JP6482058B2 - 電動機の液体ジャケット付フレーム - Google Patents

電動機の液体ジャケット付フレーム Download PDF

Info

Publication number
JP6482058B2
JP6482058B2 JP2014181666A JP2014181666A JP6482058B2 JP 6482058 B2 JP6482058 B2 JP 6482058B2 JP 2014181666 A JP2014181666 A JP 2014181666A JP 2014181666 A JP2014181666 A JP 2014181666A JP 6482058 B2 JP6482058 B2 JP 6482058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate portion
partition plate
hollow
frame
circumferential direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014181666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016059109A (ja
Inventor
裕子 大森
裕子 大森
吉弘 岡本
吉弘 岡本
勝利 赤池
勝利 赤池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Electric Manufacturing Ltd filed Critical Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority to JP2014181666A priority Critical patent/JP6482058B2/ja
Publication of JP2016059109A publication Critical patent/JP2016059109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6482058B2 publication Critical patent/JP6482058B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Description

本発明は、回転軸に外挿される回転子を囲う固定子が内側に配置される電動機、特に全閉形電動機の液体ジャケット付フレームに関する。
全閉形電動機は例えば特許文献1で知られている。このものは、軸方向に長手の内筒部と、内筒部を囲う外筒部と、軸方向両端に夫々設けられて内筒部と外筒部との間の中空部を閉塞する一対の端板部とを備えるフレームを有する。フレームの長手方向両端に夫々連結されたブラケットには、一対の軸受を介して回転軸が軸支されている。回転軸には、永久磁石からなる回転子が外挿され、この回転子を囲うようにフレーム内には、ヨークにコイルを巻装して構成される固定子が配置されている。
近年、この種の全閉形電動機には、小形軽量化を図りつつ、高出力(例えば200kw以上)で高速回転(例えば20000min−1)のものが要望されるようになっている。ここで、JIS B 0905−1992、回転機械の剛性ロータの釣合い良さの規格によれば、釣合い良さの等級がG0.4〜G4000まで11段階で規定されており、選定した釣合い良さの等級において、許容残留不釣り合いをUper(g・mm)、釣合いのバランスを図る剛性ロータの半径をR(mm)とすれば、許容不釣合い質量m(g)は、m=Uper/Rとなり、例えば、釣合い良さの最も良いG0.4を選定して製作したとしても、不釣り合い質量mが残存することになる。
上記回転軸回りの不釣合い質量mによって誘発されて回転軸に作用する振れ回りの強制外力をP、剛体ロータ(回転軸及び回転子)の回転数をn(min―1)とすると、P=mR・(2π×n/60)となる。この場合、δは、回転子が設けられた箇所での回転軸周りの撓み変形量、Mは、前記箇所での回転軸周りの質量、Cは、前記箇所での回転軸周りの減衰係数、Kは、前記箇所での回転軸周りの撓み変形ばね定数とすると、M・dδ/dt+C・dδ/dt+Kδ=mR・(2π×n/60)という振れ回りによる強制振動の運動方程式(1)が成立する。
上記式(1)から、強制外力Pに起因する振れ回りの振動の振幅は、不釣り合い質量mの1乗に比例し、回転数nの2乗に比例して増幅され、振れ回りの振動加速度はこの振動の振幅の増幅度合に比例して増大する。このため、上述したように、高速回転化すればする程、回転子の外挿された回転軸周りの不釣り合い質量により生じる回転軸での振れ回りの振動が増大化すると共に、上記電動機自体の振動も煽られ、誘発されて大きくなり、電動機自体での振動による振幅を所望の値(例えば、30μm以下)に抑制することが困難になるばかりでなく、回転軸を軸支している軸受の破損を招来するという問題が生じる。
