JP6473390B2 - エンジン - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Description

本発明は、主として、エンジンの運転状態に基づいて燃料噴射装置を制御するエンジンに関する。
従来から、エンジンの運転状態に基づいて燃料噴射装置を制御可能なエンジンが知られている。特許文献1は、この種のエンジンを開示する。
特許文献1のエンジンは、燃料噴射量、コモンレールの圧力、又はアクセル開度の変化量等に基づいて、エンジンの運転状態が過渡状態か否かを判定する。このエンジンは、運転状態が過渡状態に移行したと判定した場合、燃料噴射量の最大値を制限する制御を行う。これにより、エンジンから大量の黒煙が排出されることを防止する。
また、過給機を備えるエンジンでは、運転状態が過渡状態である場合、過給機による吸気圧の上昇に遅れが発生する。そのため、定常状態よりも、噴射から燃料が着火するまでの時間である着火遅れが長くなることで、着火時期が遅くなり、失火が発生する可能性がある。これを考慮して、従来のエンジンでは、運転状態が過渡状態か定常状態かを判定して、その判定結果に応じて燃料噴射時期を異ならせる処理が行われることがある。具体的には、過渡状態と判定した場合に燃料噴射時期を遅らせることで、失火を防止することができる。
特開2006−29095号公報
ここで、過渡状態の判定方法としては、特許文献1に示すように、燃料噴射量、コモンレールの圧力、又はアクセル開度の変化量等に基づいて判定する方法が知られているが、この方法では、燃料噴射量、コモンレールの圧力、及びアクセル開度等が緩やかに変化した場合に、過渡状態と判定できない可能性がある。なお、これらの値が緩やかに変化した場合であっても過渡状態と判定できるように判定条件を設定すると、僅かな変化であっても誤って過渡状態と判定される可能性がある。
過渡状態の判定漏れと誤判定の防止はトレードオフの関係にあるため、過渡状態を的確に判定することは困難である。そのため、エンジンの運転状態によっては、着火遅れを考慮した燃料噴射時期が設定されないことがあった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、エンジンの運転状態を考慮した燃料噴射時期を設定可能なエンジンを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のエンジンが提供される。即ち、このエンジンは、燃料噴射装置と、吸気圧センサと、吸気温度センサと、制御部と、を備える。前記燃料噴射装置は、少なくともメイン噴射を行う。前記吸気圧センサは、吸気圧を検出する。前記吸気温度センサは、吸気温度を検出する。前記制御部は、記メイン噴射の燃料噴射時期を決定する。前記制御部は、前記吸気圧センサが検出した吸気圧、及び、前記吸気温度センサが検出した吸気温度に、実着火遅れ量マップを適用して、実際の運転状態を考慮した着火遅れ量である実着火遅れ量を求める。前記制御部は、エンジン回転数及び燃料噴射量に標準噴射時期マップを適用して定常状態における燃料噴射時期である標準噴射時期を求める。前記制御部は、エンジン回転数及び燃料噴射量に定常吸気圧マップを適用して定常状態における吸気圧である定常吸気圧を求める。前記制御部は、エンジン回転数及び燃料噴射量に定常吸気温度マップを適用して定常状態における吸気温度である定常吸気温度を求める。前記制御部は、前記定常吸気圧及び前記定常吸気温度に定常着火遅れ量マップを適用して定常状態における着火遅れ量である定常着火遅れ量を求める。前記制御部は、前記実着火遅れ量と前記定常着火遅れ量の差に基づいて補正量を求める。前記制御部は、前記標準噴射時期に前記補正量を加算して前記メイン噴射の燃料噴射時期を決定する。
これにより、実際の運転状態が考慮された実着火遅れ量に基づいて燃料噴射時期を決定することで、従来のような過渡状態の判定ミスが起こり得ないので、的確な燃料噴射時期を決定することができる。また、検出した吸気圧又は吸気温度が定常状態の値と大きく異なっていた場合であっても、それを考慮して着火遅れ量を求めることができるので、その点においても的確な燃料噴射時期を決定することができる。そのため、失火が発生する可能性を低下させることができる。また、着火遅れ量は筒内圧と筒内温度に応じて変化するため、筒内圧と関連がある吸気圧と、筒内温度と関連がある吸気温度と、に基づいて実着火遅れ量を算出することで、より的確な燃料噴射時期を設定することができる。また、標準噴射時期は燃料噴射時期の制御において一般的に用いられる値なので、この標準噴射時期との差分(補正量)を求めることで、既存の処理を活用しながら本願の処理を容易に追加できる。
