以下、本発明の一実施形態であるコンロ1について、図面を参照して説明する。図1,図2において、左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、夫々、コンロ1の前方、後方、右方、左方とする。
図1,図2を参照し、コンロ1の構造について説明する。コンロ1は、図示しないキッチンのカウンタトップに設けられた開口に落とし込まれて設置されるビルトインコンロである。コンロ1は略直方体状の器具本体2を備える。器具本体2の上部には、トッププレート3が取り付けられている。トッププレート3の右手前には右コンロ4、左手前には左コンロ5、中央奥側には奥コンロ6が夫々設けられている。尚、詳述しないが、各種コンロ4〜6の夫々には、点火する為のイグナイタ27(図5参照)が設けられている。トッププレート3の後ろ側には、器具本体2内に設置されるグリル庫(図示略)と連通するグリル排気口7が設けられている。
器具本体2の前面中央には、グリル扉8が設けられている。グリル扉8は、グリル庫内に設けられたレールユニット(図示略)によって前後方向にスライド可能である。グリル扉8の前面上部には取手部9が設けられている。使用者は、取手部9に下側から指を掛けてグリル扉8を手前側に引き出すと、レールユニットによる伸長動作により、図示しない焼き網と受皿をグリル庫から外部に同時に取り出すことができる。
器具本体2の前面の右上角部には、電源スイッチ10が設けられている。電源スイッチ10は、コンロ1の電源をオンオフする為に押下されるスイッチである。電源スイッチ10は一部が透明な樹脂で形成され、その内側には、電源ランプ32(図5参照)が内蔵されている。電源ランプ32が点灯すると、電源スイッチ10の一部が発光してみえる。その電源スイッチ10の下側には、右側から左側に向かって順に、正面視円形状の点火ボタン11〜13が横一列に夫々設けられている。グリル扉8の左側にも、点火ボタン11〜13と同一高さ位置に、正面視円形状の点火ボタン14が設けられている。
点火ボタン11は右コンロ4、点火ボタン12は左コンロ5、点火ボタン13は奥コンロ6、点火ボタン14はグリル庫内のグリルバーナ(図示略)を点火/消火する為に夫々押下される。点火ボタン11〜14は、点火の為に押下されると、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、器具本体2前面から前方に円柱状に突出し、該突出した状態で回動操作が可能となる。使用者は、点火ボタン11〜14を夫々回動させることによって、各種コンロ4〜6、及びグリルの火力調節ができる。点火ボタン12の下方には、電池交換ランプ20が設けられている。電池交換ランプ20は、電池電圧の低下が検出されると点灯する。
電池交換ランプ20の下方にはパネル16が設けられ、点火ボタン14の下方にはパネル17が設けられている。パネル16を指で押し込むと、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、パネル16の背面に固定されたコンロ用操作部22が下部を基点に前方に回動して引き出される(図2参照)。パネル17を指で押し込むと、上記同機構によって、パネル17の背面に固定された板状のグリル用操作部23が下部を基点に前方に回動して引き出される(図2参照)。これらパネル16,17を器具本体2側に再度押し込むことによって、コンロ用操作部22及びグリル用操作部23が、器具本体2の内側に収納され、パネル16,17が器具本体2の前面に対して面一となる。
図2に示すように、パネル16をコンロ用操作部22から取り外すと、コンロ用操作部22の下部に設けられた開口25が露出する。開口25の奥には、電池ボックス26が出し入れ可能に設けられている。電池ボックス26には、コンロ1の電源としての乾電池15(図5参照)が2個格納される。
図3を参照し、コンロ用操作部22について説明する。コンロ用操作部22の右側には右コンロ操作領域221、左側には左コンロ操作領域222、中央には奥コンロ操作領域223が夫々設けられ、図1に示すトッププレート3上の右コンロ4、左コンロ5、奥コンロ6の配置に夫々対応している。