また、上記全閉形電動機において、小形軽量化と高出力化とをすればする程、電動機自体での単位容積当りの、特に固定子での銅損や鉄損による発熱量が著しく増加し、JEC―2100−2008 回転電気機械一般に規定されている絶縁種別(例えばH種など)の固定子のコイルの温度上昇を規格限度値以下に抑制することができないという問題がある。
固定子のコイルに生じる熱をフレームに効率良く伝導させてものとして、フレームに液体ジャケットを付設したもので構成することが例えば特許文献2で知られている。このものは、固定子のコイルのコイルエンドと、固定子鉄心の外周を支持する外周スリーブとの間に高熱伝導性の樹脂を充填、固着すると共に、フレーム側の外周スリーブの周囲に通路壁で囲われ、かつ、外周スリーブの周囲を螺旋状に周回する仕切り壁で区切られている冷却液用通路を設け、冷却液を液入口から液出口に循環させて外周スリーブに伝熱された熱を奪うように構成している。
然し、上記特許文献2のものでは、外周スリーブがフレームと独立した部品であり、しかも、冷却液用通路を形成している仕切り壁が外周スリーブの周囲に螺旋状に周回するように設けられている。結果として、回転軸が振動することによって誘発される小形軽量化した電動機自体の振動を抑制して、振動による振れ幅を所望の値以下とするために必要なフレームの曲げ剛性(E・I)の値を充足できるレベルまで大きくすることが極めて困難である(Eは、縦弾性係数、Iは、断面二次モーメント)。なお、冷却性能に関しては具体的な記載が無く、詳細は不明である。
特許第5354558号公報 特開2002−191149号公報
本発明は、以上の点に鑑み、電動機の回転軸が振動することで誘発される、電動機自体の振動を抑制して、振動による振れ幅を小さくできると共に、電動機の損失によって生じる固定子からの発熱量を液体に効率よく熱伝達して固定子を冷却することができる電動機の液体ジャケット付フレームを提供することをその課題とするものである。
上記の課題を解決するために、回転軸に外挿される回転子を囲う固定子が内側に配置される本発明の電動機の液体ジャケット付フレームは、軸方向に長手の内筒部と、内筒部を囲う外筒部と、軸方向の一端と他端に夫々設けられて内筒部と外筒部との間の中空部を閉塞する一対の端板部とを備え、中空部が、内筒部から放射状にのびて外筒部に一体に連結される、周方向に間隔を存して配置される軸方向に長手の第1、第2及び第3の仕切り板部で複数個の中空通路に仕切られ、周方向一箇所の第1の仕切り板部が軸方向の一端及び他端の端板部に液密に接し、この第1の仕切り板部から周方向一方に数えて奇数番目の第2の仕切り板部が、軸方向他端に設けられた端板部からのび、軸方向一端に設けられた端板部との間に、これら第2の仕切り板部の周方向両側の中空通路を連通する第1の連通部が形成されると共に、第1の仕切り板部から周方向一方に数えて偶数番目の第3の仕切り板部が、軸方向一端に設けられた端板部からのび、軸方向他端に設けられた端板部との間に、これら第3の仕切り板部の周方向両側の中空通路を連通する第2の連通部が形成されて第1の仕切り板部の周方向両側の中空通路の一方から他方まで軸方向に蛇行しながら連続する冷媒循環通路が構成されるようにし、各中空通路の径方向に沿う断面形状が四角形または円形であり、同等の通路面積を持つ16個以上の中空通路が形成されるように第1、第2及び第3の仕切り板部で中空部が分割され、内筒部と外筒部と第1、第2及び第3の仕切り板部と一対の端板部との全てが連結されて一体化して構成されることを特徴とする。
本発明によれば、中空通路の断面形状が四角形または円形となるように内筒部と外筒部とが補強リブとして機能する16枚以上の仕切り板部で連結して一体化した構成を採用したため、回転軸が強制振動することで誘発される、電動機自体の振動による振幅を効果的に抑制して、振動による振れ幅を所望の値以下とするために必要なフレームの曲げ剛性(E・I)の値を充足できるレベルまで大きくすることが可能となる。それに加えて、同等の通路面積を持つ16個以上の中空通路が形成される構成を採用したため、冷媒循環通路を流れる冷媒(冷却水)の流速が可及的に速くなると共に冷媒循環通路の全長に亘る流速分布が略均等になって、冷媒とフレームとの間の熱伝達率(α)を十分な値まで増大させることができ、その結果、電動機の損失によって生じる固定子からの発熱量を液体に効率よく熱伝達して固定子を冷却することができる。なお、フレームに形成する中空通路の数の上限は、冷媒循環通路に冷媒(冷却水)を供給するポンプの吐出能力(圧力)と内部通路における圧損とに応じて適宜設定される。
