JP4932534B2 - ポリウレタン発泡成形型 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に溝状凹部を有する発泡成形体を成形するための成形型に関し、特に自動車等に設置される座席シートを構成し、同シートの座部となるシートクッションや背もたれ部となるシートバックの成形に用いる発泡成形型に関する。
図11に示すように、自動車用の座席シートの座部を構成するシートクッション10のクッションパッドとして、ポリウレタン原料を用いて発泡成形されたクッションパッド11が用いられている。このクッションパッド11の表面には、前後方向溝部13aと車幅方向溝部13bとによって平面視H字状に溝部が形成されているものがあり、その溝部を挟んで隣り合う部分、例えば前側座部12と左右の側部15との硬度が異なる構成ものがある。このように部分的に硬度が異なるいわゆる異硬度クッションパッドの形成方法にはいくつかの方法があり、そのひとつに発泡成形型の下型底面を仕切りにより区画し、その区画された隣合う部分にそれぞれが異なる配合のポリウレタン原料を注入するものがある。この仕切りはクッションパッド11の全高に亘る必要はないが、仕切りを設けることにより、異なる配合のポリウレタン原料が混合状態とならず、異硬度のものを明確に区画することができる。この仕切りは発泡成形型の一部である突条部として一体形成されても、別の板状体を組み込んだものであっても、どちらでもよい。(特許文献1)
また、発泡成形型に空気抜き溝を形成し、ポリウレタンの発泡圧を利用して、空気抜き溝から型内に閉じ込められた空気を流出させ、その際の空気圧力で表皮材の一部にポリウレタン原料を意図的に滲みこませて、硬化したポリウレタンにより部分的に硬度を上げる異硬度クッションパッドの成形法がある。(特許文献2)
一方、異硬度クッションパッドであるか否かを問わず、クッションパッドの表面形状の凹凸曲面によっては、その表面を覆う表皮材がクッションパッド表面から部分的に浮き上がることがある。この浮き上がりをなくし表皮材をクッションパッドに沿わせて装着するためには、部分的に表面材をパッドの内部へ引き付けることが必要で、その引き付け具を通すためにクッションパッドに溝状凹部を形成し利用することがある。(特許文献3)
特開2001−70083号公報 特開昭54−133570号公報 実開昭61−77900号公報
異なる配合のポリウレタン原料を所定の領域に注入し発泡させて異硬度クッションパッドを得る特許文献1の従来技術においては、成形条件によっては空気や発泡に伴って発生されるガス(以下空気等とする)を巻き込むことがあり、発泡成形品に欠肉部等が形成される不具合がある。種々目的で配合されたウレタン原料には成形型の形状や大きさに見合った注入量や下型への注入パターンに適切な条件があるが、複数の形状・寸法の発泡成形型が混載される成形ラインでは、適切とはいえない条件を採用せざるを得ない場合がある。特に低密度のウレタン原料の注入においては、注入量が少ないため注入時間が短く、ある程度の時間を要する注入パターンは採用し難く適切な注入形態には成りえないことが多い。これを解決するためには、ポリウレタン原料の注入機を各々の発泡成形型用に対応して設置することが考えられるが、これは設備上困難である。
そのような適切とはいえない条件下で注入され発泡されて欠肉部が形成される現象を図12(a)(b)を用いて説明する。注入されたポリウレタン原料は下型の中央底面33上を注入点から外側に広がって行く。適切とはいえない成形条件下では一点注入であることが多く、一点注入されたポリウレタン原料はほぼ同心円状に広がって行く。このとき注入されたポリウレタン原料は発泡過程において粘度が高まり始め、前後方向突条部21a、車幅方向突条部21bおよび中央底面33で形成される隅部23に到達する頃には空気等を隅部23に封じ込めてしまう。その結果、隅部23では発泡体で満たされない空間ができ、図12(b)に示すように発泡体25に欠肉部14が形成される。
また、表皮材の一部にポリウレタン原料を意図的に滲みこませて、硬化したポリウレタンにより部分的に硬度を上げる特許文献2の従来技術の異硬度クッションパッドの成形法においては、欠肉部の形成を防止できたとしても、硬度は異なるものの表面の感触に違和感が生じる別の問題が起きる。また、表皮材が通気性を具えていても、ポリウレタンが滲み込んだ部分は通気性が低下する。
