JP6357985B2 - 内燃機関の点火装置および点火方法 - Google Patents

内燃機関の点火装置および点火方法 Download PDF

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Description

この発明は、点火コイルを用いて点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置および点火方法に関し、特に、電極間のギャップ長の推定を行うようにした点火装置および点火方法に関する。
点火コイルを用いた点火装置にあっては、一次コイルに一次電流を通電した後、所定の点火時期に一次電流を遮断することで、二次コイルに高い放電電圧が発生し、混合気の絶縁破壊を伴って点火プラグの電極間で放電が生じる。詳しくは、極めて高い電圧の容量放電が瞬間的に生じ、これに続いて誘導放電が生じる。そして、誘導放電の間、電極間に流れる二次電流は、放電開始から時間経過に伴って三角波状に比較的急激に減少していく。
点火プラグの電極は放電に伴って徐々に消耗し、従って、電極間のギャップ長は、徐々に増加する。そして、このギャップ長がある限界まで拡大すると、点火プラグの交換が必要となる。
特許文献1,2には、このようなギャップ長の増大を機関運転中に監視する技術が提案されている。特許文献1は、点火プラグの放電に必要な要求電圧がギャップの増大に伴って上昇することに着目したものであり、点火プラグに印加される電圧を検出し、この電圧が負荷に基づき設定される基準電圧よりも高くなったときに、ギャップ長が異常に増大したことを示す異常信号を出力する。
特許文献2は、放電電圧毎および電極温度毎に区分して放電回数を積算するとともに、放電電圧に基づく電極の消耗体積と電極温度に基づく電極の消耗体積とを加算して、全消耗体積を求め、これをギャップ長に換算するようにした技術を開示している。そして、特許文献2では、得られたギャップ長が閾値に到達したら、警告灯を点灯して、ドライバに報知する。
特開平8−106970号公報 特開2009−180157号公報
特許文献1の方法では、点火プラグに印加される非常に高い電圧を取り扱うため、実際の内燃機関への適用が困難である。また、同一負荷でも点火時期が異なると要求電圧が変化するので、判定誤差が大きい。
一方、特許文献2の方法は、結局は、点火プラグを新たなものに交換してからの運転履歴に基づいてギャップ長を推定する技術に過ぎず、実際の現時点の運転状態のみからギャップ長を推定し得るものではない。
この発明は、点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置において、
上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出する放電時間検出手段と、
点火時期における筒内のガス密度を求めるガス密度算出手段と、
点火時期における筒内のガス流速を求めるガス流速算出手段と、
上記の放電時間と点火時期における筒内ガス密度と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて上記電極間のギャップ長を推定するギャップ長推定手段と、
を備えて構成されている。
上記の点火時期における筒内ガス密度に代えて、点火時期における筒内ガス圧力を用いてもよい。
すなわち、放電時間に影響を与える感度の高いパラメータは、点火時期における筒内ガス密度(あるいは筒内ガス圧力)、点火時期における筒内ガス流速、放電ギャップ長、の3つである。これらの3つのパラメータが定まると、放電時間は一義的に定まる。従って、逆に、点火時期における筒内ガス密度(あるいは筒内ガス圧力)、点火時期における筒内ガス流速、放電時間、の3つのパラメータに基づいて、放電時のギャップ長を推定することが可能である。
さらに、請求項8に係る発明は、点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置において、
上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出する放電時間検出手段と、
点火時期における筒内のガス密度もしくは圧力を求めるガス密度/圧力算出手段と、
点火時期における筒内のガス流速を求めるガス流速算出手段と、
上記の点火時期における筒内ガス密度もしくは圧力と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて限界ギャップ長に対応する放電時間閾値を求める閾値算出手段と、
上記放電時間が上記閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、
を備えて構成されている。
