JP2002125587A - 酸性蛋白安定剤及びそれが含有された酸性蛋白食品 - Google Patents

酸性蛋白安定剤及びそれが含有された酸性蛋白食品

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一美 明尾
Masaaki Kojima
正明 小島
Akira Matsuda
朗 松田
Jun Takei
純 武居
Yuji Uzuhashi
祐二 埋橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸性蛋白食品における蛋白質粒子の凝集、沈
殿、相分離などが生じるのを防止することができるとと
もに、ゼリー状の酸性蛋白食品にも使用することができ
る酸性蛋白安定化剤及びそれが含有された酸性蛋白食品
を提供することである。 【解決手段】紅藻から抽出される、分子量25万以上で
あるとともに硫酸基3.0〜18.0%である硫酸多糖
類を含有することを特徴とする酸性蛋白安定化剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵乳、乳酸菌飲
料、酸性乳飲料、液状ヨーグルト、牛乳、豆乳などの蛋
白食品に果肉、果汁、有機酸、無機酸などが添加された
酸性下において、蛋白質の安定化を図る酸性蛋白安定化
剤及びそれが含有された酸性蛋白食品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛋白質は、pHの値によって全
体の電荷が変化する。例えば、乳蛋白の場合、pHが中
性域においてはマイナスに帯電し、等電点であるpH
4.6以下の領域においてはプラスに帯電する。蛋白質
は、酸性下になるとカゼインミセルが破壊され、また等
電点付近では帯電による反発も弱くなるので、凝集して
酸性粒子となり、次いで凝集体として沈殿が生じてしま
う。pH3.0以下においては、プラスに帯電された量
が増えて粒子同士が反発するため、沈殿が生じず安定す
るが、無脂乳固形分が高い酸乳では、pHを3以下にす
ると酸度が高くなるため、酸味がきつく摂食には不向き
である。したがって、発酵乳、乳酸菌飲料、酸性乳飲
料、液状ヨーグルト、牛乳、豆乳などの蛋白飲料に果
肉、果汁、有機酸、無機酸などが添加された酸性蛋白食
品は、pHを3.0以上、すなわち沈殿が生じ易い領域
にしておく必要があり、このため、これら酸性蛋白食品
は、蛋白質粒子の凝集、沈殿などを防止する必要があ
る。
【0003】酸性蛋白質食品において、蛋白質粒子の凝
集、沈殿などが生じるのを防止するためには、HMペク
チン、大豆多糖類、CMC・Na、アルギン酸プロピレ
ングリコールエステルなどを含有させて、蛋白質粒子を
安定化させることが行われている。これは、例えばペク
チンの場合、マイナスに帯電したペクチン分子が、pH
4.6以下でプラスに帯電したカゼイン粒子の表面に結
合することにより安定化されていると考えられる。すな
わち、ポリガラクチュロン酸であるペクチンのカルボキ
シル基が解離によりマイナスに帯電し、プラスに帯電さ
れたカゼイン粒子と結合し、さらに過剰となるフリーの
マイナスイオンを持つガラクチュロン酸同士の反発によ
り、カゼイン粒子が凝集するのを防止していると考えら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、HMペ
クチン、大豆多糖類、CMC・Na、アルギン酸プロピ
レングリコールエステルなどは、ゲル強度に乏しいた
め、単体ではゼリー状の酸性蛋白食品に使用することが
できず、またペクチンなどの溶液は、その構造と分子量
から独自の粘性を持ち、官能試験では糊状感が強くなる
という欠点がある。
【0005】さらに、これらの安定剤と酸性蛋白質食品
に影響を起こさない糊料(例えば寒天など)の併用にお
いて、安定剤がゲル化を阻害して本来のゲル形成ができ
ないという問題もある。
【0006】そこで、本発明は、酸性蛋白食品における
蛋白質粒子の凝集、沈殿、相分離などが生じるのを防止
することができるとともに、ゼリー状の酸性蛋白食品に
も使用することができる酸性蛋白安定化剤及びそれが含
