JP6364193B2 - 焦点位置調整方法および検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焦点位置調整方法および検査方法に関する。
大規模集積回路(Large Scale Integration;LSI)などの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)を用い、いわゆるステッパまたはスキャナと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写することにより製造される。
多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。一方、LSIは高集積化および大容量化しており、これに伴って、要求される回路パターンも微細化している。例えば、最先端のデバイスでは、十数nmの線幅のパターン形成が要求される状況となってきている。ここで、歩留まりを低下させる大きな要因に、マスクパターンの欠陥が挙げられる。ウェハ上に形成されるパターン寸法の微細化に伴い、マスクパターンの欠陥も微細化している。また、マスクの寸法精度を高めることで、プロセス諸条件の変動を吸収しようとしてきたこともあり、マスク検査においては、極めて小さなパターンの欠陥を検出することが必要になっている。こうしたことから、マスクのパターンを検査する装置に対して高い検査精度が要求されている。
検査装置では、光源から出射された光が光学系を介してマスクに照射される。マスクはステージ上に載置されており、ステージが移動することによって、照射された光がマスク上を走査する。マスクで反射した光は、レンズを介してセンサに結像する。そして、センサで撮像された光学画像を基に、マスクの欠陥検査が行われる。
検査工程においては、照明光学系に配置された第1のスリットと、検査対象物であるマスクパターン面と、パターンの欠陥検査を行うセンサ面とは、すべて共役な関係、つまり焦点が合致した状態で検査を行なっているので、マスクに照射される光の焦点位置を正確に検出して焦点合わせをすることが重要となる。ここで、焦点位置調整方法として、共焦点検出方式によるものがある(例えば、特許文献1参照。)。この方法の場合、光源からの光は、照明光学系に配置された第1のスリットを透過した後、対物レンズで検査対象物上に結像される。検査対象物からの反射光は、結像光学系によってセンサに入射する。具体的には、対物レンズを透過し、第1のスリットと光学的に共役な位置に置かれた第2のスリットを透過した後、センサで受光され、受光量に応じた出力が測定される。スリットの位置で像が合焦すると、光量が最大となるので、センサの出力は最大となる。一方、スリットの位置から焦点がはずれると、光量の一部がスリットで遮られるため、センサの出力は低下する。したがって、センサの出力を測定することによって、合焦位置からの検査対象物のずれ量が分かる。
特開2007−148084号公報
ところで、微細な配線パターンが形成された検査対象物の表面にスリット状の光束が照射されると、正反射光とは異なる方向に回折光が発生する。その結果、結像光学系に配置された第2のスリットを透過する光には、正反射光と回折光の両方が含まれ得る。このとき、第2のスリットを透過する光の強度分布は、回折光がスリットを透過するところと、スリットによって遮られるところとの境界付近で変化が大きくなる。そして、この強度分布は、焦点位置が合焦位置から僅かでもずれると大きく変化するため、センサの受光面に形成されるスリット像のぼける程度も大きく変化し、対物レンズの焦点位置に検査対象物のパターン面が合うよう高精度に調整することが困難であった。
上記の問題は、検査対象物の表面に形成されたパターンの寸法に依存する。図1〜図3は、光軸と平行な方向から見た第2のスリットの平面図である。これらの図において、実線は瞳位置での0次光を、点線は+1次回折光を、1点波線は−1次回折光を、それぞれ表している。
例えば、対物レンズの開口数NAを0.75、光源からの光の波長を200nm、スリットの開口径を光束径の半分、すなわち、瞳径の半分としたとき、検査対象物に形成されたパターンが1μmL/Sであると、図1に示すように、+1次回折光と−1次回折光は0次光に殆ど重なる。このため、スリットを透過する回折光の量は、焦点位置を変えてもあまり変化しない。また、例えば、検査対象物に形成されたパターンが100nmL/Sより小さいと、図2に示すように、+1次回折光と−1次回折光はスリットを全く透過しないため、焦点位置の変化による回折光の影響は考えなくてよい。しかし、例えば、パターンが100nm〜133nmL/Sであると、図3に示すように、+1次回折光と−1次回折光は0次光と重ならずにスリットを透過する。この場合、スリットを透過する回折光の量は焦点位置によって変化することになるため、上述した問題が生じる。
近年、微細パターンを形成する技術として、ナノインプリントリソグラフィ(Nanoimprint Lithography;NIL)が注目されている。この技術は、ウェハ上のレジストに、ナノスケールの微細構造を有するモールド(型)を圧力印加することで、レジストに微細なパターンを形成するものである。ナノインプリント技術では、生産性を上げるために、原版となるマスターパターンを用いて、複製のパターン(ドータパターン)を複数作製し、ドータパターンを異なるナノインプリント装置に装着して使用する。ドータパターンは、マスターパターンに正確に対応するように製造される必要があり、検査工程においては、マスターパターンおよびドータパターンの双方に対して高い精度での検査が要求される。かかるパターンには、100nmL/S以下のものもあれば、100nm〜133nmL/Sのものもあるため、幅広い寸法範囲のパターンを有する試料面に対して正確に焦点位置を調整することが急務となっている。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぐことのできる焦点位置調整方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぎ、それによって正確な検査を行うことのできる検査方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、第1の光源からの光または該光より長波長である第2の光源からの光を対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
前記第1の光源からの光を、前記照明光学系に配置された第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の光強度分布を観察する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置された2つのスリットに導き、一方のスリットを透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方のスリットを透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサとによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記照明光学系の焦点位置を調整する工程と、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重なる場合、または、該回折光が前記結像光学系に配置された2つのスリットのいずれをも透過しないと判断された場合には、前記第1の光源からの光を、該2つのスリットの一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて焦点位置を調整し、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重ならずに前記結像光学系に配置された2つのスリットを透過すると判断された場合には、前記第2の光源からの光を前記第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明し、前記試料で反射した光を、該2つのスリットの一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて前記照明光学系の焦点位置を調整する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明の第1の態様において、前記第1の光源からの光の光路と前記第2の光源からの光の光路とは、前記結像光学系に設けられた光分離手段によって分離され、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重なる場合、または、該回折光が前記結像光学系に配置された2つのスリットのいずれをも透過しないと判断された場合には、前記光分離手段によって分離された前記第1の光源からの光を、該2つのスリットを構成する第2のスリットと第3のスリットに導いて、前記第2のスリットを透過した光を検出する第1の焦点位置調整用センサおよび前記第3のスリットを透過した光を検出する第2の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整し、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重ならずに前記結像光学系に配置された2つのスリットを透過すると判断された場合には、前記光分離手段によって分離された前記第2の光源からの光を、該2つのスリットを構成する第4のスリットと第5のスリットに導いて、前記第4のスリットを透過した光を検出する第3の焦点位置調整用センサおよび前記第5のスリットを透過した光を検出する第4の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整することが好ましい。
前記光分離手段は、ダイクロイックミラーとすることが好ましい。
本発明の第2の態様は、光源からの光を対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
前記光源からの光を第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の光強度分布を観察する工程と、
前記光強度分布からX方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記分岐された光をさらに少なくとも2つに分岐し、分岐された光の1つを開口部の長手方向がX方向にある第2のスリットと第3のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第3のセンサおよび第4のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整し、
前記光強度分布からY方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記少なくとも2つに分岐された他の光の1つを開口部の長手方向がY方向にある第4のスリットと第5のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第5のセンサおよび第6のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整することを特徴とするものである。
本発明の第2の態様において、前記第1のスリットは、X方向とY方向に直交する2つの開口部が組み合わされた十字形状であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様または第2の態様による焦点位置調整方法によって焦点位置を調整する工程と、
前記焦点位置が前記試料の前記パターンが形成された面にあるよう前記試料の位置を調整する工程と、
前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して前記第1のセンサに結像し、この像を用いて前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行うことを特徴とする検査方法に関する。
本発明の第1の態様によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぐことのできる焦点位置調整方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぐことのできる焦点位置調整方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぎ、それによって正確な検査を行うことのできる検査方法が提供される。
結像光学系に配置されたスリットと、これを透過する正反射光および回折光との位置関係を示す模式図の一例である。 結像光学系に配置されたスリットと、これを透過する正反射光および回折光との位置関係を示す模式図の他の例である。 結像光学系に配置されたスリットと、これを透過する正反射光および回折光との位置関係を示す模式図の他の例である。 実施の形態1で焦点位置の調整に使用される光学系の一例である。 実施の形態2で焦点位置の調整に使用される光学系の一例である。 実施の形態2で照明光学系に配置されたスリットの平面図の一例である。 実施の形態2で結像光学系に配置されたスリットの平面図の一例である。 実施の形態2で結像光学系に配置されたスリットの平面図の他の例である。 実施の形態3における検査装置の概略構成図である。 試料に形成されたパターンの光学画像の取得手順を説明する図である。
実施の形態1.
