JP6508059B2 - 制御装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

制御装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
共振器内に非線形光学素子を配して、共振器内部の高いパワー密度を利用して効率よく当該非線形光学素子による波長変換を行うようにしたレーザー光発生装置が提案されている。
このようなレーザー光発生装置に用いられる共振器では、例えば、当該共振器を構成する少なくとも一対の対向するミラー間に非線形光学素子を配し、この共振器に基本波レーザー光を入射させて、当該レーザー光を非線形素子に通過させる。このとき、ミラー間の距離(即ち、共振器内の光路長)が、入射したレーザー光の整数倍となるように制御されることで、当該レーザー光が共振器内で共振してレーザー発振が生じる。
例えば、特許文献1には、上記に示したような共振器を用いたレーザー光発生装置の一例が開示されている。特許文献1に係るレーザー光発生装置は、共振器を構成するミラーの位置を光軸方向に移動できるように構成し、当該共振器の入射レーザー光に対する共振器長のずれに比例した誤差信号に基づき、当該ミラーの位置をサーボ制御している。このような構成とすることで、特許文献1に係るレーザー光発生装置では、入射したレーザー光が共振器内で共振する条件を満たすように当該共振器の光路長が自動制御され、共振器の入射レーザー光に対する共振動作が安定化する。
特開平6−53593号公報
一方で、近年では、レーザー光源として、半導体レーザーのようにマルチモードで発振するレーザー光源を使用する場合が少なくない。このようにマルチモードで発振するレーザー光源を用いる場合には、当該レーザー光源を外部共振器と組み合わせ、当該外部共振器の共振器長を調整して所望のモードで共振させることで、シングルモードに近い特性の光源として使用する場合がある。
マルチモードで発振するレーザー光源を用いた場合には、共振器からの漏れ光の影響がモードよって異なる場合が少なくはなく、モードに応じて共振器から出力されるレーザー光の強度が異なる場合がある。このような場合には、共振器からの漏れ光をより少なくして効率よく共振可能なモードで共振させることで、より強度の高いレーザー光を得ることが可能となる。
しかしながら、必ずしもレーザー光の強度が最大となるモードで共振するように共振器の光路長が制御されているとは限らず、このような場合には、レーザー光源の性能を十分に活かしきれていない可能性が少なからずある。
そこで、本開示では、より強度の高いレーザー光を得ることが可能なモードで共振するように共振器の光路長を制御することが可能な、新規かつ改良された制御装置、制御方法、及びプログラムを提案する。
本開示によれば、少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させる駆動部と、前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御する制御部と、を備えた、制御装置が提供される。
また、本開示によれば、駆動部が、少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させることと、プロセッサが、前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御することと、を含む、制御方法が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータに、少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器の、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させるステップと、前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御させるステップと、を含む、プログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、より強度の高いレーザー光を得ることが可能なモードで共振するように共振器の光路長を制御することが可能となる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の実施形態に係るレーザー光発生装置の概略的な構成の一例を示した構成図である。 マルチモード発振するレーザー光源を用いた場合のサーボの引き込みについて説明するための説明図である。 比較例に係る制御部の機能構成の一例を示したブロック図である。 比較例に係る制御部によるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図である。 本開示の実施形態に係る制御部の機能構成の一例を示したブロック図である。 駆動信号の生成に係る処理の詳細について説明するための説明図である。 同実施形態に係る制御部によるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図である。 同実施形態に係る制御部によるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図である。 同実施形態に係る制御部の一連の動作の流れを示したフローチャートである。 サーボの引き込みに係る一連の動作の流れを示したフローチャートである。 変形例に係るレーザー光発生装置の概略的な構成の一例を示した構成図である。 変形例に係る制御部の動作の概要について説明するための説明図である。 変形例に係る制御部の一連の動作の流れを示したフローチャートである。 本開示の実施形態に係るレーザー光発生装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.レーザー光発生装置の構成
2.サーボの引き込み
3.比較例に係る制御部
3.1.制御部の構成
3.2.サーボの引き込み動作
3.3.比較例に係るサーボの引き込み動作の課題
4.本実施形態に係る制御部
4.1.制御部の構成
4.2.サーボの引き込み動作
4.3.処理の流れ
4.4.作用効果
5.変形例
5.1.レーザー光発生装置の構成
5.2.処理の流れ
5.3.作用効果
6.ハードウェア構成
7.まとめ
<1.レーザー光発生装置の構成>
まず、図1を参照して、本開示の実施形態に係るレーザー光発生装置の構成について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るレーザー光発生装置の概略的な構成の一例を示した構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るレーザー光発生装置1は、発振器11と、光源ユニット50と、ミラー501及び503と、共振器20と、アイソレーター40と、光検出器41と、駆動部30と、制御部10とを含む。
光源ユニット50は、レーザー光源51と、位相変調器52と、ドライバ(駆動回路)53とを含む。
レーザー光源51は、レーザー光を出力するものであり、各種のレーザーにより構成することが可能である。本実施形態に係るレーザー光発生装置1では、レーザー光源51として、例えば、半導体レーザーのようにマルチモード発振するものを用いる。
位相変調器52は、例えば、EO(電気光学)素子や、AO(音響光学)素子からなる。位相変調器52には、発振器11からの周波数fmの変調信号がドライバ53によって供給される。位相変調器52は、ドライバ53から供給された変調信号により、レーザー光源51からのレーザー光を変調し、変調されたレーザー光L1を外部に出射する。
なお、位相変調器52は、ドライバ53からの制御に基づき間欠駆動されることで、レーザー光源51からのレーザー光を、パルスレーザー光として出力するように構成されていてもよい。
また、上記に示す光源ユニット50の構成は、あくまで一例であり、上記に示した構成には必ずしも限定されない。例えば、レーザー光源51として半導体レーザーを用いる場合には、位相変調器52を設けずに、ドライバ53が、変調信号に基づきレーザー光源51を直接駆動することで、変調されたレーザー光L1を出射させる構成としてもよい。
光源ユニット50から出射されたレーザー光L1は、ミラー501及び503を経てアイソレーター40に導光され、アイソレーター40を透過し、インプットカプラー201から共振器20の内部に入射する。なお、光源ユニット50から出射されたレーザー光L1を、アイソレーター40を経て共振器20の内部に導光させることが可能であれば、光路中に配置される光学系の構成は、ミラー501及び503には限定されないことは言うまでもない。
アイソレーター40は、光源ユニット50と共振器20との間に介在し、光源ユニット50からのレーザー光L1を共振器20に向けて透過させる。また、アイソレーター40は、共振器20からの反射光(漏れ光)L3を、光源ユニット50とは異なる方向に配置された光検出器41に向けて反射させることで、当該反射光L3が光源ユニット50に入射すことを防止している。
光検出器41は、例えば、PD(Photo Detector)からなる。光検出器41は、アイソレーター40を経て導光された共振器20からの反射光L3を検出する。なお、光検出器41により検出された反射光L3は、後述する制御部10により同期検波される。
共振器20は、所謂、光パラメトリック発振器(OPO:Optical Parametric Oscillation)であり、光源ユニット50からのレーザー光L1を内部で共振させるとともに、当該レーザー光L1の波長を変換し、波長が変換されたレーザー光L2を出力する。以下に、共振器20の詳細な構成について説明する。なお、以降では、共振器20に入射するレーザー光を「励起レーザー光」と呼び、波長が変換されて共振器20から出力されるレーザー光を「OPOレーザー光」と呼ぶ場合がある。
共振器20は、インプットカプラー201と、ミラー203、205、及び207と、ダイクロイックミラー209と、アウトプットカプラー211と、非線形光学素子213とを含む。インプットカプラー201及びアウトプットカプラー211は、一般的には、数%の透過率を有するパーシャルリフレクター(部分反射鏡)である。
また、ミラー203とミラー205との間には、非線形光学素子213が配されている。
非線形光学素子213は、例えば、KTP(KTiOPO)、LN(LiNbO)、QPMLN(疑似位相整合LN)、BBO(β−BaB)、LBO(LiB)、KN(KNbO)等が用いられる。
非線形光学素子213は、一例として、入力されたレーザー光(即ち、励起レーザー光L1)を2つの波長に変換する。そして、変換した2つの波長のうち、少なくとも一方の波長(例えば、長波長)のレーザー光が、OPOレーザー光L2として、共振器20内で共振し、アウトプットカプラー211から共振器20の外部に出力されることとなる。
