JP6528572B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンターや複写機などの画像形成装置に関し、特にカラー画像の色ずれ補正や濃度補正などの画像安定化動作を実行する画像形成装置に関する。
例えば、タンデム型のカラー画像形成装置は、中間転写ベルトに沿って感光体ドラムや転写器を中核とする各色用の作像ユニットを配列し、各作像ユニットにおいて感光体ドラムが光源からの光ビームにより露光走査されて潜像が作像され、その潜像がトナーにより現像されてトナー像が形成された後に、これらが中間転写ベルト上に多重転写され、多重転写後の各色トナー像が記録シート上に一括して転写される構成になっている。
このような画像形成装置では、感光体ドラムや現像剤などの経時劣化、装置周辺の温湿度の変動などによりプリント後の再現画像の画質が低下することを防止するため、画像安定化動作を実行するものが多い。
画像安定化動作には、レジスト補正や濃度補正などが含まれる。
レジスト補正とは、各色トナー像の色ずれを防止するために、各色用の作像ユニットにより、例えば中間転写ベルト上においてベルト周回方向に一定間隔をあけた複数の領域のそれぞれに各色のレジストパターンを形成し、各色のレジストパターンの形成位置を光学センサーで検出して、その検出結果に基づき各色の位置ずれ量を求め、求めた位置ずれ量から各色の画像形成位置(書き込み位置)を補正するものである。
濃度補正とは、各色用の作像ユニットにより、例えば各色毎にグラデーションの濃度パターンを中間転写ベルト上に形成し、各濃度パターンの濃度を光学センサーで検出して、その検出結果に基づき各色の再現画像の濃度を補正するものである。
これらの補正制御は、例えばプリント枚数が所定値に達したとき、機内の温湿度の変動量が所定値を超えたときなどの所定の起動条件が満たされたときに実行される。
特開2010−217602号公報
上記の光学センサーは、中間転写ベルトの周面に向かって光を発する発光部と、発光部から発せられた光のうち中間転写ベルト周面上に形成されたレジストパターンや濃度パターンからの反射光または透過光を検出する受光部を備え、検出した反射光または透過光の光量を光電変換することにより、各パターンを検出する構成になっている。
発光部から発せられる光の光量は、例えば発光部の光源の劣化や装置内の埃や浮遊トナーなどの光源への付着などに起因して経時的に変動し易い。発光部の発光量が画像安定化動作を行う度に変動すると、中間転写ベルト上にその変動の前後で同じパターンが形成されたとしても、そのパターンからの反射光または透過光の光量が変動してしまい、中間転写ベルト上の各パターンを精度良く検出できなくなる。
そこで、通常、画像安定化動作の最初に、発光部の発光量を適正値に調整するセンサー調整が行われている。具体的にセンサー調整は、中間転写ベルト周面の裸面領域に発光部からの光を照射して、その反射光または透過光を受光部で検出し、検出された光量が所定範囲内に入るように発光部の発光量を調整することにより行われる。
このセンサー調整の後にレジスト補正と濃度補正を行えば、レジストパターンや濃度パターンの検出精度を向上できるが、センサー調整にはある程度の時間を要するので、画像安定化動作の開始から終了までの全体の画像安定化動作時間が長くかかることになる。
画像安定化動作は、上記のようにプリント枚数が所定値に達したときなどの所定の起動条件が満たされたときに実行される。例えば、プリントジョブ実行中に所定の起動条件が満たされるとジョブが中断され、画像安定化動作の実行後、ジョブが再開されることが生じ得る。このような場合、画像安定化動作時間が長くなるほどジョブの生産性が低下することになるので、画像安定化動作時間は、できるだけ短縮化されることが望ましい。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、センサー調整によるパターン検出精度を向上させつつ全体の画像安定化動作時間の短縮化を図ることができる画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、を備え、前記画像安定化手段は、前記中間転写体周面において、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域よりも下流側に存する第1裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量がレジストパターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段の判断結果が肯定的な場合に、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない、前記第1裸面領域とは別の裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させる第1センサー調整を実行し、否定的な場合には、前記制御手段による前記レジストパターンと濃度パターンの前記中間転写体への形成タイミングを前記肯定的な場合よりも所定時間遅らせることにより、前記第1裸面領域と前記最下流の第1領域との間にさらに別の第2裸面領域を確保し、前記最下流の第1領域に形成されたレジストパターンの前記センサーによる検出開始前までに、前記確保された第2裸面領域の前記センサーによる検出信号に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させる第2センサー調整を行うことを特徴とする。
ここで、前記判断手段は、さらに、前記第1裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量が前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方の検出を可能な範囲内であるか否かを判断し、前記画像安定化手段は、前記発光部の発光量が前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方の検出を可能な範囲内であることが判断された場合には、前記第1センサー調整と前記第2センサー調整の両方の実行を禁止するとしても良い。
また、前記制御手段は、所定の第1条件を満たしたときにのみ前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方を形成させ、前記第1条件とは異なる所定の第2条件を満たしたときには、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面上に前記レジストパターンと同じ各色のレジストパターンを複数の第1領域のそれぞれに形成させ、前記濃度パターンを形成させず、前記判断手段は、前記第2条件を満たしたことにより前記レジストパターンが形成された場合に、前記中間転写体周面において前記複数の第1領域のうち最下流の第1領域よりも下流側に存する第3裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量が前記形成されたレジストパターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断し、前記画像安定化手段は、前記第2条件を満たした場合には、前記レジスト補正と同じ方法のレジスト補正を実行し、前記濃度補正を実行せず、さらに、前記第2条件を満たした場合の前記判断手段の判断結果が否定的であれば、前記第2センサー調整と同じ方法のセンサー調整のみを実行し、前記判断結果が肯定的であれば、前記第1センサー調整と同じ方法のセンサー調整のみを実行するとしても良い。
さらに、前記画像安定化手段は、前記第1裸面領域の前記センサーによる検出の際に、前記発光部に対し、前回のセンサー調整の際に決定された発光量と同じ発光量で発光するように発光量の指示を行うとしても良い。
本発明の別の局面に係る画像形成装置は、作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、を備え、前記画像安定化手段は、さらに、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、前記裸面領域は、前記中間転写体周面において、前記回転方向に隣り合う2つの第1領域の組のそれぞれのうち、いずれか一つの組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域、または、最上流の第1領域と前記第2領域との間に裸面領域が存する場合における当該裸面領域であることを特徴とする
本発明のさらに別の局面に係る画像形成装置は、作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、を備え、前記画像安定化手段は、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、さらに、前記画像安定化手段は、前記センサー調整において、前記中間転写体の裸面領域からの反射光または透過光が目標値に至るまで、前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部に対して発光量を変化させていく指示を行う発光量制御の実行により、前記発光部の発光量を決定し、前記発光量制御の際に、前記中間転写体周面における前記回転方向に隣り合う2つの第1領域の組のそれぞれのうち、いずれか一つの組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域の前記センサーによる検出の終了時点で当該発光量制御が実行途中であれば、当該発光量制御を一旦中断し、前記中間転写体周面において、前記一つの組よりも上流側に位置する別の組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域、または最上流の第1領域と前記第2領域との間に裸面領域が存する場合には当該裸面領域が、前記センサーの検出位置に到達すると、前記発光部に対して、前記中断時点での発光量から発光が再開されるように前記中断していた発光量制御の再開を指示することを特徴とする
本発明のさらに別の局面に係る画像形成装置は、作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、を備え、前記画像安定化手段は、さらに、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、前記制御手段は、前記中間転写体周面において、前記複数の第1領域に含まれる2つの第1領域のうち、下流側の第1領域に形成される各色のレジストパターンと、上流側の第1領域に形成される各色のレジストパターンとを、同じ色同士のものが前記中間転写体の一周を1周期としたときの半周期分、離れた位置に形成されるように、前記中間転写体上に形成させることを特徴とする
上記の構成によれば、中間転写体上にその回転方向に間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれにレジストパターンを形成する構成において、複数の第1領域のうち、例えば最下流の領域とこれの隣の領域との間の、レジストパターンが形成されていない裸面領域を利用してセンサー調整を行うことができる。
これにより、レジスト補正の開始から終了までの間に、レジストパターンの検出動作と並行するようにセンサー調整を行えるので、従来のように最初にセンサー調整を行い、その終了後、レジスト補正と濃度補正を順に実行する構成に比べて、全体の画像安定化動作時間を短縮することができる。
実施の形態1に係るMFPの全体の構成を示す図である。 MFPの制御部の構成を示す図である。 MFPに設けられる検出センサーの構成を示す図である。 安定化要求判定処理の内容を示すフローチャートである。 3つの種類の画像安定化動作のそれぞれについて実行される補正制御の内容を示す図である。 ロング安定化を実行する場合に中間転写ベルトの周面に形成される各種トナーパターンの形成例を示す図である。 レジスト補正領域に形成されたレジストパターンの拡大図である。 (a)は、第2ショート安定化を実行する場合に中間転写ベルトの周面に形成される各種トナーパターンの形成例を示す図であり、(b)は、第3ショート安定化を実行する場合に中間転写ベルトの周面に形成される各種トナーパターンの形成例を示す図である。 画像安定化動作の処理内容を示すフローチャートである。 パターン形成タイミング指示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 レジスト補正(+IDCセンサー調整)処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る画像安定化動作の処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型の多機能複合機(以下、「MFP(Multiple Function Peripheral)という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
[MFPの全体構成]
図1は、MFP1の全体の構成を示す図であり、図2は、MFP1の制御部7の構成を示す図である。図1には、図2に示す制御部7のエンジン制御部30におけるセンサー入力パラメーター10と制御出力パラメーター12の例が模式的に示されている。
図1に示すように、MFP1は、スキャナー部2とプリント部3を備え、原稿画像を読み取ってその画像を記録シートにプリントするコピージョブ、外部端末からLANなどのネットワークを介して送られて来たデータの画像を記録シートにプリントするプリントジョブ、外部のファクシミリ装置とファクシミリ通信を行うFAXジョブ等を実行可能な多機能複合機である。
スキャナー部2は、セットされた原稿の画像を読み取って画像データを得る公知の装置である。プリント部3は、電子写真方式等により画像を形成するものであり、ここでは画像プロセス部4と、給送部5と、定着部6および制御部7を備えている。
画像プロセス部4は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)およびブラック(K)の各再現色のそれぞれに対応する作像ユニット20Y,20M,20C,20Kと、プリントヘッド26と、中間転写ベルト27などを備える。
中間転写ベルト27は、駆動ローラ271と従動ローラ272等に張架されており、矢印B方向に循環駆動される。
作像ユニット20Y〜20Kは、中間転写ベルト27に対向してベルト走行方向上流側から下流側に沿って所定間隔で直列に配置されており、それぞれが装置本体に対して着脱自在であり、新旧の交換が可能になっている。
作像ユニット20Yは、像担持体としての感光体ドラム21と、その周囲に配設された帯電部22と、現像部23と、中間転写ベルト27を挟んで感光体ドラム21と対向する一次転写ローラー24と、クリーナ25などを備えている。この構成は、他の作像ユニット20M〜20Kについて同様であり、同図では符号を省略している。
プリントヘッド26は、再現色用として4個のレーザーダイオード34(図2)と、各レーザーダイオードから出射されるレーザービームを偏向して、作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれの感光体ドラム21の表面を主走査方向に露光走査させるためのポリゴンミラーや走査レンズ等(不図示)を備える。
