JP6527430B2 - 炭化珪素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、研磨・研削材、セラミックス焼結体及び導電性材料等の工業用材料として、従来から幅広く使用されている。特に、最近では、省エネルギー志向の強まりや、脱原発による自然再生エネルギーの活用への期待等の社会的背景により、パワー半導体等に用いられる単結晶材料として、より高い純度を有する炭化珪素が求められている。
また、炭化珪素を工業的に量産する技術としては、アチソン法が知られている。
アチソン法は、上方に開口した箱型の間接抵抗炉(以下、「アチソン炉」という。)の炉内空間に、珪素(Si)を含む珪酸質原料(例えば硅石粉)と炭素(C)を含む炭素質原料(例えばコークス)を混合してなる炭化珪素製造用原料を収容し、該原料の中に配設された発熱体に電流を流して、該原料を加熱することで、炭化珪素の塊状物を製造する方法である。
アチソン法を用いて炭化珪素を製造する方法として、例えば、特許文献1には、アチソン炉を用いて、珪酸質原料と炭素質原料とシリコン質原料を混合してなる炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素を得る炭化珪素の製造方法であって、上記炭化珪素製造用原料中のCとSiのモル比(C/Si)が、1.5以上、3.0未満であることを特徴とする炭化珪素の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、アチソン炉を用いて、粒子内にシリカとカーボンの各々が全体的に分布しており、かつ、B及びPの各々の含有率が1ppm以下である、シリカとカーボンからなる粒子を加熱して、高純度炭化珪素粉末を得る、高純度炭化珪素粉末の製造方法が記載されている。
特開2015−86101号公報 特開2013−95635号公報
従来、アチソン炉を用いて炭化珪素を製造すると、アチソン炉の炉内の位置の違いによって、炭化珪素に含まれる不純物の含有率が異なるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、アチソン炉を用いて、不純物(B、P、Al、Fe、Ti)の含有率が小さく、かつ、不純物の含有率のばらつきが少なく均質な炭化珪素を得るための方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、炭化珪素製造用原料として、軽装かさ密度の差が0.05〜0.4g/cmである2種の炭化珪素製造用原料A、B(ただし、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度は、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい。)を準備する原料準備工程と、アチソン炉の炉内空間の下部に、炭化珪素製造用原料Aを収容する第一の原料収容工程と、アチソン炉の炉内空間において、収容済みの炭化珪素製造用原料Aの上方に、炭化珪素製造用原料Bを収容する第二の原料収容工程、を含む炭化珪素の製造方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] アチソン炉を用いて、炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素を得る炭化珪素の製造方法であって、上記炭化珪素製造用原料として、軽装かさ密度の差が0.05〜0.4g/cmである2種の炭化珪素製造用原料A、B(ただし、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度は、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい。)を準備する原料準備工程と、上記アチソン炉の炉内空間の下部に、炭化珪素製造用原料Aを収容する第一の原料収容工程と、上記アチソン炉の炉内空間において、収容済みの炭化珪素製造用原料Aの上方に、炭化珪素製造用原料Bを収容する第二の原料収容工程、を含むことを特徴とする炭化珪素の製造方法。
[2] 上記第一の原料収容工程と、上記第二の原料収容工程の間に、上記アチソン炉の炉内空間において、上記炭化珪素製造用原料を加熱するための発熱用コア体を形成させる発熱用コア体形成工程、を含む前記[1]に記載の炭化珪素の製造方法。
[3] 炭化珪素製造用原料Aおよび炭化珪素製造用原料Bの少なくともいずれか一方が、接着剤を用いて炭化珪素製造用粉体を造粒してなる造粒物を含む前記[1]又は[2]に記載の炭化珪素の製造方法。
[4] 炭化珪素製造用原料Aが加熱されて生成した炭化珪素と、炭化珪素製造用原料Bが加熱されて生成した炭化珪素とで、不純物であるアルミニウム、鉄およびチタンの各元素毎の含有率の差が、いずれも、4ppm以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の炭化珪素の製造方法。
