JP6324276B2 - シートパッドの製造方法及びその製造用発泡型 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用座席シートを構成するシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型に関する。
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部や背もたれを構成するシートクッションやシートバック等のシートパッドがある。そして、リアシートの背もたれ用バックパッドとドアとの間に配設される図1のようなサイドシートパッドには、上部にシートベルトやレバーなどを取り出すための開口部50を有するものが存在する。斯かる開口部50が在るシートパッド5は、従来、図10のような発泡型を用いて製造されてきた。下型8と上型9との型閉じで、下型シール部84と上型シール部94とで開口部50の部位が密着するようにして、開口部50を形成してきた。具体的には、型開状態で下型型面81に発泡原料を注入して型閉じし、その後の発泡成形で図1のようなサイドシートパッド5を発泡成形した。しかし、下型8の主型面82上に注入した発泡原料を、先端部分5b用の先端域型面83へ導くには、開口部50を形成する両脇の狭い流路を図11の矢印のごとく進んでいかねばならず、発泡原料の流れに対して抵抗が大きかった。特に先端域型面83が開口部50から延在して上向き傾斜面を形成している場合、該先端域型面83に直接発泡原料を注入しても主型面82へ該発泡原料が流れ出てしまい、先端域型面83に発泡原料を留めておくことが難しい。そのため、発泡成形されたサイドシートパッド5に欠肉部分Kができ易く、歩留まり低下の問題を抱えていた。こうした問題を改善すべく、例えば、バイパス部を設ける発明が提案されている(特許文献1)。
特開2002−336089号公報
しかるに、特許文献1に基づくシートパッドの製造方法では、発泡成形後にバイパス部を一本ずつ切り取らねばならず、切除の後加工が厄介となる。図1のような開口部50の両サイドの肉厚が薄いシートパッド5の場合は、開口部50の先の先端部分5bに発泡原料を特に充填し難いので、バイパス部の本数を増やさねばならない。本数が増えればさらに負担が増す。また、バイパス部の断面径が小さいことから、依然としてバイパス部を流れる発泡原料に対して抵抗が大であり、バイパス部を通ってその先の必要箇所へ発泡原料を送り込むには困難を強いられる。
さらに、バイパス部の切除跡が意匠面の一部になり、切断処理の他、後加工処理が大変になる。加えて、図1のように開口部50が大きく、且つ開口部50の先にある先端部分5bへの発泡原料の供給必要量が大である場合、仮にバイパス部の断面積を大きくして対応できたとしても、後加工の問題だけに終わらない。バイパス部は材料ロスの部分であり、材料ロスの増大が避けられない問題もある。
本発明は、上記問題を解決するもので、発泡原料の材料ロスを減らし、さらに後加工等の負担を減らすことも可能にして、開口部の先の先端部分に発生してきた欠肉部分をなくすシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、下型に発泡原料を注入後、型閉じし、続いて、発泡成形させて、本体主部から一端寄りに設けた開口部の先に、先端部分が延在したシートパッドを製造する方法において、前記開口部にあたる下型の型面部位に、その開口部に対応する大きさの上面開放口を有する窪みを下方へ向けて形成する一方、上型には型閉じで該窪みに入り込む凸部を形成し、下型型面へ発泡原料を注入して該窪みに発泡原料を溜めた後、型閉じに伴い、該窪みに前記凸部が入り込んで、その窪みに溜まった発泡原料を前記先端部分のキャビティ側へ押し出すようにしたことを特徴とするシートパッドの製造方法にある。