JP4464924B2 - エンジンの制御装置および制御方法 - Google Patents

エンジンの制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の制御装置および制御方法に係り、特に、トルクベース(トルクデマンド)型エンジン制御を行うエンジン制御装置および制御方法に関する。
電子制御スロットル(電制スロットル)を有するエンジンの制御方式の一つとして、アクセル開度とエンジン回転数を基に目標エンジントルクを演算し、目標エンジントルクと目標空燃比の双方を実現するように、スロットル制御、燃料制御、点火制御等を行うトルクベース(トルクデマンド)型エンジン制御が実用化されている。
トルクベース型エンジン制御は、目標エンジントルクを演算するロジックに、外部要求トルク用のインタフェースを追加することで、トラクションコントロールやオートクルーズ、オートマチックトランスミッション等の外部デバイスから要求されるエンジントルクをスムーズに処理できる他、成層リーン燃焼システムについては、均質燃焼と成層燃焼の切替時のトルク段差を低減できる利点を有している。
トルクベース型エンジン制御におけるトルク制御は、電制スロットル操作に代表される吸入空気量操作による低応答トルク制御と、点火リタードや燃料カットに代表される吸入空気量操作を介さないで行う高応答トルク制御の2種類があり、それぞれのトルク制御方法に対し低応答目標トルク、高応答目標トルクの2種類の目標トルクを設定している。
トルク制御の基本となるのは、前者の電制スロットルによるトルク制御(低応答トルク制御)であり、この場合、実現すべき目標トルクは低応答目標トルクとして設定される。
しかし、トラクションコントロール実行時等、目標トルクが高速で複雑に変化する場合には、吸気の応答遅れに起因して電制スロットルのみの操作では、目標トルク通りにエンジントルクを発生させることが困難である。
そこで、このような状況では、図15に示されているように、実現すべき目標トルクを高応答目標トルクとして設定すると共に、低応答目標トルクを高応答目標トルクと同等、もしくは高い値に設定することが行われる。
本設定により、低応答トルク制御(電制スロットルによるトルク制御)単独では、目標トルクを上回るエンジントルクが発生することになるが、この過剰な実発生トルクを減少方向に調整し、高応答制御用目標トルクに一致するように、点火リタードや燃料カット等の高応答トルク制御を併用して実施することが行われる。即ち、実現すべき目標トルクに対して電制スロットルを大きめに開き、目標トルクを上回るエンジントルクを発生させると同時に、目標トルクと実発生トルクの差分をなくすように、点火リタードや燃料カットを実施する。
現状、エンジントルクを直接計測する手段がないため、このような低応答+高応答トルク制御を実施するには、低応答トルク制御実施時の発生トルクを推定する必要があり、トルク推定精度が過渡時のトルク制御精度を左右する。
低応答+高応答トルク制御に適用する推定トルク算出には、下記の課題を解決する必要がある。
例えば、図16に示されているように、何らかの原因で、過渡時のみならず定常時にも目標トルクと推定トルクとの間にトルク偏差が生じた場合、そのトルク偏差に応じて常時点火リタードが実施される。
しかし、常時点火リタードが実施されると、燃費悪化・排気温度上昇を招くため、この様な定常時のトルク偏差をなくす対策が必要となる。
推定トルク演算に関する従来技術として、吸入空気量(空気充填量)と、発生するエンジントルクとは、非常に相関が高いことに着目して、図17に示す様に、エアフロセンサで計測した実空気充填量Mafとエンジン回転数Neを基に、変換マップ等でエンジントルクに変換し、これを推定エンジントルクTbaseとして算出するものがある(例えば、特許文献1)。
推定トルク演算に関するもう一つの従来技術として、図20に示されているように、目標トルク(低応答目標トルク)cTINをベースとして、目標トルクcTINに無駄時間+一次遅れ処理(1/Tes+1)L−Le・Sを実施して、推定エンジントルクTE−EST=(1/Te・s+1)L−Le・S・cTINを算出するものがある(例えば、特許文献2)。
特開2002−221068号公報 特開2004−222442号公報
しかしながら、特許文献1に示されているような技術を、先に示した低応答+高応答トルク制御に適用すると、以下のような問題が生じる。
エンジントルク変換マップを理想的に適合した直後においては、目標トルクTindと推定トルクTbaseとの関係は、図18に示されているように、定常時に目標トルクTindと推定トルクTbaseとの間に偏差が生じることがなく、所望のトルク制御が実現できる。
しかしながら、実際には、エンジントルク変換マップの適合エラーやエンジン制御システムの固体ばらつき、環境変化等により、目標トルクTindと推定トルクTbaseとの関係が、図19に示されているように、変化することがある。このような場合、定常時においても目標トルクTindと推定トルクTbaseとの間に偏差が生じ、それに伴い常時点火リタードや燃料カットが実施される可能性が生じ、燃費悪化や排気温度上昇、トルク変動などの不具合を招く。
