JP6467241B2 - エアレスタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、転がり抵抗を減じたエアレスタイヤに関する。
エアレスタイヤとして、接地面を有する円筒状のトレッドリングと、車軸に固定されるハブとの間を、放射状に配列する複数のスポーク板を有するスポークによって連結させた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなエアレスタイヤでは、前記トレッドリングのうち接地面を有するトレッドゴム層に、通常の空気入りタイヤのトレッドゴム材料を使用することが、グリップ性や耐摩耗性等の観点から有利である。
しかし空気入りタイヤでは、ヒステリシスロスが非常に小さい空気によって荷重が支えられるのに対して、エアレスタイヤでは、空気に比してヒステリシスロスが大な固体部分、具体的にはトレッドリング及びスポーク板によって荷重が支えられる。そのため、もし空気入りタイヤのトレッド部に用いられるトレッド構成部材を、そのままエアレスタイヤのトレッドリングに転用した場合、エアレスタイヤの転がり抵抗は空気入りタイヤの転がり抵抗の2.5倍ぐらいにまで悪化してしまうという問題が生じる。
従って、エアレスタイヤの転がり抵抗を、空気入りタイヤのレベルまで減じるためには、空気入りタイヤにおけるトレッド構造とは異なる構造を用い、かつ空気入りタイヤにおけるトレッド構成部材とは異なる物性の部材を用いてトレッドリングを形成することが必要になる。
特開2014−218132号公報
そこで本発明は、トレッドリングに、第1、第2の補強コード層間に剪断ゴム層を挟んだサンドウィッチ構造を採用するとともに、第1、第2の補強コード層におけるタイヤ周方向の引張り弾性率と剪断ゴム層における剪断弾性率との比、剪断ゴム層における損失正接tanδと剪断弾性率との比、及び損失正接tanδの値をそれぞれ特定することを基本として、優れた操縦安定性能を確保しながら、転がり抵抗を低減しうるエアレスタイヤを提供することを課題としている。
本発明は、接地面を有する円筒状のトレッドリングと、前記トレッドリングの半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブと、前記トレッドリングと前記ハブとを連結するスポークとを具えたエアレスタイヤであって、
前記トレッドリングは、接地面を有するトレッドゴム層と、前記トレッドゴム層の最も近くに設けられた第1の補強コード層と、前記第1の補強コード層の半径方向内側に設けられた第2の補強コード層と、前記第1、第2の補強コード層間に設けられた剪断ゴム層とを含むとともに、
前記第1の補強コード層は、2枚のコードプライから形成され、
前記第2の補強コード層は、1枚のコードプライから形成され、
しかも前記剪断ゴム層は、損失正接tanδが0.06以下、かつこの損失正接tanδと前記剪断弾性率Eeとの比Ee/tanδが1500(単位MPa)以上であることを特徴としている。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記剪断弾性率Eeは、20MPa以上であることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記剪断ゴム層は、ブタジエンゴムの含有率が10〜100質量%であるゴム成分100質量部に対して、α、β−不飽和カルボン酸金属塩を10〜80重量部含有し、かつ過酸化物を含有するゴム組成物からなることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記第1、第2の補強コード層は、硫黄を加硫剤とした硫黄加硫のトッピングゴムを含むとともに、前記第1の補強コード層と前記剪断ゴム層との間、及び前記第2の補強コード層と前記剪断ゴム層との間に、加硫時における前記トッピングゴムから前記剪断ゴム層への硫黄の移行を妨げるインシュレーション層を介在させたことが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記インシュレーション層は、接着剤から形成されることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記トレッドリングは、前記第1、第2の補強コード層と前記剪断ゴム層とが半径方向内外に重なる重なり領域を具えるとともに、この重なり領域のタイヤ軸方向の巾Wyは、前記トレッドリングのタイヤ軸方向の巾Wrの60%以上であり、しかも前記第1、第2の補強コード層の両端、及び前記剪断ゴム層の両端は前記トレッドリングの内部で終端することが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記第1の補強コード層の前記2枚のコードプライは、それぞれ、補強コードをタイヤ周方向に対して5〜35°の角度で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成されることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記第1の補強コード層の前記2枚のコードプライは、前記補強コードの傾斜の向きを互いに違えて配されることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記第2の補強コード層の前記1枚のコードプライは、補強コードをタイヤ周方向に対して5°未満の角度で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成されることが好ましい。