上述したように、点火時期における筒内ガス密度(あるいは筒内ガス圧力)、点火時期における筒内ガス流速、放電時間、の3つのパラメータに基づいて、放電時のギャップ長を推定することが可能であり、放電時間が限界ギャップ長に対応する放電時間閾値以下であれば、ギャップ長が限界ギャップ長以上であることになる。
この発明によれば、放電電圧の検出を要さずに、また過去の履歴に依存せずに、機関運転中のギャップ長を精度よく推定することができ、あるいは、ギャップ長が許容範囲内であるか否かを精度よく判定することができる。
この発明が適用された内燃機関の一実施例を示す構成説明図。 各気筒の点火ユニットの構成を示す構成説明図。 点火コイルにおける一次電流等の波形図。 検出対象となる二次電流の放電時間の説明図。 点火時期における筒内ガス密度と放電時間との関係を示す特性図。 点火時期における筒内ガス流速と放電時間との関係を示す特性図。 放電ギャップ長と放電時間との関係を示す特性図。 点火時期における筒内ガス圧力と放電時間との関係を示す特性図。 この発明の第1実施例を示すフローチャート。 点火時期および回転速度に対する筒内ガス流速の特性を示す特性図。 この発明の第2実施例を示すフローチャート。 ギャップ長推定を行う点火時期の範囲を示す特性図。 この発明の第3実施例を示すフローチャート。 外部EGR導入に伴うギャップ長推定の禁止処理を示すフローチャート。 この発明の第4実施例を示すフローチャート。
図1は、この発明が適用された自動車用内燃機関1のシステム構成を示している。この内燃機関1は、直列4気筒の筒内直噴型火花点火式内燃機関であって、各気筒毎に、筒内へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁2を備えているとともに、生成された混合気に点火を行うための点火プラグ3を例えば天井面中央部に備えている。この点火プラグ3は、各気筒毎に設けられる後述する点火ユニット4に接続されている。例えば、点火プラグ3の上端の端子部に点火ユニット4が直接に接続されるように、各点火ユニット4が配置されている。
また各気筒は、吸気弁5と排気弁7とを具備しており、吸気コレクタ8に接続された吸気ポートの先端が吸気弁5によって開閉され、かつ排気通路9に接続された排気ポートの先端が排気弁7によって開閉される。ここで、本実施例では、吸気弁5は、該吸気弁5の開閉時期(少なくとも閉時期)を可変制御できる可変動弁装置6を備えている。なお、本発明においては、可変動弁装置6は必ずしも必須のものではない。
上記吸気コレクタ8の入口部には、エンジンコントローラ10からの制御信号によって開度が制御される電子制御型スロットル弁11が介装されている。
上記エンジンコントローラ10には、機関回転速度を検出するためのクランク角センサ13、吸入空気量を検出するエアフロメータ14、冷却水温を検出する水温センサ15、運転者により操作されるアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ16、排気空燃比を検出する空燃比センサ17、等のセンサ類の検出信号が入力されている。エンジンコントローラ10は、これらの検出信号に基づき、燃料噴射弁2による燃料噴射量および噴射時期、点火ユニット4を介した点火プラグ3の点火時期、吸気弁5の開閉時期、スロットル弁11の開度、等を最適に制御している。
上記点火ユニット4は、図2に詳細を示すように、一次コイル21aおよび二次コイル21bを含む点火コイル21と、この点火コイル21の一次コイル21aに対する一次電流の通電・遮断を制御するイグナイタ22と、を含んでおり、点火コイル21の一次コイル21aに車載バッテリ24が接続され、二次コイル21bに点火プラグ3が接続されている。そして、放電時に点火プラグ3の電極間に流れる二次電流をモニタするために、二次コイル21bと直列に二次電流検知用抵抗23が設けられている。この二次電流検知用抵抗23を介して検出される各気筒の二次電流を示す信号は、それぞれエンジンコントローラ10に入力され、該エンジンコントローラ10によってモニタされる。
図3は、上記のように点火コイル21を用いた点火ユニット4の作用を示したものである。エンジンコントローラ10から出力される制御信号(点火信号)に基づき、点火コイル21の一次コイル21aに、イグナイタ22を介して適宜な通電時間の間、一次電流が通電される。この一次電流は、所定の点火時期において遮断される。この一次電流の遮断に伴って、二次コイル21bに高い放電電圧(二次電圧)が発生し、混合気の絶縁破壊を伴って点火プラグ3の電極間で放電が生じる。詳しくは、極めて高い電圧の容量放電が瞬間的に生じ、これに続いて誘導放電が生じる。そして、誘導放電の間、電極間に流れる二次電流は、放電開始から時間経過に伴って三角波状に比較的急激に減少していく。
