JP6402120B2 - グラム陽性病原菌に対する活性のある新規の1,2,4−オキサジアゾール化合物 - Google Patents

グラム陽性病原菌に対する活性のある新規の1,2,4−オキサジアゾール化合物 Download PDF

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Description

抗菌剤の使用及び乱用が、薬物の化学的分類又は分子標的に関係なく、臨床使用におけるすべての抗生物質に対する菌耐性をもたらす結果となった。多耐性グラム陽性球菌(cocci)、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(enterococci)(VRE)及びペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(PNSSP)などにより引き起こされる感染症は、世界中の病院と社会環境の両方において、主要な公衆衛生の懸案事項として出現した。新規抗生物質に対する必要性は、この難題に取り組んで、2020年までに10種の新規抗生物質を開発するよう米国感染症学会(Infectious Disease Society of America)(IDSA)を促した。
オキサゾリジノンは、様々なグラム陽性病原菌に対して活性を示し、多剤耐性のある細菌に対して極めて強力な、1つのクラスの抗菌剤である。特に、オキサゾリジノンは、黄色ブドウ球菌及び連鎖球菌株により引き起こされる皮膚及び呼吸器の感染症を治療するために使用され、並びにバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)に対して活性がある。臨床使用のために認可された最初のオキサゾリジノン抗生物質であるリネゾリド(図1)は、50Sリボソームサブユニットに結合することによって、細菌内においてタンパク質合成の開始段階で翻訳を阻害することが示されている。しかし2001年以来、リネゾリド耐性が黄色ブドウ球菌及びエンテロコッカス・フェシウム臨床分離株において出現し始め、その使用と共に、特に腸球菌及び表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)株の間で、耐性の比率が上昇した。[1〜4]加えて、リネゾリド療法は、可逆的骨髄抑制及びモノアミンオキシダーゼ(MAO)の阻害などの副作用が伴う。
菌耐性の問題に対していくつかの解決策が可能である。成功した戦略として、既存の抗菌剤を他の薬物と組み合わせること、並びに原因である病原菌の迅速な特定をもたらし、狭い範囲の活性を有する抗菌剤の使用を可能にし得る改善された診断手順を開発することが挙げられる。別の戦略は、新規の作用機序を介して作用する新規のクラスの抗菌剤の発見である。しかし、最も一般的な手法であり、依然として最も前途有望な手法は、既存のクラスの抗菌剤を修飾して、改善された活性を有する新規類似体を提供することであるが、新規類似体の活性及び毒性は容易に予想することはできない。
この状況において、多くの研究者が、抗菌作用を改善させるためにリネゾリドの構造を修飾しようと試みてきたが、新規分子の使用の承認につながるような結果を得てさえもいない。修飾の箇所を合理化するために、オキサゾリジノン抗菌薬の命名法に従いリネゾリドの構造を正式に4つの部分に分割することができる[5]:i)A環、オキサゾリジノンの中央の複素環からなる;ii)B環、オキサゾリジノン窒素に連結したN−アリール部分からなる;iii)C環、カルボ−複素環式官能基からなり、必ずしも芳香族ではない;iv)側鎖、オキサゾリジノンC(5)に連結している又は一般タイプのA環に対して等配電子の位置にある任意の官能基からなる(図1)。
異なるタイプの修飾が文献において報告されている。最も一般的な修飾はC環に関し、A環に対してはわずかしか修飾が報告されておらず、一部のケースでは良好な活性が保持された。[6〜7]
本発明者らのグループは、オキサゾリジノン(A環)を等配電子の1,2,4−オキサジアゾールヘテロ芳香族環と置き換えた結果、活性が欠如する結果となったことを以前に報告した。[8]したがって、これらの化合物は、実質的なスクリーニング手法において不活性なリネゾリド様化合物に対する基準として選ばれている。
本発明の目的は、特に耐性株に対する抗菌作用、及び無害性という点で、従来技術の分子の限界及び欠点を上回る医薬品として適切な新規分子を見出すことである。
本発明は、リネゾリド様分子のC環を、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員の複素環式環(同様に置換されている)で置換することが、B環及びオキサゾリジノン核のC(5)側鎖におけるさらなる修飾の存在により調節可能な活性を有する新規オキサゾリジノン抗生物質の取得に対して有効であるという発見に基づく。
したがって、本発明の目的は、ラセミ混合物又は純粋なエナンチオマー又はS若しくはRエナンチオマーのうちの1つが富化された混合物としての、一般式(I)を有する新規化合物、及び好ましくはグラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療のためのこれらの使用である

(式中、
R=F、Cl、Br、I、(C1〜C3)アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル)、(C3〜C6)シクロ−アルキル、フェニル、アリール、ヘテロアリール、NH、OH、SH、NHR、N(R、OR(R=(C1〜C3)アルキル、(C3〜C6)シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜C4)アシル)であり、
1〜4=独立して、H、F、Cl、Br、CH、OH、OCHであり、
=−NH;−I;−N;−OH;−NCS、−NHC(X)CH(X=O又はS);−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl);−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl);−NHC(X)CZ(X=O、S、Z=F、Cl);−NHC(X)NHR(X=O、S、R=H)、(C1〜C3)アルキル、(C3〜C6)シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜C3)アシルである)。
本発明の特定の実施形態は、Rがメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルである一般式(I)を有する化合物、
又はR、R、R若しくはRのうちの少なくとも1つがフッ素原子であり、その他がHである一般式(I)を有する化合物
又はRが、−NHC(=O)CH、−NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC、−NCS;1,2,3−トリアゾール−1−イル;
の間から選択される一般式(I)を有する化合物
又はRがメチルであり、Rが−NHC(=O)CH、−NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC2H5、−NCS;1,2,3−トリアゾール−1−イル;
の間から選択される一般式(I)を有する化合物
又はRがFであり、R、R及びRがHであり、Rがメチルであり、Rが−NHC(=O)CH、−NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC、−NCS;1,2,3トリアゾール−1−イル
の間から選択される一般式(I)を有する化合物からなる。
本発明の好ましい実施形態では、上で示されたすべての化合物は、純粋なSエナンチオマーである又はSエナンチオマーが富化された混合物である。
本発明のさらなる実施形態では、特許請求された化合物は、グラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療、好ましくは多抗生物質耐性の(多耐性とも呼ばれる)グラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療、例えば、ブドウ球菌属(Streptococcus spp)、エンテロコッカス属(Enterococcus spp)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp)により引き起こされる感染症、特に、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、肺炎連鎖球菌により引き起こされる感染症の治療における使用を意図する。特に、抗生物質メチシリン、バンコマイシン、ペニシリン、マクロライド、フルオロキノロン及びリネゾリドのうちの1種又は複数に耐性がある場合。
本発明の第2の目的は、活性成分としての本発明の化合物と、薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物である。
このような組成物は、多耐性株を含めたグラム陽性細菌とグラム陰性細菌の両方による感染症の治療における使用を意図する。
本発明の第3の目的は、ダイアグラム1、2及び3に示されているステップを含む、本発明の化合物を調製するための方法である。
本発明の一実施形態では、方法は、エナンチオマーS及びRの分離、又はエナンチオマーのうちの1つ、好ましくはラセミ混合物のSエナンチオマーにおける富化の1つ又は複数のステップを含む。
本発明の第4の目的は、活性成分を薬理学的に許容される添加剤と混合するステップを含む医薬組成物の調製のための方法である。
本発明のさらなる目的は、多耐性グラム陽性株による感染症の治療のための医薬品の調製のための本発明の化合物の使用である。
