JP2012193903A - 外気利用空調システム、その外気熱交換システム - Google Patents

外気利用空調システム、その外気熱交換システム Download PDF

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Abstract

【課題】外気熱交換システムまたは外気利用空調システムの成績係数の最大化を図る。
【解決手段】制御装置30は、温度計21、温度計22による外気の給気、排気時の計測温度と、電力計23,24によるファン11bとポンプ13の消費電力と、ファン11bの回転数と仮想回転数とに基づいて、成績係数及び推定成績係数を求め、これらの大小関係に基づいて成績係数が向上するようにファン11bの回転数を増減させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外気を利用する空調システムに関する。
従来より、外気を利用する空調システム(以下、外気利用空調システム)が存在する。
この様な外気利用空調システムは、例えばサーバルーム/データセンタ等に対して設置されている。ここでは、一例として、空調対象空間が、多数のサーバ装置が設置されているサーバルームであるものとして説明するが、この例に限らない。
上記サーバルームの例の場合、稼動中のサーバ装置(コンピュータ;そのCPU等)が主な発熱源となり、たとえ冬季のように外気温度が低い時期であっても、冷房が必要となる。逆にこれを利用して、主に夏季以外の外気温度が比較的低い時期において、外気を利用することで補助的な作用により空調装置の省エネ化を図ることが行われている。
すなわち、まず、サーバルームに対して、一般的な蒸気圧縮式などの冷凍サイクルによる空調システムが設置されている。よく知られているように、この様な冷凍サイクルによる空調システムでは、配管を用いて各機器(圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器)に冷媒を循環させるものであり、冷媒を、圧縮機で圧縮し、凝縮器で冷却して圧力が高い液体をつくり、膨張弁で圧力を下げ、蒸発器で低温で気化させて気化熱で周囲の熱を奪い取るものである。サーバルームからのリターン空気(暖気)を、蒸発器に通過させることで冷却して冷気を生成する。生成した冷気は、サーバルームに供給して発熱しているサーバ装置等を冷却することで暖気となり、この暖気を再び上記のように蒸発器に通過させることになる。
尚、通常、屋内には、上記蒸発器や、リターン空気の吸気や冷気の排気の為のファン等を有するユニット(エアハンドリングユニット)が設けられる。
尚、上述した一般的な蒸気圧縮式などの冷凍サイクルによる空調システムのことを、簡略化して「冷凍サイクルによる空調システム」や「一般的な空調システム」等と記す場合もある。
ここで、上記外気利用空調システムでは、上記一般的な空調システムに加えて、更に外気熱交換システムを設けている。この外気熱交換システムは、上述したエアハンドリングユニットの前段で、上記サーバルームからのリターン空気(暖気)を冷却してその温度を下げるものである。これより、エアハンドリングユニットに流入する暖気の温度が低くなるので、一般的な空調システムにおける冷却負荷が軽減でき、その消費電力を減少させることができる。尚、外気熱交換システムにおいて多少の電力消費が生じるが、これは一般的な空調システムの消費電力の減少量に比べれば、非常に小さなものとなる。よって、全体としての消費電力も、一般的な空調システムのみの場合と比べて、小さくなり、省エネ効果が得られる。
上記外気熱交換システムの構成は、例えば屋外と屋内とにそれぞれ熱交換器を設け、この2つの熱交換器間に配管を接続して、配管内に冷却液(例えば水など)を循環させるものである。これは、例えばポンプ等の動力によって冷却液を循環させるものである。尚、ここでは、屋外に設置する熱交換器を「空冷熱交換器」と呼ぶものとし、屋内に設置する熱交換器はそのまま「熱交換器」と呼ぶものとする。
「空冷熱交換器」には外気を通過させる。これはファン等を用いて外気の吸気・排気を行うものである。「空冷熱交換器」内には上記の通り冷却液(例えば水など)も通過し、外気と冷却液との間で熱交換が行われることになる。
同様に、「熱交換器」には上記リターン空気(暖気)を通過させる。これはファン等を用いてリターン空気の吸気・排気を行うものである。「熱交換器」内には上記の通り冷却液(例えば水など)も通過し、リターン空気と冷却液との間で熱交換が行われることになる。
ここで、「空冷熱交換器」、「熱交換器」の何れにおいても、当然のことながら、上記熱交換は、温度が高い方から温度が低い方へと熱が移動することになる。よって、例えば冬季であれば「空冷熱交換器」に流入する冷却液の温度より外気温度が低いので、冷却液は外気によって冷却することになる。そして、「熱交換器」においては、この様に外気によって冷却された冷却液によって、リターン空気(暖気)が冷却されることになる。
しかしながら、「空冷熱交換器」において外気温度が冷却液の温度より高い場合には、冷却液が冷却されず、逆に温度上昇する可能性もある。これは極端な例であるが、「空冷熱交換器」において得られる熱交換能力は、外気温度によって変動するものであり、基本的に、外気温度が高くなるほど(換言すれば外気と冷却液との温度差が小さくなるほど)、熱交換能力は小さくなる。