剪断ゴム層における剪断弾性率Eeは、JIS K6251に準拠し、温度30℃、伸び2.00%において測定した静的な引張り弾性率を、1/3倍した値である。なお試験片は、加硫後のトレッドリングから切り出して形成する他、トレッドリング形成前の未加硫の剪断ゴム層を、170℃×20分でプレス加硫することにより形成しても良い。
剪断ゴム層における損失正接tanδは、JIS−K6394に準拠し、粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み(10%)、動歪(±1%)、周波数(10Hz)、変形モード(引張)、測定温度(30℃)において測定した値である。なお試験片は、加硫後のトレッドリングから切り出して形成する他、トレッドリング形成前の未加硫の剪断ゴム層を、170℃×20分でプレス加硫することにより形成しても良い。
エアレスタイヤの転がり抵抗を減じるためには、トレッドリングに使用されるゴムに、損失正接tanδが低い低発熱性のゴムを使用するとともに、このゴムの変形量を低く抑えることが重要である。
そこで本発明では叙上の如く、トレッドリングに、剪断ゴム層を第1、第2の補強コード層によって挟み込んだサンドウィッチ構造を採用している。そのため、走行時に受ける荷重の一部を、第1、第2の補強コード層の周方向の引張り弾性力によって支持させることができ、トレッドリングの変形量を低く抑えることが可能となる。
このとき、第1、第2の補強コード層の引張り弾性率Ebが、剪断ゴム層の剪断弾性率Eeに比して小さすぎる場合には、前記サンドウィッチ構造による上記機能が十分に発揮されなくなる。従って、トレッドリングの変形量を低く抑え、転がり抵抗を減じるとともに操縦安定性を高めるためには、前記弾性率の比Eb/Eeを100以上とすることが重要である。
他方、転がり抵抗を減じるためには、剪断ゴム層の損失正接tanδを0.06以下に抑えることも重要である。しかし、通常の硫黄加硫のゴム組成物の場合、損失正接tanδを下げると、剪断弾性率Eeも同時に下がるという傾向がある。その結果、損失正接tanδが減じるとはいえ、逆に剪断ゴム層の変形量が増加してしまい、転がり抵抗を十分に減じることができなくなる。そこで、転がり抵抗を減じるためには、損失正接tanδに加え、剪断弾性率Eeと損失正接tanδとの比Ee/tanδを規制することも重要であり、特にこの比Ee/tanδが1500(単位MPa)以上の剪断ゴム層を使用することが必要であることを見出しえた。
このような物性は、例えばα、β−不飽和カルボン酸金属塩を架橋剤としたブタジエン系のゴム組成物によって得ることができるが、このゴム組成物は、伸びが通常の硫黄加硫のゴム組成物に比べて小さく、柔軟性に欠け、脆いという特徴がある。そのため通常のタイヤ用ゴムとしての使用は困難であった。しかし、本発明のように、サンドウィッチ構造の剪断ゴム層に使用する場合には、剪断ゴム層が補強コード層に被覆されるため、外部からの衝撃を直接受けることはなく、また局所的な屈曲が起こった際にも、トレッドゴムや補強コード層がそれを緩和するため、問題なく使用することが可能となる。
本発明のエアレスタイヤの一実施形態を示す斜視図である。 図1のトレッドリングを示す斜視図である。 図2のトレッドリングの拡大断面図である。 インシュレーション層を誇張して示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のエアレスタイヤ1は、接地面2Sを有する円筒状のトレッドリング2と、トレッドリング2の半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブ3と、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク4を具える。本例では、前記エアレスタイヤ1が乗用車用タイヤとして形成される場合が示される。
前記ハブ3は、タイヤホイールに相当するもので、車軸に固定される円盤状のディスク部31と、このディスク部31の外周に形成される円筒状のスポーク取付け部32とを具える。ハブ3は、従来のタイヤホイールと同様に、例えば、スチール、アルミ合金、マグネシウム合金等の金属材料によって形成できる。
