以下、本発明に係る判定装置、基板検査装置および判定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、基板検査装置の一例としての図1に示す基板検査装置1の構成について説明する。基板検査装置1は、同図に示すように、基板保持部2、移動機構3、カメラ4、一対のプローブ部5a,5b(以下、区別しないときには「プローブ部5」ともいう)、記憶部6および処理部7を備えて、基板50を検査可能に構成されている。なお、記憶部6および処理部7によって判定装置が構成される。
この場合、基板50には、複数の導体部(配線パターン、ビアおよびスルーホール等)が形成されている。また、各導体部には、基板50を検査する際にプローブ部5a,5bを接触させる複数の被接触点Pc(図7参照)が規定されている。また、基板50には、基板50の位置や形状を特定する際に用いる複数のマークM(同図参照)が設けられている。
基板保持部2は、基板50が配置される保持台と、保持台に配置された基板50を固定する固定部(いずれも図示を省略する)とを備えて、基板50を保持可能に構成されている。移動機構3は、ガイドレール、スライダおよび上下動機構(いずれも図示を省略する)を備えて構成され、処理部7の制御に従い、カメラ4およびプローブ部5を移動させる。
カメラ4は、処理部7の制御に従って基板50のマークMを撮像する。プローブ部5a,5bは、図1に示すように、2本のプローブピン51と、各プローブピン51を支持する支持部52とをそれぞれ備えて構成されている。また、プローブ部5a,5bは、移動機構3によって基板50の表面に平行な平面に沿った方向(XY方向)、および平面に垂直な方向(Z方向)に沿って移動させられて、基板50の被接触点Pcに各プローブピン51の先端部が接触させられる。
記憶部6は、各種のデータを記憶する。具体的には、記憶部6には、処理部7によって実行される特定処理70(図2参照)において用いられる第2位置データD2および第3位置データD3、並びに処理部7によって実行される第2判定処理100(判定処理に相当する:図4参照)、中間点特定処理120(図5参照)および中継点特定処理140(図6参照)において用いられる第6位置データD6が予め記憶されている。この場合、第2位置データD2は、設計どおりに形成された(変形のない)基板50(基準基板に相当し、以下、「基準の基板50」ともいう)におけるマークMの位置(設計上の位置)を示すデータであり、第3位置データD3は、基準の基板50における被接触点Pcの位置(設計上の位置)を示すデータである。また、第6位置データD6は、移動開始前に各プローブ部5が待機している待機状態において各プローブ部5の各プローブピン51の先端部が位置する移動開始点Piの位置を示すデータである。
また、記憶部6は、特定処理70を実行する過程で処理部7によって生成される第1位置データD1および第4位置データD4を記憶する。この場合、第1位置データD1は、検査対象の基板50におけるマークMの位置(処理部7によって測定される位置)を示すデータであり、第4位置データD4は、検査対象の基板50における被接触点Pcの位置を示すデータである。さらに、記憶部6には、第1判定処理80(図3参照)において用いられる第5位置データD5が予め記憶されている。この場合、第5位置データD5は、基板50の表面に垂直な向き(Z方向)から見た各プローブ部5a,5bにおけるプローブピン51および支持部52の輪郭Ca,Cb(以下、区別しないときには「輪郭C」ともいう)、並びに各プローブピン51における各々の先端部の位置に相当する基準点Psa,Psb(以下、区別しないときには「基準点Ps」ともいう)を示す図形Fa,Fb(図7参照)を示すデータである。また、記憶部6は、第1判定処理80および第2判定処理100の実行によって処理部7によって判定されたそれぞれの判定結果を示す判定結果データD7,D8を記憶する。また、記憶部6は、中間点特定処理120の実行によって処理部7によって特定される中間点Pmの位置を示す中間点データD9、および中継点特定処理140の実行によって処理部7によって特定される中継点Pra,Prb(以下、区別しないときには「中継点Pr」ともいう)の位置を示す中継点データD10を記憶する。
処理部7は、制御部として機能し、移動機構3によるカメラ4および各プローブ部5の移動を制御する(後述する第1移動制御、第2移動制御および第3移動制御を実行する)。また、処理部7は、検査部として機能し、各プローブ部5の各プローブピン51を介して入出力する電気信号に基づいて基板50を検査する。また、処理部7は、検査対象の基板50に形成されているマークMの位置を測定する。また、処理部7は、図2に示す特定処理70を実行して、検査対象の基板50における被接触点Pcの位置を特定する。さらに、処理部7は、図3に示す第1判定処理80を実行して、各プローブ部5の各プローブピン51の先端部を被接触点Pcにそれぞれ接触させた接触状態における各プローブ部5同士(各プローブ部5の各プローブピン51同士)の干渉の有無を判定する。
