JP6369374B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6369374B2
JP6369374B2 JP2015074427A JP2015074427A JP6369374B2 JP 6369374 B2 JP6369374 B2 JP 6369374B2 JP 2015074427 A JP2015074427 A JP 2015074427A JP 2015074427 A JP2015074427 A JP 2015074427A JP 6369374 B2 JP6369374 B2 JP 6369374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
detected
wiper
rotation
cap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015074427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016193541A (ja
Inventor
大輔 久野
大輔 久野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2015074427A priority Critical patent/JP6369374B2/ja
Priority to US15/087,025 priority patent/US9757947B2/en
Publication of JP2016193541A publication Critical patent/JP2016193541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6369374B2 publication Critical patent/JP6369374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、記録ヘッドのノズルから強制的に増粘インクや気泡を吸引排出する吸引パージと、記録ヘッドのノズル面を拭き取るワイピングと、ノズルよりも上流側のインク流路から気泡を吸引排出する排気動作とを、それぞれ実行可能なインクジェットプリンタが記載されている。このインクジェットプリンタは、吸引パージ用の構成として、記録ヘッドに密着してノズル面を覆うノズルキャップを備えている。これに加えて、排気動作用の構成として、記録ヘッドに連通した気泡貯留室を有するバッファタンクと、気泡貯留室から延出された排出路と、排出路を開閉する開閉弁と、排出路の排気口を覆う排気キャップとを備えている。また、ノズルキャップと排気キャップは切り替えユニットを介して吸引ポンプに接続されている。ワイピング用の構成として、ワイパ部材と、ワイパ部材を拭取位置と待避位置とに移動させることが可能なカムとを備えている。また、カムには、カムが回転することで開閉弁を開放させるためのカム溝が形成されている。また、カムの下面には、切り替えユニットが設けられており、カムが回転することでノズルキャップと排気キャップとの接続が切り替えられる。
さらに、カムの上面の周縁には、カムの回転位置を検知するための被検出部材が回転方向に沿って複数形成されている。また、インクジェットプリンタには、被検出部材を検出するためのリーフスイッチが設けられている。リーフスイッチがON又はOFF状態になると、カムを駆動するためのモータの回転量のカウントが開始され、カムの停止位置が制御される。こうして、複数の被検出部材をカムに設けることによって、ワイパ部材の昇降動作、開閉弁の開放動作、切り替えユニットの切り替え動作などの高精度な位置制御が可能となる。
特開2005−246928号公報
特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、ワイピングを行うことで粘度の高いインク(増粘したインク)や増粘しやすいインクがワイパ部材の先端に付着した場合、当該インクが先端に付着したままとなる。このようにワイパ部材の先端にインクが付着したままになると、次回、ワイピングを行う際にワイパ部材に付着したインクを吐出面及び吐出口内に付着させてしまう問題がある。このような問題を解決するために、本発明者が、ワイパ部材に付着した液体をクリーニングする構成を検討したところ、以下の課題を知見した。
すなわち、ワイパ部材と当接することでワイパ部材に付着した液体をクリーニングするためのクリーニング部材を設け、カムの回転に伴ってワイパ部材と当接することでワイパ部材を移動させてワイパ部材をクリーニング部材に当接させる当接部をカムに設ける。当接部はワイパ部材の下側部分と当接可能で、下側部分が当接部に当接したときに下側部分はカムの周縁よりも外側に位置する。上述のようにカムの周縁には、複数の被検出部材が配置され、当接部が複数の被検出部材よりも回転軸に近い位置に配置される。このため、カムの径が比較的小さい場合、複数の被検出部材の配置スペースが狭くなり、複数の被検出部材の隣接する2つの間隔の長さが短くなる。ワイパ部材の下側部分のカムの周方向の長さが上述の隣接する2つの間隔の長さより長いと、当接部がカムの被検出部材と接触し、ワイパ部材のクリーニングができなくなるという問題が生じる。カムの径を大きくしてワイパの下側部分が最も外側に位置するときよりもさらに外側に複数の被検出部材を配置すれば、ワイパ部材と被検出部材との接触を回避することは可能であるが、カムが大型化する問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、カムの径方向への大型化を防ぎつつ、ワイパ部材のクリーニングを行うことが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するための吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記吐出面を払拭するための払拭部を有するワイパ部材と、前記ワイパ部材の前記払拭部と当接することで前記払拭部に付着した液体を除去するためのクリーニング部材と、回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸の周囲に周方向に沿って設けられ、前記回転軸を中心とした回転に伴って前記ワイパ部材の被当接部と当接する当接部と、前記当接部よりも前記回転軸を中心とした径方向に離れた部分において前記周方向に沿って互いに離隔して配置された複数の被検出部材とを有するカムと、前記複数の被検出部材を検出するカムセンサと、前記回転軸を中心として前記カムを回転させる回転機構とを備えている。そして、前記当接部は、前記ワイパ部材の前記被当接部と当接した状態において、前記カムの回転に伴って前記ワイパ部材の前記被当接部を、前記径方向において前記複数の被検出部材と前記回転軸の間の第1位置から、前記第1位置及び前記複数の被検出部材よりも前記径方向において前記回転軸から離れた第2位置に移動させ、前記ワイパ部材の前記払拭部は、前記被当接部が前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記クリーニング部材に当接し、前記複数の被検出部材において前記周方向に隣接する2つの被検出部材の前記周方向に沿った間にそれぞれ形成される複数の中間領域には、前記周方向に沿った長さが前記ワイパ部材の前記被当接部の前記周方向の幅よりも長い特定中間領域があり、前記当接部の少なくとも一部が、前記周方向において、前記特定中間領域と対応した位置にあり、前記ワイパ部材の前記被当接部は、前記特定中間領域に対応する前記当接部の前記少なくとも一部と当接することで、前記第1位置から前記第2位置を経て再び前記第1位置に移動する。
本発明の液体吐出装置によると、ワイパ部材の被当接部が第1位置から複数の被検出部材よりも回転軸から離れた第2位置へ移動し再び第1位置へ移動する過程において通過する特定中間領域が、ワイパ部材の被当接部の周方向の幅よりも長いので、ワイパ部材の被当接部が被検出部材と接触しない。このため、径方向においてカムの中心から第2位置までの長さよりもカムの半径を長くせずにワイパ部材と被検出部材が干渉するのを防ぐことができるため、カムの大型化を防ぎつつワイパ部材のクリーニングを行うことが可能となる。
複合機の斜視図である。 図1に示すプリンタ部の内部構造を示す概略側面図である。 図1に示すプリンタ部の概略的な平面図である。 記録ヘッドの左右方向と直交する鉛直面に関する概略断面図である。 ヘッド本体の平面図である。 (a)は図5のB部拡大図、(b)は図6(a)のC−C線断面図である。 記録ヘッドがメンテナンス位置にあるときの排気ユニット、及び、メンテナンス部の排気キャップ、開閉部材及びソレノイドの、左右方向と直交する鉛直面に関する概略断面図である。 メンテナンス部の概略側面図である。 (a)は吸引キャップが離隔位置にあるときの状況図であり、(b)は吸引キャップが当接位置にあるときの状況図である。 ワイパ部材の斜視図である。 (a)及び(b)は回転カムの斜視図であり、(c)は平面図である。 (a)はクリーニング部材の斜視図であり、(b)は断面図である。 メンテナンス部を下方から見たときの図である。 (a)は切換部材が第1連通状態をとる位置に配置されたときの状況図であり、(b)は切換部材が第2連通状態をとる位置に配置されたときの状況図であり、(c)は切換部材が第3連通状態をとる位置に配置されたときの状況図である。 (a)は駆動モータを逆転駆動させたときの各ギヤの動力伝達状態を示し、(b)は駆動モータを正転駆動させたときの各ギヤの動力伝達状態を示す図である。 制御部のブロック図である。 パージ動作の手順を示すフローチャートである。 ワイパ部材が待機位置から払拭位置に配置され、ワイパで吐出面を払拭した後、ワイパ部材が払拭位置から待機位置に戻されるまでの動作状況を示す図である。 クリーニング処理におけるワイパ部材の動作状況を示す図である。 メンテナンス動作時における回転カムの動作状況を示す図である。 排気動作の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るプリンタ部が採用された複合機1について説明する。複合機1は、図1に示す状態に設置されて使用される。本実施形態において、図1に矢印を付して示す3つの方向が、上下方向A1、前後方向A2、及び左右方向A3である。図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様である。
<複合機1の概要>
図1に示すように、複合機1は、概ね薄型の直方体に形成されており、その上面に表示部及び操作ボタンなどを有する。本発明の液体吐出装置の一例であるプリンタ部10が、複合機1の下部に設けられている。複合機1は、スキャナ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
プリンタ部10は筐体11を有する。筐体11の前壁11aの略中央には、開口12が形成されている。給紙トレイ15及び排紙トレイ16が、上下2段に設けられている。給紙トレイ15は、開口12から前後方向A2に挿抜可能、すなわち、筐体11から着脱可能に構成されている。所望のサイズの用紙Pが給紙トレイ15に載置される。複合機1は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)などの外部機器と接続可能であり、PCからの記録指令に基づいて記録動作を実行する。また、ユーザによる操作ボタンの操作によっても各種機能を実行する。