給送部5は、記録シートSを収容する給紙カセット51,52、給紙カセット51,52内の記録シートSを1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ53,54、繰り出された記録シートSを搬送する搬送ローラ対55、二次転写位置571に記録シートSを送り出すタイミングをとるためのタイミングローラー対56と、二次転写位置571において中間転写ベルト27を挟んで従動ローラ272に圧接される二次転写ローラー57などを備えている。定着部6は、ヒータ(不図示)を備え、所定の定着温度に維持される。
[制御部7の構成]
制御部7は、図2に示すようにエンジン制御部30とプリントコントローラー40とを備えており、両者は相互に信号等のデータのやりとりを行うことができる。エンジン制御部30は、主にプリント部3における画像形成動作を制御するものであり、作像ユニット20Y〜20Kなどを制御して、中間転写ベルト27上に、画像安定化動作に用いられる各種トナーパターン630、640等(図6)を形成させるパターン形成部301と、画像安定化動作を実行する画像安定化制御部302とを備える。
プリントコントローラー40は、スキャナー部2における原稿画像の読取動作を制御する。また、操作パネル8の入力受け付けを行い、さらにPC91〜93などの外部端末との通信およびFAXインターフェース(IF)47を介して外部のファクシミリ装置とファクシミリ通信を行う。
プリントコントローラー40内の記憶部(不図示)には、後述の画像安定化動作の際に形成される各種トナーパターン630、640等(図6)の画像データが格納されている。エンジン制御部30からプリントコントローラー40に対し当該画像データの要求があると、当該データがエンジン制御部30に送られるようになっている。
このような構成において、例えばコピージョブの実行指示を受け付けると、以下の処理が実行される。すなわち、スキャナー部2により原稿画像の読み取りが開始される。読み取られた画像信号は、制御部7のプリントコントローラー40に送られる。プリントコントローラー40は、エンジン制御部30から制御出力パラメータとして送られて来る色ずれ補正量と階調補正テーブルのデータ(図1)を取得する。この制御出力パラメータは、画像安定化動作において形成画像の画質を一定以上とするために求められて予めバックアップメモリ38に格納されたものである。
プリントコントローラー40は、スキャナー部2で読み取られた画像信号を各再現色の画像データに変換してRAM44に展開し、色ずれ補正量などの制御出力パラメータに基づいて必要な補正を行う。なお、プリントジョブやFAX受信ジョブにおいて画像をプリントする場合にも同様にPC91やファクシミリ装置などの外部端末からの画像信号に対し必要な補正を行う。また、ジョブに係る画像データを保存しておくことがユーザーから指示されている場合には、HDD45に画像データを格納させる。
エンジン制御部30は、プリントコントローラー40において補正された画像データを、センサー入力パラメータの1つであるCCD読取データとして受け取り、その画像データに制御出力パラメータとしてのLD光量とガンマ補正データに基づく補正処理を施して、各色毎にレーザーダイオード34の駆動信号を生成する。生成された駆動信号によりプリントヘッド26の各レーザーダイオード34が駆動され、各レーザーダイオード34からレーザービームがそれぞれ出射される。
作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれでは、矢印A方向に回転する感光体ドラム21がクリーナ25により清掃された後、帯電部22により一様に帯電され、帯電された感光体ドラム21の表面がプリントヘッド26からのレーザービームにより露光されて潜像が形成され、形成された潜像が現像部23によってトナーにより現像される。作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれごとに、帯電部22には帯電グリッド高圧電源31(図2)から帯電バイアス出力パラメーターに基づく電圧が供給され、現像部23には現像バイアス高圧電源32(図2)から現像バイアス出力パラメーターに基づく電圧が供給される。
作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれごとに、一次転写ローラー24には転写高圧電源33からの一次転写電圧が印加されており、現像された各色トナー像が一次転写ローラー24の電界の作用により感光体ドラム21から中間転写ベルト27上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト27上の同位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト27上の各色トナー像は、中間転写ベルト27の走行により二次転写位置571に移動する。
中間転写ベルト27上への各色トナー像の移動タイミングに合わせて、給送部5からは、制御部7により選択された給紙カセットから記録シートSがタイミングローラー対56を介して給送されて来ており、その記録シートSは、周回走行される中間転写ベルト27と二次転写ローラー57の間に挟まれて搬送される。
二次転写ローラー57には、転写高圧電源33からの二次転写電圧が印加されており、二次転写位置571において二次転写ローラー57による電界の作用により静電的に中間転写ベルト27上の各色トナー像が一括して記録シートSに二次転写される。
二次転写位置571を通過した記録シートSは、定着部6に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて記録シートSに定着された後、排出ローラー対58により機外に排出される。なお、中間転写ベルト27上の各色トナー像のうち記録シートSに二次転写されずに中間転写ベルト27上に残った残留トナーは、クリーナー28により除去される。
上記では、カラー画像のプリント動作を説明したが、MFP1は、カラーモードだけでなくモノクロモード、例えばブラック色だけの画像のプリントが選択的に可能になっている。モノクロモードの場合には、ブラック色の作像ユニット20Kだけが駆動されてブラック色のトナー像が中間転写ベルト27に一次転写され、そのトナー像が記録シートSに二次転写される動作が実行される。
プリントされた記録シートの累積枚数は、バックアップメモリ38で管理される。具体的には、プリントコントローラー40は、エンジン制御部30に指示して、画像安定化動作の実行後、次の画像安定化動作を実行するまでの間、1枚の記録シートSへのプリントが実行される度にバックアップメモリ38に格納されている現在の累積プリント枚数に「1」をインクリメントして累積プリント枚数を更新させ、次の画像安定化動作の開始時に現在の累積プリント枚数を0にリセットさせる。これにより、前回の画像安定化動作の終了から現在までの間における累積プリント枚数が画像安定化動作を実行すべき所定枚数に達しているか否かを知ることができる。
操作パネル8は、スキャナー部2の前面の操作しやすい位置に設けられている。操作パネル8には、コピー開始を指示するためのコピースタートキー、印字モードを選択するためのキーに加えて、MFP1の状態、例えばジョブ実行可能であることなどを示すメッセージ画面が表示されるタッチパネル式の液晶表示部が備えられている。
また、中間転写ベルト27の周囲であり、作像ユニット20Kよりも中間転写ベルト27のベルト走行方向において下流側かつ二次転写位置571よりも上流側の位置には、中間転写ベルト27の表面と対向するようにしてIDCセンサー35が配設されている。
IDCセンサー35は、2個の検出センサー35a、35b(図6)が主走査方向(ベルト走行方向Bと直交する方向)に1直線上に所定の間隔をおいて配設されてなる。図6は、中間転写ベルト27を図1の矢印D方向から見たときの、中間転写ベルト27と検出センサー35a、35bとの位置関係を示している。
検出センサー35aは、図3に示すように発光ダイオードなどの光源を備える発光部351とフォトダイオードなどの受光素子を備える受光部352とを内蔵した反射型の光学センサーである。エンジン制御部30の画像安定化制御部302は、発光部351に対して、発光量を示す発光デューティー比(Dty)を指示する。発光部351は、エンジン制御部30の画像安定化制御部302から指示された発光デューティー比に応じた発光量の光LtをPWM制御により発する。検出センサー35bについても、検出センサー35aと同様の構成になっており、各検出センサーが個別に検出信号を出力する。
図1に戻り、装置内部であってタイミングローラー対56の付近には、装置内の温湿度を検出するための機内温湿度検出センサー36が配置されている。また、プリントヘッド26から作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれの感光体ドラム21までのレーザービームの光路付近には、PH温度検出センサー37が配置されている。これら各センサーからの信号は、それぞれがセンサー入力パラメーター10の1つとしてエンジン制御部30に送られる。
エンジン制御部30の画像安定化制御部302は、IDCセンサー35からの検出信号を受信して、中間転写ベルト27の周面の裸面上に形成された各種トナーパターンの形成位置、濃度等を検出する。
また、機内温湿度検出センサー36とPH温度検出センサー37からの検出信号に基づいて二次転写位置571付近の機内温湿度およびプリントヘッド26周辺の温度(PH温度)を検出する。そして、エンジン制御部30の画像安定化制御部302は、各センサーの検出結果に基づき、プリントコントローラー40に対して、再現画像の画質のレベルを一定以上に維持するための画像安定化動作の実行を要求するか否かを判定する安定化要求判定処理を実行する。
[安定化要求判定処理]
図4は、安定化要求判定処理の内容を示すフローチャートである。この判定処理は、一定周期毎に不図示のメインルーチンにより読み出されるごとに、エンジン制御部30の画像安定化制御部302により実行される。
画像安定化動作には、ロング安定化、ショート安定化、レジストの3種類が存在し、それぞれは、予め決められた起動条件を満たしたときに選択的に実行される。
同図に示すように、作像ユニット20Y〜20Kのうちいずれかについて新品がプリント部3に装着(新品ユニットに交換)されたか否かを判断する(ステップS1)。この新品ユニットの装着の判断は、例えばユーザーによりその旨の情報が操作パネル8を介して入力されたことを検出することにより行われるが、他の方法であっても良い。
新品ユニットの装着がなされたことを判断すると(ステップS1で「Yes」)、ロング安定化を要求して(ステップS2)、リターンする。ロング安定化動作の詳細については後述する。
新品ユニットの装着がなされていないことを判断すると(ステップS1で「No」)、前回の画像安定化動作から機内の環境変化があったか否かを判断する(ステップS3)。ここで、前回の画像安定化動作とは、過去に実行されたロング安定化、ショート安定化、レジストのうち、最近のものを意味する。
ここでは、前回の画像安定化動作時の機内温湿度と現在の機内温湿度との差分ΔHが温度と湿度のそれぞれについて所定値以上の場合に機内の環境変化があったと判断し、そうでない場合に機内の環境変化がないと判断する。前回の画像安定化動作時の機内温湿度は、前回の画像安定化動作の実行の際にバックアップメモリ38に格納されたものである。
機内の環境変化があったことを判断すると(ステップS3で「Yes」)、ロング安定化を要求して(ステップS4)、リターンする。
機内の環境変化がないことを判断すると(ステップS3で「No」)、前回の画像安定化動作終了から現在までの累積プリント枚数Jが画像安定化動作を実行すべき所定枚数J1に達したか否かを判断する(ステップS5)。前回の画像安定化動作終了からの累積プリント枚数Jは、バックアップメモリ38に格納されている。
累積プリント枚数が所定枚数に達したことを判断すると(ステップS5で「Yes」)、ショート安定化を要求して(ステップS6)、リターンする。ショート安定化動作の詳細については後述する。
累積プリント枚数が所定枚数に達していないことを判断すると(ステップS5で「No」)、前回の画像安定化動作からPH温度変化があったか否かを判断する(ステップS7)。具体的には、前回の画像安定化動作時のPH温度と現在のPH温度との差分が所定値ΔT以上であるか否かを判断する。前回の画像安定化動作時のPH温度は、前回の画像安定化動作の実行のときにバックアップメモリ38に格納されたものである。
PH温度変化があったことを判断すると(ステップS7で「Yes」)、レジストを要求して(ステップS8)、リターンする。レジストの詳細については後述する。
PH温度変化がないことを判断すると(ステップS7で「No」)、画像安定化要求をすることなく(ステップS9)、リターンする。
このようにロング安定化、ショート安定化、レジストのそれぞれは、異なる起動条件、具体的にはロング安定化が第1条件(新品ユニットの交換など)、ショート安定化が第2条件(累積プリント枚数)、レジストが第3条件(PH温度変化)を満たしたときに実行要求される。
プリントコントローラー40は、エンジン制御部30からの画像安定化動作の実行要求を受け付けると、例えば、ジョブ実行中であればそのジョブの中断と要求された画像安定化動作の実行をエンジン制御部30に指示する。エンジン制御部30の画像安定化制御部302は、プリントコントローラー40からの指示に基づき、ジョブ中断や画像安定化動作等を実行する。
[ロング安定化、ショート安定化、レジストの内容]
図5は、3つの種類の画像安定化動作、すなわちロング安定化、ショート安定化、レジストのそれぞれについて実行される補正制御の内容を示す図であり、図6は、ロング安定化を実行する場合に中間転写ベルト27の周面27aの裸面上に形成される各種トナーパターンの形成例を示す図である。画像安定化動作は、画像安定化制御部302により実行され、各種トナーパターンは、パターン形成部301により形成される。
[ロング安定化について]
図5に示すようにロング安定化は、ベース面検出(IDCセンサー調整)、最大付着量調整、LD光量調整、レジスト補正、γ補正をこの順に実行する画像安定化動作である。ここで、ベース面検出(IDCセンサー調整)とは、ベース面検出の結果によってIDCセンサー調整が実行される場合と実行されない場合があることを示している。このことは、ショート安定化とレジストのそれぞれについて同じである。
ベース面検出は、IDCセンサー35の検出センサー35a、35bのそれぞれについて、発光部351から中間転写ベルト27の周面27aのうち、トナーパターンが形成されていない裸面領域に向けて光を照射し、この反射光Lb(図3)を受光部352で検出し、検出された反射光の光量が所定範囲内に入っているか否かを判断する処理である。
具体的には、発光部351に対して、前回の画像安定化動作のときにIDCセンサー調整により決定された発光デューティー比(後述)が指示される。これにより、発光部351は、その指示された発光デューティー比の値に応じた発光量の光を発する。
受光部352は、発光部351から発せられた光のうち、中間転写ベルト27の裸面領域からの反射光の受光量に応じた電圧を検出信号として出力する。
受光部352の出力電圧を検出値Eとしたとき、閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たす場合に、反射光の光量が所定範囲内に入っていることを判断し、この関係を満たしていない場合に、反射光の光量が所定範囲内に入っていないことを判断する。閾値th1、th2は、予め実験などにより装置構成に適した値が決められる。
