以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。
<通知システムの概略構成例>
図1は、通知システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示す通知システム10は、情報処理装置の一例としての管理サーバ11と、1又は複数の車両12−1〜12−3(以下、必要に応じて「車両12」という)と、運行管理者端末13とを有する。管理サーバ11と車両12とは、無線通信等に代表される通信ネットワーク14−1によりデータの送受信が可能な状態で接続されている。また、管理サーバ11と、運行管理者端末13とは、インターネットやLocal Area Network(LAN)等に代表される通信ネットワーク14−2によりデータの送受信が可能な状態で接続されている。なお、通信ネットワーク14−1,14−2は、同一のネットワークでもよい。
管理サーバ11は、各車両12から所定間隔(例えば、5〜10分等)で、送信されるドラレコ情報等の運行情報を取得する。ドラレコ情報とは、例えば車両12を識別する情報(車両ID)、Global Positioning System(GPS,全地球測位網)等を用いて取得した車両の位置情報(緯度・経度)、速度情報、時間情報等である。また、ドラレコ情報とは、例えば走行距離、エンジン回転数の変化の他、急加速や急減速検知、ドアの開閉、加速度G[CGS単位系ガル(Gal)]、等のうち、少なくとも1つを含む。なお、ドラレコ情報としては、これに限定されるものではない。加速度Gは、縦G(例えば、乗っていて発進やブレーキングの時に車の進行方向に対して身体が前後に持って行かれる力)や、横G(例えば、遠心力によって曲がっていく方向とは逆に身体を持って行かれる力)等でもよい。
また、管理サーバ11は、各車両12から収集した運行情報に対してドライバの車両12に対する所定の操作イベント(又は操作イベントの実行による車両12の挙動)が発生している部分を抽出する。ここで、操作イベントとは、例えば急ブレーキ等の減速操作であるが、これに限定されるものではなく、例えば急加速(急発進)操作や蛇行運転等のハンドル操作等でもよい。また、管理サーバ11は、操作イベントの発生地点から、その操作イベントが多く発生している多発地点の候補を集計する。本実施形態では、例えば各車両12の運行情報(走行データ等)から得られる各操作イベントの発生地点を地図上にプロットし、その発生状況に応じて順位づけされた地点から警報の出力対象とする位置を抽出する。また、集計は、例えば車両12のその操作イベントを発生後に進んだ方向(経路)毎に分けて集計する。
また、管理サーバ11は、その集計結果から、所定の操作イベントが行われた際の車両の位置(多発地点)と、その操作イベント後の進路変更の有無又は進路方向とを取得する。管理サーバ11は、取得した情報から危険等を事前に車両12のドライバや同乗者等に通知する条件(通知条件)を生成する。例えば、管理サーバ11は、取得した位置(多発地点)に接近することに加え、進路変更の有無が合致すること、又は進路変更の方向と同じ進路への走行を予定していること等を通知条件に含めて生成してもよい。通知条件は、例えば予め設定されたエリア(道路、交差点)等に応じて異なる条件が設定されてもよく、例えば車両12の種類、重量、ドライバ情報、時間帯、天候情報等に応じて異なる通知条件が設定されていてもよい。
管理サーバ11は、生成した通知条件や経路情報、通知データ等を車両12に出力する。経路情報とは、例えば車両12の走行予定経路を示す情報である。通知データとは、例えば走行している車両12が通知条件を満たす場合にドライバに通知する内容を示す情報である。この通知は、例えば車両12が、例えば多発地点に向かっている少し前の段階で警報やアラーム等によりユーザに注意を喚起するために行うものである。上述した通知条件を用いて車両の走行状況を判定することで、より高精度に条件に適合した車両12に精度よく通知を行うことができる。
管理サーバ11は、Personal Computer(PC)やサーバ等であるが、これに限定されるものではなく、例えば少なくとも1つの情報処理装置を有するクラウドコンピューティングにより構成されたクラウドサーバ等でもよい。
車両12は、走行状況を計測する車載装置20を有する。車両12は、図1に示すようにトラック12−1やバス12−2、タクシー12−3等の商用自動車であるが、数や種類についてはこれに限定されるものではなく、例えば一般自動車、オートバイ等の二輪車等でもよい。車載装置20は、ドラレコ等の運行記録用計器が搭載されており、運転時(走行時、停止時を含む)に所定時間(例えば、1〜5秒)毎に走行状況をメモリ等の記録部に記録する。
車載装置20は、記録したドラレコ情報(運行情報)を所定時間(例えば、1〜10分)毎に通信ネットワーク14−1を介して管理サーバ11に送信する。なお、車載装置20は、管理サーバ11からの送信要求があった場合に、それまで記録されたドラレコ情報を管理サーバ11に送信してもよい。
また、車載装置20は、通信ネットワーク14−1を介して管理サーバ11から通知条件や経路情報、通知データ等を取得する。車載装置20は、ドライバによる車両12の運転開始時(例えば、エンジン駆動開始時)等において、通信ネットワーク14−1を介して管理サーバ11に上述した各情報(通知条件、経路情報、通知データ等)の取得要求を行う。また、車載装置20は、取得要求により取得した各種情報を記憶部等に記憶する。
車載装置20は、車両12の走行位置や走行方向等を取得し、車両12が通知条件として記憶された所定のエリア(地点)に接近したか否かを判断すると共に、その所定のエリアへの進入後の予定進路が、所定の進路に向かう場合に、車両12内でドライバ等に通知を行う。
車両12内でのドライバ等(例えば、同乗者も含む)への通知は、例えばドラレコに設けられるスピーカにより所定の音声メッセージが出力されてもよく、車両12に搭載されたカーナビゲーションシステム等の表示部の画面に危険を通知するメッセージが表示されてもよい。通知方法については、これに限定されるものではない。
車載装置20は、例えばカーナビゲーションシステム等と一体に構成されていてもよく、別体に構成されていてもよい。また、車載装置20は、車両12に内蔵されていてもよく、車両12に着脱可能に設置されていてもよい。
運行管理者端末13は、通信ネットワーク14−2を介して管理サーバ11と接続し、集計された車両12毎のドラレコ情報(運行情報)や所定の操作イベント(例えば、急ブレーキ、急加速、急ハンドル等)毎の発生多発地点の情報等を表示部の画面に表示する。なお、運行管理者端末13は、例えばPC等であるが、これに限定されるものではなく、タブレット端末やスマートフォン、携帯電話等の情報通信端末でもよい。
なお、運行管理者端末13が有する各機能は、管理サーバ11に設けられていてもよく、管理サーバ11が有する各機能は、運行管理者端末13に設けられていてもよい。つまり、管理サーバ11と運行管理者端末13とは一体に構成されていてもよい。
<管理サーバ11の機能構成例>
次に、上述した通知システム10における管理サーバ11の機能構成例について説明する。図2は、管理サーバの機能構成の一例を示す図である。図2の例に示す管理サーバ11は、運行情報受信部21と、集計部22と、通知条件生成部23と、送信部24と、天候情報取得部25と、記憶部26とを有する。記憶部26は、運行情報31と、道路情報32と、集計結果33と、通知条件34と、車両情報35と、ドライバ情報36と、天候情報37とを有する。