請求項2の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項1で、下型の主型面で前記本体主部を形成し、さらに前記窪みを配設して延在する下型の先端域型面で前記先端部分を形成し、且つ該先端域型面が在る方の下型の一端側に設けたヒンジを支点に開閉する上型が取付けられて、該上型の型閉めに伴い、前記窪みで、該ヒンジから遠のく他端側の面を形成する側壁面に、前記凸部のうち、ヒンジから遠のく他端側の面を形成する側面がかすめるようにして、該凸部が窪み底へ向けて入り込むことを特徴とする。請求項3の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項2で、ほぼ水平に配した前記主型面に対し、前記先端域型面を、その先端側が上方に向く上向き傾斜型面にして、水平配設した前記本体主部に対し先端側が上向く前記先端部分を形成し、該上向き傾斜型面が在る方の下型の一端側に設けたヒンジを支点に開閉する上型が取付けられたことを特徴とする。
請求項4の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項2又は3で、窪みは、前記ヒンジから遠のく他端側の面になる側壁面が、前記窪み底から前記上面開放口へ向けて外方へ傾く上方傾斜面をなし、且つ型閉じで、該窪みに入り込んだ前記凸部の他端側の側面とこれと対向する該窪みの他端側の側壁面との隙間の寸法を、該凸部の前記ヒンジ側に近い一端側の側面とこれと対向する窪みの一端側の側壁面との隙間の寸法よりも小さく設定したことを特徴とする。請求項5の発明たるシートパッドの製造方法は、請求項2〜4で、型閉じで、前記窪みに入り込んだ前記凸部の他端側の側面とこれと対向する前記窪みの他端側の側壁面との隙間が狭まり、その一部が少なくとも当接するようにしたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明の要旨は、本体主部から一端寄りに設けた開口部の先に、先端部分が延在するシートパッドを製造する発泡型において、下型の型面に、前記本体主部を形成する主型面と、前記開口部にあたる下型の型面部位に、その開口部に対応する大きさの上面開放口を有して下方へ向けて凹む窪みと、前記主型面から該窪みを介して延在する前記先端部分用の先端域型面と、を具備し、且つ該上型には型閉じで該窪みに入り込む凸部が設けられて、型閉じに伴い、該窪みに該凸部が入り込んで、その窪みに溜まった発泡原料を前記先端部分のキャビティ側へ押し出すようにしたことを特徴とするシートパッドの製造用発泡型にある。
本発明のシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型は、後加工負担,材料ロスを軽減し、シートパッド製品の品質安定,歩留まり向上等を果たすことができ、優れた効果を発揮する。
本発明に係るシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型の一形態で、表面側から見たシートパッドの斜視図である。 裏面側から見たシートパッド上部の斜視図である。 型開状態下における発泡型の要部斜視図である。 型開状態で、発泡原料の注入下にある発泡型の説明断面図である。 図4の状態から発泡原料の注入を終え、型閉じした要部断面図である。 (イ)が型開状態で、発泡原料を注入している断面図、(ロ),(ハ)が(イ)から窪みに在る発泡原料を押し出す様子の要部断面図である。 型閉じ下の窪み周りの拡大断面図である。 型閉じ後、シートパッドを発泡成形する様子を示す説明断面図である。 図8に代わる他態様の要部拡大断面図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明に係るシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型について詳述する。
