JP6402315B2 - 溶解性マンガン濃度の測定方法及び溶解性マンガン濃度測定装置 - Google Patents

溶解性マンガン濃度の測定方法及び溶解性マンガン濃度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、工業用水及び農業用水、水道水を含む浄水処理水等、様々な水に含まれる溶解性マンガンの濃度を測定する方法及び装置に関する。
地下水あるいは河川水を原水とする浄水処理施設では、水源からポンプで汲み上げた原水を濾過器に通過させることで原水中に溶解しているマンガンや鉄、懸濁成分等の不純物を除去している。浄水処理施設で用いられる濾過器には通常、アンスラサイトやマンガン砂といった粒状の濾過材(濾過砂)が用いられる。濾過器では、濾過砂の表面に不純物が吸着・付着したり、濾過砂間の隙間で不純物を濾しとったりすることにより、原水中の不純物を除去する。濾過砂の表面に吸着・付着したり濾過砂の隙間に詰まったりした不純物の量が一定量を超えると濾過器の濾過能力が低下し、やがて濾過器から原水中に不純物が漏洩する。特に、濾過器を通過した後の原水にマンガンが含まれると、配水管の内壁にマンガンが堆積し、配水管の老朽化の原因となる。そのため、適宜のタイミングで水を逆流させることにより濾過砂を洗浄(逆洗)して濾過器を再生している。
通常、濾過砂の洗浄作業は定期的に行われる。しかし、原水の水源域への鉱工業排水の流入や降雨の影響等により原水中の不純物の量が増加し、その結果、濾過器の濾過能力が急激に低下することがある。その場合には濾過器を通過した後の原水(以下、「浄水処理水」という)の一部を採取して水質を検査し、その結果に基づいて濾過砂の洗浄を行うことがあった。ところが、従来、浄水処理水の水質検査は、浄水処理施設とは別の水質検査機関に浄水処理水を持ち込んで行われていたため、検査結果が出るまでに時間がかかり、不純物の漏洩を十分に防止することができなかった。
これに対して、特許文献1には、浄水処理施設において浄水処理水の溶解性マンガンを検出する方法が記載されている。この方法では、浄水処理水をオゾンと接触させて溶解性マンガンをマンガン酸化物にし、その結果生じる浄水処理水の色の変化から浄水処理水中に溶解性マンガンが含まれるか否かを判定する。
特開平11-083832号公報
特許文献1の方法では、予め調整された溶解性マンガンを含まない浄水処理水(標準試料水)の色と、浄水処理施設で採取された浄水処理水の色を、色相色度計によって測定し、両者を比較することにより溶解性マンガンの有無を判定しており、溶解性マンガンの具体的な濃度までは検出することができない。そのため、例えば溶解性マンガンの濃度が所定値に達するまでの間に、その濃度が徐々に増加する傾向を示しているような場合であっても、そのような状況を事前に把握することができない。
また、日本水道協会が設定する浄水試験方法では、390nm付近の波長の吸光度から水道水の水質を検査することが規定されている。そのため、特許文献1に記載の方法でも、波長が390nmの測定光を試験水に照射し、その透過率を測定する色度計が用いられている。ところが、390nm付近の波長帯はマンガン酸化物だけでなく次亜塩素酸ナトリウムによっても吸収される。浄水処理施設では前処理として原水中に次亜塩素酸ナトリウムが混入されることが多いため、波長が390nmの測定光を用いた場合には浄水処理水中に含まれる次亜塩素酸ナトリウムの影響を受ける可能性があるため、溶解性マンガンの有無を正確に測定することができないという問題があった。
なお、上記では浄水処理施設において浄水処理水中の溶解性マンガンの濃度を検出する場合を例を挙げて説明したが、これに限らず、工業用水、農業用水、水道水等、様々な水に含まれる溶解性マンガン濃度を検出する場合においても、同様の問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、水中の溶解性マンガンの濃度を正確に測定することができる溶解性マンガン濃度の測定方法及び測定装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る溶解性マンガンの濃度測定方法は、
a) 被検水中にオゾンガスを供給して該オゾンガスと前記被検水を接触させる工程と、