本発明により提供される利点は、リネゾリド感受性菌種に対するリネゾリドの活性と同等の又はこれに匹敵する活性を有し、しかもリネゾリド及び/又は他の抗生物質に耐性がある菌種に対してリネゾリドより高い有効性を有する新規の抗生物質化合物を得ることにある。加えて、これらの物質の一部は、リネゾリドの細胞傷害性レベルに匹敵する又はこれより低い細胞傷害性レベルを保有する。最後に、リネゾリドのモルホリン環を、本明細書に記載されているオキサジアゾール環と置き換えることにより、環の開環及び不活性代謝物、例えば、PNU−142586及びPNU−142300などの形成を阻止する。
本発明を以下に示す。
[発明1]
グラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療における使用のための、ラセミ混合物又は純粋なエナンチオマー又はS若しくはRエナンチオマーのうちの1つが富化された混合物としての一般式(I)の化合物:

(式中、
R=F、Cl、Br、I、C1〜C3アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル)、C3〜C6シクロ−アルキル、フェニル、アリール、ヘテロアリール、NH 、OH、SH、NHR 、N(R 、OR (R =C1〜C3アルキル、C3〜C6シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C4アシル)であり、
1〜4 =独立して、H、F、Cl、Br、CH 、OH、OCH であり、
=−NH 、−OH、−NCS、−NHC(X)CH (X=O又はS)、−NHC(X)CH Z(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CHZ (X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CZ (X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)NHR (X=O、S、R =H)、C1〜C3アルキル、C3〜C6−シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C3−アシルである)。
[発明2]
Rがメチル、エチル又はフェニル基である、発明1に記載の化合物。
[発明3]
前記R 、R 、R 又はR 置換基のうちの少なくとも1つがフッ素原子であり、その他がHである、発明1又は2に記載の化合物。
[発明4]
が、−NHC(=O)CH 、−NHC(=S)CH 、−NHC(=O)CH F、−NHC(=S)CH F、−NHC(=O)CH Cl、−NHC(=S)CH Cl、−NHC(=S)NH 、NHC(=O)NH 、−NHC(=O)NHCH 、−NHC(=S)NHCH 、−NHC(=O)NHC 、−NHC(=S)NHC2H 、−NCS;1,2,3トリアゾール−1−イル。
の中から選択される、発明1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
[発明5]
が−NHC(=S)CH であり、RがCH である、
が−NHC(=S)NHCH であり、RがCH である、
が−NHC(=O)CH であり、RがCH である、
が−NHC(=S)NH であり、RがCH である
化合物の中から選択される、発明1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
[発明6]
表1の化合物の中から選択される、発明1から5までのいずれか一項に記載の化合物。
[発明7]
純粋なSエナンチオマー又は前記Sエナンチオマーが富化された混合物の形態である、発明1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
[発明8]
グラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療における使用のための、ラセミ混合物又は純粋なエナンチオマー又はS若しくはRエナンチオマーのうちの1つが富化された混合物としての、一般式(I)を有する化合物を含有する医薬組成物:

(式中、
R=F、Cl、Br、I、C1〜C3アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル)、C3〜C6シクロ−アルキル、フェニル、アリール、ヘテロアリール、NH 、OH、SH、NHR 、N(R 、OR (R =C1〜C3アルキル、C3〜C6シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C4アシル)であり、
1〜4 =独立して、H、F、Cl、Br、CH 、OH、OCH であり、
=−NH 、−OH、−NCS、−NHC(X)CH (X=O又はS)、−NHC(X)CH Z(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CHZ (X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CZ (X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)NHR (X=O、S、R =H)、C1〜C3アルキル、C3〜C6−シクロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C3−アシルである)。
[発明9]
Rがメチル、エチル又はフェニル基である、発明8に記載の医薬組成物。
[発明10]
前記置換基R 、R 、R 又はR のうちの少なくとも1つがフッ素原子であり、その他がHである、発明8又は9に記載の医薬組成物。
[発明11]
が、NHC(=O)CH 、NHC(=S)CH 、−NHC(=O)CH F、−NHC(=S)CH F、−NHC(=O)CH Cl、−NHC(=S)CH Cl、−NHC(=S)NH 、NHC(=O)NH 、−NHC(=O)NHCH 、−NHC(=S)NHCH 、−NHC(=O)NHC 、−NHC(=S)NHC2H 、−NCS;1,2,3トリアゾール−1−イル。
から選択される、発明8から10までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
[発明12]
がNHC(=S)CH であり、RがCH である、
がNHC(=S)NHCH であり、RがCH である、
がNHC(=O)CH であり、RがCH である、
R5がNHC(=S)NH であり、RがCH である
化合物を含有する、発明8から11までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
[発明13]
前記化合物が、表1の化合物から選択される、発明8から12までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
[発明14]
化合物1〜126及び134〜147が、S−エナンチオマー又はS−エナンチオマーが富化された混合物の形態である、発明8から13までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
[発明15]
化合物127〜133及び148〜161が、R−エナンチオマー又はR−エナンチオマーが富化された混合物の形態である、発明13に記載の医薬組成物。
[発明16]
錠剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤の形態での経口使用のための、又は水性若しくは油性の液剤若しくは乳剤の形態での非経口使用のための、又は軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、O/W若しくはW/O乳剤、懸濁乳剤、懸濁剤の形態での局所的使用のための、又は液剤、乳剤若しくは分散液の形態での吸入による、発明8から15までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
[発明17]
前記懸濁剤が、ナノ粒子、ナノカプセル及び/又はリポソームを含む、発明16に記載の医薬組成物。
[発明18]
ナノ粒子が、ネブライザーを介する投与に適合している固体脂質ナノ粒子である、発明17に記載の医薬組成物。
[発明19]
グラム陽性細菌また多抗生物質耐性細菌による感染症の療法的治療の方法であって、患者に、発明8から18までのいずれか一項に記載の組成物の薬学的活性量を投与することを含む、上記方法。
[発明20]
ブドウ球菌属(staphylococcus spp)、エンテロコッカス属(enterococcus spp)、ストレプトコッカス属(streptococcus spp)により引き起こされ、また抗生物質に耐性がある感染症の治療における、発明19に記載の治療の方法。
[発明21]
スキーム1に示されているステップを含む、発明1から7までのいずれか一項に記載の化合物の調製のための方法。
[発明22]
スキーム2に示されているステップを含む、発明21に記載の方法。
[発明23]
エナンチオマーSとRの分離のステップ又はエナンチオマーのうちの1つのラセミ混合物の富化のステップを含む、発明21又は22に記載の方法。
リネゾリドを構成する構造要素及び命名法と共に、リネゾリドの式を示している図である。 A4b化合物(表1の化合物23)及びリネゾリドで処理したPK15細胞に対する細胞生存度アッセイの結果を示す図である。有意性の限界:*=P<0.05、**=P<0.01。 A4b化合物(表1の化合物23)及びリネゾリドで処理したHaCaT細胞に対する細胞生存度アッセイの結果を示す図である。有意性の限界:*=P<0.05、**=P<0.01。 A4b化合物(表1の化合物23)及びリネゾリドで処理したHepG2細胞に対する細胞生存度の結果を示す図である。有意性の限界:*=P<0.05、**=P<0.01。 それぞれのエナンチオマー形態のB4a及びB4b化合物(表1の化合物106及び107)で処理したHepG2細胞に対する細胞生存度の結果を示す図である。 それぞれのSエナンチオマー形態のA4aS及びA4bS化合物(表1の化合物22及び23)で処理したHepG2細胞に対するOXPHOSアッセイの結果を示す図である。 化合物1〜5及びA1のスキーム1の化学合成の図である。 化合物A及びBのスキーム2の化学合成の図である。 対象となる化合物A及びBのスキーム3の化学合成の図である。
