JP6381728B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガス温度を精度良く算出し、タービン流量やウエストゲートバルブ開度のずれをなくし、出力目標値に精度よく制御することのできる内燃機関の制御装置を得る。【解決手段】熱効率演算部312は、内燃機関の熱効率の変化因子である、点火時期または、充填効率または、空燃比または、EGR率のいずれかの組合せに基づいて熱効率を演算し、排気損失演算部301は、熱効率演算部で演算した熱効率と、排気損失の変化因子である、点火時期または、充填効率または、空燃比または、EGR率のいずれかの組合せに基づいて排気損失を演算し、排気ポート温度演算部302は、排気損失に基づき、排気ポート部の排気ガス温度を演算する。【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関から排出される排気ガスの温度を推定する排気系の状態推定を行うことができる内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、内燃機関の出力を向上させること等を目的として、排気ガスでタービンを回転させることによって動作するターボチャージャを搭載した過給機付エンジンが知られている。
特許文献1は、エンジンの出力目標値に基づいて目標吸入空気量(目標充填効率にほぼ等しい)を算出し、目標吸入空気量およびエンジン回転速度に基づき目標過給圧を算出し、目標過給圧から目標タービン流量を算出し、排気ガス流量と目標タービン流量から目標ウエストゲートバルブ流量を算出して、ウエストゲートバルブ開度を制御することで、目標トルクになるように圧縮機駆動力を制御するものである。
目標ウエストゲートバルブ流量の算出には排気ガス温度が必要であるが、特許文献1では、排気ガス温度はメモリ内に記憶された充填効率と回転速度より参照するマップ値を用いている。
特許文献2は、吸気酸素濃度と燃料噴射時期の変化量から基準運転状態からの熱効率の変化量を算出し、基準運転状態の排気熱量と基準運転状態からの熱効率の変化量に基づいて排気温度を推定している。
特許5963927号公報 特開2015−031170号公報
特許文献1では、充填効率と回転速度より参照するマップから求めた排気ガス温度では、点火時期や空燃比にずれや変化があった場合の排気ガス温度の変化には対応できないため、排気ガス温度を用いて算出するタービン流量やウエストゲートバルブ開度がずれて、過給圧が過剰になってエンジンやターボチャージャを損傷させる原因になったり、過給圧が不足して走行性が悪化したり、過給圧不足を過剰なアクセル操作で補おうとして燃費が悪化するなどの問題が生じる。
また特許文献2では、基準運転状態からの熱効率の変化量に基づいて排気温度を推定しているため、冷却損失等の変化により熱効率と排気熱量の関係がずれると排気温度がずれるという問題が生じる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、排気損失を精度よく推定することで排気ガス温度を精度良く算出し、タービン流量やウエストゲートバルブ開度のずれをなくし、出力目標値に精度よく制御することのできる内燃機関の制御装置を得ることを目的とする。
この発明による内燃機関の制御装置は、あらかじめ記憶されたエンジンの運転状態ごとの基本となる熱効率に対して、内燃機関の熱効率の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率による熱効率の変化で補正して熱効率を演算する熱効率演算部と、熱効率演算部で演算した熱効率と、排気損失の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率に基づいて排気損失を演算する排気損失演算部と、排気損失に基づき、排気ポート部の排気ガス温度を演算する排気ポート温度演算部を備えたものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、熱効率と、排気損失の変化に影響する因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率により排気損失を求めて排気ポート部の排気ガス温度を推定することにより、熱効率の変化による排気損失の変化が精度よく推定できるため、排気ポート部の排気ガス温度が精度よく推定でき、内燃機関やターボチャージャの損傷、走行性や燃費が悪化することが防止できる。

この発明の実施の形態1および実施の形態2による内燃機関の制御装置が適用される内燃機関のシステム構成図である。 この発明の実施の形態1および実施の形態2による内燃機関の制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1および実施の形態2による内燃機関の制御装置の機能を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1による実測値と推定値の関係であり推定精度を表わすグラフを示す図である。 この発明の実施の形態1および実施の形態2による内燃機関の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明にかかる内燃機関(以下、エンジンと称す)の吸排気系を示す構成図である。図1において、エンジン1のクランクには、その回転角に応じた電気信号を生成するためのクランク角センサ11が取り付けられている。また、エンジン1の燃焼室の吸入口と排出口には、それぞれ、吸気路を形成する吸気管2と、排気路を形成する排気管7が接続されている。