右コンロ操作領域221には、第1ランプ群33、メニューキー41、表示部42、−キー43、+キー44等が設けられている。第1ランプ群33は3つのLEDランプで構成され、後方から前方に向かって順に、煮物、湯沸し、温度の順に配列されている。右コンロ4では、煮物モード、湯沸しモード、温調モードの3つの調理モードの中から何れか一つを選択可能であり、選択された調理モーで、右コンロ4の燃焼制御が実行される。尚、右コンロ4における調理モードの選択は、コンロ1の電源がオンされ、且つ点火操作前において可能である。
煮物モードとは、煮物料理に適した温度と加熱時間で、右コンロ4の燃焼制御を行うモードである。湯沸しモードとは、水等を加熱して沸騰させた後は所定火力で保温し、予め設定された保温時間が経過してから消火させるモードである。温調モードとは、調理容器内の被調理物を、予め設定した温度に維持するように、右コンロ4の火力を自動制御するモードである。尚、各種コンロ4〜6には、五徳上に載置された鍋底の温度を検出する温度センサ(図示略)が夫々設けられている。
そして、第1ランプ群33において、煮物モードが選択されている場合は、煮物のランプが点灯する。湯沸しモードが選択されている場合は、湯沸しのランプが点灯する。温調モードが選択されている場合は、温度のランプが点灯する。尚、電源スイッチ10を押下し、コンロ1の電源がオンした時は、第1ランプ群33は全て消灯している。メニューキー41が押下されたときは、現在選択されている調理モードのランプが点灯する。使用者は、第1ランプ群33において点灯するランプ位置を確認することで、現在選択されている調理モードを確認できる。
メニューキー41は、調理モードを選択する為の操作キーである。押下されると、右コンロ4で現在選択されている調理モードに対応するランプが点灯する。それ以後は、メニューキー41が押下される毎に、点灯するランプが、煮物、湯沸し、温度の順に切り替わる。調理モードでの燃焼動作が終了すると、ランプは消灯する。
表示部42には、各種調理モードが選択された場合に、夫々の各種設定時間又は各種設定温度が表示される。−キー43と+キー44は、表示部42に表示された各種設定時間及び各種設定温度を増減させて変更する際に使用される。使用者は、表示部42に表示された設定時間又は設定温度を確認しながら−キー43、+キー44を用いて調整できるので、調整ミスを防止できる。
尚、詳述しないが、左コンロ操作領域222にも、右コンロ操作領域221と同様に、第2ランプ群34の他、各種キー及び表示部等が設けられている。第2ランプ群34は第1ランプ群33と同じ構成である。左コンロ5でも、煮物モード、湯沸しモード、温調モードの3つの調理モードの中から何れか一つを選択可能であり、選択された調理モードに基づき、左コンロ5における燃焼制御が実行される。尚、左コンロ5における調理モードの選択は、右コンロ4と同様に、コンロ1の電源がオンされ、且つ点火操作前において可能である。
奥コンロ操作領域223には、第3ランプ群35と炊飯キー46が設けられている。第3ランプ群35は3つのLEDランプで構成され、後方から前方に向かって順に、炊込み、おかゆ、ごはんの順に配列されている。奥コンロ6では、炊飯調理について、炊込みモード、おかゆモード、ごはんモードの3つの調理モードの中から何れか一つを選択可能であり、選択された調理モードで、奥コンロ6の燃焼制御が実行される尚、奥コンロ6における調理モードの選択は、右コンロ4及び左コンロ5と同様に、コンロ1の電源がオンされ、且つ点火操作前において可能である。
そして、第3ランプ群35において、炊込みモードが選択されている場合は、炊込みのランプが点灯する。おかゆモードが選択されている場合は、おかゆのランプが点灯する。ごはんモードが選択されている場合は、ごはんのランプが点灯する。電源スイッチ10を押下し、電源がオンした時は、第3ランプ群35は消灯している。そして、炊飯キー46が押下されたときは、現在選択されている調理モードのランプが点灯する。使用者は、第3ランプ群35において点灯するランプ位置を確認することで、現在選択されている調理モードの種類を確認できる。
炊飯キー46は、調理モードを選択する為の操作キーである。押下されると、奥コンロ6で現在選択されている調理モードに対応するランプが点灯する。それ以後は、炊飯キー46が押下される毎に、点灯するランプが、炊込み、おかゆ、ごはんの順に切り替わる。調理モードでの燃焼動作が終了すると、ランプは消灯する。