ここで、上記外気熱交換システムのように外気を用いて空冷熱交換器で冷却液媒体を冷却する場合、上述したように冷却液媒体をポンプ等で空冷熱交換器内に流すと共に、外気をファンで取り込むが、得られる熱交換能力は外気温度によって変動する。更に、得られる熱交換能力は、ファンの風量によっても変動する。ファンの風量を増加させることで冷却能力は増加するが、同時にファン動力も増加することになり(よって消費電力が増大し)、冷却効率の指標である成績係数(COP)(=単位消費電力あたりの冷却能力(熱交換量))が低下する場合があった。
ここで、従来より、室外ファンの回転数を制御して消費電力を最小にする例は幾つか知られている。例えば特許文献1、2等に記載の従来技術が知られている。
特許文献1の発明は、圧縮機、室外側熱交換器、室外ファン、室外電動膨張弁、室内側熱交換器、室内電動膨張弁等から成る空気調和機であって、目標空調負荷点に近づける目標空調運転が可能であると共に、例えば圧縮機の周波数や室外ファンの回転数等を制御して、消費電力量が略最小になる運転を可能とするものである。
また、特許文献2の発明は、除湿運転時に、室内温度と室内設定温度との差及び室内湿度と室内設定湿度との差に応じて、圧縮機及び室外ファンの回転数を補正することで、除湿効率の最大化を図るように除湿運転の制御を行うものである。
特開2003−185219号公報 特開平11−304285号公報
上述した特許文献1,2の発明は、何れも一般的な蒸気圧縮式などの冷凍サイクルによる空調システムの制御に関するものであり、これをそのまま外気利用空調システム(外気熱交換システム)に適用しても、有効な省エネ効果/成績係数向上効果は期待できない。
すなわち、特許文献1,2の発明の場合、目標冷却負荷を予め設定するためファン回転数と冷却負荷の関係より最小消費電力を求めて制御すればよい。しかしながら、上記外気利用空調システムの場合、主にエアハンドリングユニットが冷却負荷を処理し、外気熱交換システム(空冷熱交換器等)は補助として用いる。そのため、空冷熱交換器の冷却負荷を考慮して、その上でシステム全体で最小消費電力運転をする必要がある。
また、上述したように、外気利用空調システムの場合、外気温度が高い場合等には、外気熱交換システムを運転していると逆効果となる(成績係数が低下する)
本発明の課題は、外気熱交換システムにおける外気との熱交換量と消費電力とに基づいて成績係数を演算して、この成績係数に基づいて外気熱交換システムのファン回転数を制御することで、更に成績係数が所定の閾値未満となったら外気熱交換システムを停止することで、如何なる外気状態においてもほぼ最大効率で運転が可能となり、省エネルギー化が図れる外気利用空調システム、その外気熱交換システム等を提供することである。
本発明の外気利用空調システムは、冷気を生成する屋内ユニットを有する、冷凍サイクルによる空調システムと、前記屋内ユニットの前段に設けられた屋内熱交換器と屋外に設けられる空冷熱交換器とに冷却液を循環させ、前記屋内熱交換器において該冷却液と屋内の暖気との熱交換を行わせると共に、該空冷熱交換器において該冷却液と外気との熱交換を行わせる外気熱交換システムとを有する外気利用空調システムであって、前記冷却液を循環させる為のポンプの消費電力と前記空冷熱交換器が有するファンの消費電力を測定する消費電力測定手段と、前記空冷熱交換器を通過する前記外気の給気温度、排気温度を計測する温度計測手段と、該消費電力測定手段で測定した前記各消費電力を入力すると共に、前記温度計測手段で計測した前記給気温度、排気温度を入力し、前記ファンの回転数を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記給気温度と排気温度との温度差と、前記ファンの回転数に基づいて算出したファン風量とに基づいて、前記空冷熱交換器における熱交換量を算出する熱交換量算出手段と、該熱交換量と前記ポンプと前記ファンの消費電力とに基づいて、単位消費電力当たりの冷却能力を表す成績係数を算出する成績係数算出手段と、該算出された成績係数に基づいて、前記ファンの回転数を現状維持または増加/減少させ、あるいは前記外気熱交換システムを運転停止する運転制御手段とを有する。
上記構成の外気利用空調システムにおいて、例えば、前記制御装置は、前記ファン回転数を減少または増加させて成る仮想ファン回転数に基づいて、該仮想ファン回転数に応じた熱交換量とファン消費電力とを推定演算し、該推定した熱交換量及びファン消費電力と、前記ポンプ消費電力とに基づいて、前記仮想ファン回転数に応じた前記成績係数を推定演算する推定成績係数算出手段を更に有し、前記運転制御手段は、前記成績係数算出手段で算出した成績係数と、前記推定成績係数算出手段で推定演算した推定成績係数とを比較して、両者の大小関係に基づいて、前記ファン回転数を増加させるか、減少させるか、あるいは現状維持するかを決定するファン回転数増減決定手段を有する。
また、例えば、前記運転制御手段は、前記成績係数が略最大となるように前記ファン回転数を増減させるものである。
また、上記構成の外気利用空調システムにおいて、例えば、前記運転制御手段は、前記算出された成績係数と、予め設定されている所定の閾値とを比較して、該成績係数が該閾値未満となった場合には前記ファンを運転停止する。これは、例えば、前記閾値は、予め算出された、前記冷凍サイクルによる空調システム単独の成績係数である。
外気熱交換システムの成績係数が、冷凍サイクルによる空調システム単独の成績係数よりも悪いのであれば、外気熱交換システムを運転する意味がないので、外気熱交換システムの運転を停止することで、外気利用空調システム全体としての成績係数向上を図る。
本発明の外気利用空調システム、その外気熱交換システム等によれば、外気熱交換システムにおける外気との熱交換量と消費電力とに基づいて成績係数を演算して、この成績係数に基づいて外気熱交換システムのファン回転数を制御することで、更に成績係数が所定の閾値未満となったら外気熱交換システムを停止することで、如何なる外気状態においても最大効率で運転が可能となり、省エネルギー化が図れる。