前記スポーク4は、略放射状にのびトレッドリング2とハブ3とを連結する複数のスポーク板4Aを具える。このスポーク4は、高分子材料による注型成形により、トレッドリング2及びハブ3と一体成形される。高分子材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が採用しうるが、安全性の観点から、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂などが好適であり、特にウレタン系樹脂は弾性特性に優れるため、より好適に採用しうる。
次に、トレッドリング2は、図2、3に示されるように、接地面2Sを構成するトレッドゴム層22と、トレッドゴム層22の最も近くに設けられた第1の補強コード層5と、第1の補強コード層5のタイヤ半径方向内側に設けられた第2の補強コード層6と、第1、第2の補強コード層5、6間に設けられた剪断ゴム層7とを有する。即ち、剪断ゴム層7を、第1、第2の補強コード層5、6にて挟み込んだサンドウィッチ構造を具える。
トレッドゴム層22の外周面である接地面2Sには、ウエット性能を付与するために、トレッド溝(図示しない)が種々なパターン形状にて形成される。このトレッドゴム層22には、空気入りタイヤと同様、路面とのグリップ力、及び耐摩耗性に優れるゴム組成物が好適に採用される。
第1の補強コード層5は、本例では、半径方向内外に重置される合計2枚のコードプライ5A、5Bから形成される。各コードプライ5A、5Bは、補強コードをタイヤ周方向に対して角度θ1(図2に示す)で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成される。第1の補強コード層5における補強コード、コード配列密度、角度θ1は、後述する第1の補強コード層5のタイヤ周方向の引張り弾性率Ebに応じて適宜設定される。本例では、各コードプライ5A、5Bが、スチールコード(補強コード)を例えば5〜35の角度θ1で配列させたコード配列体を具える。またコードプライ5A、5Bは、各補強コードがプライ間相互で互いに交差するように、補強コードの傾斜の向きを互いに違えて配される。これにより第1の補強コード層5は、面内剛性を高め、スリップ角が付いたとき発生するコーナリングパワーを高めて旋回性能を向上させることができる。
第2の補強コード層6は、本例では、1枚のコードプライ6Aから形成される。このコードプライ6Aは、補強コードをタイヤ周方向に対して角度θ2(図2に示す)で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成される。第2の補強コード層6における補強コード、コード配列密度、角度θ2も、後述する第2の補強コード層6のタイヤ周方向の引張り弾性率Ebに応じて設定される。本例では、コードプライ6Aが、スチールコード(補強コード)を5°未満の角度θ2で螺旋状に巻回したコード配列体を具える。これにより、第2の補強コード層6は、軽量としながらもタイヤ周方向の引張り弾性率Ebを高めることができる。
第1、第2の補強コード層5,6では、それぞれタイヤ赤道線に対して線対称をなす。もし線対称性が無い場合、荷重時、補強コード層5及び又は6に捻れが生じて、トレッドリング22が歪に変形し、円滑な転動が難しくなる。
各コードプライ5A、5B、6Aに用いる前記トッピングゴムは、補強コードとの接着性を確保するため、本例では、硫黄を加硫剤とした硫黄加硫のゴム組成物、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴム、或いはこれらの混合物等によって形成される。
次に、前記剪断ゴム層7は、第1、第2の補強コード層5、6間に設けられ。これにより、走行時にトレッドリング2が受ける荷重の一部を、第1、第2の補強コード層5、6におけるタイヤ周方向の引張り弾性力によって支持させることができ、荷重支持能力を効果的に高めてトレッドリング2の変形量を抑えることができる。
このとき、第1、第2の補強コード層5、6の引張り弾性率Eb、Ebが、剪断ゴム層7の剪断弾性率Eeに比して小さすぎる場合には、前記サンドウィッチ構造による機能が十分に発揮されなくなる。そのため、各弾性率の比Eb/Ee、及び比Eb/Eeをそれぞれ100以上に確保し、これによってトレッドリング2の変形量を低く抑え、転がり抵抗を減じるとともに優れた操縦安定性を確保している。特に、トレッドリング2の変形抑制のためには、前記比Eb/Ee、及び比Eb/Eeは、500以上、さらには1000以上が好ましい。なお引張り弾性率EbとEbとは相違しても良いが、相違する場合、引張り弾性率が高い方の補強コード層が過剰品質となるため、軽量化やコスト的に不利を招く。従って、引張り弾性率の比Eb/Ebは0.8〜1.2の範囲、特には等しいことが好ましい。
