JP6534646B2 - 飲食品特有の残り香成分の探索方法 - Google Patents
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Description
[1]特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、該飲食品を飲食する際において、該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気を分析し、検出された香気成分を該飲食品特有の残り香成分として位置付ける該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
[2]前記飲食品を飲食する直前において、水を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気を分析し、その結果をブランクとして差し引くことを特徴とする、[1]に記載の該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
[3]特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析において、(d)において検出された香気成分Xのピーク面積値をx1とし、香気成分Xの(c)におけるピーク面積値をx2とし、香気成分Xの(a)におけるピーク面積値をx3とし、香気成分Xの(b)におけるピーク面積値をx4としたときに、x2>x1、または、x2>x3、または、x2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分として位置付ける工程
[4]特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析において、(d)において検出された香気成分Xのピーク面積値をx1とし、香気成分Xの(c)におけるピーク面積値をx2とし、香気成分Xの(a)におけるピーク面積値をx3とし、香気成分Xの(b)におけるピーク面積値をx4としたときに、x2>x1、かつ、x2>x3、かつ、x2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分として位置付ける工程
[5]前記飲食品を飲食する直前における下記(e)〜(g)の香気を捕集してガスクロマトグラフィーで分析し、それぞれ(e)の分析結果を(a)のブランク、(f)の分析結果を(b)のブランク、および、(g)の分析結果を(c)のブランクとして、飲食する際における分析結果から差し引くことを特徴とする、[3]または[4]に記載の該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
(e)水を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(f)水を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(g)水を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
[6]唾液中に含まれる香気の分析方法が、唾液を吸着剤と接触処理することにより香気を吸着させ、次いで、脱着した後、ガスクロマトグラフィーで分析する方法である、[1]〜[5]のいずれかに記載の残り香成分の探索方法。
[7]気体中に含まれる香気の分析方法が、気体を吸着剤と接触処理することにより香気を吸着させ、次いで、脱着した後、ガスクロマトグラフィーで分析する方法である、[3]〜[6]のいずれかに記載の残り香成分の探索方法。
[8][1]〜[7]のいずれかにおいて残り香成分として位置付けられた香気成分を含有させることを特徴とする食品用香料組成物の製造方法。
[9]食品用香料組成物中の香料化合物総量のうち、残り香成分の合計量が1質量%以上を占めることを特徴とする、[8]に記載の食品用香料組成物の製造方法。
[10]特定の飲食品の風味を有する食品用香料組成物の製造方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する製造方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析結果に基づき、香料成分を調合する工程
[11]分析が、ガスクロマトグラフィーで分析された成分のうち、香気貢献度の高い成分を選択する方法を含むものである、[10]に記載の製造方法。
[12]食品用香料組成物中の香料化合物総量のうち(a)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%、(b)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%、(c)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%および(d)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%占めることを特徴とする、[10]または[11]に記載の食品用香料組成物の製造方法。
[13][8]〜[12]のいずれかの製造方法により製造された食品用香料組成物を配合することを特徴とする、飲食品の製造方法。
(a)含み香
含み香の香気捕集方法としては、飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出する香気成分を含んだ気体をポンプで吸引しながら多孔性樹脂吸着剤が充填されたガラス管に導入して吸着処理することにより香気成分を捕集することができる。多孔性樹脂吸着剤としては、2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキシドをベースとする弱極性のポーラスポリマービーズ、例えば、ジーエルサイエンス株式会社製の「Tenax TA」を例示することができる。捕集した香気成分に窒素ガスをパージした後、加熱脱着し、ガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各香気成分のピーク面積値を求めることができる。