b) 前記被検水に400〜500nmの範囲から選ばれる波長を中心波長とする単色光である測定光を照射する工程と、
c) 前記被検水を透過した前記測定光の強度を検出し、その結果に基づき前記被検水中の溶解性マンガン濃度を求める工程と、
を順に実行することを特徴とする。
上記の方法において、被検水中にオゾンガスを供給する時間は、オゾンガスの単位時間あたりの供給量、被検水の量(つまり溶解性マンガンの量)に依存し、オゾンガスの単位時間あたりの供給量が多いほど、また、被検水の量が少ないほど短くすることができる。ただし、オゾンガスの供給時間を短くするためにオゾンガスの単位時間あたりの供給量を増やしたり被検水の量を少なくしたりすると溶解性マンガンと反応しない余剰なオゾンガスが増える可能性が高い。このことから、オゾンガスの供給時間が15秒〜200秒の範囲に収まるように、オゾンガスの単位時間あたりの供給量や被検水の量を設定することが好ましい。
また、オゾンガスの供給を停止しても被検水中に溶存するオゾンガスによる溶解性マンガンの酸化反応はしばらくの間進行する。そこで、被検水中へのオゾンガスの供給を停止してから所定の静置時間が経過した後、前記測定光を照射して前記被検水を透過した該測定光の強度を検出することが好ましい。静置時間の長さは、被検水の量に応じた適宜の値に設定するとよい。これにより、溶存オゾンガスによる酸化反応が終了してから測定光の強度を検出することができるため、溶解性マンガンの正確な濃度を測定することができる。
本発明に係る溶解性マンガンの濃度測定装置は、
a) 被検水を貯留する貯留槽と、
b) 前記貯留槽に貯留された被検水中にオゾンガスを供給するオゾンガス供給部と、
c) 前記オゾンガスが供給された後の前記被検水を貯留するための透光性を有するセルと、該セルに400〜500nmの範囲から選ばれる波長を中心波長とする単色光である測定光を照射する測定光照射部と、前記セルを透過した前記測定光の強度を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づき前記被検水中の溶解性マンガン濃度を求める演算処理部とを備えたマンガン濃度測定部と、
d) 前記貯留槽から前記セルに被検水を送液する送液手段と、
e) 前記オゾンガス供給部、前記マンガン濃度測定部、及び前記送液手段の動作を制御する制御部と
を備えることを特徴とする。
上記の溶解性マンガンの濃度測定装置においては、貯留槽、セル、及び送液手段に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えることが好ましい。
この場合、前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、前記洗浄液タンク内の洗浄液を貯留槽、セル、及び送液手段に送出する送液ポンプと、貯留槽、セル、及び送液手段に送出された洗浄液を前記洗浄液タンクに回収するための回収手段とから構成することができる。
また、前記洗浄液供給部は、還元剤であるL−アスコルビン酸溶液を含む洗浄液を供給するようにすると良い。このように構成すると、オゾンガスとの反応により生成されたマンガン酸化物を溶解性マンガンにすることができるため、容易に洗浄除去することができる。
さらに、脱オゾン槽と、
セル内の被検水を前記脱オゾン槽に送出する第2送液手段とを備え、
制御部は、マンガン濃度の測定が終了した後、前記第2送液手段を駆動して前記セル内の前記被検水を前記脱オゾン槽に送出させるようにすることが好ましい。これによると、オゾンガスが溶存した前記被検水が装置の外部に直接放出されることを防止できる。
また、演算処理部による演算処理の結果を出力する出力部を備えるようにすると、被検水に含まれる溶解性マンガン濃度の値をすぐに確認することができる。特に溶解性マンガン濃度を定期的に測定する場合には、溶解性マンガン濃度の時間的な変化を確認することができる。
さらに、演算処理部による演算処理の結果、被検水中の溶解性マンガン濃度が所定値を上回ったときに、その旨を報知する報知部を備えるようにしても良い。