この問題に対し、特許文献1に示されているような技術では、定常時に目標トルクと推定トルクに偏差が生じないよう、推定トルクを補正しなくしてならない。しかし、その達成する推定トルク補正量の設定は容易ではなく、必ずしも所望の推定トルク補正が実現できないといった課題がある。
また、特許文献2に示されているような技術では、演算方式から自明なように、定常時には目標トルクと推定トルクが必ず一致するため(図21参照)、前記のような燃費悪化や排気温度上昇などの不具合を防止できる。
しかしながら、複雑な吸気系システムを有するエンジンの場合、本技術では推定トルク精度が不足する場合がある。最も顕著な例としては、ターボエンジンがあり、ターボエンジンの場合には、ターボラグに起因して、過渡時のトルク軌道(トルク変化)は非常に複雑である。
従って、目標トルクに対して、単純に、無駄時間+一次遅れ処理を実施する従来方式をターボエンジンに適用すると、図22に示されているように、過渡時における推定トルクTE−ESTが実発生トルクTEに対して大きく異なったものになり、推定トルクTE−ESTの精度が大幅に低下する虞れがある。
本発明は、前記解決しようとする課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、トルクベース型エンジン制御において、定常時に目標トルクと推定トルクに偏差が生じる事に起因する燃費悪化や排気温度上昇、トルク変動等の不具合を生じることがなく、ターボエンジンのように過渡時に複雑なトルク軌道を描くエンジンにも適用可能なエンジントルク推定ロジックによるエンジンの制御装置および制御方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によるエンジンの制御装置は、エンジントルク制御時における実発生のエンジントルクを推定する推定トルク演算手段を備え、前記トルク推定手段によって推定されたエンジントルク推定値を用いてエンジンのトルク操作を行うエンジンの制御装置であって、前記推定トルク演算手段は、エンジンの吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルを有し、前記過渡応答物理モデルを用いてエンジントルク推定値を算出する。
本発明によるエンジンの制御装置は、好ましくは、前記推定トルク演算手段は、前記過渡応答物理モデルによって演算された吸気管圧情報を基にエンジントルク推定値への変換を実施する。
本発明によるエンジンの制御装置は、好ましくは、前記推定トルク演算手段は、前記過渡応答物理モデルによって演算された吸気管圧情報を基にエンジントルク推定値への変換を実施し、当該トルク推定値が定常時に1となるように正規化処理を行い、正規化されたエンジントルク推定値と、前記目標エンジントルクとの積算を行って最終的なエンジントルク推定値を算出する。
本発明によるエンジンの制御装置は、好ましくは、前記推定トルク演算手段は、目標エンジントルクをベースに無駄時間+一次遅れ処理を行ってエンジントルク推定値を算出し、前記無駄時間および一次遅れ処理に用いる時定数は、前記過渡応答物理モデルによって演算された前記吸排気系部品の状態を示すパラメータを基に可変設定する。
本発明によるエンジンの制御装置は、好ましくは、前記無駄時間および一次遅れ処理に用いる定数は、1回の加速あるいは減速期間中に、少なくとも2回切り替える。
本発明によるエンジンの制御装置における前記吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルは、ターボチャージャを対象とした物理モデル、機械式スーパチャージャを対象とした物理モデル、あるいは可変バルブシステムを対象とした物理モデルであってよい。
また、前記目的を達成するために、本発明によるエンジンの制御装置は、エンジントルク制御時における実発生のエンジントルクを推定する推定トルク演算手段を備え、前記トルク推定手段によって推定されたエンジントルク推定値を用いてエンジンのトルク操作を行うエンジンの制御装置であって、記推定トルク演算手段は、目標エンジントルクをベースに無駄時間+一次遅れ処理を行ってエンジントルク推定値を算出し、前記無駄時間および一次遅れ処理に用いる時定数を1回の加速あるいは減速期間中に、少なくとも2回切り換える。
前記目的を達成するために、本発明によるエンジンの制御方法は、エンジンの吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルを用いてエンジントルク制御時における実発生のエンジントルクを推定し、当該推定によるエンジントルク推定値を用いてエンジンのトルク操作を行う。
本発明によるエンジンの制御装置は、渡応答物理モデルを用いてエンジントルク推定値を算出するから、定常時に目標トルクと推定トルクに偏差が生じることに起因する燃費悪化や排気温度上昇、トルク変動等の不具合を生じることがなく、ターボエンジンのように過渡時に複雑なトルク軌道を描いても、エンジントルク推定値がトルク軌道に適合したものになり、ターボエンジンでも適切なトルクベース型エンジン制御が可能になる。