ベース面検出は、中間転写ベルト27の周回中に、図6に示す中間転写ベルト27上のベース面検出領域(裸面領域)61が検出センサー35a、35bの検出位置(同図の破線の丸印で示す部分)99a、99bを通過する間に実行される。
IDCセンサー調整は、ベース面検出において、検出センサー35a、35bのうち、少なくとも一つについて、検出された反射光の光量が所定範囲内に入っていないと判断された場合に実行される処理である。
IDCセンサー調整は、中間転写ベルト27の周回中に、図6に示す中間転写ベルト27の周面27aのうち、ベース面検出領域61とこれよりも上流側の最大付着量調整領域63との間に存するIDCセンサー調整領域62が検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過している間に実行される。IDCセンサー調整領域62は、ベース面検出領域61と同じ裸面領域である。
具体的には画像安定化制御部302は、IDCセンサー調整領域62が検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過している間に、検出センサー35a、35bのそれぞれごとに、その発光部351からの光の照射を継続させ、その反射光の、受光部352による検出電圧Eを監視し、当該反射光の光量が上記の所定範囲内の目標値になるように、その発光部351に対して発光デューティー比(Dty)の切り換えを指示して、発光部351から発せられる光の光量を変化させる。以下、一方の検出センサーについて説明するが、他方の検出センサーについても同様の処理が実行される。
より具体的には、反射光の光量が上記の目標値になるときの発光部351の検出電圧を目標電圧Fとして予め設定しておく。
そして、画像安定化制御部302は、発光部351に対して、最初にPWM制御の発光デューティー比(Dty)として基準値、例えば16%を指示する。これにより、発光部351からは、発光デューティー比(=16%)に応じた発光量の光が発せられる。このときの受光部352の検出値Eが目標電圧Fに一致していれば、発光部351の発光量を発光デューティー比16%に決める。
画像安定化制御部302は、受光部352の検出値Eが目標電圧Fよりも低い場合、光量ステップ、ここでは発光デューティー比を上げる。より具体的には、受光部352の検出値Eが目標電圧F以上になるまでの間、一定時間ごとに発光デューティー比を1段階ずつ、例えば16%ずつ上げていく。例えば、最初の16%を起点に、32%、48%・・といった具合である。これにより、発光部351の発光量がその1段階に応じた量だけ1段階ずつ増加していく。
画像安定化制御部302は、発光デューティー比を1段階ずつ上げる途中で、受光部352の検出値Eが目標電圧Fに一致した場合には、そのときの発光デューティー比、例えば32%を発光部351の発光量に決める。
画像安定化制御部302は、発光デューティー比を1段階上げることにより、受光部352の検出値Eが目標電圧Fを超えた場合には、一定時間ごとに発光デューティー比を1段階ずつ、例えば8%ずつ下げていく。
例えば、受光部352の検出値Eが目標電圧Fを超えたときの発光デューティー比が48%であれば、40%、32%・・といった具合である。これにより、発光部351の発光量がその1段階に応じた量だけ1段階ずつ低減する。
画像安定化制御部302は、発光デューティー比を1段階ずつ下げる途中で、受光部352の検出値Eが目標電圧Fに一致した場合には、そのときの発光デューティー比、例えば40%を発光部351の発光量に決める。
画像安定化制御部302は、発光デューティー比を1段階下げることにより、受光部352の検出値Eが目標電圧Fを下回った場合には、再度、一定時間ごとに発光デューティー比を1段階ずつ、例えば4%ずつ上げていく。例えば、受光部352の検出値Eが目標電圧Fを下回ったときの発光デューティー比が40%であれば、44%、48%・・といった具合である。これにより、発光部351の発光量がその1段階に応じた量だけ1段階ずつ増加する。
このように発光部351の発光量を1段階ずつ上げることにより受光部352の検出値Eが目標電圧Fを超えると、次に、発光部351の発光量を1段階ずつ下げていき、これにより受光部352の検出値Eが目標電圧Fを下回ると、発光部351の発光量を1段階ずつ上げていくことを繰り返す発光量制御を行う。その際に、発光部351の発光量が上昇から下降に転じたとき、および下降から上昇に転じたときのそれぞれごとに、次の1段階の光量変化幅を前回の半分に落とす、つまり発光デューティー比の増減量を16%、8%、4%、2%、1%に切り換える。この発光量制御をバイナリーソートという。これにより、反射光の光量が上記の目標値に近づいていく。
発光デューティー比の1段階ごとの増減により、発光デューティー比が例えば16%から32%、48%、40%、44%、42%、41%のように順に切り換わり、この41%のときに、反射光の光量が目標値に一致すると、画像安定化制御部302は、その41%を発光部351の発光量に決める。最後の1%の増減が行われた時点で、反射光の光量が目標値に一致していない場合には、その時点での発光デューティー比が発光部351の発光量に決められる。なお、開始時の発光デューティー比の値(16%)、1段階の増減幅(8%や4%など)などは、上記の値に限られることはなく、装置構成に応じて適した値が予め決められる。
上記の発光量制御により発光部351の発光量をPWMの発光デューティー比の値で決めることがIDCセンサー調整になる。IDCセンサー調整により決められた発光デューティー比Dtyの値は、発光部351の制御変数としてバックアップメモリ38に格納され、次の最大付着量調整以降の各調整、各補正時にIDCセンサー35が用いられる際にエンジン制御部30により読み出されて、その値で発光部351が発光するように制御される。バックアップメモリ38に格納された発光デューティー比のデータは、IDCセンサー調整が実行されるごとに更新される。
最大付着量調整は、レーザーダイオード34をその最大の光量で発光させて、中間転写ベルト27上の最大付着量調整領域63に高濃度のパターン630、631(図6)を形成し、形成されたパターン630、631をIDCセンサー35で検出したときの濃度が最大濃度として予め決められた濃度になるように、各作像ユニットごとに、帯電電圧や現像バイアス電圧などの画像形成条件を適正な値に調整するものである。
パターン630は、図6に示すようにK色の高濃度のベタのトナーパッチ63Kが4個、ベルト周回方向Bに沿って間隔をあけて順に並んでなるパターンである。パターン631は、Y、M、C色の高濃度のベタのトナーパッチ63Y、63M、63Cが1つずつベルト周回方向Bに沿って順に並んでなるパターンである。パターン631は、ベルト周回方向Bに沿って4個、並ぶように形成される。
パターン630や631のデータは、プリントコントローラー40内の記憶部から読み出され、読み出されたデータに基づきエンジン制御部30のパターン形成部301は、プリント部3の作像ユニット20Y〜20Kなどを含む画像プロセス部4(作像手段)を制御して、周回走行している中間転写ベルト27上にパターン630や631を各色毎に予め決められた形態(個数や位置など)で形成させる。このことは、以下の別のパターン、レジストパターン、階調パターンなどについても同様である。
中間転写ベルト27の周面27a上に形成された各色のパターン630や631は、中間転写ベルト27の周回走行により、検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する際に同図の破線の検出ライン39a、39b上で検出される。
検出センサー35a、35bの発光部351からの発光量を仮に一定とした場合、パターンの濃度が濃いほど、発光部351からの光の、そのパターンへの吸収量が多くなるので、そのパターンからの反射光の光量が少なくなる。逆に、パターンの濃度が淡くなるほど、発光部351からの光の、そのパターンへの吸収量が少なくなって、そのパターンからの反射光の光量が多くなる。検出センサー35a、35bは、各色のパターン630、631からの反射光の光量の大小に応じた電圧の信号を、その各パターンの濃度を示す検出信号として出力する。このことは、他の種類のパターンについても同様である。
画像安定化制御部302は、検出センサー35a、35bの出力電圧に基づき、各色毎に、検出濃度が目標の最大濃度よりも高い(または低い)場合、最大濃度との差分だけ濃度が下がる(または上がる)ように、帯電電圧や現像バイアス電圧などの値を更新する。
最大付着量調整により調整された帯電電圧などの画像形成条件のデータは、制御変数としてバックアップメモリ38に格納され、次のLD光量調整以降の各調整時、各補正時、画像安定化後のプリント動作時に読み出されて、その条件でパターン形成、プリント動作等が実行されるように制御される。バックアップメモリ38に格納された画像形成条件のデータは、最大付着量調整が実行されるごとに更新される。
なお、中間転写ベルト27上に形成されたパターン630や631は、検出センサー35a、35bによる検出後、中間転写ベルト27の周回走行によりクリーナー28を通過する際にクリーナー28により中間転写ベルト27から除去される。このことは、後述の他のパターンについても同様である。
LD光量調整は、レーザーダイオード34の発光量とドット密度を変化させて、多階調のK色のパターン640(図6)とY〜C色のパターン641(図6)をそれぞれ中間転写ベルト27上のLD光量調整領域64に形成し、形成された各パターン640、641の濃度をIDCセンサー35により検出して、検出された各パターン640、641の濃度がそれぞれ各色の規定の濃度になるように各色毎に1ドットのレーザーダイオード34の発光量を調整するものである。
パターン640は、図6に示すようにK色のベタのトナーパッチ64Kが4個、ベルト周回方向Bに沿って間隔をあけて順に並んでなるパターンである。一方、パターン641は、Y、M、C色のベタのトナーパッチ64Y、64M、64Cが1つずつベルト周回方向Bに沿って順に並んでなるパターンである。パターン641は、ベルト周回方向Bに沿って4個、並ぶように形成される。
LD光量調整により調整されたレーザーダイオード34の発光量のデータは、制御変数としてバックアップメモリ38に格納され、次のレジスト補正以降の各補正時、画像安定化後のプリント動作時に読み出されて、その条件でパターン形成、プリント動作等が実行されるように制御される。バックアップメモリ38に格納された発光量のデータは、LD光量調整が実行されるごとに更新される。
レジスト補正は、中間転写ベルト27の周面27aの裸面上におけるレジスト補正領域65にY〜K色のライン状のレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kを形成し、各レジストパターンの形成位置をIDCセンサー35により検出して、その検出結果から各色の位置ずれ量を検出して、検出された各色の位置ずれ量に基づきY〜K色の主走査方向と副走査方向の画像書き込み開始位置を調整するものである。
図7は、レジスト補正領域65に形成されたレジストパターンの拡大図であり、レジスト補正領域65は、中間転写ベルト27上においてベルト周回方向Bの下流側から上流側に向かってパターン形成領域70a、非パターン形成領域(空白領域)70b、パターン形成領域70a、非パターン形成領域70bに分かれており、レジストパターンは、パターン形成領域(第1領域)70aに形成され、非パターン形成領域70bには形成されないようになっている。
2つのパターン形成領域70aのうち、下流側のパターン形成領域70aには、検出ライン39b上にベルト周回方向Bの下流側から上流側に向かってK色のレジストパターン71K、C色のレジストパターン71C、M色のレジストパターン71M、Y色のレジストパターン71Y、K色のレジストパターン71K、C色のレジストパターン71C・・・Y色のレジストパターン71Y、K色のレジストパターン72K、C色のレジストパターン72C、M色のレジストパターン72M、Y色のレジストパターン72Yがこの順に相互にベルト周回方向Bに沿って相互に間隔をあけて形成されている。
レジストパターン71Y〜71Kのそれぞれは、ベルト周回方向Bに対して直交する方向(主走査方向に相当)に平行なラインパターンになっており、ベルト周回方向Bに平行な方向(副走査方向に相当)における各色の位置ずれ量を検出するために用いられる。
一方、レジストパターン72Y〜72Kのそれぞれは、ベルト周回方向Bに対して45°の角度で傾斜するラインパターンになっており、主走査方向における各色の位置ずれ量を検出するために用いられる。
K色の4本のレジストパターン71Kを、下流側から上流側に向かう順に第1、第2、第3、第4レジストパターン71Kと規定すると、第1レジストパターン71Kと第3レジストパターン71Kの間の距離が作像ユニット20Kの感光体ドラム21の周面の設計上における1周長さの半分(感光体半周分)の大きさDになり、第2レジストパターン71Kと第4レジストパターン71Kの間の距離が感光体半周分Dの大きさになるように予め決められたタイミングで、4本のレジストパターン71Kが作像ユニット20Kにより形成される。
他の色のレジストパターン71Y〜71Cについても同様である。例えば、Y色の4本のレジストパターン71Yを、最下流から最上流の順に第1、第2、第3、第4レジストパターン71Yと規定すると、第1レジストパターン71Yと第3レジストパターン71Yの間の距離が作像ユニット20Yの感光体ドラム21の半周分Dになり、第2レジストパターン71Yと第4レジストパターン71Yの間の距離が感光体半周分Dの大きさになるように予め決められたタイミングで、4本のレジストパターン71Yが作像ユニット20Yにより形成される。なお、作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれの感光体ドラム21の径(1周長さ)は、全て同じになっている。
このように同じ色の2つのレジストパターンを感光体半周分Dの距離をあけて形成するのは、次の理由による。
すなわち、感光体ドラムごとに、その回転軸は、色ずれ発生の防止の点からすれば感光体ドラムの中心に一致していることが理想であるが、実際の製品では公差の範囲内で僅かに偏心しているものがある。回転軸が偏心している場合、感光体ドラムが1周する間(1周期の間)に、感光体ドラム周面上では周方向に速度ムラが生じるが、この速度ムラは、1周期の間に、本来の周速に対して速くなる期間と遅くなる期間が交互に1回ずつ現れる正弦曲線に似たような速度変動になることが多い。
1周期のうちに速度ムラによる速くなる期間と遅くなる期間とが交互に現れる場合、1周期の半分である半周期(=180°)の間隔、つまり感光体半周分Dの間隔が生じるように予め決められた時間間隔で同じ色の2つのレジストパターンを感光体ドラム上に形成すれば、1つ目と2つ目のレジストパターンのうち、一方が本来の周速よりも速くなった部分に形成され、他方が遅くなった部分に形成されるという蓋然性が高くなる。
仮に、1つ目と2つ目のレジストパターンの間隔を感光体半周分Dよりも大幅に短い、例えば1/4周分(=90°)とすれば、2つのレジストパターンの間隔が短いために、2つとも速度の速い部分に形成されたり、一方が速い部分、他方が遅い部分に形成されたりするといった偏りが多くなる。