上記した本発明に係る溶解性マンガンの濃度測定方法及び濃度測定装置においては、被検水とオゾンガスを接触させることにより該被検水中の溶解性マンガンが酸化されて、Mn(HCO3)2やMnO2・mH2O等のマンガン酸化物となる。このようなマンガン酸化物を含む被検水に波長が400〜500nmの単色光である測定光を照射すると、前記マンガン酸化物の量に応じて前記測定光が吸収される。従って、前記被検水を透過した測定光の強度を検出することにより該被検水中の溶解性マンガン濃度を求めることができる。特に、波長が400〜500nmの単色光を測定光として用いることにより、被検水中に含まれる次亜塩素酸ナトリウムによる吸収を避けることができるため、溶解性マンガン濃度を正確に求めることができる。
本発明の一実施例に係る溶解性マンガン濃度の測定装置の概略構成を示す図。 溶解性マンガン濃度の測定装置の処理内容を示すフローチャート。 浄水処理施設の概略構成を示す図。 溶解性マンガン濃度が0.1mg/Lの水にオゾンガスを接触させた後、吸光度を測定するまでの時間と吸光度の関係を示すグラフ。 溶解性マンガン濃度が2.0mg/Lの水にオゾンガスを接触させた後、吸光度を測定するまでの時間と吸光度の関係を示すグラフ。
水道水や地下水、河川水等に溶解しているマンガンの多くは2価あるいは4価のイオンとして存在している。これら2価又は4価のマンガンイオンはオゾンにより酸化されると約550nmから短波長側(ピーク波長:370nm付近)の波長帯の光を強く吸収するマンガン酸化物(Mn(HCO3)2、MnO2・mH2O 等)となる。550nmから短波長側の波長域のうちピーク波長である370nm付近の光は次亜塩素酸ナトリウムの吸収波長帯と重複する。そこで、本発明では、次亜塩素酸ナトリウムによる光吸収の影響を回避するために、ピーク波長よりも長波長側にずれた、400〜500nmの波長域の光を測定光として溶解性マンガンの濃度を測定した。以下、具体的な実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る溶解性マンガン濃度の測定装置の概略構成図、図2は、溶解性マンガン濃度の測定手順のフローチャート、図3は、本実施例に係る溶解性マンガン濃度の測定装置が組み込まれる浄水処理施設の概略構成を示す図である。まず、図3を参照して浄水処理施設について説明する。
浄水処理施設は、大きく分けて、着水井11、沈澱池12、急速濾過槽13、オゾン処理槽14、粒状活性炭処理槽15、塩素混和池16、浄水池17、配水池18から構成される。着水井11には、ポンプによりくみ上げられた地下水や河川水等の原水が収容される。着水井11では、原水の汚れや濁りを除去するために、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤が原水に添加される。凝集剤が添加された後の着水井11中の原水は沈澱池12に送られ、凝集剤によってフロックとなった原水中の汚れや濁りを沈澱させる。
急速濾過槽13にはマンガン砂等の濾過材が充填されており、沈澱池12の上澄み部分がポンプにより送られる。急速濾過槽13では、沈澱池12で沈澱しなかった溶解性の鉄やマンガン等の不純物が除去される。本実施例に係る溶解性マンガンの濃度測定装置は急速濾過槽13の後段の配水管に接続される。
急速濾過槽13を通過した原水(以下「浄水処理水」という)はオゾン処理槽14及び粒状活性炭処理槽15に順に送られる。オゾン処理槽14では、オゾン発生装置(図示せず)で発生したオゾンガスが槽内の浄水処理水中に連続的に送り込まれており、浄水処理水とオゾンガスとが接触することにより該浄水処理水中の臭気物質が分解される。粒状活性炭処理槽15は、槽内に粒状活性炭が充填されており、浄水処理水中の臭気物質を吸着する。以上により、浄水処理水中の臭気物質が除去される。
粒状活性炭槽15を通過した浄水処理水は、続いて、塩素混和池16に送られ、塩素が混入されて殺菌された後、浄水池17に貯留される。浄水池17に貯留された浄水処理水は、各地域に設置された配水池18に送られる。
次に、図1を参照して溶解性マンガン濃度の測定装置(以下「マンガン濃度測定装置」という)について説明する。マンガン濃度測定装置20は、オゾン接触槽21、検出器22、オゾン発生器23、脱オゾン槽24、加減圧ポンプ25、浄水タンク26、薬液タンク27、オゾン分解槽28、及び制御装置29を備えている。オゾン接触槽21と急速濾過槽13との間、検出器22との間、脱オゾン槽14との間、浄水タンク26との間、薬液タンク27との間の配水管には、それぞれ1個又は2個の電磁弁31a〜31fが設置されている。また、オゾン接触槽21と脱オゾン槽24の間の配水管には電磁弁31cと電磁弁31dの間に位置して、一端が薬液タンク27に接続された配水管が連結されており、該配水管にも1個の電磁弁31gが設置されている。