図4を用いて、本実施の形態による焦点位置調整方法を説明する。
図4は、焦点位置の調整に使用される光学系の模式図の一例である。この光学系は、検査対象となるパターンが形成された試料9を照明する照明光学系aと、試料9からの反射光をセンサ25,26,27,28,29,30の各受光面に結像または集光させる結像光学系bとを有する。ここで、センサ25は、試料9のパターンの欠陥検査用の光学画像を撮像するのに用いられる。また、センサ26,27,28,29,30は、試料9を照明する光の焦点位置を調整するのに用いられる。
検査対象となる試料には、通常、寸法の異なる複数のパターンが形成されている。上述した通り、回折光による焦点位置調整の問題は、パターンの寸法に依存する。つまり、図1や図2を用いて述べたような寸法のパターンについては、回折光の影響を考えなくてよい。しかし、図3で述べたような寸法のパターンの場合、回折光が0次光と重ならずにスリットを透過するため、焦点位置が変わると回折光の量も変化して焦点位置の調整が困難となる。
スリットの開口径と、試料に形成されたパターンの寸法とが定まっているとき、回折光がスリットを透過するか否かは、照明光の波長に依存する。したがって、図3の例のように、焦点位置の調整に回折光が影響する場合には、照明光の波長を変えることで、図1や図2の例のようにして、回折光の影響を考慮しなくて済むようにすることができる。
本実施の形態では、図4のセンサ26において、図1〜図3に示すような瞳の強度分布を観察する。このため、センサ26としては、2次元センサであるCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサが好ましく用いられる。
ここで、133nmL/Sのパターンを例にとり説明する。対物レンズが取り込める光線の角度θは開口数NAを用いて定義され、式(1)で表される。
Figure 0006364193
したがって、例えばNA=0.75とすると、θ=±48.59度になる。
一方、ライン・アンド・スペースパターンのように、方向性のある繰り返しパターンでは、式(2)の関係が成立するときの角度θで1次光が回折する。
Figure 0006364193
式(2)で、λは波長を表す。また、Pは、繰り返しの周期であって、(L/S)の2倍の値に相当する。図3の例では、光源からの光の波長λが200nmであり、(L/S)が133nmであるので、式(3)の関係が成立する。
Figure 0006364193
式(3)の値0.75は、対物レンズの開口数NAに一致する。したがって、図3の実線で描かれた円、すなわち、瞳の中心にある0次光に対して、+1次光と−1次光は、それぞれ瞳の端まで移動することになる。
一方、光源からの光の波長λを大きくすると、式(2)で繰り返しの周期Pを小さくしたのと同様となる。したがって、波長を大きくすれば、図2の例のように、+1次回折光と−1次回折光がスリットを透過しなくなり、焦点位置の変化による回折光の影響を考えなくてよくなる。尚、結像光学系bの解像力は(λ/NA)に比例するので、波長λが大きくなると解像できるパターンの周期が大きくなって解像力は低下する。しかし、2波長から選択可能なように波長の異なる光源を2つ用意し、焦点位置の調整にのみ波長λの大きい光を用い、検査用の光学画像取得には波長λの小さい光を用いることとすれば、解像力の低下を招くことなく、回折光による焦点位置調整精度の低下を防ぐことが可能である。
本実施の形態において、図4の光学系は、波長λ1の光を出射する光源1と、波長λ2の光源を出射する光源2とを有する。本実施の形態では、波長λ1を200nmとし、波長λ2を266nmとすることができる。ここでは、特定のパターンに対して波長λ1の光を照明すると、回折光が0次光と重ならずにスリットを透過することとなって、焦点位置の調整が困難となることを想定している。照明光を波長λ2(λ1<λ2)に変えると、式(2)で繰り返しの周期Pを小さくしたのと同様となる。つまり、回折光がスリットを透過しなくなるので、焦点位置の調整精度を向上させることができる。波長λ1に対して、波長λ2をどのように設定するかは、上記の通りである。すなわち、対物レンズが取り込める光線の角度θは、開口数NAを用いて式(1)で表される。一方、ライン・アンド・スペースパターンのように、方向性のある繰り返しパターンでは、式(2)の関係が成立するときの角度θで1次光が回折する。したがって、光源からの光の波長がλ1(λ1=200nm)であり、ライン・アンド・スペースパターンが(L/S)=133nmであれば、式(3)の関係より、sinθ=0.75となって、対物レンズの開口数NAに等しい値となるので、瞳の中心にある0次光に対して、+1次光と−1次光は、それぞれ瞳の端まで移動することになる。それ故、理論的には200nmより長波長であれば+1次光と−1次光は透過しないことになるが、実際には、所望のマージンを考慮して、例えば、本実施の形態のようにλ2=266nmと設定される。
例えば、光源1から波長200nmの光を試料9に照明し、センサ26で照明光学系aの瞳(具体的には、対物レンズ8の瞳またはこれと共役な位置における瞳を言う。以下に同じ。)の光強度分布を観察する。その結果、光強度分布が図1に示すようなものである場合には、+1次回折光と−1次回折光が0次光に殆ど重なると考えられ、スリット21,22,23,24を透過して、センサ27,28,29,30に入射する回折光の量は、焦点位置を変えてもあまり変化しない。したがって、この光を用いて焦点位置を検出し、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後、センサ25で試料9の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
また、センサ26で照明光学系aの瞳の光強度分布を観察した結果、図2に示すようなものであるときには、+1次回折光と−1次回折光はスリットを全く透過しないので、焦点位置の変化による回折光の影響は考えなくてよい。したがって、この場合にも、光源1からの光を用いて焦点位置を検出し、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後、センサ25で試料9の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
一方、センサ26で照明光学系aの瞳の光強度分布を観察した結果、図3に示すようなものであるときは、+1次回折光と−1次回折光が0次光と重ならずにスリット21,22,23,24を透過する。このため、これらのスリットを透過して、センサ27,28,29,30に入射する回折光の量は、焦点位置によって変化することになる。そこで、かかる場合には、試料9を照明する光を光源1からではなく光源2からとする。すると、センサ26で観察される光強度分布は、図2に示すようになって、+1次回折光と−1次回折光はスリット21,22,23,24を全く透過しなくなる。よって、光源2からの光を用いて焦点位置を検出し、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後、センサ25で試料9の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
次に、本実施の形態による焦点位置調整方法について詳述する。
図4に示すように、照明光学系aは、第1の光源としての光源1および第2の光源としての光源2と、ダイクロイックミラー3と、レンズ4,6と、第1のスリットとしてのスリット5と、ハーフミラー7と、対物レンズ8とを有する。一方、結像光学系bは、対物レンズ8と、ハーフミラー7,17,19,20と、レンズ10,11,12,13,14,15と、ミラー16と、ダイクロイックミラー18と、第2のスリットとしてのスリット21,第3のスリットとしてのスリット22,第4のスリットとしてのスリット23,第5のスリットとしてのスリット24と、第1のセンサとしてのセンサ25,第2のセンサとしての26,第1の焦点位置調整用センサとしての27,第2の焦点位置調整用センサとしての28,第3の焦点位置調整用センサとしての29,第4の焦点位置調整用センサとしての30とを有する。照明光の光路と、試料9で反射した光の光路とは、試料9からハーフミラー7まで共通している。ダイクロイックミラー3,18は、いずれも光源1からの光を透過し、光源2からの光を反射する光分離手段である。尚、光源1からの光を反射し、光源2からの光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。また、光分離手段は、ダイクロイックミラーに限られず、例えば、カラーCCDなどであってもよい。
試料9は、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージ31の上に載置されている。試料9としては、例えば、微細な回路パターンをウェハやガラス基板などに転写する際に使用されるマスク、ナノインプリントリソグラフィ技術で使用されるマスターパターンやドータパターンなどが挙げられるが、これに限られるものではなく、マスク上のパターンが転写されたウェハやガラス基板などとすることもできる。
光源1,2は、それぞれ、レーザ光源とすることができる。本実施の形態では、光源1から出射する光の波長を200nmとし、光源2から出射する光の波長を266nmとする。
光源1から出射された光は、光軸32に沿って伝播していく。そして、この光は、ダイクロイックミラー3およびレンズ4を透過してスリット5を照射する。その後、光の一部は、スリット5を透過し、レンズ6に入射する。スリット5の幅は、線光源に近付けるためできるだけ細くする。
レンズ6で屈折された光は、ハーフミラー7に入射する。ハーフミラー7は、例えば、光軸32に対して45度傾いて配置されている。ハーフミラー7は、入射した光の約半分を反射して、残りの半分を透過する。したがって、レンズ6からハーフミラー7に入射した光の一部は、試料9の方向に反射される。つまり、光軸32は、ハーフミラー7によって90度曲げられることになる。