また、処理部7は、図4に示す第2判定処理100を実行して、後述する第1移動制御を実行する際に、移動時における各プローブ部5同士(各プローブ部5の各プローブピン51同士)の干渉の有無を判定する。また、処理部7は、図5に示す中間点特定処理120を実行して、後述する第2移動制御を実行する際に用いる中間点Pmを特定する。また、処理部7は、図6に示す中継点特定処理140を実行して、後述する第3移動制御を実行する際に用いる中継点Pra,Prbを特定する。
次に、基板検査装置1を用いて基板50を検査する方法、およびその際の基板検査装置1を構成する各構成要素の動作について、図面を参照して説明する。
最初に、基板保持部2における図外の保持台に検査対象の基板50を配置し、次いで、図外の固定部で基板50を固定する。これにより、基板50が基板保持部2に保持される。
続いて、図外の操作部を操作して、検査の開始を指示する。これに応じて、処理部7は、検査対象の基板50における被接触点Pcの位置を特定する特定処理70(図2参照)を実行する。この特定処理70では、処理部7は、マークMの位置を測定する測定処理を実行する(ステップ71)。この測定処理では、処理部7は、カメラ4を制御して撮像を開始させると共に、移動機構3を制御して、カメラ4の中心(撮像画像の中心)が基板50におけるマークMの中心と一致するようにマークMの上方にカメラ4を移動させる。また、処理部7は、移動機構3によるカメラ4の移動距離に基づいてマークMの位置を測定する。以下、同様にして、処理部7は、各マークMの位置を測定し、その位置を示す第1位置データD1を生成して記憶部6に記憶させる。
次いで、処理部7は、第2位置データD2および第3位置データD3を記憶部6から読み出す(ステップ72)。続いて、処理部7は、第2位置データD2に示される基準の基板50におけるマークMの位置と、第1位置データD1に示される検査対象の基板50におけるマークMの位置との位置ずれ量を求める(ステップ73)。次いで、処理部7は、第3位置データD3に示される基準の基板50における被接触点Pcの位置を、求めた位置ずれ量で補正して、検査対象の基板50における被接触点Pcの位置を特定する(ステップ74)。続いて、処理部7は、特定した被接触点Pcの位置を示す第4位置データD4を生成して(ステップ75)、記憶部6に記憶させ、特定処理70を終了する。
次いで、処理部7は、各プローブ部5の各プローブピン51の先端部を一対の被接触点Pcにそれぞれ接触させた接触状態における各プローブ部5同士(各プローブ部5における各プローブピン51同士)の干渉の有無を判定する第1判定処理80(図3参照)を実行する。この第1判定処理80では、処理部7は、第4位置データD4および第5位置データD5を記憶部6から読み出す(ステップ81)。続いて、処理部7は、第5位置データD5に基づき、プローブ部5a,5bの輪郭Ca,Cbおよび基準点Psa,Psb(各プローブピン51の先端部の位置)を示す図形Fa,Fb(図7参照)を特定する(ステップ82)。
次いで、処理部7は、図7に示すように、図形Fa,Fbの基準点Psa,Psbが第4位置データD4に示される基板50の一対の被接触点Pcにそれぞれ位置した状態(プロービングさせた状態)の画像(以下、この画像を「プロービング画像G1」ともいう)を想定する(ステップ83)。続いて、処理部7は、プローブ部5a,5bのうちのいずれか一方としてのプローブ部5bの図形Fb(第1図形に相当する)を選択する(ステップ84)。次いで、処理部7は、図8に示すように、プロービング画像G1内において、図形Fbの基準点Psbを通り、かつ図形Fa,Fbの基準点Psa,Psbを結ぶ直線L1に垂直な直線L2を対称軸として、図形Fbを反転した図形Fc(第2図形に相当する)を想定する(ステップ85)。この場合、図形Fcの基準点Pscは、図形Fbの基準点Psbと同じ位置となる。
続いて、処理部7は、図9に示すように、プロービング画像G1内において、図形Fcの基準点Pscを図形Fa(プローブ部5a,5bのうちの他方の図形)の輪郭Caに沿って移動させ、そのときに図形Fcの輪郭Ccによって描かれる図形Fd(第3図形に相当する)を想定する(ステップ86)。次いで、処理部7は、図10に示すように、図形Fdの外周(輪郭Cd)に沿って予め決められた幅W(一例として、図形Faの基準点Psaから輪郭Caまでの最短距離に相当する幅)だけ図形Fd(輪郭Cd)を拡大させた輪郭Ceを有する図形Fe(第4図形に相当する)を想定する(ステップ87)。
続いて、処理部7は、図形Fbの基準点Psbと図形Feとの位置関係に基づき、各プローブ部5同士(各プローブ部5の各プローブピン51同士)の干渉の有無を判定する。具体的には、処理部7は、図形Fe内に図形Fbの基準点Psbが含まれているか否かを判別する(ステップ88)。この際に、処理部7は、同図に示すように、図形Fe(同図に実線で示す図形Fe)内に基準点Psbが含まれていないと判別したときには、各プローブ部5同士が干渉しないと判定する(ステップ89)。一方、図形Fe(同図に一点鎖線で示す図形Fe)内に基準点Psbが含まれていると判別したときには、処理部7は、各プローブ部5同士が干渉すると判定する(ステップ90)。
