JP6489988B2 - ワイパアーム - Google Patents
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Description
また、アームヘッドとアームシャンクの回動中心とは別の位置に、ヘッドカバーの回動中心を設けているので、アームヘッドを金属加工品で構成しながら、回動によるヘッドカバーの開閉操作を可能にすることができる。そのため、メンテナンス等の作業時に、ヘッドカバーを完全に取り外さずに、アームヘッドとピボット軸との締結部分に対するメンテナンス等の作業を行うことができ、作業性の向上が図れる。
即ち、アームヘッドを金属加工品で構成した場合は、加工上の制約などから、アームヘッドとアームシャンクの回動中心における連結をリベットで行うことになる。リベットで連結を行った場合、アームヘッドの外側面にリベットの頭が露出することになるから、アームヘッドとアームシャンクの回動中心の位置に、ヘッドカバーを開閉操作するための回動中心を設けることが難しくなる。そこで、本発明では、リベットに邪魔されない位置、つまりアームヘッドとアームシャンクの回動中心とは別の位置に、ヘッドカバーの回動中心を設けることにより、ヘッドカバーの回動による開閉操作を可能にした。
図1は、本発明の実施形態に係るワイパアームを用いたワイパ装置の一部構成を示す下から見た斜視図、図2は、図1の要部を、ヘッドカバーを取り外した状態で示す拡大図、図3は、図2に示した部分の上から見た斜視図である。
図1に示すように、このワイパ装置1は、先端部に図示しないガラス払拭面(被払拭面)を払拭するワイパブレード3が取り付けられた本実施形態に係るワイパアーム2を備えている。ワイパアーム2は、基端部が、車体に設けられたピボット軸5に固定されることで、ピボット軸5の回転により所定範囲で往復回動し、それにより、ワイパブレード3でガラス払拭面の雨滴や泥などを払拭する役目を果たすものである。
ここで、予め方向性について簡単に述べる。
以下の説明においては、ガラス払拭面に沿うワイパアーム2の長手方向をX方向、ガラス払拭面に沿うワイパアーム2の幅方向をY方向、ガラス払拭面に垂直なワイパアームの高さ方向をZ方向と言う。X、Y、Z方向は、互いに直交する方向である。
図2及び図3にも示すように、ワイパアーム2は、ピボット軸5に固定される基端側(X2方向側)のベース部品であるアームヘッド(サポートとも呼ばれる)10と、ワイパブレード3が取り付けられる先端側(X1方向側)のアームシャンク(リテーナとも呼ばれる)40と、を備えている。アームシャンク40は、合成樹脂の射出成形品により構成され、アームヘッド10は、アルミダイキャストの加工品(金属加工品)により構成されている。そして、別々に製作されたアームヘッド10とアームシャンク40とが、後述する連結手段(連結孔43、22、リベット30、ブッシュ31)によって回動可能に連結されている。
アルミダイキャスト製の一体加工品であるアームヘッド10の基端側(X2方向側)には、ピボット軸5にナット(図9参照)を用いて固定されるピボット軸固定部11が設けられている。ピボット軸固定部11は、上面がナットの締結座とされたフランジ状の部分であり、中央に、ピボット軸5の先端が挿入されるZ方向に貫通した挿通孔12が設けられている。
アームシャンク40側の連結突片42は、アームシャンク40の本体部41の基端面の幅方向中央に、本体部41の幅の半分程度の幅の板状の部分として一体に突出形成されている。この連結突片42も、X−Z平面に沿って設けられており、連結突片42の側面の中央には、Y方向に貫通する連結孔43(図4においてリベット30が挿入された孔)が穿設されている。また、図1及び図7に示すように、連結突片42のZ2方向の下面には、後述する引張コイルバネ90との干渉を避けるための溝44がX方向に沿って形成されている。
一方、アームヘッド10の一対の側板20、20には、図4及び図5に示すように、アームシャンク40側の連結孔43に対応させて、Y方向に貫通する連結孔22が穿設されている。そして、アームヘッド10とアームシャンク40は、図3〜図7に示すように、連結突片42を一対の側板20、20間の凹部21に挿入し、両者の連結孔22、43を互いに位置合わせした状態で、連結孔22、43にブッシュ31を介してリベット30を貫通させて加締める。これにより、X−Z平面内つまりガラス面に対して接近及び離間する方向(上下方向つまりZ方向)に回動可能に連結されている。