また、インプットカプラー201と、ミラー203との間にはダイクロイックミラー209が配されている。ダイクロイックミラー209は、ミラー203によりインプットカプラー201に向けて反射された光のうち、励起レーザー光L1をインプットカプラー201に向けて透過させ、OPOレーザー光L2をアウトプットカプラー211に向けて反射させる。このような構成により、本実施形態に係る共振器20は、励起レーザー光L1と、OPOレーザー光L2とが異なる光路を経て共振器20内を導光される。以下に、共振器20内における励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2の光路の詳細について、それぞれ説明する。
まず、励起レーザー光L1の光路に着目する。インプットカプラー201から共振器内部に入射した励起レーザー光L1は、ダイクロイックミラー209を透過し、ミラー203、非線形光学素子213、及びミラー205を経て、ミラー207に到達し、当該ミラー207で反射される。
また、ミラー207で反射された励起レーザー光L1は、ミラー205、非線形光学素子213、及びミラー203を経て、ダイクロイックミラー209に導光され、当該ダイクロイックミラー209を透過し、インプットカプラー201に導光される。
インプットカプラー201は、導光された励起レーザー光L1の一部を反射させるとともに、他の一部を共振器20の外部に出射させる。このように、共振器20内に入射した励起レーザー光L1は、インプットカプラー201と、ミラー207との間で反射を繰り返す。即ち、インプットカプラー201と、ミラー207との間の光路が、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長(換言すると、共振器長)に相当し、当該光路長を励起レーザー光L1の共振条件に合わせて調整することで、励起レーザー光L1が共振器20内で共振することとなる。
また、インプットカプラー201から共振器20の外部に出射された励起レーザー光は、共振器20からの反射光として、アイソレーター40により光検出器41に向けて導光され、当該光検出器41で検出される。
次に、OPOレーザー光L2の光路に着目する。非線形光学素子213で波長変換された励起レーザー光L1、即ち、OPOレーザー光L2は、ミラー205を経てミラー207に到達し、当該ミラー207で反射される。
また、ミラー207で反射されたOPOレーザー光L2は、ミラー205、非線形光学素子213、及びミラー203を経て、ダイクロイックミラー209に導光され、当該ダイクロイックミラー209で反射されて、アウトプットカプラー211に導光される。
アウトプットカプラー211は、導光されたOPOレーザー光L2の一部を反射させるとともに、他の一部を共振器20の外部に出射させる。このように、共振器20内に入射したOPOレーザー光L2は、アウトプットカプラー211と、ミラー207との間で反射を繰り返す。即ち、アウトプットカプラー211と、ミラー207との間の光路が、共振器20内におけるOPOレーザー光L2の光路長(換言すると、共振器長)に相当し、当該光路長をOPOレーザー光L2の共振条件に合わせて調整することで、OPOレーザー光L2が共振器20内で共振することとなる。
次に、共振器20内における、励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2それぞれの光路長の調整に係る動作について説明する。本実施形態に係る共振器20では、ミラー207は、後述する駆動部30を駆動させることで、当該ミラー207に入射する励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2の光軸方向に沿って位置を調整可能に構成されている。同様に、アウトプットカプラー211は、駆動部30を駆動させることで、当該アウトプットカプラー211に入射するOPOレーザー光L2の光軸方向に沿って位置を調整可能に構成されている。
即ち、ミラー207の位置が調整されることで、励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2それぞれの光路長が調整され、アウトプットカプラー211の位置が調整されることで、OPOレーザー光L2の光路長が調整される。そのため、例えば、励起レーザー光L1の共振条件を満たすようにミラー207の位置が調整され、次いで、OPOレーザー光L2の共振条件を満たすようにアウトプットカプラー211の位置が調整される構成としてもよい。このような順序でミラー207及びアウトプットカプラー211の位置が調整されることで、励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2それぞれについて、共振条件を満たすように光路長を制御することが可能となる。
駆動部30は、例えば、電磁アクチュエーター(VCM:Voice Coil Motor)や、圧電素子構成等のようなアクチュエーターデバイスからなる。なお、以降の説明では、駆動部30として電磁アクチュエーターを用いるものとして説明する。
駆動部30は、後述する制御部10による制御(即ち、制御部10から供給される制御信号)に基づき、ミラー207及びアウトプットカプラー211の位置を調整する。なお、ミラー207及びアウトプットカプラー211それぞれに対して、個々に駆動部30を設ける構成としてもよいことは言うまでもない。
制御部10は、駆動部30の動作を制御することで、ミラー207及びアウトプットカプラー211の位置を制御する。これにより、制御部10は、共振器20内における励起レーザー光L1及びOPOレーザー光L2それぞれの光路長を制御する。
また、制御部10は、少なくとも共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が、当該励起レーザー光L1の共振条件を満たすように、励起レーザー光L1の光路長をサーボ制御する。
具体的には、制御部10は、光検出器41で検出された、共振器20からの反射光L3を、発振器11から供給される周波数fmの信号に基づき、サンプル・アンド・ホールドにより同期検波することで反射信号を得る。
制御部10は、取得した反射信号に基づき、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長と、当該励起レーザー光L1の共振条件を満たす光路長との間のずれを示す誤差信号を、例えば、PDH(Pound-Drever-Hall)法により生成する。なお、当該誤差信号を生成できれば、その方法はPDH法に限定されないことは言うまでもない。
そして、制御部10は、生成した誤差信号を、励起レーザー光L1の光路長をサーボ制御するための引き込み信号として使用し、当該励起レーザー光L1の光路長をサーボ制御する。具体的には、制御部10は、生成した誤差信号に基づき、駆動部30を制御するための駆動信号を生成し、当該駆動信号により駆動部30にミラー207の位置を調整させることで、当該励起レーザー光L1の光路長をサーボ制御する。
なお、制御部10は、例えば、BPU(Basic Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)のような制御ユニットにより構成され得る。また、制御部10は、上記に示した制御を行うためのデータやプログラムを記録するための、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)のようなストレージを備えてもよい。
なお、制御部10による、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長の制御(即ち、ミラー207の位置の制御)に係る動作の詳細については、別途後述する。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るレーザー光発生装置1の構成について説明した。なお、制御部10及び駆動部30は、レーザー光発生装置1の外部の構成として、当該レーザー光発生装置1に外付けする構成としてもよい。また、制御部10及び駆動部30を含む装置が、「制御装置」の一例に相当する。
<2.サーボの引き込み>
次に、本実施形態に係るレーザー光発生装置1の制御部10の詳細について説明するにあたり、まず、図2を参照しながら、レーザー光源51として、半導体レーザーのようにマルチモード発振するものを用いた場合のサーボの引き込みについて概要を説明する。図2は、マルチモード発振するレーザー光源を用いた場合のサーボの引き込みについて説明するための説明図である。
図2において、参照符号g11は、ミラー207の位置を示しており、当該ミラー207の位置に応じて、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が決定される。また、参照符号g21は、参照符号g11で示したミラー207の各位置に対応して得られる反射信号(換言すると、反射光L3のレベルを示す信号)を示している。また、参照符号g31は、反射信号g21に基づく誤差信号を示している。
共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が、当該励起レーザー光L1の共振条件を満たした場合、即ち、当該光路長が励起レーザー光L1の波長の整数倍となった場合に、共振器20からの反射光のレベル(強度)は低下する。そのため、マルチモード発振するレーザー光源を用いた場合には、図2に示すように、反射光のレベルが低下するミラー207の位置、即ち、モード(光路長)が複数存在し、各モードそれぞれに対して誤差信号が生成されることになる。
また、図2に示すように、各モードに対応した反射光のレベルは、モードに応じて異なる傾向にあり、この反射光のレベルが低いモードほど共振器20からの漏れ光が少ないため、より出力の高いOPOレーザー光L2を得ることができる。そのため、図2に範囲g13で示したように、反射信号(即ち、反射光L3のレベル)が最も低くなるモードとなるようにミラー207の位置を調整することが、より望ましいこととなる。
<3.比較例に係る制御部>
次に、従来のレーザー光発生装置を比較例として、当該比較例に係る制御部によるサーボの引き込み方法について説明することで、本実施形態に係るレーザー光発生装置1の課題について整理する。
[3.1.制御部の構成]
まず、比較例に係る制御部10wの構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、比較例に係る制御部10wの機能構成の一例を示したブロック図である。
図3に示すように、比較例に係る制御部10wは、誤差信号生成部101と、レベル検出部103及び105と、サーボ制御部107と、スイッチ109と、位相補償部111と、VCMドライバ113とを含む。