運行情報受信部21は、通信ネットワーク14−1を介して、1又は複数の車両12毎に記憶された運行情報31を受信する。受信した運行情報31は、記憶部26に記憶される。したがって、記憶部26に記憶される運行情報31は、1又は複数の車両12から得られる運行情報の集合である。
集計部22は、記憶部26に記憶された運行情報31を用いて、データの集計を行う。例えば、集計部22は、運行情報31に含まる車両毎の走行位置と、単位時間毎の位置の変位から走行速度を検出する。また、集計部22は、走行位置と走行速度との変位量(例えば、減速幅等)に基づいて、ドライバが車両12に対して所定の操作イベントを行った位置とその回数等をカウントする。所定の操作イベントとは、例えば急ブレーキ等の減速操作や、急発進等の加速操作、蛇行運転等のハンドル操作等があるが、これに限定されるものではない。例えば、集計部22は、所定距離あたりに所定値以上減速している場合には、急ブレーキの操作イベントが発生したと判断し、所定距離あたりに所定値以上加速している場合には、急発進の操作イベントが発生したと判断する。また、集計部22は、例えば運行情報31から得られる車両12に対する前後方向の加速度G値が、所定値以上である場合に、その方向(前又は後)に応じて急ブレーキ、急発進の操作イベントを判断してもよい。また、集計部22は、車両に対する横方向の加速度G値が、所定値以上である場合に、蛇行運転等のハンドル操作等を判断してもよい。
また、集計部22は、所定の操作イベントが行われた際の車両12の位置だけでなく、その操作イベント後の車両12の進路変更の有無や進路方向等に基づいて分類してカウントを行ってもよい。また、集計部22は、例えば記憶部26に記憶された車両情報35を参照し、その車両IDに対応する車種や車重等に基づいて集計してもよい。また、集計部22は、例えば車両12を運転しているドライバ情報36に基づいてドライバ毎に集計してもよい。また、集計部22は、例えば天候情報37に基づいて天候毎に分類して集計してもよい。天候情報37は、例えば通信ネットワーク14−2を介して接続される外部サーバ(例えば、気象庁等)から、運転時の地域毎の実際の天候、及びこれから運転する地域の運転経路に対応させた時間の天候予報を取得することができるが、これに限定されるものではない。また、集計部22は、例えば時間帯毎に集計してもよく、上述した各種集計のうち、複数を組み合わせてもよい。集計部22により集計された集計結果33は、記憶部26に記憶される。
通知条件生成部23は、集計部22による集計結果33に基づいて、通知条件を生成する。例えば、通知条件生成部23は、車両12に対する操作イベントとして急ブレーキ発生箇所を集計した場合には、その集計結果をから、急ブレーキの発生回数が所定数以上であった地点を多発地点として抽出する。また、通知条件生成部23は、車両12の運行情報(走行データ)に基づいて、例えば急ブレーキ等の減速操作が行われた際の車両12の位置と、その減速操作後の進路変更の有無や進路方向を抽出する。通知条件生成部23は、抽出した多発地点の位置に接近することに加え、車両12の進路変更の有無が合致すること、又は進路変更の方向と同じ進路への走行を予定していること等を通知条件34に含むようにする。
なお、通知条件生成部23で生成される通知条件34は、集計部22により分類して集計したそれぞれの集計結果に対応させて、例えば車両情報35やドライバ情報36、天候情報37等に対応する各識別情報(例えば、車種、ドライバID、天候種別)毎の通知条件を有してもよい。
なお、通知条件生成部23は、予め設定されたタイミング(例えば、所定の日毎、週間毎、月毎、年毎)に実施される。設定された通知条件34は、記憶部26に記憶される。
送信部24は、車両12から通信ネットワーク14−1を介して受信した通知条件34の取得要求(問い合わせ)に対して、記憶部26から通知条件34を抽出し、要求のあった車両12に送信する。送信部24は、運行情報31や通知条件34等の情報を通信ネットワーク14−2を介して運行管理者端末13に送信する。これにより、運行管理者は、運行管理者端末13から取得した各車両12の運行情報31や通知条件34等を表示して確認することができる。
なお、送信部24は、取得要求のあった車両12のIDに対応する車両情報35を記憶部26から取得し、取得した車両情報に対応する通知条件を抽出して、車両12に送信してもよい。
天候情報取得部25は、例えば通信ネットワーク14−2を介して接続される外部サーバ(例えば、気象庁等)から運転時の地域毎の実際の天候、及びこれから運転する地域の運転経路に対応させた時間の天候予報を取得する。天候情報取得部25による天候情報の取得方法は、これに限定されるものではなく、例えば運行情報31に含まれる湿度や温度等に応じて天候を推定してもよい。例えば、湿度が低く温度が高い場合には天候を晴れとし、湿度も温度も高い場合には天候を雨とし、湿度が高く温度が低い場合には天候を雪とすることができるが、これに限定されるものではない。取得した天候情報37は、記憶部26に記憶される。
記憶部26は、各種情報の読み出しや書き込みを行う。なお、記憶部26に記憶される情報は、運行情報31と、道路情報32と、集計結果33と、通知条件34と、車両情報35と、ドライバ情報36と、天候情報37とのうち、少なくとも1つの情報であるが、これに限定されるものではない。例えば、記憶部26は、集計部22による集計結果や送信部24による送信結果等を記憶してもよい。
本実施形態では、上述した管理サーバ11の構成により車両12毎に適切な通知条件を生成し、生成された通知条件を用いて、各車両12の位置、進路変更の有無、進路方向等に応じた適切な通知を行うことで、通知精度を向上させることができる。
<車両12の機能構成例>
次に、上述した通知システム10における車両12に搭載される装置(車載装置20)の機能構成例について図を用いて説明する。図3は、車載装置の機能構成の一例を示す図である。図3の例において、車載装置20は、車両電源制御検知部41と、通知条件取得部42と、運行情報取得部43と、走行状況判定部44と、通知部45と、運行情報送信部46と、記憶部47とを有する。なお、記憶部47は、通知条件51と、運行情報52と、経路情報53と、通知データ54とを有する。
車両電源制御検知部41は、車両12に対して、運転キーを用いてバッテリー電源のON/OFFの制御を検知する。車両電源制御検知部41における電源のONにより、通知条件51の取得や運行情報52の取得、記憶、送信等が実行される。
通知条件取得部42は、車両電源制御検知部41が、車両12の電源のONを検知すると、通信ネットワーク14−1を介して管理サーバ11に対して通知条件51の問い合わせを行い、管理サーバ11から最新の通知条件51を取得する。
なお、通知条件取得部42は、通知条件の問い合わせを所定期間毎に1回問い合わせすればよく、例えば車両の電源がONになる毎、つまり一日に数回問い合わせを行わなくてもよい。したがって、通知条件取得部42は、例えば一日の最初の電源ONを検知した場合、又は、所定日数経過後に電源ONを検知した場合に、通知条件51を問い合わせてもよい。更に、通知条件取得部42は、問い合わせに関係なく、管理サーバ11が更新を行った直後に自動送信された通知条件を受信してもよい。