エンジンコントローラ10は、図4に示すように、所定の閾値以上の二次電流が流れる時間を放電時間Tdisとして読み込む。上記閾値としては、誤検出を回避するように適当な値に設定されるが、0に近い非常に小さな値であってもよい。なお、絶縁破壊時の容量放電の期間は非常に短いので、上記の放電時間Tdisは、概ね誘導放電期間である。
本発明者の知見によれば、放電時間に影響を与える感度の高いパラメータは、点火時期における筒内ガス密度(あるいは筒内ガス圧力)、点火時期における筒内ガス流速、放電ギャップ長、の3つである。すなわち、放電時間についての多数のデータを重回帰分析した結果、比較的感度の高いこれらの3つのパラメータに基づき放電時間を高精度に予測できることが判明した。従って、逆に、点火時期における筒内ガス密度(あるいは筒内ガス圧力)、点火時期における筒内ガス流速、放電時間、の3つのパラメータに基づいて、放電時のギャップ長を推定することが可能である。
図5は、点火時期における筒内ガス流速およびギャップ長が一定の条件の下で、点火時期における筒内ガス密度と放電時間との関係を求めた結果を示している。図示するように、筒内ガス密度が高いほど放電時間が短くなる。
図6は、点火時期における筒内ガス密度およびギャップ長が一定の条件の下で、点火時期における筒内ガス流速と放電時間との関係を求めた結果を示している。図示するように、筒内ガス流速が高いほど放電時間が短くなる。
図7は、点火時期における筒内ガス密度および点火時期における筒内ガス流速が一定の条件の下で、ギャップ長と放電時間との関係を求めた結果を示している。図示するように、ギャップ長が大きいほど放電時間が短くなる。
図8は、点火時期における筒内ガス流速およびギャップ長が一定の条件の下で、点火時期における筒内ガス圧力と放電時間との関係を求めた結果を示している。図示するように、筒内ガス圧力が高いほど放電時間が短くなる。
放電時間Tdisは、ギャップ長をGp、点火時期における筒内ガス密度をNg、点火時期における筒内ガス流速をFg、とすると、次式により示すことができる。
Tdis=−A・Gp−B・Ng−C・Fg+X
ここで、「−A」、「−B」、「−C」は、重回帰分析により求めた各々の係数であり、Xは同じく重回帰分析により求めた定数である。
従って、ギャップ長Gpは、次式(1)により求めることができる。
Gp=(−Tdis−B・Ng−C・Fg+X)/A ・・・(1)
点火時期における筒内ガス密度Ngに代えて点火時期における筒内ガス圧力Pgを用いた場合も同様であり、放電時間Tdisは、次式により示すことができる。
Tdis=−A’・Gp−B’・Pg−C’・Fg+Y
ここで、「−A’」、「−B’」、「−C’」は、重回帰分析により求めた各々の係数であり、Yは同じく重回帰分析により求めた定数である。
従って、ギャップ長Gpは、次式(2)により求めることができる。
Gp=(−Tdis−B’・Pg−C’・Fg+Y)/A’ ・・・(2)
図9は、ギャップ長Gpを、点火時期における筒内ガス密度Ng、点火時期における筒内ガス流速Fg、放電時間Tdis、の3つのパラメータに基づいて推定するようにした第1実施例の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、エンジンコントローラ10において、例えば各気筒の点火のたびに実行される。
ステップ1では、内燃機関1の回転速度ならびに負荷、およびその他の必要な環境条件を読み込む。ステップ2では、これらの条件に基づき、吸気圧P1、点火時期ADV、可変動弁装置6のバルブタイミング、等を決定する。
ステップ3では、点火時期における筒内ガス密度Ngを算出する。
点火時期における筒内ガス密度Ngは、点火時期における筒内ガス圧力Pgと点火時期における筒内ガス温度Tgを用いて、下記の(3)式により求めることができる。なお、C1は定数である。
Ng=Pg/Tg×C1 ・・・(3)
点火時期における筒内ガス圧力Pgは、吸気圧P1、点火時期における実圧縮比εign、比熱比κに対し、次の(4)式の関係がある。
Pg=P1×εignκ ・・・(4)
点火時期における筒内ガス温度Tgは、圧縮開始筒内ガス温度T1、点火時期における実圧縮比εign、比熱比κに対し、次の(5)式の関係がある。
Tg=T1×εignκ-1 ・・・(5)
ここで、吸気圧P1および比熱比κは、例えば、機関回転速度と負荷、あるいは点火時期をパラメータとして予め作成したマップないしテーブルを参照して求めることができる。吸気圧P1については、吸気コレクタ8に吸気圧センサを設けて直接検出することも可能である。
圧縮開始筒内ガス温度T1は、例えば、吸気温と油水温をパラメータとして予め作成したマップないしテーブルを参照して求めることができる。
