JP5151761B2 - プリント配線板用圧延銅箔の製造方法 - Google Patents

プリント配線板用圧延銅箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粗化面と光沢面を有するプリント配線板用圧延銅箔に関するものであり、特に、プリント配線板用圧延銅箔の光沢面の表面上に、ソフトエッチング処理した後の局部的に侵食した凹みの発生を防止し、更に耐加熱変色性と酸溶解性に優れた皮膜を有するプリント配線板用圧延銅箔およびその製造方法に関するものである。
プリント配線板は、一般に銅箔と合成樹脂等の基材とを加熱圧着して張り合わせて銅張積層板を形成し、その後目的とする回路を形成するためにフォトレジストによる回路を印刷した後、不要の銅部をエッチングにより除去して回路を形成することにより作製される。
プリント配線板用銅箔は、基材との接着面となる粗化面と配線の表面になる光沢面を有する。
粗化面においては、基材との接着力を確保するための処理を行い、さらに基材との接着性における耐熱、耐薬品などの接着特性やエッチング特性などを安定化させることについて様々な表面処理が付与されている。
一方、反対側の面である光沢面においては、耐加熱変色性、半田ぬれ性、レジスト密着性、ソフトエッチングの際の溶解性、表面の均一性などが要求されている。
そこで、粗化面側、光沢面側において、それぞれ別の処理法が必要であり検討されている。
特にプリント配線板用圧延銅箔は、電解銅箔よりも優れた屈曲特性を示し、携帯電話の折り曲げ部やスライド部、デジタルカメラ、プリンターなどの可動部、また、HDDやDVD、CDなどのディスク関連機器の可動部の配線材料に広く用いられている。圧延銅箔は、銅張積層板を形成する際の熱履歴により、結晶粒が大きく成長して粒界が少なく、結晶粒が高配向性を示し、これにより屈曲の際に生じるクラックの進展が遅くなり優れた屈曲特性を発現する。
しかしながら、完全な単結晶の状態にはならず局部的に結晶配向性の異なる部分が生じることは否めない。
ここで、プリント配線板用銅箔の光沢面側に要求される特性について更に詳細に記す。
最近プリント配線板には、電子機器の小型、軽量化から、特に薄くて軽くまた折り曲げ性に優れたフレキシブル基板の需要が増えており、基材としては、ポリイミド基材が主に用いられる。リジッド基板用のガラスエポキシ基材と銅箔とを張り合わせる際には温度160〜170℃で1〜2時間加熱圧着されるが、フレキシブル基板用のポリイミド基材に対しては高温の条件で張り合わされ、特に接着剤を介さない2層フレキ(ポリイミドワニスを直接銅箔上へ塗布し、フレキシブル基板とする方法でポリイミド層と銅箔層の2層構造となっているため、2層フレキと呼ぶ)においては、更に高温で張り合わせるため、銅箔の光沢面側特性のうち、耐加熱変色性は極めて重要な特性の一つになっており、耐加熱変色性においてはこれまで200〜250℃で10分程度の処理で酸化されなければ良かったが、先に述べた、特に2層フレキに対しては、300℃で30分の加熱処理でも酸化変色しないような耐加熱変色性が求められている。
また、配線のファイン化にともない、銅箔の薄厚化、配線形成の際のドライフィルムレジストとの密着性確保、めっきの前処理において過酸化水素と硫酸よりなる酸溶液を用いて所望量のソフトエッチング処理がなされる。ソフトエッチングでは、酸溶液での溶解性と表面の均一性が求められる。
酸溶解性に対しては、銅用の酸溶解液を用いて表面処理層の溶解速度が銅と同等の溶解速度を備えることが必要になっている。
また表面の均一性については、特に、圧延銅箔においては、前記した部分的に結晶配向性の異なる部分において、エッチング速度が異なり局部的に侵食した凹み(3μm程度ソフトエッチングした場合、大きさが50〜100μm、深さが1〜2μmの侵食凹み)が生じ、これは配線形成後に部分的な欠陥を招くことになり発生を防止する必要があった。
一般にプリント配線板用銅箔の光沢面側の処理においては、銅箔素材表面の直上に亜鉛めっきして防錆層としてのクロメート処理が施されるが、本構成ではソフトエッチング処理時に局部的に侵食された凹み部が生じ、また200〜250℃で10分程度の耐加熱変色性しか示さない。