ここで、通知条件取得部42は、問い合わせ時に、車両12の識別情報(例えば、車両ID)やドライバ情報等を送信することもできる。また、通知条件取得部42は、通知条件51以外にも、これから車両12が走行する予定が示された経路情報53や通知データ54を取得してもよい。取得した最新の通知条件51等の情報は、記憶部47に記憶される。
運行情報取得部43は、車両12の運転時の情報(運行情報)を取得する。運行情報52とは、所定時間(例えば、1〜3秒)毎の時間、位置(緯度、経度)、走行速度等であるが、これに限定されるものではない。運行情報52は、例えば上述したドラレコ情報等から取得することができるが、これに限定されるものではない。取得した運行情報52は、記憶部47に記憶される。
走行状況判定部44は、例えば所定時間毎に取得される運行情報52から得られる現在の走行状況及び経路情報53から得られる今後の進路(予定進路)と、通知条件51とを比較する。また、走行状況判定部44は、通知条件51で設定された所定の条件を満たした場合に、通知部45により車両12内で通知を行う。例えば、走行状況判定部44は、車両12が通知条件51に含まれる所定のエリア(例えば、急ブレーキ多発地点)に接近したことを取得し、更に経路情報53を参照して、所定のエリアへの進入後の予定進路が、記憶された所定の進路と合致する場合に、通知部45により車両12内で通知を行わせる。
ここで、経路情報53は、管理サーバ11から取得するだけでなく、例えばドライバが車両12に搭載されたカーナビゲーションシステム等により行き先設定等を行った場合に、設定された行き先と予め記憶された地図情報等とから経路情報53を生成してもよい。また、経路情報53は、巡回バス等のように予め経路が設定されている場合には、その情報が予め記憶されていてもよい。
通知部45は、走行状況判定部44による判定結果に対応した情報を、車両12のドライバや同乗者等に通知する。なお、通知部45は、車両12内に設けられたスピーカ等から音声により通知してもよく、また車両12内のカーナビゲーションシステムが備える表示画面への表示により通知してもよい。
例えば、通知部45は、車両12の走行状況が衝突等の事故が起こる可能性が高い危険運転等を基準に定められた通知条件51を満たす(合致する)場合に、その車両12に対して通知データ54に基づく通知を行う。通知データ54の例としては、例えば「危険運転にご注意ください。」、「急ブレーキをかける可能性が高いです。」、「運転にご注意ください」等といった、安全運転をドライバに支援するための通知内容であるが、これに限定されるものではない。例えば、通知データ54として設定された警報やアラームであってもよく、メッセージ、警報、アラームのうち、複数を組み合わせたものでもよい。
また、本実施形態では、例えば急ブレーキ後の進行方向(例えば、進路変更の方向)を条件に含めて処理を行うため、例えば「右折時にご注意下さい。」等の進行方向に合わせた通知を行ってもよい。これらのデータは、予め通知データ54に記憶される。
通知部45は、同じ通知を何度も行うことがないように、所定時間内において同一の通知を所定回数(例えば、1回)のみ行うといった通知制御を行うこともできる。
運行情報送信部46は、運行情報取得部43により取得し、記憶部47に記憶された運行情報52を所定のタイミングで通信ネットワーク14−1を介して管理サーバ11に送信する。所定のタイミングとは、例えば所定時間(例えば、5〜8分)間隔や、車両電源制御検知部41により電源がOFFになった時点、記憶部47のメモリ容量が所定値(例えば、容量全体の90%)以上になった場合等の条件を満たす場合に管理サーバ11に送信する。つまり、運行情報送信部46は、例えば1秒毎に取得した運行情報52を所定時間毎に纏めて管理サーバ11に送信する。
なお、運行情報送信部46は、管理サーバ11からの運行情報取得の問い合わせがあった場合に、それまで記憶部47に記憶された運行情報52を送信してもよい。送信される運行情報52には、どの車両から送られた運行情報であるかが管理サーバ11側で管理できるように、例えば車両IDや車両12を運転するドライバを識別する情報(ドライバID)等を付加してもよい。運行情報送信部46は、管理サーバ11に正常に送信した運行情報52を、送信後又は所定時間経過後に記憶部47から削除してもよい。
記憶部47は、各種情報の読み出しや書き込みを行う。なお、記憶部47に記憶される情報は、通知条件51と、運行情報52と、経路情報53と、通知データ54とのうち、少なくとも1つの情報であるが、これに限定されるものではなく、例えば走行状況判定部44による判定結果や、通知部45による通知結果等を含んでいてもよい。
<管理サーバ11のハードウェア構成例>
次に、上述した管理サーバ11のハードウェア構成例について、図を用いて説明する。図4は、管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図4の例において、管理サーバ11は、入力装置61と、出力装置62と、ドライブ装置63と、補助記憶装置64と、主記憶装置65と、Central Processing Unit(CPU)66と、通信装置67とを有し、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
入力装置61は、ユーザ(例えば、管理者)等が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスや、マイクロフォン等の音声入力デバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行指示、各種操作情報、ソフトウェア等を起動するための情報等の入力を受け付ける。
出力装置62は、本実施形態における処理を行うためのコンピュータ本体(管理サーバ11)を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイ等を有する。出力装置62は、CPU66が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
ここで、本実施形態において、例えばコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、記録媒体68等により提供される。記録媒体68は、ドライブ装置63にセット可能である。CPU66からの制御信号に基づき、記録媒体68に格納された実行プログラムが、記録媒体68からドライブ装置63を介して補助記憶装置64にインストールされる。
補助記憶装置64は、例えばHard Disk Drive(HDD)やSolid State Drive(SSD)等のストレージ手段等である。補助記憶装置64は、CPU66からの制御信号に基づき、本実施形態における実行プログラム(通知条件生成プログラム、送信プログラム)や、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行う。補助記憶装置64は、CPU66からの制御信号等に基づいて、記憶された各情報から必要な情報を読み出したり、書き込むことができる。