図4を参照し、グリル用操作部23について説明する。グリル用操作部23には、第4ランプ群36、第5ランプ群37、メニューキー51、焼き加減キー52、表示部53、−キー54、+キー55等が設けられている。第4ランプ群36は4つのLEDランプで構成され、後方から前方に向かって順に、トースト、干物、切身、姿焼の順に配列されている。グリルでは、トーストモード、干物モード、切身モード、姿焼モードの4つの調理モードの中から何れか一つを選択可能であり、選択された調理モードに基づき、グリルにおける燃焼制御が実行される。尚、グリルにおける調理モードの選択は、各種コンロ4〜6と同様に、コンロ1の電源がオンされ、且つ点火操作前において可能である。
トーストモードは、グリル庫内に設置された図示外の皿上にパンを載せ、最初はグリル庫内の上火バーナと下バーナを共に燃焼させて庫内温度を上昇させ、その後、上火バーナを消し、所定時間経過するまで、グリル庫内の熱でパンを焼きあげるモードである。これに対し、干物モード、切身モード、及び姿焼モードは、被調理物の含有する水分量に応じて、上火バーナ及び下火バーナの火力と加熱時間が夫々設定され、夫々の火力と加熱時間で調理を行うモードである。例えば、含有する水分量は、干物が最も少なく、切身、姿焼の順に多いことから、加熱時間は干物モードが最も長く、切身モード、姿焼モードの順に短くなっている。
そして、第4ランプ群36において、トーストモードが選択されている場合は、トーストのランプが点灯する。干物モードが選択されている場合は、干物のランプが点灯する。切身モードが選択されている場合は、切身のランプが点灯する。姿焼モードが選択されている場合は、姿焼のランプが点灯する。電源スイッチ10を押下し、コンロ1がオン状態になった時は、第4ランプ群36は消灯している。そして、メニューキー51が押下されたときは、現在選択されている調理モードのランプが点灯する。使用者は、第4ランプ群36において点灯するランプ位置を確認することで、現在選択されている調理モードの種類を確認できる。
メニューキー51は、調理モードを選択する為の操作キーである。押下されると、グリルで現在選択されている調理モードに対応するランプが点灯する。その後、メニューキー51が押下される毎に、点灯するランプが、トースト、干物、切身、姿焼の順に切り替わる。調理モードが終了した場合、ランプは消灯する。
第5ランプ群37は3つのLEDランプで構成され、後方から前方に向かって順に、強め、標準、弱めの順に配列されている。グリルでは、各種調理モードにおいて3つの焼き加減の中から何れか一つを選択可能であり、選択された焼き加減で、グリルにおける燃焼制御が実行される。尚、焼き加減の選択は、コンロ1の電源がオンされ、且つ調理モードを選択している間において可能である。
焼き加減キー52は、各種調理モードの焼き加減を選択する為の操作キーである。メニューキー51が押下されると、第5ランプ群37において、グリルで現在選択されている焼き加減に対応するランプが点灯する。その後、焼き加減キー52が押下される毎に、点灯するランプが、強め、標準、弱めの順に切り替わる。調理モードが終了した場合、調理モードのランプと共に、焼き加減のランプも消灯する。
尚、本実施形態では、コンロ1は、電源スイッチ10の操作によって、スリープ状態、オフ状態、及びオン状態の何れかに切り替わる。スリープ状態とは、電源がオフした状態で、各種回路に電流が流れていない状態をいう。オフ状態とは、電源がオフした状態で、各種回路に電流は流れているが、点火ボタン11〜13、コンロ用操作部22、グリル用操作部23等の各種操作を受け付けない状態をいう。オン状態とは、電源がオンした状態で、コンロ1の各種回路に電流が流れ、点火ボタン11〜13、コンロ用操作部22、グリル用操作部23等の各種操作を受け付けて動作する状態をいう。
