JP6362378B2 - 窒化アルミニウム結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液相成長法により窒化アルミニウムをエピタキシャル成長させる窒化アルミニウム結晶の製造方法に関する。
紫外発光素子は、蛍光灯の代替、高密度DVD、生化学用レーザ、光触媒による公害物質の分解、He−Cdレーザ、水銀灯の代替などの次世代の光源として幅広く注目されている。該紫外発光素子は、ワイドギャップ半導体と呼ばれる窒化アルミニウムガリウム系窒化物半導体からなり、以下の表1に示すようなサファイア、炭化ケイ素(4H−SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)などの異種基板上に積層される。
しかしながら、サファイアを用いる場合には、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)との格子不整合が大きいため、多数の貫通転位が存在してしまい、非発光再結合中心となって内部量子効率を著しく低下させてしまうという問題がある。また、4H−SiCおよび窒化ガリウムを用いる場合には、格子整合性が高いという利点があるものの、高価であるためコスト性に問題があるだけでなく、波長380nmおよび365nm以下の紫外線を吸収してしまうという問題がある。
これに対して、窒化アルミニウムは、窒化アルミニウムガリウムと格子定数が近く、200nmの紫外領域まで透明であるため、発光した紫外線を吸収することなく、紫外光を効率よく外部へ取り出すことができる。つまり、窒化アルミニウム単結晶を基板として用いて窒化アルミニウムガリウム系発光素子を準ホモエピタキシャル成長させることにより、結晶の欠陥密度を低く抑えた紫外光発光素子を作製することができる。
現在、ハイドライド気相成長法(HVPE法)、液相成長法(LPE法)、昇華再結晶法などの方法により、窒化アルミニウムのバルク単結晶の作製が試行されている。例えば、特許文献1には、III族窒化物結晶の液相成長法において、フラックスへの窒素の溶解量を増加させるために圧力を印加し、ナトリウムなどのアルカリ金属をフラックスに添加することが開示されている。また、特許文献2には、アルミニウム融液に窒素原子を含有するガスを注入して、窒化アルミニウム微結晶を製造する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いて窒化アルミニウム結晶を製造する場合には、高い成長温度が必要となり、コストおよび結晶品質に関して満足するものが得られない。
これに対し、本発明者らの一部は、コストおよび結晶品質に関する問題に応えるものとして、液相成長法におけるフラックスとしてGa−Al合金融液を用いることにより、低温での窒化アルミニウムの結晶成長が可能であり、基板表面の結晶性を引き継いだ良好な窒化アルミニウム結晶が得られることを見出した(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、Ga−Al合金融液に窒素を含有するガス(以下、「窒素含有ガス」という。)を導入し、該Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させるにあたり、種結晶基板として窒化サファイア基板を用いることが開示されている。特許文献3に記載の製法によれば、窒化サファイア基板の表面に形成された窒素極性の窒化アルミニウム膜上に、窒化サファイア基板表面の良好な結晶性を引き継いだ窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることができる。
しかしながら、特許文献3に記載の製法では、窒化アルミニウム結晶の低温成長は可能であるが、得られた窒化アルミニウムの単結晶膜の一部の領域において単結晶膜の成長がなされていないことがあり、単結晶膜が種結晶基板上に均一に得られないという問題がある。
特開2004−224600号公報 特開平11−189498号公報 国際公開第2012/008545号