<プリンタ部10の内部構造>
次に、プリンタ部10の内部構造について説明する。図2及び図3に示すように、プリンタ部10は、給送部20と、搬送ローラ対35と、記録部40と、ホルダ17と、排紙ローラ対36と、ASF(Auto Sheet Feed)モータ20M(図16参照)と、LF(Line Feed)モータ35M(図16参照)と、メンテナンス部60と、制御部5(図16参照)とを含む。給送部20は、給紙トレイ15に載置される用紙Pを搬送路25へ給送する。搬送ローラ対35は、給送部20によって給紙された用紙Pを記録部40に搬送する。記録部40は、例えば、インクジェット記録方式の構成を有し、搬送ローラ対35によって搬送された用紙Pに画像を記録する。排紙ローラ対36は、記録部40によって記録された用紙Pを排紙トレイ16に排紙する。
ホルダ17は、図3に示すように、筐体11内の前方右側に設けられている。ホルダ17には、4つのインクカートリッジ18a〜18dが取り外し可能に装着される。4つのインクカートリッジ18a〜18dには、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの、4色のインクがそれぞれ貯留されている。
<給送部20>
図2に示すように、給送部20が給紙トレイ15の上側に設けられている。給送部20は、給紙ローラ21とアーム22を有する。給紙ローラ21は、アーム22の先端に軸支されている。アーム22は、支軸22aに回動自在に支持され、バネなどにより付勢されて給紙ローラ21が給紙トレイ15に接触するように下側へ回動されている。また、アーム22は、給紙トレイ15の挿抜の際に上方へ退避可能に構成されている。給紙ローラ21は、伝達機構(不図示)を介してASFモータ20Mの動力が伝達されて回転し、給紙トレイ15内に積載された用紙Pが、搬送路25へ給送される。
<給紙トレイ15>
図2に示すように、給紙トレイ15は、斜壁部15aを有する。斜壁部15aは、給紙トレイ15に載置される用紙Pが給紙ローラ21によって給送されるときに、用紙Pを搬送路25に案内する。
<搬送路25>
搬送路25は、図2に示すように、所定間隔で対向する外側ガイド部材25a及び内側ガイド部材25bによって形成されている。搬送路25は、給紙トレイ15の後側の端部から上方且つプリンタ部10の前側へ曲がって構成されている。給紙トレイ15から給送された用紙Pは、搬送路25により下方から上方へUターンするように案内されて記録部40に至る。
<搬送ローラ対35、及び、排紙ローラ対36>
搬送ローラ対35は、下側に配置された搬送ローラ35aと上側に配置されたピンチローラ35bとを有する。搬送ローラ35aは、伝達機構(不図示)を介してLFモータ35Mの動力が伝達されて回転する。ピンチローラ35bは、搬送ローラ35aの回転に伴って連れ回る。搬送ローラ35aとピンチローラ35bとは、協働して用紙Pを上下方向A1から挟持し、用紙Pを記録部40へ搬送する。
排紙ローラ対36は、下側に配置された排紙ローラ36aと、上側に配置された拍車ローラ36bとを有する。排紙ローラ36aは、伝達機構(不図示)を介してLFモータ35Mの動力が伝達されて回転する。拍車ローラ36bは、排紙ローラ36aの回転に伴って連れ回る。排紙ローラ36aと拍車ローラ36bとは、協働して用紙Pを上下方向A1から挟持し、用紙Pを排紙トレイ16に搬送する。
<記録部40>
図2及び図3に示すように、記録部40は、記録ヘッド41と、ヘッド移動機構50と、プラテン6とを有する。ヘッド移動機構50は、キャリッジ51を含む。キャリッジ51は、走査方向(左右方向A3であって、用紙Pの搬送方向と直交する方向)へ往復移動する。記録ヘッド41は、キャリッジ51に支持されている。
記録ヘッド41は、ヘッド本体42と、4つのサブタンク43a〜43dと、4つの排気ユニット45a〜45dとを有する。ヘッド本体42の下面は、当該記録ヘッド41の下方に搬送された用紙Pに対してインクを吐出する複数の吐出口41aが形成された吐出面41bである。
4つのサブタンク43a〜43dは、走査方向に沿って並べて配置されている。また、これら4つのサブタンク43a〜43dにはチューブジョイント44が一体的に設けられている。そして、チューブジョイント44に連結された可撓性の4本のチューブ(不図示)を介して、4つのサブタンク43a〜43dと4つのインクカートリッジ18a〜18dとがそれぞれ接続されている。4つのサブタンク43a〜43dは、ヘッド本体42に各色のインクを供給する。4つの排気ユニット45a〜45dは、サブタンク43dの右側で前後方向A2に並べて配置されている。これら排気ユニット45a〜45dは、4つのサブタンク43a〜43dとそれぞれ連通しており、サブタンク43内に滞留する気泡を排出するためのものである。
記録ヘッド41の下方には、搬送ローラ対35によって搬送される用紙Pを支持するプラテン6が配設されている。プラテン6は、キャリッジ51の往復移動範囲のうち、用紙Pが通過する部分に配設されている。プラテン6の幅は、搬送可能な用紙Pの最大幅より十分に大きいので、搬送路25を搬送される用紙Pは常にプラテン6上を通過する。このプラテン6上の領域が画像記録領域G1となっている。
ヘッド移動機構50は、図3に示すように、一対のガイドレール52、及び、ベルト伝達機構53を含む。一対のガイドレール52は、前後方向A2に離隔して配置され、左右方向A3に互いに平行に延在している。キャリッジ51は、これら一対のガイドレール52を跨ぐように配置され、当該一対のガイドレール52上を左右方向A3に沿って往復移動される。
また、ベルト伝達機構53は、2つのプーリ54,55と、無端状のタイミングベルト56と、CRモータ50Mとを含む。2つのプーリ54,55は、左右方向A3に互いに離隔して配置され、タイミングベルト56が架け渡されている。プーリ54は、CRモータ50Mの駆動軸と連結されており、CRモータ50Mが駆動されることで、タイミングベルト56が走行し、キャリッジ51とともに記録ヘッド41が走査方向に移動する。
記録ヘッド41は、記録指令に基づく制御部5の制御により、吐出口41aから各色のインクを吐出する。つまり、キャリッジ51が左右方向A3へ往復移動することにより、記録ヘッド41が用紙Pに対して走査されると共に、吐出口41aから、各色のインクを吐出することで、プラテン6上を搬送される用紙Pに画像が記録される。なお、プリンタ部10内には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ(不図示)が設けられている。一方、キャリッジ51には、発光素子と受光素子とを有する透過型の位置検出センサ(不図示)が設けられている。そして、プリンタ部10は、キャリッジ51の移動中に位置検出センサが検出したリニアエンコーダの透光部の計数値から、キャリッジ51の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっており、CRモータ50Mの回転駆動が制御される。
<メンテナンス部60>
メンテナンス部60は、ヘッド本体42の吐出口41aから強制的にインクを排出させてその吐出性能を回復させる、及び、排気ユニット45を介してサブタンク43から気泡を排出させるものであり、走査方向に関するキャリッジ51の移動範囲のうちの、画像記録領域G1よりも右側のメンテナンス領域G2のメンテナンス位置に配置されている。このメンテナンス部60の詳細については後ほど説明する。
次に、サブタンク43a〜43dについて説明する。なお、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのサブタンク43a〜43dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つのサブタンク43(以下において符号43と記することがある)について以下説明する。
サブタンク43は、図4に示すように、一端がチューブジョイント44と接続された流路46を有する。流路46(液体供給流路)は、図4に示すように、ダンパー室46aと、気泡貯留室46bとを含む。ダンパー室46aは、チューブジョイント44と接続され前後方向A2に延在している。また、ダンパー室46aの上部は、可撓性を有するフィルム47によって覆われている。これにより、流路46内のインクに生じる圧力変動がダンパー室46aで吸収される。この結果、ヘッド本体42内のヘッド流路123のインクに圧力変動が伝わりにくくなって、インク吐出を安定させることが可能となる。
気泡貯留室(気泡貯留部)46bは、上下方向A1に延在し、上端がダンパー室46aに接続され、下端がヘッド本体42の供給口125に接続されている。サブタンク43内のインクは、ダンパー室46aから気泡貯留室46bを通って供給口125に流れる。このようなインクの流れにより、外部から流路46に入り込んだ気泡は気泡貯留室46bの上部に集まり、貯留されていく。
次に、ヘッド本体42について説明する。ヘッド本体42は、図5及び図6に示すように、流路ユニット121と、アクチュエータユニット122とを有する。図6(b)に示すように、流路ユニット121は、5枚のプレート131〜135が積層された構造を有する。5枚のプレート131〜135のうちの最下層のプレート135は、吐出口41aを構成するノズル135aが複数形成されたノズルプレート135である。一方、上側の残り4枚のプレート131〜134には、複数のノズル135aに連通するマニホールド136や圧力室137などの孔が形成されている。
図5に示すように、複数の吐出口41aは、前後方向A2に沿って配列された吐出口列124が左右方向A3に4列形成されるように配置されている。本実施形態において、図5中最も右側の吐出口列124dに属する吐出口41aからは、ブラックインクが吐出され、他の3列の吐出口列124a,124b,124cに属する吐出口41aからは、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタ)が吐出される。より詳細には、図5中最も左側の吐出口列124から順に、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
次に、流路ユニット121の上側4枚のプレート131〜134に形成された、複数のノズル135aに連通する流路構造について説明する。まず、図5に示すように、流路ユニット121の上面の後方端部(搬送方向上流端部)には、走査方向に並ぶ4つの供給口125が形成されている。これらの供給口125には、サブタンク43a〜43dから4色のインクが供給される。4つの供給口125は、イエローの供給口125a、シアンの供給口125b、マゼンタの供給口125c、ブラックの供給口125dである。
また、流路ユニット121の内部には、それぞれ前後方向A2に延在する4本のマニホールド136が形成されている。4本のマニホールド136は、それらの後端部において、4つの供給口125とそれぞれ接続されている。各マニホールド136においては、インクが後方から前方に流れる。つまり、搬送方向にインクが流れる。