ハーフミラー7で反射された照明光は、対物レンズ8に入射する。対物レンズ8は、鏡筒内に複数のレンズが配置された構造とすることができる。対物レンズ8の瞳は、光源1の像を結像する。対物レンズ8は、入射した光を屈折した後、試料9を照明する。上記したように、照明光の一部は、スリット5を透過している。したがって、スリット5の像が試料9に投影されている。このとき、スリット5の像は、検査視野とは異なる領域に投影される。
試料9で反射された光は、ハーフミラー7までは照明光と共通の光路を伝播していく。すなわち、反射光は、対物レンズ8で屈折されてハーフミラー7に入射する。対物レンズ8で屈折された光は、略平行な光束となる。そして、この光の一部は、ハーフミラー7を透過してレンズ10に入射する。
レンズ10を透過した光の一部はミラー16で反射して光路を曲げられ、レンズ13に入射する。ここで、ミラー16で反射するのは、試料9に投影されたスリット5の像の反射光となるようにする。レンズ13は、入射した光を屈折してハーフミラー17に入射させる。そして、ハーフミラー17で反射した光は、センサ26に入射する。センサ26は、上記したように、照明光学系aの瞳の光強度分布を観察するためのものである。観察された光強度分布が、図1や図2に示すようなものであるときは、焦点位置の変化による回折光の影響は問題とならないので、光源1からの光により以下のようにして焦点位置を調節する。
ミラー16で反射し、レンズ13によってハーフミラー17に入射し、ハーフミラー17を透過した光は、ダイクロイックミラー18を透過し、レンズ15によってハーフミラー20に入射する。ここで、光は、ハーフミラー20によって分岐される。ハーフミラー20を透過した光は、さらにスリット23を透過した後、センサ29に入射する。一方、ハーフミラー20で反射した光は、スリット24を透過した後、センサ30に入射する。ここで、スリット23,24を透過し、センサ29,30に入射するのは、試料9に投影されたスリット5の像の反射光である。
スリット23は、試料9の共役位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット24は、試料9の共役位置の後側に位置するようにする(後ピン)。尚、スリット24を、試料9の共役位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット23を、試料9の共役位置の後側に位置するようにしてもよい(後ピン)。スリット23,24の幅は、対物レンズ8の開口数NAで拡がる光束の半分、つまり、対物レンズ8の瞳径の半分に相当する値とする。センサ29,30には、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管などが好ましく用いられる。
センサ29は前ピンの光量を検出する。一方、センサ30は後ピンの光量を検出する。光の焦点位置を変えてセンサ29の光量とセンサ30の光量とを比較すると、焦点位置の移動量に応じて、センサ29とセンサ30の光量比が変化する。光量比が1:1になったところが最適な焦点位置であり、コントラストは最大となる。
一般に、前ピンとなるセンサの出力をα、後ピンとなるセンサの出力をβ、スリットなしのセンサの出力をγとすると、物体の合焦位置からの変位量Zは、式(4)で与えられる。
Figure 0006364193
式(4)において、γは、ハーフミラー20によって光路が分岐された後の全光量に対するセンサの出力であり、各焦点位置における正規化光量が(α/γ),(β/γ)である。物体の合焦位置からの変位量Zは、この正規化光量の関数として与えられる。関数fは、変位量Zに対する各焦点位置におけるぼけを幾何学的に求め、スリットを透過する割合を計算することによって求めることができる。また、変位量が既知であるテストサンプルを使用した実験によって求めることもできる。
そして、式(4)を用いて得られた変位量Z、すなわち、試料9の合焦位置からの変位量を基に、ステージ31の高さを調整する。
一方、センサ26で観察された光強度分布が、図3に示すようなものであるときは、焦点位置の変化による回折光の影響が問題となるので、照明を光源1から光源2に切り替える。
光源2から出射された光は、光軸32に沿って伝播していく。そして、この光は、ダイクロイックミラー3で反射し、さらにレンズ4を透過して平行光となる。その後は、光源1から出射された光と同様に、スリット5を透過し、レンズ6に入射した後、ハーフミラー7で反射して対物レンズ8に入射する。対物レンズ8は、入射した光を屈折した後、試料9を照明する。照明光は、スリット5を透過しているので、スリット5の像が試料9に投影される。このとき、試料9において、スリット5の像は、検査視野とは異なる領域に投影される。
試料9で反射された光は、ハーフミラー7までは照明光と共通の光路を伝播していく。そして、ハーフミラー7を透過した光は、レンズ10を透過した後、ミラー16で反射して光路を曲げられる。ここで、ミラー16で反射するのは、試料9に投影されたスリット5の像の反射光となるようにする。次いで、レンズ13を透過し、さらにハーフミラー17を透過した後、ダイクロイックミラー18で反射して、光路を曲げられる。すなわち、光源2から出射された光は、ダイクロイックミラー18によって、光源1から出射された光とは異なる光路を進む。
ダイクロイックミラー18で反射した光は、レンズ14によってハーフミラー19に入射する。ここで、光は、ハーフミラー19によって分岐される。ハーフミラー19を透過した光は、さらにスリット21を透過した後、センサ27に入射する。一方、ハーフミラー19で反射した光は、スリット22を透過した後、センサ28に入射する。このとき、スリット21,22を透過し、センサ27,28に入射するのは、試料9に投影されたスリット5の像の反射光である。
スリット21は、試料9の共役位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット22を、試料9の共役位置の後側に位置するようにする(後ピン)。尚、スリット22を、試料9の共役位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット21を、試料9の共役位置の後側に位置するようにしてもよい(後ピン)。センサ27,28には、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管などが好ましく用いられる。
センサ27は前ピンの光量を検出する。一方、センサ28は後ピンの光量を検出する。光の焦点位置を変えてセンサ27の光量とセンサ28の光量とを比較すると、焦点位置の移動量に応じて、センサ27とセンサ28の光量比が変化する。光量比が1:1になったところが最適な焦点位置であり、コントラストは最大となる。
上記したように、物体の合焦位置からの変位量Zは、式(4)で与えられる。
Figure 0006364193
そして、式(4)を用いて得られた変位量Z、すなわち、試料9の合焦位置からの変位量を基に、ステージ31の高さを調整する。
このように、本実施の形態では、波長λ1の光を出射する光源1と、波長λ2の光源を出射する光源2とを用意し、光源1から波長200nmの光を試料9に照明し、センサ26で照明光学系aの瞳の光強度分布を観察する。その結果、焦点位置の変化による回折光の影響が問題とならない場合には、光源1からの光を用いて焦点位置を検出し、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後、センサ25で試料9の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
一方、センサ26で照明光学系aの瞳の光強度分布を観察した結果、焦点位置の調整に用いるセンサ27,28,29,30に入射する回折光の量が焦点位置によって変化する場合には、試料9を照明する光を光源1からではなく光源2からとする。そして、光源2からの光を用いて焦点位置を検出し、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後、センサ25で試料9の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
尚、センサ25に結像する光の光路は次のようになる。光源1または光源2から出射され、レンズ4,6を透過してハーフミラー7で反射した光は、対物レンズ8によって、検査対象となる試料9のパターンが設けられた領域を照明する。尚、この照明光は、試料9に投影されたスリット5の像とは、試料9上で重なっていない。その後、試料9で反射された光は、ハーフミラー7までは照明光と共通の光路を伝播していく。そして、ハーフミラー7を透過した光は、レンズ10を透過した後、さらにレンズ11,12を透過してセンサ25に結像する。センサ25としては、例えば、撮像素子であるCCDカメラを一列に並べたラインセンサが挙げられる。ラインセンサには、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサを用いることができる。
以上のようにすることにより、回折光による焦点位置調整精度の低下を防いで焦点位置を調整することが可能となる。
尚、本実施の形態では、結像光学系bにおいて、光源1からの光の光路と、光源2からの光の光路とを、ダイクロイックミラー18によって分離し、光源1からの光をスリット21,22に導いて、スリット21を透過した光を検出するセンサ27と、スリット22を透過した光を検出するセンサ28とによって、試料9に投影されたスリット5の像の前ピンと後ピンの各光量を得て焦点位置を調整した。また、光源2からの光をスリット23,24に導いて、スリット23を透過した光を検出するセンサ29と、スリット24を透過した光を検出するセンサ30とによって、同様に焦点位置を調整した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、光源1からの光の光路と、光源2からの光の光路とを分岐しなくてもよい。この場合、焦点位置調整用のセンサとこれに対応するスリットとは、光源1からの光と光源2からの光とで共通になるので、装置がコンパクトになるという利点が得られる。一方、本実施の形態の構成であれば、ダイクロイックミラー18によって光路が分かれるので、2波長同時照明が可能となる。
実施の形態2.