化合物:
本発明の化合物[式(I)]の化学構造は、オキサゾリジノン環(環A)、フェニル環(環B)、オキサジアゾール環(環C)及びオキサゾリジノン(C5連結側鎖)のC5位に連結している側鎖からなる。
環C
環Cは、C(5)を介して環Bに連結している1,2,4−オキサジアゾール複素環である。環C上のR置換基は、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、アリール、ヘテロアリール、−NH、NHCH、NHC、−N(CH、N(CH)(C)、−NC(=O)CH、−NC(=O)C、−NH(シクロプロピル)、NH(シクロブチル)、NH(シクロペンチル)、NH(シクロヘキシル)、−OH、−OCH、−OC、−On−プロピル、Oi−プロピル、−SH、SCH
の中から選ばれる置換基であってよい。
環B
、R、R、R基は、互いに独立して、H、F、Cl、Br、CH、OH、OCHである。これらのうちの少なくとも1つは、ハロゲン原子であり、例えばRはF、Cl、若しくはBrであるか、又はR及びRはF、Cl、若しくはBrであるか、又はR、R、及びRはF若しくはClである。特定の実施形態では、ハロゲン原子はFであり、残りのR基は水素原子である。好ましい式では、R又はRのいずれかはFであり、R及びRはHである。
C5側鎖
オキサゾリジノン核の5位で連結しているC5側鎖内のR置換基は、以下の基:I、−N、−NHC(=O)CH、−NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=O)CHBr、−NHC(=S)CHBr、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=O)CHBr、−NHC(=S)CHBr、−NHC(=O)CF、−NHC(=S)CF、−NHC(=O)CCl、−NHC(=S)CCl、−NHC(=O)CBr、−NHC(=S)CBr,−NHC(=S)NH、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC、−NHC(=O)NH−nC、−NHC(=S)NH−nC、−NHC(=O)NH−iC、−NHC(=S)NH−iC、NHC(=S)NH−シクロプロピル、−NHC(=O)NH−シクロプロピル、NHC(=S)NH−シクロブチル、−NHC(=O)NH−シクロブチル、NHC(=S)NH−シクロペンチル、−NHC(=O)NH−シクロペンチル、NHC(=S)NH−シクロヘキシル、−NHC(=O)NH−シクロヘキシル、NHC(=O)NHC(=O)CH、NHC(=S)NHC(=O)CH、NHC(=O)NHC(=O)C、NHC(=O)NH−ヘテロアリール、−NCS、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル
を含む群内選ばれる。
上記に示されているようなチオ基を含む化合物は、より良い溶解性及び生体膜を横断するより高い能力を提示しているようであることが観察された。
環Aの5位の炭素原子の非対称的構成を考慮すると、上記に特定されたすべての化合物は光学活性がある。したがって、本発明は以下に関係する:これらの化合物のラセミ混合物、エナンチオマーのいずれか1つ、及び単離したエナンチオマーのいずれか1つが富化された混合物。本発明の範囲については、ラセミ混合物とは2つのR及びSエナンチオマーの50%:50%混合物であると理解される。エナンチオマーのうちの1つが富化された混合物とは、1種のエナンチオマー(S又はRのいずれか)を50%超、例えば55%、60%、65%、70%、75%、又はこれ以上含有する混合物であると理解される。単離したエナンチオマーとは、純粋なエナンチオマー、すなわち100%であるか、又はそのエナンチオマーが高度に富化されている、例えば98%、95%、93%、90%、88%、85%、80%の混合物であると理解される。
本発明の特定の形態の実施形態では、Sエナンチオマーからなる化合物又は富化された混合物又は純粋なエナンチオマーのいずれかとしてSエナンチオマーを含む組成物を意味する。本発明の第2の特定の形態の実施形態は、R/Sラセミ混合物からなる化合物又はR/Sラセミ混合物を含む組成物を含む。特定の実施形態のさらなる形態は、あまり好ましくないが、Rエナンチオマーが富化された混合物を意味する。
一般式(I)を有する好ましい化合物は、以下の表1に列挙されている。







上に特定された各化合物は、Sエナンチオマー並びにSエナンチオマーが富化された混合物又はラセミ混合物であることが意図されている。化合物127〜133及び148〜161については、R−エナンチオマーが富化された混合物と同様にに純粋であるR−エナンチオマーが好ましいことが理解される。
発明化合物の調製
対象となる化合物A及びB並びに対応する中間体の合成が以下に記載されている。発明化合物は、[9]に報告されているような従来のアミドオキシム経路(スキーム1)に従い1,2,4−オキサジアゾール環の構造体から出発して合成した。したがって、アミドオキシム1を対応する塩化ベンゾイル2と反応させて、1,2,4−オキサジアゾール3を生成した。後者の化合物では、パラ位が活性化して芳香族求核置換が行われるが[10〜13]、これにアリルアミンを用いて化合物4を生成した。ジ−(t−ブチル)−ジカルボナートとの反応、及びそれに続く、得られた誘導体5の環化[14]により、さらなる側鎖の修飾に理想的な前駆体として対象となるオキサゾリジノンA1を生成した。
それに続く側鎖(スキーム2)の官能化は、アセトアミドメチル部分A3、並びに対応するチオアミドA4、チオウレアB4及びアゾール誘導体A5〜7、B1を含んだ。
アジド前駆体A2を化合物A1とアジド供給源との反応により得た。これらのそれに続く還元により対応するアミノ誘導体6を生成した[15]。アミノ誘導体6を塩化アセチル又は無水酢酸と容易に反応させて、化合物A3を得た。アセトアミドメチル誘導体A3を硫化試薬(すなわちローソン試薬又はP)と反応させて、チオアミド誘導体A4を生成した(スキーム2)。
ヨード誘導体A1から出発して求核置換を用いてアゾール誘導体A5〜7、B1を得た一方で、アミン6とイソ(チオ)シアン酸の反応を介して(チオ)ウレアB4を得た(スキーム2)。
ラセミ混合物として合成された、こうして得た化合物を、キラル固定相を使用することによるHPLC分離を介して、対応するエナンチオマー(S又はR)に分解した。
医薬組成物
本発明の化合物の投与に適切な医薬組成物は、経口、非経口又は局所的使用のために設計されている組成物である。
経口組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠剤、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤の形態であってよい。非経口組成物は、例えば、水性若しくは油性の液剤又は乳剤の形態であってよい。局所的組成物は、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、O/W若しくはW/O乳剤、又は懸濁剤の形態であってよい。
特定の実施形態では、組成物は吸入を介して投与される。
医薬組成物の調製において、1つ又は複数の本発明の化合物は、固体、液体又はペースト状の組成物に対して適切な様々な療法的に許容される添加剤と混合する。
懸濁剤/乳剤は、これらの投与経路に関わらず、医薬品のビヒクル又は担体としてナノ粒子及び/又はリポソームを含んでもよい。
一部の持続性肺感染症は多くの場合、一つには薬物の選択性がないため、一つには、特に全身投与した場合これらのバイオアベイラビリティーが低いため、従来の療法に対して低い応答率を示すので、本明細書に記載されている化合物の非侵襲性全身送達の代替として、本発明の範囲内での気管内吸入による投与経路に特定の注目が集まっている。
したがって、本発明の特定の実施形態は、好ましくはナノ粒子内に封入された薬物の気管内吸入による投与を含む。
実際に、薬物のナノ封入及びこれらの肺への放出は、肺内での薬物のより高い蓄積及び保持率を促進する。この製剤及び投与経路の主要な利点は、その区域に関与している薬物の高用量の投与を可能にし、低い全身毒性で、したがって全身性副作用を引き起こす確率を低下させながら、局所的に区分化された疾患、例えば、肺又は気管支内の疾患などを治療することができることである。
ナノ粒子担体に基づく製剤は、細菌の外膜などの生体膜の横断を改善し、グラム陰性細菌に対しても活性のある薬物の作用範囲を拡大するというさらなる利点を提供する。
特に、本発明の抗微生物剤の放出のための、ネブライザーに適合した固体脂質ナノ粒子(ネブライザーに適合した固体脂質ナノ粒子(SLN))を本発明者らは開発した。SLNは抗微生物薬物の肺放出又は気管支放出のためのビヒクルとして使用することができ、肺内での安定性並びにインビボでの保持時間を改善し、したがってより高いバイオアベイラビリティーが得られる。
SLNの薬動学及び生体内分布についての研究は、肺胞マクロファージと比較して、血液循環とより密接に接触している肺間質マクロファージがSLNの取り込みに有意に貢献することを示した。さらに、より長い血液循環時間、腎臓レベルでの薬物の曝露の低下及び肺組織内への堆積の著しい増加などの要因が、ベータラクタム耐性細菌(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA))により引き起こされる肺炎の治療にも有効な抗微生物化合物に対する重要な特徴であることがわかった。
