JP6517032B2 - 熱硬化性接着組成物、及び熱硬化性接着シート - Google Patents

熱硬化性接着組成物、及び熱硬化性接着シート Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板の接地端子を金属板に接続し、補強するための導電性の熱硬化性接着組成物、及び熱硬化性接着シートに関する。
従来、フレキシブルプリント配線板を金属板に接着させ、補強するとともに、フレキシブルプリント配線板の接地端子を金属板に接地させ、シールドすることが行われている。フレキシブルプリント配線板と金属板との接着には、導電性の熱硬化性接着組成物が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
また、接地端子などには金メッキが施され、金メッキ面に対する接着力の向上が望まれている。金メッキ面に対する接着力向上には、硫黄を含有させることが有効であるが、シート状にするために配合されたゴム成分が加硫してしまい、接着力を向上させるのが困難であった。
特開2011−79959号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、金メッキ面に対して高い接着力が得られる熱硬化性接着組成物、及び熱硬化性接着シートを提供する。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を添加し、ゴム成分をエポキシ樹脂及びポリアミド樹脂の合計に対して所定量添加することにより、ゴム成分の加硫が抑制され、金メッキ面に対して高い接着力が得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る熱硬化性接着組成物は、ゴム成分と、エポキシ樹脂と、ポリアミド樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含有し、前記エポキシ樹脂が、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含み、前記ゴム成分の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、75〜120質量部であり、前記ゴム成分が、ニトリルゴムと、アクリルゴムとを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る熱硬化性接着シートは、ゴム成分と、エポキシ樹脂と、ポリアミド樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含有し、前記エポキシ樹脂が、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含み、前記ゴム成分の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、75〜120質量部であり、前記ゴム成分が、ニトリルゴムと、アクリルゴムとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分の加硫が抑制され、金メッキ面に対して高い接着力を得ることができる。
図1は、熱硬化性接着シートを用いた接続方法を示す斜視図である。 図2は、熱硬化性接着シートを用いた接続構造体の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.熱硬化性接着組成物
2.熱硬化性接着シート
3.実施例
<1.熱硬化性接着組成物>
本実施の形態に係る熱硬化性接着組成物は、ゴム成分(A)と、エポキシ樹脂(B)と、ポリアミド樹脂(C)と、エポキシ樹脂硬化剤(D)とを含有する。以下、熱硬化性接着組成物の各成分(A)〜(D)について詳細に説明する。
[(A)ゴム成分]
ゴム成分は、フィルム成形時に成膜性を付与し、硬化物に可撓性、強靭性を付与するものである。ゴム成分としては、アクリルゴム(ANM:アルキル(メタ)アクリレートとアクリロニトリル(AN)との共重合体)、ニトリルゴム(NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙られ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニトリルゴムと、アクリルゴムとを併用することが好ましい。
ニトリルゴムは、械的な性能及び弾性が優れるため、仮貼り性を向上させることができる。ニトリルゴムの添加量は、ゴム成分75〜120質量部に対し、15〜35質量部であることが好ましい。添加量が少なすぎると仮貼り性が低下する傾向にあり、添加量が多すぎると高温環境下や高温高湿環境下における導通抵抗が上昇する傾向にある。
アクリルゴムは、アルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル(AN)、及びグリシジルメタクリレート(GMA)を共重合させたものであることが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート(アクリル酸エステル)又はメタクリレート(メタクリル酸エステル)を意味する。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、電子部品分野に適用されている従来のアクリル系熱硬化性接着剤で使用されているものから適宜選択して使用することができ、例えば、炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙られ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を用いることが好ましい。