本発明によるエンジンの制御装置の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明による制御装置が適用されるターボエンジン対応トルクベースエンジンシステムのハード構成を示している。
エンジン10はターボチャージャ116を有するターボチャージャ付きエンジンである。エンジン10の吸気系にはターボチャージャ116の一部品であるコンプレッサ117が設けられている。コンプレッサ117によって圧縮された吸気は、吸気管111を通り、電制スロットル107の入口側に導入される。
電制スロットル107は、アクセルペダル101の開度情報等を基に、エンジンコントロールユニット(ECU)102が演算した信号によってスロットル開度を決定され、その開度に応じてインテークマニホールド109内に導入される吸気量を計量調整する。
その過程において、インテークマニホールド109に設けられた吸気圧センサ108によってインテークマニホールド109内の吸気圧が測定され、その計測信号がECU102に送信される。
ECU102は、コンピュータ式のものであり、吸気圧センサ108によって計測された吸気圧と、クランク角センサ(図示省略)の出力信号より求められたエンジン回転数を基に、吸気量を演算し、目標空燃比を実現するために適量な燃料噴射量と燃料噴射時期を演算する。
インテークマニホールド109にはインジェクタ103が設けられている。インジェクタ103はECU102が出力する燃料噴射指令に従って燃料噴射を行う。インジェクタ103より噴射された燃料と吸気とにより、インテークマニホールド109内に、燃料と空気との混合気が形成される。混合気は、エンジン10のピストン110が下降し、吸気バルブ104が開いた瞬間から燃焼室100内に導入される。
その後、吸気バルブ104が閉じ、ピストン110の上昇の過程で圧縮された混合気は、圧縮上死点直前付近において点火プラグ106により着火し、急速に膨張してピストン110を押し下げ、エンジントルクを発生させる。
その後、ピストン110が上昇し、排気バルブ105が開いた瞬間から排気行程が始まり、燃焼室100の排気ガスが排気管112へ排出される。
排気管112にはターボチャージャ116の一部品であるタービン118が取り付けられている。タービン118は、排気管112を流れる排気ガスのエネルギによって回転駆動され、同軸のコンプレッサ117を同期回転させる。
本システムは、排気ガスのエネルギを利用してターボチャージャ116のタービン118、コンプレッサ117を回転させ、過給効果を得るシステムであり、過給効果は排ガス量に依存する。
なお、タービン118が過剰に回転すると、吸気圧が設定値を超え、過剰な負荷によってエンジン10が破損する虞れがある。これを防ぐため、吸気圧が設定値を越えた場合には、ウエストゲートバルブコントロールユニット115によってウエストゲートバルブ114の開閉デューティ比を制御し、排気ガスの一部をウエストゲート113の方向にバイパスさせてタービン回転を調整し、吸気圧が設定値を超えないように制御している。
ウエストゲートバルブコントロールユニット115は、コンピュータ式のものであり、ECU102と双方向に通信可能になっている。
次に、上述の構成によるターボエンジン対応トルクベースエンジンシステムの制御系を、図2を参照して説明する。
ECU102は、ソフトウエア処理により、最大トルク設定値演算手段200と、アイドル要求トルク演算手段201と、ドライバ要求トルク演算手段202と、目標トルク演算手段203と、空気用トルク制御部220と、点火・燃料用トルク制御部230を具現化する。
最大トルク設定値演算手段200は、エンジン回転数信号を入力し、その時々のエンジン回転数における最大トルク設定値を算出する。アイドル要求トルク演算手段201は、エンジン回転数信号を入力し、目標アイドル回転数を維持するのに必要なトルクを算出する。
ドライバ要求トルク演算手段202は、アクセル開度信号を入力し、アクセル開度と、最大トルク設定値演算手段200によって演算された最大トルク設定値と、アイドル要求トルク演算手段201によって演算されたアイドル要求トルクを基に、ドライバが要求するエンジントルクを算出する。
目標トルク演算手段(目標トルク選択手段)203は、最終的な目標エンジントルクを算出するものであり、ドライバ要求トルク演算手段202によって演算されたドライバ要求トルクの他、変速機要求トルク、TRC(トラクションコントロール)要求トルク、オートクルーズ要求トルク等、外部システムからの要求トルクを取り込み、それぞれの優先順位を考慮して最終的な目標エンジントルクを決定する。
目標トルク演算手段203によって算出された目標エンジントルクは、電制スロットル107およびターボチャージャ116を用いてトルク制御を行う低応答トルク制御パス(空気用トルク制御パス)と、燃料や点火の操作によってトルク制御をアシストする高応答トルク制御パス(点火・燃料用トルク制御パス)に分離され低応答目標トルクTindL、高応答目標トルクTindHとして、それぞれ、低応答トルク制御パスをなす空気用トルク制御部220と、高応答トルク制御パスをなす点火・燃料用トルク制御部230に送信される。
空気用トルク制御部220は、目標吸気圧演算手段208と、目標スロットル開度演算手段209とを有する。