このようになれば、2つのレジストパターンが感光体ドラム上の1周のうち、どの部分に形成されたかにより、レジスト補正を行う度に、感光体ドラムの速度変動が同じ条件であっても、その速度変動のうち増速または減速の影響だけを受けた2つのレジストパターンの検出結果に基づきレジスト補正が行われたり、速度変動の影響をほとんど受けていない2つのレジストパターンの検出結果に基づきレジスト補正が行われたりして、安定した色ずれ補正を行えなくなる。
これに対して、本実施の形態のように2つのレジストパターンの間隔を感光体半周分Dとすれば、レジスト補正の度に、両方のレジストパターンが速度変動の増速または減速の影響だけを受けるといったことがほとんどなくなる。これにより、本来の周速に対する増速分と減速分との相殺により回転軸の偏心がキャンセルされたような状態で2つのレジストパターンを形成することができ、安定した色ずれ補正を行うことができる。
本実施の形態では、例えばK色について感光体半周分Dだけ離れた2つのレジストパターン71Kを1組として、これを複数組、同図では2組を形成して、それらの検出値の平均をとることにより、色ずれ補正に際し、ドラム回転軸の偏心による影響をできるだけ受けないようにしている。
なお、上記に代えて、同じ色のレジストパターンを多数個、1つの感光体ドラム上に1周に亘って形成することもできるが、このようにすれば、1回の画像安定化動作毎に、レジストパターン形成のために多量のトナーを消費することになる。従って、レジストパターンの形成個数は、トナー消費量をできるだけ抑制しつつ、副走査方向における各色の位置ずれ量をできるだけ正確に検出できるような個数とすることが望ましい。本実施の形態では、1色について4個のレジストパターンを形成する構成をとっている。
一方、レジストパターン72Kは、第2レジストパターン71Kからの距離が感光体1周分(=2×D)の大きさになり、レジストパターン72Cは、第2レジストパターン71Cからの距離が感光体1周分の大きさになり、レジストパターン72Mは、第3レジストパターン71Mからの距離が感光体1周分の大きさになり、レジストパターン72Yは、第3レジストパターン71Yからの距離が感光体1周分の大きさになるように予め決められたタイミングで形成される。
これにより各色毎に感光体ドラム上に、副走査方向の位置ずれ量を検出するためのレジストパターン71Y〜71Kの形成から感光体ドラムの1回転後に、そのレジストパターン71Y〜71Kの形成位置と回転方向に同じ位置に、主走査方向の位置ずれ量を検出するためのレジストパターン72Y〜72Kが形成される。これにより、感光体ドラムの偏心による速度ムラの影響をできるだけ受けない状態で副走査方向と主走査方向のそれぞれの位置ずれ量を検出することができる。
上記では、検出ライン39b上に形成されるレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kを説明したが、検出ライン39a上にも同様のレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kが形成される。
2つのパターン形成領域70aのうち、上流側のパターン形成領域70aにも、下流側のパターン形成領域70aと同様の形状、大きさのレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kが同じ個数、同じ位置関係になるように形成されている。
ここで、下流側のパターン形成領域70aのK色のレジストパターン71Kからベルト周回方向Bに向かって上流側のパターン形成領域70aのK色のレジストパターン71Kまでの距離が中間転写ベルト27の周面の1周長さの半分(転写ベルト半周分)Gの大きさになるように、予め決められたタイミングで形成される。このことは、K色以外のY色〜C色のレジストパターン71Y〜71Cのそれぞれについても同様である。
このように同じ色同士の2つのレジストパターンをベルト周回方向Bに沿って転写ベルト半周分Gだけ離れた位置(中間転写ベルト27の一周を1周期としたときの半周期分だけずれた位置)に形成させるのは、上記の感光体ドラムにおける半周分Dだけ離れた位置に同じ色同士の2つのレジストパターンを形成させることと同じ理由による。
すなわち、中間転写ベルト27についても感光体ドラムと同様に、中間転写ベルト27に生じる周速のムラが総じて、1周期の間に、本来の周速に対して速くなる期間と遅くなる期間が交互に現れるような速度変動が生じる状態になることが多い。このため、同じ色の2つのレジストパターンを転写ベルト半周分Gだけ間隔をあけて形成(半周期分だけずれた位置に形成)させれば、2つのレジストパターンの両方が速度ムラの増速分または減速分だけの影響を受けるといった偏りがほとんどなくなり、安定したレジスト補正を行うことができるからである。
中間転写ベルト27の1周の長さは、1つの感光体ドラムの1周の長さよりもかなり長いので、2つのパターン形成領域70aの間には、レジストパターンが全く形成されない空白(裸面)領域が生じ、この裸面領域が非パターン形成領域70bになる。以下、非パターン形成領域70bを裸面領域70bという場合がある。
本実施の形態のレジスト補正では、1つのパターン形成領域70aに対して1つの裸面領域70bが連続するようにパターン形成処理を施される。これにより、上流側のパターン形成領域70aに連続するようにその上流側に裸面領域70bが設定されている。
中間転写ベルト27の周面27aに形成された各色のレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kのそれぞれは、中間転写ベルト27の周回走行により検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する際に検出される。検出センサー35a、35bは、各レジストパターン(線状パターン)が検出位置99a、99bを通過するときにその線幅の大きさに応じたピーク状の波形の電圧信号を検出信号として出力する。
検出センサー35a、35bによるレジストパターン71Y〜71Kの検出結果に基づき、K色のレジストパターン71Kの形成位置を基準にその他の色のレジストパターン71Y〜71Cの形成位置との副走査方向の距離を求め、求めた距離と色ずれが発生していない状態における本来の距離との差分から副走査方向における位置ずれ量を算出する。具体的には、各領域毎に、第1と第3、第2と第4のパターン間の距離が求まるので、これらの平均値と本来の距離との差分が求められる。
また、レジストパターン72Y〜72Kの検出信号から、各色毎にパターン間の距離を求め、各色の距離の差分を主走査方向における位置ずれ量とする。この副走査方向と主走査方向の位置ずれ量データが画像形成タイミング(画像書き込み位置)の制御変数として、バックアップメモリ38に格納され、画像安定化後のプリント動作時に読み出される。
すなわち、プリント動作時に、読み出した位置ずれ量のデータを用いて、主走査と副走査方向の位置ずれがなくなるように画像データのアドレス変更などを行うことで、作像ユニット20Y〜20Kのそれぞれごとに、対応する色のトナー画像の感光体ドラム21への書き込み位置を画素毎に補正する画像書き込み位置補正を行って、カラー画像形成時に色ずれが生じないように制御する。バックアップメモリ38に格納された位置ずれ量データは、レジスト補正が実行されるごとに更新される。
γ補正は、階調補正の一種であり、各色毎に、複数、例えば256の各階調を表わしてなる所定のグラデーションパターン(入力画像)のデータに基づきそのグラデーションを示す濃度(階調)パターン66K、661(図6)をレーザーダイオード34の発光量およびドット密度を変えることで中間転写ベルト27の周面27aの裸面上におけるγ補正領域66に形成する。
階調パターン66Kは、図6に示すようにK色トナーによるベタの階調パターンであり、2つの階調パターン66Kがベルト周回方向Bに沿って間隔をあけて並ぶように形成される。一方、階調パターン661は、Y、M、C色の各トナーによるベタの階調パターン66Y、66M、66Cが1つずつベルト周回方向Bに沿って順に並んでなるパターンである。階調パターン661は、ベルト周回方向Bに沿って2個、並ぶように形成される。
中間転写ベルト27の周面27a上に形成された各色の階調パターンは、中間転写ベルト27の周回走行により、検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する際に検出される。検出センサー35a、35bは、検出した各色の階調パターンの濃度の濃淡に応じた電圧の信号を検出信号として出力する。
画像安定化制御部302は、検出センサー35a、35bの出力電圧に基づき、各色毎に、入力画像の濃度と実際の出力画像の濃度との対応関係を示すγテーブルを生成する。生成されたγテーブルのデータは、制御変数として、バックアップメモリ38に格納され、画像安定化後のプリント動作時に読み出される。
そして、プリント動作時に、各色毎に、当該色用のγテーブルに基づき入力画像と出力画像の各濃度が一致するようにレーザーダイオード34の光量とドット密度を制御して階調再現性を向上させる。バックアップメモリ38に格納されたγテーブルのデータは、γ補正が実行されるごとに更新される。
このようにロング安定化は、IDCセンサー調整の後に、最大付着量調整、LD光量調整、レジスト補正、γ補正がこの順に実行される画像安定化動作であり、図4のステップS1、S3で示すように、作像ユニットが新品に交換された場合、機内の環境変化があった場合に実行される。
作像ユニットが新品に交換された場合、その新品の作像ユニットによる帯電、露光、現像等の作像プロセスが必ずしも一定以上の画質を確保できるものであるかどうかが判らず、また機内の環境、例えば温湿度の変動は、作像プロセスに影響を与え易く、形成画像の画質低減に繋がり易い。そこで、作像ユニットが新品に交換された場合や機内の環境変化があった場合に、作像プロセスの全ての条件を適正に補正すべく、当該補正のための全ての安定化シーケンス(IDCセンサー調整〜γ補正)を含むロング安定化を実行するようにしたものである。
上記図4のステップS3の判断で用いられる温度と湿度の差分を示す所定値は、当該所定値以上の温湿度変化があると、その影響を受けてレーザーダイオード34による露光量の変動、感光体ドラムの感度変化、光学部材の反り等に起因して色ずれ、濃度や階調再現性の低下等による画質劣化に至ると想定される値であり、予め実験等から求められる。所定値のデータは、ROM等の記憶手段に格納される。
また、ロング安定化では、IDCセンサー調整の後に、最大付着量調整とLD光量調整が実行されるようになっている。これは、IDCセンサー調整がなされていない状態では、最大付着量調整とLD光量調整によるベタのパターン630、640等の濃度をIDCセンサー35で精度良く検出できないからである。
また、ロング安定化では、最大付着量調整とLD光量調整の後にレジスト補正が実行されるようになっている。最大付着量調整とLD光量調整が実行されていない状態で中間転写ベルト27上にレジストパターンを形成した場合、形成されたレジストパターンの濃度が極端に低くなってIDCセンサー35で検出できないといったことが発生するおそれがあり、これを防止するためである。
[ショート安定化について]
図5に戻って、ショート安定化は、ベース面検出、IDCセンサー調整、レジスト補正、γ補正を実行する画像安定化動作であり、ロング安定化に含まれる最大付着量調整とLD光量調整については実行されない。
ショート安定化は、図4のステップS5、S6で示すように累積プリント枚数が所定枚数に達した場合に実行される。累積プリント枚数が所定枚数に達した場合、感光体ドラムの感度特性の変動により階調変化が生じることがあるが、機内環境変動のように全てのプロセス条件(帯電、露光、現像など)を補正するまでもない。従って、ショート安定化では、階調に関係する階調補正と色ずれ防止のためのレジスト補正だけが実行される。
上記図4に示すステップS5の判断で用いられる所定枚数J1は、累積プリント枚数Jが当該所定枚数J1以上になると、感光体ドラムの感度変化に起因して色ずれ、階調再現性の低下等による画質劣化に至ると想定される値であり、予め実験等から求められる。所定枚数J1のデータは、ROM等の記憶手段に格納される。
ショート安定化に含まれるベース面検出〜γ補正のそれぞれの処理内容は、ロング安定化のベース面検出〜γ補正のそれぞれと基本的に同じであり、中間転写ベルト27の周面27aの裸面上に形成される各色のレジストパターンや階調パターンの個数、位置関係なども同じであるが、ショート安定化では、最初に実行されるベース面検出結果(受光部352の検出電圧の値)に基づき、次の第1ショート安定化〜第3ショート安定化のいずれかを選択的に実行する点でロング安定化とは異なっている。
すなわち、まずベース面検出結果からIDCセンサー調整の要否を判断する。この判断は、ベース面検出時に取得された受光部352の検出電圧の値をEとすると、閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしているか否かにより行われる。具体的には、この関係を満たしている場合にIDCセンサー調整が不要と判断し、この関係を満たしていない場合にIDCセンサー調整が必要と判断する。
IDCセンサー調整を必要と判断すると、ベース面検出結果からIDCセンサー35がレジストパターンを検出可能な状態であるか否かを判断する。
ここで、レジストパターンの検出可能状態とは、発光部351の発光量がレジストパターンを一定以上の精度で検出可能と想定される範囲内であることを意味し、レジストパターンの検出不可状態とは、環境変動や経時劣化などにより、発光部351の発光量がレジストパターンを一定以上の精度で検出できない程度まで所期の値から大きく変わっている状態になっていることを意味する。
ここでは、閾値th0<検出値E≦閾値th1の関係を満たしている場合にレジストパターンの検出可能状態であると判断し、検出値E≦閾値th0または閾値th2<検出値Eの関係を満たしている場合にレジストパターンの検出不可状態であると判断する。
IDCセンサー35がレジストパターンの検出不可状態であることを判断すると、ベース面検出の後、IDCセンサー調整、レジスト補正、γ補正をこの順に行う。これによりIDCセンサー調整後のIDCセンサー35を用いて、レジスト補正とγ補正を実行できる。このショート安定化を第1ショート安定化という。
図8(a)は、第1ショート安定化を実行する場合に中間転写ベルト27の周面27aに形成される各種トナーパターンの形成例を示す図である。
図8(a)に示すように、第1ショート安定化では、中間転写ベルト27の周面27a上においてベース面検出領域61、IDCセンサー調整領域62、レジスト補正領域65、γ補正領域66がこの順に設定される。
ベース面検出領域61は、中間転写ベルト27上の基準位置Qaからベルト周回方向Bの上流側に所定距離L1だけ離れた位置Q1までの領域である。IDCセンサー調整領域62は、位置Q1から上流側に所定距離L2だけ離れた位置Q2までの領域である。レジスト補正領域65は、位置Q2から上流側に所定距離L3だけ離れた位置Q3までの領域である。γ補正領域66は、位置Q3から上流側に所定距離L4だけ離れた位置Q4までの領域になっている。各領域の大きさ、各色のレジストパターンと階調パターンのそれぞれの個数、位置関係などは、ロング安定化の場合と同様である。
中間転写ベルト27の周回走行により、中間転写ベルト27上のベース面検出領域61、IDCセンサー調整領域62がこの順にIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー35により中間転写ベルト27の裸面が検出され、この検出結果に基づき、ベース面検出の後、IDCセンサー調整が行われる。