外気利用空調システムの概略構成図である。 外気熱交換システムの詳細構成図である。 制御装置の処理フローチャート図である。 外気温度と成績係数との関係を示す図である。 外気熱交換システムにおけるファン回転数と成績係数/ファン動力との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本手法の適用対象である外気利用空調システムの概略構成図である。
図示の概略構成自体は、既存の構成と見做してよく、ここでは簡単に説明する。
また尚、実施の形態の説明においても、上述した一般的な蒸気圧縮式などの冷凍サイクルによる空調システムのことを、簡略化して「冷凍サイクルによる空調システム」や「一般的な空調システム」等と記す場合もある。
図1において、空調対象であるサーバルームには複数の(多数の)サーバ装置等が設置されている。上記の通り、稼動中のサーバ装置は、発熱体と見做してよく、冷房を行わないと高温となってしまい、サーバ装置の故障を招くことになる。これは、夏季は勿論のこと、冬季など、他の季節においても同様であり、基本的には1年中、冷房が必要となる。
図示の例では、一般的な空調システムにおける屋内ユニットであるエアハンドリングユニット1が、冷気を生成すると共に、この冷気を床下空間に送出し、床下空間を介して冷気をサーバルームに供給する(図示のサーバ室給気)。サーバルームに供給された冷気は、サーバ装置を冷却することで温度上昇して暖気となり、上昇してサーバルームから流出する。
ここで、図示の例では、建屋(建物)内に空調室が設けられ、空調室内にはエアハンドリングユニット1等とサーバルームが設けられているが、ここでは特に空調室内においてサーバルームの空間以外の空間を空調室と呼ぶものとする。よって、上記サーバルームから流出する暖気(リターン空気)は、空調室内に流入するものと言える。
そして、空調室内には図示の通りエアハンドリングユニット1と熱交換器12が設けられている。尚、一般的な空調システムのみの場合には、この空調室内に流入する暖気(図示のサーバ室還気;リターン空気)が、エアハンドリングユニット1内に流入してその内部で冷却されて冷気となって排出されることになる。
また、図示の例では、上記冷凍サイクルによる空調システムの構成については、その一部であるエアハンドリングユニット1と冷媒管2のみを示し、他の構成(圧縮機、凝縮器、膨張弁等)については省略している。エアハンドリングユニット1は、上記従来で説明した通り、蒸発器1aや、リターン空気の吸気や冷気の排気の為のファン1b等を有している。また、冷媒管2は、蒸発器1aや上記不図示の圧縮機、凝縮器、膨張弁等に接続しており、これら各構成に冷媒を循環させる。
尚、上記冷凍サイクルによる空調システムの構成は、上記の例に限らない。例えば、冷媒として冷水を用いるものとし、上記符号1aの構成は、蒸発器に限らず、冷水と空気との熱交換を行う熱交換器であってもよい。この例の場合、屋外には凝縮器等の代わりにクーリングタワー等が設けられる場合が少なくない。
そして、外気利用空調システムの場合、既に説明した通り、上記一般的な空調システムに加えて更に外気熱交換システムが設けられている。外気熱交換システムは、図示の空冷熱交換器11、熱交換器12、ポンプ13、配管14等から成る。尚、外気熱交換システムの詳細については、後に図2を参照して説明するものとし、ここでは簡単な説明のみとする。
空冷熱交換器11と熱交換器12は、配管14に接続しており、配管14を介して冷却液(水など)が循環している。冷却液循環の動力源は、配管14上の任意の位置に設けられるポンプ13である。
空冷熱交換器11は、屋外に設けられており、外気を通過させることで、外気と冷却液との熱交換を行わせる。空冷熱交換器11内には、外気を吸気・排気する為のファン11bが設けられている。
一方、熱交換器12は、屋内(空調室内)に設けられており(よって屋内熱交換器12と呼んでも良い)、リターン空気(暖気)を通過させることで、リターン空気と冷却液との熱交換を行わせる。熱交換器12は、上記暖気の流れに関してエアハンドリングユニット1の上流側(前段)に設けられている。これより、上記サーバルームから空調室内に流入した暖気(リターン空気)は、まず熱交換器12を通過した後に、エアハンドリングユニット1内に流入することになる。
熱交換器12には、上記空冷熱交換器11において外気と熱交換して(基本的には)冷却された冷却液が流入し、この冷却液と上記リターン空気との熱交換が行われることになり、(基本的には)リターン空気は冷却液によって冷却されて温度低下することになる。どの程度温度低下するのかは、上述したように外気温度や風量等によって左右されることになる。
尚、熱交換器12におけるリターン空気との熱交換によって(基本的には)温度上昇した冷却液は、再び空冷熱交換器11において外気との熱交換によって(基本的には)冷却されることになる。
また、尚、熱交換器12は、図示のように熱交換器本体12a、ファン12b等を有する。上記配管14は熱交換器本体12aに接続されており、上記冷却液とリターン空気が熱交換器本体12aを通過することで両者の間で熱交換が行われる。また、ファン12bによって、上記リターン空気を熱交換器12に流入させると共にエアハンドリングユニット1へ向けて排出するという空気の流れを形成する。
上記外気熱交換システムにおける消費電力は、上記熱交換器12のファン12bと、ポンプ13と、上記空冷熱交換器11の後述するファン11bの各消費電力の合計であると見做してよい。