図5を参照し、コンロ1の電気的構成について説明する。コンロ1は制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、フラッシュメモリ74、タイマ75等を備える。CPU71はコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72はコンロ1の各種制御プログラムに加え、「燃焼制御プログラム」を記憶する。燃焼制御プログラムは、後述する燃焼制御処理(図6,図7参照)を実行する為の制御プログラムである。RAM73は、コンロ1の各種情報を記憶する。
フラッシュメモリ74は、コンロ1の各種情報に加え、調理モードの選択情報を記憶する。選択情報とは、コンロ用操作部22の右コンロ操作領域221、左コンロ操作領域222、奥コンロ操作領域223、及びグリル用操作部23の夫々において、複数の調理モードの中から選択されている調理モードの情報である。複数の調理モードは、右コンロ4、左コンロ5、奥コンロ6、グリルにおいて夫々設定されている。
制御回路70には、電源回路81、スイッチ入力回路82、操作部回路83、点火ボタン操作回路84、イグナイタ回路85、電磁弁回路86、ブザー回路87、電源ランプ制御回路88、第1ランプ制御回路89、第2ランプ制御回路90、第3ランプ制御回路91、第4ランプ制御回路92、第5ランプ制御回路93等が各々接続されている。
電源回路81は電池ボックス26に搭載される2つの乾電池15によって各種回路に電源を供給すると共に、乾電池電圧を検出する検出回路を有する。電源回路81はトランジスタスイッチ(図示略)を備える。スイッチ入力回路82は電源スイッチ10の押下を検出する。電源スイッチ10は、スイッチ入力回路82、及び電池ボックス26に格納された乾電池15のプラス側に対して、並列に夫々接続されている。乾電池15のマイナス側は電源回路81に接続され、スイッチ入力回路82も電源回路81に接続されている。
後述するが、コンロ1がスリープ状態において、使用者によって、電源スイッチ10が押下されると、乾電池15の電源がスイッチ入力回路82を介して電源回路81に供給され、電源回路81のトランジスタスイッチがオンされ、電源回路81から各種回路に電流が流れる。そして、本実施形態では、電源スイッチ10が押下された状態が所定時間継続した場合に、コンロ1はオン状態に切り替わる。
操作部回路83は、コンロ用操作部22及びグリル用操作部23の各種操作を検出して制御回路70に入力し、制御回路70からの制御指令を受け、各操作部22,23に設けられた各表示部42,53等に設定温度又は設定時間等を表示する。点火ボタン操作回路84は点火ボタン11〜14の押下、及び回動操作を検出し、制御回路70に入力する。イグナイタ回路85は、制御回路70からの指令を受け、各種コンロ4〜6及びグリルの夫々に設けられたイグナイタ27を駆動する。電磁弁回路86は、制御回路70からの指令を受け、各種コンロ4〜6及びグリルの夫々のガス供給管(図示略)に設けられた安全弁及び火力調整弁等の各種電磁弁28を制御する。ブザー回路87は、ブザー31の駆動を制御する。ブザー31は圧電ブザーであり、圧電素子と金属板を貼り合わせた振動板のたわみ振動を発音源とした周知のものである。
電源ランプ制御回路88は、制御回路70からの指令を受け、電源ランプ32の点灯と消灯を制御する。第1ランプ制御回路89は、制御回路70からの指令を受け、第1ランプ群33に属する各種ランプ(煮物、湯沸し、ごはん)の夫々の点灯と消灯を制御する。第2ランプ制御回路90は、制御回路70からの指令を受け、第2ランプ群34に属する各種ランプ(煮物、湯沸し、ごはん)の夫々の点灯と消灯を制御する。第3ランプ制御回路91は、制御回路70からの指令を受け、第3ランプ群35に属する各種ランプ(炊込み、おかゆ、ごはん)の夫々の点灯と消灯を制御する。第4ランプ制御回路92は、制御回路70からの指令を受け、第4ランプ群36に属するランプ(トースト、干物、切身、姿焼)の夫々の点灯と消灯を制御する。第5ランプ制御回路93は、制御回路70からの指令を受け、第5ランプ群37に属するランプ(強め、標準、弱め)の夫々の点灯と消灯を制御する。
図6,図7のフローチャートを参照し、CPU71が実行する燃焼制御処理について説明する。尚、ここでは説明の便宜上、図4に示すグリル用操作部23を用いて、調理モードを選択してグリルを使用する場面を中心に説明する。また、以下説明において、コンロ1をスリープ状態又はオフ状態からオン状態に切り替える動作は、電源をオフからオンに切り替える動作に対応する。コンロ1をオン状態からオフ状態に切り替える動作は、電源をオンからオフに切り替える動作に対応する。