本発明において、前記中空通路の断面形状が四角形である場合、前記四角形の互いに向かい合う一組の対辺が夫々径方向に位置し、残りの他組の対辺が夫々周方向に位置し、一組の対辺の平均長さと他組の対辺の平均長さを同等とし、第1及び第2の連通部の軸方向長さは、一組の対辺の平均長さの1〜3倍の長さに設定すればよい。なお、本発明において、「同等」といった場合、長さ等が厳密に一致している場合だけを言うものではなく、上述の技術課題を解決できるものであれば、「同等」に含まれる。
本発明の液体ジャケット付フレームを備える全閉形電動機の断面図。 (a)は、液体ジャケット付フレームを示す斜視図、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿う断面図、(c)は、外筒部を取り外した状態で示すフレームの部分展開図。 (a)及び(b)は、図2(b)に対応させた、変形例に係る液体ジャケット付フレームの断面図。 (a)は、比較品の液体ジャケット付フレームの断面図、(b)は、外筒部を取り外した状態で示すフレームの部分展開図。 本発明の効果を示す実験結果のグラフ。 本発明の効果を示す熱伝達率の解析結果を示す図。 図6に示す解析結果に基づく固定子周りの温度分布の態様を示す図。
以下、図面を参照して、埋込構造永久磁石電動機タイプの全閉形電動機に本発明の液体ジャケット付きフレームを適用したものを例にその実施形態を説明する。以下において、「上」、「下」、といった方向を示す用語は図1を基準とし、また、回転軸の軸方向を左右方向とし、図1中、電動機の反伝動側である左側を「前」、電動機の伝動側である右側を「後」とする。
図1を参照して、EMは、本実施形態の液体ジャケット付きフレーム1を備えた電動機である。電動機EMのフレーム1の前後には、前側ブラケット2aと後側ブラケット2bとが夫々連結されている。前側及び後側の両ブラケット2a,2bには、前後一対の軸受3a,3bを介して回転軸4が軸支されている。回転軸4には、永久磁石からなる回転子5が外挿され、この回転子5を囲うようにフレーム1内には、ヨーク6aとヨーク6aに巻装されたコイル6bとを有する固定子6が固定配置されている。また、前側ブラケット2aの外壁面には液冷却装置CMが取り付けられている。電動機EMや、液冷却装置CM(例えば、特許第5354558号公報)については、公知のものが利用できるため、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
図2(a)〜図2(c)も参照して、本実施形態の液体ジャケット付きフレーム1は、例えば鋼材で製作され、軸方向に長手であって円筒状の内筒部11と、内筒部11を同心に囲う円筒状の外筒部12と、軸方向両端に夫々設けられて内筒部11と外筒部12との間の中空部13を閉塞する一対の端板部14a,14bとを備える。中空部13には、内筒部11から放射状にのびて外筒部12に一体に連結される、周方向に等間隔で配置される軸方向に長手であって所定の厚さを有する仕切り板部15で複数個の中空通路13aに仕切られている(図2(b)及び(c)参照)。
周方向一箇所の所定の仕切り板部15を第1の仕切り板部15aとし、この仕切り板部15aは軸方向両端の端板部14a,14bに液密に夫々接している。そして、第1の仕切り板部15aから周方向一方(図2(b)中、時計回り)に数えて奇数番目の仕切り板部を第2の仕切り板部15bとし、第2の仕切り板部15bは、軸方向一端としての後側の端板部14bとの間に、これら第2の仕切り板部15bの周方向両側の中空通路13aを連通する第1の連通部としての切欠き部16aが形成されている。他方、所定の仕切り板部15aから周方向一方に数えて偶数番目の仕切り板部を第3の仕切り板部15cとし、第3の仕切り板部15cは、軸方向他端としての前側の端板部14aとの間に、これら第3の仕切り板部15cの周方向両側の中空通路13aを連通する第2の連通部としての切欠き部16bが形成されている。
また、各中空通路13aの径方向に沿う断面形状は偏倚度合の小さい四角形に形成され、同等の通路面積を持つ16個以上(本実施形態では、28個)の中空通路13aが形成されるように第1〜第3の仕切り板部15a〜15cで中空部13が分割されている。この場合、四角形の互いに向かい合う一組の対辺131が夫々径方向に位置し、残りの他組の対辺132が夫々周方向に位置し、一組の対辺131の平均長さと他組の対辺132の平均長さとが同等となるように形成している。なお、中空通路13aの断面形状が四角形といった場合、各中空通路13aを画成する各辺の全てが直線で構成されている必要はなく、例えば径方向に位置する辺131を内筒部11と同心の曲線とすることができる。また、内筒部11と外筒部12とを仕切り板部15a〜15cで一体に連結した構造にする場合、鋳込みや溶接などの方法が用いられ、また、筒状部材に中空通路としての孔を穿設するようにしてもよい。更に、切欠き部16a,16bの軸方向の長さWは、一組の対辺132の平均長さの1〜3倍の長さに設定され、連通部において冷媒が円滑に流れるようにしている。