上記のように、上記リターン空気は、まず熱交換器12を通過することで上記冷却液との熱交換によって(基本的には)冷却されて温度低下する。よって、エアハンドリングユニット1には、温度低下されたリターン空気が、流入することになる。よって、エアハンドリングユニット1における所定温度(設定温度)の冷気生成の為の負担が軽減されることになり、省エネ化が図れる。
しかしながら、既に述べた通り、外気温度がある程度以上高くなると、外気熱交換システムが実質的に機能しなくなる。また、外気熱交換システムの運転の為の電力消費があるので、この電力消費分以上の機能(リターン空気の冷却)を果たさなければ、外気熱交換システムを運転する意味がないことになる。例えば、空冷熱交換器11のファン11aの回転数を増加することで外気風量を増加させれば、冷却能力は増加するが、同時にファン動力も増加することになる。従って、冷却効率の指標である成績係数(COP)(=単位消費電力あたりの冷却能力(熱交換量))が、略最適となるような制御が望まれる。
その為に、本手法では、外気熱交換システムにおいて例えば図2に示す構成とすると共に、図3に示すフローチャート処理による制御を実行する。
まず、図2を参照して外気熱交換システムの詳細構成について説明する。
図2において、まず、上記空冷熱交換器11は、熱交換器本体11a、ファン11b等を有する。熱交換器本体11aは上記配管14に接続しており、これより熱交換器本体11a内には上記冷却液が流れる。また、ファン11bによって図示のように外気が空冷熱交換器11の筐体内に取り込まれて(給気されて)、当該外気が熱交換器本体11aを通過する。これによって、熱交換器本体11aにおいて外気と冷却液との間で熱交換が行われ、基本的には外気(冷風)によって冷却液が冷却される。これより、外気は温度上昇して排気される。
ここで、図2に示すように、上記空冷熱交換器11に対して、温度計21、温度計22が設けられている。温度計21は上記外気の吸気(給気)時の温度(冷風温度Tiと言うものとする)を計測する温度計である。温度計22は、上記外気の排気時の温度(排気温度Toと言うものとする)を計測する温度計である。また、上記配管14上に設けられるポンプ13の消費電力を計測する電力計23と、上記ファン11bの消費電力を計測する電力計24が、更に設けられている。更に、ファン11bの回転を制御する回転数制御装置25と、外気熱交換システム全体を制御する制御装置30とが設けられている。
制御装置30は、演算器31、入力インタフェース32、出力インタフェース33等を有する。
演算器31は、CPU、メモリ等を有する演算処理ユニットである。メモリ(不揮発性メモリ)には、予め所定のアプリケーションプログラム等が記憶されており、CPUは、メモリからアプリケーションプログラムを読出し・実行することで、外気熱交換システム全体を制御する。ここでは、特に後述する図3に示すフローチャート図の処理を実行するものである。
演算器31は、入力インタフェース32を介して、上記温度計21、温度計22で計測した上記冷風温度Ti、排気温度Toや、上記電力計23、24で計測したポンプ13、ファン11bの消費電力等を入力する。また、演算器31は、出力インタフェース33を介して、上記回転数制御装置25に対して制御信号を送信することで、回転数制御装置25にファン11bの回転数を制御させる(指示した回転数nとなるように制御させる)。
以下、図3のフローチャート図を参照して、上記制御装置30(その演算器31)によって実行される処理例について説明する。
図3の処理は、例えば予め決められた所定周期毎に実行する。
まず、上記温度計21,22によって測定される上記冷風温度To、排気温度Tiを取得する(ステップS11)。そして、“空気温度差Ts=排気温度To−冷風温度Ti”を演算することで空気温度差Tsを算出する(ステップS12)。
続いて、ファン11bのファン回転数n基づいて、ファン11bのファン風量Qを算出する(ステップS13)。よく知られているようにファン回転数nの二乗と風量Qとが比例関係にあることから(n∝Q)、予め設定されている任意の係数α(例えば製品のカタログ値等)を用いて、「Q=αn」によってファン11bのファン風量Qを算出する。尚、ここではファン11bの回転数は上記指示した通りとなっているものと見做すものとするが、この例に限らず、例えばファン11bの回転数を検出するセンサを設けて、このセンサの計測値を取得するようにしてもよい。
次に、上記ステップS12、S13で求めた空気温度差Ts、ファン風量Qとから、空冷熱交換器11(その熱交換器本体11a)による熱交換量Eを求める(ステップS14)。ここで、上記排気温度To、冷風温度Ti、ファン風量Q、熱交換量Eについては、以下の関係式が知られている。
To = Ti+{E/(Q・Cp)}
尚、Cpは、比熱(例えば、空気の定圧比熱)である。
従って、この式より、以下の熱交換量Eの算出式((1)式)が得られる。
E = (To−Ti)×(Q・Cp) = Ts×(Q・Cp) ・・・(1)式
よって、上記ステップS12、S13で求めた空気温度差Ts、ファン風量Qを用いて、上記(1)式によって、空冷熱交換器11(その熱交換器本体11a)による熱交換量Eを算出することができる。尚、Cpの値は、予め設定されている。