図1〜図9は本発明のシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型の一形態で、図1は表面側から見たシートパッドの全体斜視図、図2は裏面側から見たシートパッド上部の斜視図、図3は発泡型の要部斜視図、図4は型開状態で、発泡原料の注入下にある発泡型の説明断面図、図5は図4の状態から発泡原料の注入を終え、型閉じした要部断面図、図6は(イ)が型開状態で発泡原料を注入している断面図、(ロ),(ハ)が(イ)から型閉じ進行した断面図、図7は型閉じ時における窪み周りの拡大断面図、図8はシートパッドを発泡成形する様子を示す説明断面図、図9は図8に代わる他態様の要部断面図である。尚、図面を判りやすくするため、各部を簡略図示して描く。
本シートパッドの製造方法及びその製造用発泡型は、車両後部の座席背もたれを構成するバックパッドとドアとの間に設置され、バックパッドとは別体のサイドシートパッド5(以下、単に「シートパッド」ともいう。)に適用する。サイドシートパッド5は図1のような縦長に対し横幅が狭い本体主部5aを有する発泡成形品である。使用状態下で、やや車両後方に向け上方傾斜させたバックパッドに合わせて、クッション性の厚板状本体主部5aが車幅方向に横並びに配され、その上端からクッション性の厚板状先端部分5bが車両後方へ延びるように形成される。本体主部5aの上端域から先端部分5bの導入域に、図1ごとくのレバーやシートベルト用の開口部50が設けられる。符号5cはバックパッド側壁への当て部分、符号5dはドア周囲形成部への当て部分で、車両への組付けを終えると隠れる部分になる。
シートパッド5の製造では、下型2に発泡原料gを注入後、型閉じし、続いて、発泡成形させて、本体主部5aから一端寄りに設けた開口部50の先に、先端部分5bが延在したシートパッド5を成形するが、これに先立ち、シートパッド5の製造用発泡型1を準備する。
シートパッド5の製造用発泡型1は、分割型で構成され、図1のサイドシートパッド5を発泡成形する金型である。図3〜図8ごとくの分割型で、下型2と上型3とを備える。ヒンジ4を支点にして図4から図5のように型閉じすると、全体的に凹み度合いが大きな下型2の型面21と、上型3との型面31とで、サイドシートパッド5のキャビティCを形成する。本体主部5a用キャビティC1と、シートパッド5の開口部50用の窪み25と凸部35との嵌合部分に続き、その先に先端部分5b用キャビティC2と、ができる。
下型2の型面21には、本体主部5aを形成する主型面22と、開口部50にあたる下型2の型面部位で凹む窪み25と、主型面22から該窪み25を介して延在する先端部分5b用の先端域型面23と、を備える(図4)。窪み25が発泡原料gの溜め池になる。先端域型面23が在る方の下型2には、その一端側の上端部分2eに、ヒンジ4を支点に開閉する上型3の一端側の角部3fが取付けられる。ここで、本発明でいう「一端側」とは先端域型面23がある方、ヒンジ4側を指し、図4〜図9では紙面左側を指す。「他端側」は先端域型面23がある側と逆側を指し、図4〜図9では紙面右側を指す。
上型3には型閉じで窪み25に入り込む凸部35が設けられる。前記窪み25とで、窪み25内の発泡原料gを押し出す構造の凸部35とする。
前記窪み25は、開口部50に対応する大きさの上面開放口25uを有して下方へ向けて四角錐台状に凹む(図3)。窪み25は、ヒンジ4から遠のく他端側の面になる側壁面26が、窪み底25bから上面開放口25uへ向けて外方へ傾く上方傾斜面をなす(図4)。該側壁面26に対し、ヒンジ4に近い側はほぼ垂直面になる側壁面27とする。
この窪み25に、凸部35が型閉じに伴って入り込んで、窪み25に溜まった発泡原料gを先端部分5bのキャビティC2側へ押し出す。凸部35は四角錐台状に凹む窪み25の形状に合わせた図3ごとくの角錐台状にする。特に、型閉じ状態下で、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側面36は、凸部35の基端に向けて、窪み25を形成する側壁面26の上方傾斜面に合わせた傾斜面にする(図6)。
