JP2004237596A - フレキシブル銅張積層板およびその製造方法 - Google Patents

フレキシブル銅張積層板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔の操作性および応力緩和性能が良好であると共に、フレキシブル銅張積層板の柔軟性および耐折性が良好で、且つ精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板を実現する。
【解決手段】フレキシブル銅張積層板1は、ポリイミド系樹脂層を含むベース層6と、このベース層6の片面に接合された銅箔層2とを備えている。銅箔層2は電解銅箔からなる。この電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力を特定の熱処理の後における電解銅箔の抗張力で除した値が2.5〜3.3の範囲内となるものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフレキシブル基板として利用されるフレキシブル銅張積層板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル銅張積層板は、銅箔層と絶縁樹脂層とを積層して構成されたもので、屈曲性や柔軟性を有している。このフレキシブル銅張積層板は、高密度実装が要求される電子機器におけるフレキシブル基板として広く利用されている。代表的なフレキシブル銅張積層板としては、絶縁樹脂層の材料にポリイミド系樹脂を使用したものがあり、このフレキシブル銅張積層板は、その耐熱性、寸法安定性に優れていることから多く使用されている。
【0003】
このようなフレキシブル銅張積層板は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。また、特許文献1には、次のような両面導体ポリイミド積層板の製造方法が記載されている。この製造方法では、まず、第1の金属箔上にポリイミド前駆体樹脂層を設け、次に、これらを熱処理してポリイミド前駆体樹脂層をポリイミド系樹脂層に変える。次に、加熱加圧下で、ポリイミド系樹脂層における第1の金属箔とは反対側の面に第2の金属箔を積層して、両面導体ポリイミド積層板を製造する。
【0004】
また、特許文献2には、次のようなフレキシブル金属箔積層体の製造方法が記載されている。この製造方法では、まず、熱圧着性ポリイミドフィルムと金属箔とを積層して長尺状の積層体を形成する。次に、150℃以上の温度、好ましくは150℃以上で熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より低い温度で熱アニール処理を行って、熱圧着性ポリイミドフィルムと金属箔とを圧着する。
【0005】
ところで、フレキシブル銅張積層板における銅箔層に用いられる銅箔としては、圧延銅箔と、電解法によって製造される電解銅箔とが知られている。
【0006】
近年、電子機器のメモリ容量の増加に伴い、電子機器では、配線の狭ピッチ化や、高密度実装化が進んでいる。それに伴い、フレキシブル基板として利用されるフレキシブル銅張積層板に対する機械的物性の要求水準もより高くなってきている。また、最近の高密度実装化に伴い、電子機器の筐体内に収納されるフレキシブル銅張積層板では、屈曲部が増えると共に、屈曲部を形成する2つの面のなす角度が小さくなってきている。
【0007】
一般的に、電解銅箔は、圧延銅箔に比べて、より精密なパターニングが可能である。そのため、上述の配線の狭ピッチ化に対応するには、フレキシブル銅張積層板における銅箔層に用いられる銅箔としては電解銅箔が良いと考えられている。
【0008】
特許文献3には、所定の電解液を用いることによって、電解銅箔の精密なパターニングに適した電解銅箔の粗面のロープロファイル化(粗さの低下)を実現でき、且つ常温と高温での伸び率が大きく、抗張力が大きい電解銅箔を製造する技術が記載されている。
【0009】
また、特許文献4には、所定の電解液を用いることによって、常温と高温での伸び率が大きく、圧延銅箔と同等以上の機械的性質を備えた電解銅箔を製造する技術が記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特許第3034838号公報
【特許文献2】
特開2001−270035号公報
【特許文献3】
特開平8−53789号公報
【特許文献4】
特開平6−10181号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、配線の狭ピッチ化に対応するには、フレキシブル銅張積層板における銅箔層に用いられる銅箔としては電解銅箔が良いと考えられる。しかしながら、電解銅箔は、剛直性が高く、抗張力が大きく、延性が低い。そのため、従来、電解銅箔を用いて製造されたフレキシブル銅張積層板は、銅箔の延性疲労によって配線が断線し易く、電気的信頼性が得られないものが多かった。
【0012】