続いて、ファン動力Pfan、ポンプ動力Ppompをそれぞれ測定する(ステップS15)。これは、ポンプ動力に関しては、上記電力計23で計測されたポンプ13の消費電力を取得してこれをポンプ動力Ppompとするものである。同様に、ファン動力に関しては、上記電力計24で計測されたファン11bの消費電力を取得して、これをファン動力Pfanとする。つまり、この例では、ファン動力Pfanはファン11bの消費電力を意味し、ポンプ動力Ppompはポンプ13の消費電力を意味する。
そして、ステップS14で算出した熱交換量Eと、ステップS15で測定したファン動力Pfan、ポンプ動力Ppompとに基づいて、以下の(2)式により成績係数COPを算出する(ステップS16)。
COP = E/(Pfan+Ppomp) ・・・(2)式
以上で、現状における実測値に基づく成績係数COPを求めた。尚、これを測定成績係数COPと呼ぶものとし、後述する推定成績係数COP’と区別するものとする。
続いて、以下のステップS17〜S19の処理によって、ファン11bの風量と動力の推定値に応じた成績係数COP(推定成績係数COP’)を求める。
まず、空冷熱交換器11のファン11bの回転数を減らした場合のファン11bのファン風量とファン動力の推定演算を行う(ステップS17)。尚、本例では回転数を減らした場合の推定演算を行うが、この例に限らず、回転数を増やした場合の推定演算を行うようにしてもよい。
上記ステップS17の処理の関しては、予め設定されている任意の固定値(=m)分だけ、ファン11bの回転数を減らす(n’=n−m)。そして、この推定回転数(仮想ファン回転数)n’を用いて、上記回転数実測値nの場合(算出式「Q=αn」)と略同様にして、仮想ファン回転数n’におけるファン11bの推定ファン風量Q’を以下の式によって求める。
Q’=αn’
また、ファン動力に関しては、上記ステップS15では実測値を用いたが、ここでは推定演算を行う。すなわち、ファン動力(消費電力)はファン回転数の三乗に比例するので、予め設定されている任意の係数βを用いて、以下の(3)式によって、仮想ファン回転数n’におけるファン11bのファン動力(消費電力)の推定演算を行う。
ファン動力P’fan=βn’ ・・・(3)式
このようにして、空冷熱交換器11のファン11bの回転数を減少させて回転数n’とした場合の“ファン11bの消費電力”の推定値(推定ファン動力P’fan)を、上記(3)式で求める。
尚、上記係数α、βの値は、開発者等が例えば実験によって適宜決めるものであるが、この例に限らない。
続いて、ステップS17で求めた推定ファン風量Q’を用いて、上記(1)式によって推定熱交換量E’を算出する(ステップS18)。尚、これは、上記(1)式におけるQをQ’に置き換えて算出するものである。つまり、以下の(1)’式によって、推定熱交換量E’(空冷熱交換器11のファン11bの回転数を減少させて回転数n’とした場合の、空冷熱交換器11(その熱交換器本体11a)による熱交換量)を算出するものである。尚、ここではTsは変わらないものと見做す(図5に示すように、回転数が多少増減した程度ではTsは殆ど変わらないので)。
E’ = Ts×Q’・Cp ・・・(1)’式
但し、上記の例に限らない。上記の通り、図5に示すように、ファン回転数(風量)が多少増減した程度ではTsはあまり変わらないが、それでも変化はしている。従って、より正確に推定熱交換量E’を求める為に、以下に説明するようにして推定熱交換量E’を算出してもよい。
すなわち、まず、上記のように風量Qの変化(Q→Q’)に応じて空気温度差Tsは変化する。しかし、ここでは空気温度差の変化量は分からないので、当該変化量を用いることなく空気温度差Tsを用いて、より正確に推定熱交換量E’を求めることを考える。
ここで、熱交換量は、ある風量範囲において比例関係にあると見做せるので、予め実験等によって得た比例係数γを用いて、
E’/E=γ×(Q’/Q)
が成り立つことになる。
これに上記(1)式を代入すると、すなわちE=Ts×(Q・Cp)を代入すると、以下の(1)”式が得られることになる。
E’=E×γ×(Q’/Q)
=γ×Ts×(Q’×Cp) ・・・(1)”式
上記のように、(1)”式は、上記(1)’式に(その右辺に)比例係数γを乗じたものとなる。上記(1)”式を、上記(1)’式の代わりに用いるようにしてもよい。尚、本説明において「(1)’式」と言った場合、それには上記(1)”式も含まれていると見做してもよい。
そして、上記推定熱交換量E’と、上記推定ファン動力P’fanと、ポンプ動力Ppompとに基づいて、上記(2)式と同様の算出式(下記の式(2)’)によって推定成績係数COP’を算出する(ステップS19)。尚、ポンプ動力は変更しないので、上記実測値に基づくポンプ動力Ppompをそのまま用いる。
COP’ = E’/(Pfan’+Ppomp) ・・・(2)’式
以上の処理によって、測定成績係数COPと推定成績係数COP’を算出したら、続いて、まず以下の(4)式によって成績係数差分値COP”を算出する(ステップS20)。
COP” = 推定成績係数COP’−測定成績係数COP ・・・(4)式
そして、差分値COP”が‘0’であるか否かを判定し(ステップS21)、差分値COP”が‘0’である場合には(ステップS21,YES)、ファン11bの回転数の増減は行わずに(現状維持として)、後述するステップS25の処理へ移行する。
一方、差分値COP”が‘0’ではない場合には(ステップS21,NO)、まず、差分値COP”が、正の値であるか、負の値であるかを判別する(ステップS22)。そして、差分値COP”が正の値である場合には(ステップS22,YES)、ファン回転数を減少させる(ステップS23)。これは、予め設定されている所定量mの分だけ、減少させるものである(つまり、上記回転数n’とする)。一方、差分値COP”が負の値である場合には(ステップS22,NO)、ファン回転数を増加させる(ステップS24)。これは、予め設定されている所定量mの分だけ、増加させるものである(n=n+m)。尚、上記回転数の増減を行うファンは、空冷熱交換器11のファン11bである。