目標吸気圧演算手段208は、低応答目標トルクTindLを実現するのに必要な目標吸気圧を算出する。目標スロットル開度演算手段209は、目標吸気圧演算手段208によって算出された目標吸気圧を実現するのに必要な目標スロットル開度を演算し、電制スロットル107へ演算結果を送信する。
空気用トルク制御部220は、更に、目標過給圧演算手段205と、目標ウエストゲートデュティ演算手段206とを有する。
目標過給圧演算手段205は、最大トルク設定値演算手段220によって算出された最大トルク設定値に対応する目標過給圧を算出する。目標ウエストゲートデュティ演算手段206は、目標過給圧演算手段205によって算出された目標過給圧を実現するのに必要な目標ウエストゲートデュティを演算し、ウエストゲートバルブコントロールユニット115へ演算結果を送信する。
次に、トラクションコントロール等の外部デバイスから、高速に変化するトルク軌道が要求された際に用いられる高応答(点火・燃料制御用)トルク制御パスについて説明する。
高応答トルク制御パスをなす点火・燃料用トルク制御部230は、推定トルク演算手段210と、点火・燃料操作用トルク補正率演算手段212と、トルク操作方法選択手段213と、トルク操作量振分け手段214と、点火時期補正量演算手段215と、燃料カット気筒数演算手段216とを有する。
推定トルク演算手段210は、エンジントルク制御時における実発生のエンジントルクを推定するものであり、点火・燃料によるトルク操作を行う際の指標となる推定トルク(エンジントルク推定値)EstTqeを算出する。具体的には、スロットルとターボチャージャによる低応答トルク制御を実施したことを仮定した場合の、発生トルクを推定し、推定トルクEstTqeを演算する。
点火・燃料操作用トルク補正率演算手段212は、点火・燃料によるトルク操作の際の指標となる点火・燃料操作用トルク補正率を算出するため、推定トルク演算手段210によって演算された推定トルクEstTqeと目標トルク演算手段203よりの高応答目標トルクTindHとの比を演算する。
トルク操作方法選択手段213は、点火・燃料操作用トルク補正率演算手段212によって演算された点火・燃料操作用トルク補正率および運転状態等を基に、適当なトルク操作方法を選択する。トルク操作方法には、点火時期補正や燃料カットがあり、それぞれが単独、あるいは組み合わせで選択される。
トルク操作量振分け手段214は、点火・燃料操作用トルク補正率演算手段212によって演算された点火・燃料操作用トルク補正率と、トルク操作方法選択手段213で選択されたトルク操作方法を基に、点火時期補正量演算手段215と燃料カット気筒数演算手段216にトルク操作量を振り分ける。
点火時期補正量演算手段215と燃料カット気筒数演算手段216は、それぞれ振分けられたトルク補正率を基に、点火時期補正量、燃料カット気筒数を演算し、点火制御系および燃料制御系へ演算結果を反映させることにより、過渡時においても所望のエンジントルクを実現する。
次に、推定トルク演算手段210の実施形態1を、図3を用いて説明する。
推定トルク演算手段210はターボ過渡応答物理モデル300を有している。ターボ過渡応答物理モデル300は、図4に示されているターボエンジン対応トルクベースエンジンシステムの各部位のパラメータ(圧力、ガス温度、ガス流量、回転数、仕事量、効率)を個別に演算するルーチンを有しており、図5に示されているように、初期値入力ルーチン510、各部圧力演算ルーチン520、各部ガス流量演算ルーチン530、各部ガス温度演算ルーチン540、ターボ効率演算ルーチン550、ターボ仕事量演算ルーチン560、タービン回転数演算ルーチン570、推定トルク演算ルーチン580を順番に実行する。
なお、各ルーチンにおける演算に用いる各種マップ類(コンプレッサ前後圧力比マップ、コンプレッサ効率マップ等)は、全運転領域を対象とした実機試験データや、図6に示されているようなターボチャージャ116の特性マップを基に適合される。
次に、ターボ過渡応答物理モデル300で演算される各演算式について説明する。
ターボ過渡応答物理モデルの中心となるのはタービン回転数演算式であり、タービン回転数Ntは、下式(1)によって与えられる。
Figure 0004464924
ここで、Nt:タービン回転数[r/min]、Jt:タービンの回転モーメント[kg・m2]、Lt:タービン仕事[W]、Lc:コンプレッサ仕事[W]、Lm:タービン軸受摩擦損失[W]である。
タービン仕事Ltは、下式(2)によって与えられる。
Figure 0004464924
ここで、κt:排ガスの比熱比、Rt:排ガスのガス定数[J/(kg・K)]、Tt1:タービン上流排ガス温度[K]、Pt1:タービン上流圧[Pa]、Pt2:タービン下流圧[Pa]、ηt:タービン効率、Gt1:タービン上流排ガス流量[kg/s]である。
コンプレッサ仕事Lcは、下式(3)によって与えられる。
Figure 0004464924
ここで、κc:吸気(空気)の比熱比、Rc:吸気(空気)のガス定数[J/(kg・K)]、Tc1:コンプレッサ上流排ガス温度[K]、Pc1:コンプレッサ上流圧[Pa]、Pct2:コンプレッサ下流圧[Pa]、ηc:コンプレッサ効率、Gc1:コンプレッサ上流吸気流量[kg/s]である。