ここで、上記した図形Feは、ミンコフスキー差(Minkowski difference)の手法に基づいている。また、ミンコフスキー差には、「重なっている2つの図形のミンコフスキー差は、一方の図形を反転する際の原点を含む」という性質、言い換えると「ミンコフスキー差に、一方の図形を反転する際の原点が含まれている元の2つの図形は重なっている」という性質がある。したがって、ミンコフスキー差に相当する図形Fe内に、「原点」に相当する基準点Psbが含まれているか否かを判別することにより、図形Fa,Fbが重なるか否か、つまり各プローブ部5同士が干渉するか否かを判定することができる。
以上により、最初の一対の被接触点Pcに各プローブピン51の先端部をそれぞれ接触させた接触状態における各プローブ部5同士の干渉の有無の判定が終了する。また、処理部7は、各プローブ部5同士の干渉の有無の判定結果を示す判定結果データD7を生成して(ステップ91)、記憶部6に記憶させる。次いで、処理部7は、上記したステップ83〜89を実行して、他の一対の被接触点Pcに対する接触状態における各プローブ部5同士の干渉の有無の判定を行い、全ての被接触点Pcについて各プローブ部5同士の干渉の有無の判定が終了したときには、第1判定処理80を終了する。
次いで、処理部7は、基板の表面に平行な平面に沿って各プローブ部5を各移動開始点Piから移動させて、各プローブ部5の各プローブピン51の先端部を一対の被接触点Pcにそれぞれ接触させるときの移動時における各プローブ部5同士(各プローブ部5における各プローブピン51同士)の干渉の有無を判定する第2判定処理100(図4参照)を実行する。この第2判定処理100では、処理部7は、最初に接触させるべき一対の被接触点Pcの第4位置データD4を記憶部6から読み出すと共に、その被接触点Pcについての判定結果データD7を記憶部6から読み出す(ステップ101)。
続いて、処理部7は、判定結果データD7に示される判定結果が、各プローブ部5同士が干渉することを示す判定結果であるか否かを判別する(ステップ102)。この際に、処理部7は、各プローブ部5同士が干渉することを示す判定結果であると判別したときには、ステップ101を実行して、次の一対の被接触点Pcの第4位置データD4および判定結果データD7を記憶部6から読み出す。
一方、ステップ102において、各プローブ部5同士が干渉することを示す判定結果ではないと判別したときには、処理部7は、第6位置データD6を記憶部6から読み出す(ステップ103)。次いで、処理部7は、第6位置データD6に基づいて各プローブ部5の移動開始点Piの位置を特定すると共に、第4位置データD4に基づいて各被接触点Pcの位置を特定する。
続いて、処理部7は、各プローブ部5(プローブピン51の先端部)が各移動開始点Piを同時に出発して各被接触点Pcに同時に到着するように各プローブ部5をそれぞれ個別の一定速度で直線的に移動させる第1移動制御を実行する際の、他方のプローブ部5aに対する一方のプローブ部5b(プローブピン51の先端部)の相対的な移動軌跡Lmを想定する(ステップ104)。
この場合、移動軌跡Lmは、図11に示すように、プローブ部5aの移動開始点Pi(以下、「移動開始点Pia」ともいう)と被接触点Pc(以下、「被接触点Pca」ともいう)とを結ぶ線分Pia−Pca(同図に実線で示す)の「Pca」側の端部が、プローブ部5bの被接触点Pc(以下、「被接触点Pcb」ともいう)に位置するように線分Pia−Pcaを平行移動させ、平行移動後の線分Pia−Pca(同図に破線で示す)の「Pia」側の端部を終点(以下、「終点Pme」ともいう)とし、プローブ部5bの移動開始点Pi(以下、「移動開始点Pib」ともいう)を始点(以下、「始点Pms」ともいう)とするベクトル(同図に一点鎖線で示す)で表される。
次いで、処理部7は、図11に示すように、上記した第1判定処理80と同様に図形Feを想定する(ステップ105)。続いて、処理部7は、同図に示すように、図形Feの基準点Pse(図形Feを想定する際に用いる図形Faの基準点Psaと同じ点)がプローブ部5aの移動開始点Piaに位置しているときの図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係に基づいて第1移動制御の実行時における各プローブ部5同士の干渉の有無を判定する。
具体的には、処理部7は、図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係が第1条件に該当するか否かを判別する(ステップ106)。この場合、処理部7は、次の条件を第1条件とする。まず、図11に示すように、図形Feにおける被接触点Pcb(プローブ部5bについての被接触点Pc)に最も近い端部(同図における最も右側の端部)に接するY方向(同図における上下方向)の直線L3で、図形Feが存在する平面を分割した2つの分割領域A1,A2(以下、区別しないときには「分割領域A」ともいう)を想定する。そして、2つの分割領域A1,A2のうちの図形Feが属していない分割領域A2に移動軌跡Lmの全部が属しているとの条件を第1条件とする。
この場合、図11に示すように、移動軌跡Lmの全部が分割領域A2に属しているときには、処理部7は、ステップ106において第1条件に該当すると判別し、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉しないと判定し(ステップ109)、次いで、判定結果を示す判定結果データD8を生成して(ステップ111)、記憶部6に記憶させる。