そこで、本発明は、Ga−Al合金融液に窒素含有ガスを供給して種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法において、良好な結晶性を有する窒化アルミニウム結晶を種結晶基板上に均一に安定して低温で形成することが可能な窒化アルミニウム結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Ga−Al合金融液を用いて種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法について鋭意検討を重ねた結果、Ga−Al合金融液に導入する窒素含有ガス中の水蒸気濃度、すなわち、窒素含有ガスの露点温度の上昇を防ぐことにより、基板表面の良好な結晶性を引き継ぎ、かつアルミニウム極性を有する窒化アルミニウム結晶が種結晶基板上に均一に安定して低温で得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造方法は、Ga−Al合金融液に窒素含有ガスを導入し、該Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法による窒化アルミニウム結晶の製造方法において、露点温度が−50℃以下の前記窒素含有ガスを、可撓性を有する金属製のガス供給管を用いて保持プレート上面に取り付けられたシード基板にバブリングし、前記Ga−Al合金融液中に導入することを特徴としている。

本発明によれば、種結晶基板表面の良好な結晶性を引き継ぎ、かつアルミニウム極性を有する窒化アルミニウム結晶を、種結晶基板上に均一に安定して低温成長させることができる。また、本発明によれば、結晶性に優れた窒化アルミニウム結晶を、種結晶基板上に均一に安定して低温で成長させることができるので、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、窒化アルミニウム結晶上に、この結晶の結晶性を引き継いだ良質な薄膜を形成することができる。その結果、各種デバイスの製造において、多重量子井戸構造を形成することができる。
窒化アルミニウム結晶製造装置の構成例を示す図である。 実施例1におけるエピタキシャル成長後の基板断面を示すSEM観察写真である。
以下、本発明の実施の形態における窒化アルミニウム結晶の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係る窒化アルミニウム結晶の製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることは可能である。
窒化アルミニウム結晶の製造方法では、Ga−Al合金融液に窒素含有ガスを導入し、Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に、液相成長法により窒化アルミニウム結晶を低温でエピタキシャル成長させる。
また、この製造方法では、例えば、図1に示すような窒化アルミニウム結晶製造装置1を用いる。窒化アルミニウム結晶製造装置1は、ガス導入管10と、ガス供給管11と、坩堝12と、坩堝12内のシード基板13と、シード基板13を保持する保持プレート14と、Ga−Al合金融液15を加熱するヒータ16と、ガス排出管17と、熱電対18とを備えている。
ガス導入管10は、ガス供給管11から供給された窒素含有ガスを、先端側の供給口10aから排出して、Ga−Al合金融液15中に窒素含有ガスを導入するものである。ガス導入管10は、後端部10bと、ガス供給管11の先端部11aとが係合してガス供給管11と連結されている。また、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、ガス導入管10を上下方向に動かすことで、坩堝12内のGa−Al合金融液15中にガス導入管10の先端を挿入出することができる。すなわち、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、Ga−Al合金融液15をガス導入管10から導入される窒素含有ガスでバブリングすることができる。
ガス供給管11は、先端部11aと、ガス導入管10の後端部10bとが係合してガス導入管10と連結されている。これにより、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、ガス供給管11の後端側から供給された窒素含有ガスを、先端側から排出して、ガス導入管10に窒素含有ガスを導入することができる。そして、ガス導入管10に導入された窒素含有ガスは、Ga−Al合金融液15中に供給される。
ガス供給管11は、ガス導入管10が上下動して先端がGa−Al合金融液15中に、自在に挿入できるように可撓性を有していることが好ましい。また、ガス供給管11は、金属製であることが好ましい。窒化アルミニウム結晶製造装置1では、金属製のガス供給管11を用いることで、窒素含有ガスの露点温度の上昇を防ぐことができ、ガス供給管11内を通る窒素含有ガスの露点温度を−50℃以下に維持することができる。テフロン(登録商標)などの樹脂製のガス供給管11を用いた場合には、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、外部から水蒸気などが流入することで窒素含有ガスの露点温度が上昇し、−50℃以下に維持することが困難となる。