一方、クッションパッドの表面を覆う表皮材の部分的浮上がりを防止するため、部分的に表面材をパッドの内部へ引き付けることが必要であるが、その引き付け具を通すために特許文献3の技術のように形成された溝部についても、欠肉等の問題が同様に起きる。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消して、発泡成形型の下型に一部が交差する突条部を形成しクッションパッド表面に互いに交差する溝条凹部を成形しても、その交差部に臨む発泡体の角に欠肉部が形成されることを防止できるポリウレタン発泡体成形用の発泡成形型を提供することにある。
上記問題点を解決すために、請求項1に記載のポリウレタン発泡成形型の発明は、ポリウレタン発泡体の表面に交差する溝状凹部を成形するため、交差する突条部を下型底面に設けた発泡成形型において、前記突条部の根元に該突条部に沿って延びるとともに、前記突条部の交差部において交差する溝を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポリウレタン発泡成形型において、前記溝が前記下型のパーティング面まで延長されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のポリウレタン発泡成形型において、前記突条部が、発泡成形型の下型底面に組み込まれる板状突条体であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のポリウレタン発泡成形型において前記板状突条体が、前記下型底面の下方で厚さを厚くする厚さ変移部を有し、該厚さ変移部で前記溝の一部を形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4に記載のうちいずれか一項に記載のポリウレタン発泡成形型において前記交差する突条部で形成される交差部に、前記突条部の根元の溝に連なり前記突条部の上端に至る溝を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5に記載のうちいずれか一項に記載のポリウレタン発泡成形型において前記溝が前記突条部の両側面のうち、前記交差する突条部で形成される交差部を含む側面の根元に形成されていることを特徴とする。
(作用)
本発明においては、発泡成形型の下型底面に立設された突条部の根元に溝が形成されているので、注入されたポリウレタン原料が根元部に到達し空気等の上方への逃げ場を塞いだとしても、空気等は溝を伝って速やかにポリウレタン原料が覆わない下型中央底面の他部へ排出される。そのため、突条部根元の空気等は交差する突条部と中央底面とで形成される隅部に集められることなく拡散される。また、比較的粘度が低い状態でポリウレタン原料が突条部根元に到達する成形条件では、ポリウレタン原料は、溝を伝うことで下型中央底面の他部よりも速く流れ、全体的に流れ速度を上げて発泡反応前に交差する突条部と中央底面とで形成される隅部に到達する。そのため、中央底面全体を覆ったポリウレタン原料は空気等を巻き込むこともなく発泡し膨張する。従って、隅部に閉じ込められた空気等により発泡体に欠肉部ができることはない。
本発明によれば、異硬度クッションパッド成形において配合の異なる注入原料の混合を防ぐため、またクッションパッドの表面に表皮材を引き込むため、等における溝状凹部を形成してもその表面側に欠肉部が発生することを防ぐことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を自動車の座席シートのクッションパッドを成形する発泡成形型に具体化した第1の実施形態を図1〜図8を用いて説明する。なお、この第1実施形態で成形されたクッションパッド11は、背景技術において説明されたクッションパッド11とほぼ同じ構成のものであり、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