前記のエンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記燃料噴射装置は、前記メイン噴射の前に少なくともプレ噴射を行う。前記制御部は、前記実着火遅れ量に基づいて、前記プレ噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量のうち少なくとも何れかを決定する。
これにより、プレ噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量も着火性に影響するため、これらを制御することで、失火をより確実に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの概略平面図。 気体の流れ及び各種センサを模式的に示す説明図。 燃料噴射の名称とタイミングを模式的に示す説明図。 定常時と過渡時における筒内圧の変化及び着火時期を示すグラフ。 燃料噴射時期を求める処理を示す図。 標準燃料噴射時期、定常着火遅れ量、及び実着火遅れ量を示すグラフ。 着火遅れと筒内温度、着火遅れと筒内圧の関係を示すグラフ及び数式。 検出吸気圧と筒内圧の関係を示すグラフ及び数式。 検出吸気温度と筒内温度の関係を示すグラフ及び数式。 プレ噴射量及びプレ噴射時期を補正する処理を示す図。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。エンジン100は、ディーゼルエンジンであり、作業機又は船舶等に搭載される。
初めに、図1から図3までを参照して、エンジン100の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン100の概略平面図である。図2は、気体の流れ及び各種センサを模式的に示す説明図である。図3は、燃料噴射の名称とタイミングを模式的に示す説明図である。
図1に示すように、エンジン100は、吸気系の部材として、吸入管20と、過給機21と、過給管24と、吸気マニホールド26と、を備える。
吸入管20は、外部から気体を吸入する。吸入管20は、気体中の塵等を取り除く図略のフィルタを備える。
過給機21は、図2に示すように、タービン22と、コンプレッサ23と、を備える。タービン22は、排気管31へ流れる排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサ23は、吸入管20及び過給管24の間に配置され、タービン22と同じシャフト21aに接続されており、タービン22の回転に伴って回転する。過給機21は、コンプレッサ23が回転することにより、空気を圧縮して強制的に吸気を行うことができる。
過給管24は、過給機21によって吸入された気体を吸気マニホールド26に供給する。吸気マニホールド26は、過給管24から供給された気体をシリンダ数に応じた数(本実施形態では4つ)に分けてシリンダヘッド10へ供給する。シリンダヘッド10には、シリンダヘッドカバー11及びインジェクタ(燃料噴射装置)12が配置されている。インジェクタ12は、図2に示すECU(エンジンコントロールユニット、制御部)50によって制御される。
インジェクタ12は、所定のタイミングで燃焼室に燃料を噴射する。具体的には、図3に示すように、インジェクタ12は、上死点(TDC)の近傍でメイン噴射を行うように構成されている。また、インジェクタ12は、このメイン噴射の直前に騒音低減のためのプレ噴射を行ったり、プレ噴射の更に前のタイミングでNOx低減及び騒音低減のためのパイロット噴射を行ったりすることができる。また、インジェクタ12は、メイン噴射の直後にPMの低減及び排気ガスの浄化促進及び温度上昇を目的としたアフター噴射を行ったり、アフター噴射の更に後のタイミングで温度上昇等を目的としたポスト噴射を行ったりすることができる。なお、インジェクタ12は、少なくともメイン噴射を行う構成であるが、他の噴射は行わなくても良い。
また、吸気マニホールド26には、図2に示すように、吸気圧センサ51と、吸気温度センサ52と、が取り付けられている。
吸気圧センサ51は、吸気マニホールド26内の気体の圧力(吸気圧)を検出してECU50へ出力する。吸気温度センサ52は、吸気マニホールド26内の気体の温度を検出してECU50へ出力する。