そこで、特許文献4に示されるように、銅箔の表面に銅めっき層を形成することで、300℃、30分の耐加熱変色性を有するプリント配線板用銅箔が提案されている。また特許文献3に示されるように銅めっき層を施すことで接着力と屈曲性の良好な銅箔が提案されている。
さらに特許文献1,2に示されるように銅箔の表面をエッチング処理することで光沢面の表面を改善することが提案されている。
特開平7−74464号公報 特開2004−238647号公報 特開2007−19322号公報 特許第3113445号公報
しかしながら、ソフトエッチング処理した後の局部的に侵食した凹みの発生の防止と耐加熱変色性の双方を満足するプリント配線板用銅箔は得られていない。
本発明の目的は、圧延銅箔の光沢面側において、ソフトエッチング処理の際、局部的に侵食された凹みが生じることがなく、また300℃、30分の高温処理でも変色を起こさず更に酸溶液に対する溶解性が良好なプリント配線板用銅箔およびその製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、後の製造工程において表面処理として所望のソフトエッチングを行うことが必須となっているプリント配線板用圧延銅箔の製造方法であって、素材となる圧延銅箔素材の光沢面側に、上記ソフトエッチング時にエッチングされる深さと同等若しくはそれ以上の厚さを有し、かつ、電解めっき浴を用いためっきによって形成される銅めっき層を形成し、粗化面側には粗化めっき層を形成し、次いで光沢面側と粗化面側との両側において、それらの上にニッケルとコバルトからなる合金層、亜鉛層及びクロメート層を順次形成し、上記銅めっき層の厚さが0.1μm以上、7μm以下であり、上記ニッケルとコバルトからなる合金層におけるニッケル付着量を0.5μg/cm 2 以上、2.0μg/cm 2 以下とし、コバルト付着量をニッケル付着量とコバルト付着量の合計に対して40%以上、80%以下の重量比とし、上記亜鉛層の亜鉛付着量を0.5μg/cm 2 以上、2.0μg/cm 2 以下とし、上記クロメート層のクロム付着量を0.3μg/cm 2 以上、1.2μg/cm 2 以下とすることを特徴とするプリント配線板用圧延銅箔の製造方法である。
本発明の製造方法は、上記銅めっき層の厚さが0.3μm以上、7μm以下であるとよい。
ここで、圧延銅箔の表面を均一化する前記ソフトエッチングは、銅めっき層の厚み分もしくは銅めっき層以下の厚み分行うとよい。あるいはソフトエッチングを行った後に銅めっき層の一部が残るように行うとよい。
本発明によれば、圧延銅箔素材表面にソフトエッチングする深さに相当する厚み分(0.1μm以上、7μm以下)の銅めっき層を施し、その上にニッケルとコバルトよりなる合金層、亜鉛層、クロメート層よりなる光沢面を形成することで、ソフトエッチング後の外観において局部的に侵食された凹み部がなく、300℃、30分の高温処理に対して変色しないプリント配線板用銅箔を提供することができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のプリント配線基板用銅箔Aの詳細断面を示したものである。
図1において、10は、圧延銅箔素材で、この一方が光沢面11g、他方が粗化面11rとされる。
光沢面11g側の圧延銅箔素材10には、結晶配向性がランダムである銅めっき層12、ニッケルとコバルトの合金層13、亜鉛層14、クロメート層15が順次形成されて光沢面11gが形成される。また粗化面11r側には、粗化めっき層16、ニッケルとコバルトからなる合金層17、亜鉛層18及びクロメート層19が順次形成されて粗化面11rが形成される。この粗化めっき層16に、合金層17、亜鉛層18及びクロメート層19を形成する際には、それぞれ単独でめっきを行うようにしても、光沢面11g側の合金層13、亜鉛層14、クロメート層15と同時にめっきするようにしてもよい。
更に、粗化面11rには、クロメート層19の上にシランカップリング層20が形成される。
