JP2013112544A - 高純度炭化珪素ウィスカー、及びその製造方法 - Google Patents

高純度炭化珪素ウィスカー、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度の炭化珪素ウィスカーを提供する。
【解決手段】B及びPの各々の含有率が1ppm以下である高純度炭化珪素ウィスカー。
珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを、非酸化性雰囲気下で加熱して高純度炭化珪素ウィスカーを得る方法であって、上記ペレットのかさ密度を上記ペレットの真密度で除した値が0.5〜0.8となるように上記ペレットを集合させて、上記加熱を行う、高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高純度炭化珪素ウィスカー、及びその製造方法に関する。
炭化珪素ウィスカーは、他の複合材料用繊維に比べて、強度、弾性率、耐酸化性、耐熱性質、及び化学的安定性に優れていることから、セラミックス、金属、及びプラスチック等の複合強化材として注目されている。
また、最近では、省エネルギー志向の強まりや脱原発による自然再生エネルギーの活用への期待等の社会的背景により、パワー半導体の性能向上が強く望まれており、現行のシリコンよりも電気特性の優れた炭化珪素の利用が鋭意検討され、単結晶用原料、単結晶、及びウィスカーといった炭化珪素素材の高純度化の要望が強まっている。
炭化珪素ウィスカーの工業的な製造方法としては、ハロゲン化珪素と炭化水素ガスを反応させる気相法と、シリカをカーボン等で直接還元する固体反応法が知られている。
気相法とは、例えば炭素水素ガスと、四塩化珪素等の珪素含有ガスを原料として使用し、両方のガスを加熱された基板上に導入し、基板上でウィスカーを製造する方法である。しかし、多量に合成する場合、大面積の基板が必要となり、かつ、ガスの利用率も低いため、大規模生産には適さないという問題があった。
そこで、シリカをアチソン炉等の電気炉を用いて、直接還元する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、SiO:C比がモル比で1:0.8〜1:2.6になるようにケイ石と炭材の混合物を団塊状に成形し、該成形体原料をアチソン炉内に充填して通電による抵抗熱によって成形体原料のなす空隙に炭化ケイ素ホイスカーを生成する方法が提案されている。
また、特許文献2には、珪素含有粉末と炭素質粉末からなる嵩密度が0.1g/cm以下の混合物を、水素を含む気流中で、加熱反応させることで炭化珪素素ウィスカーを製造する方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、珪素源原料と炭素原料との混合物を1400〜1800℃で反応させる炭化ケイ素ウィスカーの製造方法であって、珪素源原料を平均粒径50〜1000μmの粒状形とし、かつ、該珪素源原料中の珪素原子に対して鉄原子を25〜5000ppm、コバルト原子とニッケル原子との合計を200ppm以下となるように上記混合物中に含有させる炭化珪素ウィスカーの製造方法が提案されている。
特公昭49−32719号公報 特開平2−48499号公報 特公平7−76159号公報
しかし、上述したシリカをカーボン等で直接還元する方法で製造された従来の炭化珪素ウィスカーは、純度が低く、例えばパワー半導体等の高純度炭化珪素素材として使用することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、高純度炭化珪素素材として使用することができる高純度の炭化珪素ウィスカーを提供することにある。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意検討した結果、B及びPの各々の含有率が1ppm以下である高純度炭化珪素ウィスカーによれば本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] B及びPの各々の含有率が1ppm以下であることを特徴とする高純度炭化珪素ウィスカー。
[2] Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZnの各々の含有率が1ppm以下である前記[1]に記載の高純度炭化珪素ウィスカー。
[3] 珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを、非酸化性雰囲気下で加熱して高純度炭化珪素ウィスカーを得る方法であって、上記ペレットのかさ密度を上記ペレットの真密度で除した値が0.5〜0.8となるように上記ペレットを集合させて、上記加熱を行う、高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
[4] 上記珪酸質原料の珪素及び酸素以外の不純物の含有率が20ppm以下であり、かつ、上記炭素質原料の炭素以外の不純物の含有率が35ppm以下である前記[3]に記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