オゾン発生器23は、例えば2枚の板状電極に高電圧を印加することにより空気中の酸素をオゾンに変えるオゾン生成部232と、生成したオゾンをオゾン接触槽21内に供給するオゾン供給部231を備えている。オゾン供給部231はバブリングノズルによりオゾンガスを微細な気泡にしてオゾン接触槽21に供給する。このため、オゾン接触槽21内に貯留されている濾過水がオゾンガスと効率よく接触し、オゾンによる溶解性マンガンの酸化作用が促進される。
検出器22は、オゾン接触槽21にてオゾンガスと接触した後の濾過水を貯留するセル221、該セル221に中心波長が470nmの単色光の測定光を照射するLED光源222、セル221を透過した測定光の強度を検出する分光光度計223、分光光度計223の検出結果に基づいてセル221内の濾過水中に含まれる溶解性マンガンの濃度を求める演算処理部224を備えている。演算処理部224で求められた溶解性マンガン濃度は制御装置29に送られ、プリンタやディスプレイ等の出力装置291に出力される。後述するように、溶解性マンガン濃度の測定は定期的に行われるが、前記出力装置291には、定期的に行われる溶解性マンガン濃度の値の他、溶解性マンガン濃度の時間的な変化を表すグラフ等が表示される。また、前記出力装置291は、溶解性マンガン濃度が上限値を超えた場合に、その旨を表す警告表示や警告音を出力するようにしても良い。この場合は、出力装置291が報知部として機能する。
加減圧ポンプ25はオゾン接触槽21内を減圧したり加圧したりすることにより、オゾン接触槽21に浄水処理水を取り込んだり、オゾン接触槽21から浄水処理水を送出したりするためのものである。従って、加減圧ポンプ25が本発明の第1、第2送液手段として機能する。加減圧ポンプ25を減圧モード及び加圧モードに切り替えると共に電磁弁31a〜31gの開閉を切り替えることにより、浄水処理水の流れる向きが変更される。
浄水タンク26及び薬液タンク27には洗浄水及びL−アスコルビン酸溶液(0.2g/L〜1.0g/L)が収容されている。これら洗浄水及びL−アスコルビン酸溶液は、溶解性マンガン濃度の検出系統(オゾン接触槽21、検出器22、脱オゾン槽24、及びこれらの間を繋ぐ配水管)の洗浄に用いられる。従って、浄水タンク26及び薬液タンク27が本発明の洗浄液タンクに、洗浄水及びL−アスコルビン酸溶液が本発明の洗浄液に相当する。なお、本実施例では、L−アスコルビン酸溶液を洗浄液として用いたが、これ以外の還元剤を洗浄液として利用することが可能である。
次に、上記マンガン濃度測定装置20を用いた溶解性マンガン濃度の測定工程について図2のフローチャートを参照しつつ説明する。溶解性マンガン濃度の測定は通常、定期的に行われ、測定が行われていないときは全ての電磁弁31a〜31gは閉じられており、マンガン濃度測定装置20は待機状態にある(ステップS0)。そして、測定開始の指示がなされると、電磁弁31aが開放されると共に加減圧ポンプ25が減圧モードで駆動される。これにより急速濾過槽13から一定量の浄水処理水がオゾン接触槽21に吸引される(ステップS1)。なお、測定開始の指示はユーザが手動で行っても良く、タイマー等により自動的に測定開始が指示されるようにしても良い。
続いて、電磁弁31aが閉じられ、加減圧ポンプ25を加圧モードに切り替えて電磁弁31bを開放する。これによりオゾンガスと接触する前の浄水処理水が検出器22のセル221に貯留される。その後、セル221に対してLED光源222からの測定光が照射され、吸光度(ブランク吸光度)が測定される(ステップS2)。ブランク吸光度の測定結果は演算処理部224に記憶される。