フレキシブル銅張積層板の耐折性を高めるために、抗張力の小さい電解銅箔を用いてフレキシブル銅張積層板を製造することも考えられる。しかしながら、抗張力の小さい銅箔を用いると、フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔のテンションの調整が難しくなる等、銅箔の取り扱いに注意が必要になり、その結果、フレキシブル銅張積層板の生産性が低下する。
【0013】
このような背景から、これまでは、銅箔層における良好な延性とフレキシブル銅張積層板における良好な耐折性が得られ、且つ精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板を製造する方法として、例えば、以下の方法が用いられていた。それは、比較的抗張力が大きい電解銅箔を用いてフレキシブル銅張積層板を製造すると共に、電解銅箔を薄くすることによってフレキシブル銅張積層板全体の柔軟性を高めて、抗張力が大きい電解銅箔を用いることによるフレキシブル銅張積層板の物性の劣化を補うという方法である。しかし、この方法では、フレキシブル銅張積層板の設計が制約を受けるという問題点がある。そのため、電解銅箔の厚みの調整に依らずとも、上記の良好な延性および良好な耐折性が得られ、且つ精密なパターニングを可能にするフレキシブル銅張積層板の開発が望まれている。
【0014】
特許文献3に記載された技術によって製造される電解銅箔や、特許文献4に記載された技術によって製造される電解銅箔は、いずれも抗張力が大きい。このような抗張力が大きい電解銅箔を用いてフレキシブル銅張積層板を製造する場合には、フレキシブル銅張積層板の柔軟性を高めるために、上述のようにフレキシブル銅張積層板の設計が制約を受けるという問題が生じる。また、抗張力が大きい電解銅箔は、柔軟性に乏しいためフレキシブル銅張積層板とした場合に屈曲特性に劣るという問題点がある。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔の操作性および応力緩和性能が良好であると共に、フレキシブル銅張積層板の柔軟性および耐折性が良好で、且つ精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板およびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のフレキシブル銅張積層板は、ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、このベース層の片面または両面に接合された1つまたは2つの銅箔層とを備えている。銅箔層は電解銅箔からなり、この電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力を特定の熱処理の後における電解銅箔の抗張力で除した値が2.5〜3.3の範囲内となるものである。
【0017】
銅箔層として上記の特性を有する電解銅箔を用いることにより、フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔の操作性および応力緩和性能が良好になる。また、銅箔層として上記の特性を有する電解銅箔を用いることにより、柔軟性および耐折性が良好で、且つ精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板を実現することができる。
【0018】
なお、本発明における抗張力とは、引っ張り破断強度と同義であり、具体的には実施の形態中に記載した測定方法によって測定されるものである。また、ポリイミド系樹脂とは、イミド基を有する樹脂の総称であり、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等がある。
【0019】
本発明のフレキシブル銅張積層板は、銅箔層の厚みが3〜35μmの範囲内にあり、ベース層の厚みを銅箔層の厚みで除した値が0.7〜20の範囲内にあるものでもよい。
【0020】
また、本発明のフレキシブル銅張積層板は、ベース層が1以上のポリイミド系樹脂層のみによって構成され、銅箔層に対するエッチング処理の前後におけるフレキシブル銅張積層板の寸法変化率が±0.1%以内であるものでもよい。
【0021】
本発明のフレキシブル銅張積層板の製造方法は、ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、このベース層の片面または両面に接合された1つまたは2つの銅箔層とを備えたフレキシブル銅張積層板を製造する方法であって、
銅箔層となる銅箔の上にポリイミド系樹脂の溶液またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を直接塗布することによって、銅箔の上に樹脂層を形成する工程と、
樹脂層をベース層とするために、銅箔および樹脂層に対して熱処理を施す工程とを備えている。
【0022】
本発明のフレキシブル銅張積層板の製造方法では、銅箔として、以下の特性を有する電解銅箔を用いる。すなわち、この電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力を特定の熱処理の後における電解銅箔の抗張力で除した値が2.5〜3.3の範囲内となるものである。