エンジン100は、排気系の部材として、排気マニホールド30と、排気管31と、排気ガス浄化装置32と、を備える。なお、排気ガス浄化装置32は、エンジン100とは少し離れた位置に配置されていても良い。
排気マニホールド30は、複数の燃焼室で発生した排気ガスをまとめて過給機21のタービン22へ供給する。また、排気マニホールド30には、排気圧センサ53と、排気温度センサ54と、が取り付けられている。
排気圧センサ53は、排気マニホールド30内の気体の圧力(排気圧)を検出してECU50へ出力する。排気温度センサ54は、排気マニホールド30内の気体の温度を検出してECU50へ出力する。
排気マニホールド30を通過した気体は、一部がEGR管41を介してEGR装置40へ供給されるとともに、残りが排気管31を介して排気ガス浄化装置32へ供給される。
また、エンジン100は、EGR装置40を備える。EGR装置40は、EGRクーラ42と、EGRバルブ43と、を備えている。EGRクーラ42は、排気ガスを冷却する。EGR装置40は、EGRバルブ43の開度を調整することで、吸気マニホールド26に供給される排気ガスの量を変化させることができる。
排気ガス浄化装置32は、排気ガスを浄化して排出する。排気ガス浄化装置32は、酸化触媒33と、フィルタ34と、を備える。酸化触媒33は、白金等で構成されており、排気ガスに含まれる未燃燃料、一酸化炭素、一酸化窒素等を酸化(燃焼)するための触媒である。フィルタ34は、例えばウォールフロー型のフィルタとして構成されており、酸化触媒33で処理された排気ガスに含まれるPM(粒子状物質)を捕集する。
また、排気ガス浄化装置32には、酸化触媒温度センサ55と、フィルタ温度センサ56と、差圧センサ57と、が取り付けられている。酸化触媒温度センサ55は、排気ガス浄化装置32の入口近傍(酸化触媒33の排気上流側)の温度を検出する。フィルタ温度センサ56は、酸化触媒33及びフィルタ34の間(フィルタ34の排気上流側)の温度を検出する。
差圧センサ57は、フィルタ34の上流側と下流側の圧力差を検出するためのセンサである。ECU50は、差圧センサ57の検出結果に基づいてフィルタ34に堆積したPM堆積量を算出する。PM堆積量の算出方法としては、差圧を用いる以外にも、エンジン100の動作履歴等に基づいて排気ガス浄化装置32で起こる酸化反応を算出し、それに基づいてPM堆積量を求めることもできる。
次に、エンジン100を稼動させたときに生じる着火遅れについて図4を参照して説明する。図4は、定常時と過渡時における筒内圧の変化及び着火時期を示すグラフである。なお、以下の説明では、単位時間あたりのエンジン回転数(即ちエンジン回転速度)を単にエンジン回転数と記載する。
一般的にエンジンは、エンジン回転数及び燃料噴射量(即ち運転状態)と、適切な燃料噴射時期と、を対応付けたマップを記憶している。そして、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に基づいて、このマップから適切な燃料噴射時期を決定する。しかし、このマップは、エンジンの運転状態が変化中でない場合(即ち定常状態の場合)を想定して作成されている。
ここで、加速時等の過渡状態では、アクセル開度が大きくなってから過給機が動作して吸気圧が上昇するまでにタイムラグがある(ターボラグ)。従って、過渡状態における吸気圧は、定常状態における吸気圧よりも低くなる。この場合、図4に示すように、過渡状態では、定常状態と比較して着火遅れが長くなり、着火時期が遅延する。また、場合によっては失火が生じる可能性もある。
特許文献1のような従来技術では、エンジンが定常状態か過渡状態かを判定して、定常状態と過渡状態とで異なる処理を行って燃料噴射時期を求めていた。しかし、定常状態か過渡状態かの判定を正確に行うことは困難であり、適切な燃料噴射時期が求められないことがあった。
本実施形態のECU50は、この点を考慮して、過渡状態であっても適切な燃料噴射時期を求める処理を行う。以下、図5及び図6を参照して、ECU50が燃料噴射時期を求める処理について説明する。図5は、燃料噴射時期を求める処理を示す図である。図6は、標準燃料噴射時期、定常着火遅れ量、及び実着火遅れ量を示すグラフである。
ECU50は、エンジン回転数と燃料噴射量に標準噴射時期マップ61を適用して、標準噴射時期を求める。標準噴射時期は、エンジン100が定常状態である場合の適切な燃料噴射時期を示す値である(図6を参照)。
