JP6455026B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の排出ガス対策システムの故障を診断する車載式故障診断システムを搭載したハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、車載式故障診断システムでは、EGRバルブを閉じてエンジンからの排気が吸気系に供給されない状態にし、空燃比をリーン側やリッチ側に変動させたときのセンサからの出力電圧に基づいて、酸素センサ等の異常診断を行なう。そして、診断実施期間において、リーン側やリッチ側に変動させた時のエンジンのトルク変化を駆動力に伝達させないように、モータで変動分を補正する(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−46076号公報
しかしながら、従来装置にあっては、故障診断を実施するとき、エンジンのトルク変化を駆動力に伝達させないようにモータで変動分を補正するが、エンジンとモータではトルク応答が異なる。このため、エンジン変動トルクとモータ補正トルクのズレ分が駆動輪に伝達してしまい、駆動力が変動することでショックが出る、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジンの空燃比を変動させて故障診断を実施するとき、ショックの発生を防止するハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動源にエンジンとモータを有し、モータから駆動輪への駆動力伝達系に摩擦締結要素を備える。
このハイブリッド車両の制御装置において、エンジンの排出ガス対策システムの故障診断要求時、エンジンの空燃比をリーン側やリッチ側に変動させたときの検出値に基づいて故障診断を行なう故障診断制御手段を設ける。
故障診断制御手段は、エンジンの始動が完了し、エンジン回転数及びエンジントルクが上昇する時刻になるとリッチ診断を開始し、リッチ診断の開始から所定時間経過後において当該リッチ診断を完了する。
リッチ診断の完了時刻において摩擦締結要素スリップ締結状態への移行を開始し、当該スリップ締結状態で強制的にエンジン燃料カットを行う。
エンジン燃料カットを行う時刻においてエンジンのリーン診断を開始し、リーン診断の開始から所定時間経過後において当該リーン診断を完了する。
よって、エンジンの排出ガス対策システムの故障診断要求に基づいて故障診断を実施するとき、エンジンの始動が完了するとリッチ診断が開始される。リッチ診断が完了すると、摩擦締結要素をスリップ締結状態にし、スリップ締結状態で強制的にエンジン燃料カットが行われる。エンジン燃料カットを行う時刻においてエンジンのリーン診断が開始され、リーン診断の開始から所定時間経過後において当該リーン診断が完了する。
すなわち、摩擦締結要素がスリップ締結状態のときにエンジンの空燃比をリーン側に変動させることで、リッチ側からリーン側への変動時における燃料カットショックが抑えられる。
この結果、エンジンの空燃比を変動させて故障診断を実施するとき、エンジン始動→リッチ診断→スリップ制御→強制なエンジン燃料カット→リーン診断という一連の流れにより故障診断が実施される。よって、故障診断を実施するとき、燃料カットショックにより乗員に違和感を与えることなく、ドライバーのアクセル足離し操作に依存する場合に比べて診断時間を短くすることができる。
実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示すパワートレーン系構成図である。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。 実施例1の統合コントローラを示す演算ブロック図である。 実施例1の制御装置で用いられる定常目標トルクマップ(a)とMGアシスト駆動力マップ(b)を示すマップ図である。 実施例1の統合コントローラにて実行される統合制御演算処理の構成および流れを示すフローチャートである。 実施例1のOBDシステムを含む電子制御系にて実行される故障診断制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1において故障診断実施中にCL2スリップ制御を行うときのOBD診断実施期間・I/S禁止期間・I/S許可期間・ENGトルク・MGトルク・ENG回転数・MG回転数・CL2トルク指令・回転数制御モードの各特性を示すタイムチャートである。 実施例1において故障診断実施中にアップ変速が介入したときのENGトルク・MGトルク・ENG回転数・MG回転数・CL2トルク指令・回転数制御モード・ギア比の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1において故障診断実施中に燃料カットを行う減速が予測されるときのENGトルク・MGトルク・ENG回転数・MG回転数・減速予測区間・減速区間の各特性を示すタイムチャートである。 減速が予測されるコーナーでの減速シーン(例1)を示す説明図である。 減速が予測される降り坂での減速シーン(例2)を示す説明図である。 運転者の意図で減速準備を行うシーン(例3)を示す説明図である。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両の制御装置の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「統合コントローラの構成」、「統合制御演算処理構成」、「故障診断制御処理構成」に分けて説明する。
[パワートレーン系構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示す。以下、図1に基づき、パワートレーン系構成を説明する。
前記パワートレーン系は、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2(モータ)と、自動変速機3(変速機)と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5(摩擦締結要素)と、ディファレンシャルギア6と、タイヤ7(駆動輪)と、を備えている。つまり、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレーン系構成のハイブリッド車両であり、運転モードとして、第1クラッチ4の締結による「HEVモード」と、第1クラッチ4の開放による「EVモード」と、を有する。