一方、図12に示すように、移動軌跡Lmの一部が分割領域A1に属しているため、第1条件に該当しない場合であっても、各プローブ部5同士が干渉しない可能性がある(同時に、干渉する可能性もある)。このため、処理部7は、ステップ106において第1条件に該当しないと判別したときには、干渉の有無の判定精度を高めるため、図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係が第1条件とは異なる第2条件に該当するか否かを判別する(ステップ107)。
この場合、処理部7は、次の条件を第2条件とする。まず、図13に示すように、図形Feにおける被接触点Pcb側の端部(同図における右側の端部)の輪郭Ceを構成する線分のうちの、同図における左右方向(X方向)に対して傾斜する2つの線分を延長した直線L4,L5と輪郭Ceとで、図形Feが存在する平面を分割した4つの分割領域A3〜A6(以下、区別しないときには「分割領域A」ともいう)を想定する。そして、移動軌跡Lmの始点Pmsおよび終点Pmeのいずれか一方が分割領域A3に属しているか、または始点Pmsおよび終点Pmeの双方が分割領域A3〜A5のいずれかに属しているとの条件を第2条件とする。
ここで、この第2条件に該当するか否かの判別では、第1判定処理80において各プローブ部5同士が干渉しないと判定された被接触点Pcを判定対象としているため、この被接触点Pcについての移動軌跡Lmの終点Pmeは、図形Feに属していないこととなる。また、移動軌跡Lmの始点Pmsは、待機状態においてプローブ部5のプローブピン51の先端部が位置する移動開始点Piに相当するため、始点Pmsも図形Feに属していないこととなる。つまり、移動軌跡Lmの始点Pmsおよび終点Pmeの双方が、分割領域A3〜A6のいずれかに属していることとなる。このため、移動軌跡Lmの始点Pmsおよび終点Pmeのいずれか一方が分割領域A3に属しているか、または始点Pmsおよび終点Pmeの双方が分割領域A3〜A5のいずれかに属している(第2条件に該当する)ときには、移動軌跡Lmの全体が、図形Feに属していない(移動軌跡Lmの全体が図形Feに交差も接触もしない)こととなり、このときには、各プローブ部5同士が干渉しないこととなる。したがって、第2条件に該当するか否かを判別することで、各プローブ部5同士の干渉の有無を判定することができる。
この場合、図13に示すように、始点Pmsが分割領域A4に属し、終点Pmeが分割領域A5に属しているときには、処理部7は、ステップ107において第2条件に該当すると判別し、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉しないと判定し(ステップ109)、続いて上記したステップ111を実行する。
一方、第1条件および第2条件のいずれにも該当しないとしても、各プローブ部5同士が干渉する可能性、および干渉しない可能性の双方の可能性がある。このため、処理部7は、干渉の有無の判定精度をさらに高めるため、ステップ107において第2条件に該当しないと判別したときには、図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係が第1条件および第2条件とは異なる第3条件に該当するか否かを判別する(ステップ108)。
この場合、処理部7は、移動軌跡Lmが、図形Feの輪郭Ceを構成する線分のいずれとも交差も接触もしないとの条件を第3条件とする。この際に、図14に示すように、移動軌跡Lmが図形Feの輪郭Ceを構成する線分と交差するときには、処理部7は、ステップ108において第3条件に該当しないと判別し、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定し(ステップ110)、次いで上記したステップ111を実行する。続いて、処理部7は、上記したステップ101〜111を実行して、各プローブピン51の先端部を他の一対の被接触点Pcにそれぞれ接触させるときの移動時における各プローブ部5同士の干渉の有無を判定し、全ての被接触点Pcについて各プローブ部5同士の干渉の有無の判定が終了したときには、第2判定処理100を終了する。
この場合、上記した第1条件での干渉の判定、第2条件での干渉の判定、および第3条件での干渉の判定は、この順番で処理効率が高く、この順番の逆順で判定精度が高い。したがって、この第2判定処理100では、第1条件での干渉の判定、第2条件での干渉の判定、および第3条件での干渉の判定をこの順番で行うことで、全体としての処理効率を高めつつ、高い判定精度を維持することが可能となっている。