即ち、図5は自動車のシートの座部となるシートクッションのクッションパッド11を示し、図11に示すクッションパッド11の構成と同様の構成であり、欠肉部14が存在しない点が異なる。ただし、後述の説明から明らかになるが、根元部溝の断面形状および寸法によってはクッションパッド11の表面の凹状溝部の縁に凸部が形成されることがあるが、この凸部は図示を省略する。
図1は発泡成形型の下型30に平面視H字形に設けた突条部を示す斜視図、図2は発泡成形型の下型30の突条部が交差する部分の根元付近を示す斜視図である。
図1に示す発泡成形型の下型30の大部分は従来技術の異硬度クッションパッド成形用の発泡成形型と同一であり、クッションパッド11に前後方向溝部13aと車幅方向溝部13bを形成するための突条部が、左右一対の前後方向突条部21aと車幅方向突条部21bとによって平面視略H字形に配置されている。また、その略H字形の前後方向突条部21aと車幅方向突条部21bにより下型30の底面は前後一対の中央底面33と左右一対の側底面34とに仕切られている。本実施形態における突条部はアルミ合金などで作製された下型30と一体形成されている。本図においては、本発明の実施形態である突条部21の根元に設けられる溝は、後側の斜面35上に延長してパーティング面に連なる溝として示した。
図2に示すように、前後方向突条部21aと車幅方向突条部21bとは交差部24を形成すると共に、前後方向突条部21aの内側面22aと中央底面33とが交差する前後方向突条部21aの根元部にはその前後方向突条部21aに沿って延びる根元部溝26が形成されている。また、車幅方向突条部21bの内側面22bと中央底面33とが交差する車幅方向突条部21bの根元部にもこの車幅方向突条部21bに沿って延びる根元部溝26が形成されている。根元部溝26は前後方向突条部21aと車幅方向突条部21bとの交差部において前後方向突条部21aと車幅方向突条部21bとの交差と同様に交差している。更に上記前後方向突条部21aの根元部にある根元部溝26は、図1に示すように型面の後側の斜面35上を延長されてパーティング面30aに連なっている。図1には図示していないが、前側の斜面35にも根元部溝26をパーティング面30aに連なるように設けている。本実施形態では根元部溝26の断面形状をV字形としている。なお、図4において、40は成形型の上型を示す。
次に図3〜図7によって本実施形態による発泡成形型を用いた発泡成形およびそのときのポリウレタン原料の挙動について本実施形態の作用に関連して説明する。
図3において、H1は中央底面33にポリウレタン原料を注入する注入用ヘッドの位置を示し、H2は側底面34にポリウレタン原料を注入する注入用ヘッドの位置を示す。昨今の成形ラインにおいては必ずしも複数本の注入用ヘッドを用いず、注入用ヘッドは1本のみで、異なる配合のポリウレタン原料を注入する場合が多い。また本図においてH1は二ヶ所に描かれているが、これは二点間を移動しながら注入している様子を示している。ただし、本実施形態においては、このように移動しながらの注入を採用できない成形条件の際に特に効果を発揮する。
図4は上型40が閉じられた発泡成形型内で所要箇所に注入されたポリウレタン原料が発泡しキャビティーを充満した状態を示す。所要の硬化時間を経て脱型された発泡体であるクッションパッド11を図5に示す。
図6は、下型30の前後方向突条部21a、車幅方向突条部21bおよび中央底面33で形成される隅部23に向かって、中央底面33の一点に注入されたポリウレタン原料が流れ至る途中の状況を模擬的に示す図である。また本図では、注入されたポリウレタン原料がその粘度を高めないうちに隅部23付近に到達する成形条件における状況を示している。図6において、前後方向突条部21aや車幅方向突条部21bの根元部の根元部溝26を流れる(黒矢印で示す)ポリウレタン原料は他の中央底面33上を流れる(白抜き矢印で示す)ものより速く流れる。そのためポリウレタン原料の前線41はその全域がほとんど同時か根元部溝26付近の前線41が多少速く隅部23に到達することになり、クリームタイムを経て発泡が進む前に中央底面33全体がポリウレタン原料で覆われることになる。そのような状態では、発泡による膨張が全体的にほとんど一様に進み、一部に空気等を封じ込めることが起こり難く、従って発泡体の欠肉も発生し難い。