[5] アチソン炉を用いて上記加熱を行う前記[3]または[4]に記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
[6] 上記炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)が2.9〜4.0である前記[3]〜[5]のいずれかに記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
本発明の高純度炭化珪素ウィスカーは、高純度であり、パワー半導体等の炭化珪素素材として用いることができる。
アチソン炉の長手方向の断面図である。 アチソン炉の長手方向に垂直な方向の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高純度炭化珪素ウィスカー(以下、「本発明のウィスカー」ともいう。)は、以下のように不純物の含有率が小さいものである。
本発明のウィスカーのホウ素(B)及びリン(P)の各々の含有率は1ppm以下である。さらにアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び亜鉛(Zn)の各々の含有率は好ましくは1ppm以下である。B及びP等の各々の含有率を上記範囲内とすることで、本発明のウィスカーをパワー半導体用の炭化珪素素材として好適に用いることができる。また、本発明のウィスカーを高純度用途のセラミックス、金属、プラスチック等の原料および複合強化剤として好適に用いることができる。
また、本発明のウィスカー中の珪素(Si)及び炭素(C)以外の元素(不純物)の含有率(B、P等の含有率の合計)は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは25ppm以下である。不純物の含有率が100ppmを超えると、パワー半導体向けの炭化珪素素材の他、高純度用途のセラミックス、金属、プラスチック等の原料および複合強化剤として用いることが難しくなる。
本発明のウィスカーの直径は、好ましくは0.05〜1.5μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。また、長さは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは50〜100μmである。さらに、アスペクト比(長さ/長径の比)は好ましくは10〜400である。
本発明のウィスカーはα型またはβ型の結晶からなる。
本発明の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法は、珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを、非酸化性雰囲気下で加熱して高純度炭化珪素ウィスカーを得る方法であって、上記ペレットのかさ密度を上記ペレットの真密度で除した値が0.5〜0.8となるように上記ペレットを集合させて、上記加熱を行う、高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法である。
本発明の製造方法に用いられる珪酸質原料としては、例えば結晶質シリカ、非晶質シリカ、シリカフラワー等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、反応性の観点から非晶質シリカが好ましい。
珪酸質原料中の珪素及び酸素以外の不純物の含有率(B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn等の含有率の合計)は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。該含有率が20ppmを超えると、得られる高純度炭化珪素ウィスカーの純度が低くなる場合がある。
また、珪酸質原料中のB、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZnの各々の含有率は、好ましくは1ppm以下である。
さらに、珪酸質原料中に不純物が多く含まれる場合、酸などを用いて予め精製処理を行っても良い。
珪酸質原料の平均粒子径は、好ましくは600μm以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。該平均粒子径が600μmを超えると、後述するカーボン原料とのペレット化が困難となる。
本発明の製造方法に用いられる炭素質原料としては、例えばカーボンブラック、活性炭等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、純度の観点からカーボンブラックが好ましい。