療法による用途
特許請求された化合物は、グラム陽性細菌が本質的に極めて高い耐性を持つ、細菌により引き起こされる感染症の治療における使用を意図する新規抗生物質である。例えば、これらに限定されないが、ブドウ球菌属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、特に、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェカリス、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、カタル球菌(Moraxella catarrhalis)により引き起こされる感染症の治療において。本発明の化合物は、他の抗生物質に耐性がある、又は対照化合物、リネゾリドに耐性がある細菌に対しても活性があることが立証された。有利には、本発明の化合物は、2種以上の抗生物質、例えば、メチシリン、バンコマイシン、ペニシリン、マクロライド、フルオロキノロン又はリネゾリドから選択される2種以上の抗生物質に対して耐性がある細菌に対して、多耐性細菌に対してさえ有効である。
さらに、本発明の新規の化合物は、公知の抗生物質に対して感受性のある細菌又は(多)耐性のある細菌の両方に対する阻害活性又は殺菌活性を、完全に許容される毒性又は対照化合物であるリネゾリドの毒性よりもさらに低い毒性と合わせ、したがって完全に有利な臨床用/療法的プロファイルを提供する。
本発明を一部の特定の科学的理論と連結することなく、細菌感染症、特に他の抗生物質にも耐性がある細菌により引き起こされる細菌感染症の治療における本発明の化合物の有効性は、細菌性タンパク質合成及び/又は活性の調節及び/又は阻害を含む作用機序に基づくようである。本発明の分子の有効性は、理論的には、細菌により生み出された耐性機序に関与しているタンパク質、例えば、PBP2a MRSA株(黄色ブドウ球菌メチシリン耐性)により発現するタンパク質などとの相互作用ばかりでなく、本発明の化合物とリボソームのタンパク質合成の機序との相互作用にも連結しているようである。
実験セクション
薬理学的活性の評価
微生物学的アッセイ
(i)菌種
抗生物質感受性に対してよく特徴づけられたいくつかの表現型黄色ブドウ球菌分離株を使用して、研究した化合物のインビトロの抗菌作用を判定した。特に、黄色ブドウ球菌ATCC 29213標準株及び黄色ブドウ球菌M923(収集株)をMSSA株として使用した。MRSAの中でも、黄色ブドウ球菌MU50(ATCC 700699)標準株及び2つの収集株(433及びF511)を感受性アッセイに使用した。
特に、11種のリネゾリド耐性コアグラーゼ陰性のブドウ球菌(CoNS)(10種の表皮ブドウ球菌及び1種のS.ホミニス)を調査した。2010年〜2011年の間にいくつかの病院環境において、11種のリネゾリド耐性株を陽性の血液培養物から単離した。異なる化合物の抗菌活性の比較のため、嚢胞性線維症の患者から最近単離した、異なるクラスの抗微生物薬に対して異なるプロファイルの多耐性を示す、40種のリネゾリド感受性MRSAの一群を使用した(表4及び5)。
(ii)最小発育阻止濃度(MIC)の判定
米国臨床検査標準協議会(Clinical and Laboratory Standards Institute)(CLSI)ガイドラインに従い培養液の微量希釈法を用いてこれらの最小発育阻止濃度(MIC)を判定することによって、新規薬剤のインビトロの抗菌作用を研究した。[16]簡単に説明すると、96ウェルを有するマイクロタイタープレート中のカチオン調整したMueller−Hinton培養液(CAMHB)を使用して、各化合物の連続的2倍希釈物を作製した。すべての合成された化合物に対して溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用した。0.05mLの連続的抗生物質希釈物を含有するマイクロタイタープレート上の各ウェルに、等量の菌接種材料(1×10CFU/mL)を加えた。次いで、マイクロタイタープレートを37℃で18〜24時間インキュベートし、その後各ウェルを細菌性増殖の存在について分析した。MICは、培養培地の濁りがないことにより示されるような細菌性増殖の阻害を引き起こすことができる抗微生物剤の最も低い濃度として定義した。新規リネゾリド様1,2,4−オキサジアゾールのインビトロの抗菌活性を試験し、臨床使用における基準オキサゾリジノン:リネゾリド(Sigma−Aldrich)のものと比較した。最終DMSO濃度もまたすべての生物学的アッセイにおいて考慮に入れた。
最小発育阻止濃度試験
以下に示されているラセミ混合物(A群)中の14種の新規化合物を、メチシリン感受性(MSSA)又はメチシリン耐性(MRSA)の両方の標準株及び臨床株に関して、黄色ブドウ球菌株に対するこれらの抗菌作用について分析した。
表2に要約された抗菌活性は、米国臨床検査標準協会(CLSI)(実験のセクションを参照されたい)が推奨する培養液の微量希釈法の「判断基準」により判定した。最小発育阻止濃度(MIC)値をμg/mLで表現し、細胞生存度試験を実施して、最も活性のある化合物の抗菌薬の選択的毒性を評価した。リネゾリドを基準抗生物質として使用した。詳しくは、以下の菌種を試験した:黄色ブドウ球菌ATCC 29213、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(M923)、黄色ブドウ球菌MU50(メチシリン耐性−MRSA)の臨床株、及び2種のメチシリン耐性臨床株、433及びF511。試験したすべての株はリネゾリド感受性があることが判明した。これらの分子の中で、最も活性のあるものは、ラセミ体で、A4a及びA4b化合物であることが立証された。
化合物A3a、A3b、A4a、A4b、A1a、A1bは、表1の化合物15、16、22、23、148及び149に対応する。
試験した14種の化合物のうち4種(表2を参照されたい)が、MSSAとMRSA株の両方に対して、リネゾリドの効力に匹敵する又はこれより優れた効力で、MIC値を示した。さらに、リネゾリドと比較して、MSSA及びMRSA株に対するより良い活性が硫黄A4a及びA4bを含有する誘導体により示され、その一方で化合物A3a、及びA3bは、MRSA株433を除いて、リネゾリドよりも活性がないことが示された。リネゾリドとの比較は、試験した化合物は、ラセミ混合物として使用され、よって、A3a、A3b、A4a及びA4bの抗菌作用は、純粋な、より活性のあるエナンチオマーと比較して過小評価されることが推定されるという事実を考慮に入れるべきである。
以下に示す他の化合物(B群)の中では、ラセミ混合物とS及びRエナンチオマーの両方の活性が評価された。
表3で要約された抗菌活性は、米国臨床検査標準協会(CLSI)(実験のセクションを参照されたい)が推奨する培養液微量希釈法の「判断基準」により判定した。最小発育阻止濃度(MIC)値をμg/mLで表現した。リネゾリドを基準抗生物質として使用した。詳しくは、以下の菌種を試験した:黄色ブドウ球菌ATCC 29213、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(M923)、黄色ブドウ球菌MU50(メチシリン耐性MRSA)株の臨床株、及び2種のメチシリン耐性臨床株、433及びF511。試験したすべての株は、リネゾリド感受性があることが判明した。試験した新規分子の中で、最も活性のあるものは、ラセミ体で、B4a及びB4b化合物であり、続いてかなりの量の活性を保有するB1a及びB1bであることが立証された(表3)。
これらの中でも、B4a及びB4b化合物(表1の化合物106及び107に対応する)は、リネゾリド感受性黄色ブドウ球菌株に対するリネゾリドの抗菌作用と極めて同様の抗菌作用を示した。
完全に驚くような方式で、それらのエナンチオマーへと分解された同じ化合物は、リネゾリド耐性ブドウ球菌属株に対してリネゾリドより8〜32倍高い効能を実証した。結果は表4及び5に報告されている。あるケースでは(A4bS)、リネゾリドに対する耐性がかなり完全に逆転して感受性になっている。これらの分子のうちで、エナンチオマーの分離は、Sエナンチオマーへ力を与えることを可能とし、その一方でRは不活性であることが立証された(表4を参照されたい)。
化合物B4a及びB4bは、2種の化合物B4aとB4bのラセミ混合物に対応し、化合物B4bSとB4bR並びにB4aSとB4aRは、それぞれ分解されたS及びRエナンチオマーである。

細胞生存度(細胞毒性アッセイ)
細菌性細胞に対して示されている作用が、選択された毒性又はより一般的な毒性作用に関係し得るか否かを評価するため、本発明者らは、第1のレベルのアッセイを異なるタイプの真核細胞系で実施して、これらの一般的な細胞傷害活性について新規化合物をスクリーニングした。
細胞生存度
細胞生存度に対するA4b、(表1の化合物23)及びリネゾリドの作用を、PK15(ブタの腎臓上皮)、HaCaT(ヒトケラチノサイト)、及びHepG2(ヒト肝癌)細胞系で、インビトロで研究した。[17〜19]HepG2及びHaCat細胞をダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)内で増殖させたのに対して、PK15をDMEM/M199(1:1)内で増殖させた。すべての培地に、10%熱不活化したウシ胎児血清(FBS)、2mM L−グルタミン、100単位/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを補充した。細胞は、5%CO雰囲気内で、37℃で維持した。細胞培養物に対するすべての試薬はEuroclone(Pero、Italy)製のものであった。