ここで、上記ステップS20〜ステップS24の処理について、図5を参照して説明する。
図5は、外気熱交換システムにおけるファン回転数と成績係数/ファン動力との関係を示す図である。
図5において、横軸はファン回転数であり、本説明においてはファン11bの回転数を意味するものとする。そして、主に、ファン回転数とファン動力及び成績係数との関係を示している。
尚、図5においては、更に参考の為にファン回転数と、排気温度/冷風温度(何れ乾球温度)との関係も示す(何れも一点鎖線で示す)。これについて、簡単に説明しておくならば、冷風(乾球)温度はファン回転数によって変化するものではないので図示の通り一定であり、一方、排気(乾球)温度はファン回転数が大きくなるに従って徐々に低下していく。
図5において、ファン回転数と成績係数との関係を太い実線で示し、ファン回転数とファン動力との関係を細い実線で示す。
細い実線で示す通り(そして、当然のことながら)、ファン回転数が大きくなるとファン動力は増大する。
一方、太い実線で示す通り、成績係数は、ファン回転数が所定の回転数(図示のF1)のときをピークとして、ファン回転数が上記回転数F1よりも大きくなるに従って値が低下していく。そして、ファン回転数がある値(図示のF2)以上になると、成績係数は下限設定値(後述する、予め設定される所定の閾値=‘r’等)未満となってしまい、後述するステップS27によって運転停止することになる。
同様に、ファン回転数が上記回転数F1よりも小さい領域においても図示の通り、ファン回転数が小さくなるに従って成績係数の値は低下していく。そして、ファン回転数がある値(図示のF3)未満になると、成績係数は上記下限設定値(所定の閾値=‘r’)未満となってしまい、後述するステップS27によって運転停止することになる。
成績係数を、上記ファン回転数が所定の回転数(図示のF1)のときの成績係数(ピーク値)に、出来るだけ近づけるようにする処理が、上記ステップS20〜ステップS24の処理である。そして、ピーク値近辺であっても下限設定値未満である場合にはステップS27によって運転停止することになる。
まず、本例では、図5に示す特性より、成績係数は上記ピーク値近辺では回転数を多少増減させても殆ど変化しないものと見做している。これより、ステップS21の判定がYESの場合、すなわち回転数を減少させたときに成績係数の差分値が‘0’(すなわち、成績係数が変化しない)の場合には、ファン回転数は上記回転数F1近辺である(成績係数は上記ピーク値近辺である)と見做すものとしている。この場合、回転数を増減させる必要はないと考えられるので(成績係数によって判断する場合には、ほぼベストの状態と考えられるので)、上記の通り、ステップS21の判定がYESの場合には、ファン11bの回転数は変更しない。
尚、ステップS21の判定は、完全に‘0’である場合に限らず、所定のマージンを含めて判定することで、‘0’にある程度近ければYESと判定するようにしてもよい。
また、図5には、現在のファン回転数nが図示のF4であるものとし、その測定成績係数COP、ファン動力Pfanを示すと共に、ステップS17でファン回転数を減らして推定回転数n’=F5とした場合における推定成績係数COP’、推定ファン動力P’fanを示している。図示の例では、推定成績係数COP’は測定成績係数COPよりも大きいので、ステップS22の判定はYESとなり、ステップS23により回転数を減少させることになる。尚、この場合、ステップS23の処理は、ファン回転数nを上記推定回転数n’(=F5)に設定することを意味するものと考えても良い。尚、これを、上述したmを用いて“n=n−m”とするものと説明するならば、ステップS24の処理は“n=n+m”とするものと考えても良い。
また、尚、もしステップS22の判定がNOとなるならば、現在の回転数nは上記所定の回転数F1より小さいもの(図上、左側の領域)であると考えられる。よって、この場合、ステップS24で回転数を増加させることで、成績係数が上記ピーク値に近づく(回転数がF1に近づく)ことが期待できる。
上記のように、ファン11bの回転数を減少させることで成績係数が大きくなる(成績が向上する)と推定される場合には、回転数を減少させることで成績係数の向上を図る(ピーク値に近づける)。その逆に、ファン11bの回転数を減少させることで成績係数が小さくなる(成績が悪くなる)と推定される場合には、回転数を増加させることで成績係数の向上を図る。
尚、既に述べたように、ステップS17の処理は、回転数の減少ではなく、回転数の増加としてもよい。この場合にも、ステップS22の判定が「差分値>0?」の代わりに「差分値<0?」となるだけであり、処理の意味自体は変わらない。すなわち、
ファン11bの回転数を増加させることで成績係数が大きくなる(成績が向上する)と推定される場合には、回転数を増加させることで成績係数の向上を図る。その逆に、ファン11bの回転数を増加させることで成績係数が小さくなる(成績が悪くなる)と推定される場合には、回転数を減少させることで成績係数の向上を図る。
ここで、上記の処理を繰り返すことで、ファン回転数を徐々に上記F1に近づけていくことが期待できるが、ファン回転数がF1近辺となり成績係数が目標値近辺(最大値近辺)となっても、成績係数が図示の「成績係数下限設定値」(後述する‘r’)未満となる場合が有り得る。図示の成績係数のグラフは、外気温度が高くは無い状態におけるものであり、外気温度が高くなると成績係数のグラフが全体的に下がることになり、ピーク値であっても「成績係数下限設定値」未満となる状態が起こり得る。これは、後述する図4における外気温度Tk以上の状態に相当するものであり、詳しくは後に図4を参照して説明する。