前記エンジン1は、その出力軸とモータジェネレータ2(略称:「MG」)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称:「CL1」)を介して連結される。
前記モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称:「AT」)の入力軸とが連結される。
前記自動変速機3は、複数の変速段を有する変速機であり、その出力軸にディファレンシャルギア6を介してタイヤ7、7が連結される。この自動変速機3は、車速VSPとアクセル開度APOに応じて変速段を自動選択する自動変速を行う。
前記第2クラッチ4(略称:「CL2(クラッチ2)」)は、自動変速機3の変速要素として内蔵されている変速クラッチや変速ブレーキ等による摩擦締結要素のうち、トルク伝達を担っているトルク容量可変の1つの要素を用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力を合成してタイヤ7、7へ出力する。
前記第1クラッチ4と第2クラッチ5には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる乾式多板クラッチや湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレーン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータジェネレータ2の動力のみで走行する「EVモード」であり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータジェネレータ2の動力で走行する「HEVモード」である。
そして、パワートレーン系には、第1クラッチ4の入力回転数を検出するCL1インプット回転センサ10と、第1クラッチ4の出力回転数(=CL2入力回転数=モータ回転数)を検出するCL1アウトプット回転センサ11と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
[制御システム構成]
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す。以下、図2に基づいて、制御システム構成を説明する。
前記制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20(略称:「HCM」)と、エンジンコントローラ21(略称:「ECM」)と、モータコントローラ22と、インバータ8と、バッテリ9と、ATコントローラ25と、を備えている。さらに、ソレノイドバルブ14と、ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ17と、CL1ストロークセンサ23と、SOCセンサ16と、車間センサ24と、ナビゲーションシステム26と、OBDシステム27と、を備えている。
前記統合コントローラ20は、パワートレーン系構成要素の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態SOCと、車速VSPと、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ソレノイドバルブ14、15に駆動信号を指令する。
前記エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を制御する。前記インバータ8は、モータジェネレータ2を駆動する。前記バッテリ9は、電気エネルギーを蓄える。ATコントローラ25は、自動変速機3を変速制御する。
前記ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5(CL2)の油圧を制御する。前記アクセル開度センサ17は、アクセル開度(APO)を検出する。前記CL1ストロークセンサ23は、第1クラッチ4(CL1)のクラッチピストンのストロークを検出する。前記SOCセンサ16は、バッテリ9の充電容量状態を検出する。前記車間センサ24は、レーダやカメラ等を用い、自車と前方障害物との距離を検出する。
前記ナビゲーションシステム26は、道順案内などを行いドライバーの運転を支援する車載システムであり、自車の現在位置をGPS情報から自動的に割り出し、システムに記録された地図情報と照らし合わせることでドライバーの運転を支援する。
前記OBDシステム27(「OBD」とは「On Board Diagnosis」の略称)は、車載式故障診断システムと呼ばれ、エンジン1の排出ガス対策システムの故障をモニターし、警告灯を点灯させドライバーに故障を知らせると同時に、故障内容を記録しておく警報システムである。このOBDシステム27で故障をモニターする主な対象としては、燃料系センサ、EGR系センサ、酸素センサ、サーモスタット等がある。これらの排出ガス対策システムに故障した場合、ドライバーに故障を知らせると同時に、その内容がコンピューターに記録される。そして、この記録情報は、サービス時に読み取ることができるようになっている。なお、OBDシステム27はエンジンコントローラ21に接続されている。そして、エンジンコントローラ21は、CAN通信線を介して統合コントローラ20と双方向に情報交換可能に接続されている。さらに、統合コントローラ20は、モータコントローラ22とATコントローラ25とナビゲーションシステム26とも双方向に情報交換可能に接続されている。
[統合コントローラの構成]
図3は、実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図3及び図4に基づいて、統合コントローラ20の構成を説明する。
前記統合コントローラ20は、図3に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
前記目標駆動力演算部100は、図4(a)に示す目標定常駆動力マップと、図4(b)に示すMGアシスト駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、目標定常駆動力とMGアシスト駆動力を算出する。