また、流路ユニット121は、複数のノズル135aにそれぞれ対応した複数の圧力室137を有する。複数の圧力室137は、流路ユニット121の最上層に位置するプレート131に形成され、複数のノズル135aにそれぞれ対応して平面的に配置されている。図5に示すように、圧力室137は、4つの吐出口列124にそれぞれ対応して、前後方向A2に沿って配列された圧力室列が左右方向A3に4列形成されるように配置されている。以上より、図6(b)に矢印で示すように、流路ユニット121内には、各マニホールド136から分岐して、圧力室137を経てノズル135aに至る個別流路126が複数形成されている。これら4つのマニホールド136及び複数の個別流路126によって、流路ユニット121に形成されたヘッド流路123が構成される。
図5及び図6に示すように、アクチュエータユニット122は、振動板141と、圧電層142,143と、複数の個別電極144と、共通電極145とを含む。振動板141は、複数の圧力室137を覆った状態で流路ユニット121の上面に接合されている。2枚の圧電層142,143は、振動板141の上面に積層されている。複数の個別電極144は、上層の圧電層143の上面において、複数の圧力室137とそれぞれ対向するように配置されている。共通電極145は、2枚の圧電層142,143の間において、複数の圧力室137に跨って配置されている。
制御部5からの信号を受けて、ドライバIC138から個別電極144に対して駆動信号が供給されると、上層の圧電層143の圧力室137と対向する部分に圧電歪が生じることで、振動板141が撓むように変形する。このとき、圧力室137の容積が変化することによって、個別流路126内のインクに圧力が付与されてノズル135a(吐出口41a)からインクが吐出される。
次に、排気ユニット45a〜45dについて、図3及び図7を参照しつつ以下に説明する。排気ユニット45a〜45dは、図3に示すように、サブタンク43dの右側に設けられている。なお、図7に示すように、4色のインク(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)を貯留する4つのサブタンク43a〜43dに対して、4つの排気ユニット45a〜45dがそれぞれ設けられている。
4つのサブタンク43a〜43dにそれぞれ対応する4つの排気ユニット45a〜45dの構造は基本的に同一であるので、そのうちの1つの排気ユニット45(以下において符号45と記することがある)について以下説明する。排気ユニット45は、サブタンク43dの側面に固定されたケース151と、このケース151内において上下方向A1に延在する排気流路152と、排気流路152を開閉する開閉弁153とを有する。排気流路152は、その上端が気泡貯留室46bの上端と連通する接続流路48(図4参照)を介して接続されている。排気流路152は、ケース151の下端に形成された排気口(出口)152aまで延在している。これら排気流路152と接続流路48とによって連通路161が構成されている。
開閉弁153は、排気流路152内において上下方向A1に移動可能に配設されるとともに排気流路152を閉鎖可能な弁部材154と、この弁部材154を下方に付勢するコイルバネ155とを有する。
弁部材154は、排気流路152内において上下方向A1に移動可能な有底筒状の弁体156と、この弁体156の底部から下方へ延びる弁棒157を有する。弁体156の外径は、排気流路152の内径よりは小さくなっており、この弁体156と排気流路152の内壁面との間をインクが流れることが可能となっている。また、弁体156の下面には環状のシール材158が装着されており、弁体156は、排気流路152の途中の段部に設けられた弁座面159にシール材158を介して当接することで、排気流路152を閉鎖するように構成されている。
コイルバネ155は、ケース151の上端部と弁部材154の弁体156との間に圧縮状態で配置されており、このコイルバネ155によって弁部材154が下方へ付勢される。そして、後述する開閉部材78a〜78dにより、弁体156がコイルバネ155の付勢力に抗して上方へ駆動されたときには、弁体156が弁座面159から離間し、排気流路152が開放される。
次に、メンテナンス部60について説明する。図3、図7〜図15に示すように、メンテナンス部60は、キャップ機構61と、ワイパ部材62と、クリーニング部材63と、ワイパ移動機構64と、メンテフレーム65と、吸引ポンプ66と、切換機構67と、廃液タンク68と、駆動機構69とを含む。
メンテフレーム65は、図8に示すように、底板65aと、本体部65bとを有する。本体部65bは、底板65aの左端部に設けられている。底板65aは、キャップ機構61を下方から支持する。本体部65bは、ワイパ部材62とクリーニング部材63とを支持する。本体部65bには、上下方向A1に延在するガイド溝65b1を有する。
キャップ機構61は、図7〜図9に示すように、吸引キャップ71と、排気キャップ72と、吸引キャップ71及び排気キャップ72を支持するキャップホルダ73と、キャップホルダ73を昇降させるキャップ昇降機構74と、排気ユニット45a〜45d内の開閉弁153をそれぞれ開閉させる4本の開閉部材78a〜78dと、これら開閉部材78a〜78dを移動させるソレノイド79を有する。
吸引キャップ71は、上方に向かって開口する凹部71a1が形成されたキャップ71aと、上方に向かって開口する凹部71b1が形成されたキャップ71bとを有する。これら2つのキャップ71a,71bは、図8に示すように、一体的に形成されており、ゴムや合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成されている。キャップ71aの底部には、連通孔71a2が形成されている。連通孔71a2は、チューブ71a3と接続されている。キャップ71bの底部にも連通孔71b2が形成されている。連通孔71b2は、チューブ71b3と接続されている。そして、図8中二点鎖線で示すように、メンテナンス位置に記録ヘッド41(キャリッジ51)が移動してきたときに、この吸引キャップ71は、吐出面41bと対向する。この状態で、キャップホルダ73がキャップ昇降機構74によって上方に移動されることにより、吸引キャップ71が吐出面41bと当接する当接位置(後述する)に配置され、複数の吐出口41aを覆う。このとき、吐出面41bの3色のカラーインクを吐出する吐出口41aが形成された領域がキャップ71aによって覆われ、凹部71a1内に密閉空間K1が形成される(図18(a)参照)。また、吐出面41bのブラックインクを吐出する吐出口41a形成された領域がキャップ71bによって覆われ、凹部71b1内に密閉空間K2が形成される(図18(a)参照)。
排気キャップ72は、上方に向かって開口する凹部72aを有し、ゴムや合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成されている。排気キャップ72の底部には、連通孔72bが形成されている。連通孔72bはチューブ72cと接続されている。そして、図8中二点鎖線で示すように、メンテナンス位置に記録ヘッド41(キャリッジ51)が移動してきたときに、この排気キャップ72は、4つの排気ユニット45の下面と対向する。この状態で、キャップホルダ73がキャップ昇降機構74によって上方に移動されることにより、排気キャップ72が排気ユニット45の下面と当接する当接位置(後述する)に配置され、4つの排気口152aを覆う。このとき、凹部72a内に密閉空間K3が形成される(図7(b)参照)。
キャップホルダ73は、吸引キャップ71及び排気キャップ72を下方から支持する。キャップホルダ73の下面には、下方に突出した板状の突出部73aが形成されている。突出部73aの先端部には、左右方向A3に突出した一対の突起73bが形成されている。一対の突起73bは、円柱形状を有する。
キャップ昇降機構74は、図8及び図9に示すように、一対のスライドカム74aと、ギヤ74bと、ギヤ74bとスライドカム74aとを連結するリンク74cとを有する。一対のスライドカム74aは、板状部材から構成されており、左右方向A3に突出部73aを挟んで配置されている。また、一対のスライドカム74aは、メンテフレーム65の底板65a上に立設された状態で、前後方向A2にスライド可能に支持されている。各スライドカム74aには、左右方向A3に貫通し、突起73bが配置可能なガイド孔74a1が形成されている。ガイド孔74a1は、前方部74a2と、後方部74a3と、前方部74a2と後方部74a3とを繋ぐ接続部74a4とを有する。前方部74a2と後方部74a3は、ともに前後方向A2に水平に延在する。前方部74a2は、後方部74a3よりも下方に配置されている。これより、接続部74a4が斜めに延在している。
このキャップ昇降機構74の構成において、図9(a)に示すように、スライドカム74aが後方寄りの位置にあるときに、突起73bが前方部74a2に配置され、キャップホルダ73がメンテフレーム65の底板65aに最も近い位置に配置される。このとき、吸引キャップ71及び排気キャップ72は、メンテナンス位置に配置された記録ヘッド41の吐出面41b及び排気ユニット45の下面と離隔する離隔位置に配置される。そして、ギヤ74bが図9(a)に示す位置から図9(b)に示す位置まで図中時計回りに180°回転することで、リンク74cに連結された一対のスライドカム74aが前方に移動する。このとき、突起73bが接続部74a4によって上方に案内され、後方部74a3に配置される。このようにスライドカム74aが前方寄りの位置に移動すると、突起73bが後方部74a3に配置され、キャップホルダ73がメンテフレーム65の底板65aから最も離れた位置に配置される。このとき、吸引キャップ71及び排気キャップ72は、メンテナンス位置に配置された記録ヘッド41の吐出面41b及び排気ユニット45の下面と当接可能な当接位置に配置される。このようにキャップ昇降機構74は、ギヤ74bが回転することで、吸引キャップ71及び排気キャップ72を当接位置と離隔位置との間において移動させることができる。また、スライドカム74aの前後方向A2に関する位置は、ギヤ74bを駆動する駆動機構69の駆動モータ69Mに接続されたロータリーエンコーダ69M1(図16参照)の出力値(回転量)に基づいて検出可能であり、これにより、スライドカム74aの前後方向A2に関する位置を制御することで、吸引キャップ71及び排気キャップ72の配置位置(離隔位置又は当接位置)を制御することができる。ロータリーエンコーダ69M1は、駆動モータ69Mの回転軸に接続されており、駆動モータ69Mの回転量を制御部5に出力する。
4本の開閉部材78a〜78d(すべての開閉部材にも共通する事項については以下において符号78を用いることがある)はそれぞれ上下方向に延在した棒状の部材であり、図7に示すように、前後方向A2に間隔を空けて並べて配置されている。また、開閉部材78は、排気キャップ72の底壁との間において気密を保った状態で貫通し、排気キャップ72に対して上下に相対移動可能に構成されている。また、メンテナンス位置に記録ヘッド41が移動してきたときには、図7に示すように、開閉部材78は、対応する排気ユニット45の下面の排気口152aの真下に位置する。
図7に示すように、4本の開閉部材78a〜78dは、これらの下端部において互いに連結され、一体的に上下に移動可能となっている。これら開閉部材78a〜78dは、ソレノイド79の駆動により、開弁位置と閉弁位置との間において移動する。閉弁位置は、図7(a)に示すように、開閉部材78a〜78dが開閉弁153から離隔し当該開閉弁153を閉弁させる位置である。開弁位置は、図7(b)に示すように、開閉部材78a〜78dが開閉弁153に当接し、当該開閉弁153を開弁させる位置である。