点火時期における実圧縮比εignは、吸気弁閉時期の容積Vivcと点火時期における容積Vignに対し、次の(6)式の関係がある。
εign=Vivc/Vign ・・・(6)
次にステップ4では、点火時期における筒内ガス流速Fgを算出する。筒内ガス流速は、クランク角と機関回転速度とに対し、図10に示すような関係がある。従って、点火時期ADVが決まれば、そのときの機関回転速度に基づき、図10の関係から、点火時期における筒内ガス流速Fgを求めることができる。
ステップ5では、図4に示したように、二次電流値に基づき放電時間Tdisを検出する。
ステップ6では、上記のように求めた3つのパラメータ(Tdis、Ng、Fg)を用いて、上述した下記(1)式からギャップ長Gpを算出する。
Gp=(−Tdis−B・Ng−C・Fg+X)/A ・・・(1)
ステップ7では、推定したギャップ長Gpを所定の閾値Gp0と比較する。推定したギャップ長Gpが閾値Gp0以上であれば、ステップ8へ進み、警告灯の点灯などにより、点火プラグ3を交換すべきことを報知する。
このように、上記実施例によれば、点火時期における筒内ガス密度Ng、点火時期における筒内ガス流速Fg、放電時間Tdis、の3つのパラメータを直接もしくは間接に求めることで、ギャップ長Gpを精度よく推定することができる。
次に、図11は、ギャップ長Gpを、点火時期における筒内ガス圧力Pg、点火時期における筒内ガス流速Fg、放電時間Tdis、の3つのパラメータに基づいて推定するようにした第2実施例の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、エンジンコントローラ10において、例えば各気筒の点火のたびに実行される。
ステップ11では、内燃機関1の回転速度ならびに負荷、およびその他の必要な環境条件を読み込む。ステップ12では、これらの条件に基づき、吸気圧P1、点火時期ADV、可変動弁装置6のバルブタイミング、等を決定する。
次のステップ13では、点火時期ADVが、ギャップ長Gpの推定を行うべき所定のクランク角範囲にあるかを判定する。つまり、点火時期ADVが図12に示す所定のクランク角ADV1よりも遅角側にあることを条件としてギャップ長の推定を行う。クランク角ADV1は、図12に示すように、ガス流速の絶対値が小さく、かつガス流速変動も小さくなる領域に設定される。点火時期ADVが所定のクランク角ADV1よりも進角側であれば、ギャップ長Gpの推定は行わない。これにより、推定誤差を小さなものとすることができる。
ステップ14では、点火時期における筒内ガス圧力Pgを算出する。点火時期における筒内ガス圧力Pgは、前述したように、次の(4)式の関係から求めることができる。
Pg=P1×εignκ ・・・(4)
ステップ15およびステップ16は、前述した実施例のステップ4およびステップ5と同様であり、それぞれ、点火時期における筒内ガス流速Fg、および、放電時間Tdisを求める。
ステップ17では、上記のように求めた3つのパラメータ(Tdis、Pg、Fg)を用いて、上述した下記(2)式からギャップ長Gpを算出する。
Gp=(−Tdis−B’・Pg−C’・Fg+Y)/A’ ・・・(2)
ステップ18では、推定したギャップ長Gpを所定の閾値Gp0と比較し、推定したギャップ長Gpが閾値Gp0以上であれば、ステップ19へ進んで、警告灯の点灯などを行う。
次に、図13のフローチャートは、ギャップ長Gpを、点火時期における筒内ガス圧力Pg、点火時期における筒内ガス流速Fg、放電時間Tdis、の3つのパラメータに基づいて推定するに際して、さらに、EGR率(R_egr)、空燃比(AFR)、バッテリ電圧(Vb)を考慮するようにした第3実施例を示している。このフローチャートに示す処理は、エンジンコントローラ10において、例えば各気筒の点火のたびに実行される。
ステップ21では、内燃機関1の回転速度ならびに負荷、およびその他の必要な環境条件を読み込む。ステップ22では、これらの条件に基づき、吸気圧P1、点火時期ADV、可変動弁装置6のバルブタイミング、目標のEGR率、目標の空燃比、等を決定する。
次のステップ23では、前述した第2実施例のステップ13と同じく、点火時期ADVが、ギャップ長Gpの推定を行うべき所定のクランク角ADV1よりも遅角側にあるか否かを判定する。
ステップ24〜26は、前述した第2実施例のステップ14〜16と同様であり、それぞれ、点火時期における筒内ガス圧力Pg、点火時期における筒内ガス流速Fg、および、放電時間Tdisを求める。
ステップ27では、そのときのEGR率R_egr、空燃比AFR、バッテリ電圧Vb、をそれぞれ読み込む。
ステップ28では、上記のように求めた計6つのパラメータ(Tdis、Pg、Fg、R_egr、AFR、Vb)を用いて、下記(7)式からギャップ長Gpを算出する。