ここでは、連結孔22、43とリベット30及びブッシュ31とが、アームヘッド10とアームシャンク40を回転可能に連結する連結手段を構成しており、リベット30の中心が、アームヘッド10に対するアームシャンク40の回動中心P1(図9参照)となる。
また、アームシャンク40とアームヘッド10との間の下面側には、付勢手段としての引張コイルバネ90が介装されている。引張コイルバネ90の主要部は、図1に示すように、逆U字断面形状に形成されたアームシャンクの本体部41の内空部に収容されている。この引張コイルバネ90は、X2方向の一端部91が、アームヘッド10側の係止部として設けられたスプリングピン32(図4参照)に係止され、他端部92が、アームシャンク40側の係止部に係止されている。これにより、引張コイルバネ90は、アームヘッド10に回動可能に連結されたアームシャンク40を、ガラス払拭面に接近する方向(Z2方向)に付勢している。
なお、アームヘッド10側の係止部として設けられたスプリングピン32は、図5(a)及び(b)に示すように、アームヘッド10の両側板20の内側の突設部26に穿設されたピン挿入孔27に圧入することで、アームヘッド10に固定されている。スプリングピン32は、リベット30よりも反アームシャンク40側の位置、つまり、ピボット軸固定部11側の位置に配置されている。
このように、アームヘッド10とアームシャンク40の回動中心(リベット30)の両側に、引張コイルバネ90の両端の係止部が配置されており、しかも、引張コイルバネ90がリベット30の下側に引張状態で配置されていることにより、前記のアームシャンク40をガラス払拭面に接近する方向(Z2方向)に回転付勢する付勢力が発生することになる。
ところで、アームヘッド10のピボット軸5への固定は、アームヘッド10のピボット軸固定部11に設けた挿通孔12にピボット軸5の先端を挿通させ、ピボット軸5の先端にナット6(図9参照)を締め込むことで行われる。この締結部分は、外部にそのまま露出していると、美観を損なうばかりか、雨滴や粉塵などに晒される恐れがある。そこで、図1、図3、図8に示すように、アームヘッド10を覆うように、アームヘッド10には、略椀型の合成樹脂製のヘッドカバー60が装着されている。
このヘッドカバー60は、図9に示すように、メンテナンスを考慮して、アームシャンク40側に近い部分がアームヘッド10に回動可能に装着されることにより、反アームシャンク40側の部分(ピボット軸固定部11及びナットを覆う部分)を、上下方向に開閉操作できるようになっている。つまり、ヘッドカバー60を、回動により上に開いた状態(図9の実線で示す状態)にすることで、ナット6の締結部分を露出させ、当該露出部分に必要な作業を施すことができるようになっている。
以下、その点について詳しく説明する。
図2〜図4に示すように、ヘッドカバー60は、合成樹脂の射出成形品で構成されており、アームヘッド10の上部を覆うような椀型をなしている。即ち、ヘッドカバー60は、Z1方向の上面板61と、Y1方向及びY2方向の一対の側面板62、62と、X2方向の半円弧面状の後面板63と、を有し、アームシャンク40側(X1方向側)の前面とZ2方向側の下面が開放した椀形状をなしている。
一方、アームヘッド10には、ヘッドカバー60を装着したり回動時に利用したりするための手段として、幾つかの要素が設けられている。
まず、1つ目の要素として、アームヘッド10の一対の側板20の各外側面におけるアームシャンク40側の上角部の近傍には、ヘッドカバー60側のヒンジ孔66付きのボス部65のヒンジ孔(係合凹部)66に係合する一対のヒンジ突起(係合凸部)25が突設されている。
これらヒンジ突起25が配置されている位置は、アームシャンク40とアームヘッド10を回動可能に連結しているリベット30(回動中心P1)の位置とは別の位置であり、リベット30(回動中心P1)よりもアームシャンク40側に寄った位置である。
そのため、ヘッドカバー60は、反アームシャンク40側の部分を持ち上げることにより、アームヘッド10のピボット軸固定部11側をメンテナンス可能に露出できるようになっている。
次に、2つ目の要素として、アームヘッド10の一対の側板20の外側面の所定箇所に、図9に示すように、ヘッドカバー60を上方(Z2方向)に約90度回動させたとき、ヘッドカバー60側の一対のストッパ突起67が係合される。それにより、ヘッドカバー60を開いた状態(倒立姿勢)に保持する一対の保持孔28が設けられている。これら一対の保持孔28は、ヘッドカバー60が上方(Z2方向)に約90度回動したときにおけるヘッドカバー60側のストッパ突起67の位置に対応した位置に配置されている。