有された酸性蛋白食品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明は、紅藻から抽出される、分子量25万以上
であるとともに硫酸基3.0〜18.0%である硫酸多
糖類を含有することを特徴とする酸性蛋白安定化剤であ
る。
【0008】このような硫酸多糖類を含有させた酸性蛋
白質安定化剤は、酸性蛋白食品における蛋白質粒子の凝
集、沈殿、相分離などが生じるのを防止することができ
るとともに、一定のゲル強度を有するため、単体でもゼ
リー状の酸性蛋白食品に使用することができる。これ
は、解離してペクチンと同様にマイナスに帯電している
硫酸多糖類が、pH4.6以下でプラスに帯電している
カゼイン粒子の表面に結合するとともに、過剰となるフ
リーのマイナスイオンである硫酸基イオン同士が反発す
ることにより、蛋白質粒子の凝集などが生じるのを防止
していると考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る酸性蛋白安定化剤に
おいて、硫酸基含量を18.0%までとしたのは、硫酸
基含量が18.0%を超えると、プラスに帯電したカゼ
インとの反応が強くプリセットしてしまうため、さらに
カゼインが凝集してしまうからであり、一方、硫酸基含
量を3.0%より多くしたのは、硫酸基含量が3.0%
より少ないとプラスに帯電したカゼイン粒子の表面にマ
イナスに帯電した硫酸多糖類が結合する確率が少なくな
るため、蛋白質粒子の凝集などが生じてしまうからであ
る。さらに、分子量を25万以上としたのは、分子量が
25万より小さいと、過剰となるフリーのマイナスイオ
ンである硫酸イオン同士の反発の効果が少なくなり、結
果として蛋白質粒子の凝集などが生じてしまうからであ
る。
【0010】本発明に係る酸性蛋白安定化剤を得るため
の方法としては、紅藻中の硫酸多糖類の含有量に応じて
紅藻をアルカリ処理することにより行われる。このアル
カリ処理は、苛性ソーダ、水酸化カリウム、又は水酸化
カルシウムなどのアルカリの熱水溶液に紅藻を浸漬する
ことにより行われる。アルカリ濃度、処理時間、処理温
度を調整することにより、脱離される硫酸機の種類、量
などを決することが好ましい。
【0011】本発明に係る酸性蛋白安定化剤において、
前記紅藻は、テングサ属、オバクサ属、ユイキリ属、シ
マテングサ属、ムカデノリ属、オゴノリ属、オゴモドキ
属、キリンサイ属、イバラノリ属、サイミ属、スギノリ
属、イギス属、エゴノリ属、ツノマタ属、スギノリ属、
スズカケベニ族のうちいずれか一以上であることが好ま
しく、前記硫酸多糖類は、構成糖として3,6−アンヒ
ドローα―Lガラクトース、α―D−ガラクトース、3,
6−アンヒドローα―D−ガラクトース、β―Dガラクト
ース、L−ガラクトース、D−キシロース、DL−ガラクト
ース及びこれらの硫酸エステル、ピルビン酸エステル、
カルボン酸エステルのうち少なくとも1種以上を有する
ことが好ましく、具体的には、キリンサイ属若しくはス
ギノリ属などから作られるカラギナン、又はスズカケベ
ニ属から作られるファーセレランなどである。
【0012】また、本発明は、上記いずれかの硫酸多糖
類が含有していることを特徴とする酸性蛋白食品であ
り、この酸性蛋白食品には、寒天、カラギナン、ファー
セレラン、グアーガム、タラビーンガム、ローカストビ
ーンガム、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリン
ドシードガム、ジェランガム、ネーティブジェランガ
ム、アルギン酸及びその塩、カードラン、ペクチン、大
豆多糖類、アゾトバクタービネランジーガム、アラビア
ガム、プルラン、ゼラチン並びにテンプンのうちいずれ
か一以上の糊料が含まれていることが好ましい。従来の
酸性蛋白安定剤は、これら糊料と併用した場合、これら
糊料のゲル化を阻害する傾向にあったが、本願発明の酸
性蛋白安定剤は、これら糊料と併用した場合であって
も、これら糊料のゲル化を阻害することはない。
【0013】本発明において、酸性蛋白食品とは、発酵
乳(固体状、ペースト状、スラリー状、液状、生菌タイ
プ又は殺菌タイプ)、乳製品又は豆乳などの蛋白含有食
品に乳酸、クエン酸又は果汁などの酸を加えて酸性にし
たもの(固体状、ペースト状及びスラリー状、液状)、