【0023】
なお、本発明において、上記の特定の熱処理とは、電解銅箔の特性を表わすために想定される熱処理であり、フレキシブル銅張積層板製造工程における、樹脂層をベース層とするために銅箔および樹脂層に対して施される熱処理とは必ずしも一致するものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板およびその製造方法について説明する。本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板は、ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、このベース層の片面または両面に接合された1つまたは2つの銅箔層とを備えたものである。図1は、ベース層の片面に銅箔層が接合された構成のフレキシブル銅張積層板の断面図である。図2は、ベース層の両面にそれぞれ銅箔層が接合された構成のフレキシブル銅張積層板の断面図である。
【0025】
図1に示したフレキシブル銅張積層板1は、互いに反対側を向く2つの面を有するベース層6と、このベース層6の片面(図1における下側の面)に接合された銅箔層2とを備えている。ベース層6は、ポリイミド系樹脂層を含んでいる。なお、図1には、ベース層6が、銅箔層2側から順に配置された3つのポリイミド系樹脂層3,4,5によって構成されている例を示している。しかし、ベース層6は、この構成に限らず、1つまたは2つのポリイミド系樹脂層を有していてもよいし、4つ以上のポリイミド系樹脂層を有していてもよい。また、ベース層6は、ポリイミド系樹脂層以外の層を含んでいてもよい。
【0026】
図2に示したフレキシブル銅張積層板11は、互いに反対側を向く2つの面を有するベース層6と、このベース層6の一方の面(図2における下側の面)に接合された銅箔層2と、ベース層6の他方の面(図2における上側の面)に接合された銅箔層8とを備えている。ベース層6は、ポリイミド系樹脂層を含んでいる。なお、図2には、ベース層6が、銅箔層2側から順に配置された3つのポリイミド系樹脂層3,4,7によって構成されている例を示している。しかし、ベース層6は、この構成に限らず、1つまたは2つのポリイミド系樹脂層を有していてもよいし、4つ以上のポリイミド系樹脂層を有していてもよい。また、ベース層6は、ポリイミド系樹脂層以外の層を含んでいてもよい。
【0027】
次に、本実施の形態における銅箔層2,8として用いられる銅箔について説明する。本実施の形態では、銅箔として電解銅箔を使用する。以下、その理由を説明する。後で説明するように、本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板の製造工程は、銅箔層2,8として用いられる銅箔に対して熱処理を施す工程を含んでいる。圧延銅箔は、熱処理前の抗張力が小さい。そのため、銅箔として圧延銅箔を使用すると、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時における銅箔の操作性が劣る。また、電解銅箔は、圧延銅箔に比べて、より精密なパターニングが可能である。
【0028】
また、本実施の形態では、電解銅箔として、以下の特性を有するものを使用する。この電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、特定の熱処理の前における電解銅箔の抗張力(以下、熱処理前抗張力と言う。)r1の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ熱処理前抗張力r1を特定の熱処理の後における電解銅箔の抗張力(以下、熱処理後抗張力と言う。)r2で除した値(以下、抗張力比と言う。)r1/r2が2.5〜3.3の範囲内となるものである。上記の電解銅箔の特性は、簡単に言うと、電解銅箔の抗張力が、特定の熱処理の前では、大き過ぎることなく、ある程度大きく、特定の熱処理の後には比較的小さくなることを意味している。
【0029】
ここで、電解銅箔として、熱処理前抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあるものを使用する理由について説明する。熱処理前抗張力の値が450MPaに満たないと、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時において、銅箔が変形しやすく、変形の度が過ぎると銅箔が破断する可能性がある。一方、熱処理前抗張力の値が500MPaを超えると、銅箔の剛直性が高過ぎて、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時に銅箔に作用する引っ張り応力が緩和され難くなる。その結果、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時において、銅箔の塑性変形が生じやすくなる。このように、熱処理前抗張力の値が450〜500MPaの範囲から外れると、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時における銅箔の操作性が悪くなる。