次いで、処理部7は、第2判定処理100において第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定した被接触点Pcについて、次に説明する第2移動制御を実行することによって各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を満たす中間点Pm(図14参照)を特定する中間点特定処理120(図5参照)を実行する。この場合、処理部7は、プローブ部5b(プローブ部5a,5bのうちのいずれか一方)を、図14に示すように、移動開始点Pibから被接触点Pcbまで一定速度で直線的に移動させると共に移動開始点Pibと被接触点Pcbとを結ぶ線分Pib−Pcb上の中間点Pmまでプローブ部5bが移動した時点でプローブ部5a(プローブ部5a,5bのうちの他方)を移動開始点Piaから被接触点Pcaまで一定速度で直線的に移動させてプローブ部5a,5bを被接触点Pca,Pcbに同時に到着させる制御を第2移動制御として実行する。
この中間点特定処理120では、処理部7は、第2判定処理100において第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定した一対の被接触点Pcの第4位置データD4および第6位置データD6を記憶部6から読み出す(ステップ121)。続いて、処理部7は、第4位置データD4に基づいてプローブ部5aの被接触点Pcaおよびプローブ部5bの被接触点Pcbを特定する。また、処理部7は、第6位置データD6に基づいてプローブ部5aの移動開始点Piaおよびプローブ部5bの移動開始点Pibを特定する(ステップ122)。
次いで、処理部7は、図14に示すように、移動軌跡Lmの終点Pmeを通って図形Feの外周に接する直線L6とプローブ部5bの移動開始点Pibおよび被接触点Pcを結ぶ線分Pib−Pcbとの交点が存在するか否かを判別する(ステップ123)。この際に、処理部7は、同図に示すように、交点が存在すると判別したときには、その交点を中間点Pmとして、その中間点Pmの位置を特定する(ステップ124)。続いて、処理部7は、中間点Pmの位置を示す中間点データD9を生成して(ステップ125)、記憶部6に記憶させる。
一方、上記したステップ123において交点が存在しないと判別したときには、処理部7は、中間点Pmが存在しないことを示す中間点データD9を生成して(ステップ125)、記憶部6に記憶させる。次いで、処理部7は、上記したステップ121〜125を実行して、第2判定処理100において第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定した全ての被接触点Pcについて、中間点Pmの特定または中間点Pmが存在しないことの判別が終了したときには、中間点特定処理120を終了する。
続いて、処理部7は、中間点特定処理120において中間点Pmが存在しないと判別した被接触点Pcについて、次に説明する第3移動制御を実行することによって各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を満たす中継点Pra,Prb(図15参照)を特定する中継点特定処理140(図6参照)を実行する。この場合、処理部7は、各プローブ部5が各移動開始点Piを同時に出発して各プローブ部5の少なくとも一方(図15の例では、各プローブ部5の双方)が移動開始点Pi点と被接触点Pcとを結ぶ線分上以外の位置に設定した中継点Pra,Prbを経由して各被接触点Pcに同時に到着するように各プローブ部5をそれぞれ一定速度で移動させる制御を第3移動制御として実行する。
この中継点特定処理140では、処理部7は、中間点特定処理120において中間点Pmが存在しないと判別した一対の被接触点Pcの第4位置データD4および第6位置データD6を記憶部6から読み出す(ステップ141)。次いで、処理部7は、第4位置データD4に基づいてプローブ部5aの被接触点Pcaおよびプローブ部5bの被接触点Pcbを特定する。また、処理部7は、第6位置データD6に基づいてプローブ部5aの移動開始点Piaおよびプローブ部5bの移動開始点Pibを特定する(ステップ142)。
続いて、処理部7は、図15に示すように、移動軌跡Lmの始点Pmsを通って図形Feの外周に接する直線L7と、移動軌跡Lmの終点Pmeを通って図形Feの外周に接する直線L8との交点Pnの位置を特定する(ステップ143)。次いで、処理部7は、始点Pmsと交点Pnとを結ぶ線分上の中点をプローブ部5bの中継点Prbとして、その中継点Prbの位置を特定する(ステップ144)。この場合、始点Pmsと交点Pnとを結ぶ線分は、図形Feの輪郭Ceとは交差していない。このため、中継点Prbがこの線分上に位置している限り、始点Pmsから中継点Prbにプローブ部5bを移動させる際にプローブ部5bがプローブ部5aに接触することはない。
続いて、処理部7は、交点Pnから中継点Prbまでの距離Sを特定し、交点Pnから中継点Prbに向かう向きと平行な向きに移動開始点Piaから距離Sだけ離間した点を、プローブ部5aの中継点Praとして、その中継点Praの位置を特定する(ステップ145)。
次いで、処理部7は、特定した中継点Pra,Prbの各位置が、移動機構3によってプローブ部5a,5bを移動させることが可能な範囲内(検査エリア:以下、「プローブ部5a,5bの移動可能範囲」ともいう)内であるか否かを判別する(ステップ146)。この際に、処理部7は、中継点Pra,Prbの各位置がプローブ部5a,5bの移動可能範囲内であると判別したときには、中継点Pra,Prbの位置を示す中継点データD10を生成して(ステップ148)、記憶部6に記憶させる。