そして、図7(b)に示すように、排気キャップ72により排気ユニット45の下面の排気口152aが覆われた状態で、開閉部材78a〜78dが排気キャップ72に対して上方に移動すると、開閉部材78a〜78dの上端部が、排気口152aから排気流路152内に挿通されることになり、排気流路152内の弁棒157を上方に押圧する。すると、弁棒157と一体的に弁体156が上方へ移動して弁座面159から離間し、排気流路152が開放される(開弁)。なお、開閉部材78a〜78dが下方に移動すると、開閉部材78a〜78dの上端部が弁棒157から離隔する。これにより、弁体156(シール部材158)がコイルバネ155の付勢力によって弁座面159に押圧され、排気流路152が閉鎖される。
ワイパ部材62は、図10に示すように、ワイパ75と、ワイパ75を支持するワイパホルダ76とを有する。ワイパ75(払拭部)は、ゴムや合成樹脂などの可撓性を有する材料で形成され、右側面75aと左側面75bとを有する板状の部材である。ワイパ75は、前後方向A2に関して、吐出面41bよりも長尺に形成されている。ワイパ75は、吐出面41bを払拭するための先端部分75cと、先端部分75cを支持する支持部分75dとを有する。右側面75aは、先端部分75cにある上方側面75a1と、支持部分75dに存在する下方側面75a2とに分けられる。上方側面75a1は、吐出面41bを払拭するときの払拭面である。下方側面75a2は、後述の当て板76a1と対向する対向面である。
ワイパホルダ76は、前後方向A2に延在する水平部76aと、上下方向A1に延在する垂直部76bとを有する。水平部76aは、ワイパ75よりも前後方向A2に延在している。垂直部76bは、水平部76aの前後方向A2の中央から下方に延在しており、ワイパホルダ76が略T字形状に構成されている。
水平部76aは、その上面から立設されたワイパ75の支持部分75dを支持する。水平部76aは、ワイパ75よりも右側に配置された当て板76a1を有する。当て板76a1は、前後方向A2にワイパ75よりも長尺に延在しており、ワイパ75の下方側面75a2と対向して配置されている。また、当て板76a1は、下方側面75a2と当接して配置されている。当て板76a1は、後述のように記録ヘッド41がワイパ75の先端部分75cに存在する左側面75bに当接したまま左方に移動したときに、ワイパ75の曲げを規制し、ワイパ部材62を後述の払拭位置から待機位置への移動に寄与する。
水平部76aには、図10(a)に示すように、左方に突出した一対の突起76a2が形成されている。一対の突起76a2は、前後方向A2に離隔して配置されている。この一対の突起76a2は、後述のようにワイパ部材62を払拭位置に移動させたときに、メンテフレーム65の本体部65bと係止してワイパ部材62を払拭位置に保持する。
垂直部76bは、上下方向A1の略中央に前後方向A2に突出した一対の突起76b1を有する。一対の突起76b1は、円柱形状を有している。ワイパホルダ76は、図8に示すように、本体部65bを上下方向A1に貫通するように配置され、一対の突起76b1がメンテフレーム65のガイド溝65b1内に配置されている。これにより、ワイパ部材62が、図8に示す位置であって、ガイド溝65b1の下端と突起76b1とが当接する待機位置に配置されているときに、ガイド溝65b1によって突起76b1を中心として矢印A4方向に揺動可能に支持される。一対の突起76b1は、ワイパ部材62の揺動軸を構成する。また、ワイパ部材62の上下方向A1の移動がガイド溝65b1によってガイドされる。
垂直部76bは、その上端部にフック76b2が形成されている。フック76b2は、一対の突起76b1よりも上方に配置されている。このフック76b2には、後述のバネ81の一端が取り付けられる。垂直部76bの下端部(すなわち、ワイパ部材62の下端部62a:被当接部)は、図10(b)に示すように、右側側面から右方に突出した突起76b3を有する。
ワイパ移動機構64は、図8に示すように、バネ81と、回転カム82と、回転カム82の下方に配置されたギヤ83と、カムセンサ86(図11参照)とを有する。ギヤ83は、回転カム82と一体的に連結されており、ギヤ83が回転すると回転カム82も同方向に回転する。バネ81は、その一端(上端)がフック76b2に取り付けられ、他端(下端)がメンテフレーム65の本体部65bの左下端部に取り付けられている。この左下端部は、ガイド溝65b1よりも左方且つ下方にある。このため、バネ81は、ワイパ部材62を左斜め下方に付勢する。また、バネ81は、ワイパ部材62が待機位置に配置されているときに、一対の突起76b1を中心にワイパ部材62の上端(ワイパ75の先端部分75c)が左方へ下端が右方へと回動する方向にワイパ部材62を付勢する。これにより、ワイパ部材62は、待機位置において、一対の突起76a2がメンテフレーム65の本体部65bに当接した状態で位置決めされる。
回転カム82は、図11に示すように、カム本体82aと、***部82cと、当接部82dと、2つの被検出部材82e,82fとを有する。カム本体82aは、円板82a1と、円板82a1の中央に上方に突出して形成された円柱部82a2とを有する。カム本体82aは、上下方向A1に沿う回転軸D(図8参照)を中心に回転可能にメンテフレーム65に支持されている。ギヤ83に駆動機構69からの動力が伝達されることで、回転カム82が回転する。なお、回転カム82は、後述するように図11(c)中矢印A5の回転方向にのみ回転する。
***部82cと当接部82dは、回転軸Dの周囲に回転方向A5(周方向:図11(c)中時計回り)に沿って設けられ、互いに離隔して配置されている。また、***部82cと当接部82dは、円板82a1の上面82a3及び円柱部82a2の側面に形成され、回転方向A5に沿って互いに重なる位置に配置されている。また、***部82cと当接部82dの回転軌跡上には、図11(c)中二点鎖線で示すように、待機位置に配置されたワイパ部材62の下端部62aが位置する。このワイパ部材62の下端部62aは、待機位置において、上面82a3と対向し、回転方向A5に沿って***部82cと当接部82dとに重なる位置に配置される。なお、ワイパ部材62の下端部62aは、当接部82dと当接しながら回転カム82が回転することで、後述の第1位置と第2位置との間において移動する。
***部82cは、上面82a3から上方に***して形成され、回転方向A5に関して、当接部82dよりも長く形成されている。また、***部82cの上面は、回転方向A5に沿って傾斜角度が異なる5つの面82c1〜82c5によって構成されている。これら5つの面82c1〜82c5のうち、面82c2が円板82aの上面82a3から最も上方に配置されている。ワイパ部材62が待機位置に配置されている状態で、回転カム82が回転方向A5に回転すると、ワイパ部材62の下端部62aの下面が面82c1と当接し、ワイパ部材62が上方に押し上げられる。そして、回転カム82の回転が進むと、ワイパ部材62の下端部62aの下面が面82c2に当接する。このとき、ワイパ部材62が払拭位置(図18(b)参照)に配置される。
当接部82dは、2つの側面82d1,82d2と、水平な上面82d3とを有する。当接部82dの上面82d3は、***部82cの面82c2よりも下方に配置されている。つまり、当接部82dは、円板82aからの高さが***部82cよりも低くなっている。側面82d1は、回転方向A5に進むに連れて回転軸Dからの離隔距離が小さくなるように傾斜する傾斜面である。一方、側面82d2は、回転方向A5に進むに連れて回転軸Dからの離隔距離が大きくなるように傾斜する傾斜面である。また、当接部82dは、2つの側面82d1,8d2を接続し、2つの側面82d1,82d2よりも回転軸Dから離れた頂面82d4を有している。ワイパ部材62が待機位置に配置され、当該ワイパ部材62の下端部62aが図11(c)中二点鎖線で示す第1位置に配置された状態で、回転カム82が回転方向A5に回転することで、ワイパ部材62の下端部62aの突起76b3と当接部82dの側面82d1とが当接する。突起76b3が頂面82d4に当接するまで、回転カム82が回転すると、ワイパ部材62が第1位置からバネ81の付勢力に抗して第2位置(図19(c)参照)に移動する。第1位置は、ワイパ部材62が待機位置にあって当接部82dと当接するまでの間にワイパ部材62が配置される位置である。また、第1位置は、回転カム82の径方向に被検出部材82e,82fよりも回転カム82の回転軸Dに近い位置である。第2位置は、ワイパ部材62が待機位置にあって頂面82d4と当接するときに配置される位置であり、ワイパ部材62は第1位置から第2位置に移動する間にクリーニング部材63と当接する。第2位置は、回転カム82の径方向に被検出部材82e,82fよりも回転カム82の回転軸Dから離れた位置であり、ワイパ部材62の下端部62aの一部であって回転カム82の径方向において最も外側にある部分が配置される位置である(図20(c)参照)。
2つの被検出部材82e,82fは、図11に示すように、回転方向A5に沿って互いに離隔して配置されている。また、2つの被検出部材82e,82fは、円板82a1の周縁部であって上面82a3から上方に突出した板状部材からそれぞれ構成されている。被検出部材82f(第2被検出部材)は、回転カム82の径方向に沿って***部82cと対向する位置に配置されている。一方、被検出部材82e(第1被検出部材)は、回転方向A5において、***部82cと当接部82dの間であって当接部82dの上流側に存在する円柱部82a2の側面と対向する位置に配置されている。本実施形態においては、当接部82dの中心から回転方向A5に180°回転した位置までを当接部82dよりも下流側といい、当接部82dの中心から回転方向A5とは逆方向に180°回転した位置までを当接部82dよりも上流側という。
2つの被検出部材82e,82fは、回転方向A5に沿って被検出部材82e,82f間に存在する2つの中間領域R1,R2のうちの一方の中間領域R1が他方の中間領域R2よりも回転方向A5の長さが長くなるように配置されている。この一方の中間領域R1が、本発明の特定中間領域である。回転方向A5に関して、特定中間領域R1の長さは、図11(c)に示すように、ワイパ部材62の下端部62aの幅よりも長い。つまり、ワイパ部材62の下端部62aの幅は、特定中間領域R1の回転方向A5の長さよりも小さい。
ここで、当接部82dと2つの被検出部材82e,82fとの位置関係について説明する。当接部82dは、図11(c)に示すように、回転方向A5において、一端から他端が特定中間領域R1(すなわち、2つの被検出部材82e,82f間)に配置されている。これにより、当接部82dは、被検出部材82e,82fのいずれとも回転カム82の径方向に対向しない。また、当接部82dは、ワイパ部材62の突起76b3と当接しながら回転カム82が回転したときのワイパ部材62の下端部62aが、特定中間領域R1を通過するように、配置されている。換言すると、当接部82dは、ワイパ部材62の突起76b3と当接しながら回転カム82が回転したときのワイパ部材62の下端部62aの移動軌跡Lが、特定中間領域R1と交差するように、配置されている(図20(e)参照)。また、当接部82dは、移動軌跡Lが、被検出部材82e,82fと交差しないように、配置されている。つまり、ワイパ部材62の下端部62aは、第1位置から第2位置に移動する間において、被検出部材82e,82fと接触しない。