誤差信号生成部101は、光検出器41で検出された共振器20からの反射光L3を、発振器11から供給される周波数fmの信号に基づき、サンプル・アンド・ホールドにより同期検波することで反射信号を得る。誤差信号生成部101は、取得した反射信号に基づき、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長と、当該励起レーザー光L1の共振条件を満たす光路長との間のずれを示す誤差信号を生成する。
なお、誤差信号の生成には、例えば、PDH法を用いるとよい。具体的な一例として、レーザー光源51から出射されるレーザー光の周波数をfc、当該レーザー光の変調周波数をfmとした場合には、位相変調器52による位相変調によりサイドバンドfc±fmが立てられる。誤差信号生成部101は、供給された反射光L3について、周波数fc、fc±fmのビートを検出することで誤差信号を得る。
以上のようにして、誤差信号生成部101は、反射光L3を同期検波することで得られる反射信号に基づき誤差信号を生成し、生成した誤差信号を、レベル検出部105とスイッチ109とに逐次出力する。
レベル検出部103は、共振器20からの反射光L3の検出結果を、光検出器41から所定のサンプリングレート(例えば、発振器11から供給される周波数fm)で逐次取得する。なお、レベル検出部103は、発振器11から供給される周波数fmの信号に基づき、サンプル・アンド・ホールドにより同期検波された反射信号を、反射光L3の検出結果の検出結果として取得してもよい。
そして、レベル検出部103は、取得した検出結果に基づき、反射光L3のレベルを検出する。このとき、検出される反射光L3のレベルは、図2に示すように、ミラー位置の移動に伴い、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が、当該励起レーザー光L1の共振条件を満たすか否かに応じて変化する。レベル検出部103は、検出された反射光L3のレベルが所定の閾値を下回った場合に、レベルの検出結果を示す信号をサーボ制御部107に出力する。
レベル検出部105は、誤差信号生成部101から、生成された誤差信号を逐次取得する。そして、レベル検出部105は、取得した誤差信号のゼロクロスレベルを検出し、当該ゼロクロスレベルの検出タイミングに基づき、各モードに応じた共振器20の共振器長(即ち、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長)のサーボ制御を開始するタイミングを示すサーボトリガを生成する。レベル検出部105は、生成したサーボトリガをサーボ制御部107に逐次出力する。
サーボ制御部107は、レベル検出部105からサーボトリガパルスを逐次取得する。そして、サーボ制御部107は、レベル検出部103から反射光L3のレベルの検出結果を示す信号を取得すると、当該信号を取得したタイミングで供給されたサーボトリガパルスに基づき、サーボの開始を示す信号をスイッチ109に供給する。
スイッチ109は、前段に設けられた誤差信号生成部101と、後段に設けられた位相補償部111との間の接続関係を、サーボ制御部107から供給される信号に基づき切り替え可能に構成されている。具体的には、スイッチ109は、サーボ制御部107からサーボの開始を示す信号が供給されると、オン状態となり、誤差信号生成部101と位相補償部111との間を接続させる。これにより、誤差信号生成部101から出力された誤差信号が位相補償部111に供給される。
位相補償部111は、スイッチ109がオン状態となることで、誤差信号生成部101から誤差信号の供給を受ける。位相補償部111は、誤差信号生成部101からの誤差信号の位相を補償し、位相が補償された誤差信号をVCMドライバ113に供給する。
VCMドライバ113は、位相補償部111から供給される誤差信号に基づき、駆動部30を駆動することで、サーボの引き込み(即ち、ミラー207の位置の調整)を行う。
[3.2.サーボの引き込み動作]
次に、図4を参照しながら、比較例に係る制御部10wによるサーボの引き込み動作の詳細について説明する。図4は、比較例に係る制御部10wによるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図である。なお、図4における参照符号g11、g21、g31、及びg13は、図2における、ミラー207の位置g11、反射信号g21、誤差信号g31、及び反射光L3の検出結果が最も低くなる範囲g13にそれぞれ対応している。
制御部10wは、駆動部30に共振器20内のミラー207の位置を調整させることで、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長を制御し、当該光路長に応じた共振器20からの反射光L3の検出結果を光検出器41から取得する。
制御部10wの誤差信号生成部101は、光検出器41で検出された共振器20からの反射光L3を同期検波して反射信号g21を得る。誤差信号生成部101は、取得した反射信号に基づき誤差信号g31を生成する。
レベル検出部105は、誤差信号生成部101から、生成された誤差信号g31を逐次取得して、当該誤差信号g31のゼロクロスレベルを検出し、ゼロクロスレベルの検出タイミングに基づきサーボトリガg51を生成する。レベル検出部105は、生成したサーボトリガg51をサーボ制御部107に逐次出力する。
また、レベル検出部103は、共振器20からの反射光L3の検出結果を、光検出器41から所定のサンプリングレート(例えば、発振器11から供給される周波数fm)で逐次取得し、検出された反射光L3のレベルを閾値g25と比較する。
なお、閾値g25は、光源ユニット50から出力されるレーザー光L1の出力や、共振器20の特性に応じてあらかじめ決められている。具体的な一例として、あらかじめ実験等により、共振器20からの反射光L3のレベルを測定しておくことで、測定結果で得られた反射光L3の最小値に基づき、閾値g25が決定されればよい。
レベル検出部103は、検出された反射光L3のレベルが所定の閾値g25を下回ったタイミングで、レベルの検出結果を示す信号g41をサーボ制御部107に出力する。
サーボ制御部107は、レベル検出部105から逐次供給されるサーボトリガパルスg51と、レベル検出部103から供給される反射光L3のレベルの検出結果を示す信号g41とに基づき、サーボの開始を示す信号g61をスイッチ109に供給する。具体的な一例として、サーボ制御部107は、レベル検出部103からの信号g41を受けた場合に、当該信号g41を受けたタイミング(信号g41がオン状態となったタイミング)で供給されたサーボトリガg51の立ち上がりを利用して、サーボの開始を示す信号g61をスイッチ109に供給する。
スイッチ109にサーボの開始を示す信号g61が供給されると、スイッチ109はオン状態となり、誤差信号生成部101から出力された誤差信号が位相補償部111に供給される。
位相補償部111は、スイッチ109がオン状態となることで、誤差信号生成部101から誤差信号の供給を受け、当該誤差信号の位相を補償し、位相が補償された誤差信号をVCMドライバ113に供給する。
VCMドライバ113は、位相補償部111から供給される誤差信号に基づき、駆動部30を駆動することで、サーボの引き込み(即ち、ミラー207の位置の調整)を行う。即ち、駆動部30により、図4の参照符号g15に示すように、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が、サーボが開始されたタイミングに対応するモードとなるようにミラー207の位置が調整される。
また、VCMドライバ113による、励起レーザー光L1の光路長のサーボ制御に伴い、共振器20のモードがロックされるため、図4の参照符号g23に示すように、反射光L3のレベルは一定となり、参照符号g33に示すように誤差信号も安定化する。
[3.3.比較例に係るサーボの引き込み動作の課題]
一方で、反射光L3のレベルと閾値g25との比較に基づきサーボの引き込みを行うタイミングを特定する場合には、サーボの引き込みを確実に行うために、閾値g25が、事前の測定により得られた反射光L3の最小値よりも高い値に設定される場合が少なくない。
そのため、比較例に係る制御部10wのように、反射光L3のレベルと閾値g25との比較に基づきサーボの引き込みを行う場合には、レーザー光発生装置を動作させるモードが、反射光L3のレベルが最小となるモードg27と乖離している場合が少なくない。即ち、比較例に係る制御部10wを適用したレーザー光発生装置は、反射光L3のレベルが最小となるモードg27、即ち、OPOレーザー光L2の出力が最大となるモードで動作していない場合があり、レーザー光源の性能を十分に活かしきれない場合があった。
そこで、本実施形態に係るレーザー光発生装置では、より強度の高いレーザー光を得ることが可能なモード、即ち、共振器20からの反射光(漏れ光)が最小となるモードで共振するように共振器の光路長を制御可能とすることを目的とする。以降では、本実施形態に係るレーザー光発生装置1について、特に制御部10の構成に着目して説明する。
<4.本実施形態に係る制御部>
[4.1.制御部の構成]
まず、図5を参照しながら、本実施形態に係る制御部10の構成について説明する。図5は、本実施形態に係る制御部10の機能構成の一例を示したブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る制御部10は、誤差信号生成部101と、レベル検出部103及び105と、スイッチ109と、サーボ制御部121と、ジャンプパルス生成部123と、スイッチ125と、位相補償部111と、VCMドライバ113とを含む。
なお、誤差信号生成部101と、レベル検出部103及び105と、スイッチ109と、位相補償部111と、VCMドライバ113とについては、前述した比較例に係る制御部10w(図3参照)と同様であるため、詳細な説明は省略し概要のみ記載する。
即ち、誤差信号生成部101は、光検出器41で検出された共振器20からの反射光L3を同期検波することで反射信号を取得し、取得した反射信号に基づき誤差信号を生成する。誤差信号生成部101は、生成した誤差信号を、レベル検出部105とスイッチ109とに逐次出力する。
レベル検出部103は、共振器20からの反射光L3の検出結果を、光検出器41から逐次取得し、取得した検出結果に基づき、反射光L3のレベルを検出する。レベル検出部103は、検出された反射光L3のレベルが所定の閾値を下回ったタイミングで、レベルの検出結果を示す信号をサーボ制御部107に出力する。
レベル検出部105は、誤差信号生成部101から、生成された誤差信号を逐次取得して当該誤差信号のゼロクロスレベルを検出し、ゼロクロスレベルの検出タイミングに基づきサーボトリガを生成する。そして、レベル検出部105は、生成したサーボトリガをサーボ制御部107に逐次出力する。