細胞生存度をMTTアッセイで測定した。[20]簡単に説明すると、MTT[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド]保存液(5mg/mL)を、各ウェルに最終濃度1.2mMになるまで加え、細胞を37℃で1時間と30分間インキュベートした。MTT溶液の除去後、90%エタノールを加えることにより反応を停止した。再懸濁させた細胞を800×gで10分間遠心分離した。マルチラベル Victor分光光度計(Perkin Elmer、Turku、Finland)を用いて、波長570nmで吸光度を測定した。データは、3回重複して実施した3つの別個の実験の平均値±S.E.である。
統計分析
統計的有意性は、対照*=P<0.05、**=P<0.001との比較において、スチューデントのt検定を用いて得た。データは3回重複して実施した3つの別個の実験の平均値±S.E.である。
すべての試験した細胞系は、増加する濃度(5〜400μg/mL)のA4a、及び対照化合物としてのリネゾリドで処理した。別の対照は、溶媒として使用したDMSOであった。
A4b分子はPK15細胞系において生存率の中程度の低下(10%未満)を誘発させ、それぞれ濃度25(P<0.01)、50(P<0.05)及び200□g/mL(P<0.05)では統計的有意性を有した(図2)。この傾向は同じ濃度のリネゾリドから得られるものに匹敵する。
A4b分子により引き起こされる細胞生存度の低下は、HaCaT細胞系においてわずかにより明らかであり、リネゾリドでは濃度400□g/mL(P<0.01;図3)においてのみ得られた値と比較して、統計学的に有意な致死率のレベルに到達している。
HepG2細胞は、50□g/mLのA4b化合物から生存率の低下を示した(図4)。
次いで、ヒト肝癌細胞系、HepG2上での細胞生存度に対するB4a及びB4b分子の作用についてインビトロでこれらを評価し、リネゾリド(陰性対照)により誘発させた細胞傷害性との比較を行った。
細胞を、10%熱不活化したウシ胎児血清(FBS)、最終濃度2mMのL−グルタミン、100単位/mLのペニシリン及び100マイクログラム/mLのストレプトマイシンを補充したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)内で培養した。細胞は、5%のCO雰囲気内、37℃で維持した。
細胞毒性処理:40,000細胞/cmの密度でプレーティングし、2日間培養物中で維持した細胞を増加する濃度(25〜100□g/ml)のB4aとB4b物質の両エナンチオマーで48時間処理した。
細胞が生存して、代謝活性のある場合、細胞に浸透し、還元力を利用するレサズリンを含有する溶液である、PrestoBlue(登録商標)の細胞生存度試薬アッセイで細胞生存度を評価した。簡単に説明すると、PrestoBlue(登録商標)溶液は、製品を供給した製造業者の使用説明書に従い培養物中の細胞の培地に直接投与する。細胞を37℃で1時間インキュベートし、この時点で生細胞により代謝されたPrestoBlue(登録商標)溶液は、青色から赤色へと染色が変化する。Victor3多機能分光光度計(Perkin Elmer、Turku、Finland)を使用して、波長570nmで吸光度を測定する。得られた、及びグラフに表された結果は、3回重複して実施した独立した実験の平均値±SEに対応する。
HepG2細胞系を、増加する濃度(25〜100μg/mL)のB4aとB4b分子の両エナンチオマーでの処理に曝した。リネゾリドは、最終濃度100マイクログラム/mLのみで対照分子として使用する。さらに、さらなる対照として、物質の溶媒として使用した0.9%DMSOでも細胞を処理した。
B4b分子の両エナンチオマーは、HepG2細胞系において、試験したすべての濃度で生存率の中程度の低下(≦12%)を誘発させた(図5)。
B4a分子のSエナンチオマーは、HepG2細胞においてわずかな、濃度に依存しない細胞毒性作用(25マイクログラム/mLにおいてのみ明らか)を有する一方で、Rエナンチオマーは、細胞生存度の明らかな低下を測定しない。予想されたようにHepG2細胞は、100マイクログラム/mLのリネゾリドで処理後、致死率20%となる。
酸化的リン酸化(OXPHOS)アッセイ
このアッセイ(Nadaciva S.ら、2010年)を使用して、真核細胞の酸化的リン酸化プロセスにおける一部の主要タンパク質のミトコンドリアタンパク質合成レベルをモニターし、これを、核のDNAによってコードされているミトコンドリアのタンパク質の合成レベルと比較する。この研究は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)によってコードされているタンパク質に対するA4bSの作用の分析を可能にする。
図6に示されている結果は、リネゾリド(100□g/mL)がミトコンドリアタンパク質合成に対して負に作用することを裏付けている。実際に、複合体I、III(コア2)及びIV(mtDNAにより合成)のタンパク質には、リネゾリドでの処理後、有意な低減が起こっている。並行して、対照(未処理の細胞)に対して、リネゾリドとして、複合体I及びIVのタンパク質の合成の低下を引き起こしているA4bS分子(10〜100μg/mL)を比較することができる。しかし、化合物A4bSにより誘発されるタンパク質合成の低減は、リネゾリドにより誘発されるものより低い実体のものであり、このような作用は、可逆的骨髄抑制に関連する副作用の低減を強調するものであることに注目されたい。図6で報告された結果は、以下のように得られた:ミトコンドリアのリボソーム(複合体IV、複合体I)上で合成されたミトコンドリアDNA(mtDNA)によってコードされたタンパク質のレベル及びサイトゾル(複合体IIサブユニットαV複合体)内のリボソーム上で合成された核のDNAによってコードされ、ミトコンドリア中に取り込まれたタンパク質のレベルを、HepG2細胞(ヒト肝癌細胞)の化合物A4bSでの処理後、MitoProfile(登録商標)Total OXPHOSヒトWB抗体で分析した。データは、3回重複して実施した3つの別個の実験の平均値±SEMを表している。統計的有意性は、化合物と比較してスチューデント検定により得られる。
*=p<0.05;**=p<0.01。
化学合成
融点をReichart−Thermovar加熱ステージ装置上で判定し、修正しなかった。IRスペクトル(Nujol)をShimadzu FTIR−8300機器で求めた;内部標準としてTMSを使用して、H NMRスペクトルをBruker 300 Avance分光器で記録した。シリカゲル(0.040〜0.063mm)及び酢酸エチルと石油エーテル(40〜60℃の範囲で沸騰する画分)の様々な比の混合物を使用してフラッシュクロマトグラフィーを実施した。全てのケースで95%より高い化合物の純度は、NMR及びHPLC分析の両方でチェックされる。キラル固定相(Daicel、Chiralpak−IA)を有するHPLCを用いて、移動相としてヘキサン−iPrOH(70:30)、及び1mL/分フラックスを使用することによって、ラセミ体の分離を実施した。すべてのケースで、ee>99%を得た。
最も興味深い化合物:
A1a(化合物148、表1)、A1b(化合物149、表1)、A3a(化合物15、表1)、A3b(化合物16、表1)、A4a(化合物22、表1)、A4b(化合物23、表1)、B1a(化合物155、表1)、B1b(化合物156、表1)、B4a(化合物106、表1)、B4b(化合物107、表1)、表2(A群)及び表3(B群)で報告されたもの並びに対応する中間体1〜6は、以下に示された仕様に従い、スキーム1及び2、並びにスキーム3に報告された一般的方法に応じて得た。
化合物3a、bの調製のための一般的手順
ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.00g、14.4mmol)及びNaOH(0.57g、14.4mmol)の水(5mL)中溶液を15mLのCHCNに加えた(約15分で)。反応混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノールで処理した。得られた懸濁液を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、1.659gのアセトアミドオキシム1(77%)を生成した。次いで、4−フルオロベンゾイル(2a)クロリド又は2,4−ジフルオロベンゾイルクロリド(2b)のいずれか(14.8mmol)をKCO(2.05g、14.8mmol)も含有する1(1.00g;13.5mmol)のアセトン(35mL)中溶液に加えた。混合物を室温で約90分間撹拌し、この後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を水で処理し、固体沈殿物を濾取した。任意のさらなる精製なしに、得られたO−アシルアミドオキシムを、封管内で、約130℃で90分間加熱した。得られた残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する1,2,4−オキサジアゾール3a及び3bを生成した。
3−メチル−5−(4’−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール(3a):収率(72%);mp80.0〜81.0℃;1H NMR (300 MHz; CDCl3) δ 2.45 (s, 3H, Me); 7.16-7.23 (m, 2H, Ar); 8.08-8.14 (m, 2H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C9H7FN2O (%): C, 60.65 (60.67); H, 3.90 (3.96); N, 15.70 (15.72).