アクリルゴムを構成する全モノマー中のアルキル(メタ)アクリレートの量は、少なすぎると基本特性が低下し、多すぎると耐熱性が低下する傾向があるので、好ましくは55〜80wt%である。
また、アクリルゴムを構成する全モノマー中のアクリロニトリル(AN)の量は、少なすぎると耐熱性が低下し、多すぎると溶剤に溶解し難くなる傾向があるので、好ましくは15〜30wt%である。
また、アクリルゴムを構成する全モノマー中のグリシジルメタクリレート(GMA)の量は、少なすぎると耐熱性が低下し、多すぎると剥離強度が低下する傾向があるので、好ましくは5〜15wt%である。
アクリルゴムの重合方法としては、特に限定されないが、高分子量を得る観点からパール重合を用いることが好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、小さすぎると耐熱性が低下し、大きすぎると溶液粘度が上がり、塗布性が悪化する傾向があるので、好ましくは500000〜700000、より好ましくは550000〜650000である。
ゴム成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂(B)15〜60質量部に対し、75〜120質量部である。ゴム成分が前記範囲内であることにより、シート状に製膜可能であるとともに、接着力を向上させることが可能となる。
[(B)エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、3次元網目構造を形成し、良好な耐熱性、接着性を付与するものであり、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含む。芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含むことにより、ゴム成分の加硫を抑制するとともに、金メッキ面に対して高い接着力を得ることができる。芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0006517032
一般式(I)中、Rは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の正数を示す。一般式(I)で示されるエポキシ樹脂の中でも、Rのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’位がtert−ブチル基であり、6,6’位がメチル基であり、それ以外が水素原子であるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば商品名「YSLV−120TE」(新日鉄住金化学(株))などが挙げられる。
また、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂以外に、さらに、他のエポキシ樹脂が含有されていることが好ましい。他のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂などが挙られ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば商品名「HP7200」(DIC(株))などが挙げられる。
エポキシ樹脂(B)の含有量は、ゴム成分(A)75〜120質量部に対し、15〜60質量部であることが好ましい。また、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(B)15〜60質量部に対し、5〜20質量部であることが好ましい。これにより、金、SUS、アルミニウムなどの金属に対して優れた接着性を得ることができる。
[(C)ポリアミド樹脂]
ポリアミド樹脂は、末端に反応性官能基を有する。これにより、エポキシ樹脂と架橋することが可能なため、耐熱性が向上し、SUS、アルミニウム、金などの金属に対して高い接着力を得ることができる。
反応性官能基としては、エポキシ樹脂と反応するアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの中でも、特に、末端にアミノ基を有するポリアミノアミドを用いることが好ましい。
ポリアミド樹脂(C)の含有量は、少なすぎると剥離強度が低下し、多すぎると靱性が低下する傾向があるので、ポリアミド樹脂(C)の含有量は、エポキシ樹脂(B)15〜60質量部に対し、5〜15質量部であることが好ましい。
[(D)エポキシ樹脂硬化剤]
エポキシ硬化剤としては、通常用いられる公知の硬化剤を使用することができる。例えば、有機酸ジヒドラジド、ジシアンジアミド、アミン化合物、ポリアミドアミン化合物、シアナートエステル化合物、フェノール樹脂、酸無水物、カルボン酸、三級アミン化合物、イミダゾール、ルイス酸、ブレンステッド酸塩、ポリメルカプタン系硬化剤、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、潜在性硬化剤などが挙げられ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、常温保管性の観点から有機酸ジヒドラジドを用いることが好ましい。
有機酸ジヒドラジドは、常温で固体であるため熱硬化性接着組成物の常温保管性を向上させることができる。有機酸ジヒドラジドとしては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、アミキュアVDH、アミキュアUDH(商品名、味の素(株)製)、クエン酸トリヒドラジドなどが挙げられ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも比較的低融点であり、硬化性のバランスに優れ、入手が容易であるという点から、アジピン酸ジヒドラジドを用いることが好ましい。