次に、電磁弁31bを開放したまま、加減圧ポンプ25が減圧モードに切り替えられる。これにより、検出器22のセル221内から浄水処理水がオゾン接触槽21に戻される。続いて、電磁弁31bが閉鎖され、この状態で、オゾン発生器23が駆動され、該オゾン発生器23で発生したオゾンガスが一定時間、オゾン接触槽21内の浄水処理水に供給されて該浄水処理水とオゾンガスが接触する(ステップS3)。オゾンガスの供給時間は15秒〜200秒の適宜の値に設定される。また、オゾンガスの供給を停止した後、浄水処理水中のオゾンによる酸化反応が終了するまでオゾン接触槽21内の浄水処理水は3分間静置される。なお、オゾン接触槽21に送られたオゾンガスのうち浄水処理水の酸化に寄与しなかった余剰なオゾンガスは、オゾン接触槽21からオゾン分解槽28に送られ、酸素に分解された後、脱オゾン槽24に排気される。
ここで、浄水処理水の静置時間について、図4及び図5用いて説明する。
図4及び図5は、オゾンガスの曝気時間及び浄水処理水の静置時間を変化させたときの吸光度曲線の変化を示すグラフであり、横軸に静置時間(s)、縦軸に吸光度を示している。図4はマンガン濃度が0.1mg/Lの浄水処理水、図5はマンガン濃度が2.0mg/Lの浄水処理水を用いた結果を示す。これらの図から分かるように、マンガン濃度及び曝気時間の違いに関係なく、静置時間が0から100秒付近までは静置時間の増加と共に吸光度が急激に上昇し、その後、緩やかに上昇する。マンガン濃度が高いほど、長期にわたり吸光度は緩やかに上昇を続けるものの、150秒を超えた辺りから吸光度は安定する。これは、オゾンガスの供給を停止しても浄水処理水中に溶存するオゾンによりマンガンの酸化反応が進むためである。そこで、本実施例では、オゾンガスの供給を停止してから浄水処理水を3分間静置し、その後、吸光度を測定するようにした。これにより、溶存オゾンガスによる酸化反応により吸光度が変動することがなく、正確な吸光度を測定することができる。なお、本実施例では静置時間を3分に設定したが、オゾン接触槽21の大きさやオゾン発生器23から供給されるオゾンガスの量などに応じて適宜の時間に変更すると良い。
ステップS4では、ステップS2と同様に電磁弁31bが開放されると共に加減圧ポンプ25が加圧モードで駆動され、オゾン接触槽21内の浄水処理水が検出器22のセル221に送られた後、吸光度が測定される(ステップS4)。演算処理部224は、この測定結果からステップS2で記憶したブランク吸光度を減算し、減算後の吸光度から浄水処理水中の溶解性マンガン濃度を求める。求められた溶解性マンガン濃度は制御装置29に送られた後、ディスプレイやプリンタ等の出力装置291に出力される。従って、ユーザは出力装置29の出力から浄水処理水の溶解性マンガンの濃度が適切かどうか、言い換えると、急速濾過槽13の濾過能力が低下していないかどうかを判断することができる。
溶解性マンガン濃度の測定が終了すると、電磁弁31bを開放したまま加減圧ポンプ25が減圧モードに切り替えられて検出器22のセル221から浄水処理水がオゾン接触槽21に戻される。そして、電磁弁31bが閉じられ、電磁弁31c及び電磁弁31dが開放されると共に、加減圧ポンプ25が加圧モードに切り替えられる。これにより、オゾン接触槽21内の浄水処理水が脱オゾン槽24に送出され、後に装置外に廃棄される。
続いて、薬液タンク17内の薬液(L−アスコルビン酸酸溶液)によるオゾン接触槽21、検出器22の洗浄作業が行われる(ステップS5)。具体的には、まず、電磁弁31a〜31e及び31gを閉じた状態で電磁弁31fが開放され、加減圧ポンプ25が減圧モードに切り替えられる。これにより、薬液タンク17から薬液が吸引され、オゾン接触槽21に注入される。その後、薬液を滞留した状態でのエアーバブリングによってオゾン接触槽21内が洗浄される。続いて、電磁弁31fが閉じられると共に電磁弁31bが開放され、加減圧ポンプ25が加圧モードに切り替えられる。これによりオゾン接触槽21内の薬液が検出器22のセル221に送出され、エアーバブリングによりセル221内が洗浄される。このとき、セル221の容量をオーバーした薬液の一部は脱オゾン槽24に排出され排水中の残留オゾンの分解除去に寄与される。検出器22の洗浄作業が終了すると、加減圧ポンプ25を減圧モードに切り替えて検出器22からオゾン接触槽21に薬液を戻し、続いて電磁弁31bを閉じると共に電磁弁31c、31gを開放し、加減圧ポンプ25を加圧モードに切り替えてオゾン接触槽21内の薬液を薬液タンク27に回収する。
