JP6400940B2 - 乳性飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、乳等に含まれる乳成分を含有する乳性飲料に関する。具体的には、保存時の乳脂肪分の浮遊、及び乳固形物の沈殿が抑制され、かつ良好な味及び風味が持続する、保存安定性に優れる乳性飲料に関する。
乳を使用した飲食品は、その乳成分による豊富な栄養成分を含むと共に、濃厚な味わいが楽しめるのが特徴である。しかしながら、加工飲食品とした場合、保存による温度変化や経時により、主に白色浮遊物(ネックリング)を形成したり、沈殿物を形成したり、等の製品の外観不良が発生しやすく、かつ風味や味も著しく損なわれてしまう問題がある
これは、乳を含有する乳性飲料において、飲料中に乳脂肪分や乳固形物が多く含まれる場合、保存時に、飲料が離水し、乳脂肪分が飲料表面に浮上することにより浮遊物が発生し、また、乳蛋白質や乳固形物由来の沈殿が発生するためである。特にこれら乳由来の乳成分の含有量が多い乳性飲料の場合、このような外観不良の発生を抑制することは、これまで困難であった。
特許文献1は、この外観不良発生の問題に対し、乳成分含有飲料に乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、及び寒天を含有させることにより、高温状態で長期間保存した場合であっても乳成分の沈殿や分離等の品質劣化や製品の酸化に伴う風味劣化を生じることのない品質安定性に優れた良好な風味を有する乳成分含有飲料を開示している。
特許文献2は、加熱殺菌処理による脂肪分の分離や乳蛋白の変性を防止し、かつ常温及び50℃〜60℃の高温で長期間保存しても安定な、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び安定剤を含む乳成分含有飲料組成物を開示している。
特許文献3は、HLBの異なる2種類の脂肪酸エステルを含有する、開缶時の内容物の噴出を防止する缶入り飲料を開示している。
また、特許文献4は、乳脂肪分の含有量が1.8%未満の、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルを含有する、乳化状態が良好で保存安定性に優れる乳飲料を開示している。
さらに、特許文献5は、不溶性固形物の沈殿を防止し、最初から最後まで内容物の割合が均一で飲用もしくは使用することができる、寒天含有の液状食品を開示している。
特開2005−85号公報 特開平2−261366号公報 特開平6−14713号公報 特開平11−75683号公報 特開平7−123934号公報
上記のように、グリセリン脂肪酸エステルやショ糖エステルを含有させて、乳化状態を良好に保ち保存安定性を向上させる技術や、寒天を含有させて固形物の分散状態を安定に保ち沈殿を防止する技術が知られている。しかしながら、上記各特許文献に開示の技術では、乳脂肪分に加えて乳固形分を多く含有する乳性飲料において、離水、白色浮遊物及び沈殿物の発生の防止と、いわゆる糊感がなく、乳性飲料らしい良好な飲み心地の維持とを同時に満足させることはできなかった。
そこで、本発明の課題は、乳を含有する乳性飲料の外観を著しく損なう、乳成分由来の乳脂肪分の浮遊物や乳固形分による沈殿を抑制し、かつ飲み心地の良好な乳性飲料を提供することにある。また、該乳性飲料の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の別の観点の課題は、乳性飲料の長期保存安定性に有効である、乳性飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿を抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、寒天と特定の乳化剤を含有させ、かつ飲料のpHを特定の値以下に制御させることにより、上記離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿の課題を解決して飲み心地の良好な、乳固形分を多く含有する乳性飲料及びその製造方法を開発し、本発明を完成するに至った。さらに、乳性飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿を抑制する方法の発明も完成させた。
即ち、本発明によれば、(A)乳と、(B)寒天と、(C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤と、を含有し、前記乳化剤は、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まず、乳固形分量が〜10質量%であり、乳脂肪分量が0.01〜1.3質量%であり、無脂乳固形分量が2.7〜9.99質量%であり、さらにpHが4.6以下であることを特徴とする、乳性飲料が提供される。好ましくは寒天の含有量が0.001〜0.1質量%である。また、好ましくは(C)成分の含有量が0.001〜0.1質量%である。
また、本発明によれば、乳固形分量が〜10質量%、乳脂肪分量が0.01〜1.3質量%、及び無脂乳固形分量が2.7〜9.99質量%となるように、(A)乳と、(B)寒天と、(C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤であって、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まない乳化剤と、を配合し、さらにpHを4.6以下に調整することを特徴とする、乳性飲料の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、(A)乳と、(B)寒天と、(C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤であって、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まない乳化剤と、を含有する乳性飲料の乳固形分量を〜10質量%、乳脂肪分量を0.01〜1.3質量%、及び無脂乳固形分量を2.7〜9.99質量%となるように調整し、さらにpHを4.6以下に調整することを特徴とする、乳性飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿を抑制する方法が提供される。
