JP6394376B2 - ジアセタール含有組成物 - Google Patents

ジアセタール含有組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6394376B2
JP6394376B2 JP2014263458A JP2014263458A JP6394376B2 JP 6394376 B2 JP6394376 B2 JP 6394376B2 JP 2014263458 A JP2014263458 A JP 2014263458A JP 2014263458 A JP2014263458 A JP 2014263458A JP 6394376 B2 JP6394376 B2 JP 6394376B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
diacetal
particle size
containing composition
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014263458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016121303A (ja
Inventor
崇之 前田
崇之 前田
松本 和也
和也 松本
サンタマリア エスティバレス
サンタマリア エスティバレス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Japan Chemical Co Ltd filed Critical New Japan Chemical Co Ltd
Priority to JP2014263458A priority Critical patent/JP6394376B2/ja
Publication of JP2016121303A publication Critical patent/JP2016121303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6394376B2 publication Critical patent/JP6394376B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ジアセタール含有組成物に関する。
ジベンジリデンソルビトール及びその核置換誘導体に代表されるジアセタールは、ポリオレフィン樹脂、特にエチレン、プロピレンのホモポリマー又はそれらを主成分とするコポリマーの核剤として有用な化合物である。ジアセタールは、特に透明性を向上させる効果に優れ、透明性が要求される各種容器等の成形品分野の樹脂添加剤として広く用いられている(例えば、特許文献1)。
上記のように、ジアセタールは、樹脂の核剤として非常に優れた効果を有するが、その反面、粉体流動性が悪いため、移送のための配管内、供給ホッパー内、フィーダー内等において付着、ブリッジング等を起こす傾向がある。その結果、ポリオレフィン樹脂へのジアセタールの供給が一定しないという問題点がある。
そのため、ポリオレフィン樹脂へ配合されるジアセタールを、溶液に分散させ、液体分散物として使用することが知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2のように、ジアセタールの液体分散物として用いる場合には、ジアセタールと分散媒とを混和させる工程、用いられる分散媒を回収する工程等が必要となる。このような工程で使用される装置は、工業的な生産において大型化が必要となり、経済的観点から好ましくない。
また、ジアセタール含有組成物をバインダー等に用いて粒状化させる手法、又は脂肪酸金属塩を配合することで、粉体流動性を向上させる手法も知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4)。しかしながら、このような手法の場合も、粒状化する工程又は付着させる工程を必要とし、経済的観点から好ましくなく、更に粉体流動性に関しても十分に満足する結果が得られておらず、未だ改善の余地を有していた。
そこで、本発明者等は、これまでに、特定のジアセタール、及びポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルに、さらに特定の脂肪酸金属塩を配合させることにより、優れた流動性を有するジアセタール組成物を報告した(特許文献5)。
近年、生産性の観点から、さらに粉体流動性に優れるジアセタール含有組成物の開発が一段と望まれている。
特開2007−22924号公報 特表2002−524599号公報 国際公開第98/33851号 特開2001−240698号公報 国際公開第2014/136842号
本発明は、粉体流動性に優れたジアセタール含有組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、成分(A)である特定のジアセタールと、成分(B)である特定の脂肪酸金属塩とを含み、かつ成分(A)であるジアセタール及び/又は成分(B)である脂肪酸金属塩を特定の粒子形状を有する微粉体とすることで、該組成物の粉体流動性が向上することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を加えて完成されたものであり、以下のジアセタール含有組成物、ポリオレフィン樹脂組成物、樹脂成形体、ジアセタールの流動性向上方法等を提供するものである。
項1.
成分(A):一般式(1):
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。
は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。
pは0又は1を示す。
2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表される少なくとも1種のジアセタール、及び
成分(B):C12−C22脂肪酸金属塩を含む、ジアセタール含有組成物であって、
前記成分(A)が、平均粒径4μm以下のジアセタールであり、及び/又は
前記成分(B)が、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下のC12−C22脂肪酸金属塩である、ジアセタール含有組成物。
項2.
成分(B)が、C12−C22脂肪酸と、リチウム、亜鉛、マグネシウム及びカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩である、項1に記載のジアセタール含有組成物。
項3.
成分(B)が、C12−C22脂肪酸亜鉛塩、又はC12−C22脂肪酸カルシウム塩である、項1又は2に記載のジアセタール含有組成物。
項4.
成分(B)が、C12−C22脂肪酸カルシウム塩である、項1〜3のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項5.
前記成分(A)100重量部に対して、成分(B)を0.5〜30重量部含む、項1〜4のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項6.
さらに、成分(C):ソルビタンC−C22脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、項1〜5のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項7.
成分(C)が、ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸トリエステルである項1〜6のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項8.
25℃、湿度60%の条件下で、直径3cm、及び穴の直径0.5cmの漏斗から落下した円錐状の前記ジアセタール含有組成物の堆積物の安息角が、50度以下である、項1〜7のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項9.
項1〜8のいずれかに記載のジアセタール含有組成物及びポリオレフィン樹脂を含有するポリオレフィン樹脂組成物。
項10.
項9に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体。
項11.
項1〜8のいずれかに記載のジアセタール含有組成物の製造方法であって、
下記(工程a)〜(工程c)のいずれかの工程:
(工程a)平均粒径4μm以下の成分(A)及び平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下の成分(B)を混合する工程、
(工程b)平均粒径4μm〜15μmの範囲である成分(A)及び平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下の成分(B)を混合する工程、
(工程c)平均粒径4μm以下の成分(A)及び平均粒径5μm〜20μmの範囲である成分(B)を混合する工程
を備える、ジアセタール含有組成物の製造方法。
項12.
成分(A):一般式(1):
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。
は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。
pは0又は1を示す。
2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表される少なくとも1種のジアセタールに、
成分(B):C12−C22脂肪酸金属塩を配合することによるジアセタールの流動性を向上させる方法であって、
前記成分(A)が、平均粒径4μm以下であるジアセタールであり、及び/又は
前記成分(B)が、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下であるC12−C22脂肪酸金属塩である、ジアセタールの流動性を向上させる方法。
項13.
ポリオレフィン樹脂、及び項1〜8のいずれかに記載のジアセタール含有組成物を混合する工程を備える、項9に記載のポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法。
項14.
項9に記載のポリオレフィン樹脂組成物を混練り機で溶融混練する工程、得られた溶融混練物を押出機によって押し出し、ストランドを得る工程、得られたストランドを冷却する工程、及び冷却されたストランドをカッティングしてペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を製造する工程を備える、項13に記載の製造方法。
項15.
前記ポリオレフィン樹脂組成物が、ジアセタール含有組成物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプである、項13又は項14に記載の製造方法。
項16.