本発明の炭化珪素の製造方法によれば、不純物(B、P、Al、Fe、Ti)の含有率が小さく、かつ、不純物の含有率のばらつきが少なく均質な炭化珪素を得ることができる。
アチソン炉を電極芯の延びる方向に沿って鉛直に切断した状態を模式的に示す断面図である。 図1に示すアチソン炉を電極芯の延びる方向に対して垂直な方向に切断した状態を模式的に示す断面図である。
本発明の炭化珪素の製造方法は、アチソン炉を用いて、炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素を得る炭化珪素の製造方法であって、炭化珪素製造用原料として、軽装かさ密度の差が0.05〜0.4g/cmである2種の炭化珪素製造用原料A、B(ただし、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度は、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい。)を準備する原料準備工程と、アチソン炉の炉内空間の下部に、炭化珪素製造用原料Aを収容する第一の原料収容工程と、アチソン炉の炉内空間において、収容済みの炭化珪素製造用原料Aの上方に、炭化珪素製造用原料Bを収容する第二の原料収容工程、を含むものである。以下、本発明の炭化珪素の製造方法の一例について、図1及び図2を参照しながら説明する。
[原料準備工程]
本工程は、炭化珪素製造用原料として、軽装かさ密度の差が0.05〜0.4g/cmである2種の炭化珪素製造用原料A、B(ただし、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度は、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい。)を準備する工程である。
本発明で用いられる炭化珪素製造用原料は、珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる原料である。この際、原料の混合方法は、任意であり、湿式混合と乾式混合のいずれも採用することができる。
珪酸質原料としては、例えば、天然の珪砂、天然の珪石粉、人造珪石粉等の結晶質シリカや、シリカフューム、シリカゲル等のアモルファスシリカ(非晶質シリカ)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭素質原料としては、例えば、天然黒鉛、人工黒鉛等の結晶質カーボンや、カーボンブラック、コークス、活性炭等のアモルファスカーボン(非晶質カーボン)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭化珪素製造用原料Aと炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度の差は、0.05〜0.4g/cm、好ましくは0.06〜0.3g/cm、より好ましくは0.07〜0.2g/cm、特に好ましくは0.07〜0.15g/cmである。該差が0.05g/cm未満であると、得られる炭化珪素の塊状物の上部における不純物の含有率が大きくなり、均質な炭化珪素を得ることができなくなる。該差が0.4g/cmを超えると、得られる炭化珪素の塊状物の下部における不純物の含有率が大きくなり、均質な炭化珪素を得ることができなくなる。
なお、本明細書中、軽装かさ密度とは、「JIS R 9301−2−3(アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−3:軽装かさ密度及び重装かさ密度)」に準拠して得られる数値である。
炭化珪素製造用原料Aと炭化珪素製造用原料Bの各々の軽装かさ密度を特定の値にするために、炭化珪素製造用原料Aおよび炭化珪素製造用原料Bの少なくともいずれか一方の炭化珪素製造用原料を構成する炭化珪素製造用粉体(珪酸質原料、炭素質原料、または珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる混合物)を粉砕または造粒してもよい。
中でも、作業の容易性の観点から、炭化珪素製造用粉体を造粒することが好ましい。
軽装かさ密度を特定の値にするための方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)接着剤を用いて造粒してなる珪酸質原料の造粒物と、炭素質原料(粉体)を混合する方法
(2)珪酸質原料(粉体)と、接着剤を用いて造粒してなる炭素質原料の造粒物を混合する方法
(3)接着剤を用いて造粒してなる珪酸質原料の造粒物と、接着剤を用いて造粒してなる炭素質原料の造粒物を混合する方法