また、有機酸ジヒドラジドの平均粒子径は、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜5μmである。平均粒子径が小さすぎると熱硬化性接着組成物の塗布のために有機溶剤を使用した場合に有機酸ジヒドラジド粒子が溶解して常温保管性が低下する傾向にあり、平均粒子径が大きすぎると熱硬化性接着組成物の塗布性が低下し、また、粒度が大きいため、アクリル系共重合体やエポキシ樹脂と十分に混合することが困難となる。
エポキシ樹脂硬化剤(D)の含有量は、少なすぎると未反応のエポキシ基が残り、架橋も十分でないため、耐熱性、接着性が低下し、多すぎると過剰の硬化剤が未反応のまま残るため、耐熱性、接着性が低下する傾向があるため、エポキシ樹脂(B)15〜60質量部に対し、7〜12質量部であることが好ましい。
[導電性フィラー]
また、熱硬化性接着組成物に導電性フィラーを配合することにより、接地端子などの金メッキ面に対し、高い接着力を有する導電性接着剤として好適に用いることができる。導電性フィラーとしては、例えば、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子を挙げることができる。また、金属粒子の表面に各種金属を電解法、液相還元法などにより被覆した、銅コート銅粉、銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉などを用いてもよい。また、導電性フィラーの形状としては、例えば、球状、薄片状、フィラメント状、樹枝状(デンドライト)などが挙げられ、これらの中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、電気接点の増加の点から、樹枝状の導電性フィラーを用いることが好ましい。
ここで、樹枝状とは、デンドライトとも呼ばれ、樹木の枝のような形状を意味し、主枝及び側枝を有する。樹枝状の導電性フィラーは、主枝及び側枝が互いに絡み易いため、屈曲又は変形による導電層内の導電フィラー同士の離間に対し、電気接点の低下を抑制することができる。
また、樹枝状の導電性フィラーのタップ密度は、1.0〜1.8g/cmであり、より好ましくは1.1〜1.6g/cmであることが好ましい。タップ密度が小さすぎると加熱プレスによる熱硬化性接着組成物のレジンフロー(はみ出し)が増加する傾向にあり、タップ密度が大きすぎると導電性フィラーの充填が過密となり、高温環境下や高温高湿環境下における導通安定性が低下する傾向にある。なお、タップ密度は、JIS Z 2512で規定される方法により測定される。具体的には、容器内に規定量の粉末を入れ、タッピング装置を用い、粉末の体積がそれ以上減少しないところまでタップし、粉末の質量をタップ後の粉末体積で除した密度である。
樹枝状の導電性フィラーは、例えば、電解法、液相還元法などによって、金属粉に主枝及び側枝を形成することにより得ることができる。金属粉としては、銅粉、銀粉、ニッケル粉などが挙げられ、主枝及び側枝としては、銅、銀、金などが挙げられる。すなわち、樹枝状の導電フィラーとしては、銅コート銅粉、銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉などが挙げられ、これらの中でも、銀コート銅粉を用いることが好ましい。
導電性フィラーの平均粒径は、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜15μmである。平均粒径が小さすぎると導通性の確保が困難となり、平均粒径が大きすぎるとフィルムの薄膜化が困難となる。ここで、導電性フィラーの平均粒径は、例えばレーザ回折散乱法による粒子径分布測定結果から算出した篩下積算分率の50%の粒子径D50である。また、導電性フィラーの含有量は、少なすぎても多すぎても導通性が低下する傾向があるため、エポキシ樹脂(B)15〜60質量部に対し、180〜260質量部であることが好ましい。
[他の添加物]
また、熱硬化性接着組成物に配合する他の添加物として、必要に応じて、有機フィラー、無機フィラー、熱伝導性粒子、膜形成樹脂、各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、シランカップリング剤などを配合してもよい。
このような成分から構成される熱硬化性接着組成物は、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が配合されているため、ゴム成分の加硫を防止し、金メッキ面に対して高い接着力を得ることができる。
<2.熱硬化性接着シート>
本実施の形態に係る熱硬化性接着シートは、ゴム成分(A)と、エポキシ樹脂(B)と、ポリアミド樹脂(C)と、エポキシ樹脂硬化剤(D)とを含有する。各成分(A)〜(D)は、前述の熱硬化性接着組成物と同様であるため、ここでは説明を省略する。
前述の熱硬化性接着組成物は、常法により均一に混合することにより調製することができる。そして、熱硬化性接着組成物を、基材フィルム上にバーコーター、ロールコーターにより乾燥厚が10〜60μmとなるように塗布し、常法により乾燥することにより熱硬化性の接着層有する熱硬化性接着シートを製造することができる。
基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルムなどの基材に必要に応じてシリコーンなどで剥離処理した剥離基材を用いることができる。
このような熱硬化性接着シートは、例えば、フレキシブルプリント配線板の端子部と、その裏打ちするためのポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ガラスエポキシ、ステンレス、アルミニウムなどの厚さ50μm〜2mmの補強用シートとを接着固定するために好ましく適用できる。また、熱ラミネートにより容易に補強用シートと密着させることができるため、作業性を向上させることができる。