カムセンサ86は、図11(c)に示すように、回転カム82の上面82a3の周縁部と対向する位置に配置されている。カムセンサ86は、発光素子86aと受光素子86bとを有する光学式センサである。発光素子86a及び受光素子86bは、回転カム82の径方向に沿って互いに離隔して配置されている。発光素子86aは、回転カム82の径方向に関して、被検出部材82e,82fよりも外側に配置され、受光素子86bに向かって光を照射する。受光素子86bは、回転カム82の径方向に関して、被検出部材82e,82fよりも内側に配置されており、発光素子86aから照射された光を受光する。これにより、回転カム82の回転時に、被検出部材82e,82fが発光素子86aからの光を遮断することで、カムセンサ86が2つの被検出部材82e,82fを個別に検出することが可能となる。カムセンサ86は、回転カム82が回転方向A5に回転したときに、被検出部材82e、中間領域R2、被検出部材82f、特定中間領域R1を順に通って、被検出部材82eに戻るように対応した位置関係となるように構成されている。また、カムセンサ86は、被検出部材82e,82fを検出したときの検出信号を制御部5に出力する。なお、カムセンサ86は、被検出部材82e,82fと接触することで、当該被検出部材82e,82fを検出するメカスイッチであってもよい。要するに、カムセンサは、被検出部材82e,82fを個別に検出することが可能であれば、どのようなセンサであってもよい。
クリーニング部材63は、図8に示すように、メンテフレーム65の本体部65b内に立設された状態で支持されている。クリーニング部材63は、樹脂などから構成されており、図12に示すように、上下方向A1に立設された板状部63aと、水平部63bと、突出部63cとを有する。
水平部63bは、板状部63aの上端に形成されており、前後方向A2に長尺に延在する。突出部63cは、図12(b)に示すように、水平部63bの左端部から下方に向かって突出して形成されている。突出部63cは、ワイパ75よりも前後方向A2に長尺に延在している。
切換機構67は、吸引ポンプ66と、カラー用のキャップ71aと、ブラック用のキャップ71bと、排気キャップ72との間における接続状態を切り換えるためのものである。なお、特に図示していないが、キャップ71aに接続されたチューブ71a3と後述のCoポート67b3とが接続されている。また、キャップ71bに接続されたチューブ71b3と後述のBkポート67b2とが接続されている。また、排気キャップ72に接続されたチューブ72cと後述の排気ポート67b4とが接続されている。図8、図13及び図14に示すように、切換機構67は、ギヤ83の下方に配置された切換部材67aと、切換部材67aを収容するカバー67bを有している。
切換部材(回転体)67aは、ゴムなどの弾性部材により形成された円柱状をし、回転カム82の下面中央に固定されている。つまり、回転カム82が回転すると、切換部材67aも回転する。切換部材67aには、切換流路67cが形成されている。切換流路67cは、切換部材67aの下面の中央に形成された円形の中央溝67dと、中央溝67dと繋がる2つ切換溝(流路溝)67g1,67g2とを有する。切換溝67g1は、切換部材67aの外周側面に形成された垂直溝67e1と、中央溝67dと垂直溝67e1とを繋ぐ水平溝67f1とで構成されている。切換溝67g2は、切換部材67aの外周側面に形成された垂直溝67e2と、中央溝67dと垂直溝67e2とを繋ぐ水平溝67f2とで構成されている。2つの垂直溝67e1,67e2は、上下方向A1に沿って延在し、回転方向A5に沿って互いに離隔している配置されている。水平溝67f1,67f2は、中央溝67dから切換部材67aの径方向に沿って水平に延在する。回転方向A5に関して、切換溝67g2を構成する水平溝67f2及び垂直溝67e2の幅は、切換溝67g1を構成する水平溝67f1及び垂直溝67e1の幅よりも大きい。
カバー67bは、有底の円筒状である。カバー67bの底壁の中心には、図13に示すように、吸気ポート67b1が形成されている。吸気ポート67b1は、カバー67b1の内部と外部とを繋ぐ孔(ポンプ孔)を有する。吸気ポート67b1は、チューブ66a(図3参照)を介して吸引ポンプ66に接続されている。このように切換機構67は、吸引キャップ71及び排気キャップ72と吸引ポンプ66とを繋ぐチューブ71a3,71b3,72c,66aによって構成される流路の途中部位に配置されている。吸気ポート67b1は、中央溝67dと対向する位置に配置されており、中央溝67dと連通している。カバー67bの円形の周壁には、回転方向A5に沿って互いに離隔して3つのポート67b2〜67b4が形成されている。これら3つのポート67b2〜67b4も、カバー67b1の内部と外部とを繋ぐ孔(キャップ孔)をそれぞれ有する。
1つ目のポートは、キャップ71bに連通しブラックインクが排出される空間内に連通するBkポート67b2である。2つ目のポートは、キャップ71aに連通しカラーインクが排出される空間内に連通するCoポート67b3である。3つ目のポートは、排気キャップ72に連通し主にサブタンク43a〜43d内の気泡が排出される空間内に連通する排気ポート67b4である。
そして、カバー67bは、図13に示すように、メンテフレーム65の底板65aに連結されたアーム65cによって支持されている。また、カバー67bは、回転カム82及び切換部材67aに対して相対的に回転可能となっている。切換部材67aは、回転カム82とともに回転することで、第1〜第3連通状態を選択的にとる。第1連通状態は、図14(a)に示すように、吸引ポンプ66が切換流路67c及びCoポート67b3を介してキャップ71aと連通する状態である。第2連通状態は、図14(b)に示すように、吸引ポンプ66が切換流路67c及びBkポート67b2を介してキャップ71bと連通する状態である。第3連通状態は、図14(c)に示すように、吸引ポンプ66が切換流路67c及び排気ポート67b4を介して排気キャップ72と連通する状態である。
なお、回転カム82の回転方向A5に関する位置は、カムセンサ86からの検出信号及びロータリーエンコーダ69M1の出力値に基づいて制御することで、ワイパ部材62に対する回転カム82の停止位置や切換機構67の第1連通状態〜第3連通状態をとるための制御をすることができる。
吸引ポンプ66は、公知のチューブポンプが採用されており、切換部材67aが第1連通状態〜第3連通状態のいずれかをとるときに、吸引ポンプ66のローターを回転させることで、吸引キャップ71及び排気キャップ72のいずれかにインクを排出させることができる。吸引ポンプ66は、ローターに接続されたポンプモータ66M(図16参照)が駆動されることで回転する。廃液タンク68は、吸引ポンプ66とチューブ68aで接続されており、吸引ポンプ66によって吸引された廃インクを貯留する。
駆動機構69は、図15に示すように、駆動ギヤ69aと、伝達ギヤ69bと、遊星ギヤ69cと、ギヤ69dと、駆動モータ69M(図16参照)と、ロータリーエンコーダ69M1(図16参照:モータセンサ)とを有する。駆動ギヤ69aは、駆動モータ69Mの出力軸から動力が伝達されて回転する。伝達ギヤ69bは、駆動ギヤ69a及び遊星ギヤ69cと常時噛み合って配置されている。この遊星ギヤ69cは、駆動モータ69Mが逆転駆動されたときに、図15(a)に示すように、ギヤ74bに噛み合う位置に移動し、駆動モータ69Mからの動力をギヤ74bに伝達する。ギヤ74bは、駆動モータ69Mからの動力によって一方向(図15中時計回り)に回転する。これにより、キャップ昇降機構74を動作させることが可能となる。一方、遊星ギヤ69cは、駆動モータ69Mが正転駆動されたときに、図15(b)に示すように、ギヤ69dに噛み合う位置に移動し、駆動モータ69Mからの動力をギヤ69dに伝達する。ギヤ69dは、駆動モータ69Mからの動力によってギヤ74bとは逆方向(図15中反時計回り)に回転する。ギヤ69dは、図示しないギヤ列を介してギヤ83と噛み合っている。これにより、回転カム82を回転方向A5に回転させて、ワイパ移動機構64及び切換機構67を動作させることが可能となる。このように駆動機構69の駆動ギヤ69a、伝達ギヤ69b、遊星ギヤ69c、ギヤ69dなどのギヤ列によって駆動モータ69Mの動力を伝達し、回転カム82を回転方向A5にのみ回転させる伝達機構が構成され、当該伝達機構を含む駆動機構69によって回転カム82を回転させる回転機構が構成されている。
図16に示すように、制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを含み、これらが協働して、ASFモータ20M、LFモータ35M、CRモータ50M、記録ヘッド41、ポンプモータ66M、駆動機構69、ソレノイド79等の動作を制御する。例えば、制御装置5は、PCから送信された記録指令に基づいて、記録ヘッド41、ASFモータ20M、LFモータ35M、CRモータ50M等を制御して、用紙Pに画像等を記録させる。また、制御装置5は、CRモータ50M、ポンプモータ66M、駆動モータ69M、ソレノイド79等を制御して、吐出口41bからインクを排出させるパージ動作、及び、排気ユニット45の排気口152aからサブタンク43内の気泡を排出させる排気動作などのメンテナンス動作を行う。なお、本実施形態の制御部5では、CPU及びASICを1つずつ有しているが、制御部5は、CPUを1つだけ含み、この1つのCPUが必要な処理を一括して行うものであってもよいし、CPUを複数含み、これら複数のCPUが必要な処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部5は、ASICを1つだけ含み、この1つのASICが必要な処理を一括して行うものであってもよいし、ASICを複数含み、これら複数のASICが必要な処理を分担して行うものであってもよい。
次に、プリンタ部10のメンテナンス動作について、図17〜図21を参照しつつ以下に説明する。先ずは、パージ動作について説明する。制御部5は、吸引パージを実行するためのパージ信号を受信すると(S1:YES)、まずはカラーインクを排出する第1吸引パージ処理を実行する。パージ信号を受信しない場合(S1:NO)、制御部5はS1の処理を繰り返す。なお、パージ信号を受信する際に、記録ヘッド41(キャリッジ51)が画像記録領域G1に配置されている状態として以下説明する。
第1吸引パージ処理において、制御部5は、キャッピング処理(S2)、第1連通処理(S3)、吸引パージ処理(S4)、アンキャッピング処理(S5)、空吸引処理(S6)を順に実行する。制御部5は、S2において、CRモータ50Mを制御して記録ヘッド41が画像記録領域G1からメンテナンス領域G2のメンテナンス位置(吐出面41aと吸引キャップ71とが上下方向A1に対向する位置)に移動するように、キャリッジ51を移動させる。この後、制御部5は、駆動モータ69Mを逆転駆動し、図18(a)に示すように吸引キャップ71及び排気キャップ72を離隔位置から当接位置に移動させる(キャッピング処理)。