既に述べたように、微細な配線パターンが形成された検査対象物の表面にスリット状の光束が照射されると、正反射光とは異なる方向に回折光が発生する。その結果、結像光学系に配置されたスリットを透過する光には、正反射光と回折光の両方が含まれ得る。このとき、第2のスリットを透過する光の強度分布は、回折光がスリットを透過するところと、スリットによって遮られるところとの境界付近で大きくなる。そして、この強度分布は、焦点位置が合焦位置から僅かでもずれると大きく変化するため、センサの受光面に形成されるスリット像のぼける程度も大きく変化し、対物レンズの焦点位置に対する検査対象物のパターン面の相対位置を高精度に調整することが困難になる。
ところで、検査対象物の表面には、互いに直交する二方向にパターンが形成されていることが多く、回折光はこの二方向に発生しやすい。したがって、回折光の影響を受けにくくするには、パターンが形成されている方向と、スリット状の照明領域の長手方向とが一致しないようにすればよい。
図5は、本実施の形態による焦点位置調整方法を説明するための光学系である。
図5に示すように、照明光学系a’は、光源101と、レンズ401,601と、第1のスリットとしてのスリット501と、ハーフミラー701と、対物レンズ801とを有する。一方、結像光学系b’は、対物レンズ801と、ハーフミラー701,1701,1801,1901,2001と、レンズ1001,1101,1201,1301,1401,1501と、ミラー1601と、第2のスリットとしてのスリット2101,第3のスリットとしてのスリット2201,第4のスリットとしてのスリット2301,第5のスリットとしてのスリット2401と、第1のセンサとしてのセンサ2501,第2のセンサとしてのセンサ2601,第3のセンサとしてのセンサ2701,第4のセンサとしてのセンサ2801,第5のセンサとしてのセンサ2901,第6のセンサとしてのセンサ3001とを有する。照明光の光路と、試料901で反射した光の光路とは、試料901からハーフミラー701まで共通している。
試料901は、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージ3101の上に載置されている。試料901としては、例えば、微細な回路パターンをウェハやガラス基板などに転写する際に使用されるマスク、ナノインプリントリソグラフィ技術で使用されるマスターパターンやドータパターンなどが挙げられるが、これに限られるものではなく、マスク上のパターンが転写されたウェハやガラス基板などとすることもできる。
光源101は、レーザ光源とすることができる。光源101から出射する光の波長は、例えば200nmとすることができる。
光源101から出射された光は、光軸3201に沿って伝播していく。そして、この光は、レンズ401を透過して平行光となった後、その一部がスリット501を透過してレンズ601に入射する。レンズ601は、入射した光を屈折して集光する結像レンズであり、光源101の像を結像する。すなわち、レンズ601は、対物レンズ801の瞳の位置に、光源101の像を結像する。
スリット501は、図6に示すように、X方向とY方向に直交する2つの開口部が組み合わされた十字形状とする。また、開口部の幅は、線光源に近付けるためできるだけ細くする。具体的には、1μm以下とすることが好ましい。
レンズ601で屈折された光は、ハーフミラー701に入射する。ハーフミラー701は、例えば、光軸3201に対して45度傾いて配置されている。ハーフミラー701は、入射した光の約半分を反射して、残りの半分を透過する。したがって、レンズ601からハーフミラー701に入射した光の一部は、試料901の方向に反射される。つまり、光軸3201は、ハーフミラー701によって90度曲げられることになる。
ハーフミラー701で反射された照明光は、対物レンズ801に入射する。対物レンズ801は、鏡筒内に複数のレンズが配置された構造とすることができる。対物レンズ801の瞳は、光源101の像を結像する。対物レンズ801は、入射した光を屈折した後、試料901を照明する。上記したように、照明光の一部は、スリット501を透過している。したがって、スリット501の像が試料901に投影されている。このとき、試料901において、スリット501の像は、検査視野とは異なる領域に投影される。
レンズ1001を透過した光の一部はミラー1601で反射して光路を曲げられ、レンズ1301に入射する。ここで、ミラー1601で反射するのは、試料901に投影されたスリット501の像の反射光となるようにする。レンズ1301は、入射した光を屈折してハーフミラー1701に入射させる。そして、ハーフミラー1701で反射した光は、センサ2601に入射する。
一方、ミラー1601で反射し、レンズ1301によってハーフミラー1701に入射し、ハーフミラー1701を透過した光は、ハーフミラー1801によって2つに分岐される。
ハーフミラー1801を透過した光は、レンズ1501によってハーフミラー2001に入射した後、ハーフミラー2001によってさらに分岐される。ハーフミラー2001を透過した光は、スリット2301を透過した後、センサ2901に入射する。一方、ハーフミラー2001で反射した光は、スリット2401を透過した後、センサ3001に入射する。ここで、スリット2301,2401を透過し、センサ2901,3001に入射するのは、試料901に投影されたスリット501の像の反射光である。
スリット2301は、対物レンズ801の焦点位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット2401は、対物レンズ801の焦点位置の後側に位置するようにする(後ピン)。尚、スリット2401を、対物レンズ801の焦点位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット2301を、対物レンズ801の焦点位置の後側に位置するようにしてもよい(後ピン)。スリット2301,2401の幅は、対物レンズ801の開口数NAで拡がる光束の半分、つまり、対物レンズ801の瞳径の半分に相当する値とする。センサ2901,3001には、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管などが好ましく用いられる。
一方、ハーフミラー1801で反射した光は、レンズ1401によってハーフミラー1901に入射する。ここで、光は、ハーフミラー1901によってさらに分岐される。ハーフミラー1901を透過した光は、スリット2101を透過した後、センサ2701に入射する。一方、ハーフミラー1901で反射した光は、スリット2201を透過した後、センサ2801に入射する。このとき、スリット2101,2201を透過し、センサ2701,2801に入射するのは、試料901に投影されたスリット501の像の反射光である。
スリット2101は、対物レンズ801の焦点位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット2201を、対物レンズ801の焦点位置の後側に位置するようにする(後ピン)。尚、スリット2201を、対物レンズ801の焦点位置の前側に位置するようにし(前ピン)、スリット2101を、対物レンズ801の焦点位置の後側に位置するようにしてもよい(後ピン)。スリット2101,2201の幅は、対物レンズ801の開口数NAで拡がる光束の半分、つまり、対物レンズ801の瞳径の半分に相当する値とする。センサ2701,2801には、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管などが好ましく用いられる。
センサ2601は、照明光学系a’の瞳の光強度分布を観察するのに用いられる。センサ2601で観察された光強度分布が、図3に示すようなものであるときは、焦点位置の変化による回折光の影響が問題となる。ここで、図3の例では、X方向に回折光が発生している。つまり、検査対象がライン・アンド・スペースパターンであるとすると、このパターンはY方向に長く延びたパターンと考えられる。焦点位置合わせにおける回折光の影響を受けにくくするには、パターンが形成されている方向と、スリット状の照明領域の長手方向とが一致しないようにすればよい。したがって、この場合は、スリット状の照明領域の長手方向がX方向にあるようにすればよい。一方、Y方向に回折光が発生している場合には、スリット状の照明領域の長手方向がY方向にあるようにすればよい。
図7は、図5のスリット2301,2401の平面図である。一方、図8は、図5のスリット2101,2201の平面図である。尚、試料901に投影されたスリット501の像の反射光の光軸は、図7および図8のZ方向に一致する。
図7に示すように、スリット2301,2401の長手方向はX方向であるので、図3の例のようにX方向に回折光が発生している場合には、スリット2301,2401を透過する光をセンサ2901,3001に入射させて焦点位置を調整することで、回折光の影響を低減させることができる。
これに対して、図8に示すように、スリット2101,2201の長手方向をY方向とすれば、Y方向に回折光が発生している場合に有効である。つまり、この場合は、スリット2101,2201を透過する光をセンサ2701,2801に入射させて、照明光学系aの焦点位置を調整することで、回折光の影響を低減させることができる。
センサ2901は前ピンの光量を検出する。一方、センサ3001は後ピンの光量を検出する。光の焦点位置を変えてセンサ2901の光量とセンサ3001の光量とを比較すると、焦点位置の移動量に応じて、センサ2901とセンサ3001の光量比が変化する。光量比が1:1になったところが最適な焦点位置であり、コントラストは最大となる。
また、センサ2701は前ピンの光量を検出する。一方、センサ2801は後ピンの光量を検出する。光の焦点位置を変えてセンサ2701の光量とセンサ2801の光量とを比較すると、焦点位置の移動量に応じて、センサ2701とセンサ2801の光量比が変化する。光量比が1:1になったところが最適な焦点位置であり、コントラストは最大となる。
実施の形態1で述べたように、前ピンとなるセンサの出力をα、後ピンとなるセンサの出力をβ、スリットなしのセンサの出力をγとすると、物体の合焦位置からの変位量Zは、式(4)で与えられる。
Figure 0006364193