前記モード選択部200は、車速毎のアクセル開度で設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
前記目標発電出力演算部300は、走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。また、現在の動作点から図7で示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、前記目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常駆動力、MGアシスト駆動力と目標モードと車速VSPと要求発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標変速比とCL1ソレノイド電流指令を演算する。
前記変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。車速VSPとアクセル開度APOから現在の変速段から次変速段をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
[統合制御演算処理構成]
図5は、実施例1の統合コントローラ20にて実行される統合制御演算処理の流れを示す。以下、図5に基づいて、統合制御演算処理構成を説明する。
ステップS01では、各コントローラからデータを受信し、次のステップS02では、センサ値を読み込み、後の演算に必要な情報を取り込む。
ステップS03では、ステップS02でのセンサ値読み込みに続き、車速VSP、アクセル開度APO、ブレーキ制動力に応じて目標駆動力を演算し、ステップS04へ進む。
ステップS04では、ステップS03での目標駆動力の演算に続き、目標駆動力、バッテリSOC、アクセル開度APO、車速VSP、路面勾配、等の車両状態に応じて、目標走行モードを選択し、ステップS05へ進む。
ステップS05では、ステップS04での目標走行モード演算に続き、エンジン1の空燃比の切り替え判定を演算し、ステップS06へ進む。
このエンジン空燃比の切り替え判定では、例えば、アクセル足離し操作時は、エンジン1の燃料カットにより空燃比をリーン状態(燃料が薄い状態)にし、アクセル踏み込み操作時は、エンジン1の空燃比をリッチ状態(燃料が濃い状態)にする。
ステップS06では、ステップS05での空燃比の切り替え判定演算に続き、例えば、エンジン始動時の第1クラッチ4(CL1),第2クラッチ5(CL2)の状態に応じて、モータ制御モード、エンジン起動タイミングを選択するというように、各走行モードのモード遷移要求があったときに過渡走行モードの演算を行い、ステップS07へ進む。
ここで、この過渡走行モードの演算には、「EVモード」から「HEVモード」へのモード遷移要求に基づくエンジン始動制御演算処理が含まれる。
ステップS07では、ステップS06での過渡走行モード演算に続き、ステップS04で決めた目標走行モード等に合わせて、目標入力回転数を演算し、ステップS08へ進む。
ステップS08では、ステップS07での目標入力回転数演算に続き、目標駆動力及び各種デバイスの保護を考慮した目標入力トルクを演算し、ステップS09へ進む。
ステップS09では、ステップS08での目標入力トルク演算に続き、ステップS08で算出した目標入力トルク及び発電要求を考慮し、エンジン1とモータジェネレータ2へのトルク配分を決め、それぞれの目標値を算出し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS09での目標エンジントルク/モータトルク演算に続き、ステップS06の過渡走行モード演算で決めた指令に応じて、第1クラッチ4(CL1)の目標クラッチトルク容量を演算し、ステップS11へ進む。
ステップS11では、ステップS10での目標クラッチ1トルク容量演算に続き、ステップS06で決めた走行モード状態、CL2スリップ回転数に応じて、第2クラッチ5(CL2)の目標クラッチトルク容量を演算し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS11での目標クラッチ2トルク容量演算に続き、各コントローラへデータを送信し、エンドへ進む。
[故障診断制御処理構成]
図6は、実施例1のOBDシステム27を含む電子制御系にて実行される故障診断制御処理の流れを示す(故障診断制御手段)。以下、図6に基づき、故障診断制御処理構成を説明する。なお、故障診断制御処理は、「EVモード」の選択時であり、かつ、故障診断要求があるときに開始される。
ステップS61では、診断開始条件が成立しているか否かを判断する。YES(診断開始条件成立)の場合はステップS62へ進み、NO(診断開始条件不成立)の場合はステップS61の判断を繰り返す。
ここで、診断開始条件の成立/不成立の判断は、エンジンコントローラ21(ECM)の内部で行われ、主に車速条件(設定車速以下)により判断される。
ステップS62では、ステップS61での診断開始条件成立であるとの判断に続き、エンジンコントローラ21(ECM)から統合コントローラ20(HCM)へエンジン始動要求を出力し、ステップS63へ進む。
ここで、エンジンコントローラ21(HCM)から統合コントローラ20(HCM)へは、エンジン始動要求と同時に、アイドルストップ(I/S)禁止要求が出力される。
ステップS63では、ステップS62でのECMからHCMへのエンジン始動要求出力に続き、エンジン1を始動し、ステップS64へ進む。
ここで、エンジン1の始動は、モータジェネレータ2をスタータモータとし、第1クラッチ4を滑り締結させて始動しても良いし、モータジェネレータ2と別のスタータモータを用いて始動しても良い。いずれの場合もエンジン1の始動が完了すると、第1クラッチ4を締結させ、「HEVモード」にする。
ステップS64では、ステップS63でのエンジン始動に続き、OBDシステム27によりエンジン1がリッチ状態での故障診断を開始し、ステップS65へ進む。
ステップS65では、ステップS64での故障診断の開始に続き、エンジン1がリッチ状態でのデータ収集による故障診断が完了したか否かを判断する。YES(リッチ診断完了)の場合はステップS66へ進み、NO(リッチ診断未完了)の場合はステップS65の判断を繰り返す。