上記蛋白含有食品を乳酸菌又は酵素で発酵させたもの、
若しくは上記蛋白含有食品に糖を加えて乳酸菌又は酵素
で発酵させたもの、又はこれらを濃縮したり、粉末化し
たもの、若しくはこれらを含有させた食品をいう。具体
的には、発酵豆乳などがある。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る酸性蛋白安定化剤の実施
例について説明する。なお、以下の実施例において、分
子量は、GPC法により測定し、硫酸基含量は、硫酸バ
リウムとして沈殿させる重量法により測定した。
【0015】実施例1 スズカケベニ属フルセラリア50gを80℃の8%苛性
ソーダ水溶液20000mlで120分間アルカリ処理
した。その後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去し
た後、熱水で抽出し、ろ過後エチルアルコールを加えて
沈殿させ、硫酸多糖類を回収し、乾燥させた。この乾燥
させた硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量を測定したとこ
ろ、分子量が212万で、硫酸基含量が6.8%であっ
た。
【0016】実施例2 フノリ属フクロフノリ50gを70℃の5%苛性ソーダ
水溶液2000mlで120分間アルカリ処理した。そ
の後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去した後、熱
水で抽出し、ろ過後エチルアルコールを加えて沈殿さ
せ、硫酸多糖類を回収し、乾燥させた。この乾燥させた
硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量を測定したところ、分
子量が129万で、硫酸基含量が10.5%であった。
【0017】実施例3 エゴノリ属エゴノリ50gを水洗いした後、熱水抽出し
た。抽出液を濾過後エチルアルコールを加えて沈殿さ
せ、硫酸多糖類を回収し乾燥させた。この乾燥させた硫
酸多糖類の分子量と硫酸基含有量を測定したところ、分
子量が29万3000で、硫酸基含有量が3.8%であ
った。
【0018】実施例4 キリンサイ属カタメンキリンサイ50gを水洗いした
後、熱水抽出した。抽出液を濾過後エチルアルコールを
加えて沈殿させ、硫酸多糖類を回収し乾燥させた。この
乾燥させた硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量を測定した
ところ、分子量が58万4000で、硫酸基含量が1
2.9%であった。
【0019】実施例5 キリンサイ属カタメンキリンサイ50を80℃の8%苛
性ソーダ水溶液2000mlで120分間アルカリ処理
した。その後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去し
た後、熱水で抽出し、ろ過後エチルアルコールを加えて
沈殿させ、硫酸多糖類を回収し、乾燥させた。この乾燥
させた硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量を測定したとこ
ろ、分子量が103万で、硫酸基含量が8.0%であっ
た。
【0020】実施例6 オゴノリ属オゴノリを熱水で抽出し、ろ過後エチルアル
コールを加えて沈殿させ、硫酸多糖類を回収し、乾燥さ
せた。この乾燥させた硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量
を測定したところ、分子量が70万で、硫酸基含量が
7.2%であった。
【0021】実施例7 サイミ属イタニソウを熱水で抽出し、ろ過後エチルアル
コールを加えて沈殿させ、硫酸多糖類を回収し、乾燥さ
せた。この乾燥させた硫酸多糖類の分子量と硫酸基含量
を測定したところ、分子量が33.6万で、硫酸基含量
が4.1%であった。
【0022】次に、比較例について説明する。比較例に
おいて、分子量及び硫酸基含量の測定は、実施例と同様
の方法で行った。比較例1 エゴノリ属エゴノリ50gを80℃の5%苛性ソーダ水
溶液2000mlで90分間アルカリ処理した。その
後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去した後、熱水