(4)珪酸質原料(粉体)と炭素質原料(粉体)を混合してなる混合物を、接着剤を用いて造粒する方法
(5)炭化珪素製造用粉体として、シリカとカーボンからなる粒子(特開2013−95635号公報参照)を使用し、該粒子を、接着剤を用いて造粒する方法
造粒に用いられる接着剤としては、水、ポリビニルアルコール、でんぷん、メチルセルロース等が挙げられる。中でも、入手の容易性及び造粒の容易性の観点から、ポリビニルアルコールが好適である。
造粒するための製造装置は特に限定されるものではなく、通常用いられる造粒機でよい。また、装置本体からの不純物の混入を抑えるため、原料と接触する部分については、金属製のものではなく、樹脂製、または樹脂で被覆された装置を用いることが好ましい。
炭化珪素製造用粉体を粉砕または造粒させてなるものの粒度は、特に限定されるものではないが、通常、5mm以下である。
炭化珪素製造用原料(AおよびB)の軽装かさ密度の下限は、アチソン炉を安定的に運転することができ、生産量を向上させる観点から、好ましくは0.3g/cm以上、より好ましくは0.4g/cm以上である。また、軽装かさ密度の上限は、加熱によって発生する一酸化炭素等のガスを抜け易くする観点から、好ましくは1.0g/cm以下、より好ましくは0.9g/cm以下である。
炭化珪素製造用原料(AおよびB)の、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)は、好ましくは2.5〜4.0、より好ましくは2.7〜3.5、特に好ましくは2.9〜3.1である。
該比が2.5以上であれば、得られる炭化珪素の塊状物中に残存する未反応の珪酸の量が少なくなる。該比が4.0以下であれば、得られる炭化珪素の塊状物中に残存する未反応の炭素の量が少なくなる。
[第一の原料収容工程]
本工程は、アチソン炉6の炉内空間の下部(炉の内寸による高さの略中央部分より下部)に、「炭化珪素製造用原料A」1を収容する工程である。
アチソン炉6は、炉本体5の断面が略U字状である大気開放型の炉であり、両端の側壁に、向かい合うように固定された電極芯4,4を有している。
[発熱用コア体形成工程]
本工程は、第一の原料収容工程と第二の原料収容工程の間に設けられる工程であって、アチソン炉6の炉内空間において、炭化珪素製造用原料(A及びB)を加熱するための発熱用コア体3を形成させる工程である。
発熱用コア体3としては、電気を通すことができるものである限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛粉、カーボンロッド等が挙げられる。また、発熱用コア体3を構成する物質の形態は、特に限定されず、例えば、粉状、塊状等が挙げられる。
発熱用コア体3は、アチソン炉6の通電方向の両端に設けられた電極芯4,4を結ぶように全体として棒状の形状になるように設けられる。ここでの棒状の形状とは、例えば、円柱状、角柱状等が挙げられる。
発熱用コア体3は、炭化珪素製造用原料内に形成されていればよい。例えば、アチソン炉6内に収容された「炭化珪素製造用原料A」1の上面に形成されてもよく、アチソン炉6内において、炭化珪素製造用原料AとBとの間に他の炭化珪素製造用原料(後述)を収容する場合においては、他の炭化珪素製造用原料内に形成されてもよい。
[第二の原料収容工程]
本工程は、アチソン炉6の炉内空間において、収容済みの「炭化珪素製造用原料A」1の上方に、「炭化珪素製造用原料B」2を収容する工程である。「炭化珪素製造用原料B」2はアチソン炉6の炉内空間であって、「炭化珪素製造用原料A」1の上方に収容される。
炭化珪素製造用原料(AおよびB)を収容後、電極芯4,4間に電流を流し、発熱用コア体3を通電加熱することで、発熱用コア体3の周囲において、下記式(1)で示される還元反応が起こり、炭化珪素(SiC)の塊状物が生成される。
SiO+3C→2SiC+2CO (1)
式(1)で示される還元反応が行われる温度は、好ましくは1,600〜3,000℃、より好ましくは1,600〜2,500℃である。
上記温度が1,600℃以上であると、上記反応が十分に行われ、高純度の炭化珪素を多量に得ることができる。
なお、本発明において、炭化珪素製造用原料AおよびB以外に、軽装かさ密度が、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度よりも大きく、かつ、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい他の炭化珪素製造用原料を使用してもよい。該原料を使用する場合、該原料は、アチソン炉6の炉内空間において、炭化珪素製造用原料AとBとの間に収容される。
アチソン炉を用いて炭化珪素を製造する際に、シリカフュームや一酸化炭素ガス等の、固体または気体の副生成物(B、P、Al、Fe、Ti等の不純物元素を含むもの)が発生する。