射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、又はフィルム成形方法により、項10に記載の樹脂成形体を製造する方法。
項17.
平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下である前記成分(B)が、ジェットミルタイプの気流式粉砕機を用いて粉砕した微粉体である、項1〜8のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
項18.
ジェットミルタイプの気流式粉砕機を用いて微粉砕することを特徴とする平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下である前記成分(B)の微粉体の製造方法。
項19.
前記ポリオレフィン樹脂組成物が、ジアセタール含有組成物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプである、項9に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
本発明のジアセタール含有組成物によると、粉体流動性に優れるため、例えば、原料供給の際、移送のための配管内、供給ホッパー内、フィーダー内等において、付着、ブリッジング等を抑制することができる。
実施例において、「4−3.フィード送り試験(粉体流動性の評価)」で用いた2軸スクリュー型フィーダーを模式的に表した図である。
本明細書中において、「含む」なる表現については、「含む」、「実質のみからなる」、及び「のみからなる」旨の概念を含む。
1.ジアセタール含有組成物
本発明に係るジアセタール含有組成物は、成分(A):一般式(1):
で表される少なくとも1種のジアセタール、及び成分(B):C12−C22脂肪酸金属塩を含む組成物である。以下、各成分について詳細に説明する。
1−1.成分(A):ジアセタール
ジアセタールは、下記一般式(1):
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。
は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。
pは0又は1を示す。
2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、
2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
で表される少なくとも1種のジアセタールを用いることができる。
及びRで表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
なお、本明細書において、「n−」はnormal、「s−」はsecondary(sec−)、「t−」はtertiary(tert−)を意味する。
及びRで表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
及びRで表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
及びRで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
で表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
で表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。
で表される直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
一般式(1)において、m及びnは、それぞれ、1〜5の整数である。また、一般式(1)におけるpは、0又は1であり、好ましくは1である。一般式(1)において、R及びRで表される置換基の置換位置は、特に限定されるものではないが、m及びnが1の場合は、o−、m−又はp−位であり、m及びnが2の場合は、2,3−位、2,4−位、2,5−位、3,4−位、3,5−位等を例示でき、m及びnが3の場合は、2,4,5−位、3,4,5−位等を例示できる。
これら一般式(1)で表されるジアセタールは、いずれも公知であるか、又は日本国特公昭48−43748号公報、特開昭53−5165号公報、特開昭57−185287号公報、特開平2−231488号公報等の公知方法に従って容易に製造できる。
上記一般式(1)で表されるジアセタールの代表例としては、次のものを例示できる。
1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−tert−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−tert−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−tert−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(o−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(m−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール
等が例示される。
これらの中で、より効果的な一般式(1)で表されるジアセタールとしては、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、及び
1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトールが好ましい。
また、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、及び
1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールが特に好ましい。
これらのジアセタールは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
また、上記ジアセタールの結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶、三方晶、斜方晶等の任意の結晶形が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
本発明における成分(A)ジアセタールは、平均粒径(D50)が、通常、15μm以下であり、4μm以下が好ましく、特に1μm〜4μmの範囲がより好ましい。
本明細書において、平均粒径(D50)は、体積基準累積50%粒径を意味する。この体積基準累積50%粒径(D50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒径である。なお、本明細書では、平均粒径(D50)を、単に平均粒径又はD50ということがある。
なお、本発明において、平均粒径及び粒径の均一度は、レーザー散乱粒度分布測定装置で測定した頻度分布及び累積体積分布曲線で求められる。
本発明で使用するジアセタールは、一般式(1)で表される1,3:2,4−体の純度が100%のものが好ましいが、若干不純物を含むものであってもかまわない。
1−2.成分(B):C 12 −C 22 脂肪酸金属塩
本発明に係る成分(B)は、C12−C22脂肪酸金属塩である。
脂肪酸の炭素数としては、12〜22であり、特に、14〜18が好ましい。
脂肪酸の炭素数が12未満では、成形加工時の熱劣化の懸念及び成形品からの揮発、又は溶出の懸念があり、22を超えても効果的な優位性はなく、工業的に得られにくく、コスト面でのデメリットが大きくなり、いずれも好ましくない。
前記の脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等が挙げられる。これらの中で、ステアリン酸、ベヘン酸が、本発明のジアセタール含有組成物の臭気の観点から好ましい。
また、脂肪酸金属塩を形成する金属としては、リチウム、亜鉛、マグネシウム、及びカルシウムであり、中でも亜鉛及びカルシウムが好ましく、安全性や環境的な観点から、特にカルシウムが好ましい。
脂肪酸金属塩として、好ましくは、C12−C22脂肪酸と、リチウム、亜鉛、マグネシウム、又はカルシウムとの金属塩であり、より好ましくは、C12−C22脂肪酸と亜鉛又はカルシウムとの金属塩であり、最も好ましくは、C12−C22脂肪酸とカルシウムとの金属塩である。
脂肪酸金属塩の具体例としては、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムが挙げられ、これらの中でもステアリン酸カルシウムがより好ましい。
本発明における成分(B)C12−C22脂肪酸金属塩は、平均粒径が、通常、20μm以下であり、5μm以下が好ましく、特に1μm〜5μmの範囲がより好ましい。
更に、本発明における成分(B)のC12−C22脂肪酸金属塩は、D60/D10の値で表される粒径の均一度が、3以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、10%粒径(D10)及び60%粒径(D60)は、体積基準累積10%粒径及び体積基準累積60%粒径であり、求められた粒度分布の全体積を100%とした累積曲線において、累積値が10%及び60%となる点の粒径を示す。したがって、60%粒径(D60)と10%粒径(D10)との比(D60/D10)は、粒度分布の広さを示す指標ということができ、均一度として知られている。D60/D10の値が大きいほど、広い粒度分布を有する。また、D60/D10が1に近いほど、単分散に近い粒度分布を有すると言える。
本発明のジアセタール組成物において、成分(A)のジアセタール及び成分(B)の脂肪酸金属塩の平均粒径は、粉体流動性に影響を及ぼす。
これらの粒子の平均粒径は、成分(A)の粒子及び成分(B)の粒子の少なくともどちらか一方の平均粒径が、5μm以下であることが好ましく、特に、4μm以下であることがより好ましい。
本発明のジアセタール組成物の態様としては、成分(A)の平均粒径が4μm以下であり、及び成分(B)の平均粒径が5〜20μmであるジアセタール組成物;
成分(A)の平均粒径が4〜15μmであり、及び成分(B)の平均粒径が5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下であるジアセタール組成物;並びに
成分(A)の平均粒径が4μm以下であり、及び成分(B)の平均粒径が5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下であるジアセタール組成物である。中でも、本発明のジアセタール組成物において、成分(B)の含有量は成分(A)よりも少量であることから、生産性、粉体の取扱性等の観点から、成分(B)を平均粒径4μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下とするジアセタール組成物を用いることがより好ましい。