前側のブラケット2aには、前側の端板部14aを貫通して、第1仕切り板部15aの周方向一側に位置する中空通路13aに連通する流入口17aが形成され、更に、前側の端板部14aを貫通して、第1仕切り板部15aの周方向他側(周方向反対側)に位置する中空通路13aに連通する流出口17bが形成されている。これにより、流入口17aから、第1の仕切り板部15aの周方向両側の中空通路13aの一方から他方まで軸方向に蛇行しながら流出口17bまで連続する冷媒循環通路がフレーム1内に形成される。なお、中空通路13aの数が偶数である場合には、流入口17aと流出口17bとが共に前側の端板部14aに開設される一方で、中空通路13aの数が奇数である場合には、流入口17aが前側の端板部14aに開設され、流出口17bが後側の端板部14bに開設される。
上記実施形態では、内筒部11と外筒部12とを円筒状にしたものを例に説明したが、これに限定されるものではない。上記実施形態と同一の要素、部材に同一の符号を用いて説明すれば、図3(a)に示す変形例に係るフレーム10aでは、例えば外筒部12が多角形状(変形例では、八角形状)の輪郭を持つように形成されている。この場合、一の仕切り板部151は、内筒部11から多角形状の外筒部12の各頂点に向けて放射状にのびて一体に連結され、中空部13に形成しようとする中空通路13aの数(変形例では、16個)に応じて、互いに隣接する一の仕切り板部151相互の間に他の仕切り板部152が設けられている。この場合、上記同様、四角形の互いに向かい合う一組の対辺の平均長さと他組の対辺の平均長さとが同等となるように形成される。
他方で、各中空通路13aの径方向に沿う断面形状を偏倚度合の小さい四角形に形成したものを例に説明したが、断面形状はこれに限定されるものではなく、図3(b)に示す更に他の実施形態に係るフレーム10bでは、各中空通路13aの径方向に沿う断面形状を円形にしている。この場合、円形には楕円形状や長円形状も含まれる。但し、上記のいずれの場合でも、同等の通路面積を持つ16個以上(本実施形態では、28個)の中空通路13aが形成されるように第1〜第3の仕切り板部15a〜15cで中空部13が分割されるようにする必要がある。
ところで、冷媒との熱交換で固定子6を冷却するためのフレーム構造として次のものが考えられる。即ち、図4(a)及び図4(b)を参照して、比較品としてのフレームFLは、円筒状の内筒部A1と多角形状の外筒部A2と、軸方向両端に夫々設けられて内筒部A1と外筒部A2との間の中空部Bを閉塞する一対の端板部C1,C2とを備える。中空部Bには、内筒部A1から放射状にのびて外筒部A2に連結される、周方向に等間隔で配置される軸方向に長手であって所定の厚さを有する仕切り板部Dで複数個の中空通路B1に仕切られている。この場合、仕切り板部Dの先端を外筒部A2の各辺の略中点に連結して、五角形状の断面形状を持つ8個の中空通路B1が形成されるように中空部Bを分割している。中空通路B1には、内筒部A1から径方向外側に突出すると共に、両端板部C1,C2から夫々間隔を置いて軸方向に線状にのびる突条Eが形成され、放熱フィンとしての役割を果たす突条Eにより冷媒との接触面積を増加させるようにしている。そして、上記実施形態と同様、流入口Fから、第1の仕切り板部D1の周方向両側の中空通路B1の一方から他方まで軸方向に蛇行しながら流出口Gまで連続する冷媒循環通路がフレームFL内に形成されるようにしている。
上記比較品では、突条Eを設けていても、中空通路B1の数が8個と少なく、しかも、この突条EはフレームFLの外筒部A2と連結一体化されていない。このため、回転軸4が強制振動することによって誘発される電動機EM自体での振動を抑制して、振動による振幅をユーザー要求の所定の値以下とするために、必要とするフレームの曲げ剛性(E・I)の値を充足できるレベルまで大きくすることが難しく、遂には前側のブラケット2aと後側のブラケット2bとに夫々設けられている軸受3a,3bを破損する場合があることが判った。
また、上記比較品では、突条Eを設けた冷媒循環通路に沿って冷媒を蛇行させて循環させ、このとき、各中空通路B1の断面形状が偏倚度合の大きな5辺からなるいびつな形状となっていることで、冷媒である液体の内部通路内における流速の分布が不均一で非常に乱れた流れとなる。その結果、冷媒循環通路を流れる冷媒と、突条Eを有するフレームFLとの相互間での熱伝達率(α)が悪くて小さな値となり、上記電動機EMの損失によって発生する固定子6の発熱量を、フレームFLを介して冷媒である液体に効率良く熱伝達して固定子6を冷却し、上記固定子のコイル6bの温度上昇を抑制して低下させることが極めて困難であることが判った。