これより、上述した処理を複数回繰り返すことで、ファン回転数がF1近辺となり成績係数が目標値近辺(最大値近辺)となる状態としたうえで、そのときの成績係数が「成績係数下限設定値」未満となっているか否かを判定する。
これは、まず、上記ステップS21の判定がYESの場合、または上記ステップS23、S24の何れかの処理を実行後に、ステップS11〜S24の処理を、予め設定されている処理回数(S回)実行したか否かを判定する(ステップS25)。もし、ステップS11〜S24の処理の実行回数sが、所定回数(S回)未満であった場合には、実行回数sを+1インクリメントしたうえでステップS11に戻り、再びステップS11〜S24の処理を実行し、再びステップS25の判定を行う。尚、所定回数(S回)は、任意に決めて設定しておけばよく、例えば10回〜数十回程度が一例として考えられる。
そして、ステップS25の判定がYESとなったら、ステップS26の処理へと移行する。尚、上記の例に限らず、例えばステップS21の判定がYESの場合には、そのままステップS26の処理へと移行するようにしてもよい。
ステップS26では、測定成績係数COPが所定の下限設定値未満であるか否かをチェックする(ステップS26)。もし、測定成績係数COPが所定の下限設定値未満であるならば(COP<下限設定値)(ステップS26,YES)、ファン11b等を停止して(ステップS27)、本処理を終了する。ステップS27の処理は、例えばファン11b、ファン12b、ポンプ13を全て停止するものであり、これは実質的に外気熱交換システムの運転停止を意味する。一方、測定成績係数COPが所定の下限設定値以上であるならば(COP≧下限設定値)(ステップS26,NO)、上記実行回数sを‘1’にリセットしたうえで、本処理を終了する。
既に述べたように、図5における成績係数のグラフは、外気温度が高い場合には最大値であっても下限設定値未満となるグラフとなる場合も有り得るので、この様な状態になった場合にはファン11b等を停止して、外気利用空調システム全体としての成績係数の最適化を図る。
尚、例えば外気熱交換システムの運転停止時の外気温度(温度計21の計測温度など)を記憶しておき、運転停止後も定期的に温度計21の計測温度を取得して、これが上記運転停止時の外気温度よりも所定量以上小さくなったら(例えば外気温度が3℃以上下がったら;例えば運転停止時の外気温度が30℃であるものとし、外気温度が27℃未満になったら)、運転を再開するようにしてもよい。運転再開後は、例えば再び定周期で図3の処理を実行する。
尚、外気熱交換システムの消費電力としては、ファン12bの消費電力もある。よって、ファン12bの消費電力を計測する電力計を更に設けて、上記ファン動力Pfanを「ファン11bの消費電力+ファン12bの消費電力」によって算出するようにしてもよい。また、この例の場合、上記推定ファン動力P’fanを「ファン11bの消費電力の推定値+ファン12bの消費電力」等としてもよい(ファン12bの回転数は変更しないものとする)。
ここで、上記ステップS25〜S27の処理について、図4を参照して説明する。
図4において、横軸は外気温度、縦軸はCOPであり、外気温度とCOPとの関係を示すものである。上記エアハンドリングユニット1等の一般的な空調システムの外気温度−COP関係を、図上の太い実線で示す。また、外気熱交換システムの外気温度−COP関係を、図上の細い実線で示す。
ここで、図上、上記細い実線が途中で(外気温度がある値以上の領域で)点線になっているが、これは上記ステップS27の処理を行わない場合について示している。すなわち、図示のように外気熱交換システムに関しては外気温度とCOPとはほぼ反比例の関係にあり、外気温度が高くなるほどCOPは低下する。一方、図示のように、一般的な空調システムに関しては、COPは外気温度に殆ど影響されず、COPの値はほぼ一定となっている(COP=rとする)。尚、rの値は、予め、開発者等が、外気熱交換システムを運転停止した状態における一般的な空調システムの熱交換量と消費電力の計測/計算結果に基づいて算出しておけばよい。
これより、外気温度が比較的低い状態(図示の外気温度Tk未満)のときには、外気熱交換システムのCOPは上記‘r’より大きいが、外気温度が比較的高い状態(図示の外気温度Tk以上)のときには、外気熱交換システムのCOPは上記‘r’より小さくなる。また、外気利用空調システム全体(一般的空調システム+外気熱交換システム)のCOPは、例えば図上一点鎖線で示すものとなる。つまり、上記外気温度Tk以上の状態では、外気利用空調システム全体のCOPは、一般的空調システム単独で運用した場合のCOPよりも低くなってしまう。これでは、外気熱交換システムを運転する意味がない。
これより、本手法では、例えば上記‘r’を上記ステップS26で用いる下限設定値とすることで(下限設定値=r)、上記外気温度が比較的高い状態(図示の外気温度Tk以上)のときには、外気熱交換システムを運転停止状態とすることで、COPの低下を防止し、外気利用空調システム全体としての成績係数の最大化を図る。
以上説明したように、本手法を適用した外気利用空調システム、その外気熱交換システム等によれば、外気熱交換システムにおける外気との熱交換量と消費電力とに基づいて成績係数を演算して、この成績係数に基づいて外気熱交換システムのファンの風量を制御することで、更に成績係数が所定の設定値未満となったら外気熱交換システムを停止することで、如何なる外気状態においてもほぼ最大効率で運転が可能となり、省エネルギー化が図れる。