前記平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下である前記成分(B)は、ジェットミルタイプの気流式粉砕機を用いて粉砕した微粉体がであることが特に好ましい。
成分(B)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部であり、1.0〜20重量部程度がより好ましく、3〜15重量部程度がさらに好ましい。成分(B)の含有量を0.5重量部以上に設定することにより、本発明の課題である流動性を改善させることができる。また、成分(B)の含有量を30重量部を超えて添加しても本発明の効果に優位差を得ることができず、更に粉立ちが生じ、作業性の低下をもたらし、好ましくない。
これらの成分(B):C12−C22脂肪酸金属塩は、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
1−3.成分(C)
本発明に係るジアセタール含有組成物は、さらに、成分(C):ソルビタンC−C22脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。
上記ソルビタンC−C22脂肪酸エステル(成分C1ということもある)としては、ソルビタンC−C22飽和又は不飽和脂肪酸エステルが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステル(成分C2ということもある)としては、上記ソルビタンC−C22脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物である。
ソルビタンC−C22脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、8〜22であり、特に、12〜22が好ましい。炭素数が8未満であると、樹脂成形体からブリードアウトする傾向がある。一方、炭素数が22を超えると、成形体の透明性を損なう傾向がある。
また、上記脂肪酸は、飽和又は不飽和カルボン酸が好ましく、特に、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、及びオレイン酸が好ましい。
ポリオキシエチレンにおけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、好ましくは1〜40、より好ましくは2〜30、さらに好ましくは5〜30、特に好ましくは5〜20である。
成分(C)のソルビタンC−C22脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、
ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノミリステート、
ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタンモノステアレート、
ソルビタンモノイソステアレート、
ソルビタンモノオレエート、
ソルビタントリラウレート、
ソルビタントリミリステート、
ソルビタントリパルミテート、
ソルビタントリステアレート、
ソルビタントリイソステアレート、
ソルビタントリオレエート等が例示される。
より好ましくは、ソルビタンモノミリステート、
ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタンモノステアレート、
ソルビタンモノイソステアレート、
ソルビタンモノオレエート、
ソルビタントリミリステート、
ソルビタントリパルミテート、
ソルビタントリステアレート、
ソルビタントリイソステアレート、及び
ソルビタントリオレエートが挙げられる。
さらに好ましくは、ソルビタントリミリステート、
ソルビタントリパルミテート、
ソルビタントリステアレート、
ソルビタントリイソステアレート、及び
ソルビタントリオレエートが挙げられる。
成分(C)のポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノラウレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノミリステート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノパルミテート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノイソステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンモノオレエート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリラウレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリミリステート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリパルミテート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリイソステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタントリオレエート等が例示される。
より好ましくは、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンモノミリステート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンモノパルミテート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンモノイソステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンモノオレエート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリミリステート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリパルミテート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリイソステアレート、及び
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリオレエートが挙げられる。
さらに好ましくは、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリミリステート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリパルミテート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリステアレート、
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリイソステアレート、及び
ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタントリオレエートが挙げられる。
上記成分(C)のエステルの中でも、ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸ジエステル、及びポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸トリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、成形体からのブリードアウト抑制の観点から、ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸トリエステルがより好ましい。
これらのソルビタンC−C22脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
成分(C)であるソルビタンC−C22脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルは、本発明の効果を損なわない限り、従来公知の製造方法で得られるものが使用できる。例えば、一般的にはソルビトールと脂肪酸をアルカリ触媒存在下、加熱することによりソルビタン脂肪酸エステルを得ることができ、さらに、得られたソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドを付加させることによりポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを得ることができる。
得られるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、一般的に各種ポリオキシエチレンソルビタンのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ脂肪酸エステルや1,4,3,6−ソルビド等副生成物のモノ−、ジ−脂肪酸エステル等の混合物であり、これら混合物のまま本発明に使用することができる。又は、該混合物から単一成分を単離し、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明に係るポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、本発明の効果を損なわない限り、市販されているものを使用することもできる。例えば、「16112の化学商品」(化学工業日報社、2012年2月21日発行)に記載されている市販品等が例示される。
成分(C)の含有量は、成分(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部程度が好ましく、0.1〜3重量部程度がより好ましく、0.3〜1.5重量部程度がさらに好ましい。成分(C)の含有量を0.05重量部以上に設定することにより、本発明のアセタール組成物の帯電性が抑制されるという効果が得られる。また、成分(C)の含有量を5重量部以下に設定することにより、成形体からのブリードアウトを抑制できるという効果が得られる。
1−4.その他の成分
本発明のジアセタール含有組成物は、成分(A)、及び成分(B)を含む組成物であり、さらに成分(C)を含んでいてもよい組成物であるが、前記の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。
具体的には、蛍光増白剤(2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
これらの任意の添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.005〜100重量部程度、より好ましくは0.01〜50重量部程度で使用される。
これら任意の添加剤を配合する場合、実用レベルで均一に混合できれば特に混合方法は限定されず、例えば下記のようにドライブレンドして均一な混合物を製造する方法が例示される。