式(4)を用いて得られた変位量Z、すなわち、試料901の合焦位置からの変位量を基に、ステージ3101の高さを調整することで、光源101から出射された照明光の焦点位置が試料901のパターン面に位置するよう調整することができる。その後、センサ2501で試料901の光学画像を撮像し、得られた光学画像を用いて欠陥検査を行う。
尚、センサ2501に結像する光の光路は次のようになる。光源101から出射され、レンズ401,601を透過してハーフミラー701で反射した光は、対物レンズ801によって、検査対象となる試料901のパターンが設けられた領域を照明する。尚、この照明光は、試料901に投影されたスリット501の像とは、試料901上で重なっていない。その後、試料901で反射された光は、ハーフミラー701までは照明光と共通の光路を伝播していく。そして、ハーフミラー701を透過した光は、レンズ1001を透過した後、さらにレンズ1101,1201を透過してセンサ2501に結像する。センサ2501としては、例えば、撮像素子であるCCDカメラを一列に並べたラインセンサが挙げられる。ラインセンサには、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサを用いることができる。
本実施の形態によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防いで焦点位置を調整することが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態では、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法を述べる。したがって、検査対象の光学画像と比較される基準画像は、設計パターンデータから生成された参照画像である。但し、本発明は、ダイ−トゥ−ダイ方式による検査方法にも適用可能であり、その場合の基準画像は、検査対象とは異なる光学画像になる。さらに、ナノインプリントリソグラフィ(Nanoimprint Lithography;NIL)におけるテンプレートの検査のように、1つの画像内で注目する画素とその周辺の画素とを比較する方式であってもよい。
図9は、本実施の形態における検査装置の概略構成図である。図9の点線で囲まれた部分a,bは、それぞれ、図4の照明光学系aと結像光学系bに対応する。図9では、図4のセンサ25以外の部分を省略している。尚、図4の照明光学系aと結像光学系bに代えて、図5の照明光学系a’と結像光学系b’を図9の検査装置に適用してもよい。
図9では、本実施の形態で必要な構成部を記載しているが、検査に必要な他の公知の構成部が含まれていてもよい。また、本明細書において、「〜部」または「〜回路」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置などの記録装置に記録される。
図9に示すように、検査装置100は、光学画像取得部を構成する構成部Aと、構成部Aで取得された光学画像を用いて検査に必要な処理などを行う構成部Bとを有する。
構成部Aは、実施の形態1で説明した図4の光学系、すなわち、焦点位置の調整に使用される光学系として、検査対象となるパターンが形成された試料9を照明する照明光学系aと、照明された試料9のパターンの像をセンサ25の受光面に結像する結像光学系bとを有する。
また、構成部Aは、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージ31と、センサ回路106と、レーザ測長システム122と、オートローダ130とを有する。試料9が載置されるステージ31は、水平方向(X方向、Y方向)に移動可能なXYステージと、このXYステージの上に載置されて垂直方向(Z方向)に移動可能なZステージとからなる。尚、XYステージは、回転方向(θ方向)にも移動可能な構成とすることもできる。
試料9としては、例えば、微細な回路パターンをウェハやガラス基板などに転写する際に使用されるマスク、ナノインプリントリソグラフィ技術で使用されるマスターパターンやドータパターンなどが挙げられるが、これに限られるものではなく、マスク上のパターンが転写されたウェハやガラス基板などとすることもできる。
構成部Aでは、試料9の光学画像、すなわち、マスク採取データが取得される。マスク採取データは、試料9の設計パターンデータに含まれる図形データに基づく図形が描画されたマスクの画像である。例えば、マスク採取データは、8ビットの符号なしデータであって、各画素の明るさの階調を表現したものである。
試料9は、オートローダ130によって、ステージ31の上に載置される。尚、オートローダ130は、オートローダ制御回路113によって駆動される。また、オートローダ制回路113は、制御計算機110によって制御される。試料9がステージ31の上に載置されると、試料9に形成されたパターンに対し、ステージ31の下方に配置された結像光学系aから光が照射される。そして、試料9で反射した光は、結像光学系bによってセンサ25に結像する。
検査に好適な光学画像を得るためには、試料9に照射される光の焦点位置を正確に検出して焦点合わせをすることが重要となる。実施の形態1で説明したように、検査装置100は、照明光学系aと結像光学系bとを有することにより、回折光による焦点位置調整精度の低下を防いで、照明光の焦点位置が試料9のパターン面に位置するよう調整することが可能である。
尚、検査装置100は、試料9の上方から光を照射し、透過光をセンサ25に導く構成としてもよい。この構成と、図9に示す構成とを併せ持つことにより、透過光と反射光による各光学画像を同時に取得することが可能である。
センサ25に結像した試料9のパターン像は光電変換された後、センサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。センサ25としては、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサなどが挙げられる。
検査装置100の構成部Bでは、検査装置100全体の制御を司る制御部としての制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、参照画像生成部の一例となる参照回路112、展開回路111、焦点位置検出部の一例となる焦点位置検出回路125、オートローダ制御回路113、ステージ制御回路114、保存部の一例となる磁気ディスク装置109、ネットワークインターフェイス115およびフレキシブルディスク装置116、液晶ディスプレイ117、パターンモニタ118並びにプリンタ119に接続されている。ステージ31は、ステージ制御回路114によって制御されたX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータによって駆動される。これらの駆動機構には、例えば、エアスライダと、リニアモータやステップモータなどとを組み合わせて用いることができる。
図8で「〜回路」と記載したものは、既に述べたように、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができるが、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せやファームウェアとの組合せによって実施されるものであってもよい。プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置109に記録されることができる。例えば、センサ回路106、オートローダ制御回路113、ステージ制御回路114、焦点位置検出回路125、展開回路111、参照回路112、比較回路108および位置回路107内の各回路は、電気的回路で構成されてもよく、制御計算機110によって処理することのできるソフトウェアとして実現されてもよい。また、電気的回路とソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
焦点位置検出回路125は、センサ回路106からの情報を受け取って、焦点位置を検出する。具体的には、結像光学系bに配置された焦点位置検出用のセンサ(図4の27,28,29,30)で検出されたスリット像(図4のスリット5の光学像)から、照明光の焦点位置を検出する。
制御計算機110は、焦点位置検出回路125からの情報に基づき、ステージ制御回路114を制御して、検出した焦点位置が試料9のパターン面に位置するよう、ステージ31をZ方向に移動させる。これにより、焦点位置が正確に合焦位置となるようにすることができる。
また、制御計算機110は、ステージ制御回路114を制御して、ステージ31をX方向およびY方向にも駆動する。XY方向におけるステージ31の移動位置は、レーザ測長システム122により測定されて位置回路107に送られる。
さらに、制御計算機110は、オートローダ制御回路113を制御して、オートローダ130を駆動する。オートローダ130は、試料9を自動的に搬送し、検査終了後には自動的に試料9を搬出する。
データベース方式の基準データとなる設計パターンデータは、磁気ディスク装置109に格納されており、検査の進行に合わせて読み出されて展開回路111に送られる。具体的には、次の通りである。
設計者(ユーザ)が作成したCADデータは、OASISなどの階層化されたフォーマットの設計中間データに変換される。設計中間データには、レイヤ(層)毎に作成されて試料に形成される設計パターンデータが格納される。ここで、一般に、検査装置は、OASISデータを直接読み込めるようには構成されていない。すなわち、検査装置の製造メーカー毎に、独自のフォーマットデータが用いられている。このため、OASISデータは、レイヤ毎に各検査装置に固有のフォーマットデータに変換された後に検査装置に入力される。フォーマットデータは、検査装置に固有のデータとすることができるが、試料にパターンを描画するのに使用される描画装置と互換性のあるデータとすることもできる。
図9において、上記のフォーマットデータは、磁気ディスク装置109に入力される。すなわち、試料9のパターン形成時に用いた設計パターンデータは、磁気ディスク装置109に記憶される。
設計パターンに含まれる図形は、長方形や三角形を基本図形としたものである。磁気ディスク装置109には、例えば、図形の基準位置における座標(x,y)、辺の長さ、長方形や三角形などの図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報であって、各パターン図形の形、大きさ、位置などを定義した図形データが格納される。