【0030】
次に、電解銅箔として、抗張力比が2.5〜3.3の範囲内となるものを使用する理由について説明する。抗張力比が2.5に満たないと、フレキシブル銅張積層板1,11の柔軟性が低くなり、フレキシブル銅張積層板1,11が鋭く折り曲げられた場合や繰り返し折り曲げられた場合に、銅箔が破断しやすくなる。その結果、フレキシブル銅張積層板1,11の電気的信頼性が劣ってしまう。一方、抗張力比が3.3を超えると、銅箔層2,8の強度が小さく、銅箔層2,8が破断しやすくなると共に、銅箔層2,8が柔らか過ぎてしまう。その結果、例えば、銅箔層2,8をパターニングしてフレキシブル基板を製造する際の作業性が低下する。
【0031】
なお、上記の「特定の熱処理」とは、電解銅箔の特性を表わすために想定される熱処理であり、実際のフレキシブル銅張積層板1,11の製造時に銅箔に対して施される熱処理(以下、製造時熱処理と言う。)とは必ずしも一致するものではない。すなわち、製造時熱処理の条件は、320℃の温度で30分間行うという条件に限定されるものではない。好ましい製造時熱処理の条件は、300〜450℃の温度で20〜60分行うというものである。
【0032】
銅箔層2,8の厚み、すなわち、これらに使用される電解銅箔の厚みは、3〜35μmの範囲内にあることが好ましく、特に12〜35μmの範囲内にあることが好ましい。銅箔層2,8の厚みが3μmに満たないと、フレキシブル銅張積層板1,11の製造時に、銅箔のテンションの調整が難しくなる。一方、銅箔層2,8の厚みが35μmを超えると、フレキシブル銅張積層板1,11の屈曲性が劣る。このように、銅箔層2,8の厚みが3〜35μmの範囲から外れることは好ましくない。また、ベース層6の厚みを銅箔層2,8の厚みで除した値は0.7〜20の範囲内にあることが好ましい。
【0033】
また、本実施の形態において、銅箔層2,8に対するエッチング処理の前後におけるフレキシブル銅張積層板1,11の寸法変化率は±0.1%以内であることが好ましい。
【0034】
次に、銅箔層2,8に使用される電解銅箔の面の粗度の好ましい範囲について説明する。以下の説明では、粗度を、十点平均粗さRzと、中心線平均粗さRaとを用いて表わす。電解銅箔は、その製造工程において電解液に接する粗面と、これとは反対側の平滑面とを有する。銅箔層2,8に使用される電解銅箔における平滑面の粗度は、Rz=0.5〜1.5μm、Ra=0.05〜0.25μmの範囲内にあることが好ましい。また、銅箔層2,8に使用される電解銅箔における粗面の粗度は、Rz=0.5〜1.5μm、Ra=0.05〜0.30μmの範囲内にあることが好ましい。各面の粗度が上記の範囲内となる電解銅箔を使用することにより、微細なパターンの配線を形成し得るフレキシブル銅箔積層板1,11を得ることができる。特に、粗面の粗度は、配線形成時におけるパターニングの性能に影響する。そのため、粗面の粗度については、特に、Ra=0.05〜0.27μmの範囲内とすることが好ましい。なお、上記の熱処理前抗張力、抗張力比および厚みの条件を満たした電解銅箔は、例えば、日本電解株式会社製ULPB箔(製品名)として入手することができる。
【0035】
次に、フレキシブル銅箔積層板1,11のベース層6に用いられるポリイミド系樹脂層について説明する。ポリイミド系樹脂は、公知のジアミン成分と酸無水物成分とを溶媒の存在下で重合して製造することができる。
【0036】
使用されるジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2’−メトキシ4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。
【0037】
また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミンおよび酸無水物としては、それぞれ、その1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
溶媒としては、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられる。溶媒も、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
次に、本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板1,11の製造方法について説明する。まず、図1に示したフレキシブル銅張積層板1の製造方法について説明する。このフレキシブル銅張積層板1の製造方法としては、例えば、以下の2つの方法がある。第1の方法は、銅箔層2となる銅箔の上に、ポリイミド系樹脂の溶液またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を塗布して樹脂層を形成し、この樹脂層を硬化させてベース層6を形成する方法である。以下、この方法を塗工法と言う。第2の方法は、1層以上のポリイミド系樹脂層を含み、ベース層6となるフィルムを、銅箔層2となる銅箔の上にラミネートする方法である。以下、この方法をラミネート法と言う。いずれの方法においても、銅箔層2となる銅箔としては、前述の特性を有する電解銅箔を用いる。なお、ポリイミド系樹脂の前駆体樹脂とは、ポリイミド系樹脂の生成前の分子構造の樹脂であって、加熱等によってイミド化してポリイミド系樹脂となるものを言う。ポリイミド系樹脂の前駆体樹脂としては、例えばポリアミック酸がある。