このように本発明は、圧延銅箔素材10の表面にソフトエッチングする深さに相当する厚み分の銅めっき層12を施し、その上にニッケルとコバルトからなる合金層13を形成し、更にその上に亜鉛層14、クロメート層15を順次形成して光沢面11gを形成することで、ソフトエッチング処理の際、局部的に侵食された凹みが生じることがなく、また300℃、30分の高温処理でも変色を起こさず更に酸溶液に対する溶解性が良好なプリント配線板用銅箔Aとすることができる。
本発明に用いられる銅箔としての圧延銅箔素材10は、厚さ、表面の粗さや形態については特に限定するものではない。
圧延銅箔素材10の光沢面11g側に形成する銅めっき層12は電解めっき浴を用いてめっきされ、めっき厚みは銅箔をソフトエッチングする厚みだけ施すが、配線形成においては各製造条件にもよるが、一般に0.1μm以上〜7μm以下程度エッチングする場合が多く、銅めっき層12は、望ましくは0.1μm以上〜7μm以下程度施す。また、配線が形成される銅箔は、厚みの規定があるため、圧延銅箔素材10と銅めっき層12の総厚みが所望の銅箔厚み(18.1μm以上〜25μm以下)となるように構成される。
銅めっき層12は、無光沢、光沢めっきと特に限定はされず、また浴の種類も限定するものではないが、環境面、取り扱い面において一般的な硫酸銅−硫酸浴が推奨される。
銅めっきを行うためのめっき浴組成および処理条件例を次に示す。
硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O):100〜250g/L
硫酸(H2SO4):50〜150g/L
液温:30〜50℃
電流密度Dk:1〜20A/dm2
処理時間:電流密度によりソフトエッチングする量(深さ)の厚み分の処理時間
銅めっき層12を施した後、ニッケルとコバルトの合金層13を形成する。
ニッケルとコバルトの合金層13は、電解めっき浴を用いてニッケル付着量が0.5μg/cm2以上〜2.0μg/cm2以下で、コバルト付着量はニッケル付着量とコバルト付着量の合計に対して40〜80%の重量比でめっきされる。
ニッケル付着量が0.5μg/cm2未満では300℃、30分の高温処理によって変色が生じ、耐熱酸化性が悪化し、2.0μg/cm2を超えると表面色が灰色状になり、半田ぬれ性が悪化するために好ましくない。一方コバルト付着量については、ニッケル付着量とコバルト付着量の合計に対して重量比40%未満では、酸溶解性が悪化し、重量比80%を超える場合においては効果に変化が無く不経済である。
ニッケル−コバルトめっきを行うためのめっき浴組成及び処理条件例を次に示す。
硫酸ニッケル六水和物(NiSO4・6H2O):150〜200g/L
硫酸コバルト七水和物(CoSO4・7H2O):20〜30g/L
クエン酸一水和物(C687・H2O):10〜20g/L
液温:35〜45℃
pH:3.0〜4.0
Dk:0.5〜2.0A/dm2
処理時間:2〜5秒
ニッケル−コバルト合金めっき層13を施した後、亜鉛めっき層13を施す。
亜鉛めっきを行うためのめっき浴組成及び処理条件例を次に示す。
硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O):80〜100g/L
クエン酸三ナトリウム(C65Na37):15〜25g/L
液温:15〜25℃
pH:3.0〜4.0
Dk:0.3〜2.0A/dm2
処理時間:2〜5秒
亜鉛の付着量は0.5μg/cm2以上〜2.0μg/cm2以下であることが望ましい。亜鉛付着量が0.5μg/cm2未満では防錆層としての役割を果たさず、さらにクロム付着量を制御することが困難となり、2.0μg/cm2を超えると、プリント配線板を形成する際にエッチングにより回路面に露出した亜鉛が製造工程中に塩酸や無電解スズめっき液によって溶出しやすくなるためである。
亜鉛めっき層14を施した後、3価のクロメート処理を浸漬により行ってクロメート層15を形成する。
クロメート処理を行うための浴組成及び処理条件例を示す。
硫酸クロム九水和物(Cr(SO43・9H2O):0.05〜0.25g/L
硝酸(HNO3):2〜20g/L
液温:20〜30℃
pH:3.0〜4.0
処理時間:2〜10秒