吸気管2の上流側(エンジン1の反対側)には、取り込んだ外気を浄化するためのエアクリーナ3が取り付けられている。吸気管2のエアクリーナ3の下流側(エンジン1側)には、吸入空気流量に応じた電気信号を生成するエアフローセンサ12と、吸入路内の吸入空気温度に応じた電気信号を生成する吸入空気温センサ(吸気温センサ)13とが互いに一
体または別体に設けられている。なお、図1では、両センサ12,13が一体に構成された例を示す。また、吸気管2のエアクリーナ3の下流側(エンジン1側)には、大気圧に応じた電気信号を生成する大気圧センサ9が設けられている。
排気管7の上流側(エンジン1側)には、排気ガス浄化触媒22が設けられている。排気管7の排気ガス浄化触媒22の上流側(エンジン1側)には、燃焼された燃料と空気の割合に応じた電気信号を生成する空燃比センサ16が設けられている。
また、吸気管2と排気管7にて構成される吸排気系統には、圧縮機(コンプレッサ)3
1とこの圧縮機31と一体になって回転するタービン32を備えている過給機(ターボチ
ャージャ)36が設けられている。タービン32は、排気管7の排気ガス浄化触媒22よ
りも上流側に設けられていて、排気管7内を通流する排気ガスによって回転駆動されるようになっている。圧縮機31は、吸気管2のエアクリーナ3の下流側に設けられている。この圧縮機31は、タービン32の回転に伴って回転駆動されることで、吸気路内の空気を圧縮するようになっている。
圧縮機31の下流側には、主にアクセルオフ時に圧縮された過給圧が逆流してタービン32が破損をしないよう吸気管2に圧縮空気量を分流させるためのエアバイパスバルブ33が設けられている。エアバイパスバルブ33の下流側には、インタークーラ30が設けられている。インタークーラ30の下流側には、エンジン1に送られる空気量を調整するためのスロットルバルブ4が設けられている。スロットルバルブ4には、そのスロットル開度に応じた電気信号を生成するスロットルポジションセンサ14が接続されている。また、スロットルバルブ4の上流側には、インタークーラ30とスロットルバルブ4の間の空気圧に応じた電気信号を生成するスロットル上流圧力センサ35が設けられている。
さらに、吸気管2の吸気路のスロットルバルブ4の下流側には、吸気脈動を解消するためのサージタンク5が設けられている。サージタンク5には、サージタンク5内の空気圧に応じた電気信号を生成するインレットマニホールド圧力センサ(以下インマニ圧センサ)15と、サージタンク5内の吸入空気温度に応じた電気信号を生成するインマニ吸気温センサ6が設けられている。インレットマニホールド圧力(以下インマニ圧)Pbを直接測定するインマニ圧センサ15に代えて、他のセンサ情報からインマニ圧Pbを推定しても良い。吸気ポート部の吸気温度を直接測定するインマニ吸気温センサ6に代えて、他のセンサ情報から吸気ポート部の吸気温度Tinを推定しても良い。
吸気管2において、サージタンク5の下流のエンジン1側には、燃料を噴射するインジェクタ17が設けられている。なお、インジェクタ17は、シリンダ8内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。
シリンダ8の頂部には、エンジン1に吸入された空気とインジェクタ17から噴射された燃料とが混合して生成される可燃混合気に点火する点火プラグ18と、点火プラグ18に火花を飛ばすための電流を発生させる点火コイル19とが設けられている。また、吸気路からシリンダ8内に導入される可燃混合気量を調節する吸気バルブ20と、シリンダ8内からエンジンの排気路に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ21が設けられている。
タービン32の上流側には、高回転高負荷で過給圧が増加してもエンジンを破損しないよう、排気バイパス通路に排気ガスを分流させるためのウエストゲートバルブ34が設けられている。
ウエストゲートバルブ34を駆動するアクチュエータとしては、ダイアフラムにかかる圧力を制御する圧力式か、バルブ開度を直接指示する電動式のどちらを用いてもよい。
図1にはないが、吸気バルブの可変バルブタイミング機構(吸気VVT)、排気バルブの可変バルブタイミング機構(排気VVT)、EGR(排気再循環)バルブが排ガス低減、燃費向上のための機構として備えられている。
図2は、この発明による内燃機関の制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2において、電子制御ユニット(以下、ECU)100は、センサ200を構成して
いるクランク角センサ11、エアフローセンサ12、吸入空気温センサ13、スロットルポジションセンサ14、インマニ圧センサ15、インマニ吸気温センサ6および空燃比セ
ンサ16のそれぞれによって生成された電気信号を受ける。
それぞれ、クランク角センサの回転速度(エンジン回転速度ともいう)Ne、実計測空気流量Gr、吸入空気温T1、スロットル開度TH、インマニ圧Pbまたは吸入空気圧、吸気ポート部の吸気温度Tin、空燃比AFを示す。
