JP4013565B2 - マンガン除去方法および装置 - Google Patents
マンガン除去方法および装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4013565B2 JP4013565B2 JP2002022223A JP2002022223A JP4013565B2 JP 4013565 B2 JP4013565 B2 JP 4013565B2 JP 2002022223 A JP2002022223 A JP 2002022223A JP 2002022223 A JP2002022223 A JP 2002022223A JP 4013565 B2 JP4013565 B2 JP 4013565B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- manganese
- water
- raw water
- membrane
- gravel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水道、各種用水、廃水等の水処理方法および装置に係り、特に溶解性マンガンを除去する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、精密ろ過膜もしくは限外ろ過膜を利用して、上水道、各種用水、廃水等のろ過操作を行なう試みがなされている。こうした操作に用いられる原水のうち、ほとんどの地下水には鉄やマンガンが含まれており、河川水にもマンガンが含まれているものもある。一般に、マンガンは溶存状態で水中に存在しており、溶解性マンガンはそのままでは分離膜により除去することができない。溶解性マンガンを分離膜で除去できるように酸化析出させる方法としては、従来よりオゾンや過マンガン酸カリウムなどの酸化力の強い酸化剤を用いる方法が知られている。しかしながら、オゾンはその取り扱いおよびコスト面から小規模水道には適用しにくい。一方、過マンガン酸カリウムによる酸化は注入率制御が難しく、鉄やマンガン、有機物などの被酸化物が混入する場合、最適注入率管理は極めて困難とされている。
【0003】
分離膜で原水を膜処理後に塩素注入してマンガン砂ろ過する方法もまた、知られている。この方法においては、マンガン砂ろ過は、逆洗時に砂から剥離した二酸化マンガン粒子を、逆洗排水や捨水で完全に排出するのが困難である。このため、膜処理を施して0.01度以下の濁度まで低減された膜処理水を、マンガン砂ろ過によって0.1度付近まで加濁してしまうことになり、浄水システムとして問題が残る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
原水中には濁質や細菌類といった不溶解性物質に加えて、溶解性の鉄分なども含まれている場合があり、鉄分は塩素剤の注入または空気との接触により容易に析出して不溶性物質となる。マンガンは、中性付近のpHにおいては塩素では酸化析出しないものの、二酸化マンガンを触媒として用いれば塩素でも容易に酸化析出する。そこで、原水に塩素系酸化剤を注入後、マンガン砂が充填された接触層に通水して、原水をマンガン砂と接触させることによりマンガンを酸化析出させることができる。その後、分離膜でろ過することによって、マンガンも原水中から容易に分離除去することが可能である。
【0005】
このような二酸化マンガンをコーティングしたマンガン砂によるろ過では、有効径(砂の粒度加積曲線上での10%通過径)が1mm以下の砂を用いるため、下向流で行なった場合には、含有されている他の不溶解性物質により砂層表面の閉塞が生じる。その結果、短期間でろ過抵抗を上昇させるという欠点があった。
【0006】
こうした問題を解決する方法として、特許第2772612号には、溶解性マンガンを含有する原水に塩素系酸化剤を注入し、反応槽下方に敷設したマンガン砂接触ろ材層を上向流で通過させて溶解性マンガンを酸化析出させ、反応槽上方で原水中の懸濁物質を沈降分離させた後、分離膜を用いて膜ろ過する方法が記載されている。
【0007】
この従来の方法では、反応槽内において懸濁物質等のスラリーが徐々に濃縮されるため、スラリーを反応槽外へ排出する必要がある。このため、維持管理が極めて煩雑であるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点を克服すべく鋭意研究の結果完成されたものであって、溶解性マンガンを原水中から効率的に除去するとともに、容易に維持管理が可能な水処理方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、河川より取水した溶解性マンガンを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを注入する工程と、前記次亜塩素酸ナトリウムが注入された前記原水を、径2〜10mmのマンガン砂利が充填されたろ材層に下向流固定床で通過させることにより、前記原水中の前記溶解性マンガンを酸化析出させて不溶解性マンガンを得る工程と、前記原水を分離膜でろ過して前記不溶解性マンガンを除去し、膜ろ過水を得る工程とを具備することを特徴とする河川水中のマンガン除去方法を提供する。
【0010】
また本発明は、河川より取水した溶解性マンガンを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを注入する次亜塩素酸ナトリウム注入装置と、径2〜10mmのマンガン砂利が充填され、前記次亜塩素酸ナトリウムが注入された前記原水が下向流固定床で通過するマンガン砂利接触装置と、前記マンガン砂利接触装置を通過した前記原水から膜ろ過水を得る膜ろ過装置とを具備することを特徴とする河川水中のマンガン除去装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のマンガン除去方法および装置を説明する。
【0012】
図1に、本発明の一実施形態に係るマンガン除去装置の構成を示す。
【0013】
河川等の取水源から取水した原水1は、まず、次亜塩素酸ナトリウム注入装置2から次亜塩素酸ナトリウム3が注入され、次いで、供給ポンプ4によりマンガン砂利接触装置5へ下向流固定床で送り込まれる。ここで、原水1中の溶解性マンガンが酸化析出された後、処理水槽6へ導入される。処理水槽6から導出された処理水は、供給ポンプ7により膜ろ過装置8に送り込まれ、得られた膜ろ過水は膜ろ過水槽9へ導入される。膜ろ過水の一部は逆流洗浄水として用いられ、逆洗ポンプ10により膜ろ過装置8の分離膜を二次側から洗浄し、膜ろ過水の大部分は消毒剤11を添加した後、浄水12として給配水される。