ステップS66では、ステップS65でのリッチ診断完了であるとの判断、或いは、ステップS75でのエンジン燃料カット不実行であるとの判断に続き、ナビゲーションシステム26や車間センサ24やATコントローラ25やアクセル開度センサ17等から必要情報を読み込み、ステップS66へ進む。
ステップS67では、ステップS66での必要情報の読み込みに続き、ドライバー操作で減速燃料カットしそうか否かを判断する(燃料カット予測判断部)。YES(燃料カット予測有り)の場合はステップS75へ進み、NO(燃料カット予測無し)の場合はステップS68へ進む。
ここで、ステップS67では、
(a)自車の前方に障害物が近づいている場合
(b)自車の前方に障害物が出てきそうな場合
(c)車両停止を義務づけられている場合
(d)旋回路を曲がる場合
(e)降坂路を下る場合
(f)アクセルが緩められつつある場合
という、走行条件(a)〜(f)を監視し、走行条件(a)〜(f)のうち少なくとも一つの条件が成立すると、燃料カット予測有りと判断し、故障診断を継続する。
ステップS68では、ステップS67での燃料カット予測無しとの判断に続き、アップ変速又はダウン変速による変速中であるか否かを判断する。YES(変速中である)の場合はステップS75へ進み、NO(変速中でない)の場合はステップS69へ進む。
ステップS69では、ステップS68での変速中でないとの判断、或いは、ステップS70でのCL2スリップ開始無しとの判断に続き、第2クラッチ5への油圧指令を下げ、ステップS70へ進む。
ステップS70では、ステップS69での第2クラッチ5への油圧指令低下に続き、第2クラッチ5がスリップを開始したか否かを判断する。YES(CL2スリップ開始有り)の場合はステップS71へ進み、NO(CL2スリップ開始無し)の場合はステップS69へ戻る。
ここで、CL2スリップ開始の有無判断は、第2クラッチ5の入出力回転数の差がスリップ開始判定閾値を超えたか否かにより行う。
ステップS71では、ステップS70でのCL2スリップ開始有りとの判断に続き、モータジェネレータ2の制御方法を、モータトルク制御からモータ回転数制御に切り替え、ステップS72へ進む。
ここで、「モータトルク制御」とは、実モータトルクを目標モータトルクに一致させる制御であり、モータ回転数は駆動系回転数に合わせられる。「モータ回転数制御」とは、実モータ回転数を目標モータ回転数に一致させる制御であり、モータトルクは駆動系負荷に合わせられる。
ステップS72では、ステップS71でのモータ回転数制御への切り替え、或いは、ステップS73でのリーン診断未完了であるとの判断に続き、エンジン1への燃料供給を遮断するエンジン燃料カット(強制)を行い、ステップS73へ進む。
ステップS73では、ステップS72でのエンジン燃料カット(強制)に続き、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かを判断する。YES(リーン診断完了)の場合はステップS74へ進み、NO(リーン診断未完了)の場合はステップS72へ戻る。
ここで、リーン診断完了すると、リッチ診断とリーン診断の組み合わせによる故障診断そのものが完了する。
ステップS74では、ステップS73又はステップS76又はステップS78でのリーン診断完了であるとの判断に続き、エンジンコントローラ21(ECM)から統合コントローラ20(HCM)へエンジン停止要求を出力し、エンドへ進む。
ここで、エンジンコントローラ21(HCM)から統合コントローラ20(HCM)へは、エンジン停止要求と同時に、アイドルストップ(I/S)禁止解除要求が出力される。
ステップS75では、ステップS68での変速中であるとの判断、或いは、ステップS76でのリーン診断未完了であるとの判断に続き、エンジン燃料カット(強制)を行い、ステップS76へ進む。
ステップS76では、ステップS75でのエンジン燃料カット(強制)に続き、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かを判断する。YES(リーン診断完了)の場合はステップS74へ進み、NO(リーン診断未完了)の場合はステップS75へ戻る。
ステップS77では、ステップS67での燃料カット予測有りとの判断、或いは、ステップS78でのリーン診断未完了であるとの判断に続き、ドライバーのアクセル足離し操作によるエンジン燃料カット(通常)が行われたか否かを判断する。YES(エンジン燃料カット有り)の場合はステップS78へ進み、NO(エンジン燃料カット無し)の場合はステップS66へ戻る。
ステップS78では、ステップS77でのエンジン燃料カット(通常)有りとの判断に続き、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かを判断する。YES(リーン診断完了)の場合はステップS74へ進み、NO(リーン診断未完了)の場合はステップS77へ戻る。
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「故障診断制御処理作用」、「CL2スリップによる故障診断制御作用」、「変速中の故障診断制御作用」、「減速シーンでの故障診断制御作用」に分けて説明する。
[故障診断制御処理作用]
実施例1の故障診断制御処理作用を、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
「EVモード」の選択時であり、かつ、故障診断要求があり、かつ、診断開始条件が成立していると、図6のフローチャートにおいて、ステップS61→ステップS62→ステップS63→ステップS64→ステップS65へと進む。ステップS62では、ECMからHCMへエンジン始動要求が出力され、ステップS63では、エンジン1が始動され、第1クラッチ4の締結により「HEVモード」に移行する。そして、ステップS64では、OBDシステム27によりエンジン1がリッチ状態での故障診断が開始され、ステップS65では、エンジン1がリッチ状態でのデータ収集による故障診断が完了したか否かが判断される。ステップS65でリッチ診断未完了と判断されている間は、リッチ診断が継続される。