坩堝12には、耐高温性の素材が用いられ、該素材として、例えばアルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)などのセラミックを用いることができる。
シード基板13には、窒化アルミニウム結晶と格子不整合率が小さい格子整合基板として、窒化アルミニウム薄膜を表面に形成した窒化サファイア基板を用いる。窒化サファイア基板は、例えば、特開2005−104829号公報、特開2006−213586号公報、特開2007−39292号公報などに開示されている方法により、窒化アルミニウム薄膜の結晶性が優れた窒化サファイア基板を得ることができる。なお、この方法により得られる窒化アルミニウム薄膜の膜厚は、10nm程度である。
保持プレート14は、上面にシード基板13が取り付けられ、Ga−Al合金融液15中でシード基板13を保持する。これにより、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、シード基板13がGa−Al合金融液15中で浮いたり、動いたりせず、所定の位置で維持することができる。
Ga−Al合金融液15は、ガリウムとアルミニウムとを含む融液である。具体的には、Ga−Al合金融液15中に含まれるガリウムとアルミニウムとのモル比率が99:1〜1:99の範囲のものを用いることができる。この中でも、低温成長および結晶性の観点から、GaとAlとのモル比率が98:2〜40:60の範囲のものが好ましく、98:2〜50:50の範囲のものが更に好ましい。
Ga−Al合金融液15中に導入する窒素含有ガスには、Nガス、NHガスなどを用いることができる。これらの中でも、安全性の観点からNガスを用いることが好ましい。一般的な窒素含有ガスの露点温度は、製造会社や製品種別などにより若干の違いはあるものの、−70℃〜−60℃程度である。また、窒素分圧は、通常0.01MPa以上1MPa以下である。
したがって、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、上述した通りの金属製のガス供給管11を用いるにより、窒素含有ガスの露点温度の上昇を防ぐことができ、ガス供給管11内の窒素含有ガスの露点温度を−50℃以下に維持することができる。これにより、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、Ga−Al合金融液15中に、露点温度が−50℃以下の窒素含有ガスを供給することができる。
次に、以上のような構成からなる窒化アルミニウム結晶製造装置1を用いた窒化アルミニウム結晶の製造方法について説明する。
窒化アルミニウム結晶の製造方法では、Ga−Al合金融液15中に窒素含有ガスを導入し、Ga−Al合金融液15中のシード基板13上に、液相成長法により窒化アルミニウム結晶を低温でエピタキシャル成長させる。より詳細には、この製造方法では、露点温度が−50℃以下の窒素含有ガスをGa−Al合金融液15中に供給する。
具体的には、先ず、図1に示す窒化アルミニウム結晶製造装置1にて、Nガス、Arガスなどの雰囲気中でGa−Al合金融液15を熱電対16で昇温させ、アルミニウムの融点に達した後、Ga−Al合金融液15中に露点温度が−50℃以下の窒素含有ガスを注入する。
ここで利用される窒素含有ガスは、露点温度が−70℃〜−60℃程度の範囲内にあるものである。上述した通り、窒化アルミニウム結晶製造装置1では、金属製のガス供給管11を用いることで、窒素含有ガスの露点温度の上昇を防ぐことができ、ガス供給管11内の窒素含有ガスの露点温度を−50℃以下に維持することができる。したがって、Ga−Al合金融液15中には、−50℃以下の露点温度を維持した窒素含有ガスが供給される。
一方、従来のように、テフロン(登録商標)などの樹脂製のガス供給管11を用いると、外部から水蒸気などが流入してしまい、露点温度が−70℃〜−60℃の窒素含有ガスを使用しても、その露点温度が上昇して−50℃以下に維持することが困難となる。そして、Ga−Al合金融液15中には、−50℃以上、具体的には−40℃程度の露点温度の窒素含有ガスが供給される。
次に、坩堝12内のGa−Al合金融液15の温度を1000℃以上1500℃以下に保ち、シード基板13を取り付けた保持プレート14をGa−Al合金融液15中に浸漬すると、シード基板13上に、窒化アルミニウム結晶がエピタキシャル成長する。