また、前記酸化防止剤は、本発明のジアセタール含有組成物の貯蔵安定性を向上させる効果も有している。該貯蔵安定性の向上を目的として当該酸化防止剤を使用する場合、その使用量は、上記成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.03〜3重量部である。
かかる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が例示される。中でも、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが推奨される。
ただし、これらの任意の成分は、後述のポリオレフィン組成物を製造する際に、任意の割合で配合することが好ましく、本発明のジアセタール含有組成物の形態の具体例としては、本発明の効果を十分に発揮する。具体的には、成形体の外観・色味等の観点から、実質的に成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び蛍光増白剤のみからなる組成物、又は実質的に成分(A)、成分(B)、及び成分(C)のみからなる組成物であることが推奨される。
本発明のジアセタール含有組成物は、25℃、湿度60%の条件下において、安息角が通常50度以下であり、好ましくは30〜49度であり、より好ましくは35〜48度である。安息角が小さい方が、より流動性に優れていることを意味する。安息角の測定方法については後述する。
1−5.ジアセタール含有組成物の好ましい組合せ
成分(A)+成分(B)
本発明のジアセタール含有組成物中に含まれる、成分(A)及び成分(B)の組合せとしては、その下位概念である以下の成分(A’)、及び成分(B’)の組合せであることが好ましい。
成分(A’):一般式(2):
[式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を示す。
q及びrは、それぞれ1又は2である。
で表される少なくとも1種のジアセタール、並びに
成分(B’):ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸と、亜鉛、マグネシウム及びカルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩、
を含む粒状又は粉末状のジアセタール含有組成物。
成分(A’)、及び成分(B’)のさらに好ましい組合せとしては、
成分(A’):1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、及び
成分(B’):ステアリン酸又はベヘン酸と、亜鉛、及びカルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩、
である。
成分(A’)、及び成分(B’)の特に好ましい組合せとしては、
成分(A’):1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、及び
成分(B’):ステアリン酸カルシウム
を含むジアセール組成物が推奨される。
成分(A’)100重量部に対する、成分(B’)の含有量としては、成分(B’)が0.5〜30重量部程度であることが好ましく、成分(B’)が1.0〜15重量部程度であることがより好ましい。
成分(A)+成分(B)+成分(C)
本発明のジアセタール含有組成物中に含まれる、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の組合せとしては、その下位概念である以下の成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’)の組合せであることが好ましい。
成分(A’):一般式(2):
[式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を示す。
q及びrは、それぞれ1又は2である。
で表される少なくとも1種のジアセタール、
成分(B’):ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸と、亜鉛、マグネシウム及びカルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩、並びに
成分(C’):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:2〜30)ソルビタンC−C22脂肪酸トリエステル、
を含むジアセタール含有組成物。
成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’)のさらに好ましい組合せとしては、
成分(A’):1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
成分(B’):ステアリン酸又はベヘン酸と、亜鉛、及びカルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩、及び
成分(C’):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンC−C22脂肪酸トリエステルである。
成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’)の特に好ましい組合せとしては、成分(A’):1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
成分(B’):ステアリン酸カルシウム、及び
成分(C’):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:5〜20)ソルビタンC20脂肪酸トリステアレート
を含むジアセール組成物が推奨される。
成分(A’)100重量部に対する、成分(B’)及び成分(C’)の含有量としては、成分(B’)が0.5〜30重量部程度、成分(C’)が0.05〜5.0重量部程度であることが好ましく、成分(B’)が1.0〜15重量部程度、成分(C’)が0.1〜3.0重量部程度であることがより好ましい。
1−6.ジアセタール含有組成物の形状
本発明のジアセタール含有組成物の形態は、基本的に粉末である。形状としては、球状、円柱状、繊維状等の種々の形態を取ることができる。
本発明に係るジアセタール含有組成物は、成分(A)のジアセタール及び成分(B)の脂肪酸金属塩の平均粒径が、粉体流動性に影響を及ぼす。
これらの粒子の平均粒径は、成分(A)の粒子及び成分(B)の粒子の少なくともどちらか一方の平均粒径が、3μm以下であり、好ましくは0.1〜3μmであり、より好ましくは、0.5〜2.5μmである。
本明細書における平均粒径(粒子の直径の平均値)及び均一度は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置マスターサイザー(マルバーンインスツルメンツ社製、商品名「マスターサイザー3000」)を用いて湿式法及び乾式法により測定することができる。
具体的には、平均粒径は、上記測定で得られた体積基準の50%粒径(D50)から求められる。また、均一度は、平均粒径と同様の方法にて測定した測定結果より、体積基準累積10%粒径(D10)及び体積基準累積60%粒径(D60)を求め、その比(D60/D10)から得られる。
上記のジアセタール含有組成物の形状にするために、必要に応じて粉砕・解砕、或いは分級等を行うことができる。
上記形態のジアセタール含有組成物は、何れも公知の粉砕機・解砕機、分級機等を用いて製造できる。例えば、粉砕機・解砕機ではピンミル、ジェットミル、パルベライザー、カッターミル、ハンマーミル、プレーナークラッシャー、フレーククラッシャー、ニブラー、分級機では振動ふるい機、風力分級機等が例示されるが、上記粉砕機としては、粒度分布の観点からジェットミルタイプの粉砕機が好ましい。
2.ジアセタール含有組成物の製造方法
本発明のジアセタール含有組成物の製造方法は、上記成分(A)及び成分(B)を粉砕する工程、上記成分(A)及び成分(B)、又は、上記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を混合する工程を具備することを特徴とする。かかる粉砕方法及び混合方法は、所望のジアセタール含有組成物が得られる限り、特に限定されるものではない。
上記成分(A)及び成分(B)の粉砕方法としては、例えば、従来公知の方法で製造されたジアセタール(成分(A))または脂肪酸金属塩(成分(B))の粗粉体を、ジェットミル等の粉砕機を用いて、空気圧等の条件を調整することにより、所望の粒径に粉砕する方法等が挙げられる。中でも、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下である前記成分(B)は、ジェットミルタイプの気流式粉砕機を用いて微粉砕して、成分(B)の微粉体を製造することが好ましい。
また、粒径の均一度を向上させるために、粉砕後更に汎用の分級機を用いて分級することもできる。
上記成分(A)及び成分(B)の混合方法としては、例えば、次の方法が例示される: (i) 従来公知の一般式(1)で表されるジアセタール製造方法(例えば特開平2−231488号公報に記載の方法)に従って、当該ジアセタールを製造する過程で、必要に応じて予め粉砕された成分(B)を混合する方法、
(ii) 必要に応じて予め粉砕された成分(A)及び必要に応じて予め粉砕された成分(B)を公知の混合装置を用いて粉体混合(ドライブレンド)する方法、
(iii) メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類、水等の分散媒に、成分(A)、及び成分(B)を入れ、室温若しくは加温下で攪拌混合してスラリー状若しくは膨潤した状態にした後、該分散媒を留去する方法、
(iv) メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類、水等の分散媒に、成分(A)を入れて室温若しくは加温下で攪拌してスラリー状若しくは膨潤した状態にした後、成分(B)をそのまま或いはメタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類、水等に分散させた状態で添加して混合し、次いで該分散媒を留去する方法。
なお、(i)の混合方法における成分(B)の添加時期は、ソルビトールと当該ベンズアルデヒド類とのジアセタール化反応終了後で、当該反応系が中性状態にある時が好ましい。また、(iii)及び(iv)の混合方法における分散媒の使用量は、成分(A)10重量部に対して、好ましくは5〜200重量部程度、より好ましくは10〜100重量部程度である。分散媒存在下の混合温度は、通常20〜100℃程度、好ましくは50〜80℃程度が挙げられる。
好ましいジアセタール含有組成物の製造方法としては、上記(ii)の方法が推奨される。
上記成分(A)、及び成分(B)及び成分(C)の混合方法としては、例えば、次の方法が例示される。但し、成分(A)及び成分(B)、成分(A)及び成分(C)は必ずしも同じ方法で混合する必要はなく、例えば、最初に2つの成分を(i)、(iii)及び(iv)の方法で混合後、更に残りの成分を(ii)の方法で混合する方法などが例示される:
(i) 従来公知の一般式(1)で表されるジアセタール製造方法(例えば特開平2−231488号公報に記載の方法)に従って、当該ジアセタールを製造する過程で、必要に応じて予め粉砕された成分(B)、及び成分(C)を個別にまたは同時に混合する方法、
(ii) 必要に応じて予め粉砕された成分(A)、必要に応じて予め粉砕された成分(B)、及び成分(C)を公知の混合装置を用いて粉体混合(ドライブレンド)する方法、
(iii) メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類や水等の分散媒に、成分(A)、成分(B)、成分(C)を入れ、室温若しくは加温下で攪拌して混合してスラリー状若しくは膨潤した状態にした後、該分散媒を留去する方法、
(iv) メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類や水等の分散媒に、成分(A)を入れて室温若しくは加温下で攪拌してスラリー状若しくは膨潤した状態にした後、成分(B)、及び/又は成分(C)をそのまま或いはメタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類や水等の溶液状態で添加して混合し、次いで該分散媒を留去する方法。
なお、(i)の混合方法における成分(B)の添加時期は、ソルビトールと当該ベンズアルデヒド類とのジアセタール化反応終了後で、当該反応系が中性状態にある時が好ましい。また、(iii)及び(iv)の混合方法における分散媒の使用量は、成分(A)10重量部に対して、好ましくは5〜200重量部程度、より好ましくは10〜100重量部程度である。分散媒存在下の混合温度は、通常20〜100℃程度、好ましくは50〜80℃程度が挙げられる。
好ましいジアセタール含有組成物の製造方法としては、成分(A)及び成分(C)を上記(i)、(iii)及び(iv)の方法で混合し、続いて成分(B)を上記(ii)の方法で混合する方法が推奨される。
3.ジアセタールの流動性を向上させる方法
本発明は、成分(A)に対して、成分(B)、及び成分(C)(又は、成分(A’)に対して、成分(B’)、及び成分(C’))を配合することによって、ジアセタールの流動性を向上させる方法にも関する。前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)(又は、成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’))は、前記の「1.ジアセタール含有組成物」で挙げられたものと同様の成分のものが挙げられ、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)(又は、成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’))の各種配合量、並びに配合割合は、前記の「1.ジアセタール含有組成物」で挙げられた各種含有量、及び含有割合と同じである。
前記成分(A)に対して、成分(B)、及び成分(C)(又は、成分(A’)に対して、成分(B’)、及び成分(C’))を配合することによって、粉体流動性を向上させることができ、成分(A)のジアセタールに特有の課題である、原料供給の際の、配管内、供給ホッパー内、フィーダー内等における付着、ブリッジング等を抑制することができる。
4.ポリオレフィン樹脂組成物
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ジアセタール含有組成物、及びポリオレフィン樹脂を含有する。
ジアセタール含有組成物は、前記「1.ジアセタール含有組成物」で挙げられた成分(A)及び成分(B)、或いは、成分(A)、成分(B)及び成分(C)(又は、成分(A’)及び成分(B’)、或いは、成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’))と同様の成分、並びにこれらの成分と同様の含有量及び含有割合を有するジアセタール含有組成物が挙げられる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂が例示される。
具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上、好ましくは70重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。
上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示できる。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01〜200g/10分程度、好ましくは0.05〜100g/10分程度が推奨される。
ポリオレフィン樹脂100重量部に対するジアセタール含有組成物の含有量は、0.05〜0.4重量部程度が好ましく、0.1〜0.3重量部程度がより好ましく、0.15〜0.25重量部程度がさらに好ましい。ジアセタール含有組成物の含有量を0.05重量部以上に設定することにより、核剤効果が大きくなり、透明性の向上、機械的性質の向上等の樹脂改質効果が発現し易くなる。一方、ジアセタール含有組成物の含有量を0.4重量部以下で配合することにより、成形体の透明性の悪化の原因とはならず、かつ経済的観点からも良好である。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を添加したものであってもよい。
かかるポリオレフィン樹脂組成物に含まれる添加剤としては、前記、「1−4.その他の成分」で挙げられたものと同様のものを使用することができる。
具体的には、蛍光増白剤(2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
これらの任意の添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.005〜100重量部程度、より好ましくは0.01〜50重量部程度で使用される。
特に、前記酸化防止剤は、本発明のジアセタール含有組成物の貯蔵安定性を向上させる効果も有している。該貯蔵安定性の向上を目的として当該酸化防止剤を使用する場合、その使用量は、上記成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.03〜3重量部である。
かかる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が例示される。中でも、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが推奨される。
これら任意の添加剤を配合する場合、実用レベルで均一に混合できれば特に混合方法は限定されず、例えば上記のようにドライブレンドして均一な混合物を製造する方法が例示される。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の好ましい組み合わせとしては、ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロプレン系樹脂及びポリブテン系樹脂が例示され、より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等と、ジアセタール含有組成物の組み合わせとして、前記の「1−5.ジアセタール含有組成物の好ましい組み合わせ」で挙げられた成分(A’)、成分(B’)、及び成分(C’)を含むジアセタール含有組成物の組み合わせであることが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂組成物は、ジアセタール含有組成物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプであってもよく、該ジアセタール含有組成物の含有量としては、特に制限はないが、該ジアセタール含有組成物が、ポリオレフィン樹脂組成物中に、通常、2〜20重量%程度含まれており、好ましくは、3〜15重量%である。
5.ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法としては、例えば、次の方法が例示できる:
(a)ポリオレフィン樹脂、及び本発明のジアセタール含有組成物を混合する工程を備えるポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法、具体的には、ポリオレフィン樹脂(粉末、顆粒、フレーク又はペレット)と、本発明のジアセタール含有組成物及び必要に応じて前記の添加剤を、慣用の混合機を用いて混合してドライブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法、
(b)このドライブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を混練り機で溶融混練する工程、得られた溶融混練物を押出機によって押し出し、ストランドを得る工程、得られたストランドを冷却する工程、及び冷却されたストランドをカッティングしてペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を製造する工程を備えるポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法、具体的には、このドライブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を、慣用の混練り機、例えば一軸、二軸の押し出し機等を用いて、所望の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、次いで冷却されたストランドをカッティングしてペレットタイプのポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法、
(c)ポリオレフィン樹脂組成物が、ジアセタール含有組成物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプであるポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法、ここで該ジアセタール含有組成物の含有量としては、特に制限はないが、該ジアセタール含有組成物が、ポリオレフィン樹脂組成物中に、通常2〜20重量%程度含まれており、好ましくは、3〜15重量%である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物におけるジアセタール含有組成物の配合量、及び配合割合は、前記「4.ポリオレフィン樹脂組成物」におけるジアセタール含有組成物の含有量、及び含有割合と同じである。
6.樹脂成形体