一方、上記したステップ146において中継点Pra,Prbの各位置がプローブ部5a,5bの移動可能範囲外であると判別したときには、処理部7は、始点Pmsと交点Pnとを結ぶ線分上における上記した中点とは異なる位置に中継点Prbを変更すると共に、中継点Prbの変更に伴う上記した距離Sの変更に応じて中継点Praを変更し(ステップ147)、続いて、ステップ146を再度実行する。この場合、変更後の中継点Pra,Prbの位置がプローブ部5a,5bの移動可能範囲内であると判別したときには、上記したステップ148を実行する。一方、ステップ147を繰り返して実行しても中継点Pra,Prbの各位置がプローブ部5a,5bの移動可能範囲内とならないとき、つまり、プローブ部5a,5bの移動可能範囲内となる中継点Pra,Prbが存在しないときには、中継点Pra,Prbが存在しないことを示す中継点データD10を生成して(ステップ148)、記憶部6に記憶させる。
続いて、処理部7は、上記したステップ141〜148を実行して、中間点特定処理120において中間点Pmが存在しないと判別した他の被接触点Pcについて、中継点Pra,Prbの特定または中継点Pra,Prbが存在しないことの特定を行い、全ての被接触点Pcについての特定が終了したときには、中継点特定処理140を終了する。
なお、上記したステップ147を繰り返して実行してもプローブ部5a,5bの移動可能範囲内となる中継点Pra,Prbが始点Pmsと交点Pnとを結ぶ線分上に存在しないときには、始点Pmsと交点Pnとを結ぶ線分上以外でかつ図形Feを除く領域において、第3移動制御を実行することによって各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を満たし、かつプローブ部5a,5bの移動可能範囲内となる中継点Pra,Prbが存在するか否かを判別し、該当する中継点Pra,Prbが存在するときには、その中継点Pra,Prbの位置を示す中継点データD10を生成する構成および方法を採用することもできる。
次いで、処理部7は、最初に接触させるべき一対の被接触点Pcの第4位置データD4を記憶部6から読み出すと共に、その被接触点Pcについての判定結果データD7を記憶部6から読み出す。この場合、判定結果データD7に示される判定結果が、各プローブ部5同士が干渉しないことを示す判定結果であるときには、処理部7は、その被接触点Pcについての判定結果データD8を記憶部6から読み出す。この場合、判定結果データD8に示される判定結果が、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉しないことを示す判定結果であるときには、処理部7は、移動機構3に対する第1移動制御を実行して、各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51をそれぞれ接触させる。
この場合、この基板検査装置1では、上記した特定処理70によって各被接触点Pcの位置を特定しているため、基板50の変形等によって各被接触点Pcの位置が変化している場合においても、各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51を確実に接触させることが可能となっている。また、この基板検査装置1では、上記したように、第2判定処理100を実行することで、各プローブ部5を移動させる際の各プローブ部5同士の干渉の有無を的確に判定することができ、各プローブ部5同士が干渉しないと判定されたときには、移動開始点Piと被接触点Pcとを直線的に移動させる第1移動制御を実行する。このため、この基板検査装置1では、第1移動制御の実行時にプローブ部5同士が干渉するか否かに拘わらず迂回経路でプローブ部5を移動させる構成および方法と比較して、プローブピンの移動に要する時間を短縮することができるため検査効率を向上させることが可能となっている。
続いて、処理部7は、測定処理を実行する。この測定処理では、処理部7は、各プローブ部5を介して測定用の電気信号(例えば、電流)を各被接触点Pcに供給すると共に、測定用の電気信号の供給に伴って各プローブ部5を介して入力した電気信号(例えば、電圧)に基づいて物理量(例えば、抵抗)を測定する。次いで、処理部7は、測定した物理量に基づいて基板50を検査する。この場合、この基板検査装置1では、上記したように各被接触点Pcに各プローブ部5を確実に接触させることが可能となっているため、物理量の測定、およびその物理量に基づく基板50の検査を正確に行うことが可能となっている。
一方、判定結果データD7に示される判定結果が、各プローブ部5同士が干渉することを示す判定結果であるときには、処理部7は、それらの被接触点Pcに対して各プローブピン51を接触させる処理を中止して、次の一対の被接触点Pcに対する接触を行わせ、測定処理および基板50の検査を行う。このような処理を行うことにより、この基板検査装置1では、各プローブ部5同士の干渉によってプローブ部5が破損する事態を確実に防止することが可能となっている。