またトレッドリング2の変形抑制のためには、剪断ゴム層7の剪断弾性率Ee自体が高いことも必要である。そのために、剪断弾性率Eeを20MPa以上、さらには30MPa以上に設定するのが好ましい。これにより、前述の比Eb/Ee、及び比Eb/Eeの値と相俟って、荷重支持能力をより一層高めることができる。その結果、低転がり抵抗性や操縦安定性をさらに向上させる、或いは低転がり抵抗性や操縦安定性を一定レベルに確保しながらトレッドリング2の軽量化を図ることが可能となる。
他方、転がり抵抗を減じるためには、剪断ゴム層7を、ヒステリシスロスが小さい低発熱性のゴム組成物で形成することも重要である。本発明者の実験の結果、剪断ゴム層7の損失正接tanδが0.06程度であれば、空気入りタイヤに近い転がり抵抗を確保しうることを見出し得た。従って、本発明では、損失正接tanδを0.06以下に設定している。
しかし、通常の硫黄加硫のゴム組成物の場合、損失正接tanδを下げると、剪断弾性率Eeも同時に下がる傾向がある。その結果、損失正接tanδを減じたとしても、逆に剪断ゴム層7の変形量が増加してしまい、転がり抵抗を十分に減じることができなくなる。従って、転がり抵抗を減じるためには、損失正接tanδに加え、剪断弾性率Eeと損失正接tanδとの比Ee/tanδを規制することも重要である。特に、この比Ee/tanδを1500(単位MPa)以上とすることで、転がり抵抗を十分に減じることができる。
ここで、損失正接tanδが0.06以下、かつ比Ee/tanδが1500(単位MPa)以上のゴム組成物を、空気入りタイヤに使用されている従来的な硫黄加硫のゴム組成物によって形成することは難しい。その理由は、硫黄加硫のゴム組成物の場合、損失正接tanδを0.06以下に減じると、剪断弾性率Eeも低下してしまい、比Ee/tanδを1000以上に高めることが難しくなるからである。
このような状況において本発明者が研究した結果、例えばα、β−不飽和カルボン酸金属塩を架橋剤としたブタジエン系のゴム組成物Aを用いることで、上記物性を確保しうることを見出し得た。このゴム組成物Aは、伸び性が通常の硫黄加硫のゴム組成物に比べて小さく、脆いという特徴があるため、空気入りタイヤへの使用はなされていなかった。しかし、本発明のように、サンドウィッチ構造の剪断ゴム層7に使用する場合には、剪断ゴム層7が補強コード層5、6に被覆保護されるため、外部からの衝撃を直接受けることはなく、また局所的な屈曲が起こった際にも、トレッドゴム層4や補強コード層5、6がそれを緩和するため、耐久強度に問題なく使用することが可能となる。
次に、剪断ゴム層7のゴム組成物Aについて説明する。表1にゴム組成物Aの配合例が示される。
Figure 0006467241
このゴム組成物Aは、ブタジエンゴム(BR)の含有率が10〜100質量%であるゴム成分100質量部に対して、α、β−不飽和カルボン酸金属塩を10〜80重量部含有し、かつ過酸化物を含有する。このゴム組成物Aは、ブタジエンゴム(BR)とα、β−不飽和カルボン酸金属塩とが、過酸化物を開始剤として共架橋し、これにより硫黄加硫のゴム材料では難しかった高弾性かつ低発熱性が達成される。
ゴム成分は、100質量部中に、ブタジエンゴム(BR)を10〜100質量%含む。ブタジエンゴム(BR)を他のゴムとブレンドして用いる場合、ブレンド用ゴムとして、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができ、これらを単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いうる。なかでも、低発熱性に優れるという理由から、NRが好ましい。
ブタジエンゴム(BR)の含有率は10重量%以上であり、好ましくは20重量%以上である。10重量%を下回ると、低発熱化の効果が低下傾向となる。またブタジエンゴム(BR)の含有率が100重量%の場合、強度が低下する傾向があり、そのためブタジエンゴム(BR)の含有率の上限は、90重量%以下、さらには80重量%以下が好ましい。
共架橋剤として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸の金属塩であるα,β−不飽和カルボン酸金属塩が採用される。特に、耐久性に優れることから、アクリル酸金属塩、および/またはメタクリル酸金属塩が好ましく、メタクリル酸金属塩がより好ましい。またα,β−不飽和カルボン酸金属塩中の金属としては、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどがあげられ、充分な硬度が得られるという理由から、亜鉛が好ましい。
共架橋剤(α,β−不飽和カルボン酸金属塩)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して10〜80重量部である。10重量部を下回ると、充分な架橋密度が得られない。また、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の含有量が80重量部を越えると、硬くなり過ぎるとともに強度も低下してしまう。このような観点から、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の含有量の下限は、12重量部以上が好ましく、また上限は50重量部以下、さらには35重量部以下が好ましい。