主記憶装置65は、CPU66により補助記憶装置64から読み出された実行プログラム等を格納する。主記憶装置65は、Read Only Memory(ROM)やRandom Access Memory(RAM)等である。
CPU66は、Operating System(OS)等の制御プログラム、及び主記憶装置65に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現する。プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置64から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
具体的には、CPU66は、例えば入力装置61から得られるプログラムの実行指示等に基づき、補助記憶装置64にインストールされたプログラムを実行させることにより、主記憶装置65上でプログラムに対応する処理を行う。例えば、CPU66は、実行プログラムを実行させることで、上述した運行情報受信部21による運行情報31の受信、集計部22による運行情報31の集計、通知条件生成部23による通知条件34の設定等の処理を行う。また、CPU66は、実行プログラムを実行させることで、送信部24による各種情報の送信、天候情報取得部25による天候情報37の取得等の処理を行う。CPU66における処理内容は、上述した内容に限定されるものではない。CPU66により実行された内容は、必要に応じて補助記憶装置64等に記憶される。
通信装置67は、上述した通信ネットワーク14−1,14−2を介して、他の外部装置との通信を行う。通信装置67は、CPU66からの制御信号に基づき、通信ネットワーク14−1,14−2等と接続することにより、実行プログラムやソフトウェア、設定情報等を外部装置等から取得する。また、通信装置67は、プログラムを実行することで得られた実行結果を外部装置に提供したり、本実施形態における実行プログラム自体を外部装置等に提供してもよい。
記録媒体68は、上述したように実行プログラム等が格納されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。記録媒体68は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
図4に示すハードウェア構成に実行プログラム(例えば、通知条件生成プログラム、送信プログラム等)をインストールすることで、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して本実施形態における通知条件生成処理、送信処理等を実現することができる。なお、図4に示すハードウェア構成は、管理サーバ11だけでなく、例えば運行管理者端末13にも適用することができる。
<車載装置20のハードウェア構成例>
次に、上述した車載装置20のハードウェア構成例について、図を用いて説明する。図5は、車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図5の例において、車載装置20は、入力装置71と、出力装置72と、位置センサ73と、速度センサ74と、補助記憶装置75と、主記憶装置76と、CPU77と、通信装置78と、ドライブ装置79とを有し、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
入力装置71は、ユーザ(例えば、ドライバや同乗者)等が操作する操作ボタンや、マイクロフォン等の音声入力デバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行指示、各種操作情報、ソフトウェア等を起動するための情報等の入力を受け付ける。
出力装置72は、本実施形態における処理を行うためのコンピュータ本体(車載装置20)を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイ等を有する。出力装置72は、CPU77が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
ここで、本実施形態において、例えばコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、記録媒体80等により提供される。記録媒体80は、ドライブ装置79にセット可能である。CPU77からの制御信号に基づき、記録媒体80に格納された実行プログラムが、記録媒体80からドライブ装置79を介して補助記憶装置75にインストールされる。
位置センサ73は、例えばGPS等を用いて緯度及び経度を有する位置情報を取得する。位置情報の取得方法については、これに限定されるものではない。
速度センサ74は、車両12の所定時間毎の位置の変位により、車両12の速度を取得する。速度センサ74は、例えば車両12に別途搭載されたタコメータ(回転速度計)等から取得してもよい。速度検出手法については、これに限定されるものではない。また、速度センサ74は、Gセンサ等の加速度センサにより、車両12に対する前後方向、横方向、上下方向のG値を取得してもよい。
補助記憶装置75は、例えばHDDやSSD等のストレージ手段等である。補助記憶装置75は、CPU77からの制御信号に基づき、本実施形態における実行プログラム(通知プログラム)や、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行う。補助記憶装置75は、CPU77からの制御信号等に基づいて、記憶された各情報から必要な情報を読み出したり、書き込むことができる。
主記憶装置76は、CPU77により補助記憶装置75から読み出された実行プログラム等を格納する。主記憶装置76は、ROMやRAM等である。
CPU77は、OS等の制御プログラム、及び主記憶装置76に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現する。プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置75から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
具体的には、CPU77は、例えば入力装置71から得られるプログラムの実行指示等に基づき、補助記憶装置75にインストールされたプログラムを実行させることにより、主記憶装置76上でプログラムに対応する処理を行う。例えば、CPU77は、通知プログラムを実行させることで、上述した車両電源制御検知部41による車両電源ON/OFFの検知、通知条件取得部42による通知条件51の取得、運行情報取得部43による運行情報52の取得等の処理を行う。また、CPU77は、通知プログラムを実行させることで、走行状況判定部44による走行状況判定、通知部45による通知、運行情報送信部46による送信等の処理を行う。CPU77における処理内容は、上述した内容に限定されるものではない。CPU77により実行された内容は、必要に応じて補助記憶装置75等に記憶される。
通信装置78は、上述した通信ネットワーク14−1を介して、他の外部装置との通信を行う。通信装置78は、CPU77からの制御信号に基づき、通信ネットワーク14−1等と接続することにより、実行プログラムやソフトウェア、設定情報等を外部装置等から取得する。また、通信装置78は、プログラムを実行することで得られた実行結果を外部装置に提供したり、本実施形態における実行プログラム自体を外部装置等に提供してもよい。