戻り香の香気捕集方法としては、飲食品を飲み込んだ後の口中の香気成分を含んだ気体をポンプで吸引しながら多孔性樹脂吸着剤が充填されたガラス管に導入して吸着処理することにより香気成分を捕集することができる。捕集した香気成分に窒素ガスをパージした後、加熱脱着し、ガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各香気成分のピーク面積値を求めることができる。戻り香の香気を捕集する前に、水を飲み込んだ後に同様に香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析し、各香気成分のピーク面積値をブランクとして、前記で測定した戻り香の各香気成分のピーク面積値から差し引く補正を行うことにより、被験者の個人差などを軽減することができ好適である。
残り香の香気捕集方法としては、飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気成分を捕集することにより得ることができる。唾液中に含まれる香気成分の捕集方法としては、例えば、容器に充填された唾液にゲステル株式会社製のトゥウィスター(Twister)を入れて抽出するスターバー抽出法(SBSE:Stir Bar Sorptive Extraction)により香気を捕集し、捕集した香気成分に窒素ガスをパージした後、加熱脱着し、ガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各香気成分のピーク面積値を求めることができる。残り香の香気を捕集する前に、水を飲み込んだ後に同様に香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析し、各香気成分のピーク面積値をブランクとして、前記で測定した残り香の各香気成分のピーク面積値から差し引く補正を行うことにより、被験者の個人差などを軽減することができ好適である。
試料香の香気捕集方法としては、飲食品中に含まれる香気成分を捕集することにより得ることができる。飲食品中に含まれる香気成分の捕集方法としては、例えば、容器に充填された飲食品にトゥウィスター(Twister)を入れて抽出するスターバー抽出法(SBSE)により香気を捕集し、捕集した香気成分に窒素ガスをパージした後、加熱脱着し、ガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各香気成分のピーク面積値を求めることができる。
立ち香の香気捕集方法としては、通常、飲食品から揮発性香気成分を捕集する方法を採用することができ、具体的には、飲食品を容器に充填し、容器のヘッドスペース部に設置した多孔性の樹脂吸着剤などに香気を捕集する方法を挙げることができる。香気捕集方法としては、例えば、固相マイクロ抽出法(SPME:Solid Phase Micro Extraction)、トゥウィスター(Twister)によるヘッドスペース吸着抽出法(HSSE:Headspace Sorptive Extraction)などを採用することができる。捕集した香気成分を加熱脱着し、ガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各香気成分のピーク面積値を求めることができる。
本発明の残り香成分の探索方法は、飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気を、前記した(c)に示す方法で分析し、検出された香気成分を該飲食品特有の残り香成分と位置づけることを特徴とする。さらに好ましくは、飲食品中に含まれる香気(試料香)を前記した(d)に示す方法で分析して検出された香気成分Xのピーク面積値をx1とし、香気成分Xの(c)におけるピーク面積値をx2とし、香気成分Xの前記した(a)におけるピーク面積値をx3とし、香気成分Xの前記した(b)におけるピーク面積値をx4としたときに、x2>x1、または、x2>x3、またはx2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分と位置づける。より好ましくは、前記のx2>x1、かつ、x2>x3、かつ、x2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分と位置づけることを特徴とする。
本発明の食品用香料組成物は、前記した探索方法によって残り香成分として位置づけられた香料成分を含有させることにより得ることができる。食品用香料組成物中の香料化合物総量のうち、残り香成分の合計量が1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上とすることにより、ボリューム感のある食品用香料組成物とすることができる。ここで「ボリューム感」の付与とは、食品用香料組成物自体、または当該香料組成物を配合した飲食品に対して、香味の厚み、コク味、複雑味などを付与することが出来ることを意味する。
本発明の食品用香料組成物によりボリューム感の増強された飲食品の具体例としては、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、歯磨きなどの口腔用組成物を挙げることができるが何ら限定されるものではない。本発明の食品用香料組成物は、通常、飲食品の重量を基準として0.01質量%〜1質量%程度の濃度範囲で配合することができる。
(1)試料(ドリップコーヒー)の調製
ブラジルNo.2(L値19)30gを粉砕機で粉砕し、沸騰水によりドリップ方式を用いて約500gの抽出液を得た後、缶に充填し、冷凍保管した(未殺菌)。分析時に解凍して分析用試料とした。
20mLバイアルに試料15gおよび撹拌子を入れた後、ヘッドスペース部にトゥウィスター(Twister:長さ10mm、膜厚0.5mm)を吊り下げ密封し、30分間香気捕集を行った。TDU(Thermal Desorption Unit)にて加熱脱着後、水素炎イオン化検出器(FID)とシングル四重極型質量分析計(MSD)に分岐したGCにて測定を行った。