炭素質原料中の炭素以外の不純物の含有率(B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn等の含有率の合計)は、好ましくは35ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。該含有率が35ppmを超えると、得られる高純度炭化珪素ウィスカーの純度が低くなる場合がある。
また、炭素質原料中のB、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZnのそれぞれの含有率は、好ましくは1ppm以下、10ppm以下、10ppm以下、10ppm以下、1ppm以下、1ppm以下、1ppm以下、1ppm以下、2.5ppm以下である。
さらに、炭素質原料に不純物が多く含まれる場合、酸などを用いて予め精製処理を行っても良い。
また、炭素質原料の二次粒子の平均粒径は、好ましくは1250μm以下、より好ましくは500μm以下である。該平均粒径が1250μmを超えると、上述した珪酸質原料との均質混合性やペレット化が困難となり、その結果、反応性が著しく低下する。
上記珪酸質原料と炭素質原料は、混合およびペレット化されて用いられる。ペレット化されることで、珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを電気炉等に充填した際に、ペレットの間に空隙が形成され、非酸化性雰囲気下で加熱することで、該空隙においてウィスカーを成長させることができる。
上記珪酸質原料と炭素質原料の混合物は、水または有機系樹脂等のバインダーを用いてペレット化してもよい。
バインダーとしては、水、ポリビニルアルコール、でんぷん、メチルセルロース等が挙げられる。
なお、非晶質シリカの析出時にカーボンを取り込んだカーボン複合シリカを用いれば、ペレット化する際にバインダーを必要としないので、純度及び経済性の観点から好ましい。
ペレット化するための製造装置は特に限定されるものではなく、通常用いられる造粒機でよい。また、装置本体からの不純物の混入を抑えるため、原料と接触する部分については、金属製のものではなく、樹脂製、または樹脂で被覆されたものを用いることが好ましい。
バインダーの配合量は、上記珪酸質原料と炭素質原料の混合物の合計量(100質量%)に対する割合(外割)で、好ましくは0.05〜1質量%である。バインダーの配合量が1質量%を超えると、バインダーから不純物が混入し、炭化珪素ウィスカーの純度が低下する。また0.05質量%未満であると、添加量が少なすぎて、バインダーとして機能しない。
ペレット中の、珪素及び炭素以外の不純物の含有率は好ましくは30ppm以下である。ここでいう不純物とは、本発明のウィスカーの製造過程で除去される酸素(O)を除く全元素中、Si及びC以外のものであり、SiC半導体用の素材の忌避成分に該当するものである。具体的には、B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、Co、及びZn等が挙げられる。この不純物の量の総和が30ppmを超えると、パワー半導体用原料として使用可能な純度を満足することが困難となる。
上記混合物からなるペレットの、炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)は、好ましくは2.9〜4.0であり、より好ましくは3.0〜3.6、好ましくは3.3〜3.5である。
該混合モル比が2.9未満、または4.0を超えると、本発明のウィスカー中に未反応の珪酸質原料や炭素質原料が多く残存してしまうため好ましくない。なお、本明細書中、「炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比」とは、炭素質原料と珪酸質原料を混合しした場合における、炭素質原料中の炭素(C)のモルと、珪酸質原料中の珪酸(SiO)のモルの比(C/SiO)をいう。
上記混合物からなるペレットの大きさ及び形状は、好ましくは、該ペレットを加熱するための電気炉等に充填した際に、かさ密度が0.3〜0.6kg/mとなるような大きさ及び形状である。
ここで、かさ密度とは、一定容積の容器に粒子(ペレット)を目一杯充填し、その内容積を体積としたときの密度をいう。
また、上記ペレットの真密度は、好ましくは0.3〜0.6kg/mである。
ここで、真密度とは、ペレットの質量を、ペレットの体積で除することで算出することができる。
さらに、炭化珪素ウィスカーの成長を促進するために、用途に応じて、忌避成分に該当しない触媒を上記混合物に加えても良い。
触媒としては、例えばホウ素、ランタン、鉄、ニッケル、及びコバルト等の化合物が挙げられる。
上記珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを、非酸化性雰囲気下で加熱する際に、上記ペレットのかさ密度を、上記ペレットの真密度で除した値が0.5〜0.8となるように、上記ペレットを集合させて(例えば、収容手段内にペレットを充填させて)加熱することで、高純度炭化珪素ウィスカーを製造することができる。