また、3つ目の要素として、アームヘッド10のピボット軸固定部11の左右両側の下端縁には、ヘッドカバー60を閉じたときに、ヘッドカバー60側の係合凸部68が係合することにより、ヘッドカバー60を閉じ位置に保持する係合凹部15が設けられている。
また、それ以外に、アームヘッド10の左右両側の外側面の所定箇所には、ヘッドカバー60との干渉を避けるための窪み部29が設けられている。
次に、ワイパアーム2を組み立てる手順について簡単に述べる。
ワイパアーム2を組み立てるには、まず、引張コイルバネ90の一端部91の係止部となるスプリングピン32を、金属加工品よりなるアームヘッド10のピン挿入孔27に圧入する。次に、アームシャンク40の基端の連結突片42を、アームヘッド10の一対の側板20、20の間の凹部21に挿入し、アームシャンク40側の連結孔43とアームヘッド10側の連結孔22を位置合わせする。
このワイパアーム2をピボット軸5に固定する場合(あるいは、固定後に固定箇所をメンテナンスするような場合)は、アームヘッド10側の係合凹部15とヘッドカバー60側の係合凸部68との係合を外しながら、ヘッドカバー60の反アームシャンク40側の部分をZ1方向に持ち上げる。そうすると、ヘッドカバー60が、ヒンジ孔66及びヒンジ突起25を回動中心P2として上方に回動し、ピボット軸固定部11が露出する。その際、ヘッドカバー60側のストッパ突起67が、アームヘッド10側の保持孔28に係合することで、ヘッドカバー60が倒立状態に保持される。従って、ピボット軸固定部11周辺に対する作業を、ヘッドカバー60を完全に取り外さないでも、簡単に行うことができる。
以上説明したように、本実施形態のワイパアーム2によれば、アームヘッド10を金属加工品(アルミダイキャスト)で構成したので、ワイパアーム2のベース部品であるアームヘッド10の剛性アップを図ることができる。また、金属加工品で構成したことにより、アームヘッド10の小型化や非変形性の向上が図れる。そのため、経年変化などによる動作不良の発生の未然の防止に寄与することができる。
例えば、上記実施形態におけるヒンジ突起(係合凸部)をヘッドカバー60側に設け、ヒンジ孔(係合凹部)をアームヘッド側に設けてもよい。
Claims (6)
- ワイパブレードに連結されるアームシャンクと、
前記アームシャンクに回動可能に連結されたアームヘッドと、
前記アームヘッドに一端部が取り付けられ、前記アームシャンクに他端部が取り付けられており、前記アームヘッドに対して前記アームシャンクをその回動方向に付勢し、前記ワイパブレードに被払拭面への押圧力を発生させる付勢手段と、
前記アームヘッドを覆うヘッドカバーと、
を備えたワイパアームにおいて、
前記アームヘッドを金属加工品で構成し、
前記ヘッドカバーの前記アームシャンク側を、前記アームシャンクと前記アームヘッドの回動中心とは別の位置に配置した回動中心を支点にして回動可能に、前記アームヘッドに装着した、
ことを特徴とするワイパアーム。 - 前記ヘッドカバーの回動中心を、前記アームシャンクと前記アームヘッドの回動中心よりもアームシャンク側に配置した、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパアーム。 - 前記ヘッドカバーの回動中心を、前記アームヘッドの前記アームシャンク側で、且つ前記被払拭面から離れた位置にある角部の近傍に配置した、
ことを特徴とする請求項2に記載のワイパアーム。 - 前記ヘッドカバーの回動中心を、前記ヘッドカバーの、前記アームシャンク側で、且つ前記被払拭面から離れた位置にある角部の近傍に配置した、
ことを特徴とする請求項3に記載のワイパアーム。 - 前記ヘッドカバーの内側面と前記アームヘッドの外側面のいずれか一方に係合凹部を設けると共に他方に係合凸部を設け、前記係合凹部と前記係合凸部との係合により、前記ヘッドカバーの回動中心を構成した、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワイパアーム。 - 合成樹脂成形品よりなる前記ヘッドカバーの内側面に前記係合凹部を設けると共に、前記金属加工品よりなるアームヘッドの外側面に前記係合凸部を設け、前記係合凹部と前記係合凸部との係合により前記ヘッドカバーの回動中心を構成した、
ことを特徴とする請求項5に記載のワイパアーム。
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