また、判定結果データD8に示される判定結果が、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉することを示す判定結果であるときには、処理部7は、その被接触点Pcについての中間点データD9を記憶部6から読み出す。続いて、中間点データD9に示される中間点Pmを用いて移動機構3に対する上記した第2移動制御を実行して各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51をそれぞれ接触させ、測定処理および基板50の検査を行う。このような処理を行うことにより、第1移動制御の実行時には各プローブ部5同士が干渉する被接触点Pcであっても、第2移動制御を実行することで、各プローブ部5同士を干渉させることなく、各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51をそれぞれ接触させることができる。
一方、被接触点Pcについての中間点データD9に示される情報が、中間点Pmが存在しないことを示すものであるときには、処理部7は、その被接触点Pcについての中継点データD10を記憶部6から読み出す。次いで、中継点データD10に示される中継点Prを用いて移動機構3に対する上記した第3移動制御を実行して各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51をそれぞれ接触させ、測定処理および基板50の検査を行う。このような処理を行うことにより、第1移動制御の実行時には各プローブ部5同士が干渉し、かつ第2移動制御の実行が可能な中間点Pmが存在しない被接触点Pcであっても、第3移動制御を実行することで、各プローブ部5同士を干渉させることなく、各被接触点Pcに各プローブ部5の各プローブピン51をそれぞれ接触させることができる。一方、被接触点Pcについての中継点データD10に示される情報が、中継点Prが存在しないことを示すものであるときには、処理部7は、その被接触点Pcに対して各プローブピン51を接触させる処理を中止して、次の一対の被接触点Pcに対する接触を行わせ、測定処理および基板50の検査を行う。
以下、同様にして、処理部7は、他の被接触点Pcに対して各プローブ部5の各プローブピン51を接触させる処理および測定処理を実行して基板50を検査する。
このように、この判定装置、基板検査装置1および判定方法では、プローブ部5bの図形Fbを反転した図形Fcの基準点Pscをプローブ部5aの図形Faの輪郭Caに沿って移動させたときに図形Fcの輪郭Ccによって描かれる図形Fdを幅Wだけを拡大させた図形Feを想定し、第1移動制御を実行する際の他方のプローブ部5に対する一方のプローブ部5の相対的な移動軌跡Lmを想定し、図形Feの基準点Pseが移動開始点Piaに位置しているときの図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係に基づいて第1移動制御の実行時における各プローブ部5同士の干渉の有無を判定する。このため、この判定装置、基板検査装置1および判定方法では、第1移動制御の実行時における各プローブ部5同士の干渉の有無を的確に判定することができ、各プローブ部5同士が干渉しないと判定されたときには、移動開始点Piと被接触点Pcとを直線的に移動させる第1移動制御を実行させることができる。したがって、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、第1移動制御の実行時にプローブ部5同士が干渉するか否かに拘わらず迂回経路でプローブ部5を移動させる構成および方法と比較して、各プローブ部5の移動に要する時間を短縮することができる結果、検査効率を十分に向上させることができる。
また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、図形Feが存在する平面を分割した複数の分割領域Aのいずれに移動軌跡Lmが属しているかに基づいて各プローブ部5同士の干渉の有無を処理部7が判定することにより、図形Feを構成する線と移動軌跡Lmとが交差するか否かに基づいて各プローブ部5同士の干渉の有無を判定する構成および方法と比較して、短時間で判定を行うことができるため、第2判定処理100の効率を十分に向上させることができる。
また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法では、図形Feの輪郭Ceを構成する線と移動軌跡Lmとが交差するか否かに基づいて各プローブ部5同士の干渉の有無を処理部7が判定する。この場合、図形Feの輪郭Ceを構成する線と移動軌跡Lmとが交差したときには、図形Feに移動軌跡Lmの少なくとも一部が属していることとなり、このときには、各プローブ部5同士が干渉することとなる。したがって、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、図形Feが存在する平面を分割した複数の分割領域Aのいずれに移動軌跡Lmが属しているかに基づいて各プローブ部5同士の干渉の有無を判定する方法では判定が困難な場合であっても、干渉の有無を確実に判定することができる。また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、分割領域Aのいずれに移動軌跡Lmが属しているかに基づいて各プローブ部5同士の干渉の有無を判定する方法と組み合わせることで、第2判定処理100の効率を十分に向上させつつ判定精度を十分に向上させることができる。