【0040】
以下、塗工法を用いたフレキシブル銅張積層板1の製造方法について詳しく説明する。この製造方法は、銅箔層2となる銅箔の上にポリイミド系樹脂の溶液またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を直接塗布することによって、銅箔の上に樹脂層を形成する工程と、この樹脂層を乾燥、硬化させてベース層6とする工程とを備えている。樹脂層をベース層6とする工程は、銅箔および樹脂層に対して熱処理を施す工程を含んでいる。
【0041】
ポリイミド系樹脂の溶液またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液の塗布は、ナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。
【0042】
樹脂層は、銅箔層2となる銅箔の上に、ポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を直接塗布することによって形成することが好ましい。この場合、樹脂の溶液の粘度を500〜35000cps(×10−3Pa・s)の範囲内とすることが好ましい。
【0043】
ベース層6を複数のポリイミド系樹脂層によって構成する場合には、銅箔の上に複数のポリイミド系樹脂層を積層することによってベース層6を形成することができる。この場合、隣接する2つのポリイミド系樹脂層は、互いに構成成分が異なるものとする。ベース層6を3つ以上のポリイミド系樹脂層によって構成する場合には、隣接しない複数のポリイミド系樹脂層は、構成成分が同じものであってもよい。
【0044】
銅箔の上に複数のポリイミド系樹脂層を積層する方法としては、以下のような方法を用いることができる。すなわち、この方法では、まず、複数のポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を用いて、銅箔の上に複数の樹脂層を形成する。この複数の樹脂層は、多層ダイ等を用いて一括して形成してもよいし、銅箔側から順に形成してもよい。次に、各樹脂層中の溶媒を除去する。次に、各樹脂層に対して熱処理を施すことによって、各樹脂層を構成する前駆体樹脂をイミド化し、複数のポリイミド系樹脂層を形成する。
【0045】
次に、図2に示したフレキシブル銅張積層板11の製造方法について説明する。このフレキシブル銅張積層板11の製造方法としては、例えば、以下の2つの方法がある。第1の方法では、まず、ベース層6の一方の面に銅箔層2が接合されてなる積層体を形成する。この積層体の形成方法は、図1に示したフレキシブル銅張積層板1の製造方法と同様である。次に、上記積層体におけるベース層6の他方の面上に、銅箔層8となる銅箔を配置し、積層体と銅箔とを加熱および加圧して、両者を圧着する。第2の方法では、銅箔層2,8となる2枚の銅箔間に、ベース層6となるフィルムを挟み、これらを加熱および加圧して圧着する。積層体と銅箔との圧着や、2枚の銅箔とフィルムとの圧着は、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続熱ラミネータ等を用いて行うことができる。
【0046】
本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板1,11の製造方法では、フレキシブル銅張積層板1,11の製造工程中で、銅箔層2,8となる銅箔が熱処理を受ける。
【0047】
[実施例]
以下、本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板1,11およびそれらの製造方法の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明中における各種の評価は、特段の記述がない限りは、下記の条件により行ったものである。
【0048】
抗張力は、(株)東洋精機製作所製の万能試験機(STROGRAPH−R1(製品名))を使用して、JIS C5016に準じて測定した。耐折性の評価は、JIS C6471に準じて行った。寸法変化率は、東京プロセスサービス(株)製の二次元測長機を使用して、規格IPC−TM−650 2.2.4(B)に準じて試料の寸法変化を測定し、これに基づいて算出した。
【0049】
[銅箔]
実施例および比較例のフレキシブル銅張積層板の製造にあたり、下記の3種類の銅箔B1,B2,B3を準備した。なお、以下に示す熱処理前抗張力r1の値および熱処理後抗張力r2の値は、それぞれ、320℃の温度で30分間の特定の熱処理の前後において、常温の下で測定して得られた値である。