IDCセンサー調整によりIDCセンサー35の発光部351の発光量が適正に調整された後、レジスト補正領域65、γ補正領域66がこの順にIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間に、調整後の発光量で発光するIDCセンサー35により中間転写ベルト27上のレジストパターン、階調パターンが検出される。この検出結果に基づき、レジスト補正、γ補正が行われる。各検出方法については、ロング安定化と同様である。
一方、IDCセンサー調整が必要、かつ、IDCセンサー35がレジストパターンの検出可能状態であることを判断すると、ベース面検出の後、IDCセンサー調整を行わずにレジスト補正を開始し、このレジスト補正の実行中にIDCセンサー調整を並行するように行って、その後に、γ補正を行う。このショート安定化を第2ショート安定化という。
第2ショート安定化を実行する際には、パターン形成部301は、ベース面検出領域61の次に、IDCセンサー調整領域62を介さずにレジスト補正領域65とγ補正領域66が続くように、レジストパターンと階調パターンのそれぞれの書き込み開始タイミングを第1ショート安定化の場合よりも全体的に前倒しさせる。
図8(b)は、第2ショート安定化を実行する場合に中間転写ベルト27の周面27aに形成される各種トナーパターンの形成例を示す図である。
図8(b)に示すように、第2ショート安定化では、中間転写ベルト27の周面27a上においてベース面検出領域61、レジスト補正領域65、γ補正領域66がこの順に設定される。
中間転写ベルト27上の基準位置Qaからベルト周回方向Bの上流側に所定距離L1だけ離れた位置Q1までの領域がベース面検出領域61になり、位置Q1から上流側に所定距離L3だけ離れた位置Q5までの領域がレジスト補正領域65になり、位置Q5から上流側に所定距離L4だけ離れた位置Q6までの領域がγ補正領域66になる。この距離L1、L3、L4は、図8(a)の第1ショート安定化における距離L1、L3、L4と同じ長さである。
図8(b)に示す第2ショート安定化は、図8(a)に示す第1ショート安定化に比べて、IDCセンサー調整領域62が存在しないので、基準位置Qaに対して、IDCセンサー調整領域62の距離L2分だけ、レジスト補正領域65とγ補正領域66が全体的に下流側に位置(シフト)している。
つまり、第2ショート安定化を実行する際には、パターン形成部301は、第1ショート安定化を実行する場合に対して、レジストパターンと階調パターンのそれぞれの書き込み開始タイミングを中間転写ベルト27の周面27aの距離L2に相当するベルト移動時間分Tzだけ早いタイミングに切り換えるパターン形成制御を行う。
このパターン形成制御は、第2ショート安定化を実行する場合におけるレジストパターンと階調(濃度)パターンの、中間転写ベルト27上への形成タイミング(換言すると、各感光体ドラム21への各パターンの書き込み開始タイミング)を基準と考えれば、第1ショート安定化では、その形成タイミングを第2ショート安定化による基準のタイミングよりも所定時間Tz遅らせることにより、図8(a)に示すようにベース面検出領域61(第1裸面領域)と最下流のパターン形成領域70a(第1領域)との間にさらに別の第2裸面領域、つまりIDCセンサー調整領域62を割り込ませて確保する制御ということができる。
図8(b)において中間転写ベルト27の周回走行により、ベース面検出領域61がIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー35により中間転写ベルト27の裸面が検出され、この検出結果に基づきベース面検出が行われる。
続いて、中間転写ベルト27上のレジスト補正領域65内の下流側のパターン形成領域70aに形成された各色のレジストパターンが順番にIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー35により各レジストパターンが検出される。
次に、2つのパターン形成領域70aに間に存する裸面領域70bが検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する間に、IDCセンサー35により中間転写ベルト27の裸面領域が検出される。その裸面領域の検出結果に基づきIDCセンサー調整が行われる。
つまり、中間転写ベルト27上において周回方向に所定間隔をあけた2つのパターン形成領域70aの間に存する裸面領域70bを利用してIDCセンサー調整が実行される。
次に、レジスト補正領域65内の上流側のパターン形成領域70aに形成された各色のレジストパターンが順番にIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー35により各レジストパターンが検出される。2つのパターン形成領域70aに形成された各色のレジストパターンの検出結果に基づきレジスト補正が行われる。
なお、下流側の裸面領域70bが検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する間のIDCセンサー35の検出結果に基づきIDCセンサー調整が終了しなかった場合には、その調整を一旦中断して、もう一つの(上流側の)裸面領域70bが検出センサー35a、35bの検出位置99a、99bを通過する間に、IDCセンサー調整が再開される。
中断時点における発光部351に対するデューティー比の値が一時記憶されており、再開時にはその記憶された値からデューティー比を上記のように1段階ずつ変更することにより発光部351の発光量が調整される。
このように第2ショート安定化では、IDCセンサー調整がIDCセンサー35により中間転写ベルト27上における下流側の裸面領域70bの検出を開始してから、γ補正領域66に形成された階調パターンの検出を開始する前までの間に行われる。階調パターンの検出開始前までに、IDCセンサー調整後の発光量を示す発光デューティ比が発光部351に指示され、発光部351からその指示された発光量による発光が開始される。
レジスト補正とこれに並行して実行されるIDCセンサー調整の終了後、中間転写ベルト27上のγ補正領域66に形成された各色の階調パターンがIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間に、IDCセンサー調整後のIDCセンサー35により検出された各色の階調パターンの検出結果に基づき各色のγ補正を行う。
図8(a)と図8(b)を比較すると、図8(a)に示す第1ショート安定化では、ベース面検出領域61とレジスト補正領域65との間にIDCセンサー調整領域62が介在し、図8(b)に示す第2ショート安定化では、ベース面検出領域61とレジスト補正領域65との間にIDCセンサー調整領域62が介在しない。
これにより、ベース面検出領域61からγ補正領域66までの全領域のベルト周回方向Bの長さが、図8(b)に示す第2ショート安定化の方が図8(a)に示す第1ショート安定化よりもΔL(=L2)だけ短くなる。このΔLだけ短くなった分、第2ショート安定化は、第1ショート安定化に対してベース面検出の開始からγ補正の終了までに要するショート安定化の全体の時間が短くなる。
つまり、ショート安定化の実行開始に際し、IDCセンサー35がレジストパターンを検出可能な状態にあれば、レジスト補正の開始前にIDCセンサー調整が完了している必要はなく、中間転写ベルト27上のレジスト補正領域65内にも、IDCセンサー調整を行う際に用いることが可能な裸面領域70bが存在する。
このことから、第2ショート安定化では、レジスト補正の開始前にIDCセンサー調整を実行せずに、パターン形成領域70aの各レジストパターンをIDCセンサー35で検出した結果に基づきレジスト補正を行い、かつ、裸面領域70bをIDCセンサー35で検出した結果に基づきIDCセンサー調整を行う。
一方、IDCセンサー調整が不要と判断されると、IDCセンサー調整領域62が不要なので、図8(b)に示す第2ショート安定化の場合と同様に、中間転写ベルト27の周面27a上においてベース面検出領域61の次に、レジスト補正領域65とγ補正領域66が設定され、ベース面検出の次にレジスト補正とγ補正がこの順に実行されるが、第2ショート安定化のように裸面領域70bを利用してIDCセンサー調整が実行されない。この画像安定化動作を第3ショート安定化という。第3ショート安定化では、不要なIDCセンサー調整を実行しない分だけ、制御部7のCPUなどの処理負担の軽減を図れる。
なお、上記の図8(b)に示す第2ショート安定化では、中間転写ベルト27上の下流側の裸面領域70bがIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー調整が完了しなかった場合に、その調整を一旦中断して、上流側の裸面領域70bがIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にIDCセンサー調整を再開するとしたが、これに限られない。
レジスト補正の開始からγ補正の開始前までの間にIDCセンサー調整が完了しており、その調整後のIDCセンサー35によりγ補正を実行できれば良い。
例えば、図8(b)に示す2つの裸面領域70bのうち、上流側の裸面領域70bがIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過する間にのみIDCセンサー調整を行うこともできる。
また、下流側の裸面領域70bだけでIDCセンサー調整を完了できた場合には、上流側の裸面領域70bを設定せずに、その分、γ補正領域66の階調パターンの形成開始タイミングを早めて、γ補正の開始を早める構成をとることもできる。
[レジストについて]
図5に戻ってレジストでは、ベース面検出、IDCセンサー調整、レジスト補正を実行する画像安定化動作であり、ロング安定化に対して最大付着量調整とLD光量調整とγ補正については実行されない。
レジストは、図4のステップS7で示すように前回の画像安定化動作からPH温度変化があった場合に実行される。PH温度が変動するとプリントヘッド26内のレンズの反りなどにより各色の画像書き込み位置に変動が生じることがあるが、最大付着量調整、LD光量調整、γ補正する必要まではない。従って、レジストでは、最大付着量調整、LD光量調整、γ補正を除くベース面検出、IDCセンサー調整、色ずれ防止のためのレジスト補正を実行するようにしている。
このため、パターン形成部301は、レジストを実行する場合、図6に示す最大付着量調整領域63、LD光量調整領域64、γ補正領域66を設定せず(これらのパターンを形成せず)、IDCセンサー調整領域62の次にレジスト補正領域65のレジストパターンのみが形成されるように作像ユニット20Y〜20Kなどを制御する。
このレジストでも、ベース面検出結果に基づきIDCセンサー調整の要否を判断している。具体的には、閾値th0<検出値E≦閾値th2の関係を満たしている場合に、IDCセンサー調整が不要と判断し、この関係を満たしていない、すなわち検出値E≦閾値th0または閾値th2<検出値Eの関係を満たす場合に、IDCセンサー調整が必要と判断する。この判断は、ショート安定化の場合と同様である。これにより、IDCセンサー調整が完了後のIDCセンサー35により、中間転写ベルト27上のレジストパターンの検出を開始することができる。
上記図4に示すステップS7の判断で用いられる所定値ΔTは、PH温度変化が当該所定値ΔT以上になると、プリントヘッド26内のレンズの反りなどにより画像書き込み位置の変動が生じると想定される値であり、予め実験等から求められ、ROM等の記憶手段に格納される。
[画像安定化動作の処理内容]
図9は、画像安定化動作の処理内容を示すフローチャートであり、プリントコントローラー40からエンジン制御部30に対してロング安定化、ショート安定化、レジストのいずれかの実行が指示された場合に、エンジン制御部30の画像安定化制御部302により実行される。
同図に示すように、画像安定化制御部302は、IDCセンサー35の発光部351に対して初期発光量を指示する(ステップS10)。この初期発光量の指示は、バックアップメモリ38から、前回の画像安定化動作時のIDCセンサー調整により決定された発光デューティー比Dtyの値を読み出して、その読み出した発光デューティー比Dtyの値を発光部351に出力することにより行われる。発光部351は、画像安定化制御部302から受信した発光デューティー比Dtyの値に応じた発光量の光を発する。
そして、ロング安定化の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS11)。ロング安定化の実行が指示されたことを判断すると(ステップS11で「Yes」)、ベース面検出を行う(ステップS12)。このベース面検出時には、既に上記ステップS10により発光部351から中間転写ベルト27の周面27aに向かって光が発せられた状態になっている。
ベース面検出時にセンサー35により検出された、中間転写ベルト27の周面27aの裸面部分からの反射光の検出値Eが閾値th1よりも大きく、かつ閾値th2以下であるか否かを判断する(ステップS13)。
閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていないことを判断すると(ステップS13で「No」)、IDCセンサー調整を行った後(ステップS14)、最大付着量調整(ステップS15)、LD光量調整(ステップS16)、レジスト補正(ステップS17)、γ補正(ステップS18)を順に実行して、当該画像安定化動作を終了する。
閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていることを判断すると(ステップS13で「Yes」)、ステップS14をスキップして(実行せず)、ステップS15に進む。
ロング安定化ではなく、ショート安定化の実行が指示されたことを判断すると(ステップS11で「No」、S19で「Yes」)、ベース面検出を行う(ステップS20)。このベース面検出は、ステップS12のベース面検出と同じ方法により行われる。
ベース面検出時にセンサー35により検出された検出値Eに基づきパターン形成タイミング指示処理を実行する(ステップS21)。
図10は、パターン形成タイミング指示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、画像安定化制御部302は、閾値th0<検出値E≦閾値th2の関係を満たしているか否かを判断する(ステップS71)。
この関係を満たしていないと判断すると(ステップS71で「No」)、第1ショート安定化の実行のために、図8(a)に示すようにベース面検出領域61、IDCセンサー調整領域62の後にレジスト補正領域65の各色のレジストパターンが中間転写ベルト27上に形成されるように予め決められた基準のレジストパターン書き込み開始タイミングTaをパターン形成部301に指示して(ステップS72)、リターンする。パターン形成部301は、指示された基準のタイミングTaに基づいて各色毎に当該色のトナー像からなるレジストパターンの感光体ドラム21への書き込みを開始する。