仮に、本発明と異なり、軽装かさ密度の差がない1種のみの原料を用いた場合、これらの副生成物は、炭化珪素の生成に伴って、発熱体の周辺からアチソン炉の炉内の側面、底面、及び上方(開口部分)の各方向に向かって移動した後、炉外へと飛散する。なお、側面及び底面に到達したガスの一部は、炉内の壁面に沿って上方にさらに移動した後、炉内の上方(開口部)から炉外へと排出する。
この際、アチソン炉の炉内における副生成物の各方向への移動量のうち、上方への移動量が最も多い。その理由は、ガスがアチソン炉の発熱体の下方よりも上方に向かって抜ける傾向が強いからと考えられる。また、一酸化炭素ガス等は、移動の際に、生成途中の炭化珪素内を通過するため、ガスに含まれている不純物が炭化珪素の塊状物内に取り込まれる。
このため、得られた炭化珪素の塊状物において、発熱体の上方で生成された部位には、発熱体の下方で生成された部位と比較してより多くの不純物が含まれることとなり、アチソン法において、不純物の含有率のばらつきが少なく均質な炭化珪素を製造することが困難である。
この点、本発明の製造方法によれば、炉内の側面、底面、及び上方の各方向に向かう副生成物の移動量が均一となるため、不純物(B、P、Al、Fe、Ti)の含有率が小さく、かつ、不純物の含有率のばらつきが少なく均質な炭化珪素を得ることができる。
本発明の製造方法で得られた炭化珪素は、不純物(ホウ素(B)、リン(P)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)およびチタン(Ti))の含有率が小さいものである。また、該炭化珪素は、アチソン炉内において生成された炭化珪素の塊状物の部位によって、不純物の含有率のばらつきが起こりにくく、均質なものである。
具体的には、炭化珪素製造用原料Aが加熱されて生成した炭化珪素(得られた炭化珪素塊状物の下部に位置する炭化珪素)と、炭化珪素製造用原料Bが加熱されて生成した炭化珪素(得られた炭化珪素塊状物の上部に位置する炭化珪素)とで、不純物であるアルミニウム(Al)、鉄(Fe)およびチタン(Ti)の元素毎の含有率の差は、いずれも、好ましくは4ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは2ppm以下である。
なお、本明細書中、「ppm」は質量基準である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)珪酸質原料A:アモルファスシリカ(太平洋セメント社試製品、シリカの含有率:99.9質量%以上、粒径1.0〜2.0mmの粒子の割合:50質量%以上)
(2)珪酸質原料B:珪石粉末(共立マテリアル社製、商品名「KCLA−1」、シリカの含有率:99.9質量%以上、最大粒径:1.0mm未満)
(3)炭素質原料:カーボンブラック(東海カーボン社製、商品名「シーストV」、炭素の含有率:99.9質量%以上)
(4)接着剤:ポリビニルアルコール(関東化学社製、特級)
(5)電極用黒鉛粉:太平洋セメント社製の試製品
[実施例1]
炭素質原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(2質量%)水溶液を5質量部添加して、造粒機を用いて粒径が1mm程度になるように造粒した。造粒した炭素質原料と、珪酸質原料Aを、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が、3.0となるように混合して、炭化珪素製造用原料Aを調製した。
また、炭素質原料と珪酸質原料Aを、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が、3.0となるように混合して、炭化珪素製造用原料Bを調製した。
炭化珪素製造用原料A及びBの軽装かさ密度を、下記分析方法によって測定した。
図1及び図2に示されたアチソン炉6の炉内空間の下部(炉の内寸による高さの略中央部分より下部)へ、「炭化珪素製造用原料A」1を収容した。次いで、電極用黒鉛粉を、「炭化珪素製造用原料A」1の上面に、炉本体5の両端の略中央部分に固定された電極芯4,4を結ぶように収容して、発熱用コア体3を形成した。さらに、収容済みの「炭化珪素製造用原料A」1及び発熱用コア体3の上方に、「炭化珪素製造用原料B」2を収容した。
その後、2,500℃以上で12時間加熱することで、炭化珪素の塊状物を得た。得られた炭化珪素の塊状物を、金属切断用のこぎりを用いて、発熱用コア体3より上方の部位(炭化珪素製造用原料Bが加熱されて生成した炭化珪素からなる部位:表2中、「上部」と示す。)と、下方の部位(炭化珪素製造用原料Aが加熱されて生成した炭化珪素からなる部位:表2中、「下部」と示す。)に切断した。