上記値が0.5未満の場合、空隙中の気体が抜けてしまうため、例えばアチソン炉のような開放型の電気炉を用いた場合、温度を維持することができなくなる。上記値が0.8を超える場合、ペレット間にウィスカーを成長させるための空間を十分に確保することができないため、ウィスカーとして結晶を生成させることが困難となる。
上記ペレットのかさ密度を、上記ペレットの真密度で除した値が上記数値範囲内に調整する方法としては、例えば、ペレットの大きさ及び形状を、段落0013で示す数値範囲で調整する、あるいは、収容手段内にペレットを充填させた後に、ペレットに振動、または圧力を加えることで調整することができる。
加熱方法は、非酸化性雰囲気下で加熱することができる限りにおいて、特に限定されるものではなく、坩堝等に上記ペレットを充填させて非酸化性雰囲気下で加熱する方法等でもよいが、大量生産の観点から、アチソン炉を用いることが好ましい。
ここで、本発明の製造方法の一例として、アチソン炉を用いた方法を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1はアチソン炉4の長手方向の断面図であり、図2はアチソン炉4の長手方向に垂直な方向の断面図である。
アチソン炉4は大気開放型であり、炉本体5の断面が略U字状である炉であり、両端に電極芯3,3を有している。長手方向の中央部には発熱体2が電極芯3,3を結ぶように設置され、発熱体2の周りには珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレット1が充填されている。また、ペレット1は炉本体5の内部空間にかまぼこ状に収容される。
電極芯3,3間に電流を流し、発熱体2を通電加熱することで、発熱体2の周囲において下記式(1)で示される直接還元反応が起こり、炭化珪素(SiC)のウィスカーがペレット間の空隙において生成する。
SiO+3C → SiC+2CO (1)
なお、アチソン炉は開放型の炉であるが、反応は発熱体の周囲から外側に向かって始まるので、非酸化性雰囲気下の条件を維持することができる。
上記反応が行われる温度は、好ましくは1600〜3000℃、より好ましくは1600〜2500℃である。
得られる炭化珪素ウィスカーはα型、またはβ型の結晶からなる。
発熱体周辺の高温側ではα型の結晶が優先的に生成されるが、低温側では、β型の結晶が優先的に生成される。例えば、加熱温度を1600〜1800℃程度に調整することで、β型を多く含む炭化珪素ウィスカーを得ることができる。
得られた高純度炭化珪素ウィスカーは、目標とする純度に応じて、鉱酸による洗浄を行うことができる。鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が使用できる。
本発明の製造方法に用いられるアチソン炉の発熱体の種類は、特に限定されないが、電気を通すことができればよく、例えば黒鉛粉、カーボンロッドが挙げられる。発熱体中の炭素以外の不純物の含有率(B、P等の含有率の合計)は、上述した珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレット中に含まれる不純物の含有率よりも小さいことが好ましい。具体的には、発熱体中の不純物の含有率は好ましくは120ppm以下、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、特に好ましくは25ppm以下である。発熱体中の不純物の含有率を、ペレット中の不純物の含有率よりも小さくすることで、より高純度の炭化珪素ウィスカーを得ることができる。
発熱体の形態は、上述したように電気を通すことができればよく、粉状でも棒状でもよい。また、棒状の場合、該棒状体の形態も特に限定されず、円柱状でも角柱状でもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
(1)珪酸質原料;非晶質シリカ(太平洋セメント(株)製)
(2)炭素質原料;カーボンブラック(東海カーボン(株)製、商品名「シ―スト600」)
(3)発熱体;発熱体用黒鉛粉(太平洋セメント(株)製の試製品)
(4)結合剤:ポリビニルアルコール(関東化学(株)製、特級)
上記材料を使用して、以下の材料を調製した。
(5)発熱体用黒鉛;上記発熱体用黒鉛粉を非酸化性雰囲気下で、2,000℃の条件で焼成することを2回繰り返すことで得た。
(6)(i)ペレット状の混合原料A;珪酸質原料57質量部と、炭素質原料43質量部を混合した後、この粉体混合原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(20質量%)水溶液を1.0量部添加して、造粒機を用いてペレット状にした。
また、ガス置換式密度計((株)島津製アキュピック1330)によってペレットの真密度を求めた。
(ii)ペレット状の混合原料B;珪酸質原料60質量部と、炭素質原料40質量部を混合した後、この粉体混合原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(20質量%)水溶液を1.0質量部添加して、造粒機を用いてペレット状にした。