【0050】
銅箔B1は、厚さ12μmの電解銅箔である。銅箔B1の熱処理前抗張力r1、熱処理後抗張力r2および抗張力比r1/r2は、それぞれ以下の通りである。
r1=486MPa、r2=174MPa、r1/r2=2.79
この銅箔B1は、本実施の形態における電解銅箔の条件を満足している。
【0051】
銅箔B2は、厚さ12μmの電解銅箔である。銅箔B2の熱処理前抗張力r1、熱処理後抗張力r2および抗張力比r1/r2は、それぞれ以下の通りである。
r1=461MPa、r2=412MPa、r1/r2=1.12
この銅箔B2は、抗張力比r1/r2に関して、本実施の形態における電解銅箔の条件を満足していない。
【0052】
銅箔B3は、厚さ12μmの圧延銅箔である。銅箔B3の熱処理前抗張力r1、熱処理後抗張力r2および抗張力比r1/r2は、それぞれ以下の通りである。
r1=373MPa、r2=147MPa、r1/r2=2.54
この銅箔B3は、圧延銅箔であるので、本実施の形態における電解銅箔とは異なる。
【0053】
また、実施例および比較例のフレキシブル銅張積層板の製造にあたり、3種類のポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液a1,a2,a3を、下記の合成例1〜3に従って用意した。
【0054】
[合成例1]
合成例1では、まず、熱電対、攪拌機および窒素を導入可能な反応容器内に、溶媒n−メチルピロリジノンを入れる。次に、この反応容器を、他の容器に入った氷水に浸けた後、反応容器内に無水ピロメリット酸(以下、PMDAと記す。)を投入し、その後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DAPEと記す。)と2’−メトキシ4,4’−ジアミノベンズアニリド(以下、MABAと記す。)を投入した。これらは、モノマーの投入総量が15重量%で、各ジアミンのモル比が、MABA:DAPE=60:40となり、酸無水物とジアミンのモル比が0.98:1.0となるように投入した。その後、反応容器内の溶液の攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲内になった時に、反応容器を氷水から外した。次に、室温のまま3時間攪拌を続けて、粘度が15000cps(×10−3Pa・s)の溶液a1を得た。
【0055】
[合成例2]
合成例2では、まず、熱電対、攪拌機および窒素を導入可能な反応容器内に、溶媒n−メチルピロリジノンを入れる。次に、この反応容器を、他の容器に入った氷水に浸けた後、反応容器内にPMDA/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと記す。)を投入し、その後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DAPEと記す。)を投入した。これらは、モノマーの投入総量が15重量%で、各酸無水物のモル比が、BTDA:PMDA=70:30となり、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるよう投入した。その後、反応容器内の溶液の攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲内となった時に、反応容器を氷水から外した。次に、室温のまま3時間攪拌を続けて、粘度が3200cps(×10−3Pa・s)の溶液a2を得た。
【0056】
[合成例3]
合成例3では、まず、熱電対、攪拌機および窒素を導入可能な反応容器内に、溶媒n−メチルピロリジノンを入れる。次に、この反応容器を、他の容器に入った氷水に浸けた後、反応容器内に3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物(以下、DSDAと記す。)およびPMDAを投入し、その後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、TPE−Rと記す。)を投入した。これらは、モノマーの投入総量が15重量%で、各酸無水物のモル比が、DSDA:PMDA=90:10となり、酸無水物とジアミンのモル比が1.03:1.0となるよう投入した。その後、反応容器内の溶液の攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲内となった時に、反応容器を氷水から外した。次に、室温のまま3時間攪拌を続けて、粘度が3200cps(×10−3Pa・s)の溶液a3を得た。
【0057】
上記の合成例1〜3に従って得られた溶液a1〜a3を使用して、下記の実施例1,2および比較例1〜3のフレキシブル銅張積層板を製造した。
【0058】
[実施例1]