図1及び図2は、熱硬化性接着シートを用いた接続例を示す図である。図1及び図2に示すように、熱硬化性接着シートを用いた接続構造体は、フレキシブルプリント配線板10と金属板30とを熱硬化性接着シート20で接着させたものである。
フレキシブルプリント配線板10は、基材12と配線13と接着層14と保護層15とがこの順番に積層され、端部に接地端子11を有する。このフレキシブルプリント配線板10は、例えば、基材12としてポリイミド、配線13として銅、保護層15としてポリイミドなどで構成され、接地端子11の表面は金メッキされる。
熱硬化性接着シート20を用いてフレキシブルプリント配線板10を金属板30に接着させることにより、フレキシブルプリント配線板10を補強するとともに、フレキシブルプリント配線板10の接地端子11を金属板30に接地させ、シールドすることができる。特に、前述した熱硬化性接着シートは、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が配合されているため、ゴム成分の加硫を防止し、金メッキ面に対して高い接着力を得ることができ、高信頼性の接続構造体を得ることができる。
<3.実施例>
本実施例では、熱硬化性接着シートを作製し、金メッキ基板、SUS基板に対する接着力ついて検証した。熱硬化性接着シートは、下記成分を用いて熱硬化性接着組成物を調製した。熱硬化性接着組成物を剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)に塗布し、50〜130℃の乾燥炉中で乾燥し、35μm厚の熱硬化性接着層を有する熱硬化性接着シートを作製した。そして、熱硬化性接着シートを用いて試験片を作製し、熱硬化性接着シートの接着力として剥離強度を測定した。
NBR:ニポール1001、日本ゼオン(株)
アクリルゴム:ブチルアクリレート(BA)、エチルアクリレート(EA)を含むアルキル(メタ)アクリレート66wt%、アクリロニトリル(AN)24wt%、及びグリシジルメタクリレート(GMA)10wt%を共重合させたアクリル系共重合体
チオエーテル型エポキシ樹脂:YSLV−120TE、新日鉄住金化学(株)、固形タイプ
脂環型エポキシ樹脂:HP7200、DIC(株)、DCPD型
ビスフェノールF型エポキシ樹脂:EP806、三菱化学(株)、液状タイプ
ナフタレン型エポキシ樹脂:ESN175、新日鉄住金化学(株)
ポリアミド樹脂:トーマイド558、(株)T&K TOKA、ポリアミノアミド
エポキシ樹脂硬化剤:アジピン酸ジヒドラジド
導電性粒子:樹脂状銅粉、平均粒径10μm
[剥離強度の測定]
熱硬化性接着シートを短冊(2cm×5cm)にカットし、その一方の面の熱硬化性接着層を1.5cm×40cmの金メッキ基板又はSUS基板に140℃に設定したラミネーターで仮貼りした後、剥離基材を取り除いて他方の面の熱硬化性接着層を露出させた。露出させた熱硬化性接着層に対し、同じ大きさの50μm厚のポリイミドフィルムを上から重ね合わせ、真空プレス機(Vacuum Star、ミカドテクノス社製)を用い、温度185℃、圧力4.0MPa、真空保持時間10秒+プレス時間90秒という条件で熱プレスした後、140℃のオーブン中に60分間保持した。その後、ポリイミドフィルムに対し、剥離速度50mm/minで90度剥離試験を行い、引き剥がすのに要した力を剥離強度として測定した。剥離強度は、10N/cm以上であることが望ましい。
<実施例1>
表1に示すように、NBR20質量部と、アクリルゴム65質量部と、チオエーテル型エポキシ樹脂10質量部と、脂環型エポキシ樹脂30質量部と、ポリアミド樹脂10質量部と、導電性粒子190質量部と、エポキシ硬化剤8.5質量部とを含有する熱硬化性接着組成物を用いて熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は12N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は15N/cmであった。
<実施例2>
表1に示すように、NBR15質量部と、アクリルゴム60質量部と、チオエーテル型エポキシ樹脂5質量部と、脂環型エポキシ樹脂10質量部と、ポリアミド樹脂5質量部と、導電性粒子180質量部と、エポキシ硬化剤7質量部とを含有する熱硬化性接着組成物を用いて熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は10N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は13N/cmであった。
<実施例3>
表1に示すように、NBR30質量部と、アクリルゴム90質量部と、チオエーテル型エポキシ樹脂20質量部と、脂環型エポキシ樹脂40質量部と、ポリアミド樹脂15質量部と、導電性粒子260質量部と、エポキシ硬化剤12質量部とを含有する熱硬化性接着組成物を用いて熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は11N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は14N/cmであった。
<比較例1>
表1に示すように、NBRを配合しなかった以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は6N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は10N/cmであった。
<比較例2>