また、ECU100は、ターボチャージャで必要となる大気圧センサ9、スロットル上流圧力センサ35、およびその他の各種センサSのそれぞれからも電気信号を受ける。この各種センサには、アクセル(図示せず)の操作量に応じた電気信号を生成するアクセルポジションセンサまたはアクセル開度センサや、エンジン1の燃焼制御用のセンサや車両の挙動制御用のセンサ(例えば、車速センサ、外気温センサ等)が含まれている。
それぞれ、大気圧P1、スロットル上流圧力P2、アクセル開度D、車速VSP、外気温Tout等を示す。
さらに、ECU100は、クランク角センサ11からの回転速度Ne、エアフローセンサ12からの実計測空気流量Gr、スロットルポジションセンサ14からのスロットル開度TH、インマニ圧センサ15からのインマニ圧Pb、空燃比センサ16からの空燃比AF、大気圧センサ9からの大気圧P1、スロットル上流圧力センサ35からのスロットル上流圧力P2、および、車両に設けられたアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ(各種センサS)からアクセル開度D、の各入力データに基づいて、エンジン1から発生した実トルクを推定した推定出力トルクTRQ(図示せず)を算出するとともに、上記各センサからの入力データ、および他のコントローラC(例えば、トランスミッション制御、ブレーキ制御、トラクション制御、スタビリティ制御等)からのトルク要求値に基づいて、目標トルクTRQt(図示せず)を算出する。
また、ECU100は、アクチュエータ210を制御し、目標トルクTRQtを達成するように、空燃比AFや各制御目標値(例えば、吸気や排気VVT開度、EGR(排気再循環)率、点火時期、等)を参照して、吸入空気流量の目標吸入空気流量Gatを達成するようにスロットルバルブ4のアクチュエータ(駆動部)4aを駆動制御し、空燃比AF
の目標値を達成するようにインジェクタ17のアクチュエータ(駆動部)17aを駆動制
御し、点火時期の目標値を達成するように点火コイル19の駆動回路からなるアクチュエータ部(駆動部)19aを通電制御し、ウエストゲートバルブ開度の目標値を達成するようにウエストゲートバルブ34のアクチュエータ(駆動部)34aを駆動制御する。また、ECU100は、これらのアクチュエータ以外の各種アクチュエータAに対する目標値も算出して制御を行う。また、各種アクチュエータAには、例えばラジエータファンを駆動および停止させる制御も行う。
ここで、ECU100は、演算処理を実行するCPU111と、プログラムデータや固定値データを記憶するROM112と、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM113とを有するマイクロプロセッサ110で構成されている。ROMとRAMを含めて記憶部とする。
図3は、図2のECU100が持つ機能のうち、排気温度演算と空気量演算およびウエストゲートバルブ制御に関する機能を具体的に示すブロック図である。ECU100のROM112には、排気温度演算部300と、空気量演算部310と、ウエストゲートバルブ制御部320がソフトウェアとして記憶されている。
排気温度演算部300は、排気損失演算部301と、排気ポート温度演算部302と、排気管変化温度演算部303と、排気ポート下流温度演算部304を含む。
空気量演算部310は、目標トルク演算部311と、熱効率演算部312と、目標シリンダ空気量演算部313を含む。
ウエストゲートバルブ制御部320は、目標インマニ圧演算部321と、目標スロットル
上流圧演算部322と、目標圧縮機駆動力演算部323と、目標タービン流量演算部324と、目標ウエストゲートバルブ開度演算部325を含む。
排気損失演算部301では、熱効率演算部312で演算した熱効率と、点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regr等から排気損失を演算する。
排気ポート温度演算部302では、排気損失演算部301で演算した排気損失を用いて排気ポート部の排気ガス温度を演算する。
排気管変化温度演算部303では、排気ポート部から排気ポート下流部であるタービン上流部までの間に熱損失により変化する温度を演算する。
排気ポート下流温度演算部304では、排気ポート温度演算部302で演算した排気ポート部の排気ガス温度と、排気管変化温度演算部303で演算した変化温度から排気ポート下流部であるタービン上流部の排気ガス温度を演算する。
目標トルク演算部311では、運転者が操作するアクセル開度やトランスミッション等他のコントローラからの要求トルクに基づき、目標トルクを演算する。
熱効率演算部312では、エンジンの運転条件である点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regr等により変化する熱効率を演算する。
目標シリンダ空気量演算部313では、目標トルク演算部311で演算した目標トルクと、熱効率演算部312で演算した熱効率に基づき、エンジンが目標トルクを発生するのに必要なシリンダ空気量を演算する。
目標インマニ圧演算部321では、目標シリンダ空気量をシリンダに導入するのに必要なインマニ圧を目標インマニ圧として演算する。
目標スロットル上流圧演算部322では、スロットルバルブでの圧損による圧力低下を考慮して目標インマニ圧を実現するのに必要な目標スロットル上流圧を演算する。
目標圧縮機駆動力演算部323では、圧縮機前後の圧力比と吸入空気量に基づいて目標圧縮機駆動力を演算する。
