JP2013036334A - 過給機付きディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より安定して失火の発生を抑制する制御を行うことのできる過給機付きディーゼルエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】過給機10によって過給が行われつつ運転される過給機付きディーゼルエンジンの制御装置として、過給機10によって圧縮された空気が通る吸気通路2に設けられて過給圧を計測する過給圧センサ30を備え、過給圧センサ30によって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行う。具体的には、過給圧センサ30によって計測される過給圧と目標過給圧との偏差が閾値以上であってかつ、計測される過給圧および増量前のパイロット噴射量の値が失火の生じうる範囲内にあることを条件に、パイロット噴射量の増量を行う。
【選択図】図1
【解決手段】過給機10によって過給が行われつつ運転される過給機付きディーゼルエンジンの制御装置として、過給機10によって圧縮された空気が通る吸気通路2に設けられて過給圧を計測する過給圧センサ30を備え、過給圧センサ30によって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行う。具体的には、過給圧センサ30によって計測される過給圧と目標過給圧との偏差が閾値以上であってかつ、計測される過給圧および増量前のパイロット噴射量の値が失火の生じうる範囲内にあることを条件に、パイロット噴射量の増量を行う。
【選択図】図1
Description
この発明は、過給機付きディーゼルエンジンを対象として失火の発生を抑制する制御を行う過給機付きディーゼルエンジンの制御装置に関する。
従来、失火の発生を抑制する制御を行うディーゼルエンジンの制御装置としては、特許文献1に記載の装置(システム)が知られている。この特許文献1に記載の装置は、エンジン回転数の変動から失火を検出する失火検出手段、あるいは、気筒内圧力の変動から失火を検出する失火検出手段や排気温度の変動から失火を検出する失火検出手段などを備えている。そして、各失火検出手段が失火を検出した場合には、燃料のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量を増量するようにしている。これにより、パイロット噴射による燃焼が促進されて、その後のメイン噴射時に着火しやすくなるため、失火状態を解消することができるようになる。
ところで、上記特許文献1に記載の装置(システム)における各失火検出手段は、いずれも失火が起こった後に、それを各パラメータの変動から検出するものである。したがって、失火が発生した場合、その検知が行われるまでのドライバビリティの悪化等が無視できないものとなっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より安定して失火の発生を抑制する制御を行うことのできる過給機付きディーゼルエンジンの制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、過給機によって過給が行われつつ運転されるディーゼルエンジンの失火の発生を抑制する制御を行う過給機付きディーゼルエンジンの制御装置であって、前記過給機によって圧縮された空気が通る吸気通路に設けられて過給圧を計測する過給圧センサを備え、前記過給圧センサによって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行うことを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、過給機によって過給が行われつつ運転されるディーゼルエンジンの失火の発生を抑制する制御を行う過給機付きディーゼルエンジンの制御装置であって、前記過給機によって圧縮された空気が通る吸気通路に設けられて過給圧を計測する過給圧センサを備え、前記過給圧センサによって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行うことを要旨とする。
上記構成によれば、より早期に異常(失火の起こりやすい状況)を検出して失火の発生を抑制する制御を行うことが可能となる。このため、より安定して失火の発生を抑制する制御を行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記失火の発生を抑制する制御として、パイロット噴射量の増量を行うことを要旨とする。
上記構成によれば、パイロット噴射による燃焼が促進されて、その後のメイン噴射時に着火しやすくなるため、より適切に失火の発生を抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記過給圧の変動の大きさの監視が、前記過給圧センサによって計測される過給圧と目標過給圧との偏差の算出であり、前記パイロット噴射量の増量が、前記算出した偏差が所定の閾値以上であることを条件に行われることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記過給圧の変動の大きさの監視が、前記過給圧センサによって計測される過給圧と目標過給圧との偏差の算出であり、前記パイロット噴射量の増量が、前記算出した偏差が所定の閾値以上であることを条件に行われることを要旨とする。