サイドシートパッド5は、図8のように略水平に配した本体主部5aに対し、先端が上向きの上昇傾斜する先端部分5bを形成している。このサイドシートパッド5の形状に合わせて、発泡型1は、本体主部5aの意匠面51側を形成する下型2の主型面22をほぼ水平に配して、先端部分5bを形成する先端域型面23が、窪み25を配設して延在する上向き傾斜型面23aになっている。
そして、型閉じで、窪み25に入り込んだ凸部35の他端側の側面36とこれと対向する窪み25の他端側の側壁面26との隙間ε1の寸法が、凸部35のヒンジ4側に近い一端側の側面37とこれと対向する窪み25の一端側の側壁面27との隙間ε2の寸法よりも小さく設定される(図7)。隙間寸法の値は相加平均値とする。隙間寸法は2〜10mm程度とする。窪み25に凸部35が入り込むと、隙間ε2の寸法よりも隙間ε1の寸法が小さいので、通液抵抗は隙間ε2側が小さくなり、図7の矢印のごとく窪み25内の発泡原料gがヒンジ4に近い方の先端部分5bへより効果的に押し出される。
また、上型3の型閉めに伴い、窪み25で、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側壁面26に、凸部35のうち、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側面36がかすめるようにして、該凸部35が窪み底25bへ向けて入り込む。図6(イ)〜(ハ)のように、ヒンジ4から遠のく側の窪み25の側壁面26に、ヒンジ4から遠のく側の凸部35の側面36が、側壁面26をかすめるようにして、上型3の型閉じが進行する。窪み25内に溜まった発泡原料gは、型閉じ進行時に主型面22側へ押し出される途がほぼ閉ざされる格好で、該発泡原料gが必要な先端域型面23の方へ円滑に押し出される発泡型構造になる。
さらに、図7のごとく、型閉じ完了下で、窪み25に入り込んだ凸部35の他端側の側面36とこれと対向する窪み25の他端側の側壁面26との隙間が狭まり、その一部が少なくとも当接Tするように設定するとより好ましくなる。発泡成形を終えたシートパッド5で、開口部50を塞ぐバりBRは、該当接Tによってこの部分がスリット状に切られる。スリット状切れ目を利用して該バりBRを簡単に取り除けるからである。成形を終えたシートパッド5で、開口部50を形成するシートパッド裏面52側の開口縁又は開口縁寄りの部位で、図9のように前記隙間が狭まって当接Tするようにすると、より一層好ましくなる。バリ跡がシートパッド裏面52側の開口部下縁50bにでき、目立たなくなるからである。
斯かる発泡型1を用いて、シートパッド5が例えば以下のように製造される。
まず、発泡型1を型開状態とする(図4)。この型開状態下で、下型型面21に発泡原料gを必要量注入する。発泡原料gが下型型面21の中央付近に注がれても、発泡原料gが主型面22上を流れ、図6(イ)のように窪み25内へ流入していく。こうして、窪み25に発泡原料gを溜める。
次に、ヒンジ4を中心に上型3を回動させて型閉じする。既述のごとく、開口部50にあたる下型2の型面部位に窪み25を有し、また上型3には型閉じで該窪み25に入り込む凸部35を形成している。したがって、型閉じに伴い、該窪み25に凸部35が入り込み、その窪み25に溜まった発泡原料gがあふれ出る。凸部35が窪み25に入り込むと、窪み25に溜まっていた発泡原料gは逃げ場を失いあふれ出し、先端部分5bのキャビティC2側へと向かう。
ここで、発泡型1には、型閉じ下で、凸部35のうち、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側面36、すなわち窪み25に入り込んだ凸部35の他端側の側面36と、これと対向する該窪み25の他端側の側壁面26との間に隙間ε1が設けられる(図7)。且つこの隙間ε1の寸法を、凸部35のヒンジ4側に近い一端側の側面37とこれと対向する窪み25の一端側の側壁面27との隙間ε2の寸法よりも小さく設定している。隙間ε1の寸法の方を狭めて、隙間ε1を流れる通液抵抗を大にし、発泡原料gを本体主部用キャビティC1側へ流れ難くしている。そのため、窪み25からあふれ出た発泡原料gが、先端部分5bのキャビティC2側へ効果的に押し出されていく。先端部分用キャビティC2側への発泡原料gの押し出しが円滑に進む。
