクリル繊維の製造に用いられる、例えば水系懸濁重合法によって得たアクリロニトリル重合体が挙げられ、特に限定はないが、50質量%以上のアクリロニトリルを含有する他の成分が共重合された重合体であることが好ましい。これによりアクリル繊維本来の特性を発現することができる。
アクリロニトリルとの共重合成分としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等に代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル等に代表されるメタクリル酸エステル類、さらにアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。また、アクリロニトリルにp−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ塩を共重合することは、染色性の改良のために好ましい。
(高収縮性アクリル繊維の作成)
本発明で用いられる紡績糸aに含まれる高収縮性繊維として好適な高収縮性アクリル繊維は、例えば次のように湿式紡糸して得ることができる。
水系懸濁重合法により得たアクリロニトリル91質量%、酢酸ビニル9質量%からなる共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃度20質量%の紡糸原液とする。該紡糸原液を、丸型形状の吐出孔を具備した紡糸口金を用い、ジメチルアセトアミド30質量%〜60質量%、水70質量%〜40質量%の組成、温度30℃〜50℃の凝固浴中で吐出して紡糸する。吐出孔数は特に限定はない。紡糸後5倍に延伸し、続いて油剤を付着させ150℃の熱ローラーで乾燥後、熱緩和工程を経て更に紡糸トウを1.1倍〜2.0倍の倍率で延伸することによって、任意の沸水収縮率を与えることができ、沸水収縮率が30%〜45%の高収縮性アクリル繊維を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例中の評価項目は、以下の方法によって測定した。なお、以下の実施例・比較例における「紡績糸aと糸Bとを交編率が1:1で交編する」旨の記載は、紡績糸aで1コース編成し続いて糸Bで1コース編成し交編することを意味する。
(保温率の測定方法)
保温率の測定方法は、(一財)ボーケン品質評価機構での試験方法に基づき、カトーテック社製KES−FサーモラボII試験機を用い、30cm/secの有風下、一定温度(環境温度+10℃)に設定した熱板に試験片をセットし、試験片を介して放散された熱量(a)を求める。また、試験片をセットしない状態で放散された熱量(b)を求め、下記の式に従い保温率(%)を算出する。
保温率(%)=(1−a/b)×100
(糸の嵩高性の測定方法)
編地から、紡績糸Aを解き取って、10cmの紡績糸Aを200本準備した以外は、JIS L1095(2010) 9.14.2 B法と同様にして嵩高性を測定した。
(実施例1)
水系懸濁重合法により得たアクリロニトリル91質量%、酢酸ビニル9質量%からなるアクリロニトリル共重合体を、ジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃度20質量%の紡糸原液を得た。この紡糸原液を丸型形状の吐出孔を具備した紡糸口金を用い、ジメチルアセトアミド60質量%、水40質量%の組成、温度40℃の凝固浴中に吐出し紡糸した。なお、紡糸口金には、吐出孔が孔径0.008mm、孔数が15000のノズル口金を使用した。引き続き、沸水中で溶剤を洗浄したのち5倍に延伸し、続いて油剤を付着させ150℃の熱ローラーで乾燥、熱緩和処理し、目標とする収縮率を得るために1.8倍のスチーム延伸工程を経た後、繊維長38mmに切断して繊維断面形状が空豆断面のアクリル繊維を得た。得られたアクリル繊維は、単繊維繊度1.3dtex、繊維長38mm、沸水収縮率(BWS)38%の高収縮性を有するアクリル繊維であり、以下高収縮性アクリル繊維(V85)という。
紡績糸の作成のため、前述の高収縮性アクリル繊維(V85)を30質量%と、単繊維繊度が1. 0dtex、BWSが18%のアクリル繊維(三菱レイヨン社製、H129)を20質量%と、単繊維繊度が0.8dtex、BWSが1%のアクリル繊維(三菱レイヨン社製、H616)を40質量%と、単繊維繊度が3.3dtex、BWSが2%の光発熱アクリル繊維(三菱レイヨン社製、ET10)を10質量%との原綿比率で、綿紡績工程に投入し開綿工程を経て混綿したのち、フラットカードを用いてスライバーを作成し、練条工程を2回通して粗糸を作成し、精紡工程を通して、撚係数105、メートル番手で85番手の紡績糸aを得た。この紡績糸aを巻き取り工程でコーンに巻き取ったのち湿熱55℃で撚りをセットした。次に、作成した前記85番手の紡績糸aと、ポリプロピレン仮撚加工糸(56dtex/30f)である糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いて3段スムース組織の編成生地を交編し、前記85番手の紡績糸aの混率が65質量%、目付が72g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を、液流染色機を用い、カチオン染料にて98℃、30分の湿熱加熱処理を兼ねた染色を行った。得られた編地は目付が120g/m2 であり、この編地において、編成生地ではメートル番手で85番手であった紡績糸aがメートル番手で50番手の紡績糸Aとなっていた。また、得られた編地は保温率が38%であり保温性に優れるものであった。