切断した各部位について、ボールミルを用いて、粒径が2mm以下となるまで粉砕して炭化珪素粉末を得た。各部位(上方の部位、下方の部位)から得られた炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、下記分析方法によって、測定した。
[分析方法]
(1)炭化珪素製造用原料の軽装かさ密度の測定
「JIS R 9301−2−3(アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−3:軽装かさ密度及び重装かさ密度)」に準拠して炭化珪素製造用原料の軽装かさ密度を測定した。
(2)炭化珪素粉末中のPの含有率の測定
試料(炭化珪素粉末)1gおよび炭酸ナトリウム4gを白金ルツボに入れた後、この白金ルツボを電気炉内に載置して700℃で1時間加熱した。次いで1時間ごとに、白金ルツボ内の混合物を撹拌しながら、800℃で4時間加熱し、さらに1,000℃で15分間加熱した。加熱後の混合物(融成物)に50質量%の塩酸l20mlを添加し、ホットプレートを用いて、140℃で10分間、融成物をくずしながら溶解した。溶解後、水を加えて100mlにメスアップした後、ろ過を行い、得られた固形分に対して、ICP−AES分析を行って、Pの含有率を測定した。
(3)炭化珪素粉末中のP以外の元素(B、Al、Fe、Ti)の含有率の測定
「JIS R 1616」に記載された加圧酸分解法によるICP−AES分析に基づいて、P以外の元素(B、Al、Fe、Ti)の含有率を測定した。
[実施例2]
炭素質原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(2質量%)水溶液を5質量部添加して、造粒機を用いて粒径が2mm程度になるように造粒した。造粒した炭素質原料と、珪酸質原料Bを、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が、3.0となるように混合して、炭化珪素製造用原料Aを調製した。
また、炭素質原料と珪酸質原料Bを、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が、3.0となるように混合して、炭化珪素製造用原料Bを調製した。
実施例1と同様にして、炭化珪素の塊状物を製造し、該塊状物の上方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末と、該塊状物の下方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末を得た。
炭化珪素製造用原料A及びBの軽装かさ密度、及び、各炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、実施例1と同様にして測定した。
[実施例3]
珪酸質原料Bと炭素質原料を、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が3.0となるように混合した後、得られた混合物100質量部に対して、ポリビニルアルコール(2質量%)水溶液を7質量部添加して、造粒機を用いて粒径が1mm程度になるように造粒して、炭化珪素製造用原料Aを調製した。また、粒径が0.5mm程度になるように造粒する以外は、炭化珪素製造用原料Aの調製と同様にして炭化珪素製造用原料Bを調製した。
実施例1と同様にして、炭化珪素の塊状物を製造し、該塊状物の上方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末と、該塊状物の下方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末を得た。
炭化珪素製造用原料A及びBの軽装かさ密度、及び、各炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例1]
珪酸質原料Aと炭素質原料を、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が3.0となるように混合して、炭化珪素製造用原料を調製した。
炭化珪素製造用原料A及びBとして、得られた炭化珪素製造用原料を用いる以外は、実施例1と同様にして、炭化珪素の塊状物を製造し、該塊状物の上方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末と、該塊状物の下方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末を得た。
炭化珪素製造用原料の軽装かさ密度、及び、各炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例2]
珪酸質原料Bと炭素質原料を、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が2.9となるように混合して、炭化珪素製造用原料を調製した。
