JP2004348254A - 車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システム - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な注意喚起情報を運転者に提示できる車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システムを提供する。
【解決手段】車載装置1とセンタ装置10とを備え、車載装置1の制御手段4は、車両状態・操作状態検出手段2での検出結果に基づき危険状態を判断すると、車両位置・方位検出手段3からの現在位置及び方位情報を含む車両情報をセンタ装置10に送信し、且つセンタ装置10から受信した注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に出力させる。センタ装置10の車両情報蓄積手段12は、車載装置1から受信した車両情報を蓄積し、危険領域判定手段13は、車両情報に基づく危険状態の判定結果と地図情報とにより危険領域情報を生成して危険領域情報蓄積手段15に蓄積する。注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16で危険領域情報に基づき作成された注意喚起情報を危険領域に存在する車載装置1に送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】車載装置1とセンタ装置10とを備え、車載装置1の制御手段4は、車両状態・操作状態検出手段2での検出結果に基づき危険状態を判断すると、車両位置・方位検出手段3からの現在位置及び方位情報を含む車両情報をセンタ装置10に送信し、且つセンタ装置10から受信した注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に出力させる。センタ装置10の車両情報蓄積手段12は、車載装置1から受信した車両情報を蓄積し、危険領域判定手段13は、車両情報に基づく危険状態の判定結果と地図情報とにより危険領域情報を生成して危険領域情報蓄積手段15に蓄積する。注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16で危険領域情報に基づき作成された注意喚起情報を危険領域に存在する車載装置1に送信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システムに関し、特に運転者に危険領域を走行中である旨を知らせるメッセージの精度を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両走行時に運転者の便に供する情報を出力する種々の装置が開発されている。このような装置の1つとして、事前に交通事故予測情報を提供する交通事故管理支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この交通事故管理支援システムにおいては、過去の履歴情報(事故に至るまでの車両状態や運転操作状態)が交通事故管理センタのデータベースに蓄積されている。走行中の車両に搭載された運転支援装置は、交通事故管理センタから過去の履歴情報を取得し、現在の走行状態と比較して交通事故が起こる確率を算出し、この確率に応じた警告情報(=交通事故予測情報)を音声又は画像にて運転者に通知して注意を喚起する。これにより、交通事故の発生を未然に防ごうとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−120478号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された運転支援装置では、過去の交通事故履歴だけを利用しており、交通事故に至らなかった危険状態が発生した場合の車両情報を収集していない。従って、危険度の分析に使用できる危険事例数が少なく、多種多様な実走行状態に対応していない。その結果、交通事故の起こる確率を精度よく計算できないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたもので、事故の起こる確率を高精度で計算して正確な注意喚起情報を運転者に提示できる車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載装置は、上記目的を達成するために、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された車両情報を外部に送信する通信手段とを備えているものである。
【0008】
この発明に係る車載装置は、外部から注意を喚起するための注意喚起情報を受信する通信手段と、通信手段で受信された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備えているものである。
【0009】
この発明に係る車載装置は、外部から危険領域を表す危険領域情報を受信する通信手段と、この通信手段で受信された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備えているものである。
【0010】
この発明に係るセンタ装置は、危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から通信手段を介して受信して蓄積する車両情報蓄積手段と、この蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を危険領域判定手段で生成して蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備えているものである。
【0011】
この発明に係るセンタ装置は、危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から通信手段を介して受信して蓄積する車両情報蓄積手段と、この蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を危険領域判定手段で生成して蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、通信手段は、危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を外部に送信するように構成されているものである。
【0012】
この発明に係る予防安全システムは、車載装置とセンタ装置とを備え、車載装置は、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された車両情報を第1通信手段を介してセンタ装置に送信すると共に、センタ装置から第1通信手段を介して受信した注意を喚起するための注意喚起情報に基づいてメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備え、センタ装置は、車載装置から第2通信手段を介して受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、この生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段と、蓄積された危険領域情報に基づいて注意喚起情報を作成する注意喚起情報作成手段と、車両情報に含まれる識別情報により特定される車両が危険領域に存在する場合に、該車両に第2通信手段を介して注意喚起情報を送信するための注意喚起情報送信手段とを備えているものである。
【0013】
この発明に係る予防安全システムは、車載装置とセンタ装置とを備え、車載装置は、センタ装置から第1通信手段を介して受信された危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備え、制御手段は、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成し、第1通信手段を介してセンタ装置に送信し、センタ装置は、車載装置から第2通信手段を介して受信した車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、第2通信手段は、危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を車載装置に送信するように構成されているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの構成を示すブロック図である。この予防安全システムは、車両に搭載される車載装置1とセンタ装置10とから構成されている。これら車載装置1とセンタ装置10とは、図示しない通信網により接続されている。
【0015】
(1−1)車載装置:
車載装置1は、車両に搭載されて運転者に危険領域に関する情報を提供する。この車載装置1を構成するハードウェアには、何れも図示を省略するが、マイクロコンピュータ、地図データを記憶したハードディスク等の記憶装置、各種センサ、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声出力装置、タッチパネル等の操作入力装置、携帯電話機等の通信装置等が含まれる。
【0016】
車載装置1は、上記ハードウェアを用いて実現された複数の機能ブロック、即ち、車両状態・操作状態検出手段2、車両位置・方位検出手段3、制御手段4、通信手段5及び注意喚起情報出力手段6から構成されている。
【0017】
車両状態・操作状態検出手段2は各種センサを含み、車両状態及び操作状態を検出する。車両状態には、運転操作の結果として車両に発生する車速、ABS(Anti−skid Brake System)の動作状態、トラクション制御状態、横加速度、前後加速度、エアバッグ動作状態、車間距離制御・注意喚起装置の動作状態、及び車線逸脱制御・注意喚起装置の動作状態が含まれる。また、操作状態には、運転者による操作の内容であるハンドル舵角、ブレーキ/アクセル踏み込み量、ライト/ウインカの点灯状態、シフトレバーの位置等が含まれる。この車両状態・操作状態検出手段2で検出された車両状態を表す情報及び操作状態を表す情報は制御手段4に送られる。
【0018】
車両位置・方位検出手段3は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロ等の方位センサ、速度センサ等から構成されており、車両の現在位置及び進行方位を検出する。この車両位置・方位検出手段3で検出された車両の現在位置は、例えば緯度と経度とで表された現在位置データとして制御手段4に送られ、進行方位は、例えば真北を0度として時計回りの角度で表された方位データとして制御手段4に送られる。
【0019】
制御手段4は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、記憶装置を参照しながら車載装置1の全体を制御する。例えば、制御手段4は、車両位置・方位検出手段3からの現在位置データ及び方位データに、車載装置1を識別するための識別情報を付加した車両情報を生成して通信手段5に送る。この制御手段4で実行される処理については、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0020】
通信手段5は、例えば携帯電話機から構成されており、センタ装置10との間で図示しない通信網を介して通信を行う。具体的には、通信手段5は、制御手段4から送られてくる車両情報をセンタ装置10に送信する。また、通信手段5は、センタ装置10から送信される注意喚起情報を受信して制御手段4に送る。この通信手段5で使用されるプロトコルとしては、例えばTCP/IP又はUDP/IPを用いることができる。
【0021】
注意喚起情報出力手段6は、制御手段4から送られてくる注意喚起情報に従って、運転者の注意を喚起するためのメッセージを出力する。この注意喚起情報出力手段6としては、注意喚起情報に基づいて作成された文字メッセージを出力する表示装置(図示しない)及び注意喚起情報を音声合成して生成された音声信号に基づいて音声メッセージを出力する音声出力装置(図示しない)の少なくとも1つから構成できる。
【0022】
(1−2)センタ装置:
センタ装置10は、情報配信センタ等に設置され、注意喚起情報を生成して車載装置1に配信する。このセンタ装置10を構成するハードウェアには、何れも図示を省略するが、ルータやHUB等から成る通信機群、及び、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ又はワークステーションといったコンピュータが含まれる。
【0023】
センタ装置10は、上記ハードウェアを用いて実現された複数の機能ブロック、即ち、通信手段11、車両情報蓄積手段12、危険領域判定手段13、地図情報取得手段14、危険領域情報蓄積手段15、注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17から構成されている。
【0024】
通信手段11は、車載装置1との間で図示しない通信網を介して通信を行う。具体的には、通信手段11は、車載装置1から受信した車両情報を車両情報蓄積手段12に送る。また、通信手段11は、注意喚起情報送信手段17から送られてくる注意喚起情報を車載装置1に送信する。この通信手段11で使用されるプロトコルとしては、例えばTCP/IP又はUDP/IPを用いることができる。
【0025】
車両情報蓄積手段12は、車載装置1から通信手段11を経由して受信した車両情報を図示しない内部メモリに蓄積する。この車両情報蓄積手段12の内部メモリに蓄積された車両情報は、危険領域判定手段13及び注意喚起情報送信手段17によって読み出される。
【0026】
危険領域判定手段13は、車両情報蓄積手段12から読み出した車両情報及び地図情報取得手段14で取得した地図情報に基づいて、地図上における危険領域を判定する。この危険領域判定手段13における判定によって得られた危険領域情報は、危険領域情報蓄積手段15に送られる。
【0027】
地図情報取得手段14は、危険領域判定手段13の要求に応答して、例えば図示しない地図データベースから地図情報を取得して危険領域判定手段13に送る。
【0028】
危険領域情報蓄積手段15は、危険領域判定手段13から送られてくる危険領域情報を図示しないファイルやデータベースに蓄積する。この危険領域情報蓄積手段15に蓄積された危険領域情報は、注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17から読み出される。
【0029】
注意喚起情報作成手段16は、注意喚起情報送信手段17からの指示に応答して、危険領域情報蓄積手段15から危険領域情報を読み出し、注意を喚起するための注意喚起情報を作成する。この注意喚起情報作成手段16で作成された注意喚起情報は、注意喚起情報送信手段17に送られる。
【0030】
注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積されている危険領域情報によって示される危険領域内に、車両情報蓄積手段12に蓄積されている車両情報に含まれる識別情報によって特定される車両が存在するかどうかを調べる。また、注意喚起情報送信手段17は、車両が危険領域内に存在する場合に、注意喚起情報作成手段16に対して注意喚起情報の作成を指示し、この指示に応答して注意喚起情報作成手段16から送られてくる注意喚起情報を通信手段11に送る。
【0031】
(1−3)動作:
次に、以上のように構成される、この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの動作を説明する。
【0032】
図2は、この実施の形態1に係る予防安全システムにおいて実行される車両情報の収集処理及び危険領域判定処理を示すフローチャートである。より詳しくは、図2(A)は、車載装置1が実行する車両情報の収集処理を示し、図2(B)は、センタ装置10が実行する危険領域判定処理を示す。
【0033】
図4は、この発明に係る予防安全システムにおいて実行される注意喚起情報送信処理及び注意喚起情報出力処理を示すフローチャートであり、図4(A)は、センタ装置10で実行される注意喚起情報送信処理を示し、図4(B)は、車載装置1で実行される注意喚起情報出力処理を示す。以下、各処理について詳細に説明する。
【0034】
(1−3−1)車両情報の収集処理:
先ず、車載装置1で実行される車両情報の収集処理を、図2(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0035】
この車両情報の収集処理においては、先ず、車載装置1の制御手段4は、車両状態・操作状態検出手段2からABSの動作状態を表す情報を取得する(ステップST1)。ABSの動作状態を表す情報は、動作中又は非動作中の何れであるかを表すデータから構成されている。
【0036】
次いで、制御手段4は、取得したABSの動作状態を表す情報を参照することにより、ABSが動作中であるかどうかを調べる(ステップST2)。ここで、ABSが動作中でないことが判断されると、車両は危険状態にないことが認識され、シーケンスはステップST1に戻る。一方、ABSが動作中であることが判断されると、車両は危険状態にあることが認識され、シーケンスはステップST3に進む。
【0037】
ステップST3では、制御手段4は、車両位置・方位検出手段3から車両の現在位置データ及び方位データを取得する。次いで、車両情報がセンタ装置10に送信される(ステップST4)。具体的には、制御手段4は、ステップST3で受け取った現在位置データ及び方位データに、車載装置1を識別するための識別情報を付加して車両情報を生成し、通信手段5に送る。通信手段5は、受け取った車両情報をセンタ装置10に送信する。識別情報としては、通信プロトコルとしてTCP/IP又はUDP/IPが用いられる場合は、IPアドレスを使用できる。その後、シーケンスはステップST1に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0038】
(1−3−2)危険領域判定処理:
次に、センタ装置10で実行される危険領域判定処理を、図2(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
この危険領域判定処理では、先ず、センタ装置10の車両情報蓄積手段12は、車載装置1から通信手段11を経由して送られてくる車両情報の取得を試みる(ステップST10)。次いで、車両情報蓄積手段12は、車両情報を受信したかどうかを調べる(ステップST11)。ここで、車両情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST10に戻り、再度、車両情報の取得が試みられる。一方、車両情報を受信したことが判断されると、シーケンスはステップST12に進む。
【0040】
ステップST12では、車両情報蓄積手段12は、受信した車両情報を図示しない内部メモリに蓄積すると共に、危険領域判定手段13に送る。次いで、危険領域判定手段13は、車両情報蓄積手段12から受け取った車両情報に含まれる現在位置データによって示される位置の周囲の必要な範囲の地図情報を地図情報取得手段14から取得する(ステップST13)。
【0041】
次いで、危険領域判定手段13は、車両情報と地図情報とに基づいて、危険状態が発生した地点を算出する(ステップST14)。ここで、危険状態が発生した地点の具体的な算出方法を説明する。図3は、地図情報を表す図である。図中の黒丸印は道路ネットワークを構成するノード(交差点等)、黒丸印間の線分は道路ネットワークを構成するリンク、星印は車両位置、矢印は進行方位を示す。各ノードやリンクは車両位置と同様に緯度及び経度で位置が規定されているので、地図上における車両位置は容易に算出できる。図3に示した例では、危険領域判定手段13は、車両位置から車両の進行方位に向かって一定距離内に存在するノードAを、危険状態の発生地点であると判定する。
【0042】
次いで、危険領域判定手段13は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積済みの危険領域情報と今回の危険状態の発生地点を集計し、危険領域情報を更新する(ステップST15)。危険領域情報の更新は以下の方法で行うことができる。即ち、危険状態の発生地点が同一である複数の危険事例があれば、これらの危険事例をグループ化し、危険状態の発生地点を中心として、危険事例における中心から車両位置までの最大距離を半径とする円内を同一の危険領域と判定し、危険領域内の危険事例数を更新する。
【0043】
次いで、危険領域情報蓄積手段15は、上記ステップST15で更新された危険領域情報をファイルやデータベースに蓄積する(ステップST16)。その後、シーケンスはステップST10に戻る。
【0044】
(1−3−3)注意喚起情報送信処理:
次に、センタ装置10で行われる注意喚起情報送信処理を、図4(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0045】
注意喚起情報送信処理では、先ず、注意喚起情報送信手段17は、車両位置を取得する(ステップST20)。具体的には、注意喚起情報送信手段17は、車両情報蓄積手段12に蓄積されている車両位置を表す情報を読み出す。なお、複数の車両に搭載された車載装置1は、定期的、例えば1分間隔で車両位置を表す情報と識別情報とをセンタ装置10に送信し、車両情報蓄積手段12は、これらを蓄積している。
【0046】
次いで、注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積されている危険領域情報を取得する(ステップST21)。次いで、注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報で示される危険領域に車両が存在するかどうかを調べる(ステップST22)。これは、車両位置を表す情報によって示される位置が危険領域に含まれるかどうかを調べることによって行われる。
【0047】
このステップST22で、危険領域に車両が存在しないことが判断されると、シーケンスはステップST20に戻る。一方、危険領域に車両が存在することが判断されると、シーケンスはステップST23に進む。
【0048】
ステップST23では、注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16に対し、該当する危険領域を指定して注意喚起情報を作成するように指示する。注意喚起情報作成手段16は、危険領域情報蓄積手段15から該当する危険領域内で発生した危険事例数を取得し、危険度に応じた注意喚起情報を作成し、注意喚起情報送信手段17に送る。危険事例数によって区分けされている危険度と注意喚起情報の一例を図5に示す。
【0049】
次いで、注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16から取得した注意喚起情報を、識別情報を指定して該当する車両に送信するように、通信手段11に指示を出す。これにより、通信手段11は、該当車両に注意喚起情報を送信する。その後、シーケンスはステップST20に戻る。
【0050】
(1−3−4)注意喚起情報出力処理:
次に、車載装置1で行われる注意喚起情報出力処理を、図4(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
注意喚起情報出力処理では、先ず、車載装置1の制御手段4は、通信手段5を経由してセンタ装置10から送られてくる注意喚起情報の受信を試みる(ステップST30)。そして、注意喚起情報の受信がなされたかどうかを調べる(ステップST31)。ここで、注意喚起情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST30に戻り、制御手段4は、再度、注意喚起情報の受信を試みる。
【0052】
一方、ステップST31で、注意喚起情報を受信したことが判断されると、制御手段4は、注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に送る。次いで、注意喚起情報出力手段6は、注意喚起情報を文字メッセージとして表示装置(図示しない)に表示すると共に、注意喚起情報を音声メッセージとして音声出力装置(図示しない)から出力する。
【0053】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、車両状態から危険状態を検出し、この時点での車両位置と方位を用いて危険領域を判定するので、事故に至った事例だけでなく、事故に至らなかった危険な事例(こちらの方が事故例数が遙かに多いと言われている)も用いて、危険領域を判定する。従って、多数の危険事例を収集して分析することが可能になるので、従来のように事故履歴を用いて判定する場合よりも、精度よく危険領域を判定できる。
【0054】
また、車載装置1は、車両情報を通信によってリアルタイムでセンタ装置10に送信するので、センタ装置10では、危険領域情報を随時更新することが可能になり、常に最新の危険領域情報を車載装置1に配信できる。また、車載装置1は、危険状態が発生したことを判定した場合にのみ、車両情報をセンタ装置10に車両情報を送信するので、車両情報を定期的にセンタ装置に送信する場合に比べて、通信量を削減することができる。また、危険状態の判定は、十分な計算能力、情報蓄積能力を有するセンタ装置10で行われるので、多様な計算方法を用いることができ、精度良く危険状態を判定できる。
【0055】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る予防安全システムは、注意喚起情報を車載装置1で作成するようにしたものである。
【0056】
図6は、この発明の実施の形態2に係る予防安全システムの構成を示すブロック図である。以下では、上述した実施の形態1と同一又は相当する構成部分には、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0057】
(2−1)車載装置:
車載装置1の構成は、制御手段4で実行される処理の内容(詳細は後述する)を除き、実施の形態1のそれと同じである。
【0058】
(2−2)センタ装置:
センタ装置10は、実施の形態1のセンタ装置から注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17が除去され、危険領域情報蓄積手段15からの注意喚起情報は通信手段11に送られるように構成されている。
【0059】
(2−3)動作:
次に、以上のように構成されるこの発明の実施の形態2に係る予防安全システムの動作を説明する。
【0060】
図7は、この発明に係る予防安全システムにおいて実行される処理を示すフローチャートであり、図7(A)は、車載装置1が実行する危険領域情報受信処理及び注意喚起情報出力処理を示し、図7(B)は、センタ装置10が実行する危険領域情報送信処理を示す。
【0061】
なお、この実施の形態2に係る予防安全システムにおいても、車載装置1は、図2(A)のフローチャートに示す車両情報の収集処理を実行し、センタ装置10は、図2(B)のフローチャートに示す危険領域判定処理を実行する。従って、危険領域情報蓄積手段15には、危険領域情報が蓄積されている。
【0062】
(2−3−1)危険領域情報受信処理:
先ず、車載装置1で行われる危険領域情報受信処理を、図7(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
この危険領域情報受信処理では、先ず、制御手段4は、危険領域情報の取得要求を通信手段5に送る(ステップST40)。これにより、通信手段5は、危険領域情報の取得要求をセンタ装置10に送信する。次いで、制御手段4は、取得要求の送信が成功したかどうかを調べる(ステップST41)。ここで、取得要求の送信が失敗したことが判断されると、シーケンスはステップST40に戻り、危険領域情報の取得要求が再送される。一方、危険領域情報の取得要求が成功したことが判断されると、シーケンスはステップST42に進む。
【0064】
ステップST42では、通信手段5は、センタ装置10からの危険領域情報の受信を試みる。そして、危険領域情報を受信したかどうかを調べる(ステップST43)。ここで、危険領域情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST42に戻り、再度危険領域情報の受信が試みられる。一方、危険領域情報を受信したことが判断されると、シーケンスは、ステップST44以下の注意喚起情報出力処理に進む。
【0065】
(2−3−2)注意喚起情報出力処理:
次に、車載装置1で行われる注意喚起情報出力処理を、図7(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0066】
この注意喚起情報出力処理では、先ず、制御手段4は、車両位置を取得する(ステップST44)。具体的には、制御手段は、車両位置・方位検出手段3から車両の現在位置を表す現在位置データを取得する。次いで、制御手段4は、危険領域を走行中であるかどうかを調べる(ステップST45)。これは、ステップST44で取得された現在位置データで示される位置が、ステップST43で取得された危険領域情報で示される危険領域に含まれるかどうかを調べることにより行われる。
【0067】
このステップST45で、危険領域を走行中でないことが判断されると、シーケンスはステップST44に戻り、車両位置の監視が続行される。一方、危険領域を走行中であることが判断されると、シーケンスはステップST46に進む。
【0068】
ステップST46では、制御手段4は、実施の形態1における注意喚起情報作成手段16と同様の方法で、注意喚起情報を生成する。具体的には、制御手段4は、ステップST43で受信した危険領域情報に含まれる、自車が存在する危険領域内で発生した危険事例数を取得し、危険度に応じた注意喚起情報を作成する。
【0069】
次いで、制御手段4は、注意喚起情報を出力する(ステップST47)。即ち、制御手段4は、作成した注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に送る。これにより、注意喚起情報出力手段6は、注意喚起情報を文字メッセージとして表示装置(図示しない)に表示すると共に、注意喚起情報を音声メッセージとして音声出力装置(図示しない)から出力する。その後、シーケンスはステップST40に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0070】
(2−3−3)危険領域情報送信処理:
次に、センタ装置10で行われる危険領域情報送信処理を、図7(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0071】
この危険領域情報送信処理では、先ず、危険領域情報蓄積手段15は、車載装置1から危険領域情報の取得要求を受信するように通信手段11に指示する(ステップST50)。これにより通信手段11は、危険領域情報の取得要求の受信を試みる。次いで、通信手段11は、危険領域情報の取得要求があるかどうかを調べる(ステップST51)。ここで、危険領域情報の取得要求がないことが判断されると、シーケンスはステップST50に戻り、再度、危険領域情報の取得要求の受信を試みる。一方、危険領域情報の取得要求があることが判断されると、シーケンスはステップST52に進む。
【0072】
ステップST52では、危険領域情報蓄積手段15は、蓄積している危険領域情報を通信手段11へ出力する(ステップST52)。これにより、通信手段11は、危険領域情報を車載装置1に送信する。その後、シーケンスはステップST50に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0073】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。加えて、センタ装置10から車載装置1に送られる情報は注意喚起情報より情報量の少ない危険領域情報であるので、通信量を減らすことができる。
【0074】
上述した実施の形態1及び2では、車載装置1の制御手段4は、ABSが動作したかどうかによって危険状態の発生の有無を判定するように構成したが、更に、前後加速度が所定値を超えたかどうか、車速の減り方が所定値を超えたかどうか、ブレーキの踏み込み量が所定値を超えたかどうか、エアバッグが動作したかどうか、車間距離制御・注意喚起装置が動作したかどうか、車線逸脱制御・注意喚起装置が動作したかどうか、運転者の心拍数や血流の変化等を検出する運転者状態検出装置の出力が所定値を超えたかどうか等に応じて危険状態の発生の有無を判定するように構成できる。また、ハンドル舵角の変化に因る急ハンドルや、横加速度やトラクション制御に因る急激な姿勢変化(スピンした場合等)を検出し、この検出結果を上述した危険状態の有無を判定するための各要素と組み合わて危険状態を判定するように構成できる。この構成によれば、危険状態の判定精度を更に向上させることができる。
【0075】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1とセンタ装置10との間における車両情報の送受を通信により行うように構成したが、ICカード等の着脱可能な記録媒体を用いて車両情報の送受を行うように構成できる。この場合、車載装置1の制御手段4にICカード等の書き込み手段を接続して車両情報を記録し、車両情報蓄積手段12にICカード等の読み取り手段を接続して車両情報を読み取る。この構成によれば通信量を減らすことができるので、トラヒックの混雑を緩和できるという利点がある。
【0076】
また、上述した実施の形態1及び2では、制御手段4が車両状態・操作状態検出手段2から取得したABSの動作状態に基づいて危険状態の発生の有無を判定し、危険状態が発生した時点での車両位置と方位をセンタ装置10に送信するように構成したが、制御手段4が定期的に車両情報をセンタ装置10に送信し、センタ装置10が車両情報に基づいて危険状態の発生の有無を判定するように構成できる。この構成によれば、車載装置1の処理負荷を減らすことができる。
【0077】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1は、ABSが動作した時点における車両位置及び方位をセンタ装置10に送信する構成としたが、車両位置及び方位の時系列データを所定時間分だけ更新しながら蓄積しておき、ABSが動作した時に、蓄積された時系列データをセンタ装置10に送信するように構成できる。この構成によれば、センタ装置10の危険領域判定手段13は、より精度よく危険領域を判定できる。
【0078】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1は、車両状態・操作状態検出手段2で検出された車両状態及び操作状態を表す情報をセンタ装置10に送信するように構成したが、更に、エアコン等で取得できる外気温情報をセンタ装置10に送信するように構成できる。この場合、センタ装置10の危険領域判定手段13は、例えば外気温が氷点下であって橋上や下り坂でABSが動作したという条件で、路面凍結による危険状態が発生した旨を推測するように構成できる。
【0079】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を危険状態が発生した位置でグループ化するように構成したが、危険状態が発生した時間帯、曜日、天候(霧が発生しやすい場所等)、季節(冬に路面が凍結し易い場所等)に応じて危険地域をグループ化することができる。この構成によれば、よりきめ細かな注意喚起情報の出力が可能になる。
【0080】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を危険状態が発生した位置でグループ化するように構成したが、危険状態の有無の判定時におけるハンドル舵角やウインカーの点灯状態を用いて危険状態の発生原因を推測し、危険状態の原因に応じて危険地域をグループ化するように構成できる。危険状態の発生原因は、例えば左折時であれば巻き込みと推定することができ、右折時であれば右直衝突であると推定することができる。この構成によれば、よりきめ細かな注意喚起情報の出力が可能になる。
【0081】
なお、危険状態の発生原因を推定する場合、複数の車載装置1が略同時に、略同一場所(例えば交差点や急カーブ場所)で危険状態であるという判定をしたときは、危険状態の発生原因は出会い頭の衝突であると推測できる。また、交差点や急カーブでない場所で危険状態が発生した場合は、原因として子供の飛び出しが推測できる。更に、車載装置1が交差点の交通信号の点灯状態を取得する手段を備えれば、進行方向が青信号で聞け状態が発生した場合は、原因として他車両の信号無視が推測できる。
【0082】
また、上述した実施の形態1及び2では、円形の危険領域内を走行中の車両を注意喚起の対象とするように構成したが、危険領域は円形に限らず、例えば矩形等の他の形状に構成できる。
【0083】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域内を走行中の車両を注意喚起の対象と判定するように構成したが、ナビゲーション機能を備えた車載装置1を用いれば、車両位置に加え、ナビゲーション機能により得られる地図マッチング情報(どの道路上を走行中であるかを示す情報)や進行方位を用いて危険領域を通過するかどうかを予測し、危険領域を通過すると予測された場合に、注意喚起情報を出力するように構成できる。この構成によれば、不要な注意喚起が減少するので、運転の妨げにならないという利点がある。また、ナビゲーション機能により得られた経路情報を用いて、危険領域を通過する経路を有する車両に注意喚起を出力するように構成できる。
【0084】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を走行中の注意喚起の対象車両に対して注意喚起情報の出力を繰り返すように構成したが、注意喚起の対象車両が同一の危険領域内を走行中は、該車両に対して2回以上注意喚起情報を出力しないように構成できる。この構成によれば、注意喚起の対象車両が同一の危険領域内を走行中に繰り返し注意喚起情報が出力されることを防止できるので不要な注意喚起が減少し、運転の妨げにならないという利点がある。
【0085】
また、注意喚起情報を出力した注意喚起の対象車両と危険領域を記憶しておき、先に注意喚起情報を出力した注意喚起の対象車両が同一危険領域を走行した回数をカウントし、回数が所定の閾値を超えた場合に注意喚起情報を再度出力するように構成できる。この構成によれば、同一地域で頻繁に注意喚起情報が出力されないので、運転者の慣れによる注意喚起効果の低下を防止できる。この場合、閾値をランダムに変更すれば、注意喚起効果を更に長く継続させることができる。
【0086】
また、危険領域への車両の侵入方向が所定方向に合致する場合、又は侵入速度が所定の閾値より大きい場合に、注意喚起情報を出力するように構成できる。この構成によれば、同一地域で頻繁に注意喚起情報が出力されないので、運転者の慣れによる注意喚起効果の低下を防止できる。この場合、所定方向や閾値をランダムに変更すれば、注意喚起効果を更に長く継続させることができる。
【0087】
また、注意喚起情報出力手段6は、車両状態・操作状態検出手段2から取得した操作状態を表す情報に基づいて、運転者によるブレーキやハンドルの操作中であることを判断した場合、或いはウインカー動作中であることを判断した場合は注意喚起情報を出力しないように構成できる。この構成によれば、運転者が運転操作に集中すべき時に注意喚起によって運転操作が散漫になることを防止できる。
【0088】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険度に応じた注意喚起情報を生成するように構成したが、危険度が所定の閾値より大きい場合に注意喚起情報を生成し、危険度が所定の閾値以下である場合に注意喚起情報を生成しないように構成し、更に、閾値を変更可能に構成できる。この構成によれば、注意喚起情報を生成するかどうかの設定を運転者の好みに合わせて変更することができる。
【0089】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を走行中の車両に注意喚起情報を出力するように構成したが、車載装置1に迂回路ルート探索機能付きのナビゲーション装置を接続し、制御手段4が危険領域を迂回する指示をナビゲーション装置に送るように構成できる。この構成によれば、自動的に危険領域を迂回するルートが提示されるので、危険領域の走行を避けることができる。
【0090】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎に危険度を算出するように構成したが、危険領域を複数のサブ領域(例えば同心円状の領域)に分け、各サブ領域毎に危険度を算出するように構成できる。
【0091】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎の危険事例数に基づいて危険度を算出するように構成したが、危険領域の面積当たりの危険事例数に基づいて危険度を算出するように構成できる。
【0092】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎の危険事例数に基づく危険度に応じて注意喚起情報を出力するように構成したが、注意喚起情報として危険状態の原因を示すメッセージを出力するように構成できる。例えば凍結によるスリップが多発する橋上(外気温に基づいて凍結の虞があることが判断された場合)では、「橋上では凍結によるスリップに注意」というメッセージを出力するように構成できる。この構成によれば、運転者は危険原因に注意した運転が可能になる。
【0093】
更に、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1とセンタ装置10との間の通信は携帯電話を用いて行うように構成したが、車載装置1からセンタ装置10への通信には携帯電話を用い、センタ装置10から車載装置1への通信には準天頂衛星や衛星放送による放送を用いるように構成できる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことが判断された場合に車両情報を生成して外部に送信するように構成したので、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合の車両情報を外部に送信できる。その結果、外部の装置は、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算して適切な注意喚起情報を生成できる効果がある。
【0095】
この発明によれば、外部から受信された注意を喚起するための注意喚起情報に基づいて生成された注意を喚起するためのメッセージを出力するように構成したので、交通事故の起こる確率を高精度で計算することにより作成された注意喚起情報を外部から受信することにより、適切な注意喚起情報を運転者に提供できる効果がある。
【0096】
この発明によれば、外部から受信された危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成し、この生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力するように構成したので、外部の装置の処理負荷を軽減させることができる効果がある。
【0097】
この発明によれば、危険状態が発生した外部の車両から受信された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成して蓄積するように構成したので、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合車両情報の収集が可能になる。その結果、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算することができ、適切な注意喚起情報を生成できる効果がある。
【0098】
この発明によれば、危険状態が発生した外部の車両から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成して蓄積すると共に、蓄積されている危険領域情報を外部に送信するように構成したので、危険領域情報に基づいて注意喚起情報を生成する必要がなく、処理負荷が軽減される効果がある。
【0099】
この発明によれば、車載装置は、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に車両情報を生成してセンタ装置に送信すると共にセンタ装置から注意喚起情報を受信してメッセージを出力するように構成し、センタ装置は、車載装置から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成し、この生成された危険領域情報に基づいて注意喚起情報を作成して、危険領域に存在する車両に送信するように構成したので、車載装置は、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合の車両情報をセンタ装置に送信できる。その結果、センタ装置は、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算して適切な注意喚起情報を生成し、運転者に知らせることができる効果がある。
【0100】
この発明によれば、車載装置は、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に車両情報を生成してセンタ装置に送信すると共に、センタ装置から受信した危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成し、この注意喚起情報に基づいてメッセージを出力するように構成し、センタ装置は、車載装置から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域情報を生成して、危険領域に存在する車両に送信するように構成したので、センタ装置は注意喚起情報を生成する必要がなく、処理負荷が軽減される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで実行される車両情報の収集処理及び危険領域判定処理を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す車載装置の危険領域判定手段で危険状態が発生した地点を算出する動作を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで実行される注意喚起情報送信処理及び注意喚起情報出力処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで使用される危険度と注意喚起情報との関係の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る予防安全システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る予防安全システムで実行される危険領域情報受信処理、注意喚起情報出力処理及び危険領域情報送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載装置、2 車両状態・操作状態検出手段、3 車両位置・方位検出手段、4 制御手段、5 通信手段(第1通信手段)、6 注意喚起情報手段手段、10 センタ装置、11 通信手段、12 車両情報蓄積手段、13 危険領域判定手段、14 地図情報取得手段、15 危険領域情報蓄積手段、16 注意喚起情報作成手段、17 注意喚起情報送信手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システムに関し、特に運転者に危険領域を走行中である旨を知らせるメッセージの精度を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両走行時に運転者の便に供する情報を出力する種々の装置が開発されている。このような装置の1つとして、事前に交通事故予測情報を提供する交通事故管理支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この交通事故管理支援システムにおいては、過去の履歴情報(事故に至るまでの車両状態や運転操作状態)が交通事故管理センタのデータベースに蓄積されている。走行中の車両に搭載された運転支援装置は、交通事故管理センタから過去の履歴情報を取得し、現在の走行状態と比較して交通事故が起こる確率を算出し、この確率に応じた警告情報(=交通事故予測情報)を音声又は画像にて運転者に通知して注意を喚起する。これにより、交通事故の発生を未然に防ごうとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−120478号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された運転支援装置では、過去の交通事故履歴だけを利用しており、交通事故に至らなかった危険状態が発生した場合の車両情報を収集していない。従って、危険度の分析に使用できる危険事例数が少なく、多種多様な実走行状態に対応していない。その結果、交通事故の起こる確率を精度よく計算できないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたもので、事故の起こる確率を高精度で計算して正確な注意喚起情報を運転者に提示できる車載装置、センタ装置及びこれらを用いた予防安全システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載装置は、上記目的を達成するために、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された車両情報を外部に送信する通信手段とを備えているものである。
【0008】
この発明に係る車載装置は、外部から注意を喚起するための注意喚起情報を受信する通信手段と、通信手段で受信された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備えているものである。
【0009】
この発明に係る車載装置は、外部から危険領域を表す危険領域情報を受信する通信手段と、この通信手段で受信された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備えているものである。
【0010】
この発明に係るセンタ装置は、危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から通信手段を介して受信して蓄積する車両情報蓄積手段と、この蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を危険領域判定手段で生成して蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備えているものである。
【0011】
この発明に係るセンタ装置は、危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から通信手段を介して受信して蓄積する車両情報蓄積手段と、この蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を危険領域判定手段で生成して蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、通信手段は、危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を外部に送信するように構成されているものである。
【0012】
この発明に係る予防安全システムは、車載装置とセンタ装置とを備え、車載装置は、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、この制御手段で生成された車両情報を第1通信手段を介してセンタ装置に送信すると共に、センタ装置から第1通信手段を介して受信した注意を喚起するための注意喚起情報に基づいてメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備え、センタ装置は、車載装置から第2通信手段を介して受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、この生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段と、蓄積された危険領域情報に基づいて注意喚起情報を作成する注意喚起情報作成手段と、車両情報に含まれる識別情報により特定される車両が危険領域に存在する場合に、該車両に第2通信手段を介して注意喚起情報を送信するための注意喚起情報送信手段とを備えているものである。
【0013】
この発明に係る予防安全システムは、車載装置とセンタ装置とを備え、車載装置は、センタ装置から第1通信手段を介して受信された危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段とを備え、制御手段は、車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、車両位置・方位検出手段から出力される現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成し、第1通信手段を介してセンタ装置に送信し、センタ装置は、車載装置から第2通信手段を介して受信した車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、第2通信手段は、危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を車載装置に送信するように構成されているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの構成を示すブロック図である。この予防安全システムは、車両に搭載される車載装置1とセンタ装置10とから構成されている。これら車載装置1とセンタ装置10とは、図示しない通信網により接続されている。
【0015】
(1−1)車載装置:
車載装置1は、車両に搭載されて運転者に危険領域に関する情報を提供する。この車載装置1を構成するハードウェアには、何れも図示を省略するが、マイクロコンピュータ、地図データを記憶したハードディスク等の記憶装置、各種センサ、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声出力装置、タッチパネル等の操作入力装置、携帯電話機等の通信装置等が含まれる。
【0016】
車載装置1は、上記ハードウェアを用いて実現された複数の機能ブロック、即ち、車両状態・操作状態検出手段2、車両位置・方位検出手段3、制御手段4、通信手段5及び注意喚起情報出力手段6から構成されている。
【0017】
車両状態・操作状態検出手段2は各種センサを含み、車両状態及び操作状態を検出する。車両状態には、運転操作の結果として車両に発生する車速、ABS(Anti−skid Brake System)の動作状態、トラクション制御状態、横加速度、前後加速度、エアバッグ動作状態、車間距離制御・注意喚起装置の動作状態、及び車線逸脱制御・注意喚起装置の動作状態が含まれる。また、操作状態には、運転者による操作の内容であるハンドル舵角、ブレーキ/アクセル踏み込み量、ライト/ウインカの点灯状態、シフトレバーの位置等が含まれる。この車両状態・操作状態検出手段2で検出された車両状態を表す情報及び操作状態を表す情報は制御手段4に送られる。
【0018】
車両位置・方位検出手段3は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロ等の方位センサ、速度センサ等から構成されており、車両の現在位置及び進行方位を検出する。この車両位置・方位検出手段3で検出された車両の現在位置は、例えば緯度と経度とで表された現在位置データとして制御手段4に送られ、進行方位は、例えば真北を0度として時計回りの角度で表された方位データとして制御手段4に送られる。
【0019】
制御手段4は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、記憶装置を参照しながら車載装置1の全体を制御する。例えば、制御手段4は、車両位置・方位検出手段3からの現在位置データ及び方位データに、車載装置1を識別するための識別情報を付加した車両情報を生成して通信手段5に送る。この制御手段4で実行される処理については、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0020】
通信手段5は、例えば携帯電話機から構成されており、センタ装置10との間で図示しない通信網を介して通信を行う。具体的には、通信手段5は、制御手段4から送られてくる車両情報をセンタ装置10に送信する。また、通信手段5は、センタ装置10から送信される注意喚起情報を受信して制御手段4に送る。この通信手段5で使用されるプロトコルとしては、例えばTCP/IP又はUDP/IPを用いることができる。
【0021】
注意喚起情報出力手段6は、制御手段4から送られてくる注意喚起情報に従って、運転者の注意を喚起するためのメッセージを出力する。この注意喚起情報出力手段6としては、注意喚起情報に基づいて作成された文字メッセージを出力する表示装置(図示しない)及び注意喚起情報を音声合成して生成された音声信号に基づいて音声メッセージを出力する音声出力装置(図示しない)の少なくとも1つから構成できる。
【0022】
(1−2)センタ装置:
センタ装置10は、情報配信センタ等に設置され、注意喚起情報を生成して車載装置1に配信する。このセンタ装置10を構成するハードウェアには、何れも図示を省略するが、ルータやHUB等から成る通信機群、及び、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ又はワークステーションといったコンピュータが含まれる。
【0023】
センタ装置10は、上記ハードウェアを用いて実現された複数の機能ブロック、即ち、通信手段11、車両情報蓄積手段12、危険領域判定手段13、地図情報取得手段14、危険領域情報蓄積手段15、注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17から構成されている。
【0024】
通信手段11は、車載装置1との間で図示しない通信網を介して通信を行う。具体的には、通信手段11は、車載装置1から受信した車両情報を車両情報蓄積手段12に送る。また、通信手段11は、注意喚起情報送信手段17から送られてくる注意喚起情報を車載装置1に送信する。この通信手段11で使用されるプロトコルとしては、例えばTCP/IP又はUDP/IPを用いることができる。
【0025】
車両情報蓄積手段12は、車載装置1から通信手段11を経由して受信した車両情報を図示しない内部メモリに蓄積する。この車両情報蓄積手段12の内部メモリに蓄積された車両情報は、危険領域判定手段13及び注意喚起情報送信手段17によって読み出される。
【0026】
危険領域判定手段13は、車両情報蓄積手段12から読み出した車両情報及び地図情報取得手段14で取得した地図情報に基づいて、地図上における危険領域を判定する。この危険領域判定手段13における判定によって得られた危険領域情報は、危険領域情報蓄積手段15に送られる。
【0027】
地図情報取得手段14は、危険領域判定手段13の要求に応答して、例えば図示しない地図データベースから地図情報を取得して危険領域判定手段13に送る。
【0028】
危険領域情報蓄積手段15は、危険領域判定手段13から送られてくる危険領域情報を図示しないファイルやデータベースに蓄積する。この危険領域情報蓄積手段15に蓄積された危険領域情報は、注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17から読み出される。
【0029】
注意喚起情報作成手段16は、注意喚起情報送信手段17からの指示に応答して、危険領域情報蓄積手段15から危険領域情報を読み出し、注意を喚起するための注意喚起情報を作成する。この注意喚起情報作成手段16で作成された注意喚起情報は、注意喚起情報送信手段17に送られる。
【0030】
注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積されている危険領域情報によって示される危険領域内に、車両情報蓄積手段12に蓄積されている車両情報に含まれる識別情報によって特定される車両が存在するかどうかを調べる。また、注意喚起情報送信手段17は、車両が危険領域内に存在する場合に、注意喚起情報作成手段16に対して注意喚起情報の作成を指示し、この指示に応答して注意喚起情報作成手段16から送られてくる注意喚起情報を通信手段11に送る。
【0031】
(1−3)動作:
次に、以上のように構成される、この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの動作を説明する。
【0032】
図2は、この実施の形態1に係る予防安全システムにおいて実行される車両情報の収集処理及び危険領域判定処理を示すフローチャートである。より詳しくは、図2(A)は、車載装置1が実行する車両情報の収集処理を示し、図2(B)は、センタ装置10が実行する危険領域判定処理を示す。
【0033】
図4は、この発明に係る予防安全システムにおいて実行される注意喚起情報送信処理及び注意喚起情報出力処理を示すフローチャートであり、図4(A)は、センタ装置10で実行される注意喚起情報送信処理を示し、図4(B)は、車載装置1で実行される注意喚起情報出力処理を示す。以下、各処理について詳細に説明する。
【0034】
(1−3−1)車両情報の収集処理:
先ず、車載装置1で実行される車両情報の収集処理を、図2(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0035】
この車両情報の収集処理においては、先ず、車載装置1の制御手段4は、車両状態・操作状態検出手段2からABSの動作状態を表す情報を取得する(ステップST1)。ABSの動作状態を表す情報は、動作中又は非動作中の何れであるかを表すデータから構成されている。
【0036】
次いで、制御手段4は、取得したABSの動作状態を表す情報を参照することにより、ABSが動作中であるかどうかを調べる(ステップST2)。ここで、ABSが動作中でないことが判断されると、車両は危険状態にないことが認識され、シーケンスはステップST1に戻る。一方、ABSが動作中であることが判断されると、車両は危険状態にあることが認識され、シーケンスはステップST3に進む。
【0037】
ステップST3では、制御手段4は、車両位置・方位検出手段3から車両の現在位置データ及び方位データを取得する。次いで、車両情報がセンタ装置10に送信される(ステップST4)。具体的には、制御手段4は、ステップST3で受け取った現在位置データ及び方位データに、車載装置1を識別するための識別情報を付加して車両情報を生成し、通信手段5に送る。通信手段5は、受け取った車両情報をセンタ装置10に送信する。識別情報としては、通信プロトコルとしてTCP/IP又はUDP/IPが用いられる場合は、IPアドレスを使用できる。その後、シーケンスはステップST1に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0038】
(1−3−2)危険領域判定処理:
次に、センタ装置10で実行される危険領域判定処理を、図2(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
この危険領域判定処理では、先ず、センタ装置10の車両情報蓄積手段12は、車載装置1から通信手段11を経由して送られてくる車両情報の取得を試みる(ステップST10)。次いで、車両情報蓄積手段12は、車両情報を受信したかどうかを調べる(ステップST11)。ここで、車両情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST10に戻り、再度、車両情報の取得が試みられる。一方、車両情報を受信したことが判断されると、シーケンスはステップST12に進む。
【0040】
ステップST12では、車両情報蓄積手段12は、受信した車両情報を図示しない内部メモリに蓄積すると共に、危険領域判定手段13に送る。次いで、危険領域判定手段13は、車両情報蓄積手段12から受け取った車両情報に含まれる現在位置データによって示される位置の周囲の必要な範囲の地図情報を地図情報取得手段14から取得する(ステップST13)。
【0041】
次いで、危険領域判定手段13は、車両情報と地図情報とに基づいて、危険状態が発生した地点を算出する(ステップST14)。ここで、危険状態が発生した地点の具体的な算出方法を説明する。図3は、地図情報を表す図である。図中の黒丸印は道路ネットワークを構成するノード(交差点等)、黒丸印間の線分は道路ネットワークを構成するリンク、星印は車両位置、矢印は進行方位を示す。各ノードやリンクは車両位置と同様に緯度及び経度で位置が規定されているので、地図上における車両位置は容易に算出できる。図3に示した例では、危険領域判定手段13は、車両位置から車両の進行方位に向かって一定距離内に存在するノードAを、危険状態の発生地点であると判定する。
【0042】
次いで、危険領域判定手段13は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積済みの危険領域情報と今回の危険状態の発生地点を集計し、危険領域情報を更新する(ステップST15)。危険領域情報の更新は以下の方法で行うことができる。即ち、危険状態の発生地点が同一である複数の危険事例があれば、これらの危険事例をグループ化し、危険状態の発生地点を中心として、危険事例における中心から車両位置までの最大距離を半径とする円内を同一の危険領域と判定し、危険領域内の危険事例数を更新する。
【0043】
次いで、危険領域情報蓄積手段15は、上記ステップST15で更新された危険領域情報をファイルやデータベースに蓄積する(ステップST16)。その後、シーケンスはステップST10に戻る。
【0044】
(1−3−3)注意喚起情報送信処理:
次に、センタ装置10で行われる注意喚起情報送信処理を、図4(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0045】
注意喚起情報送信処理では、先ず、注意喚起情報送信手段17は、車両位置を取得する(ステップST20)。具体的には、注意喚起情報送信手段17は、車両情報蓄積手段12に蓄積されている車両位置を表す情報を読み出す。なお、複数の車両に搭載された車載装置1は、定期的、例えば1分間隔で車両位置を表す情報と識別情報とをセンタ装置10に送信し、車両情報蓄積手段12は、これらを蓄積している。
【0046】
次いで、注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報蓄積手段15に蓄積されている危険領域情報を取得する(ステップST21)。次いで、注意喚起情報送信手段17は、危険領域情報で示される危険領域に車両が存在するかどうかを調べる(ステップST22)。これは、車両位置を表す情報によって示される位置が危険領域に含まれるかどうかを調べることによって行われる。
【0047】
このステップST22で、危険領域に車両が存在しないことが判断されると、シーケンスはステップST20に戻る。一方、危険領域に車両が存在することが判断されると、シーケンスはステップST23に進む。
【0048】
ステップST23では、注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16に対し、該当する危険領域を指定して注意喚起情報を作成するように指示する。注意喚起情報作成手段16は、危険領域情報蓄積手段15から該当する危険領域内で発生した危険事例数を取得し、危険度に応じた注意喚起情報を作成し、注意喚起情報送信手段17に送る。危険事例数によって区分けされている危険度と注意喚起情報の一例を図5に示す。
【0049】
次いで、注意喚起情報送信手段17は、注意喚起情報作成手段16から取得した注意喚起情報を、識別情報を指定して該当する車両に送信するように、通信手段11に指示を出す。これにより、通信手段11は、該当車両に注意喚起情報を送信する。その後、シーケンスはステップST20に戻る。
【0050】
(1−3−4)注意喚起情報出力処理:
次に、車載装置1で行われる注意喚起情報出力処理を、図4(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
注意喚起情報出力処理では、先ず、車載装置1の制御手段4は、通信手段5を経由してセンタ装置10から送られてくる注意喚起情報の受信を試みる(ステップST30)。そして、注意喚起情報の受信がなされたかどうかを調べる(ステップST31)。ここで、注意喚起情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST30に戻り、制御手段4は、再度、注意喚起情報の受信を試みる。
【0052】
一方、ステップST31で、注意喚起情報を受信したことが判断されると、制御手段4は、注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に送る。次いで、注意喚起情報出力手段6は、注意喚起情報を文字メッセージとして表示装置(図示しない)に表示すると共に、注意喚起情報を音声メッセージとして音声出力装置(図示しない)から出力する。
【0053】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、車両状態から危険状態を検出し、この時点での車両位置と方位を用いて危険領域を判定するので、事故に至った事例だけでなく、事故に至らなかった危険な事例(こちらの方が事故例数が遙かに多いと言われている)も用いて、危険領域を判定する。従って、多数の危険事例を収集して分析することが可能になるので、従来のように事故履歴を用いて判定する場合よりも、精度よく危険領域を判定できる。
【0054】
また、車載装置1は、車両情報を通信によってリアルタイムでセンタ装置10に送信するので、センタ装置10では、危険領域情報を随時更新することが可能になり、常に最新の危険領域情報を車載装置1に配信できる。また、車載装置1は、危険状態が発生したことを判定した場合にのみ、車両情報をセンタ装置10に車両情報を送信するので、車両情報を定期的にセンタ装置に送信する場合に比べて、通信量を削減することができる。また、危険状態の判定は、十分な計算能力、情報蓄積能力を有するセンタ装置10で行われるので、多様な計算方法を用いることができ、精度良く危険状態を判定できる。
【0055】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る予防安全システムは、注意喚起情報を車載装置1で作成するようにしたものである。
【0056】
図6は、この発明の実施の形態2に係る予防安全システムの構成を示すブロック図である。以下では、上述した実施の形態1と同一又は相当する構成部分には、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0057】
(2−1)車載装置:
車載装置1の構成は、制御手段4で実行される処理の内容(詳細は後述する)を除き、実施の形態1のそれと同じである。
【0058】
(2−2)センタ装置:
センタ装置10は、実施の形態1のセンタ装置から注意喚起情報作成手段16及び注意喚起情報送信手段17が除去され、危険領域情報蓄積手段15からの注意喚起情報は通信手段11に送られるように構成されている。
【0059】
(2−3)動作:
次に、以上のように構成されるこの発明の実施の形態2に係る予防安全システムの動作を説明する。
【0060】
図7は、この発明に係る予防安全システムにおいて実行される処理を示すフローチャートであり、図7(A)は、車載装置1が実行する危険領域情報受信処理及び注意喚起情報出力処理を示し、図7(B)は、センタ装置10が実行する危険領域情報送信処理を示す。
【0061】
なお、この実施の形態2に係る予防安全システムにおいても、車載装置1は、図2(A)のフローチャートに示す車両情報の収集処理を実行し、センタ装置10は、図2(B)のフローチャートに示す危険領域判定処理を実行する。従って、危険領域情報蓄積手段15には、危険領域情報が蓄積されている。
【0062】
(2−3−1)危険領域情報受信処理:
先ず、車載装置1で行われる危険領域情報受信処理を、図7(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
この危険領域情報受信処理では、先ず、制御手段4は、危険領域情報の取得要求を通信手段5に送る(ステップST40)。これにより、通信手段5は、危険領域情報の取得要求をセンタ装置10に送信する。次いで、制御手段4は、取得要求の送信が成功したかどうかを調べる(ステップST41)。ここで、取得要求の送信が失敗したことが判断されると、シーケンスはステップST40に戻り、危険領域情報の取得要求が再送される。一方、危険領域情報の取得要求が成功したことが判断されると、シーケンスはステップST42に進む。
【0064】
ステップST42では、通信手段5は、センタ装置10からの危険領域情報の受信を試みる。そして、危険領域情報を受信したかどうかを調べる(ステップST43)。ここで、危険領域情報を受信していないことが判断されると、シーケンスはステップST42に戻り、再度危険領域情報の受信が試みられる。一方、危険領域情報を受信したことが判断されると、シーケンスは、ステップST44以下の注意喚起情報出力処理に進む。
【0065】
(2−3−2)注意喚起情報出力処理:
次に、車載装置1で行われる注意喚起情報出力処理を、図7(A)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0066】
この注意喚起情報出力処理では、先ず、制御手段4は、車両位置を取得する(ステップST44)。具体的には、制御手段は、車両位置・方位検出手段3から車両の現在位置を表す現在位置データを取得する。次いで、制御手段4は、危険領域を走行中であるかどうかを調べる(ステップST45)。これは、ステップST44で取得された現在位置データで示される位置が、ステップST43で取得された危険領域情報で示される危険領域に含まれるかどうかを調べることにより行われる。
【0067】
このステップST45で、危険領域を走行中でないことが判断されると、シーケンスはステップST44に戻り、車両位置の監視が続行される。一方、危険領域を走行中であることが判断されると、シーケンスはステップST46に進む。
【0068】
ステップST46では、制御手段4は、実施の形態1における注意喚起情報作成手段16と同様の方法で、注意喚起情報を生成する。具体的には、制御手段4は、ステップST43で受信した危険領域情報に含まれる、自車が存在する危険領域内で発生した危険事例数を取得し、危険度に応じた注意喚起情報を作成する。
【0069】
次いで、制御手段4は、注意喚起情報を出力する(ステップST47)。即ち、制御手段4は、作成した注意喚起情報を注意喚起情報出力手段6に送る。これにより、注意喚起情報出力手段6は、注意喚起情報を文字メッセージとして表示装置(図示しない)に表示すると共に、注意喚起情報を音声メッセージとして音声出力装置(図示しない)から出力する。その後、シーケンスはステップST40に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0070】
(2−3−3)危険領域情報送信処理:
次に、センタ装置10で行われる危険領域情報送信処理を、図7(B)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0071】
この危険領域情報送信処理では、先ず、危険領域情報蓄積手段15は、車載装置1から危険領域情報の取得要求を受信するように通信手段11に指示する(ステップST50)。これにより通信手段11は、危険領域情報の取得要求の受信を試みる。次いで、通信手段11は、危険領域情報の取得要求があるかどうかを調べる(ステップST51)。ここで、危険領域情報の取得要求がないことが判断されると、シーケンスはステップST50に戻り、再度、危険領域情報の取得要求の受信を試みる。一方、危険領域情報の取得要求があることが判断されると、シーケンスはステップST52に進む。
【0072】
ステップST52では、危険領域情報蓄積手段15は、蓄積している危険領域情報を通信手段11へ出力する(ステップST52)。これにより、通信手段11は、危険領域情報を車載装置1に送信する。その後、シーケンスはステップST50に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0073】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。加えて、センタ装置10から車載装置1に送られる情報は注意喚起情報より情報量の少ない危険領域情報であるので、通信量を減らすことができる。
【0074】
上述した実施の形態1及び2では、車載装置1の制御手段4は、ABSが動作したかどうかによって危険状態の発生の有無を判定するように構成したが、更に、前後加速度が所定値を超えたかどうか、車速の減り方が所定値を超えたかどうか、ブレーキの踏み込み量が所定値を超えたかどうか、エアバッグが動作したかどうか、車間距離制御・注意喚起装置が動作したかどうか、車線逸脱制御・注意喚起装置が動作したかどうか、運転者の心拍数や血流の変化等を検出する運転者状態検出装置の出力が所定値を超えたかどうか等に応じて危険状態の発生の有無を判定するように構成できる。また、ハンドル舵角の変化に因る急ハンドルや、横加速度やトラクション制御に因る急激な姿勢変化(スピンした場合等)を検出し、この検出結果を上述した危険状態の有無を判定するための各要素と組み合わて危険状態を判定するように構成できる。この構成によれば、危険状態の判定精度を更に向上させることができる。
【0075】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1とセンタ装置10との間における車両情報の送受を通信により行うように構成したが、ICカード等の着脱可能な記録媒体を用いて車両情報の送受を行うように構成できる。この場合、車載装置1の制御手段4にICカード等の書き込み手段を接続して車両情報を記録し、車両情報蓄積手段12にICカード等の読み取り手段を接続して車両情報を読み取る。この構成によれば通信量を減らすことができるので、トラヒックの混雑を緩和できるという利点がある。
【0076】
また、上述した実施の形態1及び2では、制御手段4が車両状態・操作状態検出手段2から取得したABSの動作状態に基づいて危険状態の発生の有無を判定し、危険状態が発生した時点での車両位置と方位をセンタ装置10に送信するように構成したが、制御手段4が定期的に車両情報をセンタ装置10に送信し、センタ装置10が車両情報に基づいて危険状態の発生の有無を判定するように構成できる。この構成によれば、車載装置1の処理負荷を減らすことができる。
【0077】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1は、ABSが動作した時点における車両位置及び方位をセンタ装置10に送信する構成としたが、車両位置及び方位の時系列データを所定時間分だけ更新しながら蓄積しておき、ABSが動作した時に、蓄積された時系列データをセンタ装置10に送信するように構成できる。この構成によれば、センタ装置10の危険領域判定手段13は、より精度よく危険領域を判定できる。
【0078】
また、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1は、車両状態・操作状態検出手段2で検出された車両状態及び操作状態を表す情報をセンタ装置10に送信するように構成したが、更に、エアコン等で取得できる外気温情報をセンタ装置10に送信するように構成できる。この場合、センタ装置10の危険領域判定手段13は、例えば外気温が氷点下であって橋上や下り坂でABSが動作したという条件で、路面凍結による危険状態が発生した旨を推測するように構成できる。
【0079】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を危険状態が発生した位置でグループ化するように構成したが、危険状態が発生した時間帯、曜日、天候(霧が発生しやすい場所等)、季節(冬に路面が凍結し易い場所等)に応じて危険地域をグループ化することができる。この構成によれば、よりきめ細かな注意喚起情報の出力が可能になる。
【0080】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を危険状態が発生した位置でグループ化するように構成したが、危険状態の有無の判定時におけるハンドル舵角やウインカーの点灯状態を用いて危険状態の発生原因を推測し、危険状態の原因に応じて危険地域をグループ化するように構成できる。危険状態の発生原因は、例えば左折時であれば巻き込みと推定することができ、右折時であれば右直衝突であると推定することができる。この構成によれば、よりきめ細かな注意喚起情報の出力が可能になる。
【0081】
なお、危険状態の発生原因を推定する場合、複数の車載装置1が略同時に、略同一場所(例えば交差点や急カーブ場所)で危険状態であるという判定をしたときは、危険状態の発生原因は出会い頭の衝突であると推測できる。また、交差点や急カーブでない場所で危険状態が発生した場合は、原因として子供の飛び出しが推測できる。更に、車載装置1が交差点の交通信号の点灯状態を取得する手段を備えれば、進行方向が青信号で聞け状態が発生した場合は、原因として他車両の信号無視が推測できる。
【0082】
また、上述した実施の形態1及び2では、円形の危険領域内を走行中の車両を注意喚起の対象とするように構成したが、危険領域は円形に限らず、例えば矩形等の他の形状に構成できる。
【0083】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域内を走行中の車両を注意喚起の対象と判定するように構成したが、ナビゲーション機能を備えた車載装置1を用いれば、車両位置に加え、ナビゲーション機能により得られる地図マッチング情報(どの道路上を走行中であるかを示す情報)や進行方位を用いて危険領域を通過するかどうかを予測し、危険領域を通過すると予測された場合に、注意喚起情報を出力するように構成できる。この構成によれば、不要な注意喚起が減少するので、運転の妨げにならないという利点がある。また、ナビゲーション機能により得られた経路情報を用いて、危険領域を通過する経路を有する車両に注意喚起を出力するように構成できる。
【0084】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を走行中の注意喚起の対象車両に対して注意喚起情報の出力を繰り返すように構成したが、注意喚起の対象車両が同一の危険領域内を走行中は、該車両に対して2回以上注意喚起情報を出力しないように構成できる。この構成によれば、注意喚起の対象車両が同一の危険領域内を走行中に繰り返し注意喚起情報が出力されることを防止できるので不要な注意喚起が減少し、運転の妨げにならないという利点がある。
【0085】
また、注意喚起情報を出力した注意喚起の対象車両と危険領域を記憶しておき、先に注意喚起情報を出力した注意喚起の対象車両が同一危険領域を走行した回数をカウントし、回数が所定の閾値を超えた場合に注意喚起情報を再度出力するように構成できる。この構成によれば、同一地域で頻繁に注意喚起情報が出力されないので、運転者の慣れによる注意喚起効果の低下を防止できる。この場合、閾値をランダムに変更すれば、注意喚起効果を更に長く継続させることができる。
【0086】
また、危険領域への車両の侵入方向が所定方向に合致する場合、又は侵入速度が所定の閾値より大きい場合に、注意喚起情報を出力するように構成できる。この構成によれば、同一地域で頻繁に注意喚起情報が出力されないので、運転者の慣れによる注意喚起効果の低下を防止できる。この場合、所定方向や閾値をランダムに変更すれば、注意喚起効果を更に長く継続させることができる。
【0087】
また、注意喚起情報出力手段6は、車両状態・操作状態検出手段2から取得した操作状態を表す情報に基づいて、運転者によるブレーキやハンドルの操作中であることを判断した場合、或いはウインカー動作中であることを判断した場合は注意喚起情報を出力しないように構成できる。この構成によれば、運転者が運転操作に集中すべき時に注意喚起によって運転操作が散漫になることを防止できる。
【0088】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険度に応じた注意喚起情報を生成するように構成したが、危険度が所定の閾値より大きい場合に注意喚起情報を生成し、危険度が所定の閾値以下である場合に注意喚起情報を生成しないように構成し、更に、閾値を変更可能に構成できる。この構成によれば、注意喚起情報を生成するかどうかの設定を運転者の好みに合わせて変更することができる。
【0089】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域を走行中の車両に注意喚起情報を出力するように構成したが、車載装置1に迂回路ルート探索機能付きのナビゲーション装置を接続し、制御手段4が危険領域を迂回する指示をナビゲーション装置に送るように構成できる。この構成によれば、自動的に危険領域を迂回するルートが提示されるので、危険領域の走行を避けることができる。
【0090】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎に危険度を算出するように構成したが、危険領域を複数のサブ領域(例えば同心円状の領域)に分け、各サブ領域毎に危険度を算出するように構成できる。
【0091】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎の危険事例数に基づいて危険度を算出するように構成したが、危険領域の面積当たりの危険事例数に基づいて危険度を算出するように構成できる。
【0092】
また、上述した実施の形態1及び2では、危険領域毎の危険事例数に基づく危険度に応じて注意喚起情報を出力するように構成したが、注意喚起情報として危険状態の原因を示すメッセージを出力するように構成できる。例えば凍結によるスリップが多発する橋上(外気温に基づいて凍結の虞があることが判断された場合)では、「橋上では凍結によるスリップに注意」というメッセージを出力するように構成できる。この構成によれば、運転者は危険原因に注意した運転が可能になる。
【0093】
更に、上述した実施の形態1及び2では、車載装置1とセンタ装置10との間の通信は携帯電話を用いて行うように構成したが、車載装置1からセンタ装置10への通信には携帯電話を用い、センタ装置10から車載装置1への通信には準天頂衛星や衛星放送による放送を用いるように構成できる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことが判断された場合に車両情報を生成して外部に送信するように構成したので、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合の車両情報を外部に送信できる。その結果、外部の装置は、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算して適切な注意喚起情報を生成できる効果がある。
【0095】
この発明によれば、外部から受信された注意を喚起するための注意喚起情報に基づいて生成された注意を喚起するためのメッセージを出力するように構成したので、交通事故の起こる確率を高精度で計算することにより作成された注意喚起情報を外部から受信することにより、適切な注意喚起情報を運転者に提供できる効果がある。
【0096】
この発明によれば、外部から受信された危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成し、この生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力するように構成したので、外部の装置の処理負荷を軽減させることができる効果がある。
【0097】
この発明によれば、危険状態が発生した外部の車両から受信された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成して蓄積するように構成したので、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合車両情報の収集が可能になる。その結果、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算することができ、適切な注意喚起情報を生成できる効果がある。
【0098】
この発明によれば、危険状態が発生した外部の車両から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成して蓄積すると共に、蓄積されている危険領域情報を外部に送信するように構成したので、危険領域情報に基づいて注意喚起情報を生成する必要がなく、処理負荷が軽減される効果がある。
【0099】
この発明によれば、車載装置は、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に車両情報を生成してセンタ装置に送信すると共にセンタ装置から注意喚起情報を受信してメッセージを出力するように構成し、センタ装置は、車載装置から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成し、この生成された危険領域情報に基づいて注意喚起情報を作成して、危険領域に存在する車両に送信するように構成したので、車載装置は、交通事故に至らなくても危険状態が発生した場合の車両情報をセンタ装置に送信できる。その結果、センタ装置は、多くの危険事例数に基づいて危険度の分析が可能になるので、交通事故の起こる確率を高精度で計算して適切な注意喚起情報を生成し、運転者に知らせることができる効果がある。
【0100】
この発明によれば、車載装置は、車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に車両情報を生成してセンタ装置に送信すると共に、センタ装置から受信した危険領域を表す危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成し、この注意喚起情報に基づいてメッセージを出力するように構成し、センタ装置は、車載装置から受信した車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域情報を生成して、危険領域に存在する車両に送信するように構成したので、センタ装置は注意喚起情報を生成する必要がなく、処理負荷が軽減される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで実行される車両情報の収集処理及び危険領域判定処理を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す車載装置の危険領域判定手段で危険状態が発生した地点を算出する動作を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで実行される注意喚起情報送信処理及び注意喚起情報出力処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る予防安全システムで使用される危険度と注意喚起情報との関係の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る予防安全システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る予防安全システムで実行される危険領域情報受信処理、注意喚起情報出力処理及び危険領域情報送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載装置、2 車両状態・操作状態検出手段、3 車両位置・方位検出手段、4 制御手段、5 通信手段(第1通信手段)、6 注意喚起情報手段手段、10 センタ装置、11 通信手段、12 車両情報蓄積手段、13 危険領域判定手段、14 地図情報取得手段、15 危険領域情報蓄積手段、16 注意喚起情報作成手段、17 注意喚起情報送信手段。
Claims (14)
- 車両状態及び操作状態を検出する車両状態・操作状態検出手段と、
車両の現在位置及び進行方位を検出して現在位置データ及び方位データとしてそれぞれ出力する車両位置・方位検出手段と、
前記車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、前記車両位置・方位検出手段からの現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された車両情報を外部に送信する通信手段
とを備えた車載装置。 - 外部から注意を喚起するための注意喚起情報を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段
とを備えたことを特徴とする車載装置。 - 車両状態及び操作状態を検出する車両状態・操作状態検出手段と、
車両の現在位置及び進行方位を検出して現在位置データ及び方位データとしてそれぞれ出力する車両位置・方位検出手段と、
前記車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、前記車両位置・方位検出手段からの現在位置データ及び方位データと当該車載装置を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段とを備え、
通信手段は、前記制御手段で生成された車両情報を外部に送信することを特徴とする請求項2記載の車載装置。 - 注意喚起情報出力手段は、車両状態・操作状態検出手段で検出された操作状態が、ブレーキ又はハンドルの操作中又はウインカー動作中であることを示している場合はメッセージを出力しないように制御することを特徴とする請求項2記載の車載装置。
- 外部から危険領域を表す危険領域情報を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段
とを備えた車載装置。 - 車両状態及び操作状態を検出する車両状態・操作状態検出手段と、
車両の現在位置及び進行方位を検出して現在位置データ及び方位データとしてそれぞれ出力する車両位置・方位検出手段とを備え、
制御手段は、前記車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、前記車両位置・方位検出手段からの現在位置データ及び方位データと当該車載装置を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成し、
通信手段は、前記制御手段で生成された車両情報を外部に送信することを特徴とする請求項5記載の車載装置。 - 危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から受信する通信手段と、
通信手段で受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、
前記車両情報蓄積手段に蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、
前記危険領域判定手段で生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段
とを備えたセンタ装置。 - 危険領域情報蓄積手段に蓄積された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を作成する注意喚起情報作成手段と、
車両情報蓄積手段に蓄積されている車両情報に含まれる識別情報により特定される車両が前記危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報で示される危険領域に存在する場合に、車両に送信するために前記注意喚起情報作成手段で作成された注意喚起情報を前記通信手段に送る注意喚起情報送信手段とを備え、
通信手段は、前記注意喚起情報送信手段から送られてくる注意喚起情報を外部に送信することを特徴とする請求項7記載のセンタ装置。 - 注意喚起情報送信手段は、前記注意喚起情報を前記通信手段に送る回数を所定の条件に従って制御することを特徴とする請求項8記載のセンタ装置。
- 注意喚起情報送信手段は、車両が前記危険領域に侵入する侵入方向及び侵入速度に応じて、前記注意喚起情報を通信手段に送るかどうかを制御することを特徴とする請求項9に記載のセンタ装置。
- 危険領域情報は危険事例数に応じた危険度を含み、注意喚起情報作成手段は、危険度に応じて内容の異なる注意喚起情報を生成することを特徴とする請求項9記載のセンタ装置。
- 危険状態が発生した車両の現在位置を表す現在位置データ及び進行方位を表す方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を外部から受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、
前記車両情報蓄積手段に蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、
前記危険領域判定手段で生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、
前記通信手段は、前記危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を外部に送信することを特徴とするセンタ装置。 - 車載装置とセンタ装置とを備えた予防安全システムであって、
前記車載装置は、
車両状態及び操作状態を検出する車両状態・操作状態検出手段と、
車両の現在位置及び進行方位を検出して現在位置データ及び方位データとしてそれぞれ出力する車両位置・方位検出手段と、
前記車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、前記車両位置・方位検出手段からの現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された車両情報をセンタ装置に送信すると共に、センタ装置から注意を喚起するための注意喚起情報を受信する第1通信手段と、
前記第1通信手段で受信された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段
とを備え、
前記センタ装置は、
前記車載装置から前記車両情報を受信すると共に、前記車載装置に前記注意喚起情報を送信する第2通信手段と、
前記第2通信手段で受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、
前記車両情報蓄積手段に蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、
前記危険領域判定手段で生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段と、
前記危険領域情報蓄積手段に蓄積された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を作成する注意喚起情報作成手段と、
前記車両情報蓄積手段に蓄積されている車両情報に含まれる識別情報により特定される車両が前記危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報で示される危険領域に存在する場合に、車両に送信するために前記注意喚起情報作成手段で作成された注意喚起情報を前記第2通信手段に送る注意喚起情報送信手段
とを備えた予防安全システム。 - 車載装置とセンタ装置とを備えた予防安全システムであって、
前記車載装置は、
センタ装置から危険領域を表す危険領域情報を受信する第1通信手段と、
前記第1通信手段で受信された危険領域情報に基づいて注意を喚起するための注意喚起情報を生成する制御手段と、
前記制御手段で生成された注意喚起情報に基づいて注意を喚起するためのメッセージを出力する注意喚起情報出力手段と、
車両状態及び操作状態を検出する車両状態・操作状態検出手段と、
車両の現在位置及び進行方位を検出して現在位置データ及び方位データとしてそれぞれ出力する車両位置・方位検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記車両状態・操作状態検出手段で検出された車両状態及び操作状態に基づき車両に危険状態が発生したことを判断した場合に、前記車両位置・方位検出手段からの現在位置データ及び方位データと車両を識別するための識別情報とを含む車両情報を生成し、
前記第1通信手段は、前記制御手段で生成された車両情報をセンタ装置に送信し、
前記センタ装置は、
前記車載装置から前記車両情報を受信する第2通信手段と、
前記第2通信手段で受信された車両情報を蓄積する車両情報蓄積手段と、
前記車両情報蓄積手段に蓄積された車両情報に基づいて危険状態を判定した結果と予め記憶されている地図情報とに基づいて危険領域を表す危険領域情報を生成する危険領域判定手段と、
前記危険領域判定手段で生成された危険領域情報を蓄積する危険領域情報蓄積手段とを備え、
前記第2通信手段は、前記危険領域情報蓄積手段に蓄積されている危険領域情報を前記車載装置に送信する予防安全システム。
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