目標タービン流量演算部324では、目標圧縮機駆動力演算部323で演算した目標圧縮機駆動力と排気ポート下流温度演算部304で演算したタービン上流部の排気ガス温度を用いて目標タービン流量を演算する。
目標ウエストゲートバルブ開度演算部325では、排気流量と目標タービン流量から目標ウエストゲートバルブ流量を演算し、目標ウエストゲートバルブ流量と排気ポート下流温度演算部304で演算したタービン上流の排気ガス温度を用いて目標ウエストゲートバルブ開度を演算する。
熱効率と排気損失について補足する。
ガソリンが持つ全熱量の内、その熱量がどのように分配されるかを表したものが熱勘定である。
熱勘定の配分の内、エンジンの回転動力として有効に仕事をする分が熱効率であり、排気ガスの熱として廃棄される分が排気損失である。エンジンの冷却により失う熱量が冷却損失である。その他エンジンの内部摩擦や補機駆動により失われる熱量の機械損失等がある。
排気損失ηexと吸気ポート部の吸気温度Tin、ガソリン発熱量Q、ガソリン質量流量Gfuel、定圧比熱Cp、排気ガス流量Gexから状態方程式に基づいた式(1)により、排気ポート部の排気ガス温度Texが求められる。
Figure 0006381728
よって、排気損失ηexを精度よく推定することで、精度の高い排気ガス温度Texの演算が可能となる。
図4は、図3の熱効率演算部312と排気温度演算部300をフローチャートに示したものである。以下、具体的に説明する。
ステップS401では、熱効率ηを演算する。熱効率ηはあらかじめ記憶されたエンジンの運転状態ごとの基本の定数項に対して、熱効率を変化させる影響因子である少なくとも点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrを用いて熱効率の変化を例えばマップ値として記憶して補正することで求める。
EGR率Regrは、EGRバルブ流量から求めた外部EGR率と、推定した吸排気効率から求めた内部EGR率を加算したトータルEGR率である。
ステップS402では、式(2)にて、排気損失ηexを演算する。
Figure 0006381728
K1、K2、K3、K4、K5、K6は定数であり、エンジン機種に応じてあらかじめ様々な運転条件でエンジンパラメータを変化させた場合の実測の排気温度から求まる排気損失を、熱効率η、点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrから、重回帰分析により決定した値があらかじめ設定されている。
排気損失ηexの演算に使用する独立変数は上記、熱効率η、点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrのみに限らず、排気温度から求まる実測の排気損失と、近似式で求める排気損失ηexの誤差が小さくなるように、例えば、インマニ圧Pb等の独立変数を追加しても良い。また、例えば点火時期Igに対して排気温度から求まる実測の排気損失が2次曲線の傾向を示す場合には、点火時期Igの2乗項に変更したり2乗項を追加したりしても良い。
ステップS403では、排気損失ηexから排気ポート部の排気ガス温度Texを求める式(1)の内、この時点で未知数である、排気ガス温度Texと定圧比熱Cpの2つを含む{(Tex−Tin)×Cp}の値を既知数である排気損失ηex、ガソリン発熱量Q、燃料供給量Gfuel、排気ガス流量Gexを用いて式(3)で求める。
Figure 0006381728
ガソリン発熱量Qは定数であり、44000[kJ/kg]である。
燃料供給量Gfuelは、エアフローセンサで計量した吸入空気量(実計測空気流量)Grからシリンダへの吸入遅れを考慮して求めたシリンダ空気量Gairと空燃比AFから求める。
Gfuel=Gair/AF・・・・(4)
排気ガス流量Gexは、シリンダ空気量Gairと燃料供給量Gfuelから求める。
Gex=Gair+Gfuel・・・(5)
排気ガス温度を演算するためには、エンジン排気行程での排気ガス流量Gexと燃料供給量Gfuelが必要であるが、シリンダ空気量Gairは吸気行程での計量値であるため、行程遅れを考慮して4気筒エンジンの場合は、3行程前の値を使用する。
ステップS404では、ステップS403で求めた(Tex−Tin)×CpからMA
P1の値を参照する式(6)で、定圧比熱Cpを求める。
Figure 0006381728
定圧比熱Cpと式(3)で求めた未知数のトータル値(Tex−Tin)×Cpの関係は、あらかじめ様々な運転条件でエンジンパラメータを変化させた場合の未知数のトータル値(Tex−Tin)×Cpと定圧比熱Cpの関係を確認して設定したMAP1を参照して求める。
傾きaと切片bをあらかじめ定数として設定しておき、以下の算出式(7)で求めても良い。
Cp={(Tex−Tin)×Cp}×a+b・・・・・(7)
定圧比熱Cpは、排気ガス温度により変化するので、排気ガス温度Texが求められないと定圧比熱Cpが求められないが、未知数のトータル値(Tex−Tin)×Cpを求めてから、未知数のトータル値(Tex−Tin)×Cpを用いて定圧比熱Cpを式(6)または式(7)で求めるようにすれば、定圧比熱Cpが求められる。
ステップS405では、排気ポート部の排気ガス温度Texを以下の式(1)で求める。
Figure 0006381728