スイッチ109は、誤差信号生成部101とスイッチ125との間に介在し、誤差信号生成部101とスイッチ125との間の接続関係を、サーボ制御部107から供給される信号に基づき切り替え可能に構成されている。即ち、スイッチ109は、サーボ制御部107からサーボの開始を示す信号が供給されると、オン状態となり、誤差信号生成部101とスイッチ125との間を接続させる。これにより、誤差信号生成部101から出力された誤差信号がスイッチ125に供給される。ここまでの動作は、前述した比較例に係る制御部10wと同様である。
スイッチ125は、端子125a〜125cを有している。端子125aは、スイッチ109からの信号線に接続されており、端子125bは、ジャンプパルス生成部123からの信号線に接続されている。また、端子125cは、位相補償部111からの信号線に接続されている。スイッチ125は、端子125cが、端子125a及び125bのいずれかに接続されるように切り替え可能に構成されている。即ち、スイッチ125は、スイッチ109と位相補償部111とが接続されている状態と、ジャンプパルス生成部123と位相補償部111とが接続されている状態とを切り替えることが可能である。スイッチ125の切替えは、サーボ制御部121から供給されるジャンプタイミング信号により制御される。
端子125aには、スイッチ109がオン状態の場合には、誤差信号生成部101からの誤差信号が供給される。即ち、端子125aと端子125cとが接続されるようにスイッチ125が切り替えられた場合には、誤差信号生成部101からの誤差信号が、スイッチ109を経て、位相補償部111に供給されることとなる。
また、端子125bには、ジャンプパルス生成部123からジャンプパルスが供給される。即ち、端子125bと端子125cとが接続されるようにスイッチ125が切り替えられた場合には、ジャンプパルス生成部123からのジャンプパルスが位相補償部111に供給されることとなる。なお、ジャンプパルスの詳細については別途後述する。
サーボ制御部121は、レベル検出部105からサーボトリガパルスを逐次取得する。そして、サーボ制御部121は、レベル検出部103から反射光L3のレベルの検出結果を示す信号を取得すると、当該信号を取得したタイミングで供給されたサーボトリガパルスに基づき、サーボの開始を示す信号をスイッチ109に供給する。また、このときサーボ制御部121は、スイッチ125の端子125aと端子125cとが接続されるように、制御信号を当該スイッチ125に供給する。これによりスイッチ109がオン状態となるとともに、スイッチ125の端子125aと端子125cとが接続され、誤差信号生成部101からの誤差信号が、スイッチ109及びスイッチ125を経て位相補償部111に供給される。
以降は、位相補償部111により誤差信号の位相補償がなされ、位相が補償された誤差信号に基づき、VCMドライバ113が駆動部30を駆動することで、サーボの引き込みがなされる。なお、上記に説明したサーボの初期引き込みに係る制御は、図4に示した、反射光L3のレベルと閾値g25との比較に基づくサーボの引き込み制御と同様である。また、以降では、この反射光L3のレベルと閾値g25との比較に基づくサーボの引き込み制御を、「初期引き込み」と呼ぶ場合がある。
サーボの初期引き込みが完了したら、サーボ制御部121は、設定されたモードが、当該モードとは異なる他のモードに逐次切り替わるように、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長を変化させる。
このとき、サーボ制御部121は、ジャンプパルス生成部123に、モード間をジャンプするようにミラー207の位置を調整するためのジャンプパルスを生成させ、当該ジャンプパルスをスイッチ125の端子125bに供給させる。なお、以降では、モード間をジャンプするようにミラー207の位置を調整する動作を、「モードジャンプ」と記載する場合がある。
また、サーボ制御部121は、ジャンプパルス生成部123が端子125bにジャンプパルスを供給するタイミングに同期して、端子125bと端子125cとが接続されるようにスイッチ125を切り替えるための制御信号(以降では、「ジャンプタイミング信号」と呼ぶ場合がある)を、当該スイッチ125に供給する。
即ち、ジャンプタイミング信号により端子125bと端子125cとが接続されることで、位相補償部111を介したVCMドライバ113への誤差信号の供給が停止し、替わりにジャンプパルスがVCMドライバ113に駆動信号として供給される。これにより、VCMドライバ113は、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長のサーボ制御を一時的に停止し、当該サーボ制御の停止中に、設定されたモードが他のモードに遷移するように、当該光路長を制御する。
以上のようにして、サーボ制御部121は、モードを順次切り替えて、切り替えられたモードごとに、反射光L3のレベルの検出結果をレベル検出部103から取得する。そして、サーボ制御部121は、モードごとに取得した反射光L3のレベルの検出結果に基づき、当該反射光L3のレベルが最小となるモードを特定し、特定したモードで共振するように、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長を制御する。なお、上記に説明した、モードジャンプに係る動作、及び反射光L3のレベルが最小となるモードの特定に係る動作の詳細については、[4.2.サーボの引き込み動作]において別途後述する。
なお、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長が制御された場合、即ち、ミラー207の位置が変動した場合には、共振器20内におけるOPOレーザー光L2の光路長も変動することとなる。そのため、サーボ制御部121は、ミラー207の位置を制御した場合には、当該ミラー207の位置の制御量に応じてアウトプットカプラー211の位置を調整することで、OPOレーザー光L2の光路長をあわせて制御すればよいことは言うまでもない。
以上、図5を参照しながら、本実施形態に係る制御部10の機能構成について説明した。
[4.2.サーボの引き込み動作]
次に、モードジャンプに係る動作と、反射光L3のレベルが最小となるモードの特定に係る動作とについて、図6〜図8を参照しながら説明する。
まず、図6を参照しながら、ジャンプパルスの詳細と、当該ジャンプパルス、ジャンプタイミング信号、及び駆動信号の関係について説明する。駆動信号の生成に係る処理の詳細について説明するための説明図であり、ジャンプパルス、ジャンプタイミング信号、及び駆動信号の概略的なタイムチャートを示している。
図6において、参照符号g31は、誤差信号生成部101により、共振器20からの反射光L3が同期検波されて生成された誤差信号を示している。VCMドライバ113は、当該誤差信号を駆動信号としてミラー207の位置を調整することで、励起レーザー光L1の光路長をサーボ制御することが可能となる。
また、参照符号g71は、ジャンプパルス生成部123により生成されるジャンプパルスを示している。図6に示すように、ジャンプパルスg71は、キックパルスg711と、ブレーキパルスg713により構成されている。
キックパルスg711は、ミラー207の位置を所定の距離だけ移動させるための駆動信号である。キックパルスg711により、ミラー207が移動する距離は、キックパルスg711の振幅Vkとパルス幅Tkと、VCMドライバ113及び駆動部30の特性とにより決定される。そのため、例えば、キックパルスg711の振幅Vk及びパルス幅Tkと、VCMドライバ113及び駆動部30によるミラー207の位置の制御量との関係をあらかじめ調査しておくことで、当該調査結果に基づき、振幅Vk及びパルス幅Tkが決定されるとよい。
また、キックパルスg711の振幅Vkの方向、即ち、正負によりミラー207が移動する方向が制御される。例えば、キックパルスg711の振幅Vkが正の場合に、ミラー207の位置が、共振器20内における励起レーザー光L1の光軸方向に沿って光路長を伸ばす方向に移動するように制御されるとする。この場合には、振幅Vkが負の場合には、ミラー207の位置は、当該光路長を縮める方向に移動するように制御されることとなる。なお、以降では、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長を伸ばす方向を「+(プラス)方向」と呼び、当該光路長を縮める方向を「−(マイナス)方向」と呼ぶ場合がある。
ブレーキパルスg713は、キックパルスg711により移動したミラー207を停止させるために、当該ミラー207の移動方向とは逆方向に向けて制動をかけるための信号である。そのため、ブレーキパルスg713は、キックパルスg711とは正負が反転した信号として形成される。
ブレーキパルスg713により、移動するミラー207に対して制動をかけるための負荷量は、ブレーキパルスg713の振幅Vbとパルス幅Tbと、VCMドライバ113及び駆動部30の特性とにより決定される。そのため、キックパルスg711と同様に、振幅Vb及びパルス幅Tbと、VCMドライバ113及び駆動部30によるミラー207の制御量との関係をあらかじめ調査しておくことで、当該調査結果に基づき、振幅Vb及びパルス幅Tbが決定されるとよい。
以上のように、キックパルスg711とブレーキパルスg713とにより構成されたジャンプパルスg71を、ミラー207の位置調整するための駆動信号とすることで、ミラー207の位置を所定の方向に所定の距離だけ間欠的に移動させることが可能となる。
特に、ジャンプパルス生成部123は、ミラー207の移動距離が、励起レーザー光L1の光軸方向に沿って、当該励起レーザー光L1の1/2波長の整数倍となるように、振幅Vk及びVbとパルス幅Tk及びTbを調整してジャンプパルスg71を生成する。なお、ミラー207が、励起レーザー光L1の1/2波長分だけ光軸方向に沿って移動した場合に、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長は、当該励起レーザー光L1の1波長分変化することとなる。そのため、上述のようにして生成されたジャンプパルスg71に基づきミラー207の位置が制御されることで、モード間をジャンプするようにミラー207の位置が調整されることとなる。
参照符号g73は、サーボ制御部121がスイッチ125を切り替えるためのジャンプタイミング信号を示している。
ここで、図5をあわせて参照する。ジャンプタイミング信号g73がオフ状態となった場合には、スイッチ125の端子125aと端子125cとが接続されるように、スイッチ125が切り替えられる。即ち、この場合には、誤差信号生成部101で生成された誤差信号g31が、スイッチ109、スイッチ125、及び位相補償部111を経て、VCMドライバ113に駆動信号として供給されることとなる。