記録媒体80は、上述したように実行プログラム等が格納されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。記録媒体80は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
図5に示すハードウェア構成に実行プログラム(例えば、通知プログラム等)をインストールすることで、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して本実施形態における通知処理等を実現することができる。
<管理サーバ11における処理例(通知条件生成処理)>
次に、上述した管理サーバ11における処理例についてフローチャートを用いて説明する。図6は、管理サーバにおける通知条件生成処理の一例を示すフローチャートである。図6の例において、管理サーバ11の運行情報受信部21は、各車両12の運行情報を取得する(S01)。なお、S01の処理で取得した各車両12からの運行情報31は、記憶部26に記憶されてもよい。
次に、管理サーバ11の集計部22は、S01の処理で取得した運行情報に基づいて所定条件での集計を行う(S02)。S02の処理で取得した集計結果33は、記憶部26に記憶されてもよい。S02の集計処理の具体例については、後述する。
次に、管理サーバ11の通知条件生成部23は、S02の処理で得られた集計結果33に基づいて通知条件を生成する。例えば、通知条件生成部23は、集計処理で得られた集計結果33から、車両12に対する所定の操作イベント(例えば、急ブレーキ等の減速操作)毎に、その操作イベントの発生した地点(例えば、交差点、T字路)、及びその地点経過後の進路変更の有無や進路方向等を取得する(S03)。次に、通知条件生成部23は、S03の処理で取得した各種情報に基づき、その操作イベントの発生回数が所定数(例えば、30回等)以上のもの(多発地点)を通知条件として設定する(S04)。なお、上述した発生回数のカウントは、例えば所定期間(例えば、1週間、1ヶ月)内での発生回数である。
なお、S03の処理により通知条件生成部23で生成される通知条件34は、集計部22により分類して集計したそれぞれの集計結果に対応させて、例えば車両情報35やドライバ情報36、天候情報37等に対応する各識別情報(例えば、車種、ドライバID、天候種別)毎に通知条件を生成してもよい。
次に、通知条件生成部23は、生成した通知条件34を記憶部26に記憶し(S04)、処理終了する。これにより、本実施形態では、多発地点への接近だけでなく、車両12の進路変更の有無が合致すること、又は進路方向と同じ進路への走行を予定していること等を条件に通知するか否かを判定することができる。
なお、上述した通知条件生成処理において、S01〜S02の処理と、S03〜S04の処理とは、それぞれを分けて処理を行っていてもよい。この場合、S02の処理で得られる集計結果33は、記憶部26に記憶され、S03〜S04の実行時に参照される。
<S02:集計処理例>
次に、上述したS02における集計処理の一例についてフローチャートを用いて説明する。図7は、集計処理の一例を示すフローチャートである。図7の例において、集計部22は、上述したS01の処理により取得した運行情報31を参照し、所定の操作イベントを実行したとき(例えば、操作イベント開始時)の運行情報を1件取得する(S11)。なお、所定の操作イベントの一例としては、例えば急ブレーキ等の減速操作等があるが、これに限定されるものではない。
次に、集計部22は、取得した所定の操作イベントに対応する運行情報に含まれる位置情報(例えば、緯度/経度情報)から、所定の操作イベントを実行した場所(地点ID)を特定する(S12)。なお、地点IDは、例えば予め記憶部26に記憶された道路情報32を参照し、位置情報の位置を含む所定の領域からなる地図区画(例えば、道路区画)に対応付けられた地点IDを取得する。次に、集計部22は、特定した場所(地点ID)と、特定した場所を経過した後の進路(例えば、進路の変更の有無や進行方向等)毎に集計を行う(S13)。
次に、集計部22は、運行情報の中に未処理の操作イベントが存在するか否かを判断し(S14)、未処理の操作イベントが存在する場合(S14において、YES)、S11の処理に戻る。また、未処理の操作イベントが存在しない場合(S14において、NO)、集計結果33を記憶部26に記憶し(S15)、処理を終了する。
<管理サーバ11が有するデータ例>
次に、管理サーバ11が有するデータ例について、図を用いて説明する。図8は、管理サーバが有するデータ例を示す図である。図8(A)は運行情報31の一例を示し、図8(B)は道路情報32の一例を示し、図8(C)は所定の操作イベントの抽出データの一例を示し、図8(D)は集計結果33の一例を示す図である。
図8(A)の例に示す運行情報31の項目としては、例えば「車両ID」、「日時」、「緯度」、「経度」、「速度(km/h)」、「G値(前後)」、「G値(横)」、「G値(上下)」等があるが、これに限定されるものではない。
車両IDは、各車両を識別するための情報である。管理サーバ11が有する運行情報31は、設定された管理下にある1又は複数の車両12の運行情報が記憶される。
日時は、1件(1レコード)分の運行情報を記録したときの日時情報である。緯度、経度は、GPS等の位置センサ等から得られる日時情報に対応した位置情報である。速度は、位置情報に対応する速度センサ等から得られた車両12の速度情報である。G値(前後)、G値(横)、G値(上下)は、加速度センサ等から得られる車両12の前後方向、横方向、上下方向の加速度の大きさを示す情報である。例えば、G値(前後)の値と閾値とを比較することで、急ブレーキや急発進等の操作イベントを抽出することができる。また、例えばG値(横)の値と閾値とを比較することで、車両12の蛇行運転等を検知することができる。なお、急ブレーキ等の検知方法としては、これに限定されるものではなく、例えば所定時間や所定距離における速度の変位量(減速量)等に応じて取得することもできる。
図8(B)に示す道路情報32の項目としたは、例えば「地点ID」、「始点緯度」、「始点経度」、「終点緯度」、「終点緯度」、「終点経度」、「道路区間ID」等があるが、これに限定されるものではない。道路情報32は、例えば一般財団法人日本デジタル道路地図協会が提供する「デジタル道路地図」等を用いることができることができるが、これに限定されるものではなく、他の電子地図データ等の道路情報等を用いてもよい。
地点IDは、例えばデジタル道路地図等に割り当てられた地点又は区間を識別するための情報である。始点緯度、始点経度、終点緯度、終点経度は、その地点又は区間の範囲を指定する情報であり、それぞれの地点を囲んだ領域で表すことができる。道路区間IDは、地点IDを含む道路区間を識別するための情報である。
図8(C)の例に示す所定の操作イベントの抽出データの項目としては、例えば「イベントID」、「緯度」、「経度」、「道路区間ID」、「速度(km/h)」、「減速幅」、「進路道路区間ID」等があるが、これに限定されるものではない。なお、図8(C)の例では、所定の操作イベントが急ブレーキ等の減速操作である場合の抽出データを示しているが、これに限定されるものではない。