上記構成によれば、より適切に失火の起こりやすい状況を検出することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記偏差が大きいほど、前記パイロット噴射量の増量度合いを大きくすることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記偏差が大きいほど、前記パイロット噴射量の増量度合いを大きくすることを要旨とする。
上記構成によれば、より適切に失火の発生を抑制することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、エンジンの周囲の環境情報を検出するセンサをさらに備え、前記閾値を前記センサによって検出される環境情報に応じて可変とすることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、エンジンの周囲の環境情報を検出するセンサをさらに備え、前記閾値を前記センサによって検出される環境情報に応じて可変とすることを要旨とする。
上記構成によれば、エンジンの周囲の環境に応じて、すなわち、失火の起こりやすさに影響を与える環境条件を加味して閾値が設定されるため、より適切なときに、失火の発生を抑制する制御を行うことができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、前記環境情報を検出するセンサとして、エンジンの吸気温度を検出する吸気温度センサと、大気圧を検出する大気圧センサと、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサとを備え、前記閾値は、吸気温度が低いほど小さい値に、かつ、大気圧が低いほど小さい値に、かつ、冷却水温度が低いほど小さい値に、なる傾向で設定されることを要旨とする。
上記構成によれば、失火が起こりやすくなる状況であるほど、すなわち、吸気温度が低いほど、また、大気圧が低いほど、また、冷却水温度が低いほど、失火が起こりやすい状態であるという判定がなされやすくなる。したがって、より適切なときに、失火の発生を抑制する制御を行うことができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置において、過給圧とパイロット噴射量との関係が失火の生じうる範囲内にあるか否かを判定する失火域判定マップを備え、前記偏差が前記閾値以上であってかつ、前記計測される過給圧および増量前のパイロット噴射量の値が前記失火域判定マップにおいて失火の生じうる範囲内にあると判断されるときに前記パイロット噴射量の増量を行うことを要旨とする。
上記構成によれば、失火が起こる虞の高い状況を的確に検出することが可能となり、より適切に失火の発生を抑制することができるようになる。
以下、この発明にかかる過給機付きディーゼルエンジンの制御装置の一実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。まず、図1を参照して、この実施の形態にかかる過給機付きディーゼルエンジンの制御装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジン1は、過給機(ターボチャージャ)10を備え、この過給機10によって圧縮された空気を吸入空気として、吸気通路2を介して燃焼室3内に吸入する。そして、この吸入空気は、燃料噴射弁4から噴射される燃料と混合されて燃焼室3内で燃焼され、この焼燃後のガスが排気として排気通路5に送り出される。
過給機10は、排気通路5を通過する排気の流れによって回転するタービンホイール11と、タービンホイール11と一体に回転して吸気通路2の下流側へ空気を送り出すコンプレッサーホイール12とを備えている。すなわち、排気の流れによってタービンホイール11とともにコンプレッサーホイール12が回転することにより、吸入空気の過給が行われる。
また、排気通路5には過給機10を迂回するようにバイパス通路6が形成され、同通路6にはその排気流量を調節するウエストゲートバルブ7が設けられている。このウエストゲートバルブ7の開度を制御してバイパス通路6を通過する排気の量を調節することにより、タービンホイール11側に流れる排気の量が調節され、タービンホイール11の回転速度が変更される。すなわち、こうしたタービンホイール11の回転速度の調整を通じて、ディーゼルエンジン1の過給圧が制御されている。
一方、車両にはディーゼルエンジン1の各種の運転制御を行う電子制御装置20が搭載されており、この電子制御装置20が上述の燃料噴射弁4やウエストゲートバルブ7の制御を行っている。具体的には、電子制御装置20は、燃料噴射弁4の制御を通じて、燃料噴射弁4から噴射される燃料のメイン噴射の噴射量や噴射時期、メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量や噴射時期等を制御している。また、電子制御装置20は、ウエストゲートバルブ7の制御を通じて、吸気通路2の途中に設けられた過給圧センサ30によって検出される吸気通路2内の圧力(過給圧)を、排気や騒音の状態や燃費等を考慮して決定される目標過給圧に一致させるべくその調整を行っている。
さらに、電子制御装置20には、ディーゼルエンジン1の周囲の環境情報を検出するセンサとして、吸気温度を検出する吸気温度センサ31、大気圧を検出する大気圧センサ32、冷却水温度を検出する水温センサ33等から各該当する情報が入力される。そしてこの実施の形態では、これらのセンサから入力される情報と、過給圧センサ30によって計測される過給圧の変動の大きさの監視に基づいて、ディーゼルエンジン1に失火が発生することを抑制する制御を行っている。