図6に示すように、先ず、コンロ1がスリープ状態において、使用者はコンロ1を使用する為に、電源スイッチ10を押下する。電源スイッチ10を押下すると、上記の通り、乾電池15の電源がスイッチ入力回路82を介して電源回路81に供給され、電源回路81のトランジスタスイッチがオンされ、電源回路81から各種回路に電流が流れるオン状態となる。CPU71は、ROM72から「電池電圧監視プログラム」を読み出し、本処理を実行する。尚、コンロ1がオフ状態において、電源スイッチ10が押下された場合は、電源回路81から各種回路に電流が流れているので、ROM72から同プログラムを読み出し、本処理を実行する。
CPU71は、時間T1の計測を開始する(S1)。時間T1は例えば1秒未満であり、タイマ75の出力を用いて計測する。次いで、CPU71は、フラッシュメモリ74から選択情報を読み出す(S2)。選択情報は、トーストモード、干物モード、切身モード、姿焼モードの4種類の調理モードの中で選択されている調理モードの情報である。尚、電源スイッチ10を押下した際に読み出される選択情報は、前回選択された調理モードの情報である。読み出した選択情報はRAM73に一旦記憶する。次いで、電源スイッチ10が引き続き押下された状態か否か判断する(S3)。引き続き押下された状態であれば(S3:YES)、時間T1を経過したか否か判断する(S4)。時間T1を経過していない場合(S4:NO)、S3に戻り、電源スイッチ10の押下を監視する。
ここで、時間T1が経過する前に、使用者が電源スイッチ10から指を離した場合(S3:NO)、本処理を終了し、コンロ1をオフ状態に切り替える。これにより、例えば、使用者が電源スイッチ10に誤って触れて押下してしまった場合に、コンロ1が自動でオン状態となってしまうのを防止できる。さらに、CPU71は、オフ状態に切り替えてから3分経過後にコンロ1をスリープ状態とする。これにより電池電圧の消耗を防ぐことができる。
そして、電源スイッチ10が押下された状態で時間T1が経過した場合(S4:YES)、ブザー音を「ピッ」と鳴らして、電源スイッチ10の押下を受け付けたことを使用者に報知し(S5)、コンロ1をオン状態に切り替え、電源ランプ32を点灯させる(S6)。よって、使用者はコンロ1がオン状態になったことを認識できる。
次いで、図7に示すように、CPU71は、グリル用操作部23において、メニューキー51が押下されたか否か判断する(S8)。メニューキー51が押下されなかった場合(S8:NO)、CPU71は、使用者によりグリル内のバーナが点火されたか否か判断する(S21)。使用者は、調理モードを選択することなく手動操作でグリルを使用する場合、メニューキー51を押下せずに、点火ボタン14を押下してグリル内のバーナを点火する。
グリル内のバーナが点火されるまでは(S21:NO)、CPU71はS8に戻り、メニューキー51及び点火ボタン14の押下を監視する。メニューキー51が押下されずに、グリル内のバーナが点火された場合(S21:YES)、点火ボタン14の回動操作で火力調整が可能な通常燃焼を行う(S22)。CPU71は、グリル内のバーナが消火されたか否か判断する(S23)。バーナが消火されるまでは(S23:NO)、CPU71はS22に戻り、処理を繰り返す。バーナが消火された場合(S23:YES)、処理を後述するS18に進める。
これに対し、使用者がグリルで調理モードを使用する為に、メニューキー51を押下した場合(S8:YES)、第4ランプ群36のうち、RAM73に記憶した選択情報に対応する調理モードのランプを点灯する(S9)。点灯するランプの調理モードが現在選択されている調理モードである。このとき、焼き加減については、CPU71は、デフォルトである標準に初期設定を行い、第5ランプ群37のうち標準のランプを点灯する。