本発明の樹脂成形体は、上記本発明のポリオレフィン樹脂組成物を慣用されている成形法に従って成形することにより得られる。本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を成形するに際しては、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。成形条件としては、従来採用されている条件が広い範囲から適宜選択できる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、従来、ジアセタールを核剤として配合してなるポリオレフィン樹脂組成物が用いられてきた分野と同様の分野において適用され、成形体とされる。
樹脂成形体中におけるジアセタール含有組成物の使用量は、樹脂100重量部に対して0.05〜0.4重量部程度が好ましく、0.1〜0.3重量部程度がより好ましく、0.15〜0.25重量部程度がさらに好ましい。これらの範囲内で配合することにより充分に本発明の効果を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.平均粒径
ジアセタールの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計(マルバーンインスツルメンツ社製、「マスターサイザー3000」)を用いて、以下の方法により決定した。まず、湿式測定セルを用い、十分に撹拌混合することで、分散剤として界面活性剤を加えた水溶液中に、試料を分散させ、続いて、得られた混合物を装置内で更に撹拌、循環させながら、超音波を当てて装置内にて十分に均一に分散させた。その後、超音波を当てながら試料の粒度分布を測定した。得られた粒度分布より体積基準累積50%粒径を求め、平均粒径とした。
また、脂肪酸金属塩の平均粒径は、上記レーザー回折式粒度分布計を用いて、以下の方法により決定した。乾式測定セルを用い、試料を空気圧3MPaで分散させることにより、試料の粒度分布を測定した。得られた粒度分布より体積基準累積50%粒径を求め、平均粒径とした。
2.粒径の均一度
脂肪酸金属塩の粒径の均一度は、上記脂肪酸金属塩の平均粒径と同様の方法にて測定した粒度分布測定結果より、体積基準累積10%粒径(D10)及び体積基準累積60%粒径(D60)を求め、その比(D60/D10)を計算し、粒径の均一度とした。D60/D10の値が1に近いほど、粒径が均一、即ち単分散に近い粒度分布を有する。
3.かさ密度の測定
漏斗をメスシリンダーの開口部上2cmとなるように、かつそれと軸が一致するように垂直に保持し、漏斗を通して100mLのメスシリンダーに下記実施例及び比較例において調製されたジアセタール含有組成物を100mLゆっくりと入れた。秤を用いてメスシリンダー内のジアセタール含有組成物の重量を0.1gの桁まで測定した。メスシリンダーをゴムシートの上5cmの高さから垂直に落下させる操作(タッピング)を50回繰り返した。メスシリンダー内のジアセタール含有組成物の容量を0.1mLの桁まで読み取り、下記式(1)を用いてかさ密度を求めた。
式(1):かさ密度=メスシリンダー内のジアセタール含有組成物の重量g/タッピング後のジアセタール含有組成物の容量mL
4.粉体流動性
下記の実施例及び比較例において、ジアセタール含有組成物の粉体流動性に関する評価として、安息角の試験、漏斗からの排出試験及びフィード送り試験を以下の方法で行った。
4−1.安息角試験(粉体流動性の評価)
25℃、湿度60%の条件下で、下記実施例及び比較例において製造されたジアセタール含有組成物1gを、一定高さ(漏斗上部までの高さが1cm)から、漏斗(直径3cm、穴の直径0.5cm)へ注ぎ、振動させずに円形台(台の直径2.5cm)の上に落下させる(漏斗の下口の直径は、0.5cmであり、下口から落下地点までの高さは3cm)。落下した円錐状の堆積物の高さを測定し、水平面と母線のなす角を計算から求め、安息角(単位:度)とした。この安息角が小さいほど粉末流動性が良いことを示す。
4−2.漏斗からの排出試験(粉体流動性の評価)
下記実施例及び比較例において製造されたジアセタール含有組成物を10g、及びポリプロピレン樹脂(エチレン含有量3.5重量%のアイソタクチックランダムポリプロピレン樹脂(MFR=7g/10分、以下、「r−PP」と略記する。))を30g、500mLビーカーに入れて、5分間攪拌した。得られた混合物を、一定高さ(漏斗の上部までの高さが5cm)から、漏斗(直径1.5cm)へ注ぎ、振動させずに落下させる。混合物が漏斗から排出されるかを評価した。
(評価)
5:混合物が全て速やかに漏斗から排出され、漏斗内壁の付着物もほとんど確認されない
4:混合物が全て漏斗から排出されるが、かすかに漏斗内壁に付着物が確認される
3:混合物がわずかに漏斗から排出されずに残るが、わずかな衝撃により残った混合物も全て排出される
2:混合物が漏斗から排出されずに残り、わずかな衝撃だけでは漏斗上に残った混合物を排出することは困難である
1:混合物が漏斗から排出されずに多量に残り、衝撃を与えても漏斗上に残った混合物を排出することは困難である
4−3.フィード送り試験(粉体流動性の評価)
下記実施例及び比較例において製造されたジアセタール含有組成物200gを二軸スクリュー型フィーダー(株式会社クボタ製KF−C2000)に投入後、モータースクリュー出力(MV)を10%に設定し、アジテーターを駆動させて該ジアセタール含有組成物を排出した。排出されたジアセタール含有組成物の量を秤量し、下記式(2)を用いて排出比を求めた。
式(2):排出比(%)={排出されたジアセタール含有組成物の重量g/投入したジアセタール含有組成物の重量(200g)}×100
図1に、2軸スクリュー型フィーダー部を模式的に表した図を示す。図1の上部は、2軸スクリュー型フィーダー部の前面図を示し、図1の下部は、上面図を示す。なお、図1中の1は、ホッパーを示し、2は、アジテーターを示し、3は、2軸型スクリューを示す。
なお、下記に示す表1及び表2において、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の種類の略記は、以下の通りである。
a1−1:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(平均粒径5μm)
a1−2:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(平均粒径3μm)
a1−3:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(平均粒径1μm)
a2−1:1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール(平均粒径10μm)
a3−1:1,3:2,4−ビス−O−(4’−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール(平均粒径10μm)
a4−1:1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(平均粒径5μm)
b1−1:ステアリン酸カルシウム(平均粒径7μm、粒径の均一度3.9、日東化成工業(株)製、Ca−St)
b1−2:ステアリン酸カルシウム(平均粒径3μm、粒径の均一度2.8)
b1−3:ステアリン酸カルシウム(平均粒径1μm、粒径の均一度2.7)
b2−1:ステアリン酸亜鉛(平均粒径5μm、粒径の均一度3.3、日東化成工業(株)製、Zn−St)
b2−2:ステアリン酸亜鉛(平均粒径3μm、粒径の均一度2.7)
b3−1:ベヘン酸カルシウム(平均粒径7μm、粒径の均一度3.5)
b4−1:ベヘン酸亜鉛(平均粒径7μm、粒径の均一度3.4)
c1−1:ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:20)ソルビタントリステアレート
製造例1
平均粒径5μmの1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(a1−1)を、ジェットミル粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製PJM‐80SP)を用いて、アジテーター回転数250rpm、空気圧0.6MPaの条件下で、室温にて粉砕し、微粉体(a1−2)を得た。
得られた1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの微粉体(a1−2)は、平均粒径3μm、かさ密度0.20g/cmであった。
製造例2
平均粒径5μmの1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(a1−1)を、ジェットミル粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製PJM‐80SP)を用いて、アジテーター回転数250rpm、空気圧0.6MPaの条件下で、室温にて粉砕し、得られた微粉体をさらに同条件にて粉砕することで、微粉体(a1−3)を得た。
得られた1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの微粉体(a1−3)は、平均粒径1μm、かさ密度0.10g/cmであった。
製造例3
平均粒径7μmのステアリン酸カルシウム(b1−1)を、ジェットミル粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製PJM‐80SP)を用いて、アジテーター回転数250rpm、空気圧0.6MPaの条件下で、室温にて粉砕し、微粉体(b1−2)を得た。
得られたステアリン酸カルシウムの微粉体(b1−2)は、平均粒径3μm、粒径の均一度(D60/D10)2.8、かさ密度0.15g/cmであった。
製造例4
平均粒径7μmのステアリン酸カルシウム(b1−1)を、ジェットミル粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製PJM‐80SP)を用いて、アジテーター回転数250rpm、空気圧0.6MPaの条件下で、室温にて粉砕し、得られた微粉体をさらに同条件にて粉砕することで、微粉体(b1−3)を得た。
得られたステアリン酸カルシウムの微粉体(b1−3)は、平均粒径1μm、粒径の均一度(D60/D10)2.7、かさ密度0.12g/cmであった。
製造例5
平均粒径7μmのステアリン酸カルシウム(b1−1)の代わりに、平均粒径5μmのステアリン酸亜鉛(b2−1)を用いた以外は製造例1と同様に行って、微粉体(b2−2)を得た。
得られたステアリン酸亜鉛の微粉体(b2−2)は、平均粒径3μm、粒径の均一度(D60/D10)2.7、かさ密度0.17g/cmであった。
実施例1〜7
成分(A)として平均粒径5μmの1,3:2,4−ビス−O−(3’,
4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール(以下、「3,4DMDBS」と略記する。a1−1)、及び成分(B)として平均粒径3μm、粒径の均一度2.8のステアリン酸カルシウム(b1−2)を表1記載の配合量となるように均一に混合し、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例8