本発明の乳性飲料は、寒天と特定の乳化剤を含有し、かつ飲料のpHが特定の値以下に制御されているので、乳成分を多く含有しているにもかかわらず飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿が抑制され、飲み心地が良好でかつ濃厚な味を楽しむことができる。
本発明の製造方法によれば、飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿が抑制され、飲み心地が良好でかつ濃厚な味を楽しむことが可能な、乳成分を多く含有する乳性飲料を製造することができる。また、本発明の方法によれば、飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿を効果的に抑制することができ、乳性飲料の長期保存安定性と良好な飲み心地を両立させることができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の乳性飲料の成分である(A)乳としては、動物又は植物由来のいずれの乳であっても良く、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、及び豆乳等の植物乳を用いることができる。乳の入手し易さの点で牛乳が好ましい。また、これらの乳は、単独で使用しても又は2種類以上の混合物として使用してもよい。また、これらの乳を乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳を用いることもできる。
なお、これらの乳原料の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物、バターミルク粉、無糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂加糖練乳、生クリーム、発酵乳が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。中でも、生乳と脱脂粉乳が好ましい。また、乳原料の形態においても、単独で使用しても又は2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の乳性飲料の成分である(B)寒天としては、特に限定するものではなく、種々の分子量、ゲル強度、及び凝固点等を有する寒天を適宜選択して使用することができる。好ましくは、寒天濃度1.5%のゼリー強度10g/cm2以下の特徴を有するものが好ましい。ネックリング及び沈殿の発生を抑制する効果が高く、良好な飲み心地にも資するからである。具体的には、「ウルトラ寒天イーナ」(伊那食品工業株式会社製)等を挙げることができる。
また、寒天の含有量の下限は、寒天固形分として乳性飲料全量基準で0.001質量%であることが好ましく、0.01質量%であることがより好ましい。また、含有量の上限は、0.1質量%であることが好ましく、0.02質量%であることがより好ましい。この範囲とすることにより、離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿の発生を抑制する効果が高いからである。
本発明の乳性飲料の成分である(C)としては、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びレシチンから1種以上を選択することができる。なお、レシチンを使用する場合は酵素分解レシチンが好ましい。なお、本発明の乳性飲料の乳化状態を良好に保持する点において、グリセリン脂肪酸エステルとレシチンが好ましい。
また、(C)成分の含有量の下限は、乳性飲料全量基準で0.001質量%であることが好ましく、0.005質量%であることがより好ましい。また、含有量の上限は、乳性飲料全量基準で0.1質量%であることが好ましく、0.05質量%であることがより好ましく、0.02質量%であることがさらに好ましく、0.01質量%であることが特に好ましい。さらに、(C)成分として、グリセリン脂肪酸エステル及びレシチンを含有し、レシチンの含有量が乳性飲料全量基準で0.00005〜0.005質量%であることが特に好ましい。(C)成分をこの範囲で含有することにより、乳飲料中の乳固形分の分散及び乳脂肪分の乳化が良好となり、飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿の発生抑制効果が高くなると共に、良好な飲み心地を維持することができるからである。
本発明の乳性飲料中の成分(B)及び(C)は、上記のとおり主に、乳性飲料中の乳脂肪分等の乳化剤、及び乳固形分等の分散剤として機能する成分である。
本発明の乳性飲料は、安定剤を含むことが好ましい。安定剤としては、例えば、ペクチン、大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、グアーガム、及びキサンタンガムが挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。特に、ペクチン及び大豆多糖類が好ましく、乳性飲料全量基準で0.1〜1質量%含有することがより好ましい。安定剤をこの範囲で含むことによって、より長期安定性が良好となるからである。
本発明の乳性飲料の成分である(A)乳に由来する、乳固形分量は3〜10質量%、乳脂肪分量は0.01〜2質量%であり、乳性飲料中の乳含有量が高い、すなわち乳成分を多く含有することを特徴とする。なお、本願において乳固形分とは、乳蛋白質等の無脂乳固形分(SNF;solid-not-fat)と乳脂肪分を合計したものを意味する。また、乳固形分量は、好ましくは4〜6質量%であり、乳脂肪分量は、好ましくは0.5〜1.3質量%である。
このように乳由来の乳成分の含有量が多い乳性飲料の場合、離水、乳脂肪分の浮上や乳固形分の沈殿等の外観不良が発生しやすく、単に、乳化剤及び分散剤を使用するだけでは、外観不良の抑制及び味や風味の維持が極めて困難であり、十分に満足できる解決策を見出すことができていなかった。