3−メチル−5−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール(3b):収率(72%);mp57.0〜60.0℃;1H-NMR (300 MHz; CDCl3) δ 2.46 (s, 3H, Me); 6.95-7.07 (m, 2H, Ar); 8.04-8.14 (m, 1H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C9H6F2N2O (%): C, 55.15 (55.11); H, 3.10 (3.08); N, 14.25 (14.28).
N−アリル−4−(3’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’−イル)−アニリン(4a)の調製
化合物3a(0.61g;3.43mmol)を、アリルアミン(3.0mL;2.28g;40.0mmol)及びKCO(2.00g;14.5mmol)と共に約60℃で8日間加熱した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を収集し、無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、化合物3aを生成した:収率(54%);mp63.9〜65.5℃;IR(Nujol)3335(NH)、1607(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.31 (s, 3H, Me); 3.76-3.79 (m, 2H, CH2); 5.12 (dd, 1H, J1 = 10.5 Hz, J2 = 1.8 Hz, -CH=CH2); 5.22 (dd, 1H, J1 = 17.1 Hz, J2 = 1.8 Hz, -CH=CH2); 5.82-5.93 (m, 1H, -CH=CH2); 6.68 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 6.87 (t, 1H, J = 5.7 Hz, NH, D2Oと交換); 7.76 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C12H13N3O (%): C, 66.95 (66.96); H, 6.10 (6.09); N, 19.45 (19.52).
N−アリル−3−フルオロ−4−(3’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’−イル)−アニリン(4b)の調製
3b(0.86g;4.38mmol)のDMF(2.0mL)中溶液に、アリルアミン(1.64mL;1.25g;22.0mmol)を加えた。反応混合物を2日間撹拌し、この後、溶液を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を収集し、無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、化合物4bを生成した:収率(49%);mp57.9〜59.9℃;IR(Nujol)3335(NH)、1626(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.34 (s, 3H, Me); 3.77-3.81 (m, 2H, CH2); 5.13 (dd, 1H, J1 = 13.2 Hz, J2 = 1.2 Hz, -CH=CH2); 5.23 (dd, 1H, J1 = 17.4 Hz, J2 = 1.2 Hz, -CH=CH2); 5.81-5.93 (m, 1H, -CH=CH2); 6.46 (dd, 1H, J1 = 14.4 Hz, J2= 1.8 Hz, Ar); 6.56 (dd, 1H, J1 = 8.7 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 7.17-7.21 (bs, 1H, NH, D2Oと交換); 7.72-7.77 (m, 1H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C12H12FN3O (%): C, 61.80 (61.79); H, 5.10 (5.19); N, 18.15 (18.02).
化合物5a、bの調製のための一般的手順
化合物4a又は4bのいずれか(2.15mmol)をCHCN(25mL)中に溶解した;ジ−(t−ブチル)−ジカルボナート(0.51g;2.36mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.29g;2.36mmol)を加え、混合物を2日間又は2.5時間それぞれ撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物5a及び5bを生成した。
tert−ブチルN−アリル−(4−(3’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’−イル)−フェニル)−カルバマート(5a):油;収率(73%);IR(Nujol)1711(NCO)、1614(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; CDCl3) δ 1.27 (s, 9H, t-Bu); 2.25 (s, 3H, Me); 4.10 (d, 2H, J = 5.1 Hz, CH2); 4.95-4.97 (m, 1H, -CH=CH2); 4.99-5.01 (m, 1H, -CH=CH2); 5.67-5.78 (m, 1H, -CH=CH2); 7.23 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 7.84 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C17H21N3O3 (%): C, 64.70 (64.74); H, 6.80 (6.71); N, 13.35 (13.32).
tert−ブチルN−アリル−(3−フルオロ−4−(3’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’−イル)−フェニル)−カルバマート(5b):油;収率(72%);IR(Nujol)1713(NCO)、1615(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; CDCl3) δ 1.53 (s, 9H, t-Bu); 2.53 (s, 3H, Me); 4.36 (d, 2H, J = 5.1 Hz, CH2); 5.21-5.28 (m, 2H, -CH=CH2); 5.91-6.02 (m, 1H, -CH=CH2); 7.28-7.36 (m, 2H, Ar); 8.02-8.08 (m, 1H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C17H20FN3O3(%): C, 61.25 (61.25); H, 6.10 (6.05); N, 12.65 (12.61).
化合物A1a、bの調製のための一般的手順
1.70mmolの化合物5a又は5bのいずれかのCHCl(10mL)中溶液に、I昇華物(1.29g;5.10mmol)を加えた。溶液を24時間撹拌し、この後、反応物をNaSO溶液で処理した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物A1a及びA1bを生成した。
3−(4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’’−イル)−フェニル)−5−(ヨードメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A1a):収率(89%);mp145.0〜147.0℃;IR(Nujol)1763(NCO)、1618(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.47 (s, 3H, Me); 3.62-3.73 (m, 2H, CH2-I); 3.80 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.0 Hz, C4-H); 4.34 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 9.0 Hz, C4-H); 4.81-4.90 (m, 1H, C5-H); 7.88 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 8.17 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H12IN3O3 (%): C, 40.55 (40.54); H, 3.15 (3.14); N, 10.85 (10.91).
3−(3’−フルオロ−4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5’’−イル)−フェニル)−5−(ヨードメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A1b):収率(76%);mp148.0〜149.0℃;IR(Nujol)1743(NCO)、1637(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.48 (s, 3H, Me); 3.61-3.72 (m, 2H, CH2-I); 3.81 (dd, 1H, J1 = 9.6 Hz, J2 = 6.0 Hz, C4-H); 4.33 (dd, 1H, J1 = 9.6 Hz, J2 = 9.0 Hz, C4-H); 4.83-4.93 (m, 1H, C5-H); 7.68 (dd, 1H, J1 = 8.7 Hz, J2 = 2.1 Hz, Ar); 7.80 (dd, 1H, J1 = 13.8 Hz, J2 = 2.1 Hz, Ar); 8.16 (dd, 1H, J1 = 8.7 Hz, J2 = 8.5 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H11FIN3O3(%): C, 38.75 (38.73); H, 2.55 (2.75); N, 10.35 (10.42).
化合物A2a、bの調製のための一般的手順
0.75mmolの化合物A1a又はA1bのDMF(6mL)中溶液に、NaN(0.39g;6.00mmol)を加えた。溶液を24時間撹拌し、この後、反応物を水で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物A2a及びA2bを生成した。
3−(4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(アジドメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A2a):収率(94%);mp133.9〜135.0℃;IR(Nujol)2095(N)、1765(NCO)、1727(NCO)、1618(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.46 (s, 3H, Me); 3.75-3.88 (m, 2H, CH2-N3); 3.92 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.0 Hz, C4-H); 4.28 (t, 1H, J = 9.3 Hz, C4-H); 4.96-5.03 (m, 1H, C5-H); 7.86 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 8.16 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H12N6O3(%): C, 52.05 (52.00); H, 4.10 (4.03); N, 27.85 (27.99).