次に、この失火の発生を抑制する制御について、図2を参照して詳しく説明する。図2に示すルーチンは、電子制御装置20を通じて、所定の演算周期で繰り返し実行される処理群である。
この制御ではまず、ステップS11において、上述の目標過給圧と過給圧センサ30によって計測される過給圧との偏差SDが算出される。そして、ステップS12において、この算出された偏差SDが閾値Ta以上であるか否かが判断される。偏差SDが閾値Taより小さいときには、失火が起こりにくい状態であると判断して以降の処理は行わない。一方、偏差SDが閾値Ta以上であると判断されると、失火が起こりやすい状態であると判断してステップS13へ進む。
ここで、閾値Taは、上述の吸気温度センサ31、大気圧センサ32、水温センサ33から得られる情報によって決定される。すなわち、閾値Taは、吸気温度が低いほど小さい値に、かつ、大気圧が低いほど小さい値に、かつ、冷却水温度が低いほど小さい値になる傾向で設定される。通常、吸気温度が低いほど、また大気圧が低いほど、そして冷却水温度が低いほど、失火は起こりやすくなる。そこで、この実施の形態では、閾値Taをこのような傾向に設定することにより、失火の起こりやすい状態が判断されやすくなるようにしている。
ステップS12で、偏差SDが閾値Ta以上であると判断されると、ステップS13において、その時点での過給圧とパイロット噴射量との関係が失火の生じうる範囲内にあるか否かが、図3に示す失火域判定マップに基づいて判断される。この失火域判定マップは、実験に基づいて作成されるものであり、電子制御装置20内の図示しないメモリに記憶されている。図3に示すように、過給圧とパイロット噴射量には、過給圧が小さいほど、また、パイロット噴射量が少ないほど失火の生じる虞が高くなるという傾向がある。ステップS13では、過給圧とパイロット噴射量の値がこの図3の失火域判定マップに示す失火域にあるか否かが判断される。
実際の過給圧が目標過給圧から離れるほど失火が起こりやすくはなるものの、目標過給圧は、上述のように排気や騒音の状態や燃費等を考慮して決定されるものであり、実際の過給圧が目標過給圧から離れたからといって必ず失火が起こるわけではない。そこで、この実施の形態では、過給圧とパイロット噴射量の関係からエンジンが失火の生じる虞の高い状態にあるか否かをさらに判断するようにしている。
このステップS13において、過給圧とパイロット噴射量の値が失火の生じうる範囲内にない、すなわち図3に示す失火域判定マップの非失火域にあると判断される場合は、以降の処理は行わない。一方、過給圧とパイロット噴射量の値が図3に示す失火域判定マップの失火域にあると判断される場合には、ステップS14に進み、パイロット噴射量の増量値Qを決定する。
この増量値Qは、上述のステップS11で算出した目標過給圧と過給圧センサ30によって計測される過給圧との偏差SDに応じて決定される。すなわち、偏差SDが大きいほど、パイロット噴射量の増量値Qは大きく設定される。そして、ステップS15において、ステップS14で決定された増量値Qに従って増量したパイロット噴射量にて燃料噴射が行われる。
続いて、ステップS16において、その時点での過給圧と増量していないパイロット噴射量の値とが失火が生じうる範囲内にあるか否かが、再び図3に示す失火域判定マップに基づいて判断される。過給圧とパイロット噴射量の値が、図3に示す失火域判定マップの失火域にあると判断される場合は、ステップS15で再び増量値Qに従って増量したパイロット噴射量にて燃料噴射が行われる。以後、ステップS16にて、過給圧とパイロット噴射量の値が非失火域にあると判断されるまで、増量値Qに従って増量したパイロット噴射量で燃料噴射が行われる。
上述のように、過給圧は目標過給圧に一致させるべく電子制御装置20によって制御がなされており、パイロット噴射量も機関負荷等その時の運転状態に応じて調整されている。したがって、この実施の形態では、過給圧とパイロット噴射量の値が非失火域にあると判断されるまでパイロット噴射量の増量を継続するようにしている。
次に、図4〜図7を参照しつつ、この実施の形態の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置の作用について説明する。なお、図4および図5、図6および図7において、それぞれ同一の記号で示す時刻は同じ時刻を示すものとする。
図4には、気筒内圧力の変動によって失火を検出する第1の比較例を示す。この第1の比較例にあっては、図4(a)に示すように、失火が生じた場合には、失火が起こった後に、実線で示す正常値に対し一点鎖線で示すように気筒内圧力に変動が生じる。したがって、異常の検出は失火が起こった後の時刻t1となり、それに伴うパイロット噴射量の増量も、図4(b)に二点鎖線で示すように、時刻t1から開始されることとなる。
これに対し、この実施の形態では、図5(a)に示すように、目標過給圧に対する実際の過給圧の変動を監視して失火の起こりやすい状態を検知するようにしている。すなわち、目標過給圧と実際の過給圧が乖離して過給圧が低い状態になると、燃焼室に送られる空気量が少なくなり、ピストンが上死点まで上昇したときの燃焼室内の温度が不足して失火が起こりやすくなる。そのため、目標過給圧に対する実際の過給圧の変動を監視することで、こうした失火の起こりやすい状態を検出することができる。これにより、この実施の形態では、第1の比較例と比較して、異常を時刻t1よりも早い時点の時刻t0で検出することが可能となる。そのため、パイロット噴射量の増量も、図5(b)に示すように、時刻t1よりも早い時点の時刻t0から開始することができるようになる。