ステップS65でリッチ診断完了と判断されたとき、ドライバー操作で減速燃料カットしそうになく、かつ、変速中でもないと、図6のフローチャートにおいて、ステップS65からステップS66→ステップS67→ステップS68→ステップS69→ステップS70へと進む。そして、ステップS70で第2クラッチ5がスリップを開始していないと判断されている間、ステップS69→ステップS70へと進む流れが繰り返され、ステップS69では、第2クラッチ5への油圧指令が下げられる。つまり、第2クラッチ5(CL2)をスリップ締結状態とするスリップイン制御が行われる。
ステップS70で第2クラッチ5がスリップを開始したと判断されると、ステップS70→ステップS71へと進み、ステップS71では、それまでのモータトルク制御からモータ回転数制御に切り替えられる。このモータ回転数制御では、CL2スリップ回転数をインギア回転数(第2クラッチ5が締結状態での変速機入力回転数)に加えた回転数を目標モータ回転数とすることで、第2クラッチ5(CL2)のスリップ締結状態を維持する。
第2クラッチ5(CL2)のスリップ締結状態を維持するステップS71からは、ステップS72→ステップS73へと進み、ステップS73でリーン診断未完了と判断されている間は、ステップS72→ステップS73へと進む流れを繰り返す。ステップS72では、エンジン1への燃料供給を遮断するエンジン燃料カット(強制)が行われ、ステップS73では、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かが判断される。そして、ステップS73でリーン診断完了と判断されると、ステップS74へ進み、ステップS74では、ECMからHCMへエンジン停止要求が出力され、エンドへ進む。
一方、ステップS65でリッチ診断完了と判断されたとき、ドライバー操作で減速燃料カットしそうにないが、変速中であるとき、図6のフローチャートにおいて、ステップS65からステップS66→ステップS67→ステップS68→ステップS75→ステップS76へと進む。そして、ステップS76でリーン診断未完了と判断されている間、ステップS75→ステップS76へと進む流れが繰り返される。ステップS75では、エンジン燃料カット(強制)が行われ、ステップS76では、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かが判断される。つまり、変速中であるときには、強制によりエンジン燃料カットを行ってリーン診断を行う。そして、ステップS76でリーン診断完了と判断されると、ステップS74へ進み、ステップS74では、ECMからHCMへエンジン停止要求が出力され、エンドへ進む。
さらに、ステップS65でリッチ診断完了と判断されたとき、ドライバー操作で減速燃料カットしそうであると、図6のフローチャートにおいて、ステップS65からステップS66→ステップS67→ステップS77へと進む。ステップS66では、ナビゲーションシステム26や車間センサ24やアクセル開度センサ17等から必要情報が読み込まれる。次のステップS67では、ドライバー操作で減速燃料カットしそうであるか否かが予測判断される。つまり、ステップS67では、
(a)自車の前方に障害物が近づいている場合
(b)自車の前方に障害物が出てきそうな場合
(c)車両停止を義務づけられている場合
(d)旋回路を曲がる場合
(e)降坂路を下る場合
(f)アクセルが緩められつつある場合
という走行条件(a)〜(f)のうち少なくとも一つの条件が成立すると、燃料カット予測有りと判断され、故障診断が継続される。
ステップS77では、ドライバーのアクセル足離し操作によるエンジン燃料カット(通常)が行われたか否かが判断され、エンジン燃料カット無しと判断されている間は、ステップS66→ステップS67→ステップS77へと進む流れが繰り返される。つまり、燃料カット予測有りの走行条件が成立するときは、ドライバーのアクセル足離し操作による通常のエンジン燃料カットが実施されるまで待つ制御が行われる。但し、通常のエンジン燃料カットを待つ間に、燃料カット予測有りの走行条件が不成立になると、ステップS67からステップS68→ステップS69へと進み、第2クラッチ5をスリップ締結状態とし、強制のエンジン燃料カットが実施される。
ステップS77にてエンジン燃料カット有りと判断されるとステップS78へ進み、エンジン1がリーン状態(=燃料カット状態)でのデータ収集による故障診断が完了したか否かが判断される。つまり、ドライバー操作で減速燃料カットしそうであるときには、通常のエンジン燃料カットになるのを待ってリーン診断を行う。そして、ステップS78でリーン診断完了と判断されると、ステップS74へ進み、ステップS74では、ECMからHCMへエンジン停止要求が出力され、エンドへ進む。
[CL2スリップによる故障診断制御作用]
CL2スリップによる故障診断制御作用を、図7に示すタームチャートに基づき説明する。
図7において、時刻t1は診断開始条件成立時刻、時刻t2はリッチ診断開始時刻、時刻t3はリッチ診断完了時刻、時刻t4はモータ回転数制御開始時刻、時刻t5は強制燃料カット開始時刻、時刻t6はリーン診断完了時刻、時刻t7はエンジン停止時刻である。
CL2スリップによる故障診断制御は、時刻t1になり診断開始条件成立すると、エンジン1の始動制御が開始されると同時に、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止要求が出力される。つまり、診断開始条件成立する時刻t1からリーン診断完了する時刻t6までが、OBD診断実施期間であり、かつ、I/S禁止期間(=ENG動作期間)となる。
そして、エンジン始動が完了し、エンジン回転数及びエンジントルクが上昇する時刻t2になるとリッチ診断が開始され、時刻t3までにリッチ診断が完了する。そして、時刻t3においてCL2スリップによる故障診断モードであると判断されると、第2クラッチ5へのトルク指令が下げられ、クラッチ油圧が低下し、第2クラッチ5がスリップを開始する。時刻t4において第2クラッチ5がスリップ締結状態であると判断されると、モータジェネレータ2の制御が、モータトルク制御からモータ回転数制御へと切り替えられる。つまり、時刻t4からエンジン1を停止する時刻t7までがモータ回転数制御区間であり、このモータ回転数制御区間は、第2クラッチ5のスリップ締結状態が維持される。時刻t5になると、強制的にエンジン燃料カットが行われ、時刻t5からリーン診断が完了する時刻t6までエンジン1がリーン状態を経験し、この間でリーン診断が実施される。