3−(3’−フルオロ−4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(アジドメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A2b):収率(99%);mp126.2〜127.7℃;IR(Nujol)2107(N)、1758(NCO)、1743(NCO)、1630(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.41 (s, 3H, Me); 3.69-3.82 (m, 2H, CH2-N3); 3.86 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.0 Hz, C4-H); 4.21 (t, 1H, J = 9.3 Hz, C4-H); 4.91-4.99 (m, 1H, C5-H); 7.60 (dd, 1H, J1 = 9.0 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 7.72 (dd, 1H, J1 = 13.5 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 8.08-8.14 (m, 1H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H11FN6O3 (%): C, 49.10 (49.06); H, 3.50 (3.48); N, 26.45 (26.41).
化合物6a、bの調製のための一般的手順
0.45mmolの化合物A2a又はA2bのTHF(15mL)中溶液に、PPh(0.16g;0.60mmol)を加えた。溶液を約90分間撹拌し、この後、100μlの蒸留水を加え、得られた混合物を4時間還流させた。THFを減圧下で除去し、得られた残渣を塩酸で中和し、EtOAcで抽出した。NaOH溶液(pH約9)を水相に加え、これをEtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去して、対応する化合物6a及び6bを生成した。
3−(4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(アミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(6a):収率(66%);mp139.3〜141.3℃;IR(Nujol)3390(NH)、3361(NH)、1748(NCO)、1616(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.22 (bs, 2H, NH2, D2Oと交換); 2.39 (s, 3H, Me); 2.77-2.91 (m, 2H, CH2-NH2); 3.94 (dd, 1H, J1 = 9.0 Hz, J2 = 6.3 Hz, C4-H); 4.13 (t, 1H, J = 9.0 Hz, C4-H); 4.61-4.70 (m, 1H, C5-H); 7.80 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 8.09 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H14N4O3(%): C, 56.90 (56.93); H, 5.15 (5.14); N, 20.45 (20.43).
3−(3’−フルオロ−4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(アミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(6b):収率(88%);mp137.0〜140.0℃;IR(Nujol)3372(NH)、1743(NCO)、1630(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 2.21 (bs, 2H, NH2, D2Oと交換); 2.41 (s, 3H, Me); 2.77-2.91 (m, 2H, CH2-NH2); 3.93 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.3 Hz, C4-H); 4.13 (t, 1H, J = 9.0 Hz, C4-H); 4.63-4.71 (m, 1H, C5-H); 7.60 (dd, 1H, J1 = 9.0 Hz, J2 = 2.1 Hz, Ar); 7.73 (dd, 1H, J1 = 10.8 Hz, J2 = 2.1 Hz, Ar); 8.08-8.14 (m, 1H, Ar). 元素分析:実測値(計算値)C13H13FN4O3 (%): C, 53.40 (53.42); H, 4.45 (4.48); N, 19.25 (19.17).
化合物A3a、bの調製のための一般的手順。
塩化アセチル(40μl;44mg;0.56mmol)を、ピリジン(1mL;0.97g;12.3mmol)も含有する、化合物A3a又はA3bのいずれか(0.28mmol)のCHCl(3mL)中溶液に加えた。溶液を30分間撹拌し、この後、溶媒を除去し、残渣をHCl 1M(20mL)で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物A3a及びA3bを生成した。
3−(4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(N−アセチルアミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A3a):収率(58%);mp214.0〜216.0℃;IR(Nujol)3257(NH)、1751(NCO)、1646(アミド)、1616(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 1.89 (s, 3H, COMe); 2.46 (s, 3H, Me); 3.50 (t, 2H, J = 5.7 Hz, CH2-NHCOMe); 3.88 (dd, 1H, J1 = 9.0 Hz, J2 = 6.6 Hz, C4-H); 4.25 (t, 1H, J = 9.0 Hz, C4-H); 4.79-4.87 (m, 1H, C5-H); 7.84 (d, 2H, J = 8.7 Hz, Ar); 8.16 (d, 2H, J = 8.7 Hz, Ar); 8.32 (t, 1H, J = 5.7 Hz, NH, D2Oと交換); 13C-NMR (75 MHz; DMSO-d6) δ 11.4, 22.6, 41.5, 47.2, 72.0, 118.1 (重複したシグナル), 128.9, 142.6, 154.1, 167.7, 170.2, 174.5. 元素分析:実測値(計算値)C15H16N4O4 (%): C, 56.95 (56.96); H, 5.05 (5.10); N, 17.85 (17.71).
3−(3’−フルオロ−4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(N−アセチルアミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A3b):収率(62%);mp184.0〜186.0℃;IR(Nujol)3343(NH)、1751(NCO)、1666(アミド)、1628(C=N)cm−11H-NMR (300 MHz; DMSO-d6) δ 1.89 (s, 3H, COMe); 2.48 (s, 3H, Me); 3.50 (t, 2H, J = 5.4 Hz, CH2-NHCOMe); 3.88 (dd, 1H, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.3 Hz, C4-H); 4.25 (t, 1H, J = 9.0 Hz, C4-H); 4.81-4.88 (m, 1H, C5-H); 7.64 (dd, 1H, J1 = 9.0 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 7.77 (dd, 1H, J1 = 13.8 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 8.15-8.21 (m, 1H, Ar), 8.31 (m, 1H, NH, D2Oと交換); 13C-NMR (75 MHz; DMSO-d6) δ 11.32, 22.6, 41.5, 47.3, 72.2, 105.7 (d, JC-F = 32 Hz), 106.2 (d, JC-F = 14 Hz), 114.1, 131.4, 144.3 (d, JC-F = 14 Hz), 153.9, 160.4 (d, JC-F = 305 Hz), 167.5, 170.2, 171.6. 元素分析:実測値(計算値)C15H15FN4O4(%): C, 53.90 (53.89); H, 4.65 (4.52); N, 16.65 (16.76).
化合物A4a、bの調製のための一般的手順
ローソン試薬(0.2g;0.49mmol)をA3a又はA3bのいずれか(0.49mmol)のTHF(14mL)中溶液に加えた。反応混合物を2時間還流させて、この後で溶媒を減圧下で除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物A4a及びA4bを生成した。
3−(4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(N−チオアセチルアミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A4a):収率(77%);mp199.4〜201.0℃;IR(Nujol)3217(NH)、1721(NCO)、1618(チオアミド)cm−11H-NMR (300MHz; DMSO-d6) δ 2.47 (s, 3H, Me); 2.51 (s, 3H, CSMe); 3.95-4.03 (m, 3H, 重複したシグナル); 4.28-4.34 (m, 1H, C4-H); 5.01-5.11 (m, 1H, C5-H); 7.85 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 8.18 (d, 2H, J = 9.0 Hz, Ar); 10.45 (bs, 1H, NH, D2Oと交換). 元素分析:実測値(計算値)C15H16N4O3S (%): C, 54.15 (54.20); H, 4.85 (4.85); N, 16.90 (16.86).
3−(3’−フルオロ−4’−(3’’−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−フェニル)−5−(N−チオアセチルアミノメチル)−オキサゾリジン−2−オン(A4b):収率(93%);mp166.5〜167.7℃;IR(Nujol)3262(NH)、1746(NCO)、1633(チオアミド)cm−11H-NMR (300MHz; DMSO-d6) δ 2.48 (s, 3H, Me); 2.51 (s, 3H, CSMe); 3.94-4.00 (m, 3H, 重複したシグナル); 4.28-4.34 (m, 1H, C4-H); 5.04-5.12 (m, 1H, C5-H); 7.65 (dd, 1H, J1 = 9 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 7.78 (dd, 1H, J1 = 13.5 Hz, J2 = 1.8 Hz, Ar); 8.16-8.22 (m, 1H, Ar); 10.45 (bs, 1H, NH D2Oと交換). 元素分析:実測値(計算値)C15H14FN4O3S (%): C, 51.35 (51.42); H, 4.30 (4.32); N, 16.05 (15.99).