イベントIDは、上述した操作イベントをそれぞれ識別するための情報である。集計部22は、イベント操作が発生していると判断したときに、このイベントIDによりそれぞれのイベント操作を識別する。「緯度」、「経度」は、イベント操作が発生した位置情報である。この位置情報は、運行情報31から取得することができる。
道路区間IDは、例えば図8(B)に示す道路情報32の道路区間IDに相当する。道路区間IDは、その緯度及び経度の場所(地点)を含む道路区間を識別するための情報である。なお、区間は、道路区間でなくてもよい。速度は、所定の操作イベント発生時の速度情報である。減速幅は、例えば急ブレーキ等の減速操作に対応する操作イベントに対応した項目であり、図8(C)の例では、操作イベントの発生条件として、例えば10km/h以上の減速幅のものが抽出されている。
進路道路区間IDは、その操作イベントの発生した地点経過後の進路を識別するための情報である。このIDは、道路情報32の地点IDに対応させて設定される。上述した道路区間ID及び進路道路区間IDは、予め設定された電子地図データ等の道路情報32等を用いて、車両12の運行情報から得られる緯度・経度に対応するIDを抽出し、抽出したID情報を格納している。また、道路区間ID及び進路道路区間IDに格納する情報は、これに限定されるものではなく、例えば緯度・経度を用いた位置情報や領域情報等であってもよい。
図8(D)の例に示す集計結果33の項目としては、例えば「地点ID」、「道路区間ID」、「進路」、「進路道路区間ID」、「回数」、「通知対象」等があるが、これに限定されるものではなく、例えば「通知対象」はなくてもよい。
地点IDは、例えば図8(B)に示す道路情報32の地点IDに相当する。なお、図8(D)の集計結果33に含まれる地点IDは、所定の操作イベント(例えば、急ブレーキ等の減速操作)が発生した地点を識別するための情報である。道路区間ID及び進路道路区間IDは、上述した図8(C)に示す各区間IDと同様の情報である。
進路は、道路区間IDと進路道路区間IDとの関係から得られる進路方向の情報である。また、進路は、例えば道路区間IDに対応する道路区間を走行中の進路であるが、これに限定されるものではなく、例えば進路を変更する場合の変更先進路であってもよい。進路の情報により、進路変更の有無や進行方向を取得することができる。回数は、地点IDと、道路区間IDと、進路(又は進路道路区間ID)とが同一の抽出データをカウントした情報である。通知対象は、上記回数が所定数以上のものを通知対象として、フラグ等の情報が設定される。なお、上述した通知条件34は、図8(D)に示す集計結果33のうち、通知対象のデータのみをまとめた情報であってもよく、図8(D)に示す情報のままであってもよい。
集計部22は、例えば図8(A)に示す運行情報から所定時間(例えば、1秒単位)における速度の減速幅が、所定値(例えば、10km/h)以上の場合に、図8(C)に示すような抽出データを取得する。また、集計部22は、その後の進路情報に基づいて進路別に分類分けを行い、その集計結果33において、その回数が所定数(例えば、30回等)以上の場合を通知対象として設定し、通知条件を生成する(図8(D))。
なお、本実施形態では、例えば車両12の車種や車両12を運転するドライバ毎に通知条件等を可変に設定することができる。図9は、通知条件を可変に設定するためのデータ例を示す図である。図9(A)は、車両情報35の一例を示し、図9(B)は、ドライバ情報36の一例を示している。
図9(A)の例に示す車両情報35の項目としては、例えば「車両ID」、「車種」、「車両総重量(kg)」、「最大積載量(kg)」、「車幅(mm)」等があるが、これに限定されるものではない。車両IDは、車両12を識別するための情報である。車種は、車両の種類を示す情報である。車種としては、例えば中型車、大型車等があるが、これに限定されるものではなく、例えばバスやタクシー等の具体的な車種情報でもよい。車両総重量は、車両12の重量を示す情報である。最大積載量は、車両12が積載できる重さを示す情報である。車幅は、車両12の幅(長さ)を示す情報である。本実施形態では、通知条件を上述した車両情報35毎に分類して設定することもできる。これにより、車両毎に適切な条件で通知を行うことができる。
図9(A)に示す車両情報35を用いることで、例えば車重が重いものであれば、通常の通知タイミングよりも早めに通知を行うといった処理を行うことができる。また、一般車より大型車では、交差点の右折、左折が難しくなることから、車幅・全長により通知の有無を変更してもよい。
図9(B)の例に示すドライバ情報36の項目としては、例えば「車両ID」、「開始日時」、「終了日時」、「ドライバID」等があるが、これに限定されるものではない。例えば、ドライバ情報36として、ドライバの経験年数や性格(例えば、短気、暢気、スピード出す傾向にある人かどうか)等の情報が含まれていてもよい。
車両IDは、車両12を識別するための情報である。開始日時は、ドライバIDに対応するドライバがその車両12の利用を開始する日時情報である。また、終了日時は、ドライバIDに対応するドライバがその車両12の利用を終了する日時情報である。ドライバIDは、ドライバを識別するための情報である。
本実施形態において、例えば図1に示すようなバス12−2、タクシー12−3等の車両は、時間帯によってドライバが異なる。したがって、図9(B)に示すようなドライバ情報36により車両とドライバとを関連付けておくことで、ドライバ毎に集計を行ったり、ドライバ毎に分類して通知条件を設定することができる。これにより、ドライバ毎に適切な通知を行うことができる。
なお、ドライバに対応する通知条件の生成例としては、例えば通知する対象の回数の閾値をベテランドライバの場合(例えば、経験年数:10年以上)には、高く設定(例えば30回以上→40回以上)することができる。また、経験の浅いドライバ(例えば、経験年数:3年未満)については、通知する対象の回数の閾値を通常よりも低く設定(例えば、30回以上→20回以上)したりすることができるが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態においては、これに限定されるものではなく、右折レーン有無・歩道有無・道路幅・右折信号有無等、道路状況により通知対象とするかの重み付けを行うこともできる。例えば、進行中の道路に右折レーンがある場合の重みを「1」とし、ない場合の重みを「1.2」とする。この場合に、「回数×重み」で算出した値(危険度)が、所定数以上か否かにより、通知条件に含めるか否かを判断する。一般に、道路で右折レーンがないほうが、車線変更を強いられる等の危険度が高いため、このような道路条件に応じた重み付けを行うことで適切な通知条件を生成することができる。
また、天候情報37から得られる各地点での天候(例えば、晴れ・雨・雪等)により、例えば雨や雪の場合には視界が悪くなったり、路面が滑りやすい等の影響があることから、それぞれの重みを高くして上述した危険度を算出する等の処理を行ってもよい。また、本実施形態では、時間帯による通知条件の生成を行ってもよい。
<管理サーバ11における処理例(通知条件送信処理)>
次に、管理サーバ11から車両12に対して上述した通知条件等を送信する処理の一例についてフローチャートを用いて説明する。