次に、制御部5は、S3において、駆動モータ69Mを正転駆動し、回転カム82及び切換部材67aを予め定められた原点位置から回転方向A5に回転させる。回転カム82を原点位置から回転させたときに、カムセンサ86から最初に出力される信号は、被検出部材82eを検出したときに出力される検出信号である。カムセンサ86から2回目に出力される信号は、被検出部材82fを検出したときに出力される検出信号である。制御部5は、被検出部材82eを検出するカムセンサ86の信号に基づいて切換機構67が第1連通状態をとる第1連通処理を実行する。つまり、制御部5は、カムセンサ86が被検出部材82eを検出してからロータリーエンコーダ69M1が第1所定回転量を検出したときに、駆動モータ69Mを停止させる。第1所定回転量は、ロータリーエンコーダ69M1が、カムセンサ86が被検出部材82eを検出してから被検出部材82fを検出するときまでに検出する回転量よりも小さい回転量である。こうして、回転カム82は、図20(a)に示すように、被検出部材82eがカムセンサ86を通過し被検出部材82fがカムセンサ86を通過しない位置で停止される。このときの切換部材67aは、図14(a)に示す位置で停止される。つまり、キャップ71aと吸引ポンプ66とが連通する第1連通状態となる。なお、カムセンサ86が被検出部材82eを検出したと同時に駆動モータ69Mを停止させると、回転カム82の停止位置が、停止させる度に回転方向A5に多少ずれてしまい、停止位置精度が低下する。このため、カムセンサ86が被検出部材82eを検出してから、第1所定回転量だけ回転させてから駆動モータ69Mを停止させ、回転カム82の停止位置精度を向上させている。
上述のように、回転カム82を原点位置から第1連通状態をとる位置まで回転させると、その過程において、図18(b)に示すように、ワイパ部材62の下端部62aと***部82cとが当接し、バネ81の付勢力に抗してワイパ部材62が払拭位置に移動される。ワイパ部材62が払拭位置に移動すると、ワイパ部材62の一対の突起76a2がメンテフレーム65と係止し、ワイパ部材62が払拭位置に保持される。
次に、制御部5は、S4において、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、密閉空間K1内の圧力が低下し、吐出口41aから凹部71a1にカラーインクが排出される(吸引パージ処理)。
次に、制御部5は、S5において、駆動モータ69Mを逆転駆動し、図18(b)に示すように吸引キャップ71及び排気キャップ72を当接位置から離隔位置に移動させる(アンキャッピング処理)。この後、制御部5は、S6において、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、凹部71a1内に残存するカラーインクが廃液タンク68に排出される(空吸引処理)。こうして、第1吸引パージ処理が終了する。
次に、制御部5は、払拭処理を実行する(S7)。つまり、制御部5は、CRモータ50Mを制御して記録ヘッド41がメンテナンス領域G2から画像記録領域G1に移動するように、キャリッジ51を移動させる。これにより、図18(c)に示すように、記録ヘッド41が左方に移動し、吐出面41bがワイパ75の先端部分75cと当接し、当該吐出面41bに付着したカラーインクが払拭される。この後、制御部5は、CRモータ50Mを制御して記録ヘッド41が画像記録領域G1からメンテナンス位置に移動するように、キャリッジ51を移動させる。つまり、記録ヘッド41を図18(d)に示す位置(ワイパ部材62よりも左方の位置)から右方に移動させる。すると、図18(e)に示すように、記録ヘッド41とワイパ75の先端部分75cとが当接する。このとき、ワイパ75の下方側面75a2と当て板76a1とが当接するため、ワイパ75の曲げが規制される。このようにワイパ75が曲がりにくくなることで、記録ヘッド41の移動による力によってワイパ部材62が一対の突起76b1を中心としてバネ81の付勢力に抗して回動する。この結果、ワイパ部材62の一対の突起76a1とメンテフレーム65と係止が解除され、ワイパ部材62がバネ81の付勢力によって待機位置に配置される。
次に、制御部5は、クリーニング処理を実行する(S8)。つまり、制御部5は、駆動モータ69Mを正転駆動し、回転カム82を図20(a)に示す位置から図20(d)に示す位置まで回転させて停止させる。つまり、制御部5は、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してからロータリーエンコーダ69M1が第2所定回転量を検出したときに、駆動モータ69Mを停止させる。第2所定回転量は、ロータリーエンコーダ69M1が、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してから被検出部材82eを検出するときまでに検出する回転量よりも小さい回転量である。こうして、回転カム82は、図20(d)に示すように、被検出部材82fがカムセンサ86を通過し被検出部材82eがカムセンサ86を通過しない位置で停止される。このときの切換部材67aは、図14(b)に示す位置で停止される。つまり、吸引キャップ71の連通孔71b2と吸引ポンプ66とが連通する第2連通状態となる。
回転カム82が図20(a)の位置にあるときは、図19(a)に示すようにワイパ部材62は第1位置にある。そして、回転カム82が図20(b)に示す位置にあるときには、ワイパ部材62の突起76b3と当接部82dの側面82d1とが当接し、図19(b)に示すように、ワイパ部材62がバネ81の付勢力に抗して回動し、ワイパ75の先端部分75cの上方側面75a1とクリーニング部材63の突出部63cとが当接する。そして、回転カム82が図20(c)に示す位置にあるときには、ワイパ部材62の突起76b3と当接部82dの頂面82d4とが当接し、ワイパ部材62の下端部62aの外側部分が回転カム82よりも外側の第2位置まで移動する。ワイパ部材62の下端部62aが第1位置から第2位置まで回動する際に、ワイパ75がクリーニング部材63と当接することで、ワイパ75の上方側面75a1に付着して残存するインクが除去される。そして、回転カム82が図20(d)に示す位置まで回転することで、ワイパ部材62の突起76b3と当接部82dとが当接しなくなり、ワイパ部材62の下端部62aがバネ81の付勢力により、図19(a)に示すように第1位置に復帰する。この後、制御部5は、駆動モータ69Mを正転駆動し、回転カム82及び切換部材67aを原点位置に配置させる。
このようにワイパ部材62の下端部62aが第1位置から第2位置を経て再び第1位置に移動する際は、図20(e)に示すように、ワイパ部材62の下端部62aが特定中間領域R1を通過する。より詳細には、ワイパ部材62の下端部62aが第1位置と第2位置との間を移動する際のワイパ部材62の下端部62aの移動軌跡Lは、図20(e)に示すように、回転カム82の径方向に沿って形成され、特定中間領域R1と交差する。また、この移動軌跡Lは、回転カム82の回転に伴って回転する当接部82dの周囲に形成され、2つの被検出部材82e,82fと交差しない。つまり、ワイパ部材62の下端部62aが第1位置から第2位置を経て再び第1位置に移動する過程で、ワイパ部材62の下端部62aは2つの被検出部材82e,82fと接触しない。換言すると、2つの被検出部材82e,82fは、ワイパ部材62の下端部62aが第1位置から第2位置を経て再び第1位置に移動する際にワイパ部材62と接触しない位置に配置されている。また、ワイパ部材62が第2位置まで移動したときにはワイパ部材62の下端部62aが回転カム82よりも外側にはみ出した位置に配置される。
次に、制御部5は、第2吸引パージ処理を実行する。第2吸引パージ処理において、制御部5は、キャッピング処理(S9)、第2連通処理(S10)、吸引パージ処理(S11)、アンキャッピング処理(S12)、空吸引処理(S13)を順に実行する。制御部5は、S9において、S2と同様に、駆動モータ69Mを逆転駆動し、吸引キャップ71及び排気キャップ72を離隔位置から当接位置に移動させる(キャッピング処理)。
次に、制御部5は、S10において、S3と同様に、駆動モータ69Mを正転駆動し、回転カム82及び切換部材67aを原点位置から回転方向A5に回転させる。制御部5は、被検出部材82fを検出するカムセンサ86の信号に基づいて切換機構67が第2連通状態をとる第2連通処理を実行する。つまり、制御部5は、S8と同様に、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してからロータリーエンコーダ69M1が第2所定回転量を検出したときに、駆動モータ69Mを停止させる。こうして、切換部材67aは、図14(b)に示す位置で停止され、第2連通状態となる。また、回転カム82を原点位置から第2連通状態をとる位置まで回転させると、その過程において、ワイパ部材62が払拭位置に保持される。
次に、制御部5は、S11において、S4と同様に、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、密閉空間K2内の圧力が低下し、吐出口41aから凹部71b1にブラックインクが排出される(吸引パージ処理)。
次に、制御部5は、S12において、S5と同様に、駆動モータ69Mを逆転駆動し、吸引キャップ71及び排気キャップ72を当接位置から離隔位置に移動させる(アンキャッピング処理)。この後、制御部5は、S13において、S6と同様に、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、凹部71b1内に残存するブラックインクが廃液タンク68に排出される(空吸引処理)。こうして、第2吸引パージ処理が終了する。この後、制御部5は、駆動モータ69Mを正転駆動し、第1連通状態をとる位置で回転カム82を停止させ、回転方向A5に関して、ワイパ部材62の下端部62aを***部82cと当接部82dとの間であって当接部82dの下流側に配置させる。
次に、制御部5は、S7と同様な払拭処理を実行する(S14)。これにより、吐出面41bに付着したブラックインクが払拭される。この後、記録ヘッド41が画像記録領域G1からメンテナンス位置に移動させて、ワイパ部材62を払拭位置から待機位置に配置させる。
次に、制御部5は、S8と同様なクリーニング処理を実行する(S15)。こうして、ワイパ部材62が第1位置から第2位置に移動する過程で、ワイパ75とクリーニング部材63とが当接し、ワイパ75の上方側面75a1に付着して残存するインクが除去される。こうして、パージ動作のフローが終了する。
続いて、排気動作について、図21を参照しつつ説明する。制御部5は、排気動作を実行するための排気信号を受信すると(F1:YES)、S2と同様な、キャッピング処理を実行する。つまり、吸引キャップ71及び排気キャップ72を離隔位置から当接位置に移動させる。排気信号を受信しない場合(F1:NO)、制御部5はF1の処理を繰り返す。
次に、制御部5は、駆動モータ69Mを正転駆動し、回転カム82及び切換部材67aを予め定められた原点位置から回転方向A5に回転させる。制御部5は、被検出部材82fを検出するカムセンサ86の信号に基づいて切換機構67が第3連通状態をとる第3連通処理を実行する(F3)。つまり、制御部5は、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してからロータリーエンコーダ69M1が第3所定回転量を検出したときに、駆動モータ69Mを停止させる。第3所定回転量は、ロータリーエンコーダ69M1が、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してから被検出部材82eを検出するときまでに検出する回転量よりも小さく且つ第2所定回転量よりも大きい回転量である。こうして、回転カム82は、図20(f)に示すように、被検出部材82fがカムセンサ86を通過し被検出部材82eがカムセンサ86を通過しない位置で停止される。このときの切換部材67aは、図14(c)に示す位置で停止される。つまり、排気キャップ72と吸引ポンプ66とが連通する第3連通状態となる。