このように乳成分が多く含有され、外観、風味及び味の安定性維持が難しい本発明の乳性飲料は、上記(B)及び(C)成分を含有させるだけでなく、当該乳性飲料のpHを4.6以下に制御することを特徴とする。pHの下限は、好ましくは3.0であり、さらに好ましくは4.0であり、上限は4.6であり、さらに好ましくは4.5である。pHが低くなりすぎると酸味が強く、乳(ミルク)の濃厚な味わいが損なわれるので、3.0以上とすることが好ましい。また、4.6を超えると乳成分中の乳蛋白質が不安定になり、乳蛋白質粒子の凝集・沈殿が発生するため好ましくない。
本発明の乳性飲料は、(B)及び(C)成分を含有させ、pHを上記のように制御することにより、外観等の製品安定性を良好に保持すると共に、酸味の爽やかさと乳成分によるコクを両立した、新感覚の酸性乳性飲料となっている。
pHを調整する方法としては、酸味料や、果汁等を使用する方法を挙げることができる。酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸やリン酸等の無機酸、及びそれらの塩が挙げられる。果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁が挙げられる。また、酸味料や果汁等を使用せず、発酵度を調節してpHを上記好ましい範囲に調整した発酵乳を(A)成分として使用してもよい。さらに、これらの方法を併用してもよい。
本発明の乳性飲料は、上記各成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を適宜含有することができる。
他の成分としては、例えば、上記pH調整のための酸味料及び果汁の他、糖度調整剤、高甘味度甘味料、ビタミン、ミネラル、香料、色素が挙げられる。上記以外の果汁としては、イチゴ、洋ナシ、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等を挙げることができる。
糖度調整剤としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖等の糖類や、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコールや、難消化性デキストリン等の食物繊維などが挙げられる。
高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチン等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン等が挙げられる。
ミネラルとしては、例えば、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムが挙げられる。
色素としては、例えば、カロチン、アントシアニン、クチナシ、マリーゴールド、カラメル、合成着色料が挙げられる。なお、色素や果汁により本発明の飲料が着色している場合には、乳脂肪分の浮上や乳固形分の沈殿の発生による外観不良が目立つため、特に、本発明の外観不良抑制効果の実感が得られやすい。
次に、本発明の発酵乳含有飲料の製造方法について一例をあげて説明する。
水に溶解した脱脂粉乳に、グラニュ糖を室温下で攪拌しながら添加して溶解する。つづいて、加温溶解したグリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンを、牛乳に加え混合した後、室温下で圧力15MPa程度の条件でホモゲナイザーにより均質化処理を行い、上記の脱脂粉乳溶解液に加える。つづいて、加温溶解したペクチン、大豆多糖類、および寒天を混合する。更に、乳酸、クエン酸、およびリン酸を混合し、酸度、pH調整を行う。更に、発酵乳を加え、他の添加成分を加え、必要に応じて精製水等の水により濃度を調整する。
その後、更に、ホモゲナイザーにより均質化処理を実施する。温度は下限として60℃以上が好ましく、上限としては、70℃以下が好ましい。
なお、上記製造方法は例示であり、本発明の乳性飲料を得ることができる方法であれば、上記製造方法に限られるわけではない。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<使用原料>
・(B)成分:ウルトラ寒天イーナ(伊那食品工業株式会社製)
・(C)成分:グリセリン脂肪酸エステル(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)、
レシチン(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
・その他成分:ペクチンYM−115−LJ(三晶株式会社製)、
SM−1200(大豆多糖類:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
<乳性飲料の評価方法>
1.離水、乳脂肪分の浮上
調製した乳性飲料を190mLの鉄製缶容器に充填した後、インキュベーターを使用し、55℃にて7日間保存試験を行った。当該保存試験後、缶を開封して液表面の脂肪浮上の程度および離水の程度を目視にて評価した。評価は以下の基準に従って行った。
−:浮遊物無し、若干の離水あり
±:極わずかの浮遊物有り(ほとんど気にならないレベル)、若干の離水あり
+:離水あり
++:若干の浮遊物有り(少し気になるレベル)、離水あり
+++:大きく離水あり
2.沈殿物
調製した乳性飲料を190mLの鉄製缶容器に充填した後、インキュベーターを使用し、55℃にて7日間保存試験を行った。当該保存試験後、缶を開封して溶液を除去した後の缶底の沈殿を目視にて評価した。評価は以下の基準に従って行った。
−:沈殿なし
±:若干の沈殿あり
+:少し沈殿あり
++:沈殿あり
+++:大きく沈殿あり
実施例1