タービン軸受摩擦損失Lmは、タービン軸受摩擦損失テーブル(引数:タービン回転数Nt)を用い、下記演算式(4)によって算出する。
Lm=タービン軸受摩擦損失テーブル(Nt)検索値 …(4)
上記演算式におけるパラメータのうち、排ガスの比熱比κt、吸気(空気)の比熱比κc、排ガスのガス定数Rt、吸気(空気)のガス定数Rcは、定数として扱う、あるいは温度と空燃比の関数として演算してもよい。また、タービンの回転モーメントJt、α、βは定数として扱う。
次に、上記圧力に関するパラメータ(Pc1、Pc2、Pt1、Pt2)の演算方法について説明する。
コンプレッサ上流圧Pc1は大気圧に等しいと見なし、下記演算式(5)によって算出する。
Pc1=Pa(大気圧) …(5)
コンプレッサ下流圧Pc2は、コンプレッサ圧力比マップ(引数:ガス流量Gc1、タービン回転数Nt)を用いて、下記演算式(6)によって算出する。
Pc2=Pc1×コンプレッサ圧力比マップ(Gc1、Nt)検索値 …(6)
タービン上流圧Pt1は、タービン圧力比マップ(引数:ガス流量Gt1、タービン回転数Nt)を用いて、下記演算式(7)によって算出する。
Pt1=Pt2×タービン圧力比マップ(Gt1、Nt)検索値 …(7)
タービン下流圧Pt2は、タービン下流圧マップ(引数:エンジン回転数Ne、吸気圧Pei)を用いて、下記演算式(8)によって算出する。
Pt2=タービン下流圧マップ(Ne、Pei)検索値 …(8)
吸気圧Peiは、スロットル前後圧力比マップ(引数:エンジン回転数Ne、スロットル開度TVO)を用いて、下記演算式(9)、(10)によって算出する。
Peb_ase=Pc2×スロットル前後圧力比マップ(Ne、TVO)検索値
…(9)
Pei=Pei_baseに対し(無駄時間+一次遅れ)処理 …(10)
次に、上記ガス流量に関するパラメータ(Gc1、Gc2、Gt1、Gt2)の演算方法について説明する。
コンプレッサ上流排ガス流量Gc1およびコンプレッサ下流排ガス流量Gc2は、シリンダ流入空気量Geiに等しいと見なし、下記演算式(11)によって算出する。
Gc1=Gc2=Gei …(11)
シリンダ流入空気量Geiについては、シリンダ流入空気量マップ(引数:エンジン回転数Ne、吸気圧Pei)を用いて、下記演算式(12)によって算出する。
Gei=シリンダ流入空気量マップ(Ne、Pei)検索値 …(12)
タービン上流排ガス流量Gt1およびタービン下流排ガス流量Gtc2については、下記演算式(13)、(14)によって算出する。
Gt1=Gt2=Gt0(排ガス全量)−Gwg(ウエストゲート流入ガス量)
…(13)
Gt0=Gei×(1+1/(A/F)) …(14)
ここで、A/F:空燃比であり、本システムではA/F≒14.7である。
ウエストゲート流入ガス量Gwgについては、ウエストゲート流入ガス量マップ(引数:エンジン回転数Ne、[目標吸気圧TgPei−吸気圧Pei])を用いて、下記演算式(15)によって算出する。
Gwg=ウエストゲート流入ガス量マップ(Ne、[TgPei−Pei])検索値 …(15)
次に、上記ガス温度に関するパラメータ(Tc1、Tc2、Tt1、Tt2)の演算方法について説明する。
コンプレッサ上流吸気温度Tc1は、大気温度に等しいと見なし、下記演算式(16)によって算出する。
Tc1=Ta(大気温度) …(16)
コンプレッサ下流吸気温度Tc2については、下記演算式(17)によって算出する。
Figure 0004464924
タービン上流排ガス温度Tt1およびタービン下流排ガス温度Tt2については、それぞれタービン上流排ガス温度マップ(引数:エンジン回転数Ne、吸気圧Pei)、タービン下流排ガス温度マップ(引数:エンジン回転数Ne、吸気圧Pei)を用い、下記演算式(18)、(19)によって算出する。
Tt1=タービン上流排ガス温度マップ(Ne、Pei)検索値 …(18)
Tt2=タービン下流排ガス温度マップ(Ne、Pei)検索値 …(19)
次に、上記ターボチャージャの効率に関するパラメータ(ηc、ηt)の演算方法について説明する。
コンプレッサ効率ηcおよびタービン効率ηtは、それぞれコンプレッサ効率マップ(引数:ガス流量Gc1、タービン回転数Nt)、タービン効率マップ(引数:ガス流量G t1、タービン回転数Nt)を用い、下記演算式(20)、(21)によって算出する。
ηc=コンプレッサ効率マップ(Gc1、Nt)検索値 …(20)
ηt=タービン効率マップ((Gt1、Nt)検索値 …(21)
最後に、推定エンジントルクEstTqeについては、推定トルクマップ(引数:エンジン回転数Ne、吸気圧Pei)を用いて、下記演算式(22)によって算出する。
EstTqe=推定トルクマップ(Ne、Pei)検索値 …(22)
上記(1)〜(22)の演算式を、図5に示すようなフローチャートに従い演算することにより、最終的に推定エンジントルクEstTqeを算出することができる。
なお、演算過程において入力すべき変数が未計算の場合は、前回計算値あるいは初期値を用いる。