シード基板13上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させるためには、Ga−Al合金融液15の温度を1000℃以上とすることが好ましい。Ga−Al合金融液15の温度を1000℃以上にすると、導入された窒素含有ガス中に含まれる窒素とGa−Al合金融液15中のガリウムおよびアルミニウムとが、それぞれ化合する。その後、生成された窒化ガリウムおよび窒化アルミニウムの微結晶のうち窒化ガリウム微結晶が解離し、ガリウムと窒素に分解するため、窒化アルミニウム結晶成長の阻害を防ぐことができる。なお、窒化アルミニウム結晶の融点は、2000℃以上であり、1500℃以下では安定である。
また、窒化アルミニウム結晶は、1気圧の常圧条件でも成長させることができ、窒素の溶解度が小さい場合には加圧してもよい。
そして、所定時間が経過した後、シード基板13をGa−Al合金融液15から取り出して徐冷を行い、良好な窒化アルミニウム結晶が形成されたシード基板13を得る。
窒化アルミニウム結晶の製造方法では、上述の通り、金属製のガス供給管11を用いることで、露点温度が−50℃以下の窒素含有ガスをGa−Al合金融液15中に導入することができる。これにより、シード基板13として用いている窒化サファイア基板表面の窒素極性の窒化アルミニウム薄膜を維持することができ、シード基板13上にアルミニウム極性の窒化アルミニウム結晶を均一に安定してエピタキシャル成長させることができる。
一方、例えば、樹脂製のガス供給管11を用いることで、露点温度が上昇して−50℃より高くなった場合には、シード基板13として用いている窒化サファイア基板表面の窒素極性の窒化アルミニウム薄膜が部分的に消失してしまう。そして、その薄膜が消失した部分では、アルミニウム極性の窒化アルミニウム結晶が成長しないため、シード基板13上に均一に窒化アルミニウム結晶が形成されなくなる。
以上説明したように、Ga−Al合金融液を用いてシード基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる方法において、Ga−Al合金融液に導入する窒素含有ガスの露点温度を−50℃以下に維持することにより、シード基板表面の良好な結晶性を引き継ぎ、かつアルミニウム極性を有する窒化アルミニウム結晶を基板上に均一に安定して低温で得ることができる。
また、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザダイオード(LD:Laser diode)デバイスなどでは、光を放射する活性層に、量子井戸を複数重ねた多重量子井戸構造が用いられており、この構造は、各種薄膜を積層することにより形成されている。
すなわち、窒化アルミニウム結晶の製造方法では、結晶性に優れた窒化アルミニウム結晶をシード基板上に均一に安定して低温成長させることができるので、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、窒化アルミニウム結晶上に、この結晶の結晶性を引き継いだ良質な薄膜を形成することができる。その結果、各種デバイスの製造において、多重量子井戸構造を形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、先ず、c面サファイア基板を窒素分圧0.9atm/一酸化炭素分圧0.1atm、温度1500℃で1時間保持した後、窒素分圧1.0atmで5時間保持し、窒化サファイア基板を得た。
得られた基板上にc軸配向した窒化アルミニウム結晶について、チルト成分(結晶試料面に垂直な方向の結晶面の揺らぎ)の結晶性は窒化アルミニウム結晶(002)面のX線回折ロッキングカーブの半値幅で表し、ツィスト成分(結晶試料面内における回転方向の揺らぎ)の結晶性は窒化アルミニウム結晶(102)面のロッキングカーブの半値幅で表した。その結果、この窒化サファイア基板表面の窒化アルミニウム薄膜の結晶性は窒化アルミニウム結晶(002)面チルトの半値幅で51arcsecであり、窒化アルミニウム結晶(102)面ツィストは470arcsecであることが確認できた。
次に、ガリウムとアルミニウムのモル比率が60:40のGa−Al合金融液からなるフラックスを窒素ガス中で昇温した。そして、アルミニウムの融点に達した後、フラックス中に露点温度が−65℃の窒素ガスを圧力0.1MPa、20cc/minの流速でフラックス中に吹き込んだ。坩堝内のフラックスの温度を1300℃に保ち、常圧で窒化アルミニウム基板をフラックス中に浸漬した。5時間経過した後、窒化アルミニウム基板をフラックス中から取り出して徐冷を行った。
その結果、窒化アルミニウム結晶は窒化アルミニウム基板上に均一に成長し、成長した窒化アルミニウム結晶について、窒化アルミニウム結晶(002)面チルトのX線回折ロッキングカーブの半値幅は64arcsecで、(102)面ツィストの半値幅は510arcsecであることが確認できた。