【0014】
マンガン砂利接触装置5においては、径2〜10mmの砂利に予め二酸化マンガンをコーティングしたものがろ材として用いられる。原水中の溶解性マンガンは、前述の二酸化マンガンあるいはすでに酸化析出した二酸化マンガンを触媒として、次亜塩素酸ナトリウムにより酸化析出する。ここで、砂利の径とは、ふるい等によって分離された径を意味する。砂利の径が2mm未満の場合は、原水中の濁質分等の不溶解性物質によりろ材表面の閉塞が生じて、ろ過抵抗を短期間で上昇させる。一方、砂利の径が10mmを越えると表面積が小さすぎるため、原水中の溶解性マンガンと十分に接触させることができない。こうした理由から本発明においては、マンガン砂利接触装置5に充填されるマンガン砂利の径を2〜10mmに規定した。このような径のマンガン砂利が用いられるので、マンガン砂利接触装置5に原水を下向流固定床で通過させることができる。さらに、ろ過抵抗と接触時間を考慮して、径2〜10mmの砂利が全体の50%以上含まれていることが好ましい。
【0015】
また、マンガン砂利接触装置5における通水速度(LV)は、装置のコンパクト化を図るためには高めに設定することが好ましいものの、1000m/日を越えると十分な接触時間を保持することが困難となる。一方、通水速度が50m/日未満の場合には、装置が大型化してコスト高になる。したがって、マンガン砂利接触装置5における通水速度(LV)は50〜1000m/日とすることが好ましい。
【0016】
膜ろ過装置8において用いられる分離膜としては、精密ろ過膜もしくは限外ろ過膜が挙げられる。具体的には、精密ろ過膜としては、公称孔径0.01〜0.5μmのものが好ましく、限外ろ過膜としては、分画分子量1,000〜20万ダルトンのものが好ましい。膜モジュールの形式は、中空糸状、スパイラル状、チューブラ状、または平膜状が用いられる。また、膜モジュールのろ過方式は、全量ろ過方式およびクロスフローろ過方式のいずれの方式としてもよく、膜ろ過への通水方式は、外圧型および内圧型のいずれでも問題ない。さらに、原水側を加圧する加圧型のケーシングタイプ、あるいはろ過水側を減圧する吸引型の槽浸漬タイプのいずれであってもよい。
【0017】
【実施例】
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
図1に示した構成の装置により、河川表流水(平均濁度15度)の処理を行なった。次亜塩素酸ナトリウム3は、処理水槽6における遊離残留塩素が0.1〜0.5mg/L程度となるように注入した。また、膜ろ過装置8の分離膜としては、公称孔径0.1μmのポリフッ化ビニリデン製中空糸精密ろ過膜を用いて、以下の条件で運転を行なった。
【0019】
マンガン砂利接触装置のLV:200m/日
マンガン砂利接触装置の接触時間:7分
膜透過流束:3m/日
ろ過時間:20分
逆洗時間:60秒
原水、処理水槽6を通過後の処理水、膜ろ過水槽9通過後の膜ろ過水、および浄水12について、濁度、総マンガンおよび溶解性マンガン濃度を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
表1に示されるように、本発明の装置により処理された浄水12においては、濁度およびマンガンは、いずれも検出限界未満まで効率よく低減されていることがわかる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、溶解性マンガンを原水中から効率的に除去するとともに、容易に維持管理が可能な水処理方法および装置が提供される。
【0023】
本発明は、河川等の取水源から取水した原水のマンガン除去に極めて有効であり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマンガン除去装置の一例の構成を示す図。
【符号の説明】
1…原水
2…次亜塩素酸ナトリウム注入装置
3…次亜塩素酸ナトリウム
4…供給ポンプ
5…マンガン砂利接触装置
6…処理水槽
7…供給ポンプ
8…膜ろ過装置
9…膜ろ過水槽
10…逆洗ポンプ
11…消毒剤
12…浄水
Claims (2)
- 河川より取水した溶解性マンガンを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを注入する工程と、
前記次亜塩素酸ナトリウムが注入された前記原水を、径2〜10mmのマンガン砂利が充填されたろ材層に下向流固定床で通過させることにより、前記原水中の前記溶解性マンガンを酸化析出させて不溶解性マンガンを得る工程と、
前記原水を分離膜でろ過して前記不溶解性マンガンを除去し、膜ろ過水を得る工程とを具備することを特徴とする河川水中のマンガン除去方法。 - 河川より取水した溶解性マンガンを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを注入する次亜塩素酸ナトリウム注入装置と、
径2〜10mmのマンガン砂利が充填され、前記次亜塩素酸ナトリウムが注入された前記原水が下向流固定床で通過するマンガン砂利接触装置と、
前記マンガン砂利接触装置を通過した前記原水から膜ろ過水を得る膜ろ過装置とを具備することを特徴とする河川水中のマンガン除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002022223A JP4013565B2 (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | マンガン除去方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002022223A JP4013565B2 (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | マンガン除去方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003220394A JP2003220394A (ja) | 2003-08-05 |
JP4013565B2 true JP4013565B2 (ja) | 2007-11-28 |
Family