吸気ポート部の吸気温度Tinは、サージタンク5に装着されたインマニ吸気温センサ6で検出された値である。
図5は、排気損失ηexと排気ポート部の排気ガス温度Texの推定結果である。
図5(a)は、実測した排気ポート部の排気ガス温度から算出した排気損失に対する式(2)で求めた排気損失ηexであり、強い相関を示す結果が得られることがわかる。
図5(b)は、実測した排気ポート部の排気ガス温度に対する式(1)で求めた排気ポート部の排気ガス温度Texであり、強い相関を示す結果が得られることがわかる。
ステップS406では、エンジンルーム内の排気管周辺温度Trexを式(8)で求める。
Figure 0006381728
車速VSPとラジエータファンの風速Rfanの大きい方の値と、外気温Toutから、あらかじめ設定したMAP2を参照して排気管周辺温度Trexを求める。
車速VSPは車速センサ(図示なし)での検出値である。ラジエータファンの風速Rfanはラジエータファン作動時の風速を定数として記憶している値であり、ラジエータファン作動時は定数値、非作動時は0を選択する。
外気温Toutは外気温センサ(図示なし)での検出値である。
エンジンルーム内の排気管周辺温度Trexは、排気管からの受熱と走行またはラジエータファン作動時のフロントグリルからの導入外気による放熱と拡散の影響を受けるため、あらかじめ実車にて計測したエンジンルーム内の排気管周辺温度をMAP2に設定しておき、参照する。
ステップS407では、排気管の温度効率ηtを式(9)で求める。
Figure 0006381728
排気管の温度効率ηtとは、排気ポート部の排気ガス温度Texが排気ポート下流部の
排気ガス温度T3に低下するまでの温度差(Tex−T3)と、排気ポート部の排気ガス
温度Texと排気管周辺温度Trexの温度差(Tex−Trex)の比率(式(10))である。
Figure 0006381728
排気管の温度効率ηtは、排気ガス流量Gexとエンジン回転速度Neと相関があるため、あらかじめ実車にて、排気ポート部の排気ガス温度Tex、排気ポート下流部の排気ガス温度T3、エンジンルーム内の排気管周辺温度Trexを計測した上で排気管の温度効率を求めてMAP3に設定しておく。
ステップS408では、排気ポート下流部の排気ガス温度T3を式(11)で求める。
Figure 0006381728
ηt(Tex−Trex)が排気ポート部から排気ポート下流部までの排気管での変化温度となり、排気ポート部の排気ガス温度Texから変化温度を減算することで、排気ポート下流部の排気ガス温度T3を求める。
図4のステップS401は図3の熱効率演算部312、図4のステップS402は図3の排気損失演算部301、図4のステップS403からステップS405は図3の排気ポート温度演算部302、図4のステップS406からステップS407は図3の排気管変化温度演算部303、図4のステップS408は図3の排気ポート下流温度演算部304にそれぞれ対応する。
図6は、図3の目標トルク演算部311、目標シリンダ空気量演算部313、ウエストゲートバルブ制御部320をフローチャートに示したものである。以下、具体的に説明する。
ステップS601では、目標トルクTRQtを演算する。まず運転車が要求するトルクはアクセル操作量として検出できるため、エンジン回転速度Neと、アクセル開度Dとの関係をMAP8にあらかじめ設定しておき、式(12)で要求トルクTRQdを求める。
Figure 0006381728
トランスミッションコントローラがトランスミッション保護のために制限トルクを出力したり、他コントローラからもトルク要求値が出力されたりする場合には、要求トルクTRQdや制限トルク等に対して調停制御がなされて、調停後のトルクが目標トルクTRQtとなる。
ステップS602では、目標トルクTRQtから目標シリンダ空気量Gctを演算する。
目標トルクTRQt、1気筒当たりのシリンダ行程容積Vc、気筒数z、1サイクル当たりの回転速度(4サイクルエンジンの場合はi=2)から、式(13)で目標図示平均有効圧Pitを演算する。
Figure 0006381728
目標図示平均有効圧Pit、空燃比AF、1気筒当たりのシリンダ行程容積Vc、熱効率η、ガソリン発熱量Qから、式(14)で目標シリンダ空気量Gctを演算する。
Figure 0006381728
ステップS603では、目標インマニ圧Pbtを演算する。
目標シリンダ空気量Gct、空気ガス定数Ra、吸気ポート部の吸気温度Tin、体積効率補正係数Kv、1気筒当たりのシリンダ行程容積Vcから、式(15)で目標インマニ圧Pbtを演算する。
Figure 0006381728
体積効率補正係数Kvは、シリンダ行程容積Vcに対するシリンダに吸入されるインマニ内の空気体積の比率であり、エンジン回転速度Neと、充填効率Ecとの関係をあらかじめMAP9に設定しておき、式(16)で求める。
Figure 0006381728
ステップS604では、目標スロットル上流圧P2tを演算する。
スロットル上流圧力センサ35で検出したスロットル上流圧P2と、インマニ圧センサ15で検出したインマニ圧Pbの比を目標インマニ圧Pbtに乗算する式(17)で、目標スロットル上流圧P2tを演算する。
Figure 0006381728
ステップS605では、目標圧縮機駆動力Pctを演算する。