(実施例2)
実施例1で作成した撚係数が105、糸番手で85番手の紡績糸aと、ナイロン仮撚加工糸(30dtex/16f)である糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いてスムース組織の編地を交編し、前記85番手の紡績糸aの混率が78質量%、目付が99g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が165g/m2 であり、この編地を構成する紡績糸Aは、前記85番手の紡績糸aが収縮してなり、メートル番手で50番手の太い染色糸となっていた。また、得られた編地は保温率が37%であり保温性に優れるものであった。
(実施例3)
実施例1で作成した高収縮性アクリル繊維(V85)を40質量%と、実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(H616)を20質量%と、単繊維繊度が1.3dtexのレーヨン(Ry)を40質量%とを混綿した後、綿紡績工程を通し、撚係数が105、メートル番手で68番手の紡績糸aを作成した。このメートル番手で68番手の紡績糸aとFTY(30dtex/20f)である糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いて天竺組織の編地を交編し、前記68番手の紡績糸aの混率が87質量%、目付92g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が153g/m2 であり、この編地を構成する紡績糸Aは、前記68番手の紡績糸aが収縮してなり、メートル番手で40番手の太い染色糸となっていた。また、得られた編地は保温率が31%であり十分に保温性を有するものであった。
(実施例4)
実施例3で作成した撚係数が105、メートル番手で68番手の紡績糸aと、ポリウレタン糸(30dtex/20f)を添えたポリプロピレン仮撚加工糸(56dtex/36f)である糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いてスムース組織の編地を交編し、前記68番手の紡績糸aの混率が63質量%、目付が112g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が187g/m2 であり、この編地を構成する紡績糸Aは、前記68番手の紡績糸aが収縮してなり、メートル番手で40番手の太い染色糸となっていた。また、得られた編地は保温率が39%であり、保温性に優れるものであった。
(実施例5)
実施例1で作成した高収縮性アクリル繊維(V85)を40質量%と、実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(H616)を20質量%と、実施例3で用いたものと同じレーヨン(Ry)を20質量%と、及び木綿(Cotton)を20質量%との混率で混綿した後、綿紡績工程を通し、撚係数が105、メートル番手で85番手の紡績糸aを作成した。また、実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(H616)を100質量%使用し、綿紡績工程を通しメートル番手で48番手の紡績糸である糸Bを作成し交編相手とした。前記85番手の紡績糸aと前記糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いて鹿の子組織の編地を交編し、前記85番手の紡績糸aの混率が36質量%、目付が110g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が184g/m2 であり、この編地を構成する紡績糸Aは、前記85番手の紡績糸aが収縮してなり、メートル番手で50番手の太い染色糸となっていた。また、得られた編地は保温率が38%であり保温性に優れるものであった。
(実施例6)
実施例1で作成した高収縮性アクリル繊維(V85)を30質量%と、実施例1で用いたと同じアクリル繊維(H129)を20質量%と、実施例1で用いたと同じアクリル繊維(H616)を40質量%と、実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(ET10)を10質量%との混率で混綿した後、綿紡績工程を通し、撚係数が105、メートル番手で68番手の紡績糸aを作成した。前記68番手の紡績糸aと、中空プロピレン仮撚加工糸(135dtex/60f)である糸Bとを交編率が1:1で12ゲージ(G)24口の丸編機を用いてスムース組織の編地を交編し、前記68番手の紡績糸aの混率が66質量%、目付が72g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が124g/m2 であり、この編地を構成する紡績糸Aは、前記68番手の紡績糸aが収縮してなり、メートル番手で40番手の太い染色糸となっていた。また、得られた編地は保温率が37%であり、保温性に優れるものであった。
(比較例1)
実施例1で作成した撚係数が105、メートル番手で85番手の紡績糸aを綛染めして収縮させ紡績糸Aを得た。その後編成するため、紡績糸Aを綛から糸管に巻き取ろうとしたが、染色した紡績糸Aが切断し、糸管に巻き取ることができなかった。
(比較例2)
