JP6465825B2 - 焼却灰からの貴金属回収方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は焼却灰からの貴金属回収方法及び装置に関する。
一般ごみ、産業廃棄物等の廃棄物は焼却処理されており、焼却によって生ずる焼却灰は従来から埋立処分場に埋立処分されている。
近時、資源及び環境を保護する点から、焼却灰に含まれる有価物を回収して有効利用し、併せて埋立処分場への焼却灰の搬入量も低減させることの試みがなされている。
特許文献1に記載の焼却灰処理システムは、焼却灰中のセメント原料分(Fe2O3、CaO、Al2O3、SiO2)とミックスメタル(Fe、Cr、Ni、Cu)とをそれらの硬さの違いを利用して分別するものであり、磁性物を分別した後の焼却灰を乾式ボールミルに導入し、軟質のセメント原料分を細かく粉砕する一方において、硬質のミックスメタルを一定程度にまで粉砕する。この粉砕後の焼却灰を篩分機に導入し、分級粒径の小さいセメント原料分と、分級粒径の大きいミックスメタルとを分別し、セメント原料分はセメント原料として再利用され、ミックスメタルはリサイクル業者に売却されるものになる。
特開2009-56362号公報
特許文献1に記載の焼却灰処理システムは、焼却灰に含まれる有価物を回収して有効利用しようとするものではあるが、焼却灰中にあって軟質で分級粒径が小さくなるセメント原料分と硬質で分級粒径が大きくなるミックスメタルとを単にそれらの2者に分別するものであるに過ぎない。
従って、特許文献1に記載の焼却灰処理システムでは、焼却灰中の貴金属を含む粒子を、当該貴金属を含むことのない他の粒子から高い選別精度で選別し、当該貴金属を高品位で回収するところがない。
特に、廃棄物中に混入していた貴金属であって、廃棄物の焼却過程で溶融した貴金属が、焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着し、焼却灰中に貴金属付着粒子を形成するに至ったとき、当該貴金属付着粒子を含む焼却灰から当該貴金属を高い選別精度で選別する如くがない。
本発明の課題は、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から当該貴金属を高品位で回収することにある。
請求項1に係る発明は、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収方法であって、前記焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕工程と、破砕工程で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級工程と、分級工程で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別工程とを有し、前記比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を8000乃至12000ガウスの磁場により磁着する高磁力選別を行ない、この重量灰に含まれている非磁着性の貴金属を上記の磁着性の金属と選別する高磁力選別工程を更に有してなるようにしたものである。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記焼却灰中の貴金属付着粒子は、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着して形成されたものである。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記貴金属が金、銀又は銅であるようにしたものである。
請求項に係る発明は、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収装置であって、前記焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕機と、破砕機で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級装置と、分級装置で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別機とを有し、前記比重選別機で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を8000乃至12000ガウスの磁場により磁着する高磁力選別を行ない、この重量灰に含まれている非磁着性の貴金属を上記の磁着性の金属と選別する高磁力選別機を更に有してなるようにしたものである。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記焼却灰中の貴金属付着粒子は、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着して形成されたものである。
請求項に係る発明は、請求項乃至のいずれかに係る発明において更に、前記貴金属が金、銀又は銅であるようにしたものである。
(請求項1、3、4、6
(a)焼却灰を破砕して焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた金、銀、銅等の貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子を生成することで、焼却灰中で貴金属を含む粒子の貴金属含有濃度を高濃縮化できる。その上で、この焼却灰中の貴金属濃縮粒子をその他の粒子とともに一定の粒径に分級し、この分級された一定の粒径の粒子群から貴金属濃縮粒子を比重選別することで、焼却灰中の貴金属を含む粒子を当該貴金属を含むことのない他の粒子から高い選別精度で選別でき、結果として当該貴金属を高品位で回収できる。
(請求項1、4