前記過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどがあげられ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
過酸化物の含有量は、ゴム成分100重量部に対して0.1〜6.0重量部が好ましい。0.1重量部を下回ると、充分な硬度が得られない傾向がある。また、過酸化物の含有量が6重量部を越えると、架橋密度が過多となり強度が低下する傾向がある。このような観点から過酸化物の下限は0.2重量部以上がより好ましく、上限は2重量部以下がより好ましい。
ゴム組成物Aは、補強用充填剤を含有してもよい。補強用充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウムなどがあげられるが、とくにカーボンブラックが好ましい。前記補強用充填剤を含有する場合、補強用充填剤の含有量は、ゴム成分100重量部に対して90重量部以下、さらには50重量部以下がより好ましい。補強用充填剤の含有量が90重量部をこえると、優れた低発熱性が得られない恐れがある。
ゴム組成物Aには、前記ゴム成分、共架橋剤(α,β−不飽和カルボン酸金属塩)、過酸化物、および補強用充填剤以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、通常タイヤ工業で使用される配合剤、たとえば、酸化亜鉛、ワックス、ステアリン酸、オイル、老化防止剤、加硫促進剤などを含有してもよい。
なおゴム組成物Aには、共架橋剤(α,β−不飽和カルボン酸金属塩)が含まれるため、硫黄や硫黄化合物などの加硫剤は含まない。しかし、もし剪断ゴム層7が第1、第2の補強コード層5、6と隣接した場合、加硫時に、補強コード層5、6のトッピングゴムに含まれる硫黄が、剪断ゴム層7に移行し、剪断ゴム層7の物性を変化させる恐れを招く。従って、本例では、図4に誇張して示すように、第1の補強コード層5と剪断ゴム層7との間、及び第2の補強コード層6と剪断ゴム層7との間に、それぞれ硫黄の移行を妨げるインシュレーション層25を介在させるのが好ましい。このインシュレーション層25は、特に規制されないが、例えばケムロック6100〜6254(ロード社製商品名)等の接着剤が、硫黄の移行抑制と接着との双方の効果を発揮しうるため、好適に採用しうる。インシュレーション層25の厚さは、特に規制されないが、薄すぎると接着せず、厚すぎると接着層自身が脆いので破壊する可能性が生じる。このような観点から、前記厚さは3〜100μm、さらには7〜50μmが好ましい。
また図3に示されるように、トレッドリング2では、第1、第2の補強コード層5、6と剪断ゴム層7とが半径方向内外に重なる重なり領域Yにおいて、荷重を有効に支える働きをする。従って、トレッドリング2の変形抑制のためには、この重なり領域Yのタイヤ軸方向の巾Wyが、トレッドリング2のタイヤ軸方向の巾Wrの60%以上、さらには70%以上、さらには80%以上が好ましい。しかし、第1、第2の補強コード層5、6のタイヤ軸方向両端、及び剪断ゴム層7のタイヤ軸方向両端が、トレッドリング2の側面から露出する場合、露出部を起点として剥離などの損傷を招く恐れがある。従って第1、第2の補強コード層5、6の両端、及び剪断ゴム層7の両端は、トレッドリング2の内部で終端することが好ましい。
なお軽量化のために、第1、第2の補強コード層5、6のタイヤ軸方向巾は互いに等しいことがより好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズ145/70R12に相当するタイヤ)が試作され、操縦安定性及び転がり抵抗性がテストされた。各タイヤともトレッドリング以外は実質的に同仕様であり、スポークはウレタン樹脂(熱硬化性樹脂)による注型成形法により、トレッドリング及びハブと一体成形された。第1、第2の補強コード層は、以下の通りであり、補強コードの太さ、コード打ち込み本数、コード角度違えることでタイヤ周方向の引張り弾性率Eb1を変化させている。
<第1の補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/−21度
<第2の補強コード層>
・プライ数:1枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:0度(螺旋巻き)
<剪断ゴム層>
厚さ:4mm
<インシュレーション層>
・接着剤:ケムロック6125(ロード社製)、10μm