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径1μm、粒径の均一度2.7のステアリン酸カルシウム(b1−3)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例9
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径3μm、粒径の均一度2.7のステアリン酸亜鉛(b2−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例10
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径3μmの3,4DMDBS(a1−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例11
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.9のステアリン酸カルシウム(b1−1)を用いたこと以外は、実施例10と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例12
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径1μmの3,4DMDBS(a1−3)を用いたこと以外は、実施例11と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例13
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径10μmの1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール(以下、「DBS」と略記する。a2−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例14
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径10μmの1,3:2,4−ビス−O−(4’−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール(以下、「MDBS」と略記する。a3−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例15
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径10μmの1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(a4−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例16〜18
成分(A)として平均粒径5μmの3,4DMDBS(a1−1)、成分(C)
としてポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数:20)ソルビタントリステアレート(c1−1)を表1記載の配合量となるように均一に混合後、更に成分(B)として平均粒径3μm、粒径の均一度2.8のステアリン酸カルシウム(b1−2)を表1記載の配合量となるように加えて均一に混合し、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例19
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径3μm、粒径の均一度2.7のステアリン酸亜鉛(b2−2)を用いたこと以外は、実施例17と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例20
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径3μmの3,4DMDBS(a1−2)を用いたこと以外は、実施例17と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例21
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径3μm、粒径の均一度2.7のステアリン酸亜鉛(b2−2)を用いたこと以外は、実施例20と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例22
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径10μmのDBS(a2−1)を用いたこと以外は、実施例17と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例23
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径7μmのMDBS(a3−1)を用いたこと以外は、実施例17と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
実施例24
成分(A)として、3,4DMDBS(a1−1)の代わりに平均粒径5μmの1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(a4−1)を用いたこと以外は、実施例17と同様にしてジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物を用いて、粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例1
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.9のステアリン酸カルシウム(b1−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例2
成分(B)として、ステアリン酸亜鉛(b2−2)の代わりに平均粒径5μm、粒径の均一度3.3のステアリン酸亜鉛(b2−1)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例3
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.5のベヘン酸カルシウム(b3−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例4
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.4のベヘン酸亜鉛(b4−1)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例5
成分(B)として、ステアリン酸カルシウム(b1−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.9のステアリン酸カルシウム(b1−1)を用いたこと以外は、実施例17と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例6
成分(B)として、ステアリン酸亜鉛(b2−2)の代わりに平均粒径7μm、粒径の均一度3.3のステアリン酸亜鉛(b2−1)を用いたこと以外は、実施例19と同様にして、ジアセタール含有組成物を得た。得られたジアセタール含有組成物の粉体流動性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
比較例7〜11
成分(B)を含まない成分(A)のみの粉体流動性の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
本発明のジアセタール含有組成物は、粉体流動性に優れることから、移送のための配管内、供給ホッパー内、フィーダー内等において付着、ブリッジング等を起こさず、ポリオレフィン樹脂へジアセタールを安定に供給できる。
1 ホッパー
2 アジテーター
3 2軸型スクリュー

Claims (12)

  1. 成分(A):一般式(1):
    [式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。
    は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
    m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。
    pは0又は1を示す。
    2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つの 互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
    で表される少なくとも1種のジアセタール、及び
    成分(B):C12−C22脂肪酸金属塩を含む、ジアセタール含有組成物であって、
    前記成分(A)が、平均粒径4μm以下のジアセタールであり、更に、成分(B)の含有量が、成分(A)100重量部に対して0.5〜30重量部である、ジアセタール含有組成物、及び/又は
    前記成分(B)が、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下のC12−C22脂肪酸金属塩であり、更に、成分(B)の含有量が、成分(A)100重量部に対して0.5〜30重量部である、ジアセタール含有組成物。
  2. 成分(A)が、平均粒径4μm以下のジアセタールであり、かつ
    成分(B)が、平均粒径20μm以下のC 12 −C 22 脂肪酸金属塩である、請求項1に記載のジアセタール含有組成物。
  3. 成分(A)が、平均粒径15μm以下のジアセタールであり、かつ
    成分(B)が、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下のC 12 −C 22 脂肪酸金属塩である、請求項1に記載のジアセタール含有組成物。
  4. 成分(A)が、平均粒径4μm以下のジアセタールであり、かつ
    成分(B)が、平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の均一度が3以下のC 12 −C 22 脂肪酸金属塩である、請求項1に記載のジアセタール含有組成物。
  5. 成分(B)が、C12−C22脂肪酸と、リチウム、亜鉛、マグネシウム及びカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる脂肪酸金属塩である、請求項1〜4のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
  6. 成分(B)が、C12−C22脂肪酸亜鉛塩、又はC12−C22脂肪酸カルシウム塩である、請求項1〜5のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