また、ジャンプタイミング信号g73がオン状態となった場合には、スイッチ125の端子125bと端子125cとが接続されるように、スイッチ125が切り替えられる。そのため、この場合には、ジャンプパルス生成部123で生成されたジャンプパルスg71が、スイッチ125及び位相補償部111を経て、VCMドライバ113に駆動信号として供給されることとなる。
なお、前述の通り、サーボ制御部121は、ジャンプパルス生成部123が端子125bにジャンプパルスを供給するタイミングに同期して、ジャンプタイミング信号g73をスイッチ125に供給する。具体的には、図6に示す例の場合には、サーボ制御部121は、キックパルスg711が立ち上がるタイミングt1に同期して、ジャンプタイミング信号g73がオン状態となるように制御する。また、サーボ制御部121は、ブレーキパルスg713が立ち上がるタイミングt2に同期して、ジャンプタイミング信号g73がオフ状態となるように制御する。
以上のような制御により、参照符号g75で示された駆動信号、即ち、誤差信号g31とジャンプパルスg71とが合成された駆動信号が、時系列に沿って、VCMドライバ113に供給されることとなる。なお、VCMドライバ113は、駆動信号g75に基づきミラー207の位置を駆動部30に制御させることで、モードジャンプを行う場合には、誤差信号g31に基づくサーボ制御を一旦停止し、モードジャンプの完了後にサーボ制御を再開する。このような構成により、本実施形態に係る制御部10に依れば、モードジャンプがスムーズに行われることとなる。
以上、図6を参照しながら、ジャンプパルスの詳細と、当該ジャンプパルス、ジャンプタイミング信号、及び駆動信号の関係について説明した。
次いで、図7及び図8を参照しながら、反射光L3のレベルが最小となるモードの特定に係る動作の一例について説明する。まず、図7を参照する。図7は、本実施形態に係る制御部10によるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図である。
制御部10は、まず、光検出器41で検出された共振器20からの反射光L3(換言すると、反射信号g21)のレベルを閾値g25と比較し、反射光L3のレベルが所定の閾値g25を下回ったタイミングでサーボの引き込み(即ち、初期引き込み)を行う。このサーボの初期引き込みにより、ミラー207の位置は、図7における参照符号iで示されたモードに対応する位置に調整される。
サーボの初期引き込みが完了したら、制御部10は、まず、参照符号g81で示すように、所定の方向に向けてモードが逐次切り替わるように(即ち、モードジャンプするように)、ミラー207の位置を制御する。例えば、図7に示す例では、制御部10は、隣接するモードに逐次モードジャンプように、ミラー207の位置を制御している。そして、制御部10は、切り替わったモードそれぞれについて反射光L3のレベルを取得する。
例えば、図7に示す例の場合には、制御部10は、初期引き込み直後のモードiを起点として、参照符号g81で示すように、モードi+1、i+2、・・・、i+6と順次モードジャンプするようにミラー207の位置を制御する。
このように、制御部10は、モードジャンプを逐次行いながら、モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの比較を行い、当該反射光L3のレベルが最低となるモードを特定する。
ここで、図8を参照する。図8は、実施形態に係る制御部によるサーボの引き込み動作の一例について説明するための説明図であり、図7に示す例において、モードジャンプに伴う反射光L3のレベルの変化を示している。図8において、横軸は時間tを示しており、縦軸は反射光L3のレベルを示している。また、参照符号t11は、サーボの初期引き込み直後のタイミングを示している。即ち、タイミングt11では、ミラー207の位置が、モードiに対応する位置に調整されていることとなる。
例えば、図7に示す例の場合には、図8に示すように、モードi+3に対応する位置にミラー207が位置する場合、即ち、タイミングt13において、反射光L3のレベルが最低となる。このとき、制御部10は、モードi+2及びi+3の間と、モードi+3及びi+4の間とおける反射光L3のレベルの比較結果に基づき、モードi+3を境界として、反射光L3のレベルの変化が−(マイナス)から+(プラス)に変化することを検出する。これにより、制御部10は、モードi+3を、最適点、即ち、反射光L3のレベルが最小となるモードとして設定する。
最適点を設定したら、制御部10は、当該最適点から、あらかじめ決められたモード数分だけモードジャンプするようにミラー207の位置を制御し、各モードにおける反射光L3のレベルを取得する。例えば、図7に示す例の場合には、制御部10は、モードi+3を基準として、3モード分だけモードジャンプするように(即ち、モードi+6までモードジャンプするように)ミラー207の位置を制御している。
そして、制御部10は、取得した各モードにおける反射光L3のレベルを、最適点における反射光L3のレベルと比較する。
例えば、図7及び図8に示す例では、最適点に設定されたモードi+3における反射光L3のレベルは、モードi+4〜i+6のいずれのモードにおける反射光L3のレベルよりも少ない。このように、最適点における反射光L3のレベルが最小の場合には、制御部10は、当該最適点に対応する位置にミラー207を移動させて、サーボの引き込みに係る動作を完了する。例えば、図7に示す例の場合には、制御部10は、参照符号g83に示すように、モードi+6から最適点に設定されたモードi+3にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。このとき、図8におけるタイミングt15及びt17の期間中に示されるように、モードが遷移し、反射光L3のレベルが最小となる最適点、即ち、モードi+3に対応する位置に、ミラー207の位置が調整される。
なお、最適点の設定後に、当該最適点よりも反射光L3のレベルが低いモードが検出された場合には、制御部10は、改めて、最適点の探索を行えばよい。
以上、図7及び図8を参照しながら、反射光L3のレベルが最小となるモードの特定に係る動作の一例について説明した。
[4.3.処理の流れ]
次に、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る制御部10による、共振器20内における励起レーザーL1の光路長の制御に係る一連の動作について説明する。まず、図9を参照する。図9は、本実施形態に係る制御部10の一連の動作の流れを示したフローチャートである。
(ステップS10)
レーザー光発生装置1が動作を開始すると、制御部10は、モードを順次切り替えて、切り替えられたモードごとに、反射光L3のレベルの検出結果を取得し、当該反射光L3のレベルが最小となるモードを特定する。そして、制御部10は、励起レーザー光L1が特定したモードで共振するように、サーボの引き込みを行う。なお、サーボの引き込みに係る動作の詳細については、別途後述する。
(ステップS20)
サーボの引き込みが完了したら、制御部10は、光検出器41から、共振器20からの反射光L3の検出結果を取得し、当該反射光L3のレベルに基づき、サーボ制御が正常に動作しているか否かを判定する。
具体的には、サーボ制御が正常に動作している場合、即ち、共振器20内における励起レーザーL1の光路長が、当該励起レーザーL1の共振条件を満たしている場合には、反射光L3のレベルは、例えば、図2に示すように低くなる。一方で、共振器20内における励起レーザーL1の光路長が、当該励起レーザーL1の共振条件を満たしていない場合には、反射光L3のレベルは、当該共振条件を満たしている場合に比べて高くなる。このような特性を利用して、制御部10は、サーボ制御が正常に動作しているか否かを判定することが可能となる。
サーボ制御が正常に動作していない場合には(ステップS20、NO)、制御部10は、サーボの引き込み動作を再度実行する。
(ステップS30、S40)
サーボ制御が正常に動作している場合には(ステップS20、YES)、制御部10は、あらかじめ決められた期間だけ一時的に処理を停止し(ステップS30)、当該期間経過後に再度サーボ制御が正常に動作しているか否かを確認する。制御部10は、以上のような動作を、例えば、レーザー光発生装置1の動作が停止するまで継続する(ステップS40、NO)。そして、レーザー光発生装置1の動作の停止が指示された場合には(ステップS40、YES)、制御部10は、共振器20内における励起レーザーL1の光路長の制御に係る一連の処理を終了する。
次に、図10を参照しながら、図9においてステップS10として示した、サーボの引き込みに係る動作の一例について詳細に説明する。図10は、本実施形態に係る制御部10による、サーボの引き込みに係る一連の動作の流れを示したフローチャートである。
(ステップS101)
まず、制御部10は、光検出器41で検出された共振器20からの反射光L3のレベルを閾値g25と比較することで、サーボの初期引き込みを行う。これにより、ミラー207の位置が、例えば、図7に示す例におけるモードiの位置に調整される。なお、以降では、初期引き込み動作完了直後のモードをモード0(i=0)として説明する。
(ステップS102)
サーボの初期引き込みが完了したら、制御部10は、あらかじめ決められた方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。例えば、図10に示す例では、制御部10は、+(プラス)方向にモードジャンプするように(i=i+1)、ミラー207の位置を制御する。
(ステップS103)
モード間をジャンプするようにミラー207の位置を制御したら、制御部10は、モードジャンプ後における反射光L3の検出結果を光検出器41から取得し、当該モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルを比較する。
(ステップS111)
反射光L3のレベルの変化が+(プラス)の場合、即ち、モードジャンプ前よりもモードジャンプ後の方が反射光L3のレベルが高かった場合には(ステップS103、YES)、制御部10は、−(マイナス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。ミラー207の位置を制御したら、制御部10は、モードジャンプ後における反射光L3の検出結果を光検出器41から取得し、当該モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルを比較する。
(ステップS112)