で抽出し、ろ過後エチルアルコールを加えて沈殿させ、
硫酸多糖類を回収し、乾燥させた。この乾燥させた硫酸
多糖類の分子量と硫酸基含量を測定したところ、分子量
が26万3000で、硫酸基含量が1.2%であった。
【0023】比較例2 キリンサイ属コトニ50gを80℃の8%苛性ソーダ水
溶液2000mlで120分アルカリ処理した。すぐに
水洗いし、余分のアルカリを除去した後、熱水抽出し、
ろ過後アルコールにより沈殿することによりカラギナン
を得た。このカラギナン分子量と硫酸基含量を測定した
ところ、分子量が199万で、硫酸基含量が22%であ
った。
【0024】比較例3 テングサ属マクサ50gを95℃の熱水2000mlで
抽出することにより、分子量37.5万、硫酸基含量
2.0%の寒天を得た。
【0025】比較例4 オゴノリ属オゴノリ50gを80℃の5%苛性ソーダ水
溶液2000mlで120分間アルカリ処理した。その
後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去した後、熱水
で抽出し、濾過後エチルアルコールを加えて沈殿させ、
硫酸多糖類を回収し乾燥させた。この乾燥させた硫酸多
糖類の分子量と硫酸基含量を測定したところ、分子量が
28万2000で、硫酸基含量が0.9%であった。
【0026】比較例5 サイミ属イタニソウ50gを80℃の5%苛性ソーダ水
溶液2000mlで120分間アルカリ処理した。その
後、すぐに水洗いし余分のアルカリを除去した後、熱水
で抽出し、ろ過後エチルアルコールを加えて沈殿させ、
硫酸多糖類を回収し乾燥させた。この乾燥させた硫酸多
糖類の分子量と硫酸含有量を測定したところ、分子量が
26万で、硫酸基含量が1.4%であった。
【0027】次に、表1に示す割合で、水に実施例1乃
至7並びに比較例1乃至5の酸性蛋白安定化剤を溶解
後、グラニュー糖と牛乳を添加して蛋白食品を得て、こ
れにクエン酸溶液を加えることによってpHを3.8に
調製した。
【0028】
【表1】
【0029】さらに、比較例6として、表2に示す割合
で水にグラニュー糖と牛乳を添加して蛋白食品を得て、
これにクエン酸溶液を加えることによってpHを3.8
に調製した。
【0030】
【表2】
【0031】次に、これらpH3.8に調製された酸性
蛋白食品を85℃、30分間加熱して分離の状態を観測
した。その結果、実施例1乃至7の酸性蛋白安定化剤が
含有された酸性蛋白食品は、凝集、沈殿が生じなかった
が、比較例1乃至5の酸性蛋白安定化剤が含有された酸
性蛋白食品並びに比較例6の酸性蛋白食品は、凝集、沈
殿が激しく生じた。
【0032】また、実施例8及び9並びに比較例6とし
て酸性蛋白安定剤と糊料が含まれている酸性蛋白食品を
得た。
【0033】実施例8 表3に示す割合で、糊料として寒天(伊那食品株式会社
製:伊那寒天UP−37)及びローカストビーンガム
(伊那食品株式会社製:イナゲルL−85)、並びに実
施例6の酸性蛋白安定剤を溶解し、その後グラニュー糖
と牛乳を添加して蛋白食品を得て、これにクエン酸溶液
を加えることによってpHを3.8に調製した。調製さ
れた酸性蛋白食品を85℃で20分間加熱して、水冷に
より冷却した。
【0034】
【表3】
【0035】実施例9 表3に示す割合で、糊料として寒天(伊那食品株式会社
製:伊那寒天UP−37)及びローカストビーンガム
(伊那食品株式会社製:イナゲルL−85)、並びに実
施例5の酸性蛋白安定剤を溶解し、その後グラニュー糖
と牛乳を添加して蛋白食品を得て、これにクエン酸溶液
を加えることによってpHを3.8に調製した。調製さ
れた酸性蛋白食品を85℃で20分間加熱して、水冷に
より冷却した。
【0036】比較例6 表3に示す割合で、糊料として寒天(伊那食品株式会社
製:伊那寒天UP−37)及びローカストビーンガム
(伊那食品株式会社製:イナゲルL−85)、並びに酸
性蛋白安定剤としてHMペクチン(SKW社製:AYD
−358)を溶解し、その後グラニュー糖と牛乳を添加
して蛋白食品を得て、これにクエン酸溶液を加えること
によってpHを3.8に調製した。調製された酸性蛋白
食品を85℃で20分間加熱して、水冷により冷却し
た。
【0037】これら実施例8及び9並びに比較例6に係