20質量%濃度の脱脂粉乳182.5gに、グラニュ糖69gを添加し、室温下、10分間、攪拌機で溶解・混合した(脱脂粉乳溶液の調製)。次に、1質量%濃度のグリセリン脂肪酸エステル;5g、1質量%濃度のレシチン;0.25gを70℃で溶解し、牛乳167gに添加して、撹拌機で混合し、15MPaで均質化を行った後上記脱脂粉乳溶液と混合した。さらに、この混合溶液に1質量%濃度のウルトラ寒天イーナ;1g、2.5質量%濃度のペクチンYM−115−LJ;128g、2.5質量%濃度のSM−1200;120gを添加して混合した。
次に、乳酸及びクエン酸、リン酸でpHを4.2に調整し、さらにラクトバチルス・ヘルベティカス及び酵母で発酵した発酵乳100g、柑橘香料1gを添加した後、イオン交換水を用いて全量を1000gとした。以上の様にしてプレ乳性飲料を調製した。得られたプレ乳性飲料を60〜70℃に加熱後15MPaで均質化して実施例1に係る乳性飲料を調製した。なお、それぞれ「質量%濃度」で示している各成分は、すべて水溶液又は水分散液である。
当該乳性飲料を190mLの鉄製缶容器に充填し、120℃4分相当で殺菌を行い、室温まで冷却し、上記1.離水、乳脂肪分の浮上、及び2.沈殿物の評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例2〜6
寒天、グリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの配合量を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様にして各実施例に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
乳性飲料のpHを5.0とした以外は、実施例4と同様にして比較例1に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
乳性飲料のpHを5.8とした以外は、実施例4と同様にして比較例2に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
寒天、グリセリン脂肪酸エステル、及びレシチンを配合しない以外は、実施例4と同様にして比較例3に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例4
グリセリン脂肪酸エステル、及びレシチンを配合しない以外は、実施例4と同様にして比較例4に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例5
寒天を配合しない以外は、実施例4と同様にして比較例5に係る乳性飲料を調製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006400940
表1から明らかなように、実施例1〜6の乳性飲料は、各比較例の乳性飲料と比べて、離水、乳脂肪分の浮上、及び沈殿物が極めて少なく、非常に良好な外観保存安定性を示した。また、酸味の爽やかさと乳成分によるコクを維持し、味および風味とも良好な安定性を示した。一方、各比較例は該外観安定性が悪く、そのため、味および風味とも劣化する結果となった。

Claims (9)

  1. (A)乳と、
    (B)寒天と、
    (C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤と、を含有し、
    前記乳化剤は、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まず、
    乳固形分量が〜10質量%であり、乳脂肪分量が0.01〜1.3質量%であり、無脂乳固形分量が2.7〜9.99質量%であり、さらにpHが4.6以下であることを特徴とする、
    乳性飲料。
  2. さらに、安定剤を含むことを特徴とする、
    請求項1に記載の乳性飲料。
  3. 前記(B)寒天の含有量が0.001〜0.1質量%であることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の乳性飲料。
  4. 前記(C)乳化剤の含有量が0.001〜0.1質量%であることを特徴とする、
    請求項1〜3いずれか一項に記載の乳性飲料。
  5. 前記(A)乳が、生乳、脱脂粉乳、及び発酵乳から選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする、
    請求項1〜4いずれか一項に記載の乳性飲料。
  6. 乳固形分量が〜10質量%、乳脂肪分量が0.01〜1.3質量%、及び無脂乳固形分量が2.7〜9.99質量%となるように、(A)乳と、(B)寒天と、(C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤であって、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まない乳化剤と、を配合し、さらにpHを4.6以下に調整することを特徴とする、
    乳性飲料の製造方法。
  7. 前記配合の後に、安定剤を添加することを特徴とする、
    請求項6に記載の乳性飲料の製造方法。
  8. 前記配合の後、前記安定剤を添加する前に、均質化処理を行うことを特徴とする、
    請求項7に記載の乳性飲料の製造方法。
  9. (A)乳と、(B)寒天と、(C)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、及びレシチンから選択される1種以上を含む乳化剤であって、少なくともグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンの1種以上を含み、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まない乳化剤と、を含有する乳性飲料の乳固形分量を〜10質量%、乳脂肪分量を0.01〜1.3質量%、及び無脂乳固形分量を2.7〜9.99質量%となるように調整し、さらにpHを4.6以下に調整することを特徴とする、
    乳性飲料の離水、乳脂肪分の浮上及び乳固形分の沈殿を抑制する方法。
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