比較例1と同様にして、炭化珪素の塊状物を製造し、該塊状物の上方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末と、該塊状物の下方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末を得た。
炭化珪素製造用原料の軽装かさ密度、及び、各炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例3]
珪酸質原料Aと炭素質原料を、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が3.1となるように混合した後、得られた混合物100質量部に対して、ポリビニルアルコール(2質量%)水溶液を6質量部添加して、造粒機を用いて粒径が2mm程度になるように造粒して、炭化珪素製造用原料Aを調製した。
また、珪酸質原料Bと炭素質原料を、炭素(C)と珪酸(SiO)の混合モル比(C/SiO)が3.1となるように混合して、炭化珪素製造用原料Bを調製した。
実施例1と同様にして、炭化珪素の塊状物を製造し、該塊状物の上方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末と、該塊状物の下方の部位を粉砕してなる炭化珪素粉末を得た。
炭化珪素製造用原料A及びBの軽装かさ密度、及び、各炭化珪素粉末中のB、P、Al、Fe、Tiの含有率を、実施例1と同様にして測定した。
それぞれの結果を表1および表2に示す。
Figure 0006527430
Figure 0006527430
表2から、本発明の製造方法(実施例1〜3)によれば、アチソン法によって得られた炭化珪素は、生成した炭化珪素の塊状物の部位によらず、不純物の含有率が小さく、均質であることがわかる。
一方、炭化珪素製造用原料A(炉内空間の下部に収容されたもの)と炭化珪素製造用原料B(炭化珪素製造用原料A及び発熱用コア体の上方に収容されたもの)との軽装かさ密度の差がない場合(比較例1〜2)、生成した炭化珪素の塊状物の上部から得られた炭化珪素粉末中の不純物の含有率は、生成した炭化珪素の塊状物の下部から得られた炭化珪素粉末中の不純物の含有率よりも大きいことがわかる。
また、炭化珪素製造用原料A(炉内空間の下部に収容されたもの)と炭化珪素製造用原料B(炭化珪素製造用原料A及び発熱用コア体の上方に収容されたもの)の軽装かさ密度の差が0.55g/cmである場合(比較例3)、生成した炭化珪素の塊状物の上部から得られた炭化珪素粉末中の不純物の含有率は、生成した炭化珪素の塊状物の下部から得られた炭化珪素粉末中の不純物の含有率よりも小さいことがわかる。
また、本発明の製造方法(実施例1〜3)で得られた炭化珪素粉末は、比較例1〜3で得られた炭化珪素粉末よりも、不純物(B、P、Al、Fe、Ti)の含有率が小さいことがわかる。
1 炭化珪素製造用原料A
2 炭化珪素製造用原料B
3 発熱用コア体
4 電極芯
5 炉本体
6 アチソン炉

Claims (4)

  1. アチソン炉を用いて、炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素を得る炭化珪素の製造方法であって、
    上記炭化珪素製造用原料として、軽装かさ密度の差が0.05〜0.4g/cmである2種の炭化珪素製造用原料A、B(ただし、炭化珪素製造用原料Aの軽装かさ密度は、炭化珪素製造用原料Bの軽装かさ密度よりも小さい。)を準備する原料準備工程と、
    上記アチソン炉の炉内空間の下部に、炭化珪素製造用原料Aを収容する第一の原料収容工程と、
    上記アチソン炉の炉内空間において、収容済みの炭化珪素製造用原料Aの上方に、炭化珪素製造用原料Bを収容する第二の原料収容工程、
    を含むことを特徴とする炭化珪素の製造方法。
  2. 上記第一の原料収容工程と、上記第二の原料収容工程の間に、
    上記アチソン炉の炉内空間において、上記炭化珪素製造用原料を加熱するための発熱用コア体を形成させる発熱用コア体形成工程、
    を含む請求項1に記載の炭化珪素の製造方法。
  3. 炭化珪素製造用原料Aおよび炭化珪素製造用原料Bの少なくともいずれか一方が、接着剤を用いて炭化珪素製造用粉体を造粒してなる造粒物を含む請求項1又は2に記載の炭化珪素の製造方法。
  4. 炭化珪素製造用原料Aが加熱されて生成した炭化珪素と、炭化珪素製造用原料Bが加熱されて生成した炭化珪素とで、不純物であるアルミニウム、鉄およびチタンの各元素毎の含有率の差が、いずれも、4ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素の製造方法。
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