試料25gを口に含んだままの状態で鼻から排出される香気をエアーポンプで吸引しながらTenax TAに4分間捕集した。100mL/minの窒素ガスでパージした後、TDUにて加熱脱着し、FIDとMSDに分岐したGCにて測定を行った。また、試料の測定の直前に前記の試料に代えて軟水を用いた以外は同様に処理して測定を行い、その測定結果をブランクとして差し引く補正を行った。
試料190gを飲んだ後の口中香気をエアーポンプで吸引しながらTenax TAに2分間捕集した。100mL/minの窒素ガスでパージした後、TDUにて加熱脱着し、FIDとMSDに分岐したGCにて測定を行った。また、試料の測定の直前に前記の試料に代えて軟水を用いた以外は同様に処理して測定を行い、その測定結果をブランクとして差し引く補正を行った。
試料190gを飲んだ後、ビーカーに唾液を捕集した。10mLバイアルに唾液9.0gおよびトゥウィスター(Twister:長さ10mm、膜厚0.5mm)1個を入れ、室温にて撹拌しながら30分間香気捕集を行った。Twisterを超純水ですすいだ後、100mL/minの窒素ガスでパージした。TDUにて加熱脱着後、FIDとMSDに分岐したGCにて測定を行った。また、試料の測定の直前に前記の試料に代えて軟水を用いた以外は同様に処理して測定を行い、その測定結果をブランクとして差し引く補正を行った。
10mLバイアルに試料9.0gおよびトゥウィスター(Twister:長さ10mm、膜厚0.5mm)1個を入れ、室温にて撹拌しながら30分間香気捕集を行った。Twisterを超純水ですすいだ後、100mL/minの窒素ガスでパージした。TDUにて加熱脱着後、FIDとMSDに分岐したGCにて測定を行った。
(2)〜(6)におけるGC−MS測定条件を以下に示す。
カラム:GL Science InertCap−WAX60mx0.25mmI.D.x0.25μm
キャリアガス:He
モード:コンスタントフロー
カラム流量:1.4mL
MS:EIモード、70eV
注入法:Gerstel TDU
初期温度:20℃
レート:720℃/分
最終温度:260℃
ホールド時間:2分
オーブン初期温度:40℃
ホールド時間:5分
レート:5℃/分
最終温度:230℃
ホールド時間:20分
(8)分析結果
前記の方法で分析した立ち香、含み香、戻り香、残り香および試料香の各成分の面積比について、リテンションインデックスで分類(RI<1100:トップ、RI=1100〜1800:ミドル、RI>1800:ラスト)した結果を表1−1、表1−2、表1−3に示した。また、それを円グラフに示した(図1〜図5)。
含み香では、トップの香気成分が多く(図2)、2−Methylbutanal(No.5)や3−Methylbutanal(No.6)等のアルデヒド類、Diacetyl(No.9)や2,3−Pentanedione(No.10)等のケトン類の割合が高かった。
実施例1に示した立ち香、含み香、戻り香、試料香および残り香のそれぞれの香気分析結果に基づいて、立ち香ベースA、含み香ベースA、戻り香ベースA、試料香ベースAならびに残り香ベースA、A2およびA3を調製した。
(1)立ち香ベースA
表1−1、表1−2および表1−3に示した立ち香の各成分の面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して立ち香ベースAを調製した。
(2)含み香ベースA
表1−1、表1−2および表1−3に示した含み香の各成分の面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して含み香ベースAを調製した。
(3)戻り香ベースA
表1−1、表1−2および表1−3に示した戻り香の各成分の面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して戻り香ベースAを調製した。
(4)試料香ベースA
表1−1、表1−2および表1−3に示した試料香の各成分の面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して試料香ベースAを調製した。
(5)残り香ベースA
表1−1、表1−2および表1−3に示した残り香の各成分の面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して残り香ベースAを調製した。
(6)残り香ベースA2
表1−1、表1−2および表1−3に示した残り香の各成分のうち、試料香、含み香または戻り香での面積比(%)より高い面積比(%)を示す成分を選択して面積比(%)を質量%に置き換えて各成分を混合した混合物40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して残り香ベースA2を調製した。
(7)残り香ベースA3
表1−1、表1−2および表1−3に示した残り香の各成分のうち、試料香より面積比(%)が高く、かつ含み香より面積比(%)が高く、かつ戻り香での面積比(%)より高い面積比(%)を示した成分を選択して面積比(%)を質量%に置き換えて混合した混合物を40質量%にエタノール35質量%およびプロピレングリコール25質量%を混合して残り香ベースA3を調製した。
焙煎したコーヒー豆100g(コロンビア L値22)を粉砕した後、撹拌を行いながら、14倍量の90℃熱水で15分間抽出を行った。抽出終了後、市販の紙製の濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を氷冷し、コーヒー抽出液1087g(Bx2.3°)を得た。抽出液にショ糖を152g添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9に調整し、さらに水を加えて、全体を2500gとした。このコーヒー抽出原液に実施例1で調製したコーヒーフレーバー比較品1〜5および本発明品1〜4を0.1重量%添加したものを調製し、90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(121℃、20分間、F=39)缶入りコーヒー飲料を得た。それぞれのコーヒー飲料は、コーヒーフレーバー比較品1を添加したものをコントロールとして10名のパネラーにて官能評価を行い、平均的な官能評価結果を表3に示した。