さらに、前記窪み25は、ヒンジ4から遠のく他端側の面になる側壁面26を、窪み底25bから上面開放口25uへ向けて外方へ傾く上方傾斜面にしている。上型3の型閉めに伴い、図6のように、窪み25で、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側壁面26に、凸部35のうち、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側面36がかすめるようにして、凸部35が窪み底25bへ向けて入り込む構造としている。したがって、型閉じ進行下で、先端部分5bのキャビティC2側への発泡原料gの押し出し移送がより円滑に進む。
詳しくは、図6(イ)で、窪み25に発泡原料gを溜めた後、図6(ロ)のごとく、窪み25のヒンジ4から離れる他端側の側壁面26に、凸部35のヒンジ4から離れる他端側の側面36がかすめるように(又はこするように)して、凸部35が窪み25へ入り込む。それゆえ、窪み25内の発泡原料gが溢れ出る際、これが主型面22の方へ向かうのは阻まれる。窪み25内へ、かくのごとく凸部35が入り込むことによって、該窪み25内に溜まっていた発泡原料gは、本発明が目指す先端域型面23の方へ順調に押し出されるようになる。
特に、水平状態の本体主部5aに対し、図8のように上昇傾斜する先端部分5bを有するサイドシートパッド5であって、先端域型面23が、ほぼ水平に配した主型面22に対し、先端側へ上方に向く上向き傾斜型面23aになる場合、極めて有効となる。型閉じに伴い、図6(イ)から(ハ)へと進み、型閉じが完了すると、窪み25内から押し出された発泡原料gが、重力に逆らってでも、上昇傾斜する先端域型面23へと向かい、図5のごとく先端部分用キャビティC2に必要量の発泡原料gを流入できる。
図5の型閉じ完了後、発泡成形工程に移る。図5の型閉じ状態を所定時間維持し、図1,図2に示す開口部50を有するサイドシートパッド5を発泡成形する。型閉じ過程で、窪み25に凸部35が入り込み、そこに溜まっていた発泡原料gを先端部分5bのキャビティC2側へ押し出しているので、発泡成形段階で、キャビティC2に必要量の発泡原料gが確保されている。かくして、図1,図8のような開口部50が存在しても、その先の先端部分5bに欠肉部分Kが発生しない所望の品質安定したシートパッド5が得られる。
尚、図1,図2中、符号54はベース厚み部分、符号55は表皮を取付けるためのホグリング用吊溝、符号56は長孔、符号57は後輪箇所で、これを逃げるための凹ませ部分、符号58は主部***部分、符号59は先端域の厚肉部分であり、図3〜図5中、符号32は主型面22の上型対応面、符号33は先端域型面23の上型対応面、符号29,39は型合せ面、符号g1は発泡原料gの液面を示す。
このように構成したシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型は、型閉じに伴い、凸部35が窪み25に入り込んで、窪み25に溜まった発泡原料gを先端部分5bのキャビティC2側へ押し出す構造であるので、発泡原料gの必要量を必要先の先端部分5bのキャビティC2側へ簡単且つ円滑に送り込むことができる。開口部50を横切るバイパス部を形成する断面積が小さな通孔内に発泡原料gを通す特許文献1の発明では、先端部分5bに必要な発泡原料gの量が大で、且つ開口部50の両脇の肉厚が薄い図1のようなシートパッド5の場合、困難を極める。発泡原料gを送り込むための外力を加えても、発泡原料gを送り込む際の通孔壁との摩擦抵抗により、先端部分5bに必要量を送り込むのは難しい。