次いで、CPU71は、グリル用操作部23によって、調理モードの変更操作がなされたか否か判断する(S10)。ここで、一般家庭における使用者のグリルの使用態様は、使用者の食生活やライフスタイルに合わせて決まっていることが多く、前回選択した調理モードを今回も使用することが多い。それ故、この段階での変更操作はなされないことが多い。そこで、調理モードの変更操作がなされなかった場合(S10:NO)、グリル内のバーナが点火されたか否か判断する(S14)。そして、点火されるまでは(S14:NO)、S10に戻り、変更操作の有無について引き続き監視する。そして、バーナが点火された場合(S14:YES)、現在選択されている調理モードで燃焼制御を実行する(S15)。実行する調理モードに設定された設定時間が経過すると、CPU71はグリル内のバーナを自動消火し(S16)、第4ランプ群36の点灯中のランプを消灯させる(S17)。CPU71は調理モードによる燃焼制御を終了する。
続いて、CPU71は、電源スイッチ10が押下されたか否か判断する(S18)。使用者はコンロ1の電源をオフする為に、電源スイッチ10を再度押下する。電源スイッチ10が押下されるまでは(S18:NO)、S8に戻り、メニューキー51の押下を監視し、処理を繰り返す。
ところで、使用者は、メニューキー51を押下した後で、前回選択した調理モードとは異なる調理モードを選択する場合がある。その場合、使用者は、調理モードの変更操作を行う。例えば、切身モードから姿焼モードに変更する場合、使用者はメニューキー51を1回押下すればよい。該押下による変更操作がなされた場合(S10:YES)、CPU71は、切身のランプを消灯させ、姿焼のランプを点灯させる(S11)。そして、CPU71は、ランプの点灯を切り替えてから所定時間経過後に、調理モードの変更を確定し(S12)、RAM73に記憶する選択情報を、新たに選択された調理モードの選択情報に更新する。さらに、CPU71は、フラッシュメモリ74に記憶する選択情報を、新たに選択された調理モードの情報に更新する(S13)。
次いで、CPU71は、グリル内のバーナが点火されたか否か判断する(S14)。バーナが点火された場合、現在選択されている調理モード、即ち、変更後の調理モードで燃焼制御を実行する(S15)。実行する調理モードに設定された設定時間が経過すると、CPU71はグリル内のバーナを自動消火し(S16)、第4ランプ群36の点灯中のランプを消灯させる(S17)。CPU71は調理モードによる燃焼制御を終了する。
そして、使用者がコンロ1の電源をオフする為に、電源スイッチ10が押下された場合(S18:YES)、CPU71は、ブザー音を「ピッ」と鳴らして、電源スイッチ10の押下を受け付けたことを報知し(S19)、コンロ1をオン状態からオフ状態に切り替え、電源ランプ32を消灯させる(S20)。使用者はコンロ1がオフ状態になったことを認識できる。CPU71は本処理を終了する。
尚、本実施形態では、グリル用操作部23を用いて、調理モードを選択してグリルを使用する場面を説明したが、コンロ用操作部22を用いて、調理モードを選択して各種コンロ4〜6を使用する場合も、上記と同じ処理が実行される。
以上説明にて、図1に示す各種コンロ4〜6、及びグリルが本発明の「加熱部」に相当し、図4に示すグリル用操作部23のメニューキー51が本発明の「選択部」に相当し、図5に示すフラッシュメモリ74が本発明の「記憶手段」に相当する。さらに、図6のS2の処理を実行するCPU71が本発明の「読出手段」に相当し、図7のS15,S16の処理を実行するCPU71が本発明の「実行手段」に相当し、S10の処理を実行するCPU71が本発明の「判断手段」に相当し、S12の処理を実行するCPU71が本発明の「変更手段」に相当し、S13の処理を実行するCPU71が本発明の「更新手段」に相当する。図4に示す第4ランプ群36のランプが本発明の「表示部」に相当し、図6のS6、図7のS11を夫々実行するCPU71が本発明の「表示制御手段」に相当する。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1では、グリルにおいて現在選択されている調理モードの選択情報をフラッシュメモリ74に記憶する。これにより、コンロ1の電源がオフされても、再び電源がオンされた時には、フラッシュメモリ74から前回使用時に選択された調理モードの選択情報を読み出し、その選択情報に対応する調理モードで燃焼制御を実行することができる。これにより、使用者が、前回に引き続いて同じ調理モードで調理を行う場合に、調理モードの設定の手間を不要とすることができる。