それに対して、上記実施形態によれば、比較品と比べ、フレーム1の曲げ剛性(E・I)に寄与する仕切り板部15の数を少なくとも2倍以上になるように増加させながら、この仕切り板部15により、中空通路13aの断面形状が四角形または円形となるように内筒部11と外筒部12とを連結して一体化した構成を採用したため、回転軸が強制振動することで誘発される、電動機自体の振動による振幅を効果的に抑制して、振動による振れ幅を所望の値以下とするために必要なフレームの曲げ剛性(E・I)の値を充足できるレベルまで大きくすることが可能となる。なお、仕切り板部15の厚みは、フレーム1の断面形状に応じて、図2(b)中に示すX−X軸回りの断面二次モーメント(I)の増大化による曲げ剛性(E・I)の向上(縦弾性係数Eは材料物性値であり、一定の定数値となるため、断面二次モーメントIの値を大きくする必要がある)と、フレーム1の内筒部11から仕切り板部15への熱伝導解析を行い、比較品の突条Eの代役としての機能を果すように、冷却性能の向上とを勘案して適宜設定すればよい。
それに加えて、同等の通路面積を持つ16個以上の中空通路13aが形成される構成を採用したため、冷媒循環通路を流れる冷媒(冷却水)の流速が比較品に比べて可及的に速くなると共に冷媒循環通路の全長に亘る流速分布が略均等になって、冷媒循環通路を流れる冷媒と本実施形態に係る発明のフレーム1との間の熱伝達率(α)を十分な値まで増大させることができ、その結果、電動機EMの損失によって生じる固定子6からの発熱量を液体に効率よく熱伝達して固定子6、ひいてはコイル6bの温度上昇を抑制できる。なお、フレーム1に形成する中空通路13aの数の上限は、流体循環通路に冷媒(冷却水)を供給するポンプの吐出能力(圧力)と内部通路における圧損とに応じて設定すればよい。
次に、本発明の効果を確認するため、次の実験を行った。この場合、275kw、215V/440V, 6000min−1/20000min−1仕様の埋込構造永久磁石同期電動機タイプの全閉形電動機を用い、フレームの種類をかえて回転軸4の回転数と電動機EM自体での振動加速度の大きさの相関関係を得た。
図5は、上記比較品のフレームFLと、本発明に係るフレーム1、10aとを夫々用いた場合において回転軸4の回転数(min−1)に対する電動機EM自体での振動加速度(m/s)の変化を示すグラフであり、図5中、−○−線で示すものが回転軸4の回転数(min−1)に対する図4(a)に示すフレームFL(比較品)での振動加速度(m/s)の変化、−●−線で示すものが回転軸4の回転数(min−1)に対するフレームFL(比較品)での振幅(μm)の変化を示すグラフである。また、図5中、−□−線で示すものが、図2(c)で示すフレーム1での振動加速度(m/s)の変化であり(図2(c)で示すフレーム1に係るものを発明品1という)、−△−線で示すものが、図3(a)で示すフレーム10aでの振動加速度(m/s)の変化である(図3(a)で示すフレーム10aに係るものを発明品2という)。
以上によれば、比較品では、回転軸4の回転数を増加させるにつれて上記の強制振動による振動加速度と振幅が概ね同様な傾向を辿って変化し、振動加速度が30m/sとなる付近で、振動による振幅も29umに達した。この場合、回転軸4を軸支している軸受3a,3bの破損を招来したケースもあった。それに対して、発明品2では、回転軸4の回転数を増加させると、振動加速度が変化するが、最大で18m/sとなり、発明品1では、最大でも7.1m/sとなっていることが判る。
ここで、比較品と、発明品1,2とのX−X軸回りの断面二次モーメントを比較してみると、比較品では、断面二次モーメント(I)が2.1×10mmであるのに対して、発明品2では、3.5×10mm、発明品1では、6.2×10mmであり、断面二次モーメント(I)の大きさに概ね反比例して上記の電動機EM本体の振動の加速度最大値が抑制低下されて小さくなることが判る。
次に、他の実験として、上記同様の埋込構造永久磁石同期電動機タイプの全閉形電動機を用い、275kw、215V, 6000min−1での当該電動機の損失によって発生する固定子の発熱量が16.47kw、冷媒として25℃の水、流量が50リットル/minとし、フレームの種類をかえてフレームと冷媒との相互間における熱伝達率(α)の解析を行い、その結果を図6に示す。図6(a)は比較品、図6(b)は発明品1、図6(c)は発明品2である。
これによれば、比較品では、冷媒循環通路の全長に亘る平均熱伝達率(α)が2400w/(m・K)となった。それに対して、発明品1では、平均熱伝達率(α)が3697w/(m・K)となった。これは、冷媒(冷却水)の各内部通路での流速が速く、しかも、各内部通路断面での流速分布が均一で一様な流れになればなるほど、上記熱伝達率(α)の分布にムラが無くなることに起因している。その結果、平均熱伝達率(α)の値は、比較品を1とすると、発明品2で約1.16倍、発明品1で約1.54倍と増大化し、フレームを介して冷媒に効率良く熱伝達して固定子を冷却できることが判る。