さらに、数百μm程度の範囲に存在する図形の集合を一般にクラスタまたはセルと称するが、これを用いてデータを階層化することが行われている。クラスタまたはセルには、各種図形を単独で配置したり、ある間隔で繰り返し配置したりする場合の配置座標や繰り返し記述も定義される。クラスタまたはセルデータは、さらにストライプと称される、幅が数百μmであって、長さが試料9のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の短冊状領域に配置される。
上述したように、磁気ディスク装置109に入力されたフォーマットデータには、設計パターンデータが格納されている。この設計パターンデータは、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して展開回路111によって読み出される。
展開回路111では、設計パターンデータがイメージデータ(ビットパターンデータ)に変換される。すなわち、展開回路111は、設計パターンデータを図形毎のデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして、2値ないしは多値のイメージデータに展開される。さらに、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に設計パターンにおける図形が占める占有率が演算され、各画素内の図形占有率が画素値となる。
展開回路111で変換されたイメージデータは、参照画像生成部としての参照回路112に送られて、参照画像(参照データとも称する。)の生成に用いられる。
センサ回路106から出力されたマスク採取データは、位置回路107から出力されたステージ31上での試料9の位置を示すデータとともに、比較回路108に送られる。また、上述した参照画像も比較回路108に送られる。
比較回路108では、マスク採取データと参照データとが、適切な比較判定アルゴリズムを用いて比較される。図9の構成であれば、反射画像同士での比較となるが、透過光学系を用いた構成であれば、透過画像同士での比較、あるいは、透過と反射を組み合わせた比較判定アルゴリズムが用いられる。比較の結果、両者の差異が所定の閾値を超えた場合には、その箇所が欠陥と判定される。
上述したストライプは、適当なサイズに分割されてサブストライプとなる。そして、マスク採取データから切り出されたサブストライプと、マスク採取データに対応する参照画像から切り出されたサブストライプとが、比較回路108内の比較ユニットに投入される。投入されたサブストライプは、さらに検査フレームと称される矩形の小領域に分割され、比較ユニットにおいてフレーム単位で比較されて欠陥が検出される。比較回路108には、複数の検査フレームが同時に並列して処理されるよう、数十個の比較ユニットが装備されている。各比較ユニットは、1つの検査フレームの処理が終わり次第、未処理のフレーム画像を取り込む。これにより、多数の検査フレームが順次処理されていく。
次に、図9の検査装置100を用いて試料9を検査する方法の一例を述べる。
<焦点位置調整工程>
まず、実施の形態1で述べたようにして、照明光学系aに設けられた光源からの光を試料9に照射して焦点位置を検出し、検出した位置が合焦位置となるように調整する。
具体的には、照明光学系aに設けられたスリット(図4のスリット5)の投影パターンを試料9のパターン面に投影し、この投影パターンのデフォーカス像、実際には光量をセンサ29,30またはセンサ27,28で検出する。
例えば、波長200nmの光を出射する光源(図4の光源1)からの光を試料9に照明し、(図4のセンサ26で)照明光学系aの瞳の光強度分布を観察する。その結果、焦点位置の変化による回折光の影響が問題とならない場合には、この光を用いて焦点位置を調整する。
一方、(図4のセンサ26で)照明光学系aの瞳の光強度分布を観察した結果、焦点位置の検出に用いるセンサ(図4のセンサ27,28,29,30)に入射する回折光の量が焦点位置によって変化する場合には、試料9を照明する光の波長を変える。すなわち、(図4の光源2から)波長266nmの光を照射して焦点位置を検出する。
次に、検出した焦点位置が試料9のパターン面に位置するよう調整する。具体的には、焦点位置検出回路125が、検出した焦点位置が試料9のパターン面に位置するよう、ステージ制御回路114を介して、ステージ31のZ方向の位置を調整する。
焦点位置検出回路125では、実施の形態1で説明した式(4)によって、試料9の合焦位置からの変位量Zが求められる。
Figure 0006364193
関数fは、予め、変位量Zに対する各焦点位置におけるぼけを幾何学的に求め、スリットを透過する割合を計算することによって求めることができる。また、変位量が既知であるテストサンプルを使用した実験によって求めてもよい。
そして、式(4)を用いて得られた変位量Zを基に、ステージ31の高さを調整する。具体的には、制御計算機110が、焦点位置検出回路125から変位量Zを読み出す。そして、この変位量Zに基づき、ステージ制御回路114を制御して、ステージ31をZ方向に移動させる。これにより、焦点位置が正確に合焦位置となるようにすることができる。かかる方法によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防いで焦点位置を調整することが可能である。
<光学画像取得工程>
上記のようにして、焦点位置を検出して、試料9のパターン面に焦点位置が合焦するよう試料9の位置を調整した後は、図9の構成部Aにおいて、試料9の光学画像を取得する。
図10は、試料9に形成されたパターンの光学画像の取得手順を説明する図である。
図10で試料9は、図9のステージ31の上に載置されているものとする。また、試料9上の検査領域は、図10に示すように、短冊状の複数の検査領域、すなわち、ストライプ20,20,20,20,・・・に仮想的に分割されている。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さが試料9のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。
光学画像は、ストライプ毎に取得される。すなわち、図10で光学画像を取得する際には、各ストライプ20,20,20,20,・・・が連続的に走査されるように、ステージ31の動作が制御される。具体的には、ステージ31が図10の−X方向に移動しながら、試料9の光学画像が取得される。そして、図9のセンサ25に、図10に示されるような走査幅Wの画像が連続的に入力される。すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した後、第2のストライプ20における画像を取得する。この場合、ステージ31が−Y方向にステップ移動した後、第1のストライプ20における画像の取得時の方向(−X方向)とは逆方向(X方向)に移動しながら光学画像を取得して、走査幅Wの画像がセンサ25に連続的に入力される。第3のストライプ20における画像を取得する場合には、ステージ31が−Y方向にステップ移動した後、第2のストライプ20における画像を取得する方向(X方向)とは逆方向、すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した方向(−X方向)にステージ31が移動する。尚、図10の矢印は、光学画像が取得される方向と順序を示しており、斜線部分は、光学画像の取得が済んだ領域を表している。
図9のセンサ25上に結像したパターンの像は光電変換され、さらにセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。その後、光学画像は、センサ回路106から図9の比較回路108へ送られる。
尚、A/D変換されたセンサデータは、画素毎にオフセット・ゲイン調整可能なデジタルアンプ(図示せず)に入力される。デジタルアンプの各画素用のゲインは、キャリブレーション工程で決定される。例えば、透過光用のキャリブレーション工程においては、センサが撮像する面積に対して十分に広い試料9の遮光領域を撮影中に、黒レベルを決定する。次いで、センサが撮像する面積に対して十分に広い試料9の透過光領域を撮影中に、白レベルを決定する。このとき、検査中の光量変動を見越して、例えば、白レベルと黒レベルの振幅が8ビット階調データの約4%から約94%に相当する10〜240に分布するよう、画素毎にオフセットとゲインを調整する。
<参照画像生成工程>
(1)記憶工程
ダイ−トゥ−データベース比較方式による検査の場合、欠陥判定の基準となるのは、設計パターンデータから生成する参照画像である。検査装置100では、試料9のパターン形成時に用いた設計パターンデータが磁気ディスク装置109に記憶される。
(2)展開工程
展開工程においては、図9の展開回路111が、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出された試料9の設計パターンデータを2値ないしは多値のイメージデータ(設計画像データ)に変換する。このイメージデータは参照回路112に送られる。
(3)フィルタ処理工程
フィルタ処理工程では、図9の参照回路112によって、図形のイメージデータである設計パターンデータに適切なフィルタ処理が施される。その理由は、次の通りである。
試料9のパターンは、その製造工程でコーナーの丸まりや線幅の仕上がり寸法などが加減されており、設計パターンと厳密には一致しない。また、図9のセンサ回路106から得られた光学画像としてのマスク採取データは、光学系の解像特性やセンサ13のアパーチャ効果などによってぼやけた状態、言い換えれば、空間的なローパスフィルタが作用した状態にある。
そこで、検査に先だって検査対象となるマスクを観察し、その製造プロセスや検査装置の光学系による変化を模擬したフィルタ係数を学習して、設計パターンデータに2次元のデジタルフィルタをかける。このようにして、参照画像に対し光学画像に似せる処理を行う。
フィルタ係数の学習は、製造工程で決められた基準となるマスクのパターンを用いて行ってもよく、また、検査対象となるマスク(本実施の形態では試料9)のパターンの一部を用いて行ってもよい。後者であれば、学習に用いられた領域のパターン線幅やコーナーの丸まりの仕上がり具合を踏まえたフィルタ係数が取得され、マスク全体の欠陥判定基準に反映されることになる。