また、成長した窒化アルミニウム結晶の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した結果、図2に示すように、窒化サファイア基板上の窒化膜の品質を受け継いだ配向性の高い良好な窒化アルミニウム結晶を均一にエピタキシャル成長させることが確認できた。また、窒化アルミニウム結晶の膜厚を測定したところ1.3μmであった。
さらに、成長した窒化アルミニウム膜について、CBED(Convergent-beam electron diffraction)法により極性を判定したところ、サファイア基板を窒化したことによって形成された窒化アルミニウム膜は窒素極性であるが、その上にエピタキシャル成長した窒化アルミニウム膜はアルミニウム極性であることが確認できた。
[実施例2]
実施例2では、露点温度が−52℃の窒素ガスをフラックス中に吹き込んだ以外は実施例1と同様にして、窒化アルミニウム基板上に窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、窒化アルミニウム基板上に窒化アルミニウム結晶は均一に成長し、成長した窒化アルミニウム膜について、窒化アルミニウム結晶(002)面チルトの半値幅は72arcsecで、(102)面ツィストの半値幅は521arcsecであることが確認できた。
また、実施例1と同様にしてSEMで観察した結果、窒化サファイア基板上の窒化膜の品質を受け継いだ配向性の高い良好な窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させることが確認できた。また、窒化アルミニウム結晶の膜厚を測定したところ1.0μmであった。
さらに、実施例1と同様にしてCBED法により極性を判定した結果、サファイア基板を窒化したことによって形成された窒化アルミニウム膜は窒素極性であるが、その上にエピタキシャル成長した窒化アルミニウム膜はアルミニウム極性であることが確認できた。
[比較例1]
比較例1では、露点温度が−40℃の窒素ガスをフラックス中に吹き込んだ以外は実施例1と同様にして、窒化アルミニウム基板上に窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、窒化アルミニウム基板表面の35%の部分で窒化アルミニウム結晶の成長を確認することができず、露点温度が−40℃の窒素ガスをフラックス中に吹き込んだ場合には、シード基板上に窒化アルミニウム結晶は均一に成長しないことが確認できた。
[比較例2]
比較例2では、露点温度が−45℃の窒素ガスをフラックス中に吹き込んだ以外は実施例1と同様にして、窒化アルミニウム基板上に窒化アルミニウム結晶を生成させた。
その結果、窒化アルミニウム基板表面の20%の部分で窒化アルミニウム結晶の成長を確認することができず、露点温度が−45℃の窒素ガスをフラックス中に吹き込んだ場合には、シード基板上に窒化アルミニウム結晶は均一に成長しないことが確認できた。
実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の結果から、Ga−Al合金融液を用いて窒化サファイア種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法において、Ga−Al合金融液に導入する窒素含有ガスの露点温度を−50℃以下に維持することにより、窒化サファイア種結晶基板表面の良好な結晶性を引き継ぎ、かつアルミニウム極性を有する窒化アルミニウム結晶が均一に安定して低温で得られることがわかった。
1 窒化アルミニウム結晶製造装置、10 ガス導入管、10a 供給口、10b 後端部、11 ガス供給管、11a 先端部、12 坩堝、13 シード基板、14 保持プレート、15 Ga−Al溶融液、16 ヒータ、17 ガス排出管、18 熱電対
ガス排出管、18 熱電対

Claims (1)

  1. Ga−Al合金融液に窒素含有ガスを導入し、該Ga−Al合金融液中の種結晶基板上に窒化アルミニウム結晶をエピタキシャル成長させる液相成長法による窒化アルミニウム結晶の製造方法において、
    露点温度が−50℃以下の前記窒素含有ガスを、可撓性を有する金属製のガス供給管を用いて保持プレート上面に取り付けられたシード基板にバブリングし、前記Ga−Al合金融液中に導入することを特徴とする窒化アルミニウム結晶の製造方法。
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