次に、制御部5は、ソレノイド79を駆動し、4つの開閉部材78a〜78dを閉弁位置から開弁位置に移動させる。この後、制御部5は、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、密閉空間K3内の圧力が低下し、排気口152aから凹部72aに4つのサブタンク43の気泡貯溜室46bに滞留する気泡を排出させる。このとき、サブタンク43内のインクも凹部72aに排出される(F4:排気処理)。なお、このときのインク排出量は、サブタンク43から主に気泡が排出されるため、第1及び第2吸引パージ処理におけるインク排出量よりも少ない。この後、制御部5は、ソレノイド79を駆動し、4つの開閉部材78a〜78dを開弁位置から閉弁位置に移動させる。
次に、制御部5は、駆動モータ69Mを逆転駆動し、吸引キャップ71及び排気キャップ72を当接位置から離隔位置に移動させる(F5:アンキャッピング処理)。この後、制御部5は、ポンプモータ66Mを駆動し、吸引ポンプ66を所定時間駆動させる。これにより、凹部72a内に残存するインクが廃液タンク68に排出される(F6:空吸引処理)。
次に、制御部5は、駆動モータ69Mを正転駆動し、第3連通状態をとる位置からカムセンサ86が被検出部材82eを検出するまで回転カム82を回転させる。このとき、制御部5は、ロータリーエンコーダ69M1が検出する回転量が第4所定回転量であるかを判定する(F7:判定処理)。第4所定回転量は、ロータリーエンコーダ69M1が、排気動作を正常に行うことが可能な正規の第3連通状態をとる位置からカムセンサ86が被検出部材82eを検出するときまでに検出する正規の回転量である。
F7において、ロータリーエンコーダ69M1の回転量が第4所定回転量ではない場合(F7:NO)、制御部5は、切換溝67g2と排気ポート67b4との位置かずれ、排気動作が正常に実行されていないと判定し、F2に戻る。つまり、再度、排気処理を実行する。一方、ロータリーエンコーダ69M1の回転量が第4所定回転量である場合(F7:YES)、制御部5は排気動作が正常に実行されたと判定し、排気動作のフローを終了する。
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ部10によると、ワイパ部材62の下端部62aが第1位置から被検出部材82e,82fよりも回転軸Dから離れた第2位置を経て再び第1位置に移動する過程において通過する特定中間領域R1が、ワイパ部材62の下端部62aの幅よりも長いので、ワイパ部材62の下端部62aが被検出部材82e,82fと接触しない。また、カム本体82aの径方向への寸法が比較的小さい場合であっても、回転カム82の当接部82dによって移動してクリーニング部材63に当接するワイパ部材62の下端部62aが、第1位置から被検出部材82e,82fよりも回転軸Dから離れた第2位置を経て再び第1位置に移動する過程において被検出部材82e,82fと接触しない。このため、径方向において回転カム82の中心から第2位置までの長さよりもカムの半径を長くせずにワイパ部材62と被検出部材82e,82fが干渉するのを防ぐことができるため、回転カム82の大型化を防ぎつつワイパ部材62のクリーニングを行うことが可能である。
当接部82dは、回転カム82において、2つの中間領域R1、R2のうち、回転方向A5に沿う長さが長い特定中間領域R1に対応する位置に配置されている。当接部82dは、回転方向A5の一端から他端が、特定中間領域R1に対応する位置に配置されている。このため、当接部82dが部分的に特定中間領域R1に配置されているよりも、当該特定中間領域R1に設けやすくなる。
ワイパ部材62をクリーニング部材63に当接させるクリーニング動作を行うための当接部82dと、被検出部材82e,82fとを回転カム82が有し、制御部5は、カムセンサ86が被検出部材82eを検出する信号に基づいて切換機構67を第1連通状態とし、被検出部材82fを検出する信号に基づいて切換機構67を第2連通状態とする。これにより、回転カム82を回転させることで、ワイパ部材62のクリーニング動作と、第1及び第2連通状態の切換動作とを行うことができる。このため、簡単な制御で種々の動作を行うことができる。
制御部5は、カムセンサ86が被検出部材82fを検出してからロータリーエンコーダ69M1が第3所定回転量を検出したときに、駆動モータ69Mを停止させ、切換機構67を第3連通状態とする。このため、第3連通状態を取らせるための別の被検出部材を2つの被検出部材82e,82f間のであって特定中間領域R1に対応する位置に配置する必要がなくなる。このため、当接部82dをより配置させやすくなる。
回転方向A5に関して、切換溝67g2の幅が切換溝67g1の幅よりも大きい。これにより、排気ポート67b4と切換溝67g1とが連通しやすくなって、切換機構67が第3連通状態を取りやすくなる。
制御部5が、F7の判定処理を実行するため、切換機構67が第3連通状態を取っていたかを判定することができ、排気動作の信頼性が向上する。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、回転カム82に2つの被検出部材82e,82fが設けられているが、3以上の被検出部材が設けられていてもよい。この場合、回転カム82の回転方向A5(周方向)に隣接する2つの被検出部材の回転方向A5に沿った間にそれぞれ形成される複数の中間領域のうち、ワイパ部材62の下端部62aの回転方向A5の幅よりも長い領域が特定中間領域となる。そして、当接部82dがこの特定中間領域に対応する位置に配置され、ワイパ部材62の下端部62aが第1位置と第2位置との間を移動するときに当該特定中間領域を通ればよい。これにおいても上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、3以上の被検出部材が回転カム82に設けられている場合は、特定中間領域を構成する2つの被検出部材が第1及び第2被検出部材であればよく、被検出部材82e,82fを第1及び第2被検出部材に限定するものではない。また、第3連通状態を取らせるための専用の被検出部材を有していてもよい。
上述の実施形態においては、当接部82dと当接する被当接部がワイパ部材62の下端部62aであるが、ワイパ部材62の吐出面41aを払拭する払拭部(ワイパ75であってより詳細にはワイパ75の先端部分75c)を除き当接部82dと当接するワイパ部材62の部位であれば、被当接部はどこであってもよい。
特定中間領域R1は、回転方向A5に沿った幅(距離)が中間領域R2以下であってもよい。また、当接部82dは、回転方向A5において、その一部が特定中間領域R1に対応する位置に配置されていなくてもよい。つまり、当接部82dの一部が、回転カム82の径方向に沿って被検出部材82e,82fの少なくともいずれかと対向する位置に配置されていてもよい。
当接部82dは、回転軸Dの軸方向(上下方向A1)において、カム本体82aのワイパ部材62と対向する対向面(すなわち、上面82a3)上に設けられておれば、上面82a3と離隔していてもよい。この場合、当接部82dは円柱部82a2の外周側面に形成される。また、当接部82dは、ワイパ部材62全体を揺動させずにスライド移動させて、第1位置と第2位置とに移動させる構成であってもよい。
制御部5は、被検出部材82e,82fを検出することで、切換機構67とは別であって回転カム82の回転に伴って駆動される被駆動機構の制御を行ってもよい。
排気動作を行うための、気泡貯溜室46b、連通路161及び排気キャップ72などが設けられていなくてもよい。
切換溝67g1,67g2の回転方向A5の幅が同じであってもよいし、切換溝67g1の幅の方が切換溝67g2よりも大きくてもよい。切換溝が3以上設けられていてもよい。また、制御部5は、F7の判定処理を行わなくてもよい。
上述の実施形態においては、カラーインクを吐出する吐出口41aを覆うキャップ71aと、ブラックインクを吐出する吐出口41aを覆うキャップ71bが設けられているが、同じ色のインクを吐出する吐出口41a毎にキャップを設けてもよい。また、同じ色のインクを吐出する吐出口群が他の色のインクを吐出する吐出口群を挟んで形成されている場合は、吐出口群毎にキャップを設けてもよい。要するに、キャップは互いに異なる吐出口41aを覆えばよく、3以上設けられていてもよい。
また、以上では、吐出口41aからインクを吐出することによって記録を行うプリンタ部に本発明を適用した例について説明したがこれには限られない。吐出口41aからインク以外の液体を吐出する、プリンタ部以外の液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。また、本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能である。
5 制御部
10 プリンタ部(液体吐出装置)
41a 吐出口
41b 吐出面
42 ヘッド本体(液体吐出ヘッド)
46 流路(液体供給流路)
46b 気泡貯留室(気泡貯留部)
62 ワイパ部材
62a 下端部(被当接部)
63 クリーニング部材
66 吸引ポンプ(ポンプ)
66a,71a3,71b3,72c チューブ(流路)
67 切換機構
67a 切換部材(回転体)
67b ケース
67b1 吸気ポート(ポンプ孔)
67b2〜67b4 ポート(キャップ孔)
67g1,67g2 切換溝(流路溝)
69 駆動機構(回転機構)
69a 駆動ギヤ(伝達機構の一部)
69b 伝達ギヤ(伝達機構の一部)
69c 遊星ギヤ(伝達機構の一部)
69d ギヤ(伝達機構の一部)
69M 駆動モータ
69M1 ロータリーエンコーダ(モータセンサ)
71a,71b キャップ(ヘッドキャップ)
72 排気キャップ
75 ワイパ(払拭部)
82 回転カム(カム)
82d 当接部
82e 被検出部材(第1被検出部材)
82f 被検出部材(第2被検出部材)
86 カムセンサ
152a 排気口(出口)
161 連通路
D 回転軸
R1 特定中間領域
R2 中間領域

Claims (7)

  1. 液体を吐出するための吐出口が形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
    前記吐出面を払拭するための払拭部を有するワイパ部材と、
    前記ワイパ部材の前記払拭部と当接することで前記払拭部に付着した液体を除去するためのクリーニング部材と、
    回転軸を中心として回転可能であり、前記回転軸の周囲に周方向に沿って設けられ、前記回転軸を中心とした回転に伴って前記ワイパ部材の被当接部と当接する当接部と、前記当接部よりも前記回転軸を中心とした径方向に離れた部分において前記周方向に沿って互いに離隔して配置された複数の被検出部材とを有するカムと、
    前記複数の被検出部材を検出するカムセンサと、
    前記回転軸を中心として前記カムを回転させる回転機構とを備えており、