実施例1は、図1に示したフレキシブル銅張積層板1に対応する実施例である。実施例1のフレキシブル銅張積層板1は、以下のようにして製造した。まず、銅箔層2となる銅箔として、熱処理前の電解銅箔B1を準備した。次に、合成例1および合成例2に従って得られた溶液a1,a2を用い、電解銅箔B1上において、溶液a2,a1,a2の順で塗布と乾燥を繰り返して、銅箔層2の上に3層のポリイミド系樹脂層3,4,5が形成された積層体を得た。次に、この積層体に対して、340℃で8時間の熱処理を施して、フレキシブル銅張積層板1を得た。このフレキシブル銅張積層板1において、ポリイミド系樹脂層3,4,5の厚みはそれぞれ3μm、34μm、3μmで、ベース層6の厚みは40μmである。このフレキシブル銅張積層板1において、ベース層6の厚みを銅箔層2の厚みで除した値は3.33である。
【0059】
実施例1のフレキシブル銅張積層板1を用い、導体幅/絶縁部幅=200μm/200μmとなるように銅箔層2をパターニングするエッチング処理を行って、評価用試料を作製した。屈曲半径を3.0mmとしたときの評価用試料の耐折回数は2515回であった。また、実施例1のフレキシブル銅張積層板1の上記エッチング処理の前後における寸法変化率は0.026%であった。
【0060】
[実施例2]
実施例2は、図2に示したフレキシブル銅張積層板11の実施例である。実施例2のフレキシブル銅張積層板11は、以下のようにして製造した。まず、銅箔層2となる銅箔として、熱処理前の電解銅箔B1を準備した。次に、合成例1〜3に従って得られた溶液a1,a2,a3を用い、電解銅箔B1上において、溶液a2,a1,a3の順で塗布と乾燥を繰り返して、銅箔層2の上に3層のポリイミド系樹脂層3,4,7が形成された積層体を得た。次に、この積層体に対して、340℃で8時間の熱処理を施して、ベース層6の一方の面に銅箔層2が接合されてなる積層体を得た。熱処理後の積層体において、ポリイミド系樹脂層3,4,7の厚みはそれぞれ3μm、19μm、3μmで、ベース層6の厚みは25μmである。
【0061】
次に、熱処理後の上記積層体におけるベース層6の他方の面(ポリイミド系樹脂層7の面)上に、銅箔層8となる銅箔として熱処理前の電解銅箔B1を配置し、365〜375℃の温度での熱ラミネート処理によって両者を圧着して、フレキシブル銅張積層板11を得た。このフレキシブル銅張積層板11において、ベース層6の厚みを銅箔層2,8の厚みで除した値は2.08である。
【0062】
実施例2のフレキシブル銅張積層板11を用い、銅箔層2の全体を除去すると共に、導体幅/絶縁部幅=200μm/200μmとなるように銅箔層8をパターニングするエッチング処理を行って、評価用試料を作製した。屈曲半径を3.0mmとしたときの評価用試料の耐折回数は2500回であった。また、実施例2のフレキシブル銅張積層板11の上記エッチング処理の前後における寸法変化率は0.03%であった。
【0063】
実施例1のフレキシブル銅張積層板1および実施例2のフレキシブル銅張積層板11では、共に良好な耐折性が得られている。
【0064】
[比較例1]
比較例1のフレキシブル銅張積層板は、銅箔として、熱処理前の電解銅箔B1の代わりに熱処理前の電解銅箔B2を用いたこと以外は、実施例1と同様である。比較例1のフレキシブル銅張積層板を用いて、実施例1と同様にして評価用試料を作製し、これを評価した。屈曲半径を3.0mmとしたときの評価用試料の耐折回数は724回であった。また、比較例1のフレキシブル銅張積層板のエッチング処理の前後における寸法変化率は0.026%であった。比較例1のフレキシブル銅張積層板は、実施例1に比べて、明らかに耐折性が劣っている。
【0065】
[比較例2]
比較例2のフレキシブル銅張積層板は、銅箔として、熱処理前の電解銅箔B1の代わりに熱処理前の圧延銅箔B3を用いたこと以外は、実施例1と同様である。比較例2のフレキシブル銅張積層板を用いて、実施例1と同様にして評価用試料を作製し、これを評価した。屈曲半径を3.0mmとしたときの評価用試料の耐折回数は2000回であった。また、比較例2のフレキシブル銅張積層板のエッチング処理の前後における寸法変化率は0.05%であった。比較例2のフレキシブル銅張積層板の耐折性はそれほど悪いものではない。しかしながら、圧延銅箔B3の熱処理前抗張力r1が小さいため、比較例2のフレキシブル銅張積層板の生産性は悪いものであった。
【0066】
[比較例3]
比較例3のフレキシブル銅張積層板は、銅箔として、熱処理前の電解銅箔B1の代わりに熱処理前の電解銅箔B2を用いたこと以外は、実施例2と同様である。比較例3のフレキシブル銅張積層板を用いて、実施例2と同様にして評価用試料を作製し、これを評価した。屈曲半径を3.0mmとしたときの評価用試料の耐折回数は1000回であった。また、比較例3のフレキシブル銅張積層板のエッチング処理の前後における寸法変化率は0.035%であった。比較例3のフレキシブル銅張積層板は、実施例2に比べて、明らかに耐折性が劣っている。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態では、銅箔層となる銅箔として、前述の所定の特性を有する電解銅箔を用いて、フレキシブル銅張積層板を製造している。また、本実施の形態において、銅箔層となる銅箔は、フレキシブル銅張積層板の製造工程中において熱処理を受ける。