図10は、管理サーバにおける通知条件送信処理の一例を示すフローチャートである。図1おの例において、管理サーバ11の送信部24は、車両12からの通知条件34の問い合わせがあったか否かを判断し(S21)、問い合わせがあった場合(S21において、YES)、記憶部26に記憶された通知条件34から、問い合わせのあった車両12の車両情報(車種、車重)、ドライバ情報、天候等に対応する通知条件(図3に示す通知条件51)を取得する(S22)。なお、通知条件51を取得する手法については、これに限定されるものではなく、例えば問い合わせのあった車両IDに対応する通知条件51のみ取得してもよい。
次に、送信部24は、S22の処理において取得した通知条件51等を問い合わせのあった車両12に送信する(S23)。なお、図10の処理では、車両12からの問い合わせにより通知条件51の送信を行ったが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、例えば定期的又は不定期で通知条件の更新が行われた場合に、各車両12に対して通知条件51の自動送信を行ってもよい。また、S23の処理において、送信部24は、通知条件51だけでなく、例えばその車両12の走行予定経路情報を有する経路情報53は、通知する内容を設定した通知データ54を送信してもよい。
<車載装置20における処理の一例>
次に、本実施形態の車載装置20における処理(通知処理)の一例について、フローチャートを用いて説明する。図11は、車載装置における処理の一例を示すフローチャートである。図11の例について、車載装置20の車両電源制御検知部41は、車両12の電源ONを検知する(S31)。車載装置20の通知条件取得部42は、S31の処理により車両12に対する電源の検知を取得すると、管理サーバ11に対して通知条件51の問い合わせを行う(S32)。
次に、通知条件取得部42は、通信ネットワーク14−1を介して通知条件51を受信する(S33)。受信した通知条件51は、記憶部47に記憶される。なお、通知条件51の問い合わせは、運転前に取得するのが好ましい。また、通知条件51は、例えば所定期間毎に1回問い合わせすればよく、例えば車両12の電源がONになる毎に毎回問い合わせを行わなくてもよい。
次に、運行情報取得部43は、ドライバが運転中の車両12の運行情報を取得する(S34)。取得した運行情報52は、記憶部47に記憶され、所定のタイミングで管理サーバ11に送信される。次に、車両12の走行状況判定部44は、現在の運行情報52及び記憶部47に記憶された経路情報53に含まれる走行予定経路と、通知条件51とを比較し(S35)、車両12の現在の走行状況(ドライバの運転)及びその後の予定経路(例えば、進路変更の有無、進路方向)は、メッセージや警報等の通知対象か否かを判断する(S36)。
なお、走行状況とは、例えば所定の操作イベントによる車両12の挙動であり、所定の操作イベントとは、上述したように、例えば急ブレーキ等の減速操作、急発進等の加速操作、蛇行運転等のハンドル操作等があるが、これに限定されるものではない。また、S36の処理では、車両12の現在の走行状況と、その後の予定経路とが、通知条件を満たす場合に、車両12内で通知を行う対象であると判断する。
走行状況判定部44は、通知対象である場合(S36において、YES)、通知部45により判定結果に対応する情報を通知させる(S37)。なお、通知内容は、記憶部47に記憶された通知データ54から取得できるが、これに限定されるものではない。また、走行状況判定部44は、通知対象でない場合(S36において、NO)、又はS37の処理後、処理を終了するか否かを判断し(S38)、処理を終了しない場合(S38において、NO)、S34の処理に戻る。なお、処理を終了するか否かの判定は、例えば車載装置20の車両電源制御検知部41が車両12の電源OFFを検知した場合等があるが、これに限定されるものではない。車載装置20は、処理を終了する場合(S38において、YES)、通知処理を終了する。
上述した処理により、車載装置20を有する車両12は、例えば所定の位置(多発地点)に接近することに加え、進路変更の有無が合致すること、又は進路変更の方向と同じ進路への走行を予定しているかが合致しているかに基づいて、適切な通知を受けることができる。これにより、ドライバは、車両12を安全に運転することができる。
<走行状況判定部44における処理例>
次に、上述した走行状況判定部44における処理の一例について、フローチャートを用いて説明する。図12は、走行状況判定部における処理の一例を示すフローチャートである。なお、図12の例では、上述したS35〜S37の処理に対応するものである。また、以下の例では、通知条件の一例として、例えば急ブレーキ等の所定の減速操作の発生する確率の高い車両12を判定する例を示すが、判定対象はこれに限定されるものではなく、他の操作イベントを対象にしてもよい。
図12の例において、走行状況判定部44は、車両12の現在の位置情報を取得する(S41)。なお、現在の位置情報とは、例えば運行情報52から取得可能な緯度・経度の情報でもよく、また、緯度・経度に対応する地点(例えば、地点Aの交差点等のある設定エリア)の情報(例えば、地点ID等)でもよい。また、位置情報とは、現在の位置からその地点(例えば、交差点)までの距離や、その地点通過後の進入方向等でもよい。
次に、走行状況判定部44は、現在の位置情報と、通知条件51とを比較し(S42)、車両12の位置が通知対象範囲内か否かを判断する(S43)。S43の処理では、例えば現在の位置が急ブレーキの多発地点として抽出された地点から所定範囲内の距離にあるか否かにより判断することができるが、これに限定されるものではない。走行状況判定部44は、その車両12が通知対象範囲内である場合(S43において、YES)、経路情報53を取得する(S44)。次に、走行状況判定部44は、経路情報53に含まれるその地点通過後の予定経路上に、通知条件51に含まれる通知対象の進路道路区間が存在するか否かを判断する(S45)。なお、S45の処理では、例えば進路変更の有無が合致しているか等の判断を行ってもよい。
走行状況判定部44は、経路上に通知対象の進路道路区間が存在する場合(S45において、YES)、ドライバへ通知すると判定する(S46)。また、走行状況判定部44は、S43の処理において、通知対象範囲内でない場合(S43において、NO)、S45の処理において、経路上に通知対象の進路道路区間が存在しない場合(S45において、NO)、又は、S16の処理後、処理を終了する。
<車両12が有するデータ例>
次に、車両12が有するデータ例について、図を用いて説明する。なお、運行情報については、上述した管理サーバ11が有する運行情報と同様の構成を用いることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。
図13は、車両が有するデータ例の一例を示す図である。図13(A)は通知条件51の一例を示し、図13(B)は、経路情報の一例を示している。
図13(A)に示す通知条件51の項目としては、例えば「地点ID」、「進路」、「進路道路区間ID」等があるが、これに限定されるものではない。図13(A)の例に示す通知条件51は、上述した図8(D)に示す情報(集計結果33)から通知対象のみを抽出したものであるが、図8(D)に示す情報そのものであってもよい。