ECU50は、エンジン回転数と燃料噴射量に定常吸気圧マップ62を適用して、エンジン100が定常状態のときの吸気圧(定常吸気圧)を求める。また、ECU50は、エンジン回転数と燃料噴射量に定常吸気温度マップ63を適用して、エンジン100が定常状態のときの吸気温度(定常吸気温度)を求める。
そして、ECU50は、定常吸気圧マップ62を用いて求めた定常吸気圧と、定常吸気温度マップ63を用いて求めた定常吸気温度と、に定常着火遅れ量マップ64を適用して、定常着火遅れ量を求める。定常着火遅れ量とは、エンジン100が定常状態のときにおいて、燃料噴射を開始してから着火が起こるまでの時間を示す(図6を参照)。
ECU50は、吸気圧センサ51が検出した吸気圧(検出吸気圧)と、吸気温度センサ52が検出した吸気温度(検出吸気温度)と、に実着火遅れ量マップ65を適用することで、実着火遅れ量を求める。実着火遅れ量は実際の吸気圧と吸気温度に基づいて算出されているため、実際の運転状態を考慮した着火遅れ量を求めることができる(図6を参照)。
ここで、実着火遅れ量マップ65を用いて検出吸気圧と検出吸気温度とから実着火遅れ量を算出する処理について図7から図9までを参照して説明する。図7は、着火遅れと筒内温度、着火遅れと筒内圧の関係を示すグラフ及び数式である。図8は、検出吸気圧と筒内圧の関係を示すグラフ及び数式である。図9は、検出吸気温度と筒内温度の関係を示すグラフ及び数式である。
図7の式(1)は、着火遅れを算出するための関係式である。ここで、τは着火遅れ[msec]を示し、p[MPa]は筒内圧を示し、T[K]は筒内温度を示し、E[J/kg]は活性化エネルギーを示し、R[J/kgK]は気体定数を示し、Aとnは定数を示している。式(1)に示すように、着火遅れは、筒内圧と筒内温度に応じて変化する。
図7のグラフは、式(1)をグラフ化したものであり、具体的には、筒内圧が異なる3つの状態において、筒内温度と着火遅れの関係を示したグラフである。図7に示すように、筒内温度が低くなるにつれて着火遅れ量は大きくなる。また、筒内圧が低くなるにつれて着火遅れ量は大きくなる。
このように、着火遅れ量は、筒内圧と筒内温度に基づいて求めることができる。以下、吸気圧と筒内圧の関係、及び、吸気温度と筒内温度の関係について説明する。
図8は、クランク角度に応じた筒内圧の変化を示している。なお、吸気圧は圧縮前の筒内圧と考えることができる。吸気マニホールド26の吸気がシリンダ内に流れて圧縮された場合、断熱的に変化していると考えることができるので、pvnは一定となる。ここで、pは圧力を示し、vは体積を示し、nはポリトロープ指数を示している。
従って、当初の筒内圧(即ち吸気圧)をp1とし、圧縮前の体積をv1とし、圧縮後の筒内圧をp2とし、圧縮後の体積をv2とすると、図8の式(2)が成立する。この式を変形すると式(3)となり、v1/v2をε(圧縮比)で置き換えると式(4)となる。
圧縮比はエンジンの排気量と、圧縮時の容積より算出することができる。この圧縮比と、吸気圧センサ51が検出した検出吸気圧と、を式(4)に用いることで、現在の筒内圧を求めることができる。
図9は、クランク角度に応じた筒内温度の変化を示している。なお、吸気温度は圧縮前の筒内温度と考えることができる。吸気マニホールド26の吸気がシリンダ内に流れて圧縮された場合、断熱的に変化していると考えることができるので、上記と同様に、Tvn-1は一定となる。
従って、当初の筒内温度(即ち吸気温度)をT1とし、圧縮前の体積をv1とし、圧縮後の筒内温度T2とし、圧縮後の体積をv2とすると、図9の式(5)が成立する。この式を変形すると式(6)となり、v1/v2をε(圧縮比)で置き換えると式(7)となる。
従って、圧縮比と、吸気温度センサ52が検出した検出吸気温度と、を式(7)に用いることで、現在の筒内圧を求めることができる。
このように、検出吸気圧から筒内圧を求め、検出吸気温度から筒内温度を求め、求めた筒内圧及び筒内温度から着火遅れ量を求めることができる。このように、検出吸気圧及び検出吸気温度と実着火遅れ量とは関連があり、それらの対応関係をマップ化したものが実着火遅れ量マップ65である。
図5に示すように、減算部66により、定常着火遅れ量から実着火遅れ量が減算される。これにより、図6に示す補正量が算出される。補正量は、標準燃料噴射時期と実際の運転状態で適切な噴射時期の差を示している。従って、加算部67により、標準噴射時期に補正量が加算されることで、実際の噴射時期を算出することができる。