本実施の形態において用いられる電解銅箔は、熱処理の前では、抗張力が、大き過ぎることなく、ある程度大きい。従って、本実施の形態によれば、フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔の操作性および応力緩和性能が良好になる。また、本実施の形態において用いられる電解銅箔は、熱処理の後では、抗張力が比較的小さくなる。従って、本実施の形態によれば、フレキシブル銅張積層板の柔軟性、耐折性が良好になる。また、本実施の形態では、圧延銅箔ではなく電解銅箔を用いるので、精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板を実現することができる。このような本実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板は、携帯電話やモバイル機器等における屈曲部分に配置されるフレキシブル基板として利用するのに適している。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態で示したフレキシブル銅張積層板の製造方法は、一例であり、本発明のフレキシブル銅張積層板の製造方法は、これに限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフレキシブル銅張積層板またはその製造方法によれば、フレキシブル銅張積層板の製造時における銅箔の操作性および応力緩和性能が良好であると共に、フレキシブル銅張積層板の柔軟性および耐折性が良好で、且つ精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板の構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るフレキシブル銅張積層板の構成の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11…フレキシブル銅張積層板、2,8…銅箔層、3,4,5,7…ポリイミド系樹脂層、6…ベース層。

Claims (4)

  1. ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、前記ベース層の片面または両面に接合された1つまたは2つの銅箔層とを備えたフレキシブル銅張積層板であって、
    前記銅箔層は電解銅箔からなり、前記電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、前記特定の熱処理の前における前記電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ前記特定の熱処理の前における前記電解銅箔の抗張力を前記特定の熱処理の後における前記電解銅箔の抗張力で除した値が2.5〜3.3の範囲内となるものであることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
  2. 前記銅箔層の厚みは3〜35μmの範囲内にあり、前記ベース層の厚みを前記銅箔層の厚みで除した値は0.7〜20の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル銅張積層板。
  3. 前記ベース層は1以上のポリイミド系樹脂層のみによって構成されており、前記銅箔層に対するエッチング処理の前後におけるフレキシブル銅張積層板の寸法変化率は±0.1%以内であることを特徴とする請求項1または2記載のフレキシブル銅張積層板。
  4. ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、前記ベース層の片面または両面に接合された1つまたは2つの銅箔層とを備えたフレキシブル銅張積層板を製造する方法であって、
    前記銅箔層となる銅箔の上にポリイミド系樹脂の溶液またはポリイミド系樹脂の前駆体樹脂の溶液を直接塗布することによって、前記銅箔の上に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層を前記ベース層とするために、前記銅箔および樹脂層に対して熱処理を施す工程とを備え、
    前記銅箔として電解銅箔を用いると共に、前記電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の特定の熱処理を行ったとすると、前記特定の熱処理の前における前記電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にあり、且つ前記特定の熱処理の前における前記電解銅箔の抗張力を前記特定の熱処理の後における前記電解銅箔の抗張力で除した値が2.5〜3.3の範囲内となるものであることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法。
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