特に、本実施形態では、グリルで選択可能な調理モードとして、トーストモードと、魚調理で使用される干物モード、切身モード、及び姿焼モードを、グリル用操作部23で選択可能な複数の調理モードとして、同一グループ内に含んでいる。トーストモードは、被調理物の性質上、干物モード、切身モード、及び姿焼モードとは明らかに異なり、場所を区別して調理したいものである。そのような事情を考慮すると、例えば、トーストをグリルで調理することが多い使用者は、同じグリルを用いて、干物、切身、姿焼を調理することは稀である。その逆に、干物等をグリルで調理することが多い使用者が、同じグリルを用いて、トーストを調理することも稀である。
その他に、本実施形態では、奥コンロ6で選択可能な調理モードとして、炊込みモード、おかゆモード、ごはんモードを、コンロ用操作部22で選択可能な同一グループ内に含んでいる。炊飯調理にコンロ1を用いる使用者は、例えば、おかゆはコンロ1の奥コンロ6で、炊込みとごはんは炊飯器で、というように使い分けることがよくある。このような使い方をする使用者は、おかゆを敢えて炊飯器で調理するようなことは稀である。
このように、一般家庭の使用者は、自らの食生活やライフスタイルに合わせてコンロ1を使用するので、その使用態様は変わらないのが通常である。そのような状況にある中で、本実施形態のコンロ1では、同一のグリルを共通して使用することが少ないトーストモードと、魚を調理対象とするその他の調理モードとを、あえて同一のグリルで選択できる複数の調理モードのグループの中に含めている。これにより、使用者が目的とする調理モードを一度選択すれば、次回電源をオンした際には、引き続き使用する可能性の高い同一の調理モードが選択されるので、特に同一グループ内で排他的に使用する調理モードを選択する操作の手間をより軽減できる。
また、使用者が調理モードを変更した場合には、その変更後の選択情報で、燃焼制御を実行し、さらにフラッシュメモリ74に記憶する選択情報を変更後の選択情報で更新する。これにより、次回電源をオンした時には、使用者によって変更された変更後の調理モードの選択情報を読み出すので、操作の手間なく、使用する可能性の高い調理モードで調理することができる。このように、使用者の食生活及びライフスタイルに合わせることができるので、使い勝手のよいコンロ1を提供できる。
さらに、上記実施形態では、グリル用操作部23に設けられた第4ランプ群36において、メニューキー51で現在選択されている調理モードに対応するランプが点灯するので、使用者が調理モードを変更する際の目安になるので、調理モードの変更操作を間違いなく行うことができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態では、ビルトインコンロであるコンロ1を本発明の一例として説明したが、テーブルコンロでもよい。また、ガスコンロ以外に、電磁調理器にも適用可能である。
また、上記実施形態では、焼き加減については、電源がオンされる毎にデフォルトの標準に戻るようにしているが、調理モードの選択情報と同じように、現在選択されている焼き加減の情報を焼き加減の選択情報として、フラッシュメモリ74に記憶してもよい。そして、電源がオンされる時に、選択情報と共に、焼き加減の選択情報を合わせて、フラッシュメモリ74から読み出すようにしてもよい。
また、上記実施形態において、調理モードの選択及び変更操作は、コンロ1の電源がオンされ、且つ点火操作前において可能としているが、点火操作後においても、調理モードの変更操作を可能としてもよい。その場合、例えば、点火操作後の変更操作については、フラッシュメモリ74に記憶せず、点火操作前の変更操作のみをフラッシュメモリ74に記憶するようにしてもよい。点火操作後に変更された調理モードは、その時の状況に応じて突発的に変更された調理モードであるので、次回電源がオンされた時には使用されない可能性がある。よって、点火操作前の変更操作のみをフラッシュメモリ74に記憶することで、次回電源がオンされた時に、使用者が使用する可能性の高い調理モードが選択されるようにすることができる。