また、図6には、エンジン回転数の変動によって失火を検出する第2の比較例を示す。この第2の比較例でも、図6(a)に示すように、失火が生じた場合には、失火が起こった後に、実線で示す正常値に対し一点鎖線で示すようにエンジン回転数に変動が生じる。したがって、異常の検出は失火が起こった後の時刻t2となり、それに伴うパイロット噴射量の増量も、図6(b)に示すように、時刻t2から開始されることとなる。
これに対し、この実施の形態では、図7に示すように、異常を時刻t2よりも早い時点の時刻t0で検出してパイロット噴射量の増量を開始することができるようになる。
このように、この実施の形態では、従来よりも早く異常を検出してパイロット噴射量の増量を開始することが可能となるため、より安定して失火の発生を抑制することができるようになり、ひいては、失火が起こる前にその前兆を検知して失火の発生を抑え、ドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
このように、この実施の形態では、従来よりも早く異常を検出してパイロット噴射量の増量を開始することが可能となるため、より安定して失火の発生を抑制することができるようになり、ひいては、失火が起こる前にその前兆を検知して失火の発生を抑え、ドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
また、パイロット噴射量の増量の条件として、目標過給圧と実際の過給圧との偏差SDが閾値Ta以上であることに加え、その時点での過給圧とパイロット噴射量との関係が失火の生じうる範囲内にあるか否かを判断するようにしている。これにより、失火が起こる虞の高い状況を的確に検出することができるようにもなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる過給機付きディーゼルエンジンの制御装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)過給圧センサ30によって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行うようにした。具体的には、過給圧センサ30によって計測される過給圧と目標過給圧との偏差SDを算出し、この算出した偏差SDが閾値Ta以上であることを条件に、パイロット噴射量の増量を行うようにした。これにより、より早期に異常を検出してパイロット噴射量の増量を開始することが可能となるため、より安定して失火の発生を抑制することができるようになる。また、気筒内圧力を計測するための筒内圧センサ等に対し、安価で耐久性の高い過給圧センサ30を用いているため、こうした制御装置を容易に実現することができる。
(1)過給圧センサ30によって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行うようにした。具体的には、過給圧センサ30によって計測される過給圧と目標過給圧との偏差SDを算出し、この算出した偏差SDが閾値Ta以上であることを条件に、パイロット噴射量の増量を行うようにした。これにより、より早期に異常を検出してパイロット噴射量の増量を開始することが可能となるため、より安定して失火の発生を抑制することができるようになる。また、気筒内圧力を計測するための筒内圧センサ等に対し、安価で耐久性の高い過給圧センサ30を用いているため、こうした制御装置を容易に実現することができる。
(2)偏差SDが大きいほど、パイロット噴射量の増量度合いを大きくするようにした。これにより、より適切に失火の発生を抑制することができるようになる。
(3)閾値Taを、吸気温度が低いほど小さい値に、かつ、大気圧が低いほど小さい値に、かつ、冷却水温度が低いほど小さい値になる傾向で設定するようにした。これにより、失火が起こりやすくなる状況であるほど、すなわち、吸気温度が低いほど、また、大気圧が低いほど、また、冷却水温度が低いほど、失火が起こりやすい状態であるという判定がなされやすくなる。したがって、より適切なときに、失火の発生を抑制する制御を行うことができるようになる。
(3)閾値Taを、吸気温度が低いほど小さい値に、かつ、大気圧が低いほど小さい値に、かつ、冷却水温度が低いほど小さい値になる傾向で設定するようにした。これにより、失火が起こりやすくなる状況であるほど、すなわち、吸気温度が低いほど、また、大気圧が低いほど、また、冷却水温度が低いほど、失火が起こりやすい状態であるという判定がなされやすくなる。したがって、より適切なときに、失火の発生を抑制する制御を行うことができるようになる。
(4)偏差が閾値Ta以上であってかつ、計測される過給圧および増量前のパイロット噴射量の値が失火域判定マップにおいて失火の生じうる範囲内にあると判断されるときパイロット噴射量の増量を行うようにした。これにより、失火が起こる虞の高い状況を的確に検出することが可能となり、より適切に失火の発生を抑制することができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記実施の形態では、過給圧とパイロット噴射量の値が非失火域にあると判断されるまで、パイロット噴射量の増量を行うようにしたが、それに代えて、目標過給圧と実際の過給圧との偏差SDが閾値Taより小さいと判断されるまでパイロット噴射量の増量を行うようにしてもよい。