尚、フィルタ係数の学習に検査対象となるマスクを使用する場合、製造ロットのばらつきや、検査装置のコンディション変動といった影響を排除したフィルタ係数の学習ができるという利点がある。しかし、マスク面内で寸法変動があると、学習に用いた箇所に対しては最適なフィルタ係数になるが、他の領域に対しては必ずしも最適な係数とはならないため、疑似欠陥を生じる原因になり得る。そこで、面内での寸法変動の影響を受け難いマスクの中央付近で学習することが好ましい。あるいは、マスク面内の複数の箇所で学習を行い、得られた複数のフィルタ係数の平均値を用いてもよい。
<ダイ−トゥ−データベース比較工程>
光学画像取得工程で取得されたマスク採取データは、センサ回路106から比較回路108へ送られる。また、参照回路112からは、参照データが比較回路108へ送られる。比較回路108では、マスク採取データと参照データとが、ダイ−トゥ−データベース方式によって比較される。具体的には、撮像されたストライプデータが検査フレーム単位に切り出され、検査フレーム毎に、欠陥判定の基準となるデータと適切な比較判定アルゴリズムを用いて比較される。そして、両者の差が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定される。欠陥に関する情報は、マスク検査結果として保存される。例えば、制御計算機110によって、欠陥の座標、欠陥判定の根拠となった光学画像などが磁気ディスク装置109に保存される。
例えば、試料9に格子状のチップパターンが形成されているとする。検査対象としてn番目のチップを考えると、ダイ−トゥ−データベース比較方式においては、n番目のチップの光学画像におけるパターンと、n番目のチップの参照画像におけるパターンとの差が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定される。
欠陥判定は、より具体的には、次の2種類の方法により行うことができる。1つは、参照画像における輪郭線の位置と、光学画像における輪郭線の位置との間に、所定の閾値寸法を超える差が認められる場合に欠陥と判定する方法である。他の1つは、参照画像におけるパターンの線幅と、光学画像におけるパターンの線幅との比率が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定する方法である。この方法では、参照画像におけるパターン間の距離と、光学画像におけるパターン間の距離との比率を対象としてもよい。
<レビュー工程および修正工程>
保存されたマスク検査結果は、レビュー装置に送られる。レビュー装置は、検査装置の構成要素の1つであってもよく、また、検査装置の外部装置であってもよい。レビューは、オペレータによって、検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作である。オペレータは、例えば、欠陥判定の根拠となった基準画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べて、修正の必要な欠陥であるか否かを判断する。
レビュー工程を経て判別された欠陥情報は、図9の磁気ディスク装置109に保存される。レビュー装置で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、試料9は、欠陥情報リストとともに、検査装置100の外部装置である修正装置に送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リストには、凹凸の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
以上述べた本実施の形態の検査方法によれば、回折光による焦点位置調整精度の低下を防いで焦点位置を調整することができるので、正確な検査を行うことが可能となる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
また、上記各実施の形態では、装置構成や制御手法など、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができることは言うまでもない。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての焦点位置調整方法、検査装置または検査方法は、本発明の範囲に包含される。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を付記する。
[C1]
第1の光源からの光または該光より長波長である第2の光源からの光を対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
前記第1の光源からの光を、前記照明光学系に配置された第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の光強度分布を観察する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置された2つのスリットに導き、一方のスリットを透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方のスリットを透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサとによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記照明光学系の焦点位置を調整する工程と、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重なる場合、または、該回折光が前記結像光学系に配置された2つのスリットのいずれをも透過しないと判断された場合には、前記第1の光源からの光を、該2つのスリットの一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて焦点位置を調整し、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重ならずに前記結像光学系に配置された2つのスリットを透過すると判断された場合には、前記第2の光源からの光を前記第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明し、前記試料で反射した光を、該2つのスリットの一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて前記照明光学系の焦点位置を調整する工程とを有することを特徴とする焦点位置調整方法。
[C2]
前記第1の光源からの光の光路と前記第2の光源からの光の光路とは、前記結像光学系に設けられた光分離手段によって分離され、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重なる場合、または、該回折光が前記結像光学系に配置された2つのスリットのいずれをも透過しないと判断された場合には、前記光分離手段によって分離された前記第1の光源からの光を、該2つのスリットを構成する第2のスリットと第3のスリットに導いて、前記第2のスリットを透過した光を検出する第1の焦点位置調整用センサおよび前記第3のスリットを透過した光を検出する第2の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整し、
前記光強度分布から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と重ならずに前記結像光学系に配置された2つのスリットを透過すると判断された場合には、前記光分離手段によって分離された前記第2の光源からの光を、該2つのスリットを構成する第4のスリットと第5のスリットに導いて、前記第4のスリットを透過した光を検出する第3の焦点位置調整用センサおよび前記第5のスリットを透過した光を検出する第4の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整することを特徴とする[C1]に記載の焦点位置調整方法。
[C3]
前記光分離手段は、ダイクロイックミラーであることを特徴とする[C2]記載の焦点位置調整方法。
[C4]
光源からの光を対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
前記光源からの光を第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の光強度分布を観察する工程と、
前記光強度分布からX方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記分岐された光をさらに少なくとも2つに分岐し、分岐された光の1つを開口部の長手方向がX方向にある第2のスリットと第3のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第3のセンサおよび第4のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整し、
前記光強度分布からY方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記少なくとも2つに分岐された他の光の1つを開口部の長手方向がY方向にある第4のスリットと第5のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第5のセンサおよび第6のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整することを特徴とする焦点位置調整方法。
[C5]
前記第1のスリットは、X方向とY方向に直交する2つの開口部が組み合わされた十字形状であることを特徴とする[C4]に記載の焦点位置調整方法。
[C6]
[C1]〜[C5]のいずれか1項に記載の焦点位置調整方法によって焦点位置を調整する工程と
前記焦点位置が前記試料の前記パターンが形成された面にあるよう前記試料の位置を調整する工程と、
前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して前記第1のセンサに結像し、この像を用いて前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行うことを特徴とする検査方法。