クロム付着量は0.3μg/cm2以上〜1.2μg/cm2以下の範囲が望ましい。クロム付着量が0.3μg/cm2未満であると防錆能力が不足し、1.2μg/cm2を超えるとクロメート層15が厚く脆弱になり、剥離しやすくなる。
また、粗化面11rは、圧延銅箔素材10の裏面に粗化めっき層16を形成した後、ニッケルとコバルトからなる合金層17、亜鉛層18及びクロメート層19を順次めっきにより形成して粗化面11rを形成する。
この粗化めっき層16は、プリント配線板用銅箔Aと基材とを接着する際に接着性を高めるために形成される。
更に、上述のように粗化面11rには、クロメート層19の上に、シランカップリング剤を塗布し、これを乾燥させてシランカップリング層20を形成する。シランカップリング剤としては、基材にポリイミドを用いる場合、アミノシランなどを用いるとよい。
実施例1
材料には厚さ18μmの圧延銅箔を用いた。圧延銅箔表面を清浄化するために水酸化ナトリウム40g/L、炭酸ナトリウム20g/L、温度40℃のアルカリ溶液で電流密度5A/dm2、処理時間30秒にて陰極電解脱脂した後、硫酸10%、室温の溶液で30秒酸処理による前処理を施した。この銅箔に硫酸銅五水和物200g/L、硫酸100g/L、温度40℃に調整しためっき浴を用いて電流密度10A/dm2で90秒電解処理し銅めっき層を施した。銅めっき付着量は重量法により定量し、3μmであることが確認された。
次いでこの銅箔に硫酸ニッケル六水和物175g/L、硫酸コバルト七水和物25g/L、クエン酸一水和物15g/L、温度40℃、pH3.3に調整しためっき浴(A)を用いて電流密度0.8A/dm2で3秒間電解処理してニッケルとコバルトからなる合金層を施した。
次いでこの銅箔に硫酸亜鉛七水和物95g/L、クエン酸三ナトリウム20g/L、温度25℃、pH3.2に調整しためっき浴を用いて電流密度0.5A/dm2で3秒間電解処理して亜鉛めっき層を施した。
次いでこの銅箔に硫酸クロム九水和物0.2g/L、硝酸10g/L、温度25℃、pH3.7に調整した浴を用いて5秒間浸漬処理して3価クロメート処理を施した。
めっき付着量は、皮膜を酸に溶解した後、誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)により測定を行った。その結果、ニッケル付着量が1.2μg/cm2コバルト付着量が2.2μg/cm2、亜鉛付着量が1.2μg/cm2、クロム付着量が0.8μg/cm2であることが確認された。
実施例2〜8
実施例2〜8では、銅箔素材表面上へ、実施例1と同様に付着厚3.0μmの銅めっきを施し、ニッケルとコバルトの合金層を電流密度と浴組成を調整することでニッケル付着量とコバルト付着量とコバルト重量比を変えて作製した。
実施例9〜14
実施例9〜14では、銅箔素材表面上へ付着厚0.5μm、7.0μm、1.0μm、5.0μm、0.1μm及び0.3μmの銅めっきをそれぞれ施し、ニッケル付着量とコバルト付着量とコバルト重量比を実施例8と同様にして作製した。
比較例1〜6
比較例として銅箔素材表面上の銅めっきを施さない場合(比較例1)、ニッケルとコバルトの合金層においてニッケル付着量が0.5μg/cm2未満の場合(比較例2)、亜鉛めっき付着量が0.5μg/cm2未満、クロメート層のクロム付着量が0.3μg/cm2未満の場合(比較例3)、ニッケルとコバルトの合金層が無い、亜鉛めっきとクロメート処理のみを施した場合(比較例4)、ニッケルとコバルトの合金層にかえてニッケル単体層にした場合(比較例5)、銅箔単体(比較例6)の場合の試料を作製した。
得られた銅箔の光沢面の特性について下記の耐加熱変色性と酸溶解性の項目についてそれぞれ評価した。
(1)ソフトエッチング後の局部的な凹みの発生評価
ソフトエッチング後の局部的な凹みの発生評価は、ソフトエッチング液として過酸化水素と硫酸を主成分とした市販のエッチング液(CPE700、三菱瓦斯化学製)で銅めっき付着厚相当のエッチング処理を行い、処理後の外観をSEMを用いて観察した。
ソフトエッチング後の局部的な凹みを図2(a)、図2(b)に示す。図2(a)は100倍、図2(b)は500倍のSEM外観を示したものであり、3μm相当のエッチング処理を行うと大きさが50〜100μm、深さが1〜2μm程度の侵食凹みの不具合部の有無を観察した。