一方、上記の関係を満たしていることを判断すると(ステップS71で「Yes」)、第2ショート安定化または第3ショート安定化の実行のために、図8(b)に示すようにベース面検出領域61の後にレジスト補正領域65のレジストパターンが中間転写ベルト27上に形成されるように予め決められた、基準よりも時間Tzだけ早いレジストパターン書き込み開始タイミングTbをパターン形成部301に指示して(ステップS73)、リターンする。パターン形成部301は、指示されたタイミングTbに基づいて各色毎に当該色のレジストパターンの感光体ドラム21への書き込みを開始する。これにより、中間転写ベルト27上における各色のレジストパターンの形成位置が、基準のタイミングTa時の形成位置に比べ、図8に示す距離L2だけ下流側にシフトされ、その分、レジストパターンのIDCセンサー35による検出開始が早まる。
画像安定化制御部302は、この早まった分を見越して、レジストパターンのIDCセンサー35による検出結果を取得して、取得したIDCセンサー35の検出結果に基づきレジスト補正、IDCセンサー調整、γ補正等を行う。
なお、上記では、第1ショート安定化と、第2および第3ショート安定化とでレジストパターンの形成開始タイミングを異ならせることにより、IDCセンサー調整領域62の有無を切り換えるとしたが、これに限られない。ショート安定化においてベース面検出領域61とレジスト補正領域65との間にIDCセンサー調整領域62を介在させる場合と介在させない場合とを切り換え可能であれば良い。
例えば、レジストパターンなどの各トナーパターンと同様に、ベース面検出領域61とIDCセンサー調整領域62についてもその画像データとして、各領域内の全画素の濃度が0になるデータ(非印字を示すデータ)を予め用意しておくこともできる。
具体的には、第1ショート安定化に対して、ベース面検出領域、IDCセンサー調整領域、レジストパターン、階調パターンの各画像データを用意しておき、第1ショート安定化を実行する際には、ベース面検出領域、IDCセンサー調整領域、レジストパターン、階調パターンの各画像データを読み出して、読み出した各画像データに基づき各作像ユニット20Y〜20Kにおいて作像動作を実行する。この作像動作では、中間転写ベルト27上におけるベース面検出領域61とIDCセンサー調整領域62のそれぞれには、パターンが何も形成されず、その全域が非画像領域(空白領域)になる。
同様に、第2と第3ショート安定化に対して、ベース面検出領域、レジストパターン、階調パターンの各画像データを別途、用意しておき、第2または第3ショート安定化を実行する際には、ベース面検出領域、レジストパターン、階調パターンの各画像データを読み出して、読み出した各画像データに基づき各作像ユニット20Y〜20Kにおいて作像動作を実行する。この作像動作では、中間転写ベルト27上におけるベース面検出領域61には、何もパターンが形成されず、その全域が非画像領域(空白領域)になる。
画像安定化制御部302は、第1ショート安定化が実行される場合には、IDCセンサー35による、ベース面検出領域61、IDCセンサー調整領域62、レジスト補正領域65、γ補正領域66の検出結果をこの順に取得して、ベース面検出、IDCセンサー調整、レジスト補正などを実行する。
また、第2ショート安定化が実行される場合には、IDCセンサー35による、ベース面検出領域61、レジスト補正領域65、γ補正領域66の検出結果をこの順に取得して、ベース面検出、レジスト補正(+IDCセンサー調整)などを実行する。
図9に戻って、ステップS22では、閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしているか否かを判断する。
閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていないことを判断すると(ステップS22で「No」)、閾値th0<検出値E≦閾値th1の関係を満たしているか否かを判断する(ステップS23)。
閾値th0<検出値E≦閾値th1の関係を満たしていることを判断すると(ステップS23で「Yes」)、IDCセンサー35の発光部351の発光量がレジストパターンを検出可能かつ階調(濃度)パターンを検出不可な範囲内にあるとして、レジスト補正(+IDCセンサー調整)を実行後(ステップS27)、γ補正を実行して(ステップS26)、当該画像安定化動作を終了する(第2ショート安定化)。
図11は、レジスト補正(+IDCセンサー調整)処理のサブルーチンの内容を示す図である。
同図に示すように中間転写ベルト27上における下流側のパターン形成領域70aに形成されたレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kの、IDCセンサー35による検出結果を取得して記憶する(ステップS81)。
ここでは、下流側のパターン形成領域70aの最下流端である位置Q1(図8(b))を基準に、位置Q1がIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過してからパターン形成領域70aの最上流端である位置Q11(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに至るまでの間におけるIDCセンサー35の出力信号(電圧)を取得する。
位置Q1からベルト周回方向Bの反対方向に位置Q11までの距離(所定値)を中間転写ベルト27の周速Va(一定値:設計値)で除して得られる時間をt1とすると、IDCセンサー35による位置Q1の検出から時間t1が経過した時点を、位置Q11がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点とすることができる。
なお、基準の位置Q1がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達したことの検出は、例えば、レジストパターンの感光体ドラムへの書き込み開始タイミングから当該基準の位置Q1がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達するまでの時間を予め実験などにより決めておき、その書き込み開始タイミングからその決められた時間が経過したことをタイマー(不図示)で計時することなどにより行うことができる。
続いて、中間転写ベルト27上における下流側の裸面領域70bのIDCセンサー35による検出結果(裸面領域70bからの反射光の光量の検出結果)を取得してその検出結果に基づきIDCセンサー調整を実行する(ステップS82)。
IDCセンサー調整は、上記のように発光部351に対して、発光デューティー比Dtyを基準の16%から段階的に増減、例えば16%、32%、48%、40%・・のように切り換えるように指示することにより行われる。
発光デューティー比Dtyの段階的な切り換え途中で、裸面領域70bからの反射光の光量が目標値に達すると、その時点の発光デューティー比Dtyの値が発光部351の制御変数としてバックアップメモリ38に格納される。これにより、IDCセンサー調整は終了する。そして、次のγ補正時にIDCセンサー35が用いられる際にその発光デューティー比Dtyの値が読み出されて、読み出された発光デューティー比Dtyの値で発光部351の発光が行われる。
下流側の裸面領域70bのIDCセンサー35による検出結果の取得は、その裸面領域70bの最下流端である位置Q11(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過してからその裸面領域70bの最上流端である位置Q12(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに至るまでの間におけるIDCセンサー35の出力信号(電圧)を取得することにより行われる。
位置Q11からベルト周回方向Bの反対方向に向かって位置Q12までの距離(所定値)を中間転写ベルト27の周速Vaで除して得られる時間をt2とすると、IDCセンサー35による基準の位置Q1の検出から時間(t1+t2)が経過した時点を、位置Q12がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点、すなわち下流側の裸面領域70bの検出終了と判断することができる。
従って、IDCセンサー35による位置Q1の検出からの経過時間がt1に達してから時間(t1+t2)が経過するまでの間にIDCセンサー35から出力された信号を中間転写ベルト27上の上流側の裸面領域70bの、IDCセンサー35による検出結果とすることができる。
下流側の裸面領域70bのIDCセンサー35による検出の終了を判断すると(ステップS83で「Yes」)、その時点でIDCセンサー調整が終了しているか否かを判断する(ステップS84)。
下流側の裸面領域70bの検出終了時点で、下流側の裸面領域70bからの反射光の光量が目標値に達していない場合、つまり発光デューティー比Dtyの段階的な切り換えの途中である場合には、IDCセンサー調整が終了していないと判断される。
IDCセンサー調整が終了していることを判断すると(ステップS84で「Yes」)、ステップS87に進む。一方、IDCセンサー調整が終了していないことを判断すると(ステップS84で「No」)、IDCセンサー調整を中断して(ステップS85)、その中断時点における発光デューティー比Dtyの値を記憶して(ステップS86)、ステップS87に進む。具体的には、例えば発光デューティー比Dtyが16%から32%を経て48%まで切り換えられた時点でIDCセンサー調整が中断された場合、その中断時における発光デューティー比Dtyの値(=48%)が記憶される。
ステップS87では、中間転写ベルト27上における上流側のパターン形成領域70aに形成されたレジストパターン71Y〜71K、72Y〜72Kの、IDCセンサー35による検出結果を取得する。
このレジストパターンの検出時には、IDCセンサー調整が終了していても終了していなくても、発光部351の発光量は、最初のベース面検出時における発光量と同じになるように制御される。中間転写ベルト27上における上流側と下流側の各パターン形成領域70aに形成されたレジストパターンを発光部351の発光量に関して同じ条件で検出するためである。
ステップS87におけるIDCセンサー35の検出結果の取得は、上流側のパターン形成領域70aの最下流端である位置Q12(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過してからパターン形成領域70aの最上流端である位置Q13(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達するまでの間におけるIDCセンサー35の出力信号(電圧)を取得することにより行われる。
位置Q12からベルト周回方向Bの反対方向に位置Q13までの距離(所定値)を中間転写ベルト27の周速Vaで除して得られる時間をt3とすると、IDCセンサー35による位置Q1の検出から時間(t1+t2)が経過した時点を、位置Q12がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点、IDCセンサー35による位置Q1の検出から時間(t1+t2+t3)が経過した時点を、位置Q13がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点とすることができる。
従って、IDCセンサー35による位置Q1の検出からの経過時間が(t1+t2)に達してから時間(t1+t2+t3)が経過するまでの間にIDCセンサー35から出力された信号を中間転写ベルト27上の上流側のパターン形成領域70aに形成されたレジストパターンの、IDCセンサー35による検出結果とすることができる。
ステップS88では、ステップS81で記憶された下流側のパターン形成領域70aのレジストパターンの、IDCセンサー35による検出結果と、ステップS87で取得された上流側のパターン形成領域70aのレジストパターンの、IDCセンサー35による検出結果とに基づき、上記のように各色トナー像の主走査方向と副走査方向の位置ずれ量を算出して、算出された位置ずれ量のデータを画像書き込み位置の制御変数としてバックアップメモリ38に記憶させる。これにより、レジスト補正が終了する。
次のステップS89では、IDCセンサー調整がステップS85により中断された状態になっているか否かを判断する。IDCセンサー調整が中断された状態になっていないことを判断すると(ステップS89で「No」)、リターンする。
一方、IDCセンサー調整が中断された状態になっていることを判断すると(ステップS89で「Yes」)、発光部351に対する発光デューティー比DtyをステップS86で記憶された発光デューティー比Dtyの値に切り換えて、その切り換えた発光デューティー比Dtyの値で発光部351を発光させて、中間転写ベルト27上における上流側の裸面領域70bの、IDCセンサー35による検出結果の取得を開始し、取得したIDCセンサー35の検出結果に基づき、中断されていたIDCセンサー調整を再開する(ステップS90)。
このIDCセンサー調整の再開の開始は、発光部351に対して、中断時に記憶された発光デューティー比Dtyの値が例えば48%であった場合、発光デューティー比Dtyを48%から40%・・のように段階的に切り換える指示を再開することにより行われる。これにより、発光部351の発光量がその指示された発光デューティー比に応じた発光量に切り換えられ、裸面領域70bからの反射光が目標値に近づいていく。
中間転写ベルト27上における上流側の裸面領域70bの、IDCセンサー35による検出結果の取得は、その裸面領域70bの最下流端である位置Q13(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bを通過してからその裸面領域70bの最上流端である位置Q5(図8(b))がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達するまでの間におけるIDCセンサー35の出力信号(電圧)を取得することにより行われる。
位置Q13からベルト周回方向Bの反対方向に向かって位置Q14までの距離(所定値)を中間転写ベルト27の周速Vaで除して得られる時間をt4とすると、IDCセンサー35による基準の位置Q1の検出から時間(t1+t2+t3)経過時を、位置Q13がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点、時間(t1+t2+t3+t4)経過時を、位置Q14がIDCセンサー35の検出位置99a、99bに到達した時点と判断することができる。
従って、IDCセンサー35による位置Q1の検出からの経過時間が(t1+t2+t3)に達してから時間(t1+t2+t3+t4)が経過するまでの間にIDCセンサー35から出力された信号を中間転写ベルト27上の上流側の裸面領域70bの検出結果とすることができる。
中間転写ベルト27上における上流側の裸面領域70bの、IDCセンサー35による検出が終了したことを判断すると(ステップS91で「Yes」)、IDCセンサー調整を終了して(ステップS92)、リターンする。なお、上流側の裸面領域70bのIDCセンサー35による検出が終了した時点で、発光デューティー比の切り換えによる発光部351からの発光量の調整が未だ継続している場合には、その終了時点の発光デューティー比が発光部351の制御変数としてバックアップメモリ38に格納される。