る酸性蛋白食品は、凝集、沈殿ともに生じなかった。こ
れら酸性蛋白食品について、10℃でゼリー強度(サン
科学社製レオメーター使用)を測定したところ、表4に
示す値を示した。
【0038】
【表4】
【0039】表4から明らかなように、比較例6に係る
酸性蛋白安定剤は、実施例8及び9に比し寒天のゲル化
を阻害していることが分かる。また、それぞれのゲルに
ついて、パネラー10人に糊状感の少ないゲルを選択さ
せたところ全てのパネラーが、実施例8及び9を選択し
た。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る酸性蛋白安
定化剤は、紅藻から抽出される、分子量25万以上であ
るとともに硫酸基3.0〜18.0%である硫酸多糖類
が含有されているので、酸性状態であっても、蛋白質粒
子の凝集、沈殿、相分離などが生じるのを防止すること
ができるとともに、これら安定剤の中には一定のゲル強
度を有するため、単体でもゼリー状の酸性蛋白食品に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/38 A23L 2/00 P (72)発明者 松田 朗 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 (72)発明者 武居 純 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 (72)発明者 埋橋 祐二 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4B001 AC03 AC05 AC20 AC44 BC99 EC53 4B017 LC02 LC10 LG18 LK13 LK15 LL04 LP01 4B041 LC04 LD01 LE08 LH02 LH05 LH07 LH08 LH10 LH16 LH17 LK01 LK07 LK37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紅藻から抽出される、分子量25万以上
    であるとともに硫酸基3.0〜18.0%である硫酸多
    糖類を含有することを特徴とする酸性蛋白安定化剤。
  2. 【請求項2】 前記紅藻は、テングサ属、オバクサ属、
    ユイキリ属、シマテングサ属、ムカデノリ属、オゴノリ
    属、オゴモドキ属、キリンサイ属、イバラノリ属、サイ
    ミ属、スギノリ属、イギス属、エゴノリ属、ツノマタ
    属、スギノリ属、スズカケベニ属のうちいずれか一以上
    であることを特徴とする請求項1記載の酸性蛋白安定化
    剤。
  3. 【請求項3】 前記硫酸多糖類は、構成糖として3,6
    −アンヒドローα―Lガラクトース、α―D−ガラクトー
    ス、3,6−アンヒドローα―D−ガラクトース、β―D
    ガラクトース、L−ガラクトース、D−キシロース、DL−
    ガラクトース及びこれらの硫酸エステル、ピルビン酸エ
    ステル、カルボン酸エステルのうち少なくとも1種以上
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の酸性蛋
    白安定化剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれか記載の硫酸多糖
    類が含有していることを特徴とする酸性蛋白食品。
  5. 【請求項5】 寒天、カラギナン、ファーセレラン、グ
    アーガム、タラビーンガム、ローカストビーンガム、グ
    ルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドシードガ
    ム、ジェランガム、ネーティブジェランガム、アルギン
    酸及びその塩、カードラン、ペクチン、大豆多糖類、ア
    ゾトバクタービネランジーガム、アラビアガム、プルラ
    ン、ゼラチン並びにテンプンのうちいずれか一以上の糊
    料が含まれていることを特徴とする請求項4記載の酸性
    蛋白食品。
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