1 エアハンドリングユニット
1a 蒸発器
1b ファン
2 冷媒管
11 空冷熱交換器
11a 熱交換器本体
11b ファン
12 熱交換器
12a 熱交換器本体
12b ファン
13 ポンプ
14 配管
21 温度計
22 温度計
23 電力計
24 電力計
30 制御装置
31 演算器
32 入力インタフェース
33 出力インタフェース

Claims (7)

  1. 冷気を生成する屋内ユニットを有する、冷凍サイクルによる空調システムと、前記屋内ユニットの前段に設けられた屋内熱交換器と屋外に設けられる空冷熱交換器とに冷却液を循環させ、前記屋内熱交換器において該冷却液と屋内の暖気との熱交換を行わせると共に、該空冷熱交換器において該冷却液と外気との熱交換を行わせる外気熱交換システムとを有する外気利用空調システムであって、
    前記冷却液を循環させる為のポンプの消費電力と前記空冷熱交換器が有するファンの消費電力を測定する消費電力測定手段と、
    前記空冷熱交換器を通過する前記外気の給気温度、排気温度を計測する温度計測手段と、
    該消費電力測定手段で測定した前記各消費電力を入力すると共に、前記温度計測手段で計測した前記給気温度、排気温度を入力し、前記ファンの回転数を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記給気温度と排気温度との温度差と、前記ファンの回転数に基づいて算出したファン風量とに基づいて、前記空冷熱交換器における熱交換量を算出する熱交換量算出手段と、
    該熱交換量と前記ポンプと前記ファンの消費電力とに基づいて、単位消費電力当たりの冷却能力を表す成績係数を算出する成績係数算出手段と、
    該算出された成績係数に基づいて、前記ファンの回転数を現状維持または増加/減少させ、あるいは前記外気熱交換システムを運転停止する運転制御手段と、
    を有することを特徴とする外気利用空調システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記ファン回転数を減少または増加させて成る仮想ファン回転数に基づいて、該仮想ファン回転数に応じた熱交換量とファン消費電力とを推定演算し、該推定した熱交換量及びファン消費電力と、前記ポンプ消費電力とに基づいて、前記仮想ファン回転数に応じた前記成績係数を推定演算する推定成績係数算出手段を更に有し、
    前記運転制御手段は、
    前記成績係数算出手段で算出した成績係数と、前記推定成績係数算出手段で推定演算した推定成績係数とを比較して、両者の大小関係に基づいて、前記ファン回転数を増加させるか、減少させるか、あるいは現状維持するかを決定するファン回転数増減決定手段を有することを特徴とする請求項1記載の外気利用空調システム。
  3. 前記運転制御手段は、前記成績係数が略最大となるように前記ファン回転数を増減させることを特徴とする請求項2記載の外気利用空調システム。
  4. 前記仮想ファン回転数が前記ファン回転数を減少させたものである場合には、前記運転制御手段は、前記推定成績係数が前記成績係数よりも小さい場合には前記ファン回転数を増加させ、前記推定成績係数が前記成績係数よりも大きい場合には前記ファン回転数を減少させることを特徴とする請求項2または3記載の外気利用空調システム。
  5. 前記運転制御手段は、前記算出された成績係数と、予め設定されている所定の閾値とを比較して、該成績係数が該閾値未満となった場合には前記ファンを運転停止することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の外気利用空調システム。
  6. 前記閾値は、予め算出された、前記冷凍サイクルによる空調システム単独の成績係数であることを特徴とする請求項5記載の外気利用空調システム。
  7. 冷凍サイクルによる空調システムにおける屋内ユニットの前段に設けられた屋内熱交換器と、屋外に設けられる空冷熱交換器とに冷却液を循環させ、前記屋内熱交換器において該冷却液と屋内の暖気との熱交換を行わせると共に、該空冷熱交換器において該冷却液と外気との熱交換を行わせる外気熱交換システムであって、
    前記冷却液を循環させる為のポンプの消費電力と前記空冷熱交換器が有するファンの消費電力を測定する消費電力測定手段と、
    前記空冷熱交換器を通過する前記外気の給気温度、排気温度を計測する温度計測手段と、
    該消費電力測定手段で測定した前記各消費電力を入力すると共に、前記温度計測手段で計測した前記給気温度、排気温度を入力し、前記ファンの回転数を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記給気温度と排気温度との温度差と、前記ファンの回転数に基づいて算出したファン風量とに基づいて、前記空冷熱交換器における熱交換量を算出する熱交換量算出手段と、
    該熱交換量と前記ポンプと前記ファンの消費電力とに基づいて、単位消費電力当たりの冷却能力を表す成績係数を算出する成績係数算出手段と、
    該算出された成績係数に基づいて、前記ファンの回転数を現状維持または増加/減少させ、あるいは前記外気熱交換システムを運転停止する運転制御手段と、
    を有することを特徴とする外気熱交換システム。
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