ステップ6では、浄水タンク26内の浄水による洗浄作業を行う。具体的には、電磁弁31eを開放すると共にそれ以外の電磁弁を閉鎖して加減圧ポンプ25を減圧モードで駆動する。これにより、浄水タンク26内の浄水がオゾン接触槽21に吸引され、エアーバブリングにより洗浄される。その後、電磁弁31eを閉じると共に電磁弁31bを開放し、加減圧ポンプ25を加圧モードに切り替える。これにより、接触槽21内の浄水が検出器22のセル221に送出され、エアーバブリングにより洗浄される。その後、加減圧ポンプ25を減圧モードに切り替えてセル221内の浄水をオゾン接触槽21に吸引し、続いて電磁弁31bを閉じると共に電磁弁31c、31dを開放してオゾン接触槽21内の浄水を脱オゾン槽24に排出する。以上の浄水による洗浄動作は2回繰り返す。
以上説明したように、本実施例に係る溶解性マンガン濃度の測定装置20によれば、浄水処理工程の急速濾過槽13の後段に設置して浄水処理水(濾過水)中の溶解性マンガンの濃度を自動的に且つ連続的に測定することができる。このため、急速濾過槽13に用いられている濾過材の濾過能力の変化をモニタすることができ、適宜のタイミングで濾過材を洗浄することができる。また、本実施例では、浄水処理水とオゾンを接触させ、溶解性マンガンの酸化物による測定光の吸収率(吸光度)に基づいてマンガン濃度を検出した。特に、測定光として中心波長を470nmとする単色光を用いたため、次亜塩素酸ナトリウムによる光の吸収の影響を抑えることができ、マンガン濃度を正確に検出することができる。
なお、上記実施例では、空気に高電圧を印加することによりオゾンガスを生成したため、オゾンガスの生成時に二酸化窒素が発生する。このため、オゾンガスと共に二酸化窒素がバブリングノズルを通して水処理水中に供給され、その際、二酸化窒素が水に溶解して硝酸となる。硝酸による吸収波長帯の一部はマンガン酸化物の吸収波長帯と重複するが、波長が470nmの光は硝酸による吸収波長帯から外れる。従って、波長が470nmの測定光を用いることにより、硝酸による吸収波長帯も回避することができるため、浄水処理水中に含まれる溶解性マンガンの濃度をより正確に測定することができる。
また、本実施例では、マンガン濃度の検出後に行うオゾン接触槽21や検出器22のセル221の洗浄に使用した薬液のほぼ全量を薬液タンク27に回収して再利用するようにした。これにより薬液の消費量を少なく抑えることができ、その結果、薬液タンク27への薬液の補充頻度を大幅に少なくすることができる。しかも、本実施例では、L−アスコルビン酸溶液を洗浄液として用いた。従来の浄水処理施設ではクエン酸という弱酸性溶液が洗浄液として用いられているが、クエン酸溶液は弱酸性であるため二酸化マンガンを溶解除去しにくい。これに対して還元性の強いL−アスコルビン酸溶液を用いると、オゾン接触槽21や検出器22のセル221に付着したマンガン成分を溶解性マンガンにして効率よく取り除くことができる。
さらに、L−アスコルビン酸は殺菌作用を有するため、オゾン接触槽21や検出器22のセル221にバイオフィルムが生成されることを防止することができる。さらにまた、L−アスコルビン酸は食品の酸化防止剤として広く用いられる物質であるため、安全性の点でも問題がない。
なお、上記実施例では、地下水や河川水等の浄水処理施設で用いられるマンガン濃度測定装置について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、浄水処理施設で処理される原水中の溶解性マンガン濃度を測定する装置及び方法、或いは、工業用水や農業用水、水道水等に含まれる溶解性マンガン濃度を測定する装置及び方法にも適用できる。特に、原水中の溶解性マンガンの濃度を測定し、原水中の溶解性マンガンの濃度が所定値を上回ると、該原水の浄水処理施設への取水口を閉鎖するようにすれば、浄水処理施設の濾過器や膜処理施設の濾過能力を上回るような高濃度の溶解性マンガンを含む原水を処理することを回避できる。
11…着水井
12…沈澱池
13…急速濾過槽
14…オゾン処理槽
15…粒状活性炭処理槽
16…塩素混和槽
17…浄水池
18…配水池
20…溶解性マンガンの濃度測定装置
21…オゾン接触槽
22…検出器
221…セル
222…LED光源
223…分光光度計
224…演算処理部
23…オゾン発生器
231…オゾン供給部
232…オゾン生成部