すなわち、EGR率R_egr、空燃比AFR、バッテリ電圧Vbが放電時間Tdisに与える影響も、前述した(1)式、(2)式と同様に、重回帰分析により求めることができる。なお、これらのEGR率等による影響は、ギャップ長Gp、点火時期における筒内ガス圧力Pg、点火時期における筒内ガス流速Fg、の3つの主要な要因に比べて、相対的に小さい。
放電時間Tdisは、次式により示すことができる。
Tdis=−A”・Gp−B”・Pg−C”・Fg−D・R_egr−E・AFR+F・Vb+Z
ここで、「−A”」、「−B”」、「−C”」、「−D」、「−E」、「F」は、重回帰分析により求めた各々の係数であり、Zは同じく重回帰分析により求めた定数である。
従って、ギャップ長Gpは、次式(7)により求めることができる。
Gp=(−Tdis−B”・Pg−C”・Fg−D・R_egr−E・AFR+F・Vb+Z)/A” ・・・(7)
ステップ29では、推定したギャップ長Gpを所定の閾値Gp0と比較し、推定したギャップ長Gpが閾値Gp0以上であれば、ステップ30へ進んで、警告灯の点灯などを行う。
このように上記第3実施例では、EGR率R_egr、空燃比AFR、バッテリ電圧Vb、に基づいて、ギャップ長Gpが補正されるので、その推定精度がより高くなる。なお、上記第3実施例では、EGR率R_egr、空燃比AFR、バッテリ電圧Vb、の全てを考慮しているが、この中の一つあるいは二つのパラメータを考慮するようにしてもよい。あるいは、図示しないが、点火時期における筒内ガス温度Tgによる補正を加えるようにしてもよい。
次に、図14は、外部EGRの導入時にギャップ長Gpの推定を禁止するようにした実施例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えば、第1〜第3実施例のフローチャートと組み合わされて用いられる。
ステップ41では、内燃機関1の回転速度ならびに負荷、およびその他の必要な環境条件を読み込む。ステップ42では、これらの条件に基づき、吸気圧P1、点火時期ADV、可変動弁装置6のバルブタイミング、目標のEGR率、目標の空燃比、等を決定する。
次のステップ43では、外部EGRの導入が行われる運転条件であるか否かを判定する。外部EGRが導入される条件であれば、ステップ44へ進んで、ギャップ長Gpの推定を禁止する。外部EGRが導入されない条件であれば、ステップ45へ進んで、ギャップ長Gpの推定を許可する。
このように外部EGRが導入されるときにギャップ長Gpの推定を禁止することで、外部EGRに起因した誤判定が防止される。
次に、図15は、点火プラグ3の交換が必要な限界ギャップ長に対応する放電時間閾値を求め、放電時間Tdisがこの閾値以下となったときに警告灯の点灯等を行うようにした第4実施例のフローチャートを示している。このフローチャートに示す処理は、エンジンコントローラ10において、例えば各気筒の点火のたびに実行される。
ステップ51では、内燃機関1の回転速度ならびに負荷、およびその他の必要な環境条件を読み込む。ステップ52では、これらの条件に基づき、吸気圧P1、点火時期ADV、可変動弁装置6のバルブタイミング、等を決定する。
ステップ53では、第1実施例のステップ3と同様の処理により、点火時期における筒内ガス密度Ngを算出する。
ステップ54では、第1実施例のステップ4と同様の処理により、点火時期における筒内ガス流速Fgを算出する。
ステップ55では、点火プラグ3の交換が必要な限界ギャップ長Gp_lmtに対応する放電時間閾値LMTTdを求める。これは、前述した重回帰分析による「Tdis=−A・Gp−B・Ng−C・Fg+X」の関係から、限界ギャップ長Gp_lmt、点火時期における筒内ガス密度Ng、点火時期における筒内ガス流速Fg、を用いて求めることができる。
ステップ56では、図4に示したように、二次電流値に基づき放電時間Tdisを検出する。
ステップ57では、検出した放電時間Tdisを放電時間閾値LMTTdと比較する。放電時間Tdisが放電時間閾値LMTTd以下であれば、ギャップ長Gpが限界ギャップ長Gp_lmt以上であることを意味するので、ステップ58へ進み、警告灯の点灯などにより、点火プラグ3を交換すべきことを報知する。
このように、上記第4実施例によれば、放電時間Tdisの長短からギャップ長Gpが許容範囲内であるか否かを精度よく判定することができる。
なお、上記第4実施例において、点火時期における筒内ガス密度Ngに代えて点火時期における筒内ガス圧力Pgを用いることも可能である。
3…点火プラグ
4…点火ユニット
10…エンジンコントローラ
21…点火コイル
23…二次電流検知用抵抗

Claims (10)

  1. 点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置において、