断面形状を略V字形として示した根元部溝26の寸法は、注入されたポリウレタン原料がその粘度を高めない内に隅部23付近に到達する上記成形条件においては、その幅を3〜5mm、深さを5〜15mmの範囲で適宜選択すればよい。この範囲より幅を狭くした場合や、深さを浅くした場合はポリウレタン原料の流れる速度を速める効果が得られ難く、幅を広くした場合や深さを深くした場合は速度を速める効果よりもクッションパッド11に突起部が現れる不具合が問題となる。この突起部を後加工で切除するとしても、廃棄される部分の再利用が難しいため材料の無駄遣いになるからである。更に、根元部溝26が深すぎると成形型の清掃を頻繁に念入りに行わなければならないという無駄につながる。
図7(a)〜(d)は図6の場合と違って、隅部23に向かって中央底面33の一点に注入されたポリウレタン原料が流れ至る途中で早期に発泡が始まり、原料の粘度が高まる成形条件における状況を模擬的に示す図である。注入され流れ広まるポリウレタン原料の前線42の突端は、下型30の中央底面33よりも高い位置にある。ポリウレタン原料が流れる広がる際に発泡圧がその流れを後押しするが、中央底面33に接する部分ではブレーキがかかり、結果として前線42の突端は流れ方向に対してオーバーハング状態となる高さに現れる。そのオーバーハングの状態は、ポリウレタン原料の発泡反応が進むに従いより顕著に現れる。
図7(d)は中央底面33を流れるポリウレタン原料の先端部付近を示し、二点鎖線で示す仮想線は中央底面33全体を覆ったポリウレタン原料が発泡反応によって一様に上方へ膨張するときの外形線を示す。
図7(c)は前後方向突条部21aの根元付近に近づいたポリウレタン原料の先端部を示す。先端部が本図の左方へ移動するに伴い、空間部43の空気が上方と根元部溝26へ逃げる様子を矢印で示している。
図7(b)は図7(c)で示したポリウレタン原料先端部が前後方向突条部21aまで到達し発泡の進行に伴い先端部の高さが増した状態を示している。ここでは根元部溝26に発泡体が入り込んでいない状態を示したが、成形条件によっては発泡圧の作用で発泡体が根元部溝26に一部入り込む場合もある。しかし、発泡途中のポリウレタン原料は、完全に根元部溝26を塞ぐことがない。本実施形態では、図1に示すように、根元部溝26が延長されて斜面35にも溝を形成し、パーティング面30aに連なっているので、根元部溝26内へ追い込まれた空気等は、根元部溝26を伝ってパーティング面30aまで排出される。
図7においても根元部溝26の断面形状を略V字形としたが、その寸法は、注入されたポリウレタン原料の発泡反応が始まりその粘度を高めつつ隅部23付近に到達する上記成形条件においては、その幅を2〜3mm、深さを1〜5mmの範囲で適宜選択されればよい。幅を2mmより狭くした場合は、根元部溝26内に離型剤が残ることがあり、成形型の清掃でもそれを除去し難く、空気等が移動する通路を塞ぐことになり好ましくない。また、幅を3mmより広くした場合、発泡体が発泡圧により溝内に入りやすく、空気等が移動する通路を塞ぐことになり好ましくない。また、深さを1mmより浅くした場合は、空気等が移動する通路としての溝とはならず、深さを5mmより深くしても空気等が移動する通路としては何ら問題はないが、繰り返される成形によって蓄積した離型剤等が塊となって成形された発泡体に付着することもあり好ましくない。
シートクッション10には通気性等を付与するため別体のポリウレタン発泡体シート16等を座面(上面)の所定位置に貼着する場合がある。そのようなとき、根元部溝26の断面形状および寸法は、図10に示すように根元部溝26で形成された突起部17をポリウレタン発泡体シート16の貼着の位置決めとするため、的確に位置決めできるものを採用すればよい。