図9に戻って、ステップS23において閾値th0<検出値E≦閾値th1の関係を満たしていないことを判断すると(ステップS23で「No」)、IDCセンサー35の発光部351の発光量がレジストパターンを検出不可な範囲内にあるとして、IDCセンサー調整を実行後(ステップS24)、レジスト補正、γ補正をこの順に実行して(ステップS25、S26)、当該画像安定化動作を終了する(第1ショート安定化)。
また、閾値th1<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていることを判断すると(ステップS22で「Yes」)、IDCセンサー35の発光部351の発光量がレジストパターンと階調(濃度)パターンの両方を検出可能な範囲内にあるとして、レジスト補正、γ補正をこの順に実行して(ステップS25、S26)、当該画像安定化動作を終了する(第3ショート安定化)。この場合、IDCセンサー調整は実行されない。
上記のステップS25のレジスト補正は、ロング安定化のレジスト補正(ステップS17)と同じ処理であり、ステップS27のレジスト補正(+IDCセンサー調整)のようにその処理途中で裸面領域70bのIDCセンサー35による検出結果に基づきIDCセンサー調整が行われることはない(禁止される)。
ショート安定化ではなく、レジストの実行が指示されたことを判断すると(ステップS19で「No」)、ベース面検出を行う(ステップS28)。このベース面検出は、ステップS12のベース面検出と同じ方法により行われる。
ベース面検出時にセンサー35により検出された検出値Eが閾値th0よりも大きく、かつ閾値th2以下であるか否かを判断する(ステップS29)。
閾値th0<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていることを判断すると(ステップS29で「Yes」)、IDCセンサー35の発光部351の発光量がレジストパターンを検出可能な範囲内にあるとして、レジスト補正を実行後(ステップS31)、当該画像安定化動作を終了する。
一方、閾値th0<検出値E≦閾値th2の関係を満たしていないことを判断すると(ステップS29で「No」)、IDCセンサー35の発光部351の発光量がレジストパターンを検出不可な範囲内にあるとして、IDCセンサー調整を実行後(ステップS30)、レジスト補正を実行して(ステップS31)、当該画像安定化動作を終了する。
以上説明したように本実施の形態では、ショート安定化において、閾値th0<検出値E≦閾値th1の関係を満たしている場合に、レジスト補正とIDCセンサー調整を並行するように行う。これにより、画像安定化動作の一つであるショート安定化において、IDCセンサー調整によるパターン検出精度を向上させつつ、全体の画像安定化動作時間を短縮化することができるようになる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、異なる種類の画像安定化動作としてのロング安定化とショート安定化とレジストにおいて、IDCセンサー35によるレジストパターンと階調パターンのそれぞれの検出の可否を判断するための閾値th0〜th2を共通のものを用いるとしたが、本実施の形態2では、異なる種類の画像安定化動作のそれぞれで異なる閾値を用いるとしており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略するものとする。
図12は、ロング安定化とレジストのそれぞれで異なる閾値を用いる構成における画像安定化動作の処理内容を示すフローチャートであり、制御部7により実行される。なお、ロング安定化の実行が指示された場合には、パターン形成部301により図6に示すトナーパターンが中間転写ベルト27上に形成され、レジストが指示された場合には、パターン形成部301により図6に示すIDCセンサー調整領域62の次にレジスト補正領域65のレジストパターンのみが形成されるものとする。
同図に示すように、IDCセンサー35の発光部351に対して発光量を指示する(ステップS50)。この指示は、上記ステップS10と同じ方法により行われる。
そして、レジストの実行が指示されたか否かを判断する(ステップS51)。レジストではなくロング安定化の実行が指示されたことを判断すると(ステップS51で「No」)、ベース面検出を行う(ステップS52)。
ベース面検出時におけるセンサー35の検出値Eが閾値th1以上であるか否かを判断する(ステップS53)。
閾値th1≦検出値Eの関係を満たしていないことを判断すると(ステップS53で「No」)、IDCセンサー調整を行った後(ステップS54)、最大付着量調整、LD光量調整、レジスト補正、γ補正をこの順に実行して(ステップS55〜S58)、当該画像安定化動作を終了する。
ロング安定化では、IDCセンサー35の発光部351の発光量が最大付着量調整やγ補正等の濃度パターンとレジストパターンとの両方を検出可能な範囲内にある必要があるが、閾値th1≦検出値Eの関係を満たしていない場合には、上記のようにこの範囲内にないことになるので、IDCセンサー調整を行う必要が生じるからである。
閾値th1≦検出値Eの関係を満たしていることを判断すると(ステップS53で「Yes」)、IDCセンサー調整を行わずに、最大付着量調整〜γ補正を順に実行して(ステップS55〜S58)、当該画像安定化動作を終了する。なお、上記のベース面検出〜γ補正は、実施の形態1のロング安定化のベース面検出〜γ補正と同じ処理である。
一方、レジストの実行が指示されたことを判断すると(ステップS51で「Yes」)、ベース面検出を行う(ステップS59)。
ベース面検出時におけるセンサー35の検出値Eが閾値th0以上であるか否かを判断する(ステップS60)。
閾値th0≦検出値Eの関係を満たしていないことを判断すると(ステップS60で「No」)、IDCセンサー調整を行った後(ステップS61)、レジスト補正を実行して(ステップS62)、当該画像安定化動作を終了する。
レジストでは、IDCセンサー35の発光部351の発光量が少なくともレジストパターンを検出可能な範囲内にあれば良いが、閾値th0≦検出値Eの関係を満たしていない場合には、上記のようにこの範囲内にないことになるので、IDCセンサー調整を行う必要が生じるからである。
閾値th0≦検出値Eの関係を満たしていることを判断すると(ステップS60で「Yes」)、IDCセンサー調整を行わずに、レジスト補正を実行して(ステップS62)、当該画像安定化動作を終了する。なお、上記のベース面検出〜レジスト補正は、実施の形態1におけるレジストのベース面検出〜レジスト補正と同じ処理である。
実施の形態2では、ベース面検出時におけるIDCセンサー35の検出値Eに基づきIDCセンサー調整が不要と判断された場合、IDCセンサー調整を行わないので、IDCセンサー調整を最初に必ず実行する構成に比べて、画像安定化動作の全体に要する時間の短縮化を図れる。
また、画像安定化動作の種類に応じてIDCセンサー調整の要否を判断するための閾値を異ならせている。つまり、画像安定化動作の種類が異なれば、IDCセンサー35の発光部351の発光量の必要な範囲も異なる。上記のようにロング安定化では、発光部351の発光量が最大付着量調整やγ補正等のベタの濃度パターンと、線状のレジストパターンの両方を検出可能な範囲内にある必要があるので、閾値がth1とされる。一方、レジストでは、線状のレジストパターンを検出可能な範囲内にあれば良いので、閾値がth0(<th1)とされる。
仮に、画像安定化動作の異なる種類の全てに一つの閾値を共用する構成をとれば、例えば閾値th1だけを用いる場合、ロング安定化でもレジストでも、検出値E<閾値th1の関係を満たせば、IDCセンサー調整が必ず実行されることになる。
ところが、レジストでは、閾値th0<検出値E<閾値th1の関係を満たせば、本来、IDCセンサー調整の実行は不要である。従って、閾値th1だけを用いる場合、不要なIDCセンサー調整が実行されることが生じる。
これに代えて、例えば閾値th0だけを用いる場合、ロング安定化でもレジストでも、閾値th0<検出値Eの関係を満たせば、IDCセンサー調整が必ず実行されないことになる。ところが、ロング安定化では、閾値th0<検出値E<閾値th1の関係を満たせば、本来、IDCセンサー調整の実行は必要になる。従って、閾値th0だけを用いる場合、本来、必要なIDCセンサー調整が実行されないことが生じてしまう。
これに対し、本実施の形態2のように画像安定化動作の異なる種類ごとに、IDCセンサー調整の要否を判断するための閾値をその画像安定化動作に適した異なる値に設定することにより、一つの閾値を共用する構成のように不要なIDCセンサー調整が実行されたり必要なIDCセンサー調整が行われなかったりすることが生じない。従って、異なる種類の画像安定化動作のそれぞれを最適な状態で実行することが可能になる。
この実施の形態2に係る発明を次のように表現することができる。
すなわち、(1)作像手段(作像ユニット20Yなど)により複数の感光体(感光体ドラム21)のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体(中間転写ベルト27)上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシート(記録シートS)に転写する画像形成装置であって、以下の(a)〜(f)の構成を備えることを特徴とする。ここで、(a)は制御手段、(b)はセンサー、(c)は画像安定化手段である。
(a)の制御手段は、前記作像手段を制御して、形成される各色トナー像の画質を一定以上に維持するための第1の画像安定動作(ロング安定化)に用いられる所定の第1パターン(パターン631、641、71Y〜71Kなど)と、前記第1の画像安定化動作とは異なる第2の画像安定動作(レジスト)に用いられる所定の第2パターン(パターン71Y〜71Kなど)とを選択的に前記中間転写体周面の裸面上に形成させる手段であり、パターン形成部301に相当する。
(b)のセンサーは、前記中間転写体に向けて発光部(発光部351)から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーであり、IDCセンサー35に相当する。
(c)の画像安定化手段は、前記第1の画像安定化動作に対する所定の実行条件(環境変化など)を満たしたときに、前記中間転写体周面上の前記第1パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記第1の画像安定化動作を実行し、前記第2の画像安定化動作に対する所定の実行条件(PH温度変化など)を満たしたときに、前記中間転写体周面上の前記第2パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記第2の画像安定化動作を実行する手段であり、画像安定化制御部302に相当する。
(d)そして、前記画像安定化手段は、前記第1の画像安定化動作の際に、前記第1パターンの前記センサーによる検出前に、前記中間転写体周面のうち前記第1パターンの形成領域よりも前記回転方向下流側に存する裸面領域(ベース面検出領域61)を前記センサーにより検出する第1ベース面検出を行い(ステップS52)、当該検出結果と所定の第1閾値(th1)との大小関係に基づき、前記発光部の発光量が前記第1パターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断する第1判断手段(ステップS53)を備える。
(e)また、前記画像安定化手段は、前記第2の画像安定化動作の際に、前記第2パターンの前記センサーによる検出前に、前記中間転写体周面のうち前記第2パターンの形成領域よりも前記回転方向下流側に存する裸面領域(ベース面検出領域61)を前記センサーにより検出する第2ベース面検出を行い(ステップS59)、当該検出結果と、前記第1閾値とは異なる所定の第2閾値(th0)との大小関係に基づき、前記発光部の発光量が前記第2パターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断する第2判断手段(ステップS60)とを備える。
(f)前記画像安定化手段は、前記第1と前記第2の画像安定化動作のそれぞれごとに、対応する判断手段の判断結果が否定的な場合には(ステップS53で「No」、ステップS60で「No」)、当該画像安定化動作に用いられるパターンの前記センサーによる検出前に、前記中間転写体周面の裸面領域(IDCセンサー調整領域62)の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させてから当該パターンの検出を行うセンサー調整(ステップS54、S61)を実行し、前記判断結果が肯定的な場合には、前記センサー調整を実行せず(ステップS53で「Yes」、ステップS60で「Yes」、)、前記センサーによる前記パターンの検出(ステップS55〜S58、S62)を行う。
さらに、(2)前記第1の画像安定化動作が、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正とトナー像の濃度補正を含む画像安定化動作であり、前記第2の画像安定化動作が、前記レジスト補正のみの画像安定化動作であるとすることもできる。
本発明は、画像形成装置に限られず、画像形成装置における画像安定化動作の実行方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
〔変形例〕
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態1では、実行すべきショート安定化を、ベース面検出の結果に基づき第1〜第3ショート安定化のうちのいずれかに決めるとしたが、これに限られない。
例えば、前回のショート安定化動作から今回のショート安定化動作までの間に、発光部351の発光量がレジストパターンを検出できない程、大きく変動することが生じないような装置構成では、毎回のショート安定化において、ベース面検出を行わずにレジスト補正(+IDCセンサー調整)、γ補正を行う処理、つまり図9においてステップS19で「Yes」の次に、ステップS27、S26をこの順に実行するとしても良い。
また、閾値th1<検出値E≦th2の関係を満たす場合(ステップS22で「Yes」)、IDCセンサー調整を行わないとしたが、これに限られない。例えば、ショート安定化が実行されるごとに、IDCセンサー35によるトナーパターンの検出精度のさらなる向上を図るべく、ステップS20のベース面検出の後、閾値th0<検出値E≦閾値th2の関係を満たす場合に、ステップS27のレジスト補正(+IDCセンサー調整)、ステップS26のγ補正をこの順に行うとしても良い。
(2)上記実施の形態では、発光部351から発せられた光の、中間転写ベルト27からの反射光を受光部352が受光する、いわゆる反射式の光学センサーをIDCセンサー35に用いる構成例を説明したが、これに限られない。中間転写ベルト27の周面27aに形成されたレジストパターンや階調パターン等の各パターンおよび中間転写ベルト27の裸面領域を光学的に検出可能なセンサーであれば良い。例えば、発光部351から発せられた光の、中間転写ベルト27の透過光を受光部352が受光する、いわゆる透過式の光学センサーを用いることもできる。
また、IDCセンサー35は、主走査方向に間隔をあけて配置された2つの検出センサー35a、35bからなるとしたが、これに限られず、例えば1つの検出センサーだけを備える構成とすることもできる。
(3)上記実施の形態では、発光部351に対して発光量を示すデューティー比を指示する制御により発光部351の発光量を可変させる構成例を説明したが、発光部351の発光量を可変可能な構成であれば、上記の方法に限られず、他の制御方法でも良い。