一方、本発明は、型閉じで、凸部35によって窪み25に溜まった発泡原料gを溢れ出させ、先端部分5bのキャビティC2側へ押し出すので、特許文献1のような発泡原料gを送り込む際の通孔壁による摩擦抵抗を考えずに済む。しかも、型閉じに伴ない凸部35が窪み25に入り込み発泡原料gを溢れ出させるのは、その型閉じ力を利用するだけで済むので、新たな外力を要しない。型閉じに進む一連の動きで、且つ必要なタイミングで、窪み25に凸部35が入り込んで発泡原料gの必要量を先端部分用キャビティC2へ円滑に送り込むので、極めて有用なシートパッドの製造方法及びその製造用発泡型になっている。
そして、開口部50を形成する型面部位では、型閉じで窪み25に凸部35が入り込み、両者が嵌合部する形になるので、嵌合部における発泡原料gの余分な材料ロスを極力少なくできる。特許文献1のような立体的バイパス部は存在せず、棒状形をしたそのような材料ロスは発生しない。発泡原料gの有効活用率が高い。
また、ここでは、下型2の主型面22で本体主部5aを形成し、さらに前記窪み25を配設して延在する下型2の先端域型面23で先端部分5bを形成している。該先端域型面23が在る方の下型2の一端側に設けたヒンジ4を支点に開閉する上型3が取付けられている。型閉めに伴い、窪み25で、該ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側壁面26に、凸部35のうち、ヒンジ4から遠のく他端側の面を形成する側面36がかすめるようにして、該凸部35が窪み底25bへ向けて入り込むと、窪み25内に在る発泡原料gの必要量を先端部分用キャビティC2へ、より効果的に押し出すことができる。型閉じ進行で、窪み25内に溜まっていた発泡原料gが押し出される際、他端側の窪み側壁面26に他端側の凸部側面36がかすめると、本体主部用キャビティC1側へ押し出される発泡原料gの流出口が塞がれるからである。
そして、窪み25を形成する壁面のうち、ヒンジ4から遠のく他端側の面になる側壁面26を、窪み底25bから上面開放口25uへ向けて外方へ傾く上方傾斜面にするので、該窪み側壁面26に他端側の凸部側面36がかすめ易い構造に簡単に作製できる。
さらに、型閉じ下、窪み25に入り込んだ凸部35の他端側の側面36とこれと対向する窪み25の他端側の側壁面26との隙間ε1の寸法を、凸部35のヒンジ4側に近い一端側の側面37とこれと対向する窪み25の一端側の側壁面27との隙間ε2の寸法よりも小さく設定すると、型閉じで、窪み25からあふれ出た発泡原料gがより順調に先端部分用キャビティC2へ押し出される。隙間ε2に比べて隙間ε1の方が、通液抵抗が高くなるので、発泡原料gは流れ出易い先端部分用キャビティC2側へと向かう好ましい状態をつくる。
加えて、ほぼ水平に配した主型面22に対し、先端域型面23を、その先端側が上方に向く上向き傾斜型面23aにして、水平配設した本体主部5aに対し先端側が上向く先端部分5bの発泡成形においても、型閉じの進行で、窪み25内から押し出された発泡原料gを、重力に逆らって上昇傾斜する先端域型面23へと向かわせることができる(図5)。型閉じの完了で、先端部分用キャビティC2に必要量の発泡原料gを窪み25内から移動させ溜めることができる。製品品質が安定し、欠肉部分Kが課題であった本サイドシートパッド5のような形状品に、極めて有効となる。
また、シートパッド5を発泡成形した後の開口部50の箇所は、凸部35と窪み25との嵌合による薄膜状バりBRになって現れるので、該バりBRを比較的簡単に取り除ける。特許文献1のごとくバイパス部を一本ずつ切り取らねばならない後加工の苦労はない。
さらに、型閉じで、窪み25に入り込んだ他端側の凸部側面36と他端側の窪み側壁面26との隙間が狭まり、その一部が当接Tすると、発泡成形を終えたシートパッド5の該当接部分Tにスリット状切れ目ができるので、この切れ目からバりBRをごく簡単に取り除ける。
さらにいえば、型閉じした際、図9のごとくシートパッド裏面52側にあたる開口部下縁50bで、他端側の凸部側面36と他端側の窪み側壁面26とが当接Tすると、スリット状切れ目でできるバリ跡がシートパッド裏面52側に現れるので、品質上問題にならない。特許文献1のように、後加工でパイパス部を切断し、さらに切除後の切断処理等をしなければならない作業負担からも解放される。