上述したように、吸気系の過渡応答物理モデルとして、ターボ過渡応答物理モデル300を作成し、本物理モデルを基に推定エンジントルクEstTqeを演算するから、ターボエンジンの過渡時に複雑なトルク軌道を描いても、推定エンジントルクEstTqeがトルク軌道に適合したものになり、ターボエンジンにおいても、適切なトルクベース型エンジン制御が可能になる。
トラクションコントロール実施時において、本手法にて演算した目標トルクと推定トルクとの関係を図7に示す。図7に示されているように、定常時において、目標トルクと推定トルクとが一致する。これにより、定常時における不要な点火時期操作が防止でき、ルクベース型エンジン制御において、理想的な低応答+高応答トルク制御が実施できる。
上記のような特性を有するターボ過渡応答物理モデル300を作成するためには、各パラメータの演算に用いる各種定数を精密にマッチングする必要がある。例えば、推定トルクを導き出す演算過程においては、大気圧Pa→コンプレッサ上流圧Pc1→コンプレッサ下流圧Pc2→吸気圧Pei→推定エンジントルクEstTqeの様なパラメータ変換を重ねており、上記変換過程には、コンプレッサ圧力比マップ(Gc1、Nt)、スロットル前後圧力比マップ(Ne、TVO)、推定トルクマップ(Ne、Pei)等が用いられている。これらのマップ類が、目標トルク演算部の演算内容と正確に整合が取れていない場合には、図8に示すようにに、目標トルクと推定トルクにずれが生じることになる。
次に、推定トルク演算手段210の実施形態2を、図9を用いて説明する。
実施形態2では、上述のマップ類を初めとする、定数の適合が困難であるといった実施形態1における欠点を解消すべく、トルクベース制御骨格部と推定トルク演算部のインターフェースを一部変更している。実施形態2では、過渡応答物理モデル(ターボ過渡応答物理モデル300)により算出された推定トルク演算値を直接は用いず、正規化処理を行って位相情報のみを取り出して使用する。
実施形態2の推定トルク演算手段210は、実施形態1と同等のターボ過渡応答物理モデル300に加えて、モデル演算推定トルク定常値演算部302と、正規化処理部303と、推定トルク演算部304とを有する。
モデル演算推定トルク定常値演算部302は、モデル演算推定トルクの定常値を、想定される全ての運転領域を対象に演算したものを、運転領域毎に格納しているモデル演算推定トルク定常値マップを用いて、モデル演算推定トルク定常値を演算する。
具体的には、全運転領域から適当に動作点(一般にエンジン回転数、エンジン負荷で規定される)を選び、各動作点にて過渡応答物理モデルを用いて推定トルクを演算し、これをモデル演算推定トルクの定常値として、モデル演算推定トルク定常値演算部302のモデル演算推定トルク定常値マップに格納する。
過渡応答物理モデルを用いたモデル演算推定トルクの定常値の演算は、図10に示されているように、演算時間を十分に取り、推定トルク値が一定値に収束するまで演算を継続する。モデル演算推定トルク定常値はモデル演算推定トルク収束値であり、この収束した推定トルク演算結果については、動作点毎にモデル演算推定トルク定常値マップに格納する。
モデル演算推定トルク定常値演算部302は、モデル演算推定トルク定常値マップを用いて、モデル演算推定トルク定常値を下記演算式(23)によって算出する。
モデル演算推定トルク定常値=モデル演算推定トルク定常値マップ(エンジン回転数、エンジン負荷)検索値 …(23)
正規化処理部303は、ターボ過渡応答物理モデル300が出力するモデル演算推定トルクの絶対値情報を排除し、位相情報のみ取り出す処理を行うものであり、下記演算式(24)によってモデル演算推定トルク位相係数を算出する。
モデル演算推定トルク位相係数=モデル演算推定トルク÷モデル演算推定トルク定常値 …(24)
本処理によって、定常時には、モデル演算推定トルク位相係数は1となる。
推定トルク演算部304は、下記演算式(25)によって推定トルクを算出する。これにより、目標エンジントルクとの整合が取れた所望の推定トルクが得られる。
推定トルク=低応答目標トルク×モデル演算推定トルク位相係数 …(25)
本実施形態の場合には、実施形態第1と異なり、各種マップを厳密に適合しなくとも、定常時におけるトルク偏差を防止できる利点がある。但し、あまりにもラフな適合を行うと、推定トルク精度が低下することは言うまでもない。
次に、推定トルク演算手段210の実施形態3を、図11を用いて説明する。
実施形態3では、ターボ過渡応答物理モデル300から出力される推定トルク値は用いず、実施形態1では、ターボ過渡応答物理モデル300の中間パラメータ(ターボチャージャ116の状態を示すパラメータ)として扱ったタービン回転数Ntを使用する。
推定トルク演算手段210は、無駄時間処理部400と、一次遅れ処理部401と、過給領域判手段402を有する。
無駄時間処理部400は、タービン回転数Ntを引数とする無駄時間のデータテーブルを有し、タービン回転数Ntに対応する無駄時間を設定する。具体的には、図12(a)に示されているように、タービン回転数Ntが低い場合には、無駄時間は大きく、タービン回転数Ntが高い場合には、無駄時間は小さく設定される。また、無駄時間のデータテーブルは、過給領域用と非過給領域用とを有する。