質量保存則やポリトロープ変化を考慮して、目標シリンダ空気量Gct、圧縮機の断熱効率ηc、空気比熱比κa、空気ガス定数Ra、吸入空気温センサ13で検出した吸入空気温T1,目標スロットル上流圧P2t、大気圧センサ9で検出した大気圧P1から式(18)で目標圧縮機駆動力Pctを演算する。
Figure 0006381728
圧縮機の断熱効率ηcは、圧縮機前後の圧力比P2t/P1と目標シリンダ空気量Gctから、MAP10を参照する式(19)で求める。
Figure 0006381728
ステップS606のタービン上流部の排気ガス温度である排気ポート下流部の排気ガス温度T3の演算は、説明済の図4のフローチャートであり、ここでは説明を省略する。
ステップS607では、目標タービン流量Gttを演算する。
質量保存則やポリトロープ変化を考慮して、目標圧縮機駆動力Pct、タービンの断熱効率ηt、排気ガス比熱比κex、排気ガスのガス定数Rex、排気ポート下流部の排気ガス温度T3、タービン下流圧P4、タービン上流圧P3から式(20)で目標タービン流量Gttを演算する。
Figure 0006381728
タービン下流圧P4は、タービン下流圧P4と、大気圧P1の比率(比率=P4/P1)と相関のある排気流量Qexとの関係をあらかじめMAP11に設定しておき、MAP11を参照してタービン下流圧P4と、大気圧P1の比率PR41を式(21)で求めた後に、タービン下流圧P4と大気圧P1の比率PR41に大気圧センサ9で検出した大気圧P1を乗算する式(22)でタービン下流圧P4を求める。
Figure 0006381728
Figure 0006381728
タービン上流圧P3は、タービン上流圧P3と、タービン下流圧P4の比率(比率=P3/P4)と相関のある目標圧縮機駆動力Pctとの関係をあらかじめMAP12に設定しておき、MAP12を参照してタービン上流圧P3と、タービン下流圧P4の比率PR34を式(23)で求めた後に、タービン上流圧P3とタービン下流圧P4の比率PR34に式(21)で求めたタービン下流圧P4を乗算する式(24)でタービン上流圧P3を求める。
Figure 0006381728
Figure 0006381728
タービン断熱効率ηtは、タービン前後の圧力比P4/P3とタービン回転Ntから、MAP13を参照する式(25)で求める。
Figure 0006381728
タービン回転Ntは、圧縮機と同軸で回転しているため、圧縮機前後圧力比P2t/P1と目標シリンダ空気量GctからMAP14を参照する式(26)で求める。
Figure 0006381728
ステップS608では、目標ウエストゲートバルブ流量Gwgtを演算する。
排気ガス流量Gexと目標タービン流量Gttの差分が目標ウエストゲートバルブ流量Gwgtとなる。
Figure 0006381728
ステップS609では、目標ウエストゲートバルブ開度Rwgtを演算する。
まず、目標ウエストゲートバルブ流量Gwgtを目標ウエストゲートバルブ開口面積Swgtに変換する。
ウエストゲートバルブを絞り弁としてエネルギー保存則、等エントロピ流れの関係式、音速の関係式および状態方程式より、下記式(28)で導出する。
Figure 0006381728
次に、目標ウエストゲートバルブ開口面積Swgtから、目標ウエストゲートバルブ開度Rwgtを求める。
開口面積と開度があらかじめ設定されたMAP15を用いて目標ウエストゲートバルブ開口面積Swgtから目標ウエストゲートバルブ開度Rwgtを求める。
Figure 0006381728
目標ウエストゲートバルブ開度Rwgtに基づいて、ウエストゲートバルブ34を駆動制御する。
図6のステップS601は図3の目標トルク演算部311、図6のステップS602は図3の目標シリンダ空気量演算部313、図6のステップS603は図3の目標インマニ圧演算部321、図6のステップS604は図3の目標スロットル上流圧演算部322、図6のステップS605は図3の目標圧縮機駆動力演算部323、図6のステップS606は図3の排気ポート下流温度演算部304、図6のステップS607は図3の目標タービン流量演算部324、図6のステップS608からステップS609は図3の目標ウエストゲートバルブ開度演算部325にそれぞれ対応する。
このように、熱効率と、排気損失の変化に影響する因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率のいずれかの組合せにより排気損失を求めて排気ポート部の排気ガス温度を推定することにより、熱効率の変化による排気損失の変化が精度よく推定できるため、排気ポート部の排気ガス温度が精度よく推定できる。
また、排気損失の変化に影響する因子を用いて重回帰分析を行い近似式の係数を求める
ことで、排気ポート部の排気ガス温度の推定精度を確保しつつ、設定工数を短縮することが可能となる。
また、排気ポート部から排気ポート下流部までの変化温度を推定し、排気ポート下流部の排気ガス温度を推定することで、排気ポート下流部であるタービン入口温度を精度よく推定できるため、過給圧制御精度が向上する。
更に、エンジンルーム内の排気管周りの温度を推定し、排気ガス温度と排気管回りの温度との熱伝達により排気ポート部から排気ポート下流部までの排気ガス温度の変化を推定するため、走行状態により排気管回りの温度変化があっても精度よく排気ポート下流部の排気ガス温度を推定することが可能となる。
ターボ非装着機種の場合は、排気ポート下流部は触媒入口部となるため、触媒温度の推定精度が向上する。
実施の形態2.