これにより、実際の運転状態が考慮された実着火遅れ量に基づいて最終的な燃料噴射時期を決定することで、的確な燃料噴射時期を決定することができる。従って、筒内圧力が過剰に上昇したり失火が発生したりすることを防止できる。
このように、本実施形態のエンジン100は、メイン噴射の燃料噴射時期を調整することで、着火の安定を向上させた。ここで、着火の安定性は、プレ噴射の噴射量を増大させたり、プレ噴射の噴射時期をメイン噴射に近づけたりした場合でも向上させることができる。
従って、図10に示す処理を更に行うことで、着火の安定性を一層向上させることができる。具体的には、ECU50は、図10(a)に示すプレ噴射量補正マップ68を用いてプレ噴射量の補正量を算出する。プレ噴射量補正マップ68は、吸気圧センサ51が検出した検出吸気圧と、吸気温度センサ52が検出した検出吸気温度と、に基づいてプレ噴射量の補正量を求めるためのマップである。具体的には、検出吸気圧又は検出吸気温度が低くなるにつれて着火性が悪くなるので、着火性を向上させるために一層多い補正量を算出する。
同様に、ECU50は、図10(b)に示すプレ噴射時期補正マップ69を用いてプレ噴射時期の補正量を算出する。プレ噴射時期補正マップ69は、吸気圧センサ51が検出した検出吸気圧と、吸気温度センサ52が検出した検出吸気温度と、に基づいてプレ噴射時期の補正量を求めるためのマップである。具体的には、検出吸気圧又は検出吸気温度が低くなるにつれて着火性が悪くなるので、着火性を向上させるためにメイン噴射に近い時期にプレ噴射が行われるように補正量を算出する。
以上に説明したように、本実施形態のエンジン100は、インジェクタ12と、吸気圧センサ51と、吸気温度センサ52と、ECU50と、を備える。インジェクタ12は、少なくともメイン噴射を行う。吸気圧センサ51は、吸気圧を検出する。吸気温度センサ52は、吸気温度を検出する。ECU50は、吸気圧センサ51が検出した吸気圧、及び、吸気温度センサ52が検出した吸気温度のうち少なくとも何れかに基づいて、実際の運転状態を考慮した着火遅れ量である実着火遅れ量を求め、当該実着火遅れ量に基づいてメイン噴射の燃料噴射時期を決定する。
これにより、実際の運転状態が考慮された実着火遅れ量に基づいて燃料噴射時期を決定することで、従来のような過渡状態の判定ミスが起こり得ないので、的確な燃料噴射時期を決定することができる。また、検出した吸気圧又は吸気温度が定常状態の値と大きく異なっていた場合であっても、それを考慮して着火遅れ量を求めることができるので、その点においても的確な燃料噴射時期を決定することができる。そのため、失火が発生する可能性を低下させることができる。
また、本実施形態のエンジン100において、ECU50は、吸気圧センサ51が検出した吸気圧、及び、吸気温度センサ52が検出した吸気温度の両方に基づいて実着火遅れ量を算出することが好ましい。
これにより、着火遅れ量は筒内圧と筒内温度に応じて変化するため、筒内圧と関連がある吸気圧と、筒内温度と関連がある吸気温度と、に基づいて実着火遅れ量を算出することで、より的確な燃料噴射時期を設定することができる。
また、本実施形態のエンジン100において、ECU50は、定常状態における燃料噴射時期である定常燃料噴射時期と、定常状態における着火遅れ量である定常着火遅れ量と、を求める。ECU50は、実着火遅れ量から定常着火遅れ量を減算することで(実着火遅れ量と定常着火遅れ量の差に基づいて)補正量を求める。ECU50は、定常燃料噴射時期に補正量を加算することでメイン噴射の燃料噴射時期を決定する。
これにより、定常燃料噴射時期は燃料噴射時期の制御において一般的に用いられる値なので、この定常噴射時期との差分(補正量)を求めることで、既存の処理を活用しながら本願の処理を容易に追加できる。
また、本実施形態のエンジン100において、インジェクタ12は、メイン噴射の前に少なくともプレ噴射を行う。ECU50は、実着火遅れ量に基づいて、プレ噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量のうち少なくとも何れかを決定する。