Claims (13)
- 特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、該飲食品を飲食する際において、該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気を分析し、検出された香気成分を該飲食品特有の残り香成分として位置付ける該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
- 前記飲食品を飲食する直前において、水を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気を分析し、その結果をブランクとして差し引くことを特徴とする、請求項1に記載の該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
- 特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析において、(d)において検出された香気成分Xのピーク面積値をx1とし、香気成分Xの(c)におけるピーク面積値をx2とし、香気成分Xの(a)におけるピーク面積値をx3とし、香気成分Xの(b)におけるピーク面積値をx4としたときに、x2>x1、または、x2>x3、または、x2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分として位置付ける工程 - 特定の飲食品における該飲食品特有の残り香成分の探索方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析において、(d)において検出された香気成分Xのピーク面積値をx1とし、香気成分Xの(c)におけるピーク面積値をx2とし、香気成分Xの(a)におけるピーク面積値をx3とし、香気成分Xの(b)におけるピーク面積値をx4としたときに、x2>x1、かつ、x2>x3、かつ、x2>x4である場合に、香気成分Xを、該飲食品特有の残り香成分として位置付ける工程 - 前記飲食品を飲食する直前における下記(e)〜(g)の香気を捕集してガスクロマトグラフィーで分析し、それぞれ(e)の分析結果を(a)のブランク、(f)の分析結果を(b)のブランク、および、(g)の分析結果を(c)のブランクとして、飲食する際における分析結果から差し引くことを特徴とする、請求項3または4に記載の該飲食品特有の残り香成分の探索方法。
(e)水を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(f)水を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(g)水を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気 - 唾液中に含まれる香気の分析方法が、唾液を吸着剤と接触処理することにより香気を吸着させ、次いで、脱着した後、ガスクロマトグラフィーで分析する方法である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の残り香成分の探索方法。
- 気体中に含まれる香気の分析方法が、気体を吸着剤と接触処理することにより香気を吸着させ、次いで、脱着した後、ガスクロマトグラフィーで分析する方法である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の残り香成分の探索方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の残り香成分の探索方法において残り香成分として位置付けられた香気成分を含有させることを特徴とする食品用香料組成物の製造方法。
- 食品用香料組成物中の香料化合物総量のうち、残り香成分の合計量が1質量%以上を占めることを特徴とする、請求項8に記載の食品用香料組成物の製造方法。
- 特定の飲食品の風味を有する食品用香料組成物の製造方法であって、以下の工程(1)および(2)を有する製造方法。
工程(1):該飲食品を飲食する際における下記(a)〜(c)の香気および該飲食品における下記(d)の香気を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析する工程
(a)該飲食品を口に含んだままの状態で鼻から排出される気体中に含まれる香気
(b)該飲食品を飲み込んだ後の口中に存在する気体中に含まれる香気
(c)該飲食品を飲み込んだ後の唾液中に含まれる香気
(d)該飲食品中に含まれる香気
工程(2):工程(1)の分析結果に基づき、香料成分を調合する工程 - 分析が、ガスクロマトグラフィーで分析された成分のうち、香気貢献度の高い成分を選択する方法を含むものである、請求項10に記載の製造方法。
- 食品用香料組成物中の香料化合物総量のうち(a)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%、(b)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%、(c)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%および(d)の香気の分析結果から検出された香気成分を1〜99質量%占めることを特徴とする、請求項10または11に記載の食品用香料組成物の製造方法。
- 請求項8〜12のいずれかの製造方法により製造された食品用香料組成物を配合することを特徴とする、飲食品の製造方法。
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