実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(H129)を60質量%と、木綿(Cotton)を40質量%との混率で、撚係数が105、メートル番手で85番手の紡績糸を作成した。また、実施例1で用いたものと同じアクリル繊維(H616)を100質量%使用し綿紡績工程を通しメートル番手で48番手の紡績糸である糸Bを作成し交編相手とした。前述のメートル番手で85番手の紡績糸aと48番手の紡績糸Bとを交編率が1:1で12G24口の丸編機を用いて天竺組織の編地を交編し、前記メートル番手で85番手の紡績糸の混率が36質量%、目付が184g/m2 の編成生地を得た。この編成生地を実施例1と同様にして染色した。得られた編地は目付が184g/m2 であり、この編地において、編成生地ではメートル番手で85番手であった前記紡績糸aはメートル番手で70番手の染色糸となっており、得られた編地は保温率が24%であり、十分な保温性は得られなかった。
以上の実施例、比較例における編地の構成、評価項目をまとめて表1 に示す。
Figure 0006536591
本発明の編地は、目付が200g/m2 以下と小さく軽量でありながら、保温性に優れたものであり、肌着等のインナー衣料、寝装具、スポーツ衣料等の素材として好適なるものであり、本発明の編地を商業的に容易に提供することができる。

Claims (16)

  1. 熱収縮させたアクリル繊維を含有し、伸度が15%〜30%であり、メートル番手で30番手〜65番手の紡績糸Aと、メートル番手で40番手〜350番手の糸B
    前記紡績糸Aで2コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、
    前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで1コース編成されて交編されているか、
    前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで2コース編成されて交編されているか、または、
    前記紡績糸Aで1コース編成され続いて前記糸Bで3コース編成されて交編されてなる編地。
  2. 前記アクリル繊維の熱収縮させる前の沸水収縮率が30%〜45%である請求項1に記載の編地。
  3. 保温率が30%以上である請求項1または2に記載の編地。
  4. 編地の目付が100g/m〜200g/mである請求項1〜3のいずれか一項に記載の編地。
  5. (保温率)/(編地の目付)が、0.18〜0.35である請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  6. 前記編地に対する前記紡績糸Aの混率が35質量%〜95質量%である請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  7. 前記紡績糸Aの嵩高性が8cm/g〜20cm/gである請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  8. 前記編地に対する前記糸Bの混率が5質量%〜65質量%である請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  9. 前記紡績糸Aが、アクリル繊維を100質量%含有する紡績糸またはアクリル繊維を30質量%以上含有し、他の繊維としてセルロース系繊維及び獣毛繊維の群から選ばれる1種以上を含有する紡績糸である請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  10. 前記糸Bがフィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる1種以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の編地。
  11. 沸水収縮率が30%〜45%であるアクリル繊維を30質量%〜45質量%含む紡績糸aと、糸の太さが、メートル番手で40番手〜350番手である糸Bとを、前記紡績糸aで2コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで1コース編成するか、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで2コース編成するか、または、前記紡績糸aで1コース編成し続いて前記糸Bで3コース編成し交編して編成生地を作製し、該編成生地を70℃以上の湿熱で加熱して、前記紡績糸aに含まれる高収縮性繊維を熱収縮させて紡績糸Aとした編地とし、該編地を構成する紡績糸Aを前記紡績糸aより太くかつメートル番手で30番手〜70番手の太さとする編地の製造方法。
  12. 前記紡績糸aは、メートル番手が50番手〜100番手である請求項11に記載の編地の製造方法。
  13. 前記編成生地の目付を60g/m〜120g/mとし、当該編成生地を70℃以上の湿熱で加熱して編地の目付を100g/m〜200g/mとする請求項11または12に記載の編地の製造方法。
  14. 前記紡績糸aとして、撚係数が95〜110の撚りのある紡績糸を用いる請求項1113のいずれか一項に記載の編地の製造方法。
  15. 前記糸Bとして、フィラメント加工糸、紡績糸及び弾性糸の群から選ばれる1種以上を用いる請求項1114のいずれか一項に記載の編地の製造方法。
  16. 編地の編成に際し、10ゲージ〜14ゲージの丸編機を用いる請求項1115のいずれか一項に記載の編地の製造方法。
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