(2)耐加熱変色性
耐加熱変色性は、恒温槽を用いて300℃、30分加熱処理し、変色の評価は色彩色差計を用いて、L*、a*、b*を測定し(JIS Z 8729)に基づいて(1)式に示す色差(△E*ab)により評価した。
△E*ab=[(△L*2+(△a*2+(△b*21/2 (1)
JIS Z 8729 より△E*ab値により色差が表1のように評価される。
(3)酸溶解性
酸溶解性は銅箔を過酸化水素と硫酸を主成分とした市販のエッチング液(CPE700、三菱瓦斯化学製)で溶解し、溶解前後の重量測定より溶解速度を測定した。銅単体での溶解速度を基準にして評価した。
実施例1〜14、比較例1〜6と各評価を表2に示した。
表2の試験結果より、本発明による実施例1〜14では、ソフトエッチング後の局部的に侵食した凹みむらがなく、耐加熱変色性、酸溶解性がともに良好であることがわかる。
これに対して、圧延銅箔表面に銅めっきを施さない場合(比較例1)は、ソフトエッチング後に局部的に侵食した凹みむらが確認され、ニッケル付着量が0.5μg/cm2未満(比較例2)、亜鉛付着量が0.5μg/cm2未満およびクロム付着量が0.3μg/cm2未満(比較例3)、亜鉛めっきとクロメート処理のみの場合(比較例4)耐加熱変色性が悪く、ニッケル単体層のみでコバルトが含まれない場合(比較例5)酸溶解速度が悪くなっている。
更に実施例1〜14では、銅箔単体である比較例6とほぼ同等の酸溶解速度であることが分かった。
以上の結果より、圧延銅箔素材表面にソフトエッチングする深さに相当する厚み分の銅めっき層を施しその上にニッケルとコバルトよりなる合金層をニッケル付着量が0.5μg/cm2以上〜2.0μg/cm2以下、コバルト付着量がニッケル付着量とコバルト付着量の合計に対して40〜80%の重量比で形成し、その上の亜鉛層の亜鉛付着量が0.5μg/cm2以上〜2.0μg/cm2以下で更にその上のクロメート層のクロム付着量が0.3μg/cm2以上〜1.2μg/cm2以下よりなる銅箔光沢面の構成により、ソフトエッチング後の外観において局部的に侵食された凹み部がなく、300℃、30分の高温処理に対して変色せず、また酸溶解性においてはバリヤー金属として一般に知られるニッケル皮膜よりも優れた酸溶解性を示し、更に銅と同等の良好な酸溶解性が得られプリント配線板用銅箔を提供することができる。
本発明のプリント配線板用銅箔の一実施の形態を示す横断面図である。 ソフトエッチング処理後の局部的な凹みSEM外観図である。
符号の説明
10 圧延銅箔素材
11g 光沢面
11r 粗化面
12 銅めっき層
13 ニッケルとコバルトからなる合金層
14 亜鉛層
15 クロメート層

Claims (2)

  1. 後の製造工程において表面処理として所望のソフトエッチングを行うことが必須となっているプリント配線板用圧延銅箔の製造方法であって、
    素材となる圧延銅箔素材の光沢面側に、上記ソフトエッチング時にエッチングされる深さと同等若しくはそれ以上の厚さを有し、かつ、電解めっき浴を用いためっきによって形成される銅めっき層を形成し、粗化面側には粗化めっき層を形成し、次いで光沢面側と粗化面側との両側において、それらの上にニッケルとコバルトからなる合金層、亜鉛層及びクロメート層を順次形成し、
    上記銅めっき層の厚さが0.1μm以上、7μm以下であり、上記ニッケルとコバルトからなる合金層におけるニッケル付着量を0.5μg/cm 2 以上、2.0μg/cm 2 以下とし、コバルト付着量をニッケル付着量とコバルト付着量の合計に対して40%以上、80%以下の重量比とし、上記亜鉛層の亜鉛付着量を0.5μg/cm 2 以上、2.0μg/cm 2 以下とし、上記クロメート層のクロム付着量を0.3μg/cm 2 以上、1.2μg/cm 2 以下とすることを特徴とするプリント配線板用圧延銅箔の製造方法。
  2. 上記銅めっき層の厚さが0.3μm以上、7μm以下である請求項1に記載のプリント配線板用圧延銅箔の製造方法。
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