以上のようにして、制御部10は、モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が−(マイナス)である限り(ステップS112、NO)、−(マイナス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。
(ステップS113)
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)となった場合には(ステップS112、YES)、制御部10は、そのときのモードを、最適点を超えたモードとして認識し、直前のモード(Imax=i)を最適点として設定する。このとき、制御部10は、最適点に設定したモードにおける反射光L3のレベルを記憶しておく。
(ステップS114)
最適点を設定したら、制御部10は、当該最適点を基準として、あらかじめ決められたモード数nだけ−(マイナス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する(ステップS115、NO)。
(ステップS116)
最適点を基準として、モード数nだけ−(マイナス)方向にモードジャンプするようにミラー207の位置を制御したら、制御部10は、モードジャンプ後における反射光L3の検出結果を光検出器41から取得する。そして、制御部10は、最適点に設定したモード(Imax=i)と、モードジャンプ後のモードとの間で反射光L3のレベルを比較する。
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)とならなかった場合には(ステップS116、NO)、Imax=iに対応するモードでは、反射光L3のレベルが最小でなかったことを意味する。そのため、制御部10は、ステップS102以降の処理を改めて実行することで、反射光L3のレベルが最小値となるモードの特定を行う。
(ステップS117)
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)となった場合には(ステップS116、YES)、Imax=iに対応するモードにおいて、反射光L3のレベルが最小となったことを意味する。この場合には、制御部10は、モード数nだけ+(プラス)方向にモードジャンプするようにミラー207の位置を制御し、サーボの引き込みに係る一連の動作を終了する。これにより、ミラー207の位置が、Imax=iに対応するモードの位置に調整される。
(ステップS121)
なお、ステップS103において、モードジャンプの前後間における反射光L3のレベルの変化が−(マイナス)の場合(ステップS103、NO)についても、ミラー207の制御方向が異なる点を除けば、基本的な動作は、前述したステップS111〜S117で示した動作と同様である。
即ち、制御部10は、+(プラス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。ミラー207の位置を制御したら、制御部10は、モードジャンプ後における反射光L3の検出結果を光検出器41から取得し、当該モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルを比較する。
(ステップS122)
以上のようにして、制御部10は、モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が−(マイナス)である限り(ステップS122、NO)、+(プラス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する。
(ステップS123)
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)となった場合には(ステップS122、YES)、制御部10は、そのときのモードを、最適点を超えたモードとして認識し、直前のモード(Imax=i)を最適点として設定する。このとき、制御部10は、最適点に設定したモードにおける反射光L3のレベルを記憶しておく。
(ステップS124)
最適点を設定したら、制御部10は、当該最適点を基準として、あらかじめ決められたモード数nだけ+(プラス)方向にモードジャンプするように、ミラー207の位置を制御する(ステップS125、NO)。
(ステップS126)
最適点を基準として、モード数nだけ+(プラス)方向にモードジャンプするようにミラー207の位置を制御したら、制御部10は、モードジャンプ後における反射光L3の検出結果を光検出器41から取得する。そして、制御部10は、最適点に設定したモード(Imax=i)と、モードジャンプ後のモードとの間で反射光L3のレベルを比較する。
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)とならなかった場合には(ステップS126、NO)、Imax=iに対応するモードでは、反射光L3のレベルが最小でなかったことを意味する。そのため、制御部10は、ステップS102以降の処理を改めて実行することで、反射光L3のレベルが最小値となるモードの特定を行う。
(ステップS127)
モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの変化が+(プラス)となった場合には(ステップS126、YES)、Imax=iに対応するモードにおいて、反射光L3のレベルが最小となったことを意味する。そのため、制御部10は、モード数nだけ−(マイナス)方向にモードジャンプするようにミラー207の位置を制御し、サーボの引き込みに係る一連の動作を終了する。これにより、ミラー207の位置が、Imax=iに対応するモードの位置に調整される。
以上、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る制御部10による、共振器20内における励起レーザーL1の光路長の制御に係る一連の動作について説明した。なお、上記で説明した動作はあくまで一例であり、必ずしも上述した例に限定されないことは言うまでもない。
具体的な一例として、制御部10は、サーボ制御が正常に動作しているか否かを、レーザー光発生装置1の起動中は、常に監視する構成としてもよい。
また、図10に示す例では、制御部10は、初期引き込み後にモードジャンプによるミラー207位置の制御を行っていたが、初期引き込みを行わずにモードジャンプによるミラー207位置の制御を行ってもよい。この場合には、例えば、制御部10は、まず複数モードずつモードジャンプするようにミラー207位置の制御を行うことで、反射光L3のレベルが最小となるモードの範囲を絞り込む。そして、制御部10は、絞り込んだ範囲中をより細かいモード数でモードジャンプするようにミラー207位置の制御を行うことで、反射光L3のレベルが最小となるモードを特定してもよい。
[4.4.作用効果]
以上、本実施形態に係る制御部10の詳細について説明した。上記で説明したように、制御部10は、モードが逐次切り替わるように(即ち、モードジャンプするように)、ミラー207の位置を制御し、切り替わったモードそれぞれについて反射光L3のレベルを取得する。そして、制御部10は、モードジャンプの前後間で反射光L3のレベルの比較を行い、当該反射光L3のレベルが最低となるモードを特定する。このような構成より、本実施形態に係る制御部10は、より強度の高いOPOレーザー光L2を出力することが可能なモードで共振するように、共振器20内の光路長を制御することが可能となる。
また、本実施形態に係る制御部10は、モードジャンプを行う場合には、誤差信号に基づくサーボ制御を一旦停止し、モードジャンプの完了後にサーボ制御を再開する。このような構成により、本実施形態に係る制御部10に依れば、モードジャンプをスムーズに行うことが可能となる。
<5.変形例>
[5.1.レーザー光発生装置の構成]
次に、前述した実施形態に係るレーザー光発生装置1の変形例について説明する。まず、図11を参照しながら、変形例に係るレーザー光発生装置1aの構成について説明する。図11は、変形例に係るレーザー光発生装置1aの構成を示した図である。
図11に示すように、変形例に係るレーザー光発生装置1aは、位置検出部221及び223を備える点で、前述した実施形態に係るレーザー光発生装置1(図1参照)と異なる。そのため、以降では、前述したレーザー光発生装置1と異なる、位置検出部221及び223と、制御部10aとに着目して説明し、その他の構成については、詳細な説明は省略する。
位置検出部221及び223は、例えば、光位置センサ(PSD:Position Sensitive Detector)からなる。
位置検出部221は、共振器20内において、励起レーザーL1及びOPOレーザーL2の光軸方向に沿って移動するミラー207の位置を検出する。位置検出部221は、検出したミラー207の位置を示す情報を、制御部10aに通知する。これにより、制御部10aは、共振器20内におけるミラー207の位置を認識することが可能となる。
同様に、位置検出部223は、共振器20内において、OPOレーザーL2の光軸方向に沿って移動するアウトプットカプラー211の位置を検出する。位置検出部223は、検出したアウトプットカプラー211の位置を示す情報を、制御部10aに通知する。これにより、制御部10aは、共振器20内におけるアウトプットカプラー211の位置を認識することが可能となる。
制御部10aは、前述した実施形態に係る制御部10と同様に、設定されたモードが、当該モードとは異なる他のモードに逐次切り替わるように、共振器20内における励起レーザー光L1の光路長を変化させ、最適点(即ち、反射光L3のレベルが最小となるモード)を特定する。そして、制御部10aは、特定した最適点に対応する位置となるように、ミラー207の位置を調整する。
変形例に係る制御部10aは、ミラー207の位置を、最適点に対応する位置に調整したら、そのときのミラー207の位置の検出結果を位置検出部221から取得し、当該検出結果を示す位置情報を記憶する。
ここで、図12を参照する。図12は、変形例に係る制御部10aの動作の概要について説明するための説明図である。図12において、参照符号g11は、ミラー207の位置を示しており、参照符号g21は、参照符号g11で示したミラー207の各位置に対応して得られる反射信号(即ち、反射光L3のレベルを示す信号)を示している。また、参照符号g27は、反射光L3のレベルが最小となるモード、即ち、最適点を示している。
図12に示すように、制御部10aは、最適点g27に対応するミラー207の位置を、位置検出部221の検出結果が示す位置情報g81に基づき認識することができる。そのため、制御部10aは、例えば、共振器20への衝撃等の外乱によりミラー207の位置が変化した場合においても、あらかじめ記憶した位置情報g81に基づき、最適点に対応する位置となるように、ミラー207の位置を調整することが可能となる。