リーン診断が完了する時刻t6になると、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止解除要求が出力され、時刻t6以降が、I/S許可期間となる。そして、時刻t7になると、エンジン停止指令が出力されると同時に、モータジェネレータ2の制御が、モータ回転数制御からモータトルク制御へと切り替えられる。
上記のように、実施例1では、エンジン1の排出ガス対策システムの故障診断要求に基づいて故障診断(OBD診断)を実施するとき、第2クラッチ5をスリップ締結状態にする制御を行う構成とした。
すなわち、OBD診断は、エンジンシリンダ内の空燃比が、リッチ(燃料が濃い)からリーン(燃料が薄い)状態を経験した時の各センサの値から故障状態を検知するが、動力伝達経路中の摩擦締結要素である第2クラッチ5をスリップさせることにより、変動トルクを吸収する作用を示す。このため、リッチ側からリーン側への変動時における燃料カットショックが抑えられる。なお、第2クラッチ5をスリップ締結状態にしておくと、リーン側からリッチ側への変動時における燃料リカバーショックも同様に抑えられる。
この結果、エンジン1の空燃比を変動させて故障診断を実施するとき、ショックの発生を防止することができる。加えて、第2クラッチ5をスリップ締結状態にしておく構成を採用したことで、下記に述べるメリットを有する。
現状においては、リッチ状態からリーン状態への切り替えは、ドライバーのアクセル足離し操作に依存していた。このため、診断時間が長くなり、エンジンの排気や燃料総量が増大していた。また、ショック感度が高いアクセル足離し状態でエンジン燃料カットが行われると、燃料カットショックが乗員にとって違和感となっていた。
これに対し、第2クラッチ5をスリップ締結状態にする制御を行うことで、ドライバー操作によらず、強制燃料カットを行って任意に診断できることになる。このため、診断時間が短くなり、エンジン1の排気や燃料の総量を減らすことができる。さらに、強制的にエンジン燃料カットが行われても、燃料カットショックにより乗員に違和感を与えることがない。加えて、アイドルストップ制御を適用した車両では、診断時間が短くなることで、図7の診断完了時刻t6以降は、I/S許可期間となり、アイドルストップ制御によるエンジン1の停止時間を長くし、燃費性能を高めることができる。
実施例1では、第2クラッチ5をスリップ締結状態にする制御を行うとき、モータジェネレータ2をトルク制御から回転数制御に切り替える構成とした。
このように、モータ制御状態を、モータ回転数制御状態に切り替えることで、燃料カット時や燃料リカバー時に生じるエンジントルク変動を、モータ回転数制御状態のモータトルクで吸収する作用を示す。この結果、エンジンの空燃比を変動させて故障診断を実施するとき、ショックの発生を確実に抑制することができる。
[変速中の故障診断制御作用]
変速中の故障診断制御作用を、図8に示すタイムチャートに基づき説明する。
図8において、時刻t1は診断開始条件成立時刻、時刻t2はリッチ診断開始時刻、時刻t3はリッチ診断完了時刻、時刻t4はリーン診断完了時刻、時刻t5はエンジン停止時刻である。
変速中の故障診断制御は、時刻t1になり診断開始条件成立すると、エンジン1の始動制御が開始されると同時に、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止要求が出力される。つまり、診断開始条件成立する時刻t1からリーン診断完了する時刻t4までが、OBD診断実施期間であり、かつ、I/S禁止期間(=ENG動作期間)となる。
そして、エンジン始動が完了し、エンジン回転数及びエンジントルクが上昇する時刻t2になるとリッチ診断が開始され、時刻t3までにリッチ診断が完了する。そして、時刻t3においてアップ変速中の故障診断モードであると判断されると、モータ回転数制御によりアップ変速でのイナーシャフェーズアシスト制御と、強制エンジン燃料カットが同時進行にて行われる。そして、時刻t3からリーン診断が完了する時刻t4までエンジン1がリーン状態を経験し、この間でリーン診断が実施される。
リーン診断が完了する時刻t4になると、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止解除要求が出力され、時刻t4以降がI/S許可期間となると同時に、モータジェネレータ2の制御が、モータ回転数制御からモータトルク制御へと切り替えられる。そして、時刻t5になると、エンジン停止指令が出力される。
上記のように、実施例1では、故障診断を実施するときに変速要求が介入すると、変速中にエンジン1の空燃比を変動させる構成とした。
したがって、アップ変速中、或いは、ダウン変速中に、リッチ状態⇔リーン状態を切り替えることで、ドライバーへ違和感を与えることなく、燃料カットショックや燃料リカバーショックを抑制することができる。
[減速シーンでの故障診断制御作用]
減速シーンでの故障診断制御作用を、図9に示すタイムチャートに基づき説明する。
図9において、時刻t1は診断開始条件成立時刻、時刻t2はリッチ診断開始時刻、時刻t3はリッチ診断完了時刻、時刻t4は通常燃料カット開始時刻、時刻t5はリーン診断完了時刻、時刻t6はエンジン停止時刻である。
減速シーンでの故障診断制御は、時刻t1になり診断開始条件成立すると、エンジン1の始動制御が開始されると同時に、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止要求が出力される。つまり、診断開始条件成立する時刻t1からリーン診断完了する時刻t5までが、OBD診断実施期間であり、かつ、I/S禁止期間(=ENG動作期間)となる。
そして、エンジン始動が完了し、エンジン回転数及びエンジントルクが上昇する時刻t2になるとリッチ診断が開始され、時刻t3までにリッチ診断が完了する。そして、時刻t3においてドライバー操作で減速燃料カットしそうな減速シーンでの故障診断モードであると判断され、かつ、減速シーンであるとの予測が継続されると、通常燃料カットが開始される時刻t4までを減速予測区間とする。そして、時刻t4において、アクセル足離し操作により通常のエンジン燃料カットが開始されると、時刻t4からリーン診断が完了する時刻t5までエンジン1がリーン状態を経験し、この間でリーン診断が実施される。また、時刻t4から減速区間も開始される。