また、図7は、上記熱伝達率の解析結果を基に、フレーム毎に熱流体解析した固定子周りの温度分布の態様を示す図である。この場合、電動機の損失により発生する固定子の発熱量が16.47kwの場合において、温度上昇値が最大となる固定子の内径での夫々の温度上昇の値を比較すると、発明品2の場合は、比較品に比べて温度上昇値を5.63K低下させることができ、発明品1では、温度上昇値を9.12K低下させることができ、更には水温を同一にしたままで流量を80リットル/minに増やせば、平均熱伝達率は5298w/(m・K)まで上昇するので、温度上昇値を11.21Kまで低下させることも可能となり、固定子コイルの温度上昇を規格限度値以下に抑制することができることが確認された。
なお、図3(b)に示す、四角形の中空通路の断面積とほぼ同面積となるように円形状の穴を穿孔した場合、X−X軸回りの断面二次モーメントは6.45×10mmとなり、曲げ剛性(E・I)の大きさはほとんど同じであり、しかも冷媒である水温とその流量が同一であれば、冷媒循環通路の全長に亘る平均熱伝達率及び固定子の温度上昇値を発明品1と同等に抑制し低下させることが可能となる。
EM…全閉形電動機(電動機)、1,10a,10b…液体ジャケット付フレーム、11…内筒部、12…外筒部、13…中空部、13a…中空通路、14a,14b…端板部、15…仕切り板部、15a…周方向一箇所の所定の仕切り板部、15b…所定の仕切り板部から周方向一方に数えて奇数番目の仕切り板部、15c…所定の仕切り板部から周方向一方に数えて偶数番目の仕切り板部、16a,16b…切欠き部(連通部)。

Claims (2)

  1. 回転軸に外挿される回転子を囲う固定子が内側に配置される電動機の液体ジャケット付フレームにおいて、
    軸方向に長手の内筒部と、内筒部を囲う外筒部と、軸方向の一端と他端に夫々設けられて内筒部と外筒部との間の中空部を閉塞する一対の端板部とを備え、中空部が、内筒部から放射状にのびて外筒部に一体に連結される、周方向に間隔を存して配置される軸方向に長手の第1、第2及び第3の仕切り板部で複数個の中空通路に仕切られ、
    周方向一箇所の第1の仕切り板部が軸方向の一端及び他端の端板部に液密に接し、この第1の仕切り板部から周方向一方に数えて奇数番目の第2の仕切り板部が、軸方向他端に設けられた端板部からのび、軸方向一端に設けられた端板部との間に、これら第2の仕切り板部の周方向両側の中空通路を連通する第1の連通部が形成されると共に、第1の仕切り板部から周方向一方に数えて偶数番目の第3の仕切り板部が、軸方向一端に設けられた端板部からのび、軸方向他端に設けられた端板部との間に、これら第3の仕切り板部の周方向両側の中空通路を連通する第2の連通部が形成されて第1の仕切り板部の周方向両側の中空通路の一方から他方まで軸方向に蛇行しながら連続する冷媒循環通路が構成されるようにし、
    各中空通路の径方向に沿う断面形状が四角形または円形であり、同等の通路面積を持つ16個以上の中空通路が形成されるように第1、第2及び第3の仕切り板部で中空部が分割され、内筒部と外筒部と第1、第2及び第3の仕切り板部と一対の端板部との全てが連結されて一体化して構成されることを特徴とする電動機の液体ジャケット付フレーム。
  2. 請求項1記載の電動機の液体ジャケット付フレームであって、前記中空通路の断面形状が四角形であるものにおいて、
    前記四角形の互いに向かい合う一組の対辺が夫々径方向に位置し、残りの他組の対辺が夫々周方向に位置し、一組の対辺の平均長さと他組の対辺の平均長さを同等とし、第1及び第2の連通部の軸方向長さは、一組の対辺の平均長さの1〜3倍の長さに設定されたことを特徴とする電動機の液体ジャケット付フレーム。
JP2014181666A 2014-09-05 2014-09-05 電動機の液体ジャケット付フレーム Active JP6482058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014181666A JP6482058B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 電動機の液体ジャケット付フレーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014181666A JP6482058B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 電動機の液体ジャケット付フレーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016059109A JP2016059109A (ja) 2016-04-21