図7は、図3の排気温度演算部300の他の処理方法をフローチャートに示したものである。以下、具体的に説明する。図4と同一ステップ番号の処理は、同一処理である。空気量演算部310、ウエストゲートバルブ制御部320は実施例1と同一処理であり、説明は省略する。
ステップS401では、熱効率ηを演算する。熱効率ηはあらかじめ記憶されたエンジンの運転状態ごとの基本の定数項に対して、熱効率を変化させる影響因子である少なくとも点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrを用いて熱効率の変化を例えばマップ値として記憶して補正することで求める。
EGR率Regrは、EGRバルブ流量から求めた外部EGR率と、推定した吸排気効率から求めた内部EGR率を加算したトータルEGR率である。
ステップS701では、基準運転状態での熱効率ηrefを演算する。
基準運転状態で運転したときの熱効率をエンジン回転速度Neと充填効率EcごとにMAP7にあらかじめ記憶した値を式(30)で求める。
Figure 0006381728
基準運転状態とは、点火時期、VVT作動角、EGRバルブ開度、空燃比等が最適値に設定された状態での運転状態である。
ステップS702では、熱効率偏差Δηを演算する。
ステップS401で求めた熱効率ηとステップS701で求めた基準運転状態での熱効率ηrefの差分を熱効率偏差Δηとして式(31)で求める。
Figure 0006381728
ステップS703では、基準運転状態での排気ポート部の排気ガス温度Tex_ref
を演算する。
基準運転状態で運転したときのエンジン回転速度Neと充填効率Ecごとに計測した安定した排気温度をあらかじめMAP4に記憶した値を式(32)で求める。
Figure 0006381728
ステップS704では、基準運転状態での吸気ポート部の吸気温度Tin_refを演
算する。
基準運転状態で運転したときのエンジン回転速度Neと充填効率Ecごとに計測したインマニ吸気温センサ6で検出した吸気ポート部の吸気温度をあらかじめMAP5に記憶した値を式(33)で求める。
Figure 0006381728
ステップS705では、基準運転状態での定圧比熱値Cp_refを演算する。
排気温度と関係がある定圧比熱をあらかじめMAP6に設定して、式(32)で求めた基準運転状態での排気ポート部の排気ガス温度Tex_refに応じた基準運転状態での定
圧比熱値Cp_refを式(34)で求める。
Figure 0006381728
ステップS706では、基準運転状態での排気損失ηex_refを演算する。
式(1)を排気温度から排気損失を求める式に変換した式(35)を用いて基準運転状態での排気損失ηex_refを求める。
Figure 0006381728
基準運転状態での排気ポート部の排気ガス温度Tex_refは、式(32)で求めた
値である。
基準運転状態での吸気ポート部の吸気温度Tin_refは、式(33)で求めた値であ
る。
基準運転状態での定圧比熱値Cp_refは、式(34)で求めた値である。
ガソリン発熱量Qは定数であり、44000[kJ/kg]である。
基準運転状態での燃料供給量Gfuel_refは、エアフローセンサで計量した吸入空
気量Grからシリンダへの吸入遅れを考慮して求めたシリンダ空気量Gairと基準運転状態での空燃比AFrefから求める。
Gfuel_ref=Gair/AFref・・・・・(36)
基準運転状態での排気ガス流量Gex_refは、シリンダ空気量Gairと基準運転状
態での燃料供給量Gfuel_refから求める。
Gex_ref=Gair+Gfuel_ref・・・(37)
基準運転状態での排気ガス温度から排気損失を演算するためには、エンジン排気行程での排気ガス流量Gex_refと燃料供給量Gfuel_refが必要であるが、シリンダ空気量Gairは吸気行程での計量値であるため、行程遅れを考慮して4気筒エンジンの場合は、3行程前の値を使用する。
ステップS707では、式(38)にて、排気損失偏差Δηexを演算する。
Figure 0006381728
K1、K2、K3、K4、K5、K6は定数であり、エンジン機種に応じてあらかじめ様々な運転条件でエンジンパラメータを変化させた場合の実測の排気温度から求まる排気損失の基準運転状態との偏差を、基準運転状態との熱効率偏差Δη、点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrから、重回帰分析により決定した値があらかじめ設定されている。
排気損失偏差Δηexの演算に使用する独立変数は上記、基準運転状態との熱効率偏差Δη、点火時期Ig、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率Regrのみに限らず、排気温度から求まる実測の排気損失と、近似式で求める排気損失ηexの誤差が小さくなるように、例えば、インマニ圧Pb等の独立変数を追加しても良い。また、例えば点火時期Igに対して排気温度から求まる実測の排気損失が2次曲線の傾向を示す場合には、点火時期Igの2乗項に変更したり2乗項を追加したりしても良い。
ステップS708では、排気損失ηexを演算する。
式(35)で求めた基準運転状態での排気損失ηex_refと、式(38)で求めた排
気損失偏差Δηexを加算する式(39)で求める。
Figure 0006381728
ステップS403からステップS408は、図4のステップS403からステップS408と同一処理を行って排気ポート下流部の排気ガス温度T3が求まる。