これにより、プレ噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量も着火性に影響するため、これらを制御することで、失火をより確実に防止することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、検出吸気圧及び検出吸気温度の両方に基づいて、メイン噴射の燃料噴射時期の補正量を算出したが、何れか片方のみに基づいて、メイン噴射の燃料噴射時期の補正量を算出しても良い。
上記の実施形態では、標準燃料噴射時期、定常時着火遅れ量、及び実着火遅れ量を求めて最終的な燃料噴射時期を求めたが、検出吸気圧及び検出吸気温度に基づいて実際の運転状態が考慮されているのであれば、他の方法によって最終的な燃料噴射時期を求めても良い。例えば、着火遅れがない場合の燃料噴射時期を求め、それに実着火遅れ量を加算することで最終的な燃料噴射時期を求めても良い。
上記の実施形態では、マップを用いて、標準噴射時期、定常吸気圧、定常吸気温度、定常着火遅れ量、実着火遅れ量を求めたが、マップではなく演算によって上記の値を求めても良い。
上記の実施形態では、吸気マニホールド26内の圧力を吸気圧として検出し、吸気マニホールド26内の温度を吸気温度として検出したが、それ以外の部分(例えば吸気マニホールド26より上流の吸気管)の圧力及び温度を吸気圧及び吸気温度として検出しても良い。
上記の実施形態では、検出吸気圧及び検出吸気温度に基づいて、メイン噴射の燃料噴射時期、プレ噴射の噴射量、及びプレ噴射の燃料噴射時期を補正する構成である。これら以外にもコモンレールの圧力又はパイロット噴射の噴射条件(実施の有無、噴射量、噴射時期)等も着火性に影響することが知られているため、検出吸気圧及び検出吸気温度に基づいて、コモンレールの圧力又はパイロット噴射の噴射条件を補正しても良い。
上記の実施形態では、エンジン100に過給機が1つ設けられているが、過給機が2つ以上設けられても良い。また、上記の実施形態では、エンジン100にインタークーラが設けられていないが、インタークーラが1又は複数設けられても良い。
上記の実施形態では、過給機21を備えるエンジン100に本発明を適用する例を説明したが、自然吸気式のエンジンにも本発明を適用できる。
12 インジェクタ(燃料噴射装置)
50 ECU(制御部)
51 吸気圧センサ
52 吸気温度センサ
61 標準噴射時期マップ
62 定常吸気圧マップ
63 定常吸気温度マップ
64 定常着火遅れ量マップ
65 実着火遅れ量マップ

Claims (2)

  1. 少なくともメイン噴射を行う燃料噴射装置と、
    吸気圧を検出する吸気圧センサと、
    吸気温度を検出する吸気温度センサと、
    記メイン噴射の燃料噴射時期を決定する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記吸気圧センサが検出した吸気圧、及び、前記吸気温度センサが検出した吸気温度に、実着火遅れ量マップを適用して、実際の運転状態を考慮した着火遅れ量である実着火遅れ量を求め、
    エンジン回転数及び燃料噴射量に標準噴射時期マップを適用して定常状態における燃料噴射時期である標準噴射時期を求め、
    エンジン回転数及び燃料噴射量に定常吸気圧マップを適用して定常状態における吸気圧である定常吸気圧を求め、
    エンジン回転数及び燃料噴射量に定常吸気温度マップを適用して定常状態における吸気温度である定常吸気温度を求め、
    前記定常吸気圧及び前記定常吸気温度に定常着火遅れ量マップを適用して定常状態における着火遅れ量である定常着火遅れ量を求め、
    前記実着火遅れ量と前記定常着火遅れ量の差に基づいて補正量を求め、
    前記標準噴射時期に前記補正量を加算して前記メイン噴射の燃料噴射時期を決定することを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンであって、
    前記燃料噴射装置は、前記メイン噴射の前に少なくともプレ噴射を行い、
    前記制御部は、前記実着火遅れ量に基づいて、前記プレ噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射量のうち少なくとも何れかを決定することを特徴とするエンジン。
JP2015127216A 2015-06-25 2015-06-25 エンジン Active JP6473390B2 (ja)

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