リーン診断が完了する時刻t5になると、ECMからHCMへアイドルストップ(I/S)禁止解除要求が出力され、時刻t5以降がI/S許可期間になる。そして、時刻t6になると、エンジン停止指令が出力される。
上記のように、実施例1では、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件を予測する燃料カット予測判断部(図6のステップS67)を有し、燃料カットしそうであると予測されると、故障診断を継続する構成とした。
例えば、故障診断の途中で診断を諦めると、再度リーン状態での診断を開始する必要があり、診断効率が悪くなる。
これに対し、通常の燃料カットを実施しそうであると予測されると、故障診断を継続することで、効率良く診断することができる。
実施例1では、自車の前方に障害物が近づいている場合、或いは、自車の前方に障害物が出てきそうな場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する構成とした。
すなわち、車間センサ24等からのレーダ情報やカメラ情報から、障害物が近づいている場合や前方に障害物が出てきそうな場合は、リーン状態になることを予測して診断を継続させることで効率良く診断することができる。
実施例1では、車両停止を義務づけられている場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する構成とした。
すなわち、ナビゲーションシステム26等の情報から、一旦停止等の車両停止を義務づけられている場合は、リーン状態になることを予測し、診断を継続させることで効率良く診断することができる。
実施例1では、旋回路を曲がる場合、或いは、降坂路の場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する構成とした。
すなわち、ナビゲーションシステム26等の地図情報から、図10及び図11に示すように、前方がカーブや下り勾配の場合は、リーン状態になることを予測し、診断を継続させることで効率良く診断することができる。
実施例1では、アクセルが緩められつつある場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する構成とした。
すなわち、ナビゲーションシステム26等からの渋滞情報から、図12に示すように、ドライバーの意図で減速準備を行う場合は、リーン状態になることを予測し、診断を継続させることで効率良く診断することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動源にエンジン1とモータ(モータジェネレータ2)を有し、モータ(モータジェネレータ2)から駆動輪(タイヤ7)への駆動力伝達系に摩擦締結要素(第2クラッチ5)を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
エンジン1の排出ガス対策システムの故障診断要求時、エンジン1の空燃比をリーン側やリッチ側に変動させたときの検出値に基づいて故障診断を行なう故障診断制御手段(図6)を設け、
故障診断制御手段(図6)は、故障診断を実施するとき、摩擦締結要素(第2クラッチ5)をスリップ締結状態にする制御を行う。
このため、エンジン1の空燃比を変動させて故障診断を実施するとき、ショックの発生を防止することができる。
(2) 故障診断制御手段(図6)は、摩擦締結要素(第2クラッチ5)をスリップ締結状態にする制御を行うとき、モータ(モータジェネレータ2)をトルク制御から回転数制御に切り替える(図7)。
このため、(1)の効果に加え、燃料カット時や燃料リカバー時に生じるエンジントルク変動を、モータ回転数制御状態のモータトルクで吸収することで、ショックの発生を確実に抑制することができる。
(3) モータ(モータジェネレータ2)から駆動輪(タイヤ7)への駆動力伝達系に変速機(自動変速機3)を備え、
故障診断制御手段(図6)は、故障診断を実施するときに変速要求が介入すると、変速中にエンジン1の空燃比を変動させる(図8)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、アップ変速中、或いは、ダウン変速中に、ドライバーへ違和感を与えることなく、燃料カットショックや燃料リカバーショックを抑制することができる。
(4) 故障診断制御手段(図6)は、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件を予測する燃料カット予測判断部(ステップS67)を有し、燃料カットしそうであると予測されると、故障診断を継続する(図9)。
このため、(1)の効果に加え、通常の燃料カットを実施しそうであると予測されると、故障診断を継続することで、効率良く診断することができる。
(5) 燃料カット予測判断部(ステップS67)は、自車の前方に障害物が近づいている場合、或いは、自車の前方に障害物が出てきそうな場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する(図9)。
このため、(4)の効果に加え、障害物が近づいている場合や前方に障害物が出てきそうな場合は、リーン状態になることを予測することができる。
(6) 燃料カット予測判断部(ステップS67)は、車両停止を義務づけられている場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する(図9)。
このため、(4)又は(5)の効果に加え、車両停止を義務づけられている場合は、リーン状態になることを予測することができる。
(7) 燃料カット予測判断部(ステップS67)は、旋回路を曲がる場合、或いは、降坂路を下る場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する(図10,11)。
このため、(4)〜(6)の効果に加え、前方がカーブや下り勾配の場合は、リーン状態になることを予測することができる。
(8) 燃料カット予測判断部(ステップS67)は、アクセルが緩められつつある場合、エンジン1の燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する(図12)。