JP6482058B2 true JP6482058B2 (ja) 2019-03-13

Family

ID=55759098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014181666A Active JP6482058B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 電動機の液体ジャケット付フレーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6482058B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018182117A1 (ko) * 2017-03-28 2018-10-04 엘지전자 주식회사 모터
US11011955B2 (en) * 2017-03-28 2021-05-18 Lg Electronics Inc. Motor
JP2018207673A (ja) * 2017-06-05 2018-12-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 回転電機
JP2020202601A (ja) * 2017-08-22 2020-12-17 株式会社安川電機 モータ用ケース及びモータ
KR102111408B1 (ko) 2018-11-27 2020-05-15 엘지전자 주식회사 모터
JP6749438B2 (ja) * 2019-02-20 2020-09-02 三菱電機株式会社 回転電機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6727611B2 (en) * 2002-05-28 2004-04-27 Emerson Electric Co. Cooling jacket for electric machines
DE102004022557B4 (de) * 2004-05-07 2021-07-22 Siemens Aktiengesellschaft Elektrische Maschine mit Wasserkühlung
JP5796346B2 (ja) * 2011-05-17 2015-10-21 日産自動車株式会社 ステータハウジングの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016059109A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6482058B2 (ja) 電動機の液体ジャケット付フレーム
JP6609704B2 (ja) 冷却媒体分配要素を有する組み立てられた中空ロータシャフト
JP6302736B2 (ja) 回転電機
JP5211785B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP5120137B2 (ja) 回転電機
JP5505275B2 (ja) ステータ冷却装置
JP6368492B2 (ja) 回転電機
JP4786702B2 (ja) 回転電機の冷却構造
JP2014220901A (ja) 永久磁石埋込型回転電機
JP2019176648A (ja) 固定子枠、固定子及び回転電機
US20160344263A1 (en) Electric machine
WO2017082023A1 (ja) 回転電機
WO2016204238A1 (ja) 電動機
JP6068419B2 (ja) 全閉式回転電機
JP2018183009A (ja) 回転電機
JP5507131B2 (ja) モータユニット
JP2019106773A (ja) 回転子及び回転電機
JP6152257B2 (ja) 液冷モータ
WO2022265009A1 (ja) 回転電機用ケース、及び回転電機
JP5779098B2 (ja) 誘導発熱ローラ装置
JP2011078148A (ja) 電動機の冷却構造
JP6324469B2 (ja) 回転電機の冷却構造
JP6726071B2 (ja) モータの冷却機構
JP2013223391A (ja) 回転電機
JP2006094664A (ja) アキシャルギャップ型回転電機のステータ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6482058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250