また比較例2の剪断ゴム層には、ジエン系ゴムを用いた硫黄加硫のゴム組成物Bが用いられカーボンブラック及び硫黄の含有量の調整により、剪断弾性率Ee及び損失正接tanδを変化させている。また比較例1,3、実施例1〜9の剪断ゴム層には、表1を基本組成としたゴム組成物Aが用いられ、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の含有量の調整により、剪断弾性率Ee及び損失正接tanδを変化させている。
(1)操縦安定性:
試供タイヤを、車両(小型EV:商品名COMS)の4輪に装着し、1名乗車にてドライアスファルト路面のタイヤテストコースを走行し、操縦安定性についてドライバーの官能評価により10点法にて表示した。数値の大きい方が良好である。
(2)転がり抵抗性:
転がり抵抗試験機を用い、速度40km/h、加重1.17kNの条件にて測定した転がり抵抗計数(転がり抵抗/荷重×10)を、従来例1を100とする指数で表示した。数値の小さい方が良好である。
Figure 0006467241
表に示されるように、実施例のタイヤは、優れた操縦安定性能を確保しながら転がり抵抗を減じうるのが確認できる。
1 エアレスタイヤ
2 トレッドリング
2S 接地面
3 ハブ
4 スポーク
5 第1の補強コード層
6 第2の補強コード層
7 剪断ゴム層
22 トレッドゴム層
25 インシュレーション層
Y 重なり領域

Claims (9)

  1. 接地面を有する円筒状のトレッドリングと、前記トレッドリングの半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブと、前記トレッドリングと前記ハブとを連結するスポークとを具えたエアレスタイヤであって、
    前記トレッドリングは、接地面を有するトレッドゴム層と、前記トレッドゴム層の最も近くに設けられた第1の補強コード層と、前記第1の補強コード層の半径方向内側に設けられた第2の補強コード層と、前記第1、第2の補強コード層間に設けられた剪断ゴム層とを含むとともに、
    前記第1の補強コード層は、2枚のコードプライから形成され、
    前記第2の補強コード層は、1枚のコードプライから形成され、
    しかも前記剪断ゴム層は、損失正接tanδが0.06以下、かつこの損失正接tanδと前記剪断弾性率Eeとの比Ee/tanδが1500(単位MPa)以上であることを特徴とするエアレスタイヤ。
  2. 前記剪断弾性率Eeは、20MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のエアレスタイヤ。
  3. 前記剪断ゴム層は、ブタジエンゴムの含有率が10〜100質量%であるゴム成分100質量部に対して、α、β−不飽和カルボン酸金属塩を10〜80重量部含有し、かつ過酸化物を含有するゴム組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載のエアレスタイヤ。
  4. 前記第1、第2の補強コード層は、硫黄を加硫剤とした硫黄加硫のトッピングゴムを含むとともに、前記第1の補強コード層と前記剪断ゴム層との間、及び前記第2の補強コード層と前記剪断ゴム層との間に、加硫時における前記トッピングゴムから前記剪断ゴム層への硫黄の移行を妨げるインシュレーション層を介在させたことを特徴とする請求項3記載のエアレスタイヤ。
  5. 前記インシュレーション層は、接着剤から形成されることを特徴とする請求項4記載のエアレスタイヤ。
  6. 前記トレッドリングは、前記第1、第2の補強コード層と前記剪断ゴム層とが半径方向内外に重なる重なり領域を具えるとともに、この重なり領域のタイヤ軸方向の巾Wyは、前記トレッドリングのタイヤ軸方向の巾Wrの60%以上であり、しかも前記第1、第2の補強コード層の両端、及び前記剪断ゴム層の両端は前記トレッドリングの内部で終端することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエアレスタイヤ。
  7. 前記第1の補強コード層の前記2枚のコードプライは、それぞれ、補強コードをタイヤ周方向に対して5〜35°の角度で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のエアレスタイヤ。
  8. 前記第1の補強コード層の前記2枚のコードプライは、前記補強コードの傾斜の向きを互いに違えて配されることを特徴とする請求項7記載のエアレスタイヤ。
  9. 前記第2の補強コード層の前記1枚のコードプライは、補強コードをタイヤ周方向に対して5°未満の角度で配列させたコード配列体と、その表面を被覆するトッピングゴムとから形成されることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のエアレスタイヤ。
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