また、発光部351から発せられた光Ltのうち、中間転写ベルト27の裸面領域からの反射光Lbの光量が目標値になるように、発光部351の発光量を段階的に変化させる発光量制御の方法としてバイナリーソートを用いたが、これに限られない。反射光Lbの光量が目標値になるように発光部351の発光量を変化させていく制御が可能な方法であれば良い。
(4)上記実施の形態では、ベルト周回方向B(回転方向)に相互に一定間隔をあけてなる各色の線状のレジストパターン71Y〜71Kを、同方向に所定間隔をあけた2つのパターン形成領域70aのそれぞれに形成するとしたが、パターン形成領域70aの数は2つに限られず、2以上の複数とすることができる。
また、ショート安定化において、2以上(複数)のパターン形成領域70aが存在する場合、複数のパターン形成領域のうち、ベルト周回方向Bに隣り合う2つのパターン形成領域の組、例えば下流側から上流側に向かって各パターン形成領域を第1領域A、B、C・・とした場合、AとBの組、これよりも上流側のBとCの組など、それぞれの組のうち、いずれか一つの組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域70bを、IDCセンサー調整に利用することができる。
また、これに代えて、最上流のパターン形成領域70a(第1領域)とγ補正領域66(第2領域)との間に裸面領域70bが存する場合における当該裸面領域70bを、IDCセンサー調整に利用することもできる。
さらに、ショート安定化では、裸面領域70bを利用してIDCセンサー調整を行うとしたが、これに限られない。複数のパターン形成領域70a(第1領域)のうち、最下流のパターン形成領域70aに形成されたレジストパターン71Y〜71KがIDCセンサー35により検出されてから、γ補正領域66(第2領域)に形成された濃度パターン66C、66KがIDCセンサー35により検出されるまでの間に、中間転写ベルト27の周面27aにおいて、いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の、IDCセンサー35による検出結果に基づきIDCセンサー調整を行うことができる。
例えば、図7に示す最上流のレジストパターン71Yと最下流のレジストパターン72Kまでの間に存する裸面領域のベルト周回方向長さがIDCセンサー調整を実行可能な程度の大きさを有するような場合にはその裸面領域を、いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域として、IDCセンサー調整に利用することができる。
(5)上記実施の形態では、ショート安定化において、レジスト補正(+IDCセンサー調整)の後に、濃度補正の一例としてのγ補正を行うとしたが、これに限られない。最大付着量調整、LD光量補正も再現画像の濃度を適正化するという意味で大きくとらえれば濃度補正の一つとすることができる。
この場合、レジスト補正(+IDCセンサー調整)の後に、γ補正に代えて最大付着量調整とLD光量補正のいずれかを実行または両方を順に実行したり、これら3つを順に実行したりすることもできる。また、最大付着量調整、LD光量補正、γ補正以外で、再現画像の濃度を補正する画像安定化動作があれば、その画像安定化動作を濃度補正として実行する構成をとることもできる。
(6)上記実施の形態では、中間転写ベルト27の周面27a上に同じ色同士の2つのレジストパターンをベルト周回方向に沿って転写ベルト半周分Gだけ離れた位置に形成させるとしたが、これに限られない。例えば、中間転写ベルト27に生じる周速のムラが本来の周速に対して速くなる期間と遅くなる期間とが周期的に交互に現れる場合のその半周分に相当する距離だけ離れた位置に形成することもできる。
(7)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置としてMFPを用いた例を説明したが、これに限られない。
作像ユニット20Y〜20Kを含む作像手段により、各色用の複数の感光体(感光体ドラムや感光体ベルトなど)のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体(中間転写ベルトや中間転写ドラムなど)上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像を用紙などのシートに転写する構成のプリンター、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置であり、画像安定化動作を実行する機能を有するもの一般に適用できる。
また、上記のレジストパターンや濃度パターンなどの各トナーパターンの形状、大きさ、個数、隣り合うパターン同士の位置関係や、ベース面検出領域61、IDCセンサー調整領域62、レジスト補正領域65などの各領域の大きさ(ベルト周回方向長さなど)が上記のものに限られず、画像形成装置ごとに、その装置構成に適したパターン形状、個数、各領域の大きさなどが予め決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本発明は、画像安定化動作を実行する画像形成装置に利用可能である。
1 MFP
4 画像プロセス部
7 制御部
20Y、20M、20C、20K 作像ユニット
27 中間転写ベルト
27a 中間転写ベルトの周面
35 IDCセンサー
61 ベース面検出領域(裸面領域)
62 IDCセンサー調整領域(裸面領域)
66Y、66M、66C、66K 濃度パターン
70a レジストパターン形成領域
70b 中間転写ベルトの周面の裸面領域
71Y、71M、71C、71K、72Y、72M、72C、72K レジストパターン
301 パターン形成部
302 画像安定化制御部
351 発光部
352 受光部

Claims (7)

  1. 作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、
    前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、
    前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、
    前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、
    を備え、
    前記画像安定化手段は、
    前記中間転写体周面において、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域よりも下流側に存する第1裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量がレジストパターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断する判断手段を備え
    記判断手段の判断結果が肯定的な場合に、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない、前記第1裸面領域とは別の裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させる第1センサー調整を実行し、
    否定的な場合には、前記制御手段による前記レジストパターンと濃度パターンの前記中間転写体への形成タイミングを前記肯定的な場合よりも所定時間遅らせることにより、前記第1裸面領域と前記最下流の第1領域との間にさらに別の第2裸面領域を確保し、前記最下流の第1領域に形成されたレジストパターンの前記センサーによる検出開始前までに、前記確保された第2裸面領域の前記センサーによる検出信号に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させる第2センサー調整を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記判断手段は、
    さらに、前記第1裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量が前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方の検出を可能な範囲内であるか否かを判断し、
    前記画像安定化手段は、
    前記発光部の発光量が前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方の検出を可能な範囲内であることが判断された場合には、前記第1センサー調整と前記第2センサー調整の両方の実行を禁止することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、
    所定の第1条件を満たしたときにのみ前記レジストパターンと前記濃度パターンの両方を形成させ、前記第1条件とは異なる所定の第2条件を満たしたときには、前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面上に前記レジストパターンと同じ各色のレジストパターンを複数の第1領域のそれぞれに形成させ、前記濃度パターンを形成させず、
    前記判断手段は、
    前記第2条件を満たしたことにより前記レジストパターンが形成された場合に、前記中間転写体周面において前記複数の第1領域のうち最下流の第1領域よりも下流側に存する第3裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部の発光量が前記形成されたレジストパターンの検出が可能な範囲内であるか否かを判断し、
    前記画像安定化手段は、
    前記第2条件を満たした場合には、前記レジスト補正と同じ方法のレジスト補正を実行し、前記濃度補正を実行せず、
    さらに、前記第2条件を満たした場合の前記判断手段の判断結果が否定的であれば、前記第2センサー調整と同じ方法のセンサー調整のみを実行し、前記判断結果が肯定的であれば、前記第1センサー調整と同じ方法のセンサー調整のみを実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像安定化手段は、
    前記第1裸面領域の前記センサーによる検出の際に、前記発光部に対し、前回のセンサー調整の際に決定された発光量と同じ発光量で発光するように発光量の指示を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、
    前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、
    前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、
    前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、
    を備え、
    前記画像安定化手段は、
    さらに、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、
    前記裸面領域は、
    前記中間転写体周面において、前記回転方向に隣り合う2つの第1領域の組のそれぞれのうち、いずれか一つの組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域、または、最上流の第1領域と前記第2領域との間に裸面領域が存する場合における当該裸面領域であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、
    前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、
    前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、
    前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、
    を備え、
    前記画像安定化手段は、
    前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、
    さらに、前記画像安定化手段は、
    前記センサー調整において、前記中間転写体の裸面領域からの反射光または透過光が目標値に至るまで、前記センサーによる検出結果に基づき、前記発光部に対して発光量を変化させていく指示を行う発光量制御の実行により、前記発光部の発光量を決定し、
    前記発光量制御の際に、前記中間転写体周面における前記回転方向に隣り合う2つの第1領域の組のそれぞれのうち、いずれか一つの組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域の前記センサーによる検出の終了時点で当該発光量制御が実行途中であれば、当該発光量制御を一旦中断し、
    前記中間転写体周面において、前記一つの組よりも上流側に位置する別の組の一方の第1領域と他方の第1領域との間に存する裸面領域、または最上流の第1領域と前記第2領域との間に裸面領域が存する場合には当該裸面領域が、前記センサーの検出位置に到達すると、前記発光部に対して、前記中断時点での発光量から発光が再開されるように前記中断していた発光量制御の再開を指示することを特徴とする画像形成装置。
  7. 作像手段により複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成し、当該各色トナー像を、回転している中間転写体上に多重転写した後、当該転写後の各色トナー像をシートに転写する画像形成装置であって、
    前記作像手段を制御して、前記中間転写体周面の裸面上において、当該回転方向に所定間隔をあけた複数の第1領域のそれぞれに、各色のトナー像の形成位置のずれを補正するレジスト補正を行うための各色のレジストパターンを形成後、前記中間転写体周面上の第2領域にトナー像の濃度補正を行うための各色の濃度パターンを形成させる制御手段と、
    前記中間転写体に向けて発光部から光を発し、当該光の、前記中間転写体からの反射光または透過光を検出するセンサーと、
    前記中間転写体周面上の前記レジストパターンと濃度パターンの前記センサーによる検出結果に基づき、前記レジスト補正と濃度補正をこの順に実行する画像安定化手段と、
    を備え、
    前記画像安定化手段は、
    さらに、前記センサーにより、前記複数の第1領域のうち前記回転方向最下流の第1領域に形成されたレジストパターンが検出されてから前記第2領域に形成された濃度パターンが検出されるまでの間に、前記中間転写体周面において前記いずれのレジストパターンも形成されていない裸面領域の前記センサーによる検出結果に基づき前記発光部の発光量を決定し、決定された発光量で前記発光部を発光させるセンサー調整を行い、
    前記制御手段は、
    前記中間転写体周面において、前記複数の第1領域に含まれる2つの第1領域のうち、下流側の第1領域に形成される各色のレジストパターンと、上流側の第1領域に形成される各色のレジストパターンとを、同じ色同士のものが前記中間転写体の一周を1周期としたときの半周期分、離れた位置に形成されるように、前記中間転写体上に形成させることを特徴とする画像形成装置。
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