上記実施形態のポリウレタン発泡成形型によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前後方向突条部21aおよび車幅方向突条部21bの根元に前後方向突条部21aおよび車幅方向突条部21b沿って根元部溝26を設けたので、成形型の中央底面33に注入された発泡前のポリウレタン原料は、中央底面33を流れ広がる際に、根元部溝26においては他の中央底面33の位置よりも速く流れる。従って、ポリウレタン原料は、全体的に流れる速度を上げたことになり、クリームタイムを経て発泡反応が進む前に隅部23に到達することができる。そのため中央底面33の全面をポリウレタン原料が覆ってから、発泡による膨張がほとんど一様に進むため、空気等を隅部23に閉じ込めることはなく、発泡体における欠肉部形成を阻止できる。
(2)上記実施形態では、前後方向突条部21aおよび車幅方向突条部21bの根元に根元部溝26を設けている。中央底面33に注入されてクリームタイムを経て粘度が高まり始めたポリウレタン原料は、中央底面33を流れ広がる際に、その前線部に空気等を抱え込むような状態になる。ところが、前後方向突条部21aや車幅方向突条部21bの根元に到達した前線部の周囲の空気等は閉じ込められることなく根元部溝26を伝ってパーティング面30aから放出される。従って従来技術とは異なり突条部の根元の空気等が隅部23に集まることがない。そのため発泡体における欠肉部形成を阻止できる。
(3)上記実施形態では、根元部溝26が延長されて斜面35にも溝が形成されているので、斜面35が中央底面33に対して直角に近い角度で形成されている場合などにおいても、根元部溝26の空気等は延長された溝を伝ってパーティング面30aまで逃げることができる。そのため発泡体における欠肉部形成を阻止できる。
(4)上記実施形態では、根元部溝26によって形成されたクッションパッド11の表面の突起部17を、ポリウレタン発泡体シート16を貼着する際の位置決めとして用いることができる。そのため、ポリウレタン発泡体シート16等を所定の位置に容易に位置決めできるので、シートクッション10としての品質を一定に保つことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を自動車の座席シートのクッションパッドを成形する発泡成形型に具体化した第2の実施形態を図8を用いて説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の前後方向突条部21aの内側面22aと車幅方向突条部21bの内側面22bとが交差する交差部24に、根元部溝26に連なり交差部24の上端に至る交差部溝27を追加した構成である。そのため、前記第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)この第2の実施形態では、隅部23に空気等が囲い込まれることが仮にあったとしても、空気等は隅部23に囲い込まれる前に交差部溝27を伝って上方へ逃げることが可能となる。そのため空気溜りができず、発泡体に欠肉部が形成されることをより確実に防止し得る。
(第3の実施形態)
次に、本発明を自動車の座席シートのクッションパッドを成形する発泡成形型に具体化した第3の実施形態を図9を用いて説明する。なお、第3の実施形態は、第1または第2の実施形態の前後方向突条部21aや車幅方向突条部21bを形成するための構成を変更したことのみが異なるため、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図9(a)に示すように、別体に形成された長尺の板状突条体50が下型30に設けられた取付溝56にボルトで固定されている。図示するように板状突条体50は中央底面33の上部に位置する突条上部51と取付溝56内に位置する突条下部52とを一体に有している。突条下部52は厚さ変移部54において厚さを厚くし突条上部51よりも厚くなっている。厚さ変移部54は、中央底面33付近に位置している。そして取付溝56の上端開口部の斜面と厚さ変移部54の両側面との間に根元部溝26を形成している。
また、取付溝56と突条下部52との嵌合部53は、その嵌め合いをわずかな隙間が介在された隙間嵌めにすれば、その隙間はポリウレタン原料は通さず空気等のみを通過させる流路となる。