ID=27745268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002022223A Expired - Fee Related JP4013565B2 (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | マンガン除去方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4013565B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005095812A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Daicen Membrane Systems Ltd | 水の浄水化装置および水の浄化方法 |
JP2005095813A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Daicen Membrane Systems Ltd | 地下水浄水化装置 |
KR100705611B1 (ko) | 2004-07-21 | 2007-04-10 | (주)비룡 | 제망간탑을 이용한 분리막 고도 정수 처리장치 |
JP4813807B2 (ja) * | 2005-02-18 | 2011-11-09 | 株式会社日立製作所 | 浄水プロセスの運転管理方法 |
JP2006263650A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Ngk Insulators Ltd | セラミック膜浄水製造設備及びその運転方法 |
JP6329807B2 (ja) * | 2013-05-21 | 2018-05-23 | オルガノ株式会社 | 鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 |
JP6153386B2 (ja) * | 2013-05-31 | 2017-06-28 | オルガノ株式会社 | 鉄/マンガン含有水の処理装置および処理方法 |
JP6797540B2 (ja) * | 2016-03-29 | 2020-12-09 | アクアス株式会社 | 原水の処理方法 |
JP6847070B2 (ja) * | 2018-03-26 | 2021-03-24 | 水ing株式会社 | 浄水処理方法及び浄水処理装置 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5063757A (ja) * | 1973-10-12 | 1975-05-30 | ||
JPS5418151A (en) * | 1977-07-08 | 1979-02-09 | Kajiyama Kankiyou Gijiyutsu Ke | Method of removing iron and manganese dissolved in water |
JPS59173191A (ja) * | 1983-03-18 | 1984-10-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水処理用濾材 |
JP2749256B2 (ja) * | 1993-12-15 | 1998-05-13 | 日本碍子株式会社 | 水の高度処理方法 |
JP3430598B2 (ja) * | 1993-12-22 | 2003-07-28 | 栗田工業株式会社 | 膜分離装置 |
JP3467713B2 (ja) * | 1995-10-06 | 2003-11-17 | 義公 渡邊 | 膜分離を用いたマンガンの除去方法 |
JPH09150165A (ja) * | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Toray Ind Inc | 水処理方法およびその装置 |
JP3659383B2 (ja) * | 1998-03-30 | 2005-06-15 | 株式会社荏原製作所 | マンガン含有水の処理方法及び装置 |
-
2002
- 2002-01-30 JP JP2002022223A patent/JP4013565B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003220394A (ja) | 2003-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4309633B2 (ja) | 水処理方法 | |
JP4013565B2 (ja) | マンガン除去方法および装置 | |
JP2001191086A (ja) | 水処理装置 | |
JP2772612B2 (ja) | 透過膜を利用した溶存マンガン含有水ろ過方法 | |
JP2007130587A (ja) | 膜ろ過装置及び膜の洗浄方法 | |
JP4318518B2 (ja) | 浄水処理方法および浄水処理システム | |
JPH06262173A (ja) | 回収率が改善された表流水の膜浄化方法及びその装置の運転方法 | |
JP5017922B2 (ja) | 水処理方法 | |
JP3444202B2 (ja) | 水処理装置 | |
JPH06238136A (ja) | 濾過膜モジュールの洗浄方法 | |
JP4569200B2 (ja) | 水処理方法および膜ろ過水処理装置運転方法 | |
JP3896687B2 (ja) | マンガン含有水処理装置 | |
JP3525699B2 (ja) | 有機成分とマンガンを含む水の処理方法 | |
JP3986370B2 (ja) | 濾過膜モジュールの洗浄方法 | |
JP2003340247A (ja) | 水処理装置および方法 | |
JP2004502027A5 (ja) | ||
JP4539321B2 (ja) | 浄水システム | |
JP4862005B2 (ja) | 水処理方法および水処理装置 | |
JP3609470B2 (ja) | 水の浄化方法および浄化装置 | |
JPH119972A (ja) | 膜濾過装置及び膜濾過方法 | |
JPH06254595A (ja) | 表流水の浄化方法 | |
JP2003230895A (ja) | マンガン含有水の処理方法及びその装置 | |
JP4125390B2 (ja) | 排水の再生装置 | |
JP3965782B2 (ja) | 水処理装置 | |
JP2005103510A (ja) | 薬液洗浄方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070821 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070903 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |