JP6386922B2 - 蒸気弁診断装置および方法 - Google Patents
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Description
また、本発明にかかる他の蒸気弁診断装置方法は、蒸気ボイラから空調機の加熱コイルに供給される蒸気の流量を調整する蒸気弁における蒸気漏洩を診断する蒸気弁診断方法であって、前記空調機の運転開始および運転停止と前記加熱コイル近傍における内部空気温度とを定期的に収集し、前記空調機の運転履歴として記録する運転履歴記録ステップと、記録した前記運転履歴から、前記空調機が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間における前記内部空気温度の低下度合を検出する運転状況検出ステップと、前記蒸気弁で蒸気漏洩がない正常な場合に前記低下度合が取り得る範囲を正常範囲として設定する正常範囲設定ステップと、検出された前記低下度合と前記正常範囲を比較することにより、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性有無を診断する蒸気弁診断ステップとを備え、前記運転状況検出ステップは、前記低下度合として前記空調機の運転再開時における前記内部空気温度を検出し、前記正常範囲設定ステップは、前記運転再開時における前記内部空気温度に関する正常内部空気温度範囲を設定し、前記蒸気弁診断ステップは、検出された前記内部空気温度が前記正常内部空気温度範囲に含まれない場合には、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断するようにしたものである。
これにより、蒸気弁の故障や劣化等による異常を早期に診断し、点検確認することができるため、無駄なエネルギーを使用することなく、快適性を維持しつつ適正な空調制御を行うことができる。
まず、本発明の原理について説明する。
セントラル空調方式の空調システムにおいて、冬季に空調機で暖房運転を行う場合、蒸気ボイラから空調機の加熱コイルへ蒸気を供給し、加熱コイルでの熱交換により送風する空気を加熱して、各区画の室内に供給している。この際、蒸気ボイラと加熱コイルとの間に設けられた蒸気弁の開度を調整することにより、加熱コイルに供給される蒸気の流量が調節させて、送風する空気の給気温度、すなわち室温を適度に制御される。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10について説明する。図1は、蒸気弁診断装置の構成を示すブロック図である。
この蒸気弁診断装置10は、全体として、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、産業用コントローラなどの情報処理装置からなり、空調機20から収集して記録した運転履歴に基づいて、蒸気ボイラ30と加熱コイル24との間に設けられた蒸気弁32での蒸気漏洩有無を診断する機能を有している。
この空調機20には、主な構成として、フィルタ21、冷凍コイル22、加湿器23、加熱コイル24、内部温度計25、および送風ファン26が設けられている。
また、蒸気ボイラ30で生成された蒸気の一部は、蒸気管31および加湿弁34を介して加湿器23に供給され、加熱コイル24に流れ込む空気に噴射されることにより、空気を加湿する。
なお、冷房運転時、基本的には蒸気ボイラ30および昇圧ポンプ33の運転は停止され、蒸気弁32および加湿器23は全閉となる。また、暖房運転時、基本的には冷凍機35および送水ポンプ38の運転は停止され、冷水弁37は全閉となる。
空調機20は、蒸気弁診断装置10と定期的にデータ通信を行う機能を有し、内部温度計25で計測された内部空気温度Tおよび自己の運転開始/運転停止を蒸気弁診断装置10に通知する機能を有している。
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10の構成について詳細に説明する。
蒸気弁診断装置10には、主な機能部として、運転履歴記録部11、運転履歴DB12、運転状況検出部13、正常範囲設定部14、および蒸気弁診断部15が設けられている。これら機能部のうち、運転履歴DB12は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、その他の機能部は、CPUでプログラムを実行する演算処理部により実現される。
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10の動作について説明する。図4は、蒸気弁診断処理を示すフローチャートである。
蒸気弁診断装置10は、蒸気弁32の診断を行う場合、図4の蒸気弁診断処理を実行する。なお、運転履歴DB12には、運転履歴記録部11で空調機20から収集した運転履歴が予め記録されているものとし、正常範囲設定部14には、正常範囲Δnが予め設定されているものとする。
次に、蒸気弁診断部15は、正常範囲設定部14から正常範囲Δnを取得して(ステップ102)、運転状況検出部13で検出された低下度合Δとを比較する(ステップ103)。
一方、低下度合Δが正常範囲Δnに含まれる場合(ステップ103:YES)、蒸気弁診断部15は、蒸気弁32における蒸気漏洩の可能性なしと診断し(ステップ105)、一連の蒸気弁診断処理を終了する。
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10の動作例について説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置の動作例を示す説明図である。ここでは、蒸気漏洩のない正常な蒸気弁Aと、蒸気漏洩のある蒸気弁Bを用いた場合における、内部空気温度Tの時系列変化を示すグラフが示されており、横軸が時刻tを示し、縦軸が内部空気温度Tを示している。
このように本実施の形態は、運転状況検出部13が、運転履歴DB12に記録されている運転履歴から、空調機20が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間Lにおける内部空気温度Tの低下度合Δを検出し、蒸気弁診断部15が、この低下度合Δと正常範囲Δnとを比較することにより、蒸気弁32における蒸気漏洩の可能性有無を診断するようにしたものである。
一方、蒸気弁32から蒸気漏洩がある場合には、運転停止期間Lでも蒸気弁32から蒸気の一部が加熱コイルに供給されて内部空気が僅かに加熱されるため、内部空気温度Tの低下度合Δが正常範囲Δnに含まれなくなることになり、蒸気弁32における蒸気漏洩の可能性があると診断される。
これにより、蒸気弁の故障や劣化等による異常を早期に診断し、点検確認することができるため、無駄なエネルギーを使用することなく、快適性を維持しつつ適正な空調制御を行うことができる。
これにより、運転停止期間Lのうち、一時的な空気温度変化の影響が少ない期間を選択して、安定した診断を実現することが可能となる。
これにより、単位時間当たりの正常範囲Δnを設定しておくだけで、運転停止期間Lの変化に対応できるため、正常範囲Δnを一元化することができ、正常範囲Δnの設定に関する作業負担を削減できる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10について説明する。
第1の実施の形態では、低下度合Δとして運転停止期間Lにおける内部空気温度Tの低下温度幅T1−T0を用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、低下度合Δとして、内部空気温度Tの低下温度幅に代えて、内部空気温度Tの低下率を用いる場合について説明する。
正常範囲設定部14は、正常範囲Δnとして低下率に関する正常低下率範囲を設定する機能を有している。
蒸気弁診断部15は、検出された低下率が正常低下率範囲に含まれない場合には、蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する機能を有している。
本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10に関する、この他の構成および動作については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細説明は省略する。
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10の動作例について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置の動作例を示す説明図である。ここでは、蒸気漏洩のない正常な蒸気弁Aと、蒸気漏洩のある蒸気弁Bを用いた場合における、内部空気温度Tの時系列変化を示すグラフが示されており、横軸が時刻tを示し、縦軸が内部空気温度Tを示している。
このように本実施の形態は、運転状況検出部13が、低下度合Δとして内部空気温度Tの低下率を検出し、正常範囲設定部14が、正常範囲Δnとして低下率に関する正常低下率範囲を設定し、蒸気弁診断部15が、検出された低下率が正常低下率範囲に含まれない場合には、蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断するようにしたものである。
これにより、内部空気温度Tの低下率に関する正常範囲Δnを設定しておくだけで、運転停止期間Lの変化に対応できるため、正常範囲Δnを一元化することができ、正常範囲Δnの設定に関する作業負担を削減できる。
これにより、運転停止期間Lのうち、一時的な空気温度変化の影響が少ない期間を選択して、安定した診断を実現することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10について説明する。
第1の実施の形態では、低下度合Δとして運転停止期間Lにおける内部空気温度Tの低下温度幅T1−T0を用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、低下度合Δとして、内部空気温度Tの低下温度幅に代えて、運転再開時点における内部空気温度T1そのものを用いる場合について説明する。
正常範囲設定部14は、正常範囲Δnとして内部空気温度T1に関する正常内部空気温度範囲を設定する機能を有している。
蒸気弁診断部15は、検出された内部空気温度T1が正常内部空気温度範囲に含まれない場合には、蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する機能を有している。
本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10に関する、この他の構成および動作については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細説明は省略する。
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる蒸気弁診断装置10の動作例について説明する。図8は、第3の実施の形態にかかる蒸気弁診断装置の動作例を示す説明図である。ここでは、蒸気漏洩のない正常な蒸気弁Aと、蒸気漏洩のある蒸気弁Bを用いた場合における、内部空気温度Tの時系列変化を示すグラフが示されており、横軸が時刻tを示し、縦軸が内部空気温度Tを示している。
このように本実施の形態は、運転状況検出部13が、低下度合Δとして空調機20の運転再開時における内部空気温度T1を検出し、正常範囲設定部14が、正常範囲Δnとして内部空気温度T1に関する正常内部空気温度範囲を設定し、蒸気弁診断部15が、検出された内部空気温度T1が正常内部空気温度範囲に含まれない場合には、蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断するようにしたものである。
また、内部空気温度T1に関する正常範囲Δnを設定しておくだけで、運転停止期間Lの変化に対応できるため、正常範囲Δnを一元化することができ、正常範囲Δnの設定に関する作業負担を削減できる。
これにより、運転停止期間Lのうち、一時的な空気温度変化の影響が少ない期間を選択して、安定した診断を実現することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (4)
- 蒸気ボイラから空調機の加熱コイルに供給される蒸気の流量を調整する蒸気弁における蒸気漏洩を診断する蒸気弁診断装置であって、
前記空調機の運転開始および運転停止と前記加熱コイル近傍における内部空気温度とを定期的に収集し、前記空調機の運転履歴として記録する運転履歴記録部と、
記録した前記運転履歴から、前記空調機が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間における前記内部空気温度の低下度合を検出する運転状況検出部と、
前記蒸気弁で蒸気漏洩がない正常な場合に前記低下度合が取り得る範囲を正常範囲として設定する正常範囲設定部と、
検出された前記低下度合と前記正常範囲を比較することにより、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性有無を診断する蒸気弁診断部とを備え、
前記運転状況検出部は、前記低下度合として前記運転停止期間の開始から終了までの全期間における前記内部空気温度の低下温度幅を検出し、
前記正常範囲設定部は、前記正常範囲として前記運転停止期間の全期間における前記低下温度幅に関する正常低下温度幅範囲を設定し、
前記蒸気弁診断部は、検出された前記低下温度幅が前記正常低下温度幅範囲に含まれない場合には、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する
ことを特徴とする蒸気弁診断装置。 - 蒸気ボイラから空調機の加熱コイルに供給される蒸気の流量を調整する蒸気弁における蒸気漏洩を診断する蒸気弁診断装置であって、
前記空調機の運転開始および運転停止と前記加熱コイル近傍における内部空気温度とを定期的に収集し、前記空調機の運転履歴として記録する運転履歴記録部と、
記録した前記運転履歴から、前記空調機が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間における前記内部空気温度の低下度合を検出する運転状況検出部と、
前記蒸気弁で蒸気漏洩がない正常な場合に前記低下度合が取り得る範囲を正常範囲として設定する正常範囲設定部と、
検出された前記低下度合と前記正常範囲を比較することにより、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性有無を診断する蒸気弁診断部とを備え、
前記運転状況検出部は、前記低下度合として前記空調機の運転再開時における前記内部空気温度を検出し、
前記正常範囲設定部は、前記運転再開時における前記内部空気温度に関する正常内部空気温度範囲を設定し、
前記蒸気弁診断部は、検出された前記内部空気温度が前記正常内部空気温度範囲に含まれない場合には、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する
ことを特徴とする蒸気弁診断装置。 - 蒸気ボイラから空調機の加熱コイルに供給される蒸気の流量を調整する蒸気弁における蒸気漏洩を診断する蒸気弁診断方法であって、
前記空調機の運転開始および運転停止と前記加熱コイル近傍における内部空気温度とを定期的に収集し、前記空調機の運転履歴として記録する運転履歴記録ステップと、
記録した前記運転履歴から、前記空調機が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間における前記内部空気温度の低下度合を検出する運転状況検出ステップと、
前記蒸気弁で蒸気漏洩がない正常な場合に前記低下度合が取り得る範囲を正常範囲として設定する正常範囲設定ステップと、
検出された前記低下度合と前記正常範囲を比較することにより、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性有無を診断する蒸気弁診断ステップとを備え、
前記運転状況検出ステップは、前記低下度合として前記運転停止期間の開始から終了までの全期間における前記内部空気温度の低下温度幅を検出し、
前記正常範囲設定ステップは、前記正常範囲として前記運転停止期間の全期間における前記低下温度幅に関する正常低下温度幅範囲を設定し、
前記蒸気弁診断ステップは、検出された前記低下温度幅が前記正常低下温度幅範囲に含まれない場合には、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する
ことを特徴とする蒸気弁診断方法。 - 蒸気ボイラから空調機の加熱コイルに供給される蒸気の流量を調整する蒸気弁における蒸気漏洩を診断する蒸気弁診断方法であって、
前記空調機の運転開始および運転停止と前記加熱コイル近傍における内部空気温度とを定期的に収集し、前記空調機の運転履歴として記録する運転履歴記録ステップと、
記録した前記運転履歴から、前記空調機が運転を停止してから再開するまでの運転停止期間における前記内部空気温度の低下度合を検出する運転状況検出ステップと、
前記蒸気弁で蒸気漏洩がない正常な場合に前記低下度合が取り得る範囲を正常範囲として設定する正常範囲設定ステップと、
検出された前記低下度合と前記正常範囲を比較することにより、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性有無を診断する蒸気弁診断ステップとを備え、
前記運転状況検出ステップは、前記低下度合として前記空調機の運転再開時における前記内部空気温度を検出し、
前記正常範囲設定ステップは、前記運転再開時における前記内部空気温度に関する正常内部空気温度範囲を設定し、
前記蒸気弁診断ステップは、検出された前記内部空気温度が前記正常内部空気温度範囲に含まれない場合には、前記蒸気弁における蒸気漏洩の可能性ありと診断する
ことを特徴とする蒸気弁診断方法。
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