従って、第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)上記第3実施形態では、取付溝56と突条下部52との嵌合部53の嵌め合いを隙間嵌めにすれば、ポリウレタン原料は通さず空気等のみを通過させる流路とすることができる。逃げ場を失って根元部溝26内に滞留した空気等が嵌合部53の隙間から抜けるので、クッションパッド11の欠肉部形成を防止することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・根元部溝26の断面形状を各実施形態では略V字形として示したが、例えば第3実施形態において図9(b)(c)に示すように根元部溝26を略U字形であっても、略長方形であっても、その他の形状にしてもよい。
・図9(a)における本実施形態では、厚さ変移部54を設ける実施形態を示したが、厚さ変移部54を設けず、取付溝56の上端部のみに切欠き部を設け根元部溝26としてもよいことはいうまでもない。
・前記各実施形態では本発明を自動車のシートクッションのクッションパッドに具体化したが、本発明は、シートバックに適用されることはもとより、自動車のシート以外のポリウレタン発泡体に適用される。発泡成形された発泡体表面に一部が交差する溝を有するものであれば、本発明の効果を発揮する。
本発明を具体化したポリウレタン発泡成形型の下型を示す斜視図。 本発明の第1実施形態を示す部分斜視図。 本発明を具体化した発泡成形型を用いた成形の原料注入状態を示す断面図。 本発明を具体化した発泡成形型を用いた成形の型開き前の状態を示す断面図。 本発明を具体化した発泡成形型による発泡成形品を示す斜視図。 本発明を具体化した発泡成形型におけるポリウレタン原料の流れ等を示す模擬図。 (a)は本発明を具体化した発泡成形型におけるポリウレタン原料の流れ等を示す模擬図、(b)〜(d)はそれぞれ同図(a)のA−A線、B−B線、C−C線の断面図。 本発明の第2実施形態を示す部分斜視図。 (a)は本発明を具体化した第3実施形態を示す部分断面図、(b)、(c)はそれぞれ変形例を示す断面図。 本発明の発泡成形型による発泡成形品の効果の一例を示す断面図。 従来技術における発泡成形品を示す斜視図。 (a)(b)は従来技術において発泡体に欠肉部が形成された模様を示す部分斜視図。
符号の説明
10…シートクッション、11…クッションパッド、14…欠肉部、21…突条部、21a…前後方向突条部、21b…車幅方向突条部、22a…側壁、22b…側壁、23…隅部、24…交差部、25…発泡体、26…根元部溝、27…交差部溝、30…下型、30a…パーティング面、33…中央底面、34…側底面、35…斜面、41…先端線、42…先端点、43…空間部、50…板状突条体、51…突条上部、52…突条下部、54…厚さ変移部、56…取付溝

Claims (6)

  1. ポリウレタン発泡体の表面に交差する溝状凹部を成形するため、交差する突条部を下型底面に設けた発泡成形型において、前記突条部の根元に突条部に沿って延びるとともに、前記突条部の交差部において交差する溝を設けたことを特徴とするポリウレタン発泡成形型。
  2. 前記溝は前記下型のパーティング面まで延長されていることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン発泡成形型。
  3. 前記突条部は、前記発泡成形型の下型底面に組み込まれた板状突条体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン発泡成形型。
  4. 前記板状突条体は、前記下型底面の下方で厚さを厚くする厚さ変移部を有し、該厚さ変移部で前記溝の一部を形成することを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン発泡成形型。
  5. 前記交差する突条部で形成される交差部に、前記突条部の根元の溝に連なり前記突条部の上端に至る溝を設けたことを特徴とする請求項1ないし4に記載のうちのいずれか一項に記載のポリウレタン発泡成形型。
  6. 前記溝は、前記突条部の両側面のうち、前記交差する突条部で形成される交差部を含む側面の根元に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載のうちのいずれか一項に記載のポリウレタン発泡成形型。
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