化合物B1a、bの調製のための一般的手順
ガラス管内で、0.45mmolの化合物A1a又はA1bに、1,2,3−トリアゾール(0.124g;1.8mmol)を加えた。出発物質の完全な消費がTLCでモニターされるまで混合物を加熱した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物B1a及びB1bを生成した。
((3−(4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル)−オキサゾリジン−2−オン−5−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール(B1a):収率(73%);mp208〜210℃;IR(Nujol)1751cm−11H-NMR (300MHz; CDCl3) δ 2.46 (s, 3H), 4.03 (dd, J1 = 6.3 Hz, J2 = 9.3 Hz, 1H), 4.25 (dd, J1 = 9.3 Hz, J2 = 9.0 Hz, 1H), 4.82-4.83 (m, 2H), 5.08-5.14 (m, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H); 元素分析:実測値(計算値)C15H14N6O3(%): C, 55.30 (55.21); H, 4.39 (4.32); N, 25.69 (25.75).
((3−(3−フルオロ−4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル)−オキサゾリジン−2−オン−5−イル)メチル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール(B1b):収率(64%);mp176.2〜177.8℃;IR(Nujol)1751cm−11H-NMR (300MHz; CDCl3) δ 2.48 (s, 3H), 4.03 (dd, J1 = 9.3 Hz, J2 = 6.0 Hz, 1H), 4.25 (dd, J1 = 9.6 Hz, J2 = 9.0 Hz, 1H), 4.82-4.83 (m, 2H), 5.15-5.30 (m,1H), 7.27 (dd, J1 = 8.3 Hz, J2 = 1.8 Hz, 1H), 7.56 (dd, J1 = 12.6 Hz, J2 = 1.8 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.02 (t, J = 8.3 Hz, 1H); 元素分析:実測値(計算値)C15H13FN6O3(%): C, 52.37 (52.33); H, 3.85 (3.81); N, 24.47 (24.41).
化合物B4a、bの調製のための一般的手順
0.55mmolの化合物6a又は6bのTHF(5mL)中溶液に、CHNCS(0.041mL;0.60mmol)及びトリエチルアミン(0.084mL;0.60mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィーにかけて、対応する化合物B4a及びB4bを生成した。
1−((3−(4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル)−オキサゾリジン−2−オン−5−イル)メチル)−3−メチルチオウレア(B4a):収率(80%);mp189.4〜191.8℃;IR(Nujol)3364、1732cm−11H-NMR (300MHz; CDCl3) δ 2.39 (s, 3H), 2.82 (bs, 3H), 3.82-4.00 (m, 3H), 4.20 (dd, J1 = 8.7 Hz, J2 = 6.0 Hz, 1H), 4.91 (bs, 1H), 7.77-7.80 (m, 3H), 8.09 (d, J = 6.9 Hz, 2H); 元素分析:実測値(計算値)C15H17N5O3S (%): C, 51.91 (51.86); H, 5.00 (4.93); N, 20.20 (20.16).
1−((3−(3−フルオロ−4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル)−オキサゾリジン−2−オン−5−イル)メチル)−3−メチルチオウレア(B4b):収率(88%);mp170.7〜172.4℃;IR(Nujol)3370、1739cm−11H-NMR (300MHz, DMSO) δ 2.48 (s, 3H), 2.89 (bs, 3H), 3.89-4.07 (m, 3H), 4.24-4.30 (m, 1H), 4.89 (bs, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.79 (dd, J1 = 13.5 Hz, J2 = 2.1 Hz, 2H), 8.20 (t, J = 9.0 Hz, 2H); 元素分析:実測値(計算値)C15H16FN5O3S (%): C, 49.21 (49.31); H, 4.35 (4.41); N, 19.10 (19.17).
(参考文献)

Claims (23)

  1. セミ混合物又は純粋なエナンチオマー又はS若しくはRエナンチオマーのうちの1つが富化された混合物としての一般式(I)の化合物:

    (式中、
    R=C1〜C3アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル)、であり、
    1〜4=独立して、H、F、Cl、Brであり、
    =−NCS、−NHC(X)CH(X=O又はS)、−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)NHR(X=O、S、R=H)、環構成原子として1〜3個のN原子を含む5員ヘテロアリールである)。
  2. Rがメチル又はエチル基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記R、R、R又はR置換基のうちの少なくとも1つがフッ素原子であり、その他がHである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. が、−NHC(=O)CH、−NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC、−NCS;1,2,3トリアゾール−1−イル。
    の中から選択される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
  5. が−NHC(=S)CHであり、RがCHである、
    が−NHC(=S)NHCHであり、RがCHである、
    が−NHC(=O)CHであり、RがCHである、
    が−NHC(=S)NHであり、RがCHである
    化合物の中から選択される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
  6. 下表の化合物の中から選択される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物。






  7. 純粋なSエナンチオマー又は前記Sエナンチオマーが富化された混合物の形態である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
  8. グラム陽性細菌により引き起こされる感染症の治療における使用のための、ラセミ混合物又は純粋なエナンチオマー又はS若しくはRエナンチオマーのうちの1つが富化された混合物としての、一般式(I)を有する化合物を含有する医薬組成物:

    (式中、
    R=C1〜C3アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル)、であり、
    1〜4=独立して、H、F、Cl、Brであり、
    =−NCS、−NHC(X)CH(X=O又はS)、−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CHZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)CZ(X=O、S、Z=F、Cl)、−NHC(X)NHR(X=O、S、R=H)、環構成原子として1〜3個のN原子を含む5員ヘテロアリールである)。
  9. Rがメチル又はエチル基である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記置換基R、R、R又はRのうちの少なくとも1つがフッ素原子であり、その他がHである、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. が、NHC(=O)CH、NHC(=S)CH、−NHC(=O)CHF、−NHC(=S)CHF、−NHC(=O)CHCl、−NHC(=S)CHCl、−NHC(=S)NH、NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHCH、−NHC(=S)NHCH、−NHC(=O)NHC、−NHC(=S)NHC、−NCS;1,2,3トリアゾール−1−イル。
    から選択される、請求項8から10までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. がNHC(=S)CHであり、RがCHである、
    がNHC(=S)NHCHであり、RがCHである、
    がNHC(=O)CHであり、RがCHである、
    R5がNHC(=S)NHであり、RがCHである
    化合物を含有する、請求項8から11までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記化合物が、下表の化合物から選択される、請求項8から12までのいずれか一項に記載の医薬組成物。






  14. 当該表に記載の化合物1〜126及び134〜147が、S−エナンチオマー又はS−エナンチオマーが富化された混合物の形態である、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 当該表に記載の化合物127〜133及び148〜161が、R−エナンチオマー又はR−エナンチオマーが富化された混合物の形態である、請求項13に記載の医薬組成物。
  16. 錠剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤の形態での経口使用のための、又は水性若しくは油性の液剤若しくは乳剤の形態での非経口使用のための、又は軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、O/W若しくはW/O乳剤、懸濁乳剤、懸濁剤の形態での局所的使用のための、又は液剤、乳剤若しくは分散液の形態での吸入による、請求項8から15までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  17. 前記懸濁剤が、ナノ粒子、ナノカプセル及び/又はリポソームを含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. ナノ粒子が、ネブライザーを介する投与に適合している固体脂質ナノ粒子である、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. グラム陽性細菌または多抗生物質耐性細菌による感染症の治療における使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物を含有する医薬組成物又は請求項8から18までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  20. 前記感染症がブドウ球菌属(staphylococcus spp)、エンテロコッカス属(enterococcus spp)、ストレプトコッカス属(streptococcus spp)、または多抗生物質耐性細菌により引き起こされる、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 下記スキームに示されているステップを含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物の調製のための方法。
  22. 下記スキームに示されているステップを含む、請求項21に記載の方法。
  23. エナンチオマーSとRの分離のステップ又はエナンチオマーのうちの1つのラセミ混合物の富化のステップを含む、請求項21又は22に記載の方法。
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