(b)上述(a)の比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を8000乃至12000ガウスの磁場により磁着する高磁力選別を行ない、この重量灰に含まれている非磁着性の貴金属を磁着性の金属と選別することにより、非磁着性の貴金属を高品位で回収できる。
(請求項2、5
(c)廃棄物中に混入していた貴金属であって、廃棄物の焼却過程で溶融した貴金属が、焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着し、焼却灰中に貴金属付着粒子を形成するに至ったとき、この貴金属付着粒子を含む焼却灰を上述(a)、(b)によって処理することにより、当該貴金属を高品位で回収できる。
図1は焼却灰処理システムの主として破砕工程と分級工程とを示す模式図である。 図2は焼却灰処理システムの主として比重選別工程と高磁力選別工程とを示す模式図である。 図3はロータリーインパクトミルを示す模式図である。 図4はエアテーブルを示す模式図である。 図5は高磁力選別機を示す模式図である。
本発明は、一般ごみ、産業廃棄物等の廃棄物の焼却によって生じた焼却灰の処理システムにおいて、廃棄物に混入していた金、銀、銅等の貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から該貴金属を回収するとともに、鉛の含有量を低減させた焼却灰を選別するものである。
ここで、本発明において、焼却灰中の貴金属付着粒子とは、焼却灰中に何らかの形態で存在するに至った貴金属付着粒子であれば何でも良いが、特に、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の鉄、陶土等の他の物質に溶着して生成されたものを言う。
本発明による焼却灰処理システムでは、図1、図2に示す如く、廃棄物の焼却灰に対し、図1に示す磁選工程、破砕工程、分級工程、図2に示す磁選工程、比重選別工程、高磁力選別工程を、以下の如くに順に施す。
(1)磁選工程(図1)
焼却設備で焼却され、振動篩で一定の粒径に分級された粒子群からなる焼却灰をベルトフィーダ等の定量供給機10に投入する。
定量供給機10から搬送コンベヤ11に定量供給された焼却灰は、吊下げ磁選機12の下方を通過する過程で、鉄分等の磁性分が除去される。
(2)破砕工程(図1)
上記(1)で吊下げ磁選機12を通過した焼却灰は、搬送コンベヤ13により破砕機20に投入される。
破砕機20は、焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子を削り取る。これにより、破砕機20は、貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを生成する。
破砕機20としては、例えば図3に示すロータリーインパクトミル100を採用できる。ロータリーインパクトミル100は、低速で回転するドラム101と、ドラム101と同軸をなして高速で回転するローター102とを有する。ドラム101の内周には複数の反撥板103が着脱可能に設けられている。反撥板103の間には送り羽根104がスパイラル状に取付けられており、ドラム101を回転させると、原料投入部111から投入された焼却灰がドラム101内で落下上昇運動を繰り返しながら原料排出部112へ移送される。また、ローター102の外周には打撃板105が傾斜して等間隔で取付けられている。原料投入部111から投入された原料が高速回転するローター102の打撃板105に落下するとともに、飛び跳ねてくる原料が低速回転するドラム101の反撥板103に衝突することで、更に細かく粉砕されるものになる。
破砕機20によって焼却灰が破砕される際に発生する粉塵は、吸引送風機21の吸引負圧が付与されているサイクロン22、バグフィルタ23に接続されているロータリーインパクトミル100の集塵フード106から捕集される。バグフィルタ23は、空気圧縮機24を伴なう。
(3)分級工程(図1)
上記(2)の破砕固定で破砕された焼却灰中の貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを例えば以下の分級工程によって一定の粒径に分級する。
1次分級工程では、焼却灰を篩目が5mmの振動篩31により1次分級し、篩上から粒径5mm越えの粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収し、篩下から粒径5mm以下の粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収する。
2次分級工程では、1次分級された粒径5mm以下の粒子群からなる焼却灰を篩目3mmの振動篩32により2次分級し、篩上から粒径3mm乃至5mmの粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収し、篩下から粒径3mm以下の粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収する。
3次分級工程では、2次分級された粒径3mm以下の粒子群からなる焼却灰を篩目2mmの振動篩33により3次分級し、篩上から粒径2mm乃至3mmの粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収し、篩下から粒径2mm以下の粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収する。
4次分級工程では、3次分級された粒径2mm以下の粒子群からなる焼却灰を篩目1mmの振動篩34により4次分級し、篩上から粒径1mm乃至2mmの粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収し、篩下から粒径1mm以下の粒子群(貴金属濃縮粒子とその他の粒子が混在する粒子群)を回収する。
上記(3)の各振動篩32乃至34による各分級工程で分級された各一定粒径(3mm乃至5mm、2mm乃至3mm、1mm乃至2mm、1mm以下)の各焼却灰は、各一定粒径毎に、下記(4)乃至(6)の磁選工程、比重選別工程、高磁力選別工程に導入されて処理される。