・上記実施の形態では、過給圧とパイロット噴射量の値が非失火域にあると判断されるまで、パイロット噴射量の増量を行うようにしたが、それに代えて、目標過給圧と実際の過給圧との偏差SDが閾値Taより小さいと判断されるまでパイロット噴射量の増量を行うようにしてもよい。
・上記実施の形態では、ディーゼルエンジン1の周囲の環境情報を検出するセンサとして、吸気温度センサ31、大気圧センサ32、水温センサ33を備え、これらのセンサによって検出される情報に応じて閾値Taを可変とするようにしたが、センサの種類はこれらに限られない。失火の起こりやすさに影響を与える環境情報を検出するものであれば、これら以外のセンサから得た情報に応じて閾値Taを可変とするようにしてもよい。
・上記実施の形態では、閾値Taを、吸気温度が低いほど小さい値に、かつ、大気圧が低いほど小さい値に、かつ、冷却水温度が低いほど小さい値になる傾向に設定したが、これらの条件のうち1つのみ、もしくは2つの組み合わせを満たすように設定してもよい。
・閾値Taと同様、失火域判定マップについても、吸気温度、大気圧、冷却水温度等の環境条件に応じて失火域と非失火域の判定ラインを変更するようにしてもよい。これによれば、失火が起こる虞の高い状況をより的確に検出することが可能となる。
・上記実施の形態では、目標過給圧と実際の過給圧との偏差SDが閾値Ta以上であり、かつ、過給圧とパイロット噴射量の値が失火域にあるときにパイロット噴射量の増量を行うようにしたが、このような状態が一定時間続くときに、パイロット噴射量の増量を行うようにしてもよい。
・上記実施の形態では、失火の発生を抑制する制御として、パイロット噴射量の増量を行うようにした。これに代えて、失火の発生を抑制する制御として、パイロット噴射およびメイン噴射の噴射タイミングの進角を行うようにしてもよい。これによれば、燃料の予混合が促進され、燃料を着火しやすくすることができるようになる。また同様に、失火の発生を抑制する制御として、コモンレール圧を高くするようにしてもよい。これによれば、燃料が微細化されて遠くに噴射されるため、燃料を着火、燃焼しやすくすることができるようになる。また、排気再循環機構(EGR機構)を備えるディーゼルエンジンを対象とする場合には、失火の発生を抑制する制御として、EGR量を減量するようにしてもよい。これによっても燃料を着火しやすくして失火の発生を抑制することができるようになる。
1…ディーゼルエンジン、2…吸気通路、3…燃焼室、4…燃料噴射弁、5…排気通路、10…過給機、20…電子制御装置、30…過給圧センサ、31…吸気温度センサ、32…大気圧センサ、33…水温センサ。
Claims (7)
- 過給機によって過給が行われつつ運転されるディーゼルエンジンの失火の発生を抑制する制御を行う過給機付きディーゼルエンジンの制御装置であって、
前記過給機によって圧縮された空気が通る吸気通路に設けられて過給圧を計測する過給圧センサを備え、前記過給圧センサによって計測される過給圧の変動の大きさを監視して失火の発生を抑制する制御を行う
ことを特徴とする過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - 前記失火の発生を抑制する制御として、パイロット噴射量の増量を行う
請求項1に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - 前記過給圧の変動の大きさの監視が、前記過給圧センサによって計測される過給圧と目標過給圧との偏差の算出であり、前記パイロット噴射量の増量が、前記算出した偏差が所定の閾値以上であることを条件に行われる
請求項2に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - 前記偏差が大きいほど、前記パイロット噴射量の増量度合いを大きくする
請求項3に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - エンジンの周囲の環境情報を検出するセンサをさらに備え、前記閾値を前記センサによって検出される環境情報に応じて可変とする
請求項3または4に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - 前記環境情報を検出するセンサとして、エンジンの吸気温度を検出する吸気温度センサと、大気圧を検出する大気圧センサと、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサとを備え、
前記閾値は、
a.吸気温度が低いほど小さい値に、かつ
b.大気圧が低いほど小さい値に、かつ
c.冷却水温度が低いほど小さい値に、
なる傾向で設定される
請求項5に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。 - 過給圧とパイロット噴射量との関係が失火の生じうる範囲内にあるか否かを判定する失火域判定マップを備え、前記偏差が前記閾値以上であってかつ、前記計測される過給圧および増量前のパイロット噴射量の値が前記失火域判定マップにおいて失火の生じうる範囲内にあると判断されるときに前記パイロット噴射量の増量を行う
請求項3〜6のいずれか一項に記載の過給機付きディーゼルエンジンの制御装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20141007 |