また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定したときに、第2移動制御を実行することによって各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を満たす中間点Pmを特定する中間点特定処理120を処理部7が実行することにより、第1移動制御ではプローブ部5のプローブピン51を接触させることが困難な被接触点Pcにプローブピン51を確実に接触させることができる。
また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、中間点特定処理120において、移動軌跡Lmの終点Pmeを通って図形Feの外周に接する直線L6とプローブ部5bの移動開始点Pibおよび被接触点Pcbを結ぶ線分Pib−Pcbとの交点を中間点Pmとして特定することにより、第2移動制御において各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を確実に満たす中間点Pmを確実かつ容易に特定することができる。
また、この判定装置、基板検査装置1および判定方法によれば、中間点特定処理120において中間点Pmが存在しないと判別したときに、第3移動制御を実行することによって各プローブ部5同士が干渉しないとの条件を満たす中継点Prを特定する中継点特定処理140を処理部7が実行することにより、第1移動制御および第2移動制御ではプローブ部5のプローブピン51を接触させることが困難な被接触点Pcにプローブピン51を確実に接触させることができる。
なお、判定装置、基板検査装置および判定方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、判定装置を基板検査装置1に組み込んだ(基板検査装置1の記憶部6および処理部7が判定装置として機能する)構成例について上記したが、基板検査装置1から独立した判定装置を構成することもできる。この場合、このような独立した判定装置を用いることで、基板50の設計段階で各被接触点Pcの位置を決定する際に、各被接触点Pcにおける各プローブ部5同士の干渉の有無の判定を行い、各被接触点Pcの位置の妥当性を検討することができる。また、独立した判定装置を用いて、基板50の設計段階で、第1移動制御の実行時における各プローブ部5同士の干渉の有無を判定し、第1移動制御ではプローブ部5同士の干渉する被接触点Pcについては、第2移動制御を行う際の中間点Pmや、第3移動制御を行う際の中継点Prを特定して中間点データD9や中継点データD10を予め作成することもできる。
また、上記例では、図形Fdを拡大させる際の幅Wを、図形Faの基準点Psaから輪郭Caまでの最短距離に相当する幅としたが、幅Wは、これに限定されない。この場合、幅Wは、各図形Fa〜Feの形状や各基準点Psの位置の誤差を吸収するために設けるものであり、幅Wを設けることで、このような誤差があったとしても、各プローブ部5同士が確実に干渉しないときにのみ、干渉しない旨を判定することができる。このため、各図形Fa〜Feの形状や各基準点Psの位置を特定する際の精度に応じて、最適の幅Wを採用することができる。
また、例えば、プローブピン51を1本だけ備えたプローブ部についての図形Feが、図16に示すように先端部が円弧状をなす形状である場合には、第2判定処理100において、第1移動制御の実行時におけるプローブ部5同士の干渉の有無を次のようにして判定することができる。まず、同図に示すように、第2判定処理100における上記したステップ101〜104を実行して移動軌跡Lmを想定し、続いて、上記したステップ105を実行して図形Feを想定する。次いで、上記したステップ106〜108に替えて、図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係が第4条件に該当するか否かを判別する。この場合、同図に示すように、図形Feの基準点Pse(プローブピン51の先端)から移動軌跡Lmまでの最短距離が図形Feにおける円弧部分の半径よりも短く、かつ移動軌跡Lmの始点Pmsおよび終点Pmeをそれぞれ通って移動軌跡Lmに対して垂直な2本の直線L9,L10で区画された帯状の領域A7内に基準点Pseが属しているとの条件を第4条件とする。同図に示す例では、図形Feと移動軌跡Lmとの位置関係が第4条件に該当している。このため、この例では、処理部7は、第1移動制御の実行時に各プローブ部5同士が干渉すると判定する。
また、上記の例では、図7に示すように、プローブピン51の先端部の位置に相当する基準点Psが輪郭C(支持部52の輪郭)の内側に位置するプローブ部5を用いている基板検査装置1に適用しているが、基準点Ps(プローブピン51の先端部)が支持部52の輪郭の外側に位置するプローブ部5を用いる構成に適用することもできる。