このため、(4)〜(7)の効果に加え、ドライバーの意図で減速準備を行う場合は、リーン状態になることを予測することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、故障診断制御手段として、リッチ状態からリーン状態に変動させて故障診断を実施するとき、第2クラッチ5をスリップ締結状態にする制御を行う例を示した。しかし、故障診断制御手段としては、例えば、リーン状態からリッチ状態に変動させて故障診断を実施するとき、第2クラッチ5をスリップ締結状態にする制御を行う例としても良い。また、故障診断制御手段としては、例えば、第2クラッチ5をスリップ締結状態にしたとき、リッチ側変動とリーン側変動を複数回経験させるような例としても良い。
実施例1では、摩擦締結要素として、自動変速機3に変速要素として設けられ、各変速段で締結されるクラッチ/ブレーキを流用する第2クラッチ5の例を示した。しかし、摩擦締結要素としては、モータと自動変速機の間に独立に設けた専用クラッチを用いる例としても良いし、また、自動変速機と駆動輪の間に独立に設けた専用クラッチを用いる例としても良い。
実施例1では、エンジンとモータジェネレータとの間に第1クラッチが介装された1モータ2クラッチタイプのパワートレーン系を持つ前輪駆動又は後輪駆動のハイブリッド車両に対し適用した例を示した。しかし、第1クラッチのないパワートレーン系を持つハイブリッド車両や、エンジンとモータジェネレータが動力分割機構に接続されるパラレルタイプのハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、駆動源にエンジンとモータを有し、モータから駆動輪への駆動力伝達系に摩擦締結要素を備えたハイブリッド車両に対し適用できる。
1 エンジン
2 モータジェネレータ(モータ)
3 自動変速機(変速機)
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ(摩擦締結要素)
6 ディファレンシャルギア
7 タイヤ(駆動輪)
8 インバータ
9 バッテリ
10 エンジン回転センサ
11 MG回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14、15 ソレノイドバルブ
16 SOCセンサ
17 アクセル開度センサ
20 統合コントローラ(HCM)
21 エンジンコントローラ(ECM)
22 モータコントローラ
23 CL1ストロークセンサ
24 車間センサ
25 ATコントローラ
26 ナビゲーションシステム
27 OBDシステム

Claims (8)

  1. 駆動源にエンジンとモータを有し、前記モータから駆動輪への駆動力伝達系に摩擦締結要素を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンの排出ガス対策システムの故障診断要求時、前記エンジンの空燃比をリーン側やリッチ側に変動させたときの検出値に基づいて故障診断を行なう故障診断制御手段を設け、
    前記故障診断制御手段は、
    前記エンジンの始動が完了し、エンジン回転数及びエンジントルクが上昇する時刻になるとリッチ診断を開始し、前記リッチ診断の開始から所定時間経過後において当該リッチ診断を完了し
    前記リッチ診断の完了時刻において前記摩擦締結要素スリップ締結状態への移行を開始し、当該スリップ締結状態で強制的にエンジン燃料カットを行い、
    前記エンジン燃料カットを行う時刻において前記エンジンのリーン診断を開始し、前記リーン診断の開始から所定時間経過後において当該リーン診断を完了する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記故障診断制御手段は、前記摩擦締結要素をスリップ締結状態にする制御を行うとき、前記モータをトルク制御から回転数制御に切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータから駆動輪への駆動力伝達系に変速機を備え、
    前記故障診断制御手段は、前記エンジンのリッチ状態での故障診断が完了した後、変速要求が介入し、アップ変速中の故障診断モードであると判断されると、前記リーン診断が完了する時刻まで、アップ変速でのイナーシャフェーズアシスト制御と、強制エンジン燃料カットを同時進行で行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記故障診断制御手段は、前記エンジンのリッチ状態での故障診断が完了した後、ドライバー操作で減速燃料カットが起こりそうな走行条件を予測する燃料カット予測判断部を有し、
    前記燃料カット予測判断部によりドライバー操作で減速燃料カットしそうな減速シーンでの故障診断モードであると判断され、かつ、減速シーンであるとの予測が継続されると、減速予測区間の終点である時刻において、アクセル足離し操作により通常のエンジン燃料カットが開始されてからリーン診断が完了する時刻までリーン診断を実施する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カット予測判断部は、自車の前方に障害物が近づいている場合、或いは、自車の前方に障害物が出てきそうな場合、前記エンジンの燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カット予測判断部は、車両停止を義務づけられている場合、前記エンジンの燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項4から請求項6までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カット予測判断部は、旋回路を曲がる場合、或いは、降坂路を下る場合、前記エンジンの燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項4から請求項7までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カット予測判断部は、アクセルが緩められつつある場合、前記エンジンの燃料カットが起こりそうな走行条件であると予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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