(4)磁選工程(図2)
上記(3)の各振動篩32乃至34による各分級工程で分級された各焼却灰がベルトフィーダ等の定量供給機40に投入される。定量供給機40から搬送コンベヤ41を介して搬送コンベヤ42に定量供給される焼却灰は、吊下げ磁選機43の下方を通過する過程で、鉄分等の磁性物が除去される。
搬送コンベヤ41、42の周囲に発生する粉塵は、局所集塵機44、45によって捕集される。
(5)比重選別工程(図2)
上記(4)で吊下げ磁選機43を通過した焼却灰は、バケットコンベヤ46により乾式比重選別機50に投入される。
比重選別機50は、各振動篩32乃至34による各分級工程で分級された各一定粒径の各焼却灰中の粒子を比重選別し、当該焼却灰中の貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する。
比重選別機50は、上記焼却灰の比重選別により、比重の小さい軽量灰Lを回収するとともに、比重の大きい重量灰Hを回収する。比重選別機50が比重選別した重量灰Hは上記焼却灰中の貴金属濃縮粒子を多く含み、軽量灰HLは上記焼却灰中のその他の粒子を多く含むものになる。尚、比重選別機50は、上記焼却灰から、鉛の含有量を低減させた軽量灰Lを選別するものにもなる。
比重選別機50としては、例えば図4に示すエアテーブル200を採用できる。エアテーブル200は、所定の角度で傾斜し、バケットコンベヤ46から投入される焼却灰を受け入れる振動式テーブル面201を有し、このテーブル面201の下面から上面に空気流を通過させる複数の小通気口をもつスクリーン(網)202を備える。エアテーブル200は、スクリーン202を介してテーブル面201の下面から上面に吹上げ空気流を及ぼす吹上送風機203と、テーブル面201の上方からその上面に吸引空気流を及ぼす吸引送風機204を有する。エアテーブル200は、テーブル面201に及ぶ吹上空気流と吸引空気流によってテーブル面201上の焼却灰をテーブル面201の上面から浮かしつつ、テーブル面201にその傾斜方向に沿う振動を付与し、比重の大きい重量灰Hが下層、比重の小さい軽量灰Lが上層となる流動層Fをテーブル面201上に形成する。下層の重量灰Hはテーブル面201の斜面から摩擦力と振動力を受けて上方の重量物側へ移動し、上層の軽量灰Lは摩擦力と振動力を受けないため下方の軽量物側へ押し流され分別される。
比重選別機50によって焼却灰が比重選別される際に発生する粉塵は、吸引送風機204の吸引負圧が付与されているサイクロン205、バグフィルタ206に捕集される。バグフィルタ206は、空気圧縮機207を伴なう。
(6)高磁力選別工程(図2)
上記(5)の比重選別機50による比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰Hを高磁力選別機60によって高磁力選別し、この重量灰Hに含まれている非磁着性の金、銀、銅等の貴金属を、磁着性のニッケル、クロム等の金属に対して選別する。
高磁力選別機60は、例えば図5に示す如く、高磁力の磁場が存在するマグネットドラム61と、マグネットドラム61に巻き回されたベルトコンベヤ(移動式ベルト)62と、ベルトコンベヤ62のベルト面62A上に焼却灰を供給するフィーダ63とを有する。64はセパレータである。フィーダ63に供給された焼却灰(重量灰H)をベルトコンベヤ62により搬送し、マグネットドラム61上を通過させ、非磁着物と磁着物の分離を行なう。
即ち、フィーダ63により重量灰H(金、銀、銅等とニッケル、クロム等が混在する)をベルトコンベヤ62に供給して搬送させると、磁着性のニッケル、クロム等はマグネットドラム61の例えば8000乃至12000ガウス、本実施例では10000ガウスもの強力な磁場により磁着され、マグネットドラム61の磁場の影響がなくなるまでベルトコンベヤ62上にはり付いた状態で流れ、その磁場の影響がなくなった位置で自重により落下する。一方、非磁着性の金、銀、銅等は、マグネットドラム61の磁場に対する反撥力と回転するベルトコンベヤ62による慣性力により、早い時期においてベルトコンベヤ61から落下し、ニッケル、クロム等とは選別される。
しかるに、高磁力選別機60は、電動モータ61Mによるマグネットドラム61の回転速度を調整する速度コントローラ65を有する。ベルトコンベヤ62に投入される重量灰Hの分級粒径が小さいとき、速度コントローラ65によってベルトコンベヤ62の移動速度を高速側に調整することで、非磁着性の貴金属と磁着性の金属との選別精度を向上し、非磁着性の貴金属の回収量を向上可能にするものである。
即ち、高磁力選別機60のベルトコンベヤ62に投入される重量灰Hの分級粒径が小さいと、ベルト面62Aの上に投入されて堆積する単位面積当たりの粒子数が多数になり、上層側に位置する磁着性の金属を含む粒子がベルト面62Aとの間に非磁着性の貴金属を含む粒子を挟み込む状況を生じ得る。
このとき、ベルト面62Aの移動速度が低いと、ベルト面62Aの上に堆積する重量灰Hの厚みは厚くなり、より多数の非磁着性の貴金属を含む粒子が、上層側に堆積してマグネットドラムの磁場により当該ベルト面62Aに磁力吸引されている磁着性の金属を含む粒子によって当該ベルト面62Aとの間に挟み込まれ、磁着性の金属を含む粒子とともに当該ベルト面62Aにはり付いた状態で移送され、その磁場の影響がなくなった位置で磁着性の金属を含む粒子とともに落下する。この場合、焼却灰中の非磁着性の金、銀、銅等の貴金属を含む粒子を磁着性の金属を含む粒子に対して高い選別精度で高磁力選別できない。
これに対し、ベルト面62Aの移動速度を高速側に調整すると、ベルト面62Aの上に体積する重量灰Hの厚みは薄くなり、非磁着性の貴金属を含む粒子が、上層側に積層してマグネットドラムの磁場により当該ベルト面62Aに磁力吸引される磁着性の金属を含む粒子によって当該ベルト面62Aとの間に挟み込まれる機会は少なくなる。また、非磁着性の貴金属を含む粒子がベルト面62Aから付与される慣性力は大きなものになる。このため、非磁着性の貴金属を含む粒子が、磁着性の金属を含む粒子によってベルト面62Aとの間に挟み込まれて随伴することなく、ベルト面62Aから付与された大きな慣性力によって早い時期にベルト面62Aから離れて落下する。この場合、焼却灰中の非磁着性の金、銀、銅等の貴金属を含む粒子を磁着性の金属を含む粒子に対し高い選別精度で高磁力選別できる。