  7. 成分(B)が、C12−C22脂肪酸カルシウム塩である、請求項1〜のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
  8. さらに、成分(C):ソルビタンC−C22脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
  9. 成分(C)が、ポリオキシエチレンソルビタンC−C22脂肪酸トリエステルである請求項1〜のいずれかに記載のジアセタール含有組成物。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のジアセタール含有組成物及びポリオレフィン樹脂を含有するポリオレフィン樹脂組成物。
  11. 請求項10に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載のジアセタール含有組成物の製造方法であって、
    下記(工程a)〜(工程c)のいずれかの工程:
    (工程a)平均粒径4μm以下の成分(A)及び平均粒径5μm以下であり、かつ粒径の
    均一度が3以下の成分(B)を混合する工程、
    (工程b)平均粒径4μm〜15μmの範囲である成分(A)及び平均粒径5μm以下で
    あり、かつ粒径の均一度が3以下の成分(B)を混合する工程、
    (工程c)平均粒径4μm以下の成分(A)及び平均粒径5μm〜20μmの範囲である
    成分(B)を混合する工程
    を備える、ジアセタール含有組成物の製造方法。
JP2014263458A 2014-12-25 2014-12-25 ジアセタール含有組成物 Active JP6394376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014263458A JP6394376B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 ジアセタール含有組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014263458A JP6394376B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 ジアセタール含有組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016121303A JP2016121303A (ja) 2016-07-07
JP6394376B2 true JP6394376B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=56327147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014263458A Active JP6394376B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 ジアセタール含有組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6394376B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11634427B2 (en) 2016-07-29 2023-04-25 New Japan Chemical Co., Ltd. Crystal nucleating agent for polyolefin resin, method for producing crystal nucleating agent for polyolefin resin, and method for improving fluidity of crystal nucleating agent for polyolefin resin
JP6849913B2 (ja) * 2017-03-06 2021-03-31 新日本理化株式会社 流動性の改良された微粒子状ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
CN109661424B (zh) * 2016-08-25 2022-04-19 新日本理化株式会社 聚烯烃系树脂用结晶成核剂、聚烯烃系树脂用结晶成核剂的制造方法以及聚烯烃系树脂用结晶成核剂的流动性的改良方法
JP6912708B2 (ja) * 2017-05-19 2021-08-04 新日本理化株式会社 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤組成物
EP3505564B1 (en) 2016-08-25 2021-02-24 New Japan Chemical Co., Ltd. Crystal nucleator for polyolefin resins, method for producing crystal nucleator for polyolefin resins, and method for improving fluidity of crystal nucleator for polyolefin resins
JP6849912B2 (ja) * 2016-08-25 2021-03-31 新日本理化株式会社 ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性の改良方法
CN114685852A (zh) 2016-09-16 2022-07-01 新日本理化株式会社 聚烯烃系树脂用结晶成核剂及其制造和流动性改良方法、聚烯烃系树脂组合物、成型体
JP6694142B2 (ja) * 2016-09-16 2020-05-13 新日本理化株式会社 ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5198484A (en) * 1992-05-01 1993-03-30 Milliken Research Corporation Polyolefin composition containing ultrafine sorbitol and xylitol acetals
DE69818641T2 (de) * 1997-10-03 2004-07-29 New Japan Chemical Co., Ltd. Diacetalderivat, verfahren zu seiner herstellung, ein solches derivat enthaltendes keimbildungsmittel für polyolefine, polyolefinharze und formteile
JP5920524B2 (ja) * 2013-03-06 2016-05-18 新日本理化株式会社 ジアセタール含有組成物、ポリオレフィン樹脂組成物、及び樹脂成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016121303A (ja) 2016-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6394376B2 (ja) ジアセタール含有組成物
JP5920524B2 (ja) ジアセタール含有組成物、ポリオレフィン樹脂組成物、及び樹脂成形体
JP3458190B2 (ja) ジアセタール組成物、その製法、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、ポリオレフィン樹脂組成物及び成形体
KR100842164B1 (ko) 디아세탈 조성물, 상기 조성물을 포함하는 폴리올레핀용핵제, 상기 디아세탈 조성물을 포함하는 폴리올레핀 수지조성물, 상기 수지 조성물의 제조법 및 성형체
US6417254B1 (en) Particulate diacetal composition, process for producing the same, and polyolefin resin composition and molding
CN106715556B (zh) 一种颗粒状成核剂及其制备方法
JP5050486B2 (ja) 顆粒群およびその製造方法
US10894874B2 (en) Crystal nucleator for polyolefin resins, method for producing crystal nucleator for polyolefin resins, and method for improving fluidity of crystal nucleator for polyolefin resins
US20230219972A1 (en) Crystal nucleating agent for polyolefin resin, method for producing crystal nucleating agent for polyolefin resin, and method for improving fluidity of crystal nucleating agent for polyolefin resin
JP2007022924A (ja) ジアセタールから発生する臭気及び味の移行性抑制剤及び該抑制剤を含むジアセタール組成物
JP6679450B2 (ja) 流動性の改良された顆粒状ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
JP2017218471A (ja) ポリオレフィン系樹脂マスターバッチ及びその製造方法、並びに該マスターバッチを用いたポリオレフィン系樹脂成形体
JP6694139B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
JP6849913B2 (ja) 流動性の改良された微粒子状ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
JP6867593B2 (ja) 流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
CN109661424B (zh) 聚烯烃系树脂用结晶成核剂、聚烯烃系树脂用结晶成核剂的制造方法以及聚烯烃系树脂用结晶成核剂的流动性的改良方法
JP6849912B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性の改良方法
JP6912708B2 (ja) 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤組成物
JP2019011277A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6394376

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250