a,a’ 照明光学系
b,b’ 結像光学系
1,2,101 光源
4,6,10,11,12,13,14,15,401,601,1001,1101,1201,1301,1401,1501 レンズ
5,21,22,23,24,501,2101,2201,2301,2401 スリット
9,901 試料
3,18 ダイクロイックミラー
7,17,19,20,701,1701,1801,1901,2001 ミラー
8,801 対物レンズ
16,1601 ミラー
25,26,27,28,29,30,2501,2601,2701,2801,2901,3001 センサ
31,3101 ステージ
32,3201 光軸
20,20,20,20 ストライプ
100 検査装置
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 ステージ制御回路
115 ネットワークインターフェイス
116 フレキシブルディスク装置
117 液晶ディスプレイ
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
125 焦点位置検出回路
130 オートローダ

Claims (9)

  1. 第1の光源からの光、または、前記第1の光源の光より波長が長い第2の光源からの光を、対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を、前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
    前記第1の光源からの光を、前記照明光学系に配置された第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
    前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の光強度分布を観察する工程と、
    前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記第1の光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置されたスリットの対に導き、前記スリットの対の一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、前記スリットの対の他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサとによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記照明光学系の焦点位置を調整する工程と、
    前記光強度分布の観察から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と殆ど重なって前記スリットの対を透過すると判断された場合、または、該回折光が結像光学系に配置された前記スリットの対のいずれも透過しないと判断された場合には、前記第1の光源からの光を、前記スリットの対の一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、前記スリットの対の他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて焦点位置を調整する工程と、
    前記光強度分布の観察から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と殆ど重なって前記スリットの対を透過すると判断されず、および、該回折光が結像光学系に配置された前記スリットの対のいずれも透過しないと判断されない場合には、前記第2の光源からの光を前記第1のスリットを透過させた後に前記対物レンズを介して前記試料に照明し、前記試料で反射した光を、前記スリットの対の一方を透過した光を検出する焦点位置調整用センサと、前記スリットの対の他方を透過した光を検出する他の焦点位置調整用センサにそれぞれ入射させて前記照明光学系の焦点位置を調整する工程と、
    を有することを特徴とする焦点位置調整方法。
  2. 前記第1の光源からの光の光路と前記第2の光源からの光の光路とは、前記結像光学系に設けられた光分離手段によって分離され、
    前記スリットの対は、第2のスリットと第3のスリットで構成される一対のスリットと、第4のスリットと第5のスリットで構成される一対のスリットとを含み、
    前記光強度分布の観察から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と殆ど重なって前記第2のスリットと前記第3のスリットの対を透過すると判断された場合、または、該回折光が結像光学系に配置された前記第2のスリットと前記第3のスリットのいずれをも透過しないと判断された場合には、前記光分離手段によって分離された前記第1の光源からの光を、前記第2のスリットと前記第3のスリットに導いて、前記第2のスリットを透過した光を検出する第1の焦点位置調整用センサおよび前記第3のスリットを透過した光を検出する第2の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整し、
    前記光強度分布の観察から、前記試料で反射した光の回折光が0次光と殆ど重なって前記第4のスリットと前記第5のスリットの対を透過すると判断されない場合、または、該回折光が結像光学系に配置された前記第4のスリットと前記第5のスリットのいずれをも透過しないと判断されない場合には、前記光分離手段によって分離された前記第2の光源からの光を、前記第4のスリットと前記第5のスリットに導いて、前記第4のスリットを透過した光を検出する第3の焦点位置調整用センサおよび前記第5のスリットを透過した光を検出する第4の焦点位置調整用センサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の焦点位置調整方法。
  3. 前記光分離手段は、ダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項2に記載の焦点位置調整方法。
  4. 前記第1の光源からの光または前記第2の光源からの光に対し、同じスリットの対と、同じ対応する焦点位置調整用センサとが、共通に用いられることを特徴とする請求項1に記載の焦点位置調整方法。
  5. 前記スリットの対は、第1の光源からの光または前記第2の光源からの光の前記試料による反射光の光路において前記試料の共役位置の前側に位置するスリットと、前記光路において前記試料の共役位置の後側に位置するスリットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の焦点位置調整方法。
  6. 光源からの光を対物レンズを介して試料に照明する照明光学系と、前記試料で反射した光を前記対物レンズを介して第1のセンサに結像する結像光学系とを有し、前記第1のセンサに結像した像を用いて、前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行う検査装置における焦点位置調整方法であって、
    前記光源からの光を、少なくともX方向とY方向との両方に長手の長さをもつ形状の開口を有する第1のスリットを透過させた後に、前記対物レンズを介して前記試料に照明する工程と、
    前記試料で反射し前記対物レンズを透過した前記光源からの光を分岐して、前記結像光学系に配置された第2のセンサに集光し、前記照明光学系の瞳の位置に結像された前記試料に投影された前記第1のスリットの像の反射光の光強度分布を観察する工程と、
    前記光強度分布の観察からX方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記分岐された光をさらに少なくとも2つに分岐し、分岐された光の1つを開口部の長手方向がX方向にある第2のスリットと第3のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第3のセンサおよび第4のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て焦点位置を調整する工程と、
    前記光強度分布の観察からY方向に回折光が発生していると判断された場合は、前記少なくとも2つに分岐された他の光の1つを開口部の長手方向がY方向にある第4のスリットと第5のスリットに導いて、これらのスリットをそれぞれ透過した光を検出する第5のセンサおよび第6のセンサによって、前記試料に投影された前記第1のスリットの像の前ピンと後ピンの各光量を得て前記焦点位置を調整する工程と、
    を備えることを特徴とする焦点位置調整方法。
  7. 前記第1のスリットの開口の形状は、前記長手の長さがX方向とY方向に直交する2つの開口部が組み合わされた十字形状であることを特徴とする請求項6に記載の焦点位置調整方法。
  8. 前記第2のスリットと前記第3のスリットのいずれか一方は、前記光源からの光の前記試料による反射光の光路において前記対物レンズの焦点位置の前側に位置し、前記第2のスリットと前記第3のスリットの他方は、前記光源からの光の前記試料による反射光の光路において前記対物レンズの焦点位置の後側に位置し、
    前記第4のスリットと前記第5のスリットのいずれか一方は、前記光源からの光の前記試料による反射光の光路において前記対物レンズの焦点位置の前側に位置し、前記第4のスリットと前記第5のスリットの他方は、前記光源からの光の前記試料による反射光の光路において前記対物レンズの焦点位置の後側に位置する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の焦点位置調整方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の焦点位置調整方法によって焦点位置を調整する工程と、
    前記焦点位置が前記試料の前記パターンが形成された面にあるよう前記試料の位置を調整する工程と、
    前記試料で反射した光を、前記対物レンズを介して前記第1のセンサに結像し、この像を用いて前記試料に形成されたパターンの欠陥検査を行うことを特徴とする検査方法。
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