また、ガス置換式密度計((株)島津製アキュピック1330)によってペレットの真密度を求めた。
(iii)ペレット状の混合原料C;珪酸質原料63質量部と、炭素質原料37質量部を混合した後、この粉体混合原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(20質量%)水溶液を1.0質量部添加して、造粒機を用いてペレット状にした。
また、ガス置換式密度計((株)島津製アキュピック1330)によって前記各ペレットの真密度を求めた。
さらに、上述した材料の化学成分を以下のように分析した。結果を表1、及び2に示す。
2.分析方法
(1)B(ホウ素)及びP(リン)の含有率の分析方法
土壌中のB(ホウ素)の分析方法(BUNSEKI KAGAKU VOL47,No7,pp451−454参照)であるアルカリ溶融法によるICP−AES分析に基づいて珪酸質原料、炭素質原料、発熱体用黒鉛、及びペレット状の混合原料の各々についてB及びPの含有率を測定した。
具体的には、試料1gおよびNaCO4gを白金ルツボに入れた後、この白金ルツボを電気炉内に載置して700℃で1時間加熱した。次いで1時間ごとに、白金ルツボ内の混合物を撹拌しながら、800℃で4時間加熱し、さらに1000℃で15分間加熱した。加熱後の混合物(融成物)に50質量%のHClを20ml添加し、ホットプレートを用いて、140℃で10分間融成物を崩しながら溶解した。水を加えて100mlにメスアップした後、ろ過を行い、得られた固形分に対して、ICP−AES分析を行った。得られた結果を表1および2に示す。
(2)B及びP以外の元素(Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn)の含有率の分析方法
「JIS R 1616」に記載された加圧酸分解法によるICP−AES分析に基づいて測定した。得られた結果を表1および2に示す。
なお、表1の珪酸質原料の前記9つの元素(B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn)以外の不純物の合計含有率、炭素質原料の前記9つの元素以外の不純物の合計含有率、発熱体用黒鉛の前記9つの元素以外の不純物の合計含有率、及び表2のペレットA〜Cの各々の前記9つの元素以外の不純物の合計含率は、各々0.5ppm以下であった。
Figure 2013112544
Figure 2013112544
[実施例、比較例]
図1及び図2に記載されたアチソン炉の中へ、表2に記載されたペレット、及び発熱体用黒鉛を収容した後、通電加熱し、高純度炭化珪素ウィスカーを生成させた。得られた炭化珪素ウィスカー中の不純物(B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn)の含有率を、上述した分析方法を用いて測定した。結果を表3に示す。
なお、表3の高純度炭化珪素ウィスカーの前記9つの元素(B、P、Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZn)以外の不純物の合計含有率は、各々0.5ppm以下であった。
該各ペレット200gを、500mlのメスシリンダーに充填して、3Gで30秒間振動させた後のペレットの体積を測定し、かさ密度を求めた。該かさ密度を真密度で除した値を表3に示す。
Figure 2013112544
1 ペレット
2 発熱体用黒鉛
3 電極芯
4 アチソン炉
5 炉本体

Claims (6)

  1. B及びPの各々の含有率が1ppm以下であることを特徴とする高純度炭化珪素ウィスカー。
  2. Al、Fe、Ti、V、Cu、Ni、及びZnの各々の含有率が1ppm以下である請求項1に記載の高純度炭化珪素ウィスカー。
  3. 珪酸質原料と炭素質原料の混合物からなるペレットを、非酸化性雰囲気下で加熱して高純度炭化珪素ウィスカーを得る方法であって、
    上記ペレットのかさ密度を上記ペレットの真密度で除した値が0.5〜0.8となるように上記ペレットを集合させて、上記加熱を行う、高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
  4. 上記珪酸質原料の珪素及び酸素以外の不純物の含有率が20ppm以下であり、かつ、上記炭素質原料の炭素以外の不純物の含有率が35ppm以下である請求項3に記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
  5. アチソン炉を用いて上記加熱を行う請求項3または4に記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
  6. 上記炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)が2.9〜4.0である請求項3〜5のいずれか1項に記載の高純度炭化珪素ウィスカーの製造方法。
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