なお、地点ID及び進路道路区間IDには、道路情報32から取得した緯度・経度の情報を含んでいてもよい。
図13(B)に示す経路情報53の項目としては、例えば「経路ID」、「シーケンスナンバ」、「道路区間ID」等があるが、これに限定されるものではない。「経路ID」には、車両12がある1つの行き先に対して設定された経路を識別するための情報である。このIDは、道路情報32の地点IDに対応させて設定される。シーケンスナンバは、経路において異なる道路区間IDを経路順に設定される番号である。つまり、車両12は、シーケンスナンバの順で各経路を走行する。したがって、例えば同一の道路区間を通過する場合(例えば、往復経路の場合)には、同一の道路区間IDに対して異なるシーケンスナンバが設定される。進行方向は、経路IDの経路を走行時の進行方向である。この経路情報53は、管理サーバ11により車両12毎に設定される。
<通知の具体例>
次に、通知の具体例について、図を用いて説明する。図14は、通知の具体例を示す図である。図14の例では、所定のエリアの一例として交差点90が示されている。図14(A)の例では、車両12a、12b、12cのそれぞれの挙動について急ブレーキの発生の状況を運行情報から取得する。
図14(A)の例では、車両12aが急ブレーキの操作イベントが発生しているが、これは建物91により見通しが悪いため、地点92−1で操作イベント(急ブレーキ等の減速操作)が発生している。この場合、「操作イベント発生後に左折している」という情報が管理サーバ11で管理される。
また、車両12cは、交差点90で右折をする際に、地点92−2で急ブレーキのイベントが生じている。これは、右折レーンが短く前方の車両12bの挙動が突然変化するために生じたものである。この場合、「操作イベント発生後に右折している」という情報が管理サーバ11で管理される。
管理サーバ11は、これらの情報を集計し、上述したように操作イベントが発生した後の車両12の進行方向等を用いて通知条件を生成する。これにより、車両12は、現在位置とこれから先の経路と通知条件とを比較して、イベント発生地点と、その地点経過後の進路変更の有無や進行方向とに基づいて、その車両12のドライバに適切に危険通知等を行うことができる。通知の内容は、予め通知データ54等に設定され、例えば「運転にご注意下さい。」等の情報を車載装置20やカーナビゲーションシステム等に表示したり、音声出力する等の処理を行うことができるが、これに限定されるものではない。
本実施形態では、図14(B)の例に示すように、急ブレーキ多発地点の集計結果に基づいて設定された通知条件を満たし、更にその後の走行経路(進行方向)93も条件に合致する場合に、対応する所定の通知を行う。図14(B)の例では、交差点90近くの急ブレーキ多発地点に接近し、更にその急ブレーキ多発地点の通過後の進行方向が北である場合を通知対象としている。なお、図14(B)の例では、急ブレーキ多発地点の通過後に、進路変更をしているため、「進路変更有り」の条件でも通知対象となる。
また、本実施形態では、急ブレーキ多発地点よりも手前(所定距離だけ前)に通知地点94を設定する。この通知地点は、車種や天候等に応じて変更することができる。これにより、本実施形態では、例えば、急ブレーキ多発地点の手前数メートルに差し掛かった時に、進路別急ブレーキ発生数が多い方向と、走行経路が合致した場合、通知を行うことができる。なお、上述した通知の具体例としては、例えば「急ブレーキにご注意ください」等の急ブレーキ等の減速操作に対する通知内容であるが、これに限定されるものではない。また、上述した処理は、他の操作イベントに対しても同様の処理により各通知条件に応じて適切な通知を行うことができる。
上述したように本実施形態によれば、管理サーバに車両毎に適切な通知条件を生成し、生成された通知条件を用いて、各車両の走行状況(現在位置、進路変更の有無、進路方向)等に応じた適切な通知を行うことで、通知精度を向上させることができる。また、ドライバに対して適切な通知を行うことができる。また、本実施形態は、ドライバだけでなく、運行管理者端末13を介して運行管理者にも通知することができる。これにより、管理する車両毎の運行状態をより適切に把握することができる。
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、上述した各実施例の一部又は全部を組み合わせることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
車両の走行経路に応じて通知を行う通知システムで用いられる通知条件を生成する際、前記車両の走行データに基づいて、所定の操作イベントが行われたときの前記車両の位置と、前記所定の操作イベントを行った後の進路変更の有無又は進路方向とを抽出し、
抽出した前記位置に接近することに加え、前記進路変更の有無が合致すること、又は前記進路変更の方向と同じ進路への走行を予定していることを含む通知条件を生成する、処理をコンピュータに実行させるための通知条件生成プログラム。
(付記2)
前記車両の走行データから、前記所定の操作イベントが行われた位置と該位置からの進行方向とに基づいて回数を集計し、
集計された前記回数が所定数以上の場合に、前記通知を行う対象として前記通知条件を生成することを特徴とする付記1に記載の通知条件生成プログラム。
(付記3)
前記所定数は、前記車両に対するドライバ情報、車両情報、及び天候情報のうち、少なくとも1つの情報に基づいて可変に設定されることを特徴とする付記2に記載の通知条件生成プログラム。
(付記4)
生成された前記通知条件を前記車両に送信することを特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の通知条件生成プログラム。
(付記5)
情報処理装置が、
車両の走行経路に応じて通知を行う通知システムで用いられる通知条件を生成する際、前記車両の走行データに基づいて、所定の操作イベントが行われたときの前記車両の位置と、前記所定の操作イベントを行った後の進路変更の有無又は進路方向とを抽出し、
抽出した前記位置に接近することに加え、前記進路変更の有無が合致すること、又は前記進路変更の方向と同じ進路への走行を予定していることを含む通知条件を生成することを特徴とする通知条件生成方法。
(付記6)
車両の走行データに基づいて所定の操作イベントが行われたときの前記車両の位置と、前記所定の操作イベントを行った後の進路変更の有無又は進路方向とを集計する集計部と、
前記集計部により得られる集計結果から、前記位置に接近することに加え、前記進路変更の有無が合致すること、又は前記進路変更の方向と同じ進路への走行を予定していることを含む通知条件を生成する通知条件生成部とを有することを特徴とする情報処理装置。
(付記7)
所定の条件を満たした場合に車両内で通知を行う車載装置において、
前記車両の走行状況に基づき、前記車両が前記所定の条件で設定された地点に接近していることに加え、前記地点を通過後の進路変更の有無が合致するか、又は前記進路変更の方向と同じ進路への走行を予定しているかが合致するかを判定する走行状況判定部と、
前記走行状況判定部により前記走行状況が合致する場合に、前記車両内で通知を行う通知部とを有することを特徴とする車載装置。