    上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出する放電時間検出手段と、
    点火時期における筒内のガス密度を求めるガス密度算出手段と、
    点火時期における筒内のガス流速を求めるガス流速算出手段と、
    上記の放電時間と点火時期における筒内ガス密度と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて上記電極間のギャップ長を推定するギャップ長推定手段と、
    を備えてなる内燃機関の点火装置。
  2. 点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置において、
    上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出する放電時間検出手段と、
    点火時期における筒内のガス圧力を求めるガス圧力算出手段と、
    点火時期における筒内のガス流速を求めるガス流速算出手段と、
    上記の放電時間と点火時期における筒内ガス圧力と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて上記電極間のギャップ長を推定するギャップ長推定手段と、
    を備えてなる内燃機関の点火装置。
  3. 点火時期における筒内のガス温度に基づき推定ギャップ長の補正を行う、請求項2に記載の内燃機関の点火装置。
  4. 上記ガス流速算出手段は、内燃機関の回転速度と点火時期とから点火時期における筒内ガス流速を求める、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の点火装置。
  5. 点火時期が所定のクランク角よりも遅角側にあることを条件としてギャップ長の推定を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の点火装置。
  6. 内燃機関のEGR率、空燃比、バッテリ電圧、の少なくとも一つに基づき、推定ギャップ長の補正を行う、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の点火装置。
  7. 外部EGRの導入時にギャップ長推定を禁止する、請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の点火装置。
  8. 点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火装置において、
    上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出する放電時間検出手段と、
    点火時期における筒内のガス密度もしくは圧力を求めるガス密度/圧力算出手段と、
    点火時期における筒内のガス流速を求めるガス流速算出手段と、
    上記の点火時期における筒内ガス密度もしくは圧力と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて限界ギャップ長に対応する放電時間閾値を求める閾値算出手段と、
    上記放電時間が上記閾値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    を備えてなる内燃機関の点火装置。
  9. 点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火方法において、
    上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出し、
    点火時期における筒内のガス密度を求め、
    点火時期における筒内のガス流速を求め、
    上記の放電時間と点火時期における筒内ガス密度と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて上記電極間のギャップ長を推定する、
    内燃機関の点火方法。
  10. 点火コイルの一次コイルに一次電流を通電しかつ遮断することで、二次コイルに接続された点火プラグの電極間に放電電圧を発生させる内燃機関の点火方法において、
    上記電極間を二次電流が流れる放電時間を検出し、
    点火時期における筒内のガス圧力を求め、
    点火時期における筒内のガス流速を求め、
    上記の放電時間と点火時期における筒内ガス圧力と点火時期における筒内ガス流速とに基づいて上記電極間のギャップ長を推定する、
    内燃機関の点火方法。
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