図7のステップS401からステップS702は図3の熱効率演算部312、図7のステップS703からステップS708は図3の排気損失演算部301、図7のステップ703からステップS705は図3の排気ポート温度演算部302、図7のステップS406からステップS407は図3の排気管変化温度演算部303、図7のステップS408は図3の排気ポート下流温度演算部304にそれぞれ対応する。
このように実施の形態2によれば、基準運転状態からの熱効率の変化と、排気損失の変化に影響する因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率のいずれかの組合せにより、基準運転状態からの排気損失の変化を求めて排気ポート部の排気ガス温度を推定することにより、実測した排気ガス温度を基準とした排気ガス温度の推定が可能となるため、絶対値誤差が精度よく修正されて、精度のよい排気ガス温度の推定が可能となる。
この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変更、省略したりすることができる。
1 エンジン、2 吸気管、4 スロットルバルブ、6 インマニ吸気温センサ、7 排気管、8 シリンダ、9 大気圧センサ、11 クランク角センサ、12 エアフローセンサ、13 吸入空気温センサ、14 スロットルポジションセンサ、15 インレットマニホールド圧力センサ(インマニ圧センサ)、16 空燃比センサ、17 インジェクタ、18 点火プラグ、19 点火コイル、20 吸気バルブ、21 排気バルブ、31
圧縮機、32 タービン、33 エアバイパスバルブ、34 ウエストゲートバルブ、35 スロットル上流圧力センサ、36 過給機、100 ECU、300 排気温度演算部、301 排気損失演算部、302 排気ポート温度演算部、303 排気管変化温度演算部、304 排気ポート下流温度演算部、310 空気量演算部、311 目標トルク演算部、312 熱効率演算部、313 目標シリンダ空気演算部、320 ウエストゲートバルブ制御部、321 目標インマニ圧演算部、322 目標スロットル上流圧演算部、323 目標圧縮機駆動力演算部、324 目標タービン流量演算部、325 目標ウエストゲートバルブ開度演算部

Claims (6)

  1. あらかじめ記憶されたエンジンの運転状態ごとの基本となる熱効率に対して、内燃機関の熱効率の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率による熱効率の変化で補正して熱効率を演算する熱効率演算部と、
    前記熱効率演算部で演算した前記熱効率と、排気損失の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率に基づいて排気損失を演算する排気損失演算部と、
    前記排気損失に基づき、排気ポート部の排気ガス温度を演算する排気ポート温度演算部を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. あらかじめ記憶した基準運転状態での熱効率と、
    内燃機関の熱効率の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率に基づいて前記基準運転状態の熱効率との差分である熱効率偏差を演算する熱効率演算部と、
    あらかじめ記憶した基準運転状態の排気温度から基準運転状態の排気損失を演算し、
    前記熱効率演算部で演算した前記熱効率偏差と、排気損失の変化因子である、点火時期、充填効率、空燃比、EGR率に基づいて基準運転状態からの排気損失の偏差を演算し、
    前記基準運転状態の排気損失と前記基準運転状態からの排気損失の偏差から排気損失を演算する排気損失演算部と、
    前記排気損失に基づき、排気ポート部の排気ガス温度を演算する排気ポート温度演算部を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記排気損失演算部で演算する前記排気損失は、前記排気損失の変化因子に基づき、重回帰分析により求められた演算式により演算されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記排気損失演算部で演算する前記基準運転状態からの排気損失の偏差は、前記排気損失の変化因子に基づき、重回帰分析により決定した値があらかじめ設定されている演算式により演算されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 排気ポート部から排気ポート下流部に至る間の排気管での排気ガス変化温度を演算する排気管変化温度演算部と、
    前記排気ポート部の排気ガス温度に前記排気ガス変化温度を加味して排気ポート下流部の排気ガス温度を演算する排気ポート下流温度演算部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記排気管変化温度演算部は、車速およびラジエータファンの動作有無と外気温に基づきエンジンルーム内の排気管周辺温度を推定し、前記排気管から排気管周辺への熱伝達に基づいて前記排気ガス変化温度を演算することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
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