一次遅れ処理部401は、タービン回転数Ntを引数とする一次遅れ時定数のデータテーブルを有し、タービン回転数Ntに対応する一次遅れ時定数を設定する。具体的には、図12(b)に示されているように、タービン回転数Ntが低い場合には、一次遅れ時定数は大きく、タービン回転数Ntが高い場合には一次遅れ時定数は小さく設定される。また、一次遅れ時定数のデータテーブルも、過給領域用と非過給領域用とを有する。
目標吸気圧が大気圧よりも低い場合には、ターボチャージャ116が過給を行わずとも(タービン回転数が低くとも)、スロットル開度調整のみで比較的迅速に所望の吸気圧に到達するため、目標吸気圧と大気圧の大小関係を基に、実際に使用する無駄時間及び一次遅れ時定数のデータテーブルを、過給領域用のものと、非過給領域用のものとで、切り換える構成となっている。
このデータテーブルの切換は、目標吸気圧が大気圧より高いか否かを判別する過給領域判手段402が出力する信号により行われる。
本実施形態においても、計算式から自明のように、定常時には目標トルクと推定トルクが必ず一致するため、点火リタードや燃料カットが定常時にも継続して実行されるに伴う、燃費悪化や排気温度上昇、トルク変動等を未然に防止できる。
次に、推定トルク演算手段210の実施形態4を、図13を用いて説明する。
実施形態4では、ターボ過渡応答物理モデル300は用いておらず、より簡易なロジックとしてタイマ410を用いてターボラグに対応している。
具体的には、低応答目標トルクに対して無駄時間+一次遅れ処理を実施するが、その際に1回の加速期間や減速期間を、例えば、加速(減速)初期・中期・終期のように、フェーズ毎に分割し、分割期間毎に、無駄時間や一次遅れ処理の時定数を適合する。
このように、加速(減速)期間をフェーズ毎に分割することにより、ターボエンジンのような複雑なトルク軌道を描くエンジンについても、無駄時間や一次遅れ処理の時定数の適合が可能となり、推定トルク誤差を低減できる。
フェーズ毎に定数を切り替える際の指標としては、加速(減速)判定と同時にカウントを開始するタイマ410を用いており、タイマ410の経過時間と共に無駄時間および一次遅れ処理の時定数を逐次更新する。
本実施形態では、無駄時間処理部400は、タイマ410により計測される加速からの経過時間を引数とする無駄時間のデータテーブルを有し、加速からの経過時間に対応する無駄時間を設定する。具体的には、図14(a)に示されているように、加速からの経過時間が短いほど、無駄時間は大きく、経過時間が長いほど、無駄時間は小さく設定される。また、この実施形態でも、無駄時間のデータテーブルは、過給領域用と非過給領域用とを有する。
一次遅れ処理部401は、タイマ410により計測される加速からの経過時間を引数とする一次遅れ時定数のデータテーブルを有し、加速からの経過時間に対応する一次遅れ時定数を設定する。具体的には、図14(b)に示されているように、加速からの経過時間が短いほど、一次遅れ時定数は大きく、経過時間が長いほど、一次遅れ時定数は小さく設定される。また、一次遅れ時定数のデータテーブルも、過給領域用と非過給領域用とを有する。
目標吸気圧が大気圧よりも低い場合には、ターボチャージャ116が過給を行わずとも(タービン回転数が低くとも)、スロットル開度調整のみで比較的迅速に所望の吸気圧に到達するため、目標吸気圧と大気圧の大小関係を基に、実際に使用する無駄時間及び一次遅れ時定数のデータテーブルを、過給領域用のものと、非過給領域用のものとで、切り換える構成となっている。
これらデータテーブルの切換は、実施形態3と同様に、目標吸気圧が大気圧より高いか否かを判別する過給領域判手段402が出力する信号により行われる。
ターボラグの発生要因は、実際には複雑であり、ターボラグの度合いは、加減速開始からの経過時間のみによってた単純に規定されるものではないため、本方式をターボエンジンに適用すると、推定トルク誤差が大きくなる可能性がある。しかし、機械式スーパチャージャエンジン等の様に、比較的素直な過給特性を有するエンジンには好適な手法である。
なお、実施形態1〜4では、シングルターボエンジンを対象とした推定トルク演算手法を示しているが、より複雑な構成を有するツインターボエンジン、シーケンシャルツインターボエンジン、また、機械式スーパチャージャエンジンや機械式スーパチャージャとターボチャージャの双方から構成されるツインチャージャエンジン等についても、ターボ過渡応答物理モデル300を、対象とする過給システムに合わせて変更することにより、対応可能である。
また、近年においては、可変バルブタイミングや可変バルブリフト、可変バルブタイミング&リフト等、様々な可変バルブシステムが実用化されている。これらのエンジンは、スロットル制御のみのエンジンと比較して吸気システムが複雑であるため、過給エンジン程ではないにせよ、過渡時の発生トルク軌道が複雑となり易く、推定トルク演算ロジックには工夫が必要である。よって、可変バルブシステムについても過給エンジンと同様に、吸排気系部品の挙動を考慮した過渡応答物理モデルを作成し、前記実施例の考え方を適用することにより、高精度なトルク推定ロジックを実現できる。