このことは、アウトプットカプラー211についても同様である。即ち、制御部10aは、外乱によりアウトプットカプラー211の位置が変化した場合においても、あらかじめ記憶した位置情報に基づき、OPOレーザー光L2の共振条件を満たすように、アウトプットカプラー211の位置を制御することが可能となる。
以上、図11及び図12を参照しながら、変形例に係るレーザー光発生装置1aの構成について説明した。なお、上記に示す例では、位置検出部221及び223として光位置センサを使用する例について説明した。しかしながら、制御部10aが、共振器20内におけるミラー207及びアウトプットカプラー211の位置を認識できれば、その方法は、位置検出部221及び223のような光位置センサの出力に基づき認識する方法には限定されないことは言うまでもない。
[5.2.処理の流れ]
次に、図13を参照しながら、変形例に係る制御部10aによる、共振器20内における励起レーザーL1の光路長の制御に係る一連の動作について説明する。図13は、変形例に係る制御部10aの一連の動作の流れを示したフローチャートである。
(ステップS10)
レーザー光発生装置1が動作を開始すると、制御部10aは、モードを順次切り替えて、切り替えられたモードごとに、反射光L3のレベルの検出結果を取得し、当該反射光L3のレベルが最小となるモード(即ち、最適点)を特定する。そして、制御部10aは、励起レーザー光L1が特定したモードで共振するように、サーボの引き込みを行う。なお、サーボの引き込みに係る動作は、前述した実施形態に係る制御部10の場合(図9及び図10)と同様である。
(ステップS51)
サーボの引き込みが完了したら、制御部10aは、位置検出部221からミラー207の位置を示す位置情報を取得する。当該位置情報により、制御部10aは、反射光L3のレベルが最小となるモード(即ち、最適点)に対応するミラー207の位置を認識することが可能となる。制御部10aは、位置検出部221から取得した、最適点に対応するミラー207の位置情報を記録する。また、このとき、制御部10aは、位置検出部223からアウトプットカプラー211の位置情報を取得し、当該位置情報を記憶してもよい。
(ステップS20)
次いで、制御部10は、光検出器41から、共振器20からの反射光L3の検出結果を取得し、当該反射光L3のレベルに基づき、サーボ制御が正常に動作しているか否かを判定する。
(ステップS52、S10)
サーボ制御が正常に動作していない場合には(ステップS20、NO)、制御部10は、あらかじめ記録した最適点に対応するミラー207の位置情報に基づき、当該最適点に対応する位置となるように、ミラー207の位置を制御する(ステップS52)。また、このとき、制御部10aは、あらかじめ記録したアウトプットカプラー211の位置情報に基づき、アウトプットカプラー211の位置を制御してもよい。あらかじめ記録した位置情報に基づきミラー207の位置を制御したら、制御部10は、改めてサーボの引き込み動作を実行する(ステップS10)。
(ステップS30、S40)
なお、サーボ制御が正常に動作している場合には(ステップS20、YES)、制御部10aは、あらかじめ決められた期間だけ一時的に処理を停止し(ステップS30)、当該期間経過後に再度サーボ制御が正常に動作しているか否かを確認する。制御部10aは、以上のような動作を、例えば、レーザー光発生装置1の動作が停止するまで継続する(ステップS40、NO)。そして、レーザー光発生装置1の動作の停止が指示された場合には(ステップS40、YES)、制御部10aは、共振器20内における励起レーザーL1の光路長の制御に係る一連の処理を終了する。
以上、図13を参照しながら、変形例に係る制御部10aの一連の動作の流れについて説明した。
[5.3.作用効果]
以上説明したように、変形例に係る制御部10aは、最適点g27に対応するミラー207の位置を、位置検出部221の検出結果が示す位置情報に基づき認識することが可能である。そのため、制御部10aは、例えば、共振器20への衝撃等の外乱によりミラー207の位置が変化した場合においても、あらかじめ記憶した位置情報に基づき、最適点に対応する位置となるように、ミラー207の位置を調整することが可能となる。
このことは、アウトプットカプラー211についても同様である。即ち、制御部10aは、外乱によりアウトプットカプラー211の位置が変化した場合においても、あらかじめ記憶した位置情報に基づき、OPOレーザー光L2の共振条件を満たすように、アウトプットカプラー211の位置を制御することが可能となる。
また、変形例に係る制御部10aは、あらかじめ記憶した位置情報に基づきミラー207の位置を調整した後、改めて、モードジャンプに係る動作に基づき、反射光L3のレベルが最小となるモードを特定し直してもよい。この場合においても、位置情報に基づくミラー207の位置の制御により、当該ミラー207は、最適点に対応する位置の近傍に移動するため、制御部10aは、反射光L3のレベルが最小となるモードを直ちに特定し直すことが可能となる。
<6.ハードウェア構成>
次に、図14を参照して、本実施形態に係るレーザー光発生装置1のハードウェア構成の一例について説明する。図14は、本実施形態に係るレーザー光発生装置1のハードウェア構成の一例を示した図である。
図14に示すように、本実施形態に係るレーザー光発生装置1は、プロセッサ901と、メモリ903と、ストレージ905と、光源ユニット907と、光学系ユニット909と、操作デバイス911と、表示デバイス913と、通信デバイス915と、バス917とを含む。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)又はSoC(System on Chip)であってよく、レーザー光発生装置1の様々な処理を実行する。プロセッサ901は、例えば、各種演算処理を実行するための電子回路により構成することが可能である。なお、前述した制御部10は、プロセッサ901により構成され得る。
メモリ903は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ905は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。なお、前述した記憶部66は、例えば、メモリ903やストレージ905により構成され得る。
光源ユニット907は、励起レーザー光L1を照射するためのユニットであり、前述した光源ユニット50に対応している。光源ユニット907は、出射される励起光の強度及び波長が、プロセッサ901により制御される。
光学系ユニット909は、光源ユニット907から出射された励起レーザー光L1を共振させるとともに、励起レーザー光L1の波長を変換し、波長が変換されたOPOレーザー光L2を出力するためのユニットである。光学系ユニット909は、共振器20と、当該共振器20に励起レーザー光L1を導光させるための光学系(例えば、ミラー501及び503)に対応している。
操作デバイス911は、ユーザが所望の操作を行うための入力信号を生成する機能を有する。操作デバイス911は、例えばボタン及びスイッチなどユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、プロセッサ901に供給する入力制御回路などから構成されてよい。
表示デバイス913は、出力装置の一例であり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ装置などの表示装置であってよい。表示デバイス913は、ユーザに対して画面を表示することにより情報を提供することができる。
通信デバイス915は、レーザー光発生装置1が備える通信手段であり、ネットワークを介して外部装置と通信する。通信デバイス915は、無線通信用のインタフェースであり、通信アンテナ、RF(Radio Frequency)回路、ベースバンドプロセッサなどを含んでもよい。
通信デバイス915は、外部装置から受信した信号に各種の信号処理を行う機能を有し、受信したアナログ信号から生成したデジタル信号をプロセッサ901に供給することが可能である。
バス917は、プロセッサ901、メモリ903、ストレージ905、光源ユニット907、光学系ユニット909、操作デバイス911、表示デバイス913、及び通信デバイス915を相互に接続する。バス917は、複数の種類のバスを含んでもよい。
また、コンピュータに内蔵されるCPU、ROM及びRAMなどのハードウェアを、上記したレーザー光発生装置1が有する構成と同等の機能を発揮させるためのプログラムも作成可能である。また、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体も提供され得る。
<7.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させる駆動部と、
前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御する制御部と、
を備えた、制御装置。
(2)
前記制御部は、検出された前記反射光のレベルに応じて、前記複数のモードのうちの少なくとも一のモードで共振する状態に遷移するように、前記共振器の光路長を制御する、前記(1)に記載の制御装置。
(3)
前記制御部は、前記少なくとも一方の反射部を所定距離だけ移動させるためのキックパルスと、前記キックパルスに基づき移動した当該反射部を停止させるためのブレーキパルスとにより形成されたジャンプパルスを前記駆動部に供給することで、前記第1のモードで共振する状態から、第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記共振器の光路長を制御する、前記(1)または(2)に記載の制御装置。
(4)
前記制御部は、
前記反射光の検出結果に基づき、前記共振器の光路長が前記複数のモードのうちの一のモードで共振する状態に遷移するように前記共振器の光路長を制御した場合に、前記反射部の位置を示す位置情報を記憶しておき、
記憶された前記位置情報に基づき、前記共振器の光路長を制御する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の制御装置。
(5)
前記制御部は、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうち、前記反射光のレベルが最小となるモードで共振するように、前記共振器の光路長を制御する、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の制御装置。
(6)