表1は、前述(3)の分級工程で各分級粒子Gに分級された焼却灰のそれぞれについて、前述(5)の比重選別を施して得られた重量灰Hを磁場10000ガウスの高磁力選別機60によって高磁力選別するに際し、ベルトコンベヤ62の移動速度Vを調整したとき、高磁力選別によって回収された銀回収量の調査結果を示したものである。回収量の少量、少量と多量の中間の量、多量、特に多量のそれぞれを、小、中、多、特多によって表示した。
Figure 0006465825
表1によれば、分級粒径Gを1〜2mm、更には0〜1mmに細かくするほど、各粒子の含有銀濃度が濃縮される結果、銀回収量を向上できることが認められる。また、高磁力選別機60のベルト速度Vを1.6m/s更には1.8m/sに高速化するほど、銀回収量を向上できることが認められる。高磁力選別機60のベルト速度Vが2.0m/sを越えると、各粒子に付与される慣性力が過大になって磁力選別精度が損なわれる。
表2は、銀回収量についての表1と同様に、金回収量の調査結果を示したものである。
Figure 0006465825
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)焼却灰を破砕して焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた金、銀、銅等の貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子を生成することで、焼却灰中で貴金属を含む粒子の貴金属含有濃度を高濃縮化できる。その上で、この焼却灰中の貴金属濃縮粒子をその他の粒子とともに一定の粒径に分級し、この分級された一定の粒径の粒子群から貴金属濃縮粒子を比重選別することで、焼却灰中の貴金属を含む粒子を当該貴金属を含むことのない他の粒子から高い選別精度で選別でき、結果として当該貴金属を高品位で回収できる。
(b)上述(a)の比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰Hを高磁力選別し、この重量灰Hに含まれている非磁着性の貴金属を磁着性の金属と選別することにより、非磁着性の貴金属を高品位で回収できる。
(c)廃棄物中に混入していた貴金属であって、廃棄物の焼却過程で溶融した貴金属が、焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着し、焼却灰中に貴金属付着粒子を形成するに至ったとき、この貴金属付着粒子を含む焼却灰を上述(a)、(b)によって処理することにより、当該貴金属を高品位で回収できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から当該貴金属を高品位で回収できる。
20 破砕機
31乃至34 振動篩(分級装置)
50 比重選別機
60 高磁力選別機
L 軽量灰
H 重量灰

Claims (6)

  1. 廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収方法であって、
    前記焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕工程と、
    破砕工程で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級工程と、
    分級工程で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別工程とを有し
    前記比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を8000乃至12000ガウスの磁場により磁着する高磁力選別を行ない、この重量灰に含まれている非磁着性の貴金属を上記の磁着性の金属と選別する高磁力選別工程を更に有してなる焼却灰からの貴金属回収方法。
  2. 前記焼却灰中の貴金属付着粒子は、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着して形成されたものである請求項に記載の焼却灰からの貴金属回収方法。
  3. 前記貴金属が金、銀又は銅である請求項1又は2に記載の焼却灰からの貴金属回収方法。
  4. 廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収装置であって、
    前記焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕機と、
    破砕機で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級装置と、
    分級装置で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別機とを有し
    前記比重選別機で選別された貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を8000乃至12000ガウスの磁場により磁着する高磁力選別を行ない、この重量灰に含まれている非磁着性の貴金属を上記の磁着性の金属と選別する高磁力選別機を更に有してなる焼却灰からの貴金属回収装置。
  5. 前記焼却灰中の貴金属付着粒子は、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の他の物質に溶着して形成されたものである請求項に記載の焼却灰からの貴金属回収装置。
  6. 前記貴金属が金、銀又は銅である請求項4又は5に記載の焼却灰からの貴金属回収装置。
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