本発明による制御装置が適用されるターボエンジン対応トルクベースエンジンシステムのハード構成を示す構成図。 ターボエンジン対応トルクベースエンジンシステムの制御系を示すブロック図。 本発明によるエンジンの制御装置に用いられる推定トルク演算手段の実施形態1を示すブロック図。 本発明によるエンジンの制御装置に用いられる推定トルク演算手段に組み込まれるターボ過渡応答物理モデルの演算パラメータを示す図。 実施形態1におけるターボ過渡応答物理モデルの演算ルーチンを示すフローチャート。 実施形態1におけるターボ過渡応答物理モデルに用いる演算マップの内容を示す説明図。 実施形態1における低応答+高応答トルク制御時の各パラメータの演算内容を示すタイムチャート。 実施形態1における低応答+高応答トルク制御時の各パラメータの演算内容を示すタイムチャート。 本発明によるエンジンの制御装置に用いられる推定トルク演算手段の実施形態2を示すブロック図。 実施形態2におけるモデル演算推定トルク定常値マップの内容を示す説明図。 本発明によるエンジンの制御装置に用いられる推定トルク演算手段の実施形態3を示すブロック図。 (a)、(b)は実施形態3における推定トルク演算に用いるデータマップの内容を示す説明図。 本発明によるエンジンの制御装置に用いられる推定トルク演算手段の実施形態4を示すブロック図。 (a)、(b)は実施形態4における推定トルク演算に用いるデータマップの内容を示す説明図。実施形態4における推定トルク演算に用いるマップの内容を示す図 従来例における低応答+高応答トルク制御時の各パラメータの演算内容を示すタイムチャート。 従来例における低応答+高応答トルク制御時の各パラメータの演算内容を示すタイムチャート。 従来の推定トルク演算方法を示すブロック図。 従来の推定トルク演算方法における目標トルクと推定トルクの関係を示すタイムチャート。 従来の推定トルク演算方法における目標トルクと推定トルクの関係を示すタイムチャート。 従来の推定トルク演算方法を示すブロック図。 従来の推定トルク演算方法における目標トルクと推定トルクの関係を示すタイムチャート。 従来の推定トルク演算方法における目標トルクと推定トルクの関係を示すタイムチャート。
符号の説明
100 燃焼室
101 アクセルペダル
102 エンジンコントロールユニット
103 インジェクタ
104 吸気バルブ
105 排気バルブ
106 点火プラグ
107 電制スロットル
108 吸気圧センサ
109 インテークマニホールド
110 ピストン
111 吸気管
112 排気管
113 ウエストゲート
114 ウエストゲートバルブ
115 ウエストゲートバルブコントロールユニット
116 ターボチャージャ
117 コンプレッサ
118 タービン
200 最大トルク設定値演算手段
201 アイドル要求トルク演算手段
202 ドライバ要求トルク演算手段
203 目標トルク演算手段
204 最大トルク設定値
205 目標過給圧演算手段
206 目標ウエストゲートデュティ演算手段
207 低応答目標トルク
208 目標吸気圧演算手段
209 目標スロットル開度演算手段
210 推定トルク演算手段
212 点火・燃料操作用トルク補正率演算手段
213 トルク操作方法選択手段
214 トルク操作量振分け手段
215 点火時期補正量演算手段
216 燃料カット気筒数演算手段
300 ターボ過渡応答物理モデル
302 モデル演算推定トルク定常値演算部
303 正規化処理部
304 推定トルク演算部
400 無駄時間処理部
401 一次遅れ処理部
402 過給領域判定手段
410 タイマ

Claims (5)

  1. エンジントルク制御時における実発生のエンジントルクを推定する推定トルク演算手段を備え、前記推定トルク演算手段によって推定されたエンジントルク推定値を用いてエンジンのトルク操作を行うエンジンの制御装置であって、
    前記推定トルク演算手段は、エンジンの吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルを有し、該過渡応答物理モデルを用いて目標エンジントルクをベースに無駄時間および一次遅れ処理を行ってエンジントルク推定値を算出し、前記無駄時間および一次遅れ処理に用いる時定数を、前記過渡応答物理モデルによって演算された前記吸排気系部品の状態を示すパラメータを基に可変設定することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記推定トルク演算手段は、前記時定数を1回の加速あるいは減速期間中に、少なくとも2回切り換えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルは、ターボチャージャを対象とした物理モデルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルは、機械式スーパチャージャを対象とした物理モデルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
  5. 記吸排気系部品に関する過渡応答物理モデルは、可変バルブシステムを対象とした物理モデルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
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