24…脱オゾン層
25…加減圧ポンプ
26…浄水タンク
27…薬液タンク
28…オゾン分解槽
29…制御装置
291…出力装置
31a〜31g…電磁弁

Claims (10)

  1. a) 被検水中にオゾンガスを供給して該オゾンガスと前記被検水を接触させる工程と、
    b) 前記被検水に400〜500nmの範囲から選ばれる波長を中心波長とする単色光である測定光を照射する工程と、
    c) 前記被検水を透過した前記測定光の強度を検出し、その結果に基づき前記被検水中の溶解性マンガン濃度を求める工程と、
    を順に実行することを特徴とする溶解性マンガン濃度の測定方法。
  2. 前記被検水中に前記オゾンガスを供給する時間が15秒〜200秒であることを特徴とする請求項1に記載の溶解性マンガンの濃度測定方法。
  3. 前記被検水中への前記オゾンガスの供給を停止してから所定の静置時間が経過した後、前記測定光を照射して前記被検水を透過した該測定光の強度を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶解性マンガンの濃度測定方法。
  4. 被検水中の溶解性マンガンの濃度を測定する装置であって、
    a) 被検水を貯留する貯留槽と、
    b) 前記貯留槽に貯留された被検水中にオゾンガスを供給するオゾンガス供給部と、
    c) 前記オゾンガスが供給された後の前記被検水を貯留するための透光性を有するセルと、該セルに400〜500nmの範囲から選ばれる波長を中心波長とする単色光である測定光を照射する測定光照射部と、前記セルを透過した前記測定光の強度を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づき前記被検水中の溶解性マンガン濃度を求める演算処理部とを備えたマンガン濃度測定部と、
    d) 前記貯留槽から前記セルに被検水を送液する送液手段と、
    e) 前記オゾンガス供給部、前記マンガン濃度測定部、及び前記送液手段の動作を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする溶解性マンガンの濃度測定装置。
  5. 前記貯留槽、前記セル、及び前記送液手段に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えることを特徴とする請求項4に記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
  6. 前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、前記洗浄液タンク内の洗浄液を前記貯留槽、前記セル、及び前記送液手段に送出する送液ポンプと、前記貯留槽、前記セル、及び前記送液手段に送出された洗浄液を前記洗浄液タンクに回収するための回収手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
  7. 前記洗浄液供給部は、L−アスコルビン酸溶液を含む洗浄液を供給することを特徴とする請求項5又は6に記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
  8. 脱オゾン槽と、
    前記セル内の被検水を前記脱オゾン槽に送出する第2送液手段とを備え、
    前記制御部は、マンガン濃度の測定が終了した後、前記第2送液手段を駆動して前記セル内の前記被検水を前記脱オゾン槽に送出させることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
  9. 前記演算処理部による演算処理の結果を出力する出力部を備えることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
  10. 前記演算処理部による演算処理の結果、前記被検水中の溶解性マンガン濃度が所定値を上回ったときに、その旨を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の溶解性マンガンの濃度測定装置。
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