表1に示すように、アクリルゴムを配合しなかった以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製したところ、製膜することができなかった。
<比較例3>
表1に示すように、チオエーテル型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールF型エポキシ樹脂を10質量部配合した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は8N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は12N/cmであった。
<比較例4>
表1に示すように、チオエーテル型エポキシ樹脂の代わりにナフタレン型エポキシ樹脂を10質量部配合した以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は6N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は11N/cmであった。
<比較例5>
表1に示すように、ポリイミド樹脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様に熱硬化性接着シートを作製した。この熱硬化性粘着シートの金メッキ基板に対する剥離強度は7N/cmであり、SUS基板に対する剥離強度は8N/cmであった。
Figure 0006517032
比較例1のようにゴム成分の添加量が少ない場合、高い剥離強度が得られず、また、比較例2のように製膜が困難となった。比較例3,4のようにチオエーテル型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールF型エポキシ樹脂又はナフタレン型エポキシ樹脂を配合した場合、SUS基板に対し、高い剥離強度が得られたものの、金メッキ基板に対し、高い剥離強度が得られなかった。また、比較例5のようにポリイミド樹脂を配合しなかった場合、金メッキ基板、SUS基板の両者に対し、高い剥離強度が得られなかった。
一方、実施例1〜3のように、チオエーテル型エポキシ樹脂を配合し、ゴム成分の含有量が、エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、75〜120質量部の範囲である場合、金メッキ基板、SUS基板の両者に対し、高い剥離強度が得られた。
10 フレキシブルプリント配線板、11 接地端子、12 基材、13 配線、14 接着層、15 保護層、20 熱硬化性接着シート、30 金属板

Claims (8)

  1. ゴム成分と、エポキシ樹脂と、ポリアミド樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含有し、
    前記エポキシ樹脂が、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含み、
    前記ゴム成分の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、75〜120質量部であり、
    前記ゴム成分が、ニトリルゴムと、アクリルゴムとを含む熱硬化性接着組成物。
  2. 前記芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が、下記一般式(I)で示される請求項記載の熱硬化性接着組成物。
    Figure 0006517032


    一般式(I)中、Rは水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0〜10の正数を示す。
  3. 前記芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、5〜20質量部である請求項1又は2記載の熱硬化性接着組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂が、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂をさらに含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性接着組成物。
  5. 前記ポリアミド樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、5〜15質量部である請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性接着組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂硬化剤が、有機酸ジヒドラジドである請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性接着組成物。
  7. 導電性粒子をさらに含有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性接着組成物。
  8. ゴム成分と、エポキシ樹脂と、ポリアミド樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含有し、
    前記エポキシ樹脂が、芳香族チオエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含み、
    前記ゴム成分の含有量が、前記エポキシ樹脂15〜60質量部に対し、75〜120質量部であり、
    前記ゴム成分が、ニトリルゴムと、アクリルゴムとを含む熱硬化性接着シート。
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