このように、本シートパッドの製造方法及びその製造用発泡型は、上述した数々の効果を発揮し、多大な効を奏する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。発泡型1,下型2,上型3,窪み25,凸部35,シートパッド5,本体主部5a,先端部分5b等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。実施形態はシートパッド5をサイドシートパッドに適用したが、バックパッドの他、座部用シートクッションにも勿論適用できる。
1 発泡型
2 下型
21 下型型面(型面)
22 主型面
23 先端域型面
25 窪み
26 ヒンジから遠のく他端側の窪み面を形成する側壁面
3 上型
36 ヒンジから遠のく他端側の凸部面を形成する側面
4 ヒンジ
5 シートパッド(サイドシートパッド)
5a 本体主部
5b 先端部分
50 開口部
g 発泡原料
C2 先端部分用キャビティ
ε1,ε2 隙間

Claims (6)

  1. 下型に発泡原料を注入後、型閉じし、続いて、発泡成形させて、本体主部から一端寄りに設けた開口部の先に、先端部分が延在したシートパッドを製造する方法において、
    前記開口部にあたる下型の型面部位に、その開口部に対応する大きさの上面開放口を有する窪みを下方へ向けて形成する一方、上型には型閉じで該窪みに入り込む凸部を形成し、
    下型型面へ発泡原料を注入して該窪みに発泡原料を溜めた後、型閉じに伴い、該窪みに前記凸部が入り込んで、その窪みに溜まった発泡原料を前記先端部分のキャビティ側へ押し出すようにしたことを特徴とするシートパッドの製造方法。
  2. 下型の主型面で前記本体主部を形成し、さらに前記窪みを配設して延在する下型の先端域型面で前記先端部分を形成し、且つ該先端域型面が在る方の下型の一端側に設けたヒンジを支点に開閉する上型が取付けられて、該上型の型閉めに伴い、前記窪みで、該ヒンジから遠のく他端側の面を形成する側壁面に、前記凸部のうち、ヒンジから遠のく他端側の面を形成する側面がかすめるようにして、該凸部が窪み底へ向けて入り込む請求項1記載のシートパッドの製造方法。
  3. ほぼ水平に配した前記主型面に対し、前記先端域型面を、その先端側が上方に向く上向き傾斜型面にして、水平配設した前記本体主部に対し先端側が上向く前記先端部分を形成し、該上向き傾斜型面が在る方の下型の一端側に設けたヒンジを支点に開閉する上型が取付けられた請求項2記載のシートパッドの製造方法。
  4. 前記窪みは、前記ヒンジから遠のく他端側の面になる側壁面が、前記窪み底から前記上面開放口へ向けて外方へ傾く上方傾斜面をなし、且つ型閉じで、該窪みに入り込んだ前記凸部の他端側の側面とこれと対向する該窪みの他端側の側壁面との隙間の寸法を、該凸部の前記ヒンジ側に近い一端側の側面とこれと対向する窪みの一端側の側壁面との隙間の寸法よりも小さく設定した請求項2又は3に記載のシートパッドの製造方法。
  5. 型閉じで、前記窪みに入り込んだ前記凸部の他端側の側面とこれと対向する前記窪みの他端側の側壁面との隙間が狭まり、その一部が少なくとも当接するようにした請求項2乃至4のいずれか1項に記載のシートパッドの製造方法。
  6. 本体主部から一端寄りに設けた開口部の先に、先端部分が延在するシートパッドを製造する発泡型において、
    下型の型面に、前記本体主部を形成する主型面と、前記開口部にあたる下型の型面部位に、その開口部に対応する大きさの上面開放口を有して下方へ向けて凹む窪みと、前記主型面から該窪みを介して延在する前記先端部分用の先端域型面と、を具備し、且つ該上型には型閉じで該窪みに入り込む凸部が設けられて、
    型閉じに伴い、該窪みに該凸部が入り込んで、その窪みに溜まった発泡原料を前記先端部分のキャビティ側へ押し出すようにしたことを特徴とするシートパッドの製造用発泡型。
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