    前記当接部は、前記ワイパ部材の前記被当接部と当接した状態において、前記カムの回転に伴って前記ワイパ部材の前記被当接部を、前記径方向において前記複数の被検出部材と前記回転軸の間の第1位置から、前記第1位置及び前記複数の被検出部材よりも前記径方向において前記回転軸から離れた第2位置に移動させ、
    前記ワイパ部材の前記払拭部は、前記被当接部が前記第1位置から前記第2位置に移動する間に、前記クリーニング部材に当接し、
    前記複数の被検出部材において前記周方向に隣接する2つの被検出部材の前記周方向に沿った間にそれぞれ形成される複数の中間領域には、前記周方向に沿った長さが前記ワイパ部材の前記被当接部の前記周方向の幅よりも長い特定中間領域があり、
    前記当接部の少なくとも一部が、前記周方向において、前記特定中間領域と対応した位置にあり、
    前記ワイパ部材の前記被当接部は、前記特定中間領域に対応する前記当接部の前記少なく一部と当接することで、前記第1位置から前記第2位置を経て再び前記第1位置に移動することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記特定中間領域の前記周方向に沿った長さが、前記複数の中間領域のうちで最も長く、
    前記当接部の前記周方向における一端から他端が、前記特定中間領域に対応する位置にあることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 互いに異なる前記吐出口をそれぞれ覆う複数のヘッドキャップと、
    ポンプと、
    前記複数のヘッドキャップと前記ポンプとを繋ぐ流路と、
    前記流路の途中部位に設けられ、前記複数のヘッドキャップと前記ポンプとの連通状態を第1連通状態と前記第1連通状態と異なる第2連通状態とに前記カムの回転に伴って選択的に切り換え可能な切換機構と、
    前記回転機構を制御する制御部とをさらに備えており、
    前記吐出面には、前記吐出口が複数形成されており、
    前記複数の被検出部材は、前記特定中間領域を形成する第1被検出部材と第2被検出部材を含み、
    前記制御部は、
    前記第1被検出部材を検出する前記カムセンサの信号に基づいて前記第1連通状態を取らせる第1連通処理と、
    前記第2被検出部材を検出する前記カムセンサの信号に基づいて前記第2連通状態を取らせる第2連通処理とを実行可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記回転機構は、駆動モータと、前記駆動モータの回転量を検出するモータセンサと、前記駆動モータの動力を伝達し前記カムを一方向にのみ回転させる伝達機構とを有しており、
    前記複数の被検出部材において前記周方向に隣接する2つの被検出部材それぞれの前記周方向に沿った複数の離隔距離のうち、前記特定中間領域の前記周方向の幅である、前記第1被検出部材と前記第2被検出部材との前記離隔距離が最も大きく、
    前記カムセンサは、前記カムが前記一方向に回転させられると、前記第2被検出部材、前記特定中間領域、及び、前記第1被検出部材の順に対応する位置関係となるように構成され、
    前記切換機構は、前記第1及び第2連通状態とは異なる第3連通状態に切り換え可能であり、
    前記制御部は、
    前記モータセンサが、前記カムセンサが前記第2被検出部材を検出してから前記第1被検出部材を検出するまでの回転量よりも小さい所定回転量を、前記カムセンサが前記第2被検出部材を検出してから検出したときに、前記駆動モータを停止させて前記第3連通状態を取らせる第3連通処理をさらに実行可能であることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給流路と、
    前記液体供給流路内の気泡を貯留するための気泡貯留部と、
    前記気泡貯留部に連通する連通路と、
    前記連通路の出口を覆うことが可能な排気キャップとをさらに備えており、
    前記切換機構は、前記第3連通状態をとるときに、前記排気キャップと前記ポンプとを連通させ、
    前記制御部は、
    前記第3連通処理を行った後に、前記ポンプを制御して、前記連通路を介して前記気泡貯留部から気泡を排出させる排気処理をさらに実行可能であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記切換機構は、前記ポンプに連通するポンプ孔、前記複数のヘッドキャップ及び前記排気キャップのそれぞれに連通する複数のキャップ孔が形成されたケースと、前記ケース内に配置され、前記カムと共に回転する回転体とを有し、
    前記回転体は、前記ポンプ孔に連通する複数の流路溝であって、前記回転体が回転することによって前記複数のキャップ孔を前記ポンプ孔に連通させて前記第1〜第3連通状態を選択的にとらせる前記複数の流路溝が形成されており、
    前記第3連通状態をとらせる前記流路溝の前記周方向の幅の長さは、他の前記流路溝の前記周方向の幅よりも長いことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第3連通処理の後に、前記第1被検出部材を前記カムセンサが検出するまでの前記駆動モータの回転量が、所定量であるか否かを判定する判定処理をさらに実行可能であり、
    前記判定処理において前記所定量ではないと判定された場合に、前記第3連通処理を再度実行することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
JP2015074427A 2015-03-31 2015-03-31 液体吐出装置 Active JP6369374B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015074427A JP6369374B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 液体吐出装置
US15/087,025 US9757947B2 (en) 2015-03-31 2016-03-31 Liquid ejection apparatus having wiper for wiping ejection surface

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015074427A JP6369374B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016193541A JP2016193541A (ja) 2016-11-17
JP6369374B2 true JP6369374B2 (ja) 2018-08-08

Family

ID=57322589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015074427A Active JP6369374B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6369374B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7015779B2 (ja) * 2018-12-27 2022-02-03 ローランドディー.ジー.株式会社 液体吐出ヘッドのワイピングユニットおよびインクジェットプリンタ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07214787A (ja) * 1994-02-09 1995-08-15 Canon Inc インクジェット記録装置
JP4923341B2 (ja) * 2001-07-06 2012-04-25 ブラザー工業株式会社 印字装置およびインクジェットヘッド回復方法
JP4547943B2 (ja) * 2004-03-08 2010-09-22 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ
JP2006027002A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Brother Ind Ltd インクジェットヘッドのワイパ機構
JP5887739B2 (ja) * 2011-07-11 2016-03-16 ブラザー工業株式会社 液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016193541A (ja) 2016-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9757947B2 (en) Liquid ejection apparatus having wiper for wiping ejection surface
EP2617572B1 (en) Image forming apparatus including liquid ejection head
JP4793555B2 (ja) 画像記録装置
JP6589529B2 (ja) 液体吐出装置
JP6503841B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7079067B2 (ja) 液体吐出装置
JP5088515B2 (ja) 液体噴射装置
JP4811013B2 (ja) 液体噴射装置
JP6550901B2 (ja) 液体吐出装置
JP6394467B2 (ja) 液体吐出装置
JP6369374B2 (ja) 液体吐出装置
US10647121B2 (en) Inkjet recording apparatus including switch capable of switching communication state between damper chamber and pump
US8777389B2 (en) Image forming apparatus including recording head for ejecting liquid droplets
EP1717038B1 (en) Inkjet recording apparatus
JP5927951B2 (ja) 画像形成装置
JP6582490B2 (ja) 液体吐出装置
JP6471584B2 (ja) 液体吐出装置
JP2021160123A (ja) インクジェット記録装置
JP6365380B2 (ja) 液体吐出装置
US8382237B2 (en) Liquid ejecting apparatus
US10611160B2 (en) Inkjet recording apparatus capable of smoothly supplying ink to first damper chamber and second damper chamber
JP5875757B2 (ja) 液体噴射装置
JP2017177773A (ja) 記録装置
JP2023017622A (ja) 液体吐出装置及び液体貯留器
JP2022157967A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6369374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150