前記制御部は、前記モードが逐次切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替え後の各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、取得した当該各モードに対応する前記反射光のレベルに応じて、前記反射光のレベルが最小となるモードを特定する、前記(5)に記載の制御装置。
(7)
前記制御部は、
前記モードが、少なくとも隣接するモード間の距離よりも大きい第1の単位ごとに切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替えられた各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、取得した当該各モードに対応する前記反射光のレベルに応じて、当該各モードの中から前記反射光のレベルが最小となる第1のモードを特定した後、
前記第1のモードの近傍において、前記第1の単位よりも小さい第2の単位ごとに前記モードが切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替えられた各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、取得した当該各モードに対応する前記反射光のレベルに応じて、前記反射光のレベルが最小となるモードを特定する、前記(6)に記載の制御装置。
(8)
前記第2のモードは、前記第1のモードに隣接するモードである、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の制御装置。
(9)
前記制御部は、
前記共振器の光路長が設定されたモードに対応する共振条件を満たすように当該光路長をサーボ制御し、
前記共振器に入射したレーザー光が前記第1のモードで共振する状態から、前記第2のモードで共振する状態に遷移させる場合には、前記サーボ制御を停止し、当該状態の遷移後に、前記第2のモードを前記設定されたモードとして前記サーボ制御を再開する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の制御装置。
(10)
前記制御部は、前記反射光の検出結果に基づき、前記共振器の光路長と、前記入射したレーザー光の共振条件を満たす光路長との間のずれを示す誤差信号を生成し、生成した当該誤差信号に基づき、前記共振器の光路長をサーボ制御する、前記(9)に記載の制御装置。
(11)
駆動部が、少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させることと、
プロセッサが、前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御することと、
を含む、制御方法。
(12)
コンピュータに、
少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器の、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させるステップと、
前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記少なくとも一方の反射部を移動させることで、前記共振器の光路長を制御させるステップと、
を含む、プログラム。
1、1a レーザー光発生装置
10、10a 制御部
101 誤差信号生成部
103 レベル検出部
105 レベル検出部
107 サーボ制御部
109 スイッチ
111 位相補償部
113 VCMドライバ
121 サーボ制御部
123 ジャンプパルス生成部
125 スイッチ
125a 端子
125b 端子
125c 端子
11 発振器
20 共振器
201 インプットカプラー
203、205、207 ミラー
209 ダイクロイックミラー
211 アウトプットカプラー
213 非線形光学素子
221、223 位置検出部
30 駆動部
40 アイソレーター
41 光検出器
50 光源ユニット
51 レーザー光源
52 位相変調器
53 ドライバ

Claims (11)

  1. 少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させる駆動部と、
    前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態にジャンプするように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を当該レーザー光の波長に応じた距離だけ移動させることで、前記共振器の光路長を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記モードが逐次切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替え後の各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、
    切り替え前後で前記反射光のレベルが変化する方向が変化することを検出することで、前記反射光のレベルが最小となるモードを特定する、
    制御装置。
  2. 前記制御部は、検出された前記反射光のレベルに応じて、前記複数のモードのうちの少なくとも一のモードで共振する状態に遷移するように、前記共振器の光路長を制御する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記少なくとも一方の反射部を前記共振器に入射したレーザー光の波長に応じた距離だけ移動させるためのキックパルスと、前記キックパルスに基づき移動した当該反射部を停止させるためのブレーキパルスとにより形成されたジャンプパルスを前記駆動部に供給することで、前記第1のモードで共振する状態から、第2のモードで共振する状態に遷移するように、前記共振器の光路長を制御する、請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記反射光の検出結果に基づき、前記共振器の光路長が前記複数のモードのうちの一のモードで共振する状態に遷移するように前記共振器の光路長を制御した場合に、前記反射部の位置を示す位置情報を記憶しておき、
    記憶された前記位置情報に基づき、前記共振器の光路長を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記制御部は、切り替え前後で前記反射光のレベルが変化する方向がマイナスからプラスに変化することを検出することで、前記反射光のレベルが最小となるモードを特定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記モードが、少なくとも隣接するモード間の距離よりも大きい第1の単位ごとに切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替えられた各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、取得した当該各モードに対応する前記反射光のレベルに応じて、当該各モードの中から前記反射光のレベルが最小となる第1のモードを特定した後、
    前記第1のモードの近傍において、前記第1の単位よりも小さい第2の単位ごとに前記モードが切り替わるように前記共振器の光路長を制御して、切り替えられた各モードに対応する前記反射光のレベルを取得し、取得した当該各モードに対応する前記反射光のレベルに応じて、前記反射光のレベルが最小となるモードを特定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記第2のモードは、前記第1のモードに隣接するモードである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記制御部は、
    前記共振器の光路長が設定されたモードに対応する共振条件を満たすように当該光路長をサーボ制御し、
    前記共振器に入射したレーザー光が前記第1のモードで共振する状態から、前記第2のモードで共振する状態に遷移させる場合には、前記サーボ制御を停止し、当該状態の遷移後に、前記第2のモードを前記設定されたモードとして前記サーボ制御を再開する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記制御部は、前記反射光の検出結果に基づき、前記共振器の光路長と、前記入射したレーザー光の共振条件を満たす光路長との間のずれを示す誤差信号を生成し、生成した当該誤差信号に基づき、前記共振器の光路長をサーボ制御する、請求項8に記載の制御装置。
  10. 駆動部が、少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器における、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させることと、
    プロセッサが、前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態にジャンプするように、前記駆動部に前記少なくとも一方の反射部を当該レーザー光の波長に応じた距離だけ移動させることで、前記共振器の光路長を制御することと、
    を含み、
    前記モードが逐次切り替わるように前記共振器の光路長が制御されて、切り替え後の各モードに対応する前記反射光のレベルが取得され、
    切り替え前後で前記反射光のレベルが変化する方向が変化することが検出されることで、前記反射光のレベルが最小となるモードが特定される、
    制御方法。
  11. コンピュータに、
    少なくとも一対の反射部と、非線形光学結晶とを含み、入射したレーザー光を共振させることで、当該レーザー光の波長を変換するものであり、かつ、入射したレーザー光の共振条件を満たすモードが複数存在する共振器の、前記一対の反射部のうち少なくとも一方の反射部を光軸方向に移動させるステップと、
    前記共振器からの反射光の検出結果に基づき、前記共振器に入射したレーザー光が、前記複数のモードのうちの第1のモードで共振する状態から、当該第1のモードと異なる第2のモードで共振する状態にジャンプするように、前記少なくとも一方の反射部を当該レーザー光の波長に応じた距離だけ移動させることで、前記共振器の光路長を制御させるステップと、
    を含み、
    前記モードが逐次切り替わるように前記共振器の光路長が制御されて、切り替え後の各モードに対応する前記反射光のレベルが取得され、
    切り替え前後で前記反射光のレベルが変化する方向が変化することが検